JP3296612B2 - 印刷版載置台の位置決め方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は印刷版焼付装置等へ供給
する印刷版を搭載する印刷版載置台を所定の位置に位置
決めするための印刷版載置台の位置決め方法及び装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】新聞輪転機等に使用される印刷版（以下
「ＰＳ版」と言う）は、アルミニウム等の基材へ感光材
料が塗布されており、焼付装置で画像が露光された後に
現像されて輪転機へ供給されるようになっている。

【０００３】一般に、このＰＳ版は多数枚が水平あるい
は傾斜した状態で積層されて印刷版載置台（以下「スキ
ッド」と言う）へ搭載され固定梱包されている。このよ
うに梱包されたＰＳ版は、スキッドと共に印刷版製作会
社から新聞社等のユーザへと送られ、このスキッドを焼
付装置の装填部へ配置して、スキッドに搭載されている
ＰＳ版を最上層から順に印刷版焼付装置へ供給するよう
になっている。通常、一台のスキッドには、同一サイズ
のＰＳ版が搭載されている。

【０００４】印刷版焼付装置におけるＰＳ版への焼付工
程では、原稿サイズに応じてＰＳ版のサイズを選定する
ようになっている。このため、ユーザは多種類のＰＳ版
の中から最適なサイズのものを選択して印刷版焼付装置
へ供給している。

【０００５】一方、ＰＳ版への焼付工程の自動化のニー
ズに伴って、印刷版焼付装置にそれぞれに異なるサイズ
のＰＳ版を多数枚（例えば５００枚〜１０００枚）搭載
した複数のスキッドを装填しておく方法が検討されてい
る。印刷版焼付装置には、装填されているスキッドの中
から所望のサイズのＰＳ版が選択されて供給される。

【０００６】スキッドからＰＳ版を取り出して印刷版焼
付装置へ供給するためのＰＳ版供給装置には、スキッド
を所定の位置に位置決めして装填しなければならない。
このスキッドをＰＳ版供給装置へ位置決めする際は、例
えば、スキッドに設けられた複数の溝状の凹部と、これ
らの溝状の凹部の各々と対向する突出部とを所定の位置
で係合させて行う方法が用いられている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、１台の
スキッドに多数枚のＰＳ版を搭載した場合、ＰＳ版の重
量もさることながら、このＰＳ版の重量に耐えうるよう
にスキッド自体も強固となり重量が増加している。この
ため、従来用いられているスキッドの位置決め装置で
は、スキッドとＰＳ版との重量のために、正確に動作す
ることができないと言う問題がある。特に複数の溝と突
出部とを係合させる場合、溝と突出部との間に寸法誤差
があると正規な状態で係合しないために、スキッド全体
の重量によってこれらの部品が破損してしまう恐れがあ
る。

【０００８】本発明は上記事実を考慮してなされたもの
で、簡単な構造で多数枚の印刷版を搭載して印刷版載置
台が重くなっても正確に位置決めすることができる印刷
版載置台の位置決め方法及び印刷版載置台の位置決め装
置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の印刷版載置台の
位置決め方法は、多数枚の印刷版が搭載された印刷版載
置台を装填部に位置決めする印刷版載置台の位置決め方
法であって、多角錐状の凹部が形成された第１のブロッ
ク状部材及び該第１のブロック状部材の凹部に収容可能
な転がり部材を備えた第１の位置決め手段と、第２の位
置決め手段と、による２箇所で前記印刷版載置台を支持
するときに、前記第１のブロック状部材又は前記転がり
部材のいずれか一方を前記印刷版載置台に配置し、第１
のブロック状部材又は転がり部材のいずれか他方を前記
装填部に配置した前記第１の位置決め手段によって前記
印刷版載置台を前記装填部の所定位置で第１の位置決め
手段を中心とした回転方向へ移動可能に支持し、前記第
２の位置決め手段によって前記第１の位置決め手段によ
る支持位置を中心とする回転方向の移動を制限して支持
することにより前記装填部の所定の位置に位置決めする
ことを特徴とする。

