JP3296352B2 - 光電変換装置、固