【００１０】本発明の請求項２に係る印刷版載置台の位
置決め装置は、多数枚の印刷版を搭載した印刷版載置台
を装填部に位置決めして支持する印刷版載置台の位置決
め装置であって、多角錐状の凹部が形成された第１のブ
ロック状部材及び該第１のブロック状部材の凹部に収容
可能な転がり部材を備え、前記第１のブロック状部材又
は前記転がり部材のいずれか一方が前記印刷版載置台に
配置し、前記装填部に配置した第１のブロック状部材又
は転がり部材の何れか他方との間で前記印刷版載置台を
装填部の所定の位置で回転方向に移動可能に支持する第
１の位置決め手段と、対となる一方が前記印刷版載置台
に設けられ他方が前記装填部に設けられて互いに対向す
るように配置されることにより前記第１の位置決め手段
と共に印刷版載置台を略水平状態で支持しかつ第１の位
置決め手段の支持位置を中心とする回転方向への移動を
所定の位置で制限する第２の位置決め手段と、を有する
ことを特徴とする。

【００１１】

【００１２】本発明の請求項３に係る印刷版載置台の位
置決め装置は、請求項２の印刷版載置台の位置決め装置
であって、前記第２の位置決め手段が前記第１の位置決
め手段方向に沿ってかつ対向する傾斜面によって形成さ
れた溝状の凹部を備えた第２のブロック状部材と、該第
２のブロック状部材の凹部に収容可能な転がり部材によ
って構成され、前記第２のブロック状部材又は転がり部
材の何れか一方を前記印刷版載置台に配置し、前記第２
のブロック状部材又は転がり部材の何れか他方を前記装
填部に配置していることを特徴とする。

【００１３】本発明の請求項４に係る印刷版載置台の位
置決め装置は、請求項２の印刷版載置台の位置決め装置
であって、前記第１の位置決め手段及び前記第２の位置
決め手段が、それぞれ、多角錐状の凹部が形成された第
１のブロック状部材と、該第１のブロック状部材の凹部
に収容可能な転がり部材によって構成され、第１及び第
２の位置決め手段のそれぞれにおいて、前記第１のブロ
ック状部材又は前記転がり部材のいずれか一方が前記印
刷版載置台に配置され、第１のブロック状部材又は転が
り部材の何れか他方が前記装填部に配置されていること
を特徴とする。

【００１４】

【作用】上記記載の本発明の印刷版載置台の位置決め方
法によれば、印刷版載置台を第１の位置決め手段と第２
の位置決め手段の２箇所で支持する。このとき、第１の
位置決め手段として、多角錐状の凹部が形成された第１
のブロック状部材と、このブロック状部材の凹部に収容
可能な転がり部材によって構成し、第１のブロック状部
材又は転がり部材の何れか一方を印刷版載置台に設け他
方を装填部に設けて、第１のブロック状部材の多角錐状
の凹部内に転がり部材が入り込むことにより、転がり部
材が印刷版載置台の自重によって、凹部内を中心位置ま
で相対移動して停止するようにする。第１の位置決め手
段は、このようにして印刷版載置台の１箇所を装填部の
所定の位置に位置決めしたとき、この位置を中心に印刷
版載置台を回転可能なように支持している。第２の位置
決め手段は、第１の位置決め手段によって位置決めされ
た箇所を中心にして回転方向の移動を所定の位置で制限
しながら印刷版載置台を支持する。これによって、印刷
版載置台を装填部の所定の位置で位置決めすることがで
きる。

【００１５】第１の位置決め手段及び第２の位置決め手
段は、印刷版載置台と緊密に係合して印刷版載置台を所
定の位置に位置決めするのではなく、それぞれ異なる方
向に印刷版載置台が移動可能なように所定の許容範囲を
持って印刷版載置台を位置決めするようにできる。

【００１６】本発明の印刷版載置台の位置決め装置は、
第１の位置決め手段と第２の位置決め手段の２箇所で印
刷版載置台を略水平状態で支持する。このとき、第１の
位置決め手段として、多角錐状の凹部が形成された第１
のブロック状部材と、このブロック状部材の凹部に収容
可能な転がり部材によって構成し、第１のブロック状部
材又は転がり部材の何れか一方を印刷版載置台に設け他
方を装填部に設けて、第１のブロック状部材の多角錐状
の凹部内に転がり部材が入り込むことにより、転がり部
材が印刷版載置台の自重によって、凹部内を中心位置ま
で相対移動して停止する。このときに、第１の位置決め
手段は、装填部の所定位置で印刷版載置台を所定の１箇
所で回転可能に支持するのみとし、また、一方が印刷版
載置台に設けられ他方が装填部に設けられた第２の位置
決め手段は、第１の位置決め手段によって回転可能に支
持されている印刷版載置台の回転方向の移動を所定の位
置で制限している。このように、第１の位置決め手段及
び第２の位置決め手段がそれぞれ緊密に係合して印刷版
載置台を位置決めするのではなく、それぞれに印刷版載
置台が移動可能な範囲があるため、例えば印刷版載置台
の重量によって破損等の生じることのない位置決め手段
を形成することができる。

【００１７】

【００１８】本発明の請求項３に記載の印刷版載置台の
位置決め装置は、第２の位置決め手段を、溝状の凹部が
形成された第２のブロック状部材と、この溝状の凹部に
挿入可能な転がり部材と、によって構成している。第２
の位置決め手段は、第２のブロック状部材又は転がり部
材の何れか一方が印刷版載置台に設けられ第２のブロッ
ク状部材又は転がり部材のいずれか他方が装填部に設け
られて、第２のブロック状部材の凹部に転がり部材が挿
入されると、この転がり部材が溝状の凹部の傾斜面に沿
って移動し、互いに対向する傾斜面に当接した状態で印
刷版載置台を支持する。

【００１９】これによって、印刷版載置台は第２のブロ
ック状部材の溝方向と直交する方向への移動が制限され
る。また、転がり部材は、第２のブロック状部材の溝方
向に沿っては移動可能であるが、この溝方向を第１の位
置決め手段へ向かう方向であるため、この溝方向の移動
を第１の位置決め手段によって規制され、第１の位置決
め手段との間で印刷版載置台を装填部に位置決めする。

【００２０】第１の位置決め手段における第１のブロッ
ク状部材と転がり部材、第２の位置決め手段における第
２のブロック状部材と転がり部材は、何れか一方を印刷
版載置台の位置決め装置に設けておけばよく、対向する
他方を印刷版載置台に設けておき、第１の位置決め手段
と第２の位置決め手段によって印刷版載置台を支持した
ときに、それぞれが印刷版載置台の自重によって印刷版
載置台を所定の位置へ相対的に移動させると共に、互い
がそれぞれ異なる方向への印刷版載置台の移動を制限す
ることによって、確実に印刷版載置台を所定の位置に位
置決めすることができる。

【００２１】また、本発明の請求項４に記載の印刷版載
置台の位置決め装置は、第１及び第２の位置決め手段
を、多角錐状の凹部が形成された第１のブロック状部材
とこの第１のブロック状部材に収容可能な転がり部材に
よって構成し、第１及び第２の位置決め手段のそれぞれ
において、第１のブロック状部材又は転がり部材のいず
れか一方が印刷版載置台に設けられ、第１のブロック状
部材又は転がり部材の何れか他方が装填部設けられてい
る。これによって、印刷版載置台が第１及び第２の位置
決め手段によって２箇所で支持されたとき、一方の位置
決め手段を中心とした回転方向の移動を他方の位置決め
手段が制限して、装填部の所定の位置に印刷版載置台を
位置決めすることができる。

【００２２】

【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。

【００２３】図１に示されるように印刷版載置台である
スキッド１０は、多数枚の印刷版（以下「ＰＳ版１２」
と言う）を積層して搭載し、印刷版載置台の位置決め装
置が構成された装填部５０へ装填されるようになってい
る。スキッド１０は、多数枚（例えば７５０枚）のＰＳ
版１２を搭載することができるようになっている。尚、
各図に示される矢印Ｗ方向はスキッド１０の幅方向と
し、矢印Ｆ方向はスキッド１０の縦方向としている。

【００２４】図１に示されるように、スキッド１０は、
厚板の基台１４上に搭載部１６が設けられている。ま
た、この基台１４の下部には、縦方向（矢印Ｆ方向）の
両端に、幅方向（矢印Ｗ方向）の中央部及び両端部に脚
部１８が配設されている。これらの脚部１８の下側は、
敷板２０によって連結され、また、縦方向内方には、断
面形状が略Ｌ字状の支え部材３６が基台１４の下面との
間に接合されている。

【００２５】スキッド１０は、保管される場合、脚部１
８によって床面へ支持され、敷板２０及び支え部材３６
により、脚部１８がスキッド１０及び搭載していＰＳ版
１２の荷重を受けても変形することがないようになって
いる。

【００２６】基台１４の下面には、各々の前記支え部材
３６の内方に当て部材３８が各々固着されている。基台
１４の下面には、スキッド１０を移動させる際、フォー
クリフトの一対のフォーク４０が挿入されるが、スキッ
ド１０の幅方向の外側から挿入された場合に一対のフォ
ーク４０が当て部材３８に各々当接するようになってい
る。このとき、一対のフォーク４０の近傍に支え部材３
６が位置して、フォーク４０の挿入位置を規制するよう
になっている。また、一対のフォーク４０は、脚部１８
の間からも基台１４の下面へ挿入可能とされている。こ
の場合、一対のフォーク４０は、基台１４の下面に直接
当接するようになっており、このときは、脚部１８が一
対のフォーク４０の挿入位置を規制するようになってい
る。これによって、スキッド１０は重心の位置が偏るこ
となくフォーク４０によって持ち上げることができるよ
うになっている。

【００２７】基台１４の上面に設けられた搭載部１６
は、背板２２と支持板２４とを備えている。図２にも示
されるように、背板２２は、基台１４の上面に僅かに傾
斜（例えば垂直に対して１５度）されて立設されてい
る。支持板２４は、背板２２の基台１４側の端部に背板
２２と直角をなすように僅かに上方へ向けられて突出さ
れている。また、背板２２及び支持板２４と基台１４の
上面との間には、支持部材２６、２８が各々の介在さ
れ、背板２２の基台１４側の面には、複数の柱部３０が
備えられ、背板２２及び支持板２４を強固に支持してい
る。

【００２８】これによって、スキッド１０は、搭載部１
６に多数枚のＰＳ版１２を搭載可能となっており、か
つ、背板２２を傾斜させることによって、ＰＳ版１２の
搭載量に拘らず重心が基台１４の略中心上に位置するよ
うになっている。

【００２９】搭載部１６に搭載されるＰＳ版１２は、外
周の一端が支持板２４に当接され、背板２２に立て掛け
られた状態で、背板２２の傾斜面（以下「搭載面」と言
う）３２に沿わせて積層される。また、背板２２の搭載
面３２と最下層のＰＳ版１２との間には、ＰＳ版１２の
版面保護のために、ボール紙等の当て紙３３が介在され
る。尚、積層されるＰＳ版１２の版面同志の摩擦に対す
る保護のために、合い紙等を挟んでもよい。

【００３０】このように多数枚のＰＳ版１２を搭載した
スキッド１０は、ＰＳ版１２を図示しない防湿紙に包ん
だ後、プラスチック又は木製（例えば厚さ１０mmのベニ
ヤ板等）の天板３４をＰＳ版１２の上方に重ね、図示し
ないベルトを横方向又は縦方向に巻き掛けて梱包され
る。また、次に説明する装填部５０へ装填した後、この
ベルト、天板３４及び防湿紙が取り除かれるようになっ
ている。

【００３１】装填部５０はＦ方向に複数台所定間隔をお
いて配置され（図示省略）、複数台のスキッド１０が同
時に装填可能とされている。この装填部５０には、ＰＳ
版１４を図示しない版材焼付装置に供給する供給装置
（図示省略）が隣接して設けられ、スキッド１０のＰＳ
版１２を最上層から順に取り出して版材焼付装置へ供給
することができるようになっている。

【００３２】図３に示されるように装填部５０は、矢印
Ｈ方向を長手方向とする長尺矩形状のステージ５２に備
えられている。このステージ５２は、図示しないアンカ
ーボルト等によって床面Ｇに固定されている。また、ス
テージ５２には、幅方向（図中の矢印Ｗ方向）の一端側
から、幅方向に沿って矩形状の切り込みが形成され、ス
キッド１０の装填口５４が形成されている。

【００３３】装填口５４の幅方向側の端部の開口５６
は、ステージ５２の幅方向の中間部から徐々に広げら
れ、ガイド面５８が形成されている。また、装填口５４
のガイド面５８の奥側は側壁６０及び奥壁６２が形成さ
れている。互いに対向する側壁６０の間隔は、スキッド
１０の縦方向寸法より僅かに広くされている。また、開
口５６と奥壁６２との間隔は、大版サイズのＰＳ版１２
を搭載するスキッド１０の幅方向に沿った寸法と略同じ
とされている。

【００３４】スキッド１０は開口５６から、フォーク４
０によって運ばれて開口５６から装填口５４へ挿入され
るようになっている。このとき、開口５６を徐々に狭め
るガイド面５８によって、スキッド１０が互いに対向す
る側壁６０の間に案内される。

【００３５】側壁６０の床面Ｇ側には、ボールキャスタ
６４が配設されている。ボールキャスタ６４は側壁６０
の近傍に、側壁６０に沿って複数配置されたベース６６
上に取付けられており、上面にスキッド１０の敷板２０
が当接可能となっている。開口５６から装填口５４に挿
入されるスキッド１０は、このボールキャスタ６４によ
って、ステージ５２の内方へスムーズに案内される。

【００３６】奥壁６２の略中央部には、ストッパー７０
が配設されている。ストッパー７０は、その突出部７０
Ａが緩衝器の機能も備えており、奥壁６２の近傍まで挿
入されたスキッド１０が当接すると、このスキッド１０
を緩やかに移動させながら停止させるようになってい
る。

【００３７】図４にも示されるように、装填口５４の中
央部には、ステージ５２の幅方向に沿ってベースプレー
ト７２が、床面Ｇに取り付けられている。このベースプ
レート７２には、ステージ５２の幅方向に沿った両端に
それぞれ、第１の位置決め手段、第２の位置決め手段の
一方を構成する転がり部材として、ボールキャスタ７
４、７６が配設されている。図５及び図６に示されるよ
うに、ボールキャスタ７４、７６は、ベースプレート７
２の上面に固定されたブラケット７８にスチールボール
７８Ａの一部が回転自在に収容され、一部がブラケット
７８から突出されている。なお、本実施例に使用してい
るボールキャスタ６４、７４、７６としては、例えば
（株）栃木屋、タキゲン製造（株）、スガツネ工業
（株）等から製造販売されているもの、あるいはこれら
と同等品のものを適用することができる。

【００３８】一方、図３及び図４に示されるように、ス
キッド１０の基台１４の底面には、ボールキャスタ７
４、７６の各々に対応する第１の位置決め手段を構成す
る第１のブロック状部材としてのブロック８０、及び第
２の位置決め手段を構成する第２のブロック状部材とし
てのブロック８２が設けられている。これらのブロック
８０、８２は基台１４の縦方向の中央部に幅方向に沿っ
た両端部で脚部１８の間に配設されている。

【００３９】図５に示されるように、装填口５４の奥壁
６２側のボールキャスタ７４に対応するブロック８０
は、ボールキャスタ７４に対応する側の面（下面）に
は、四角錐状の凹部８０Ａが形成されている。また、図
６に示されるように、装填口５４の開口５６側のボール
キャスタ７６に対応するブロック８２には、ボールキャ
スタ７６側の面に、三角溝８２Ａによって凹部が形成さ
れている。この三角溝８２Ａの頂部８２Ｂは、スキッド
１０の幅方向に沿って設けられ、頂部８２Ｂの延長線上
には、ブロック８０の頂点８０Ｂが位置されている。

【００４０】図３及び図４に示されるように、装填口５
４に挿入されて停止したスキッド１０のブロック８０の
凹部８０Ａには、ボールキャスタ７４が当接するように
なっている。このとき、スキッド１０の重量がブロック
８０とボールキャスタ７４に作用すると、ボールキャス
タ７４が凹部８０Ａの傾斜に沿って頂点８０Ｂへ相対移
動して、凹部８０Ａの中心位置で停止してスキッド１０
を支持するようになっている。

【００４１】これと共に、ボールキャスタ７６はブロッ
ク８２の三角溝８２Ａ内に収容され、ボールキャスタ７
６がスキッド１０の重量によって三角溝８２Ａの傾斜に
沿って頂部８２Ｂへ移動する。これによって、スキッド
１０は、ブロック８０とボールキャスタ７４によって支
持された位置を中心に矢印Ａ方向に沿って回転しながら
ブロック８２の三角溝８２Ａの頂部８２Ｂとボールキャ
スタ７６の中心が対向した位置で停止するようになって
いる。このようにして、スキッド１０の装填部５０に対
する位置決めが行われるようになっている。

【００４２】この状態で、スキッド１０は、ボールキャ
スタ７４、７６とこれに対応するブロック８０、８２に
よってその重量が支えられて基台１４が略水平状態とな
る。このとき、スキッド１０が傾斜しようとすると、ボ
ールキャスタ６４が敷板２０に当接して、スキッド１０
の傾斜を阻止するようになっている。

【００４３】装填部５０に、ボールキャスタ７４、７６
とブロック８０、８２とによって位置決めされたスキッ
ド１０からは、図示しないＰＳ版供給装置によって、搭
載されたＰＳ版１２をその最上層から順に版材焼付装置
に供給可能とされる。

【００４４】次に、本実施例の作用を説明する。スキッ
ド１０の搭載部１６には、支持板２４に一端が当接され
たＰＳ版１２が背板２２に立てかけられて搭載面３２に
積層されている。このスキッド１０は、基台１４の下方
にフォークリフト等の運搬手段のフォーク４０が挿入さ
れて支持され運搬される。また、スキッド１０を保管す
る場合、床面Ｇへ複数の脚部１８によって支持された状
態で行われる。

【００４５】このスキッド１０は、ブロック８２側から
スキッド１０の幅方向に沿って一対のフォーク４０が挿
入されて持ち上げられて運搬され、開口５６から装填口
５４へ挿入される。このとき、スキッド１０は、敷板２
０がボールキャスタ６４の僅かに上方を移動するように
して側壁６０の間を奥壁６２へ向けて挿入され、ストッ
パー７０に当接させられる。これによって、スキッド１
０は、ストッパー７０によって緩やかに停止させられ
る。

【００４６】このようにして挿入されて停止されたスキ
ッド１０は、ブロック８０、８２のそれぞれの下方にボ
ールキャスタ７４、７６が位置されている。この位置
で、スキッド１０を下降させると、ブロック８０、８２
の凹部８０Ａ、８２Ａ内にボールキャスタ７４、７６が
入り込んで、凹部８０Ａ、８２Ａの内部の傾斜面に当接
し、フォーク４０によって支持されていたスキッド１０
が、ブロック８０、８２とボールキャスタ７４、７６に
よって支持される。

【００４７】これによって、ブッロク８０とボールキャ
スタ７４との間にスキッド１０の加重が作用して、ボー
ルキャスタ７４は、ブッロク８０の四角錐状の凹部８０
Ａの傾斜に沿って相対移動し、ボールキャスタ７４の中
心が凹部８０Ａの頂点８０Ｂに位置し、スキッド１０の
１箇所がブロック８０の凹部８０Ａにボールキャスタ７
４が当接して位置決めされる。これと共に、ブロック８
２の三角溝８２Ａの傾斜面とボールキャスタ７６が当接
しており、ボールキャスタ７６は、三角溝８２Ａの傾斜
に沿って相対移動して、中心が頂部８２Ｂに対向した位
置で停止する。これによって、スキッド１０は、ブッロ
ク８０の頂点８０Ｂを中心とした回転方向の移動が、ブ
ロック８２の三角溝８０Ａの頂部８０Ｂによって阻止さ
れて位置決めされる。

【００４８】このブッロク８０、８２による位置決め
は、ブロック８０によって正確に１箇所の位置を決定
し、ブロック８２によって、その位置を中心とした回転
方向（図３に示される矢印Ａ方向）の位置のみを決定し
ている。このため、ブロック８０、８２の間の距離と、
ボールキャスタ７４、７６の中心間の距離に誤差が生じ
ていても、ブロック８０を基点として正確に位置決めを
行うことができる。なお、ブロック８０、８２間の距離
がボールキャスタ７４、７６間の距離と正確に合ってい
る場合、ブロック８２にも三角溝８２Ａの代わりに四角
錐状の凹部８０Ａを形成してもよい。

【００４９】このようにして、スキッド１０をボールキ
ャスタ７４、７６とブロック８０、８２の間で支持して
位置決めすることによって、スキッド１０が装填部５０
に対して位置決めされ、スキッド１０に搭載しているＰ
Ｓ版１２が装填部５０の所定の位置に配置される。この
後、スキッド１０から図示しないＰＳ版供給装置によっ
てＰＳ版１２が１枚づつ取り出されて焼付装置に供給さ
れる。このとき、スキッド１０は、ＰＳ版１２を立てか
けた背板２２が傾斜されているため、ＰＳ版１２の残量
が少なくなっても殆ど重心位置が移動することなく、ブ
ロック８０、８２とボールキャスタ７４、７６の間で略
水平状態で支持される。

【００５０】このように、位置決め手段として凹部８０
Ａが形成されたブロック８０、三角溝８２Ａが形成され
たブロック８２及びボールキャスタ７４、７６を用いて
いるため、それぞれ簡単な構造で強固に製作することが
でき、多数枚のＰＳ版１２を搭載したスキッド１０であ
っても、確実に支持することができると共にスキッド１
０の全体の重量が作用しても破損することがない。

【００５１】なお、本実施例では、第１の位置決め手段
となるブロック８０を奥壁６２側のボールキャスタ７４
に対向させたが、ブロック８０を開口５６側のボールキ
ャスタ７６に対向させる構成であってもよく、また、ブ
ロック８０、８２を装填部５０側に設け、スキッド１０
にボールキャスタ７４、７６を設けるようにしてもよ
い。また、本実施例では、第１の位置決め手段となるブ
ロック８０に四角錐状の凹部、第２の位置決め手段とな
るブロック８５２に三角溝８２Ａによっての凹部を形成
しているが、これに限定するものではなく、それぞれに
多角錐状、溝状の凹部を形成していればよい。

【００５２】さらに、本実施例では、印刷版載置台とし
てＰＳ版１２を背板２２に立てかけた状態で傾斜させて
搭載するスキッド１０を適用したが、印刷版載置台の形
状はこれに限定するものではなく、ＰＳ版１２を水平状
態で積層する、所謂、平積みの印刷版載置台の適用も可
能である。

【００５３】

【発明の効果】以上説明した如く本発明の印刷版載置台
の位置決め方法によれば、印刷版載置台の１箇所を回転
可能に支持すると共に、もう１箇所で印刷版載置台の回
転方向の移動を制限して位置決めするため、重量のかさ
んだ印刷版載置台であっても位置決めが容易である。

【００５４】また、本発明の印刷版載置台の位置決め装
置では、第１の位置決め手段と第２の位置決め手段が、
各々異なる方向へ印刷版を移動可能にした状態で支持し
て位置決めするため、第１及び第２の位置決め手段を単
純な構成でかつ強固にすることができるため、これらの
位置決め手段が印刷版載置台の重さによって破損するこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に適用したスキッドの斜視図である。

【図２】本実施例に適用したスキッドの側面図である。

【図３】本実施例に適用したスキッドの位置決め装置の
要部斜視図である。

【図４】本実施例に適用したスキッドの要部正面図であ
る。

【図５】本実施例のスキッドの一方の位置決めを示す要
部正面図である。

【図６】本実施例のスキッドの他方の位置決めを示す要
部正面図である。

【符号の説明】

１０ スキッド（印刷版載置台） １２ ＰＳ版（印刷版） ５０ 装填部 ７４ ボールキャスタ（位置決め装置、第１の位置決
め手段） ７６ ボールキャスタ（位置決め装置、第２の位置決
め手段） ８０ ブロック（位置決め装置、第１の位置決め手
段） ８２ ブロック（位置決め装置、第２の位置決め手
段））

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03F 7/20 - 7/24 G03F 9/00 - 9/02

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数枚の印刷版が搭載された印刷版載置
   台を装填部に位置決めする印刷版載置台の位置決め方法
   であって、 多角錐状の凹部が形成された第１のブロック状部材及び
   該第１のブロック状部材の凹部に収容可能な転がり部材
   を備えた第１の位置決め手段と、第２の位置決め手段
   と、による２箇所で前記印刷版載置台を支持するとき
   に、前記第１のブロック状部材又は前記転がり部材のい
   ずれか一方を前記印刷版載置台に配置し、第１のブロッ
   ク状部材又は転がり部材のいずれか他方を前記装填部に
   配置した前記第１の位置決め手段によって前記印刷版載
   置台を前記装填部の所定位置で第１の位置決め手段を中
   心とした回転方向へ移動可能に支持し、前記第２の位置
   決め手段によって前記第１の位置決め手段による支持位
   置を中心とする回転方向の移動を制限して支持すること
   により前記装填部の所定の位置に位置決めすることを特
   徴とする印刷版載置台の位置決め方法。
2. 【請求項２】 多数枚の印刷版を搭載した印刷版載置台
   を装填部に位置決めして支持する印刷版載置台の位置決
   め装置であって、 多角錐状の凹部が形成された第１のブロック状部材及び
   該第１のブロック状部材の凹部に収容可能な転がり部材
   を備え、前記第１のブロック状部材又は前記転がり部材
   のいずれか一方が前記印刷版載置台に配置し、前記装填
   部に配置した第１のブロック状部材又は転がり部材の何
   れか他方との間で前記印刷版載置台を装填部の所定の位
   置で回転方向に移動可能に支持する第１の位置決め手段
   と、 対となる一方が前記印刷版載置台に設けられ他方が前記
   装填部に設けられて互いに対向するように配置されるこ
   とにより前記第１の位置決め手段と共に印刷版載置台を
   略水平状態で支持しかつ第１の位置決め手段の支持位置
   を中心とする回転方向への移動を所定の位置で制限する
   第２の位置決め手段と、を有することを特徴とする印刷
   版載置台の位置決め装置。
3. 【請求項３】 前記第２の位置決め手段が前記第１の位
   置決め手段方向に沿ってかつ対向する傾斜面によって形
   成された溝状の凹部を備えた第２のブロック状部材と、
   該第２のブロック状部材の凹部に収容可能な転がり部材
   によって構成され、前記第２のブロック状部材又は転が
   り部材の何れか一方を前記印刷版載置台に配置し、前記
   第２のブロック状部材又は転がり部材の何れか他方を前
   記装填部に配置していることを特徴とする請求項２に記
   載の印刷版載置台の位置決め装置。
4. 【請求項４】 前記第１の位置決め手段及び前記第２の
   位置決め手段が、それぞれ、多角錐状の凹部が形成され
   た第１のブロック状部材と、該第１のブロック状部材の
   凹部に収容可能な転がり部材によって構成され、第１及
   び第２の位置決め手段のそれぞれにおいて、前記第１の
   ブロック状部材又は前記転がり部材のいずれか一方が前
   記印刷版載置台に配置され、第１のブロック状部材又は
   転がり部材の何れか他方が前記装填部に配置されている
   ことを特徴とする請求項２の印刷版載置台の位置決め装
   置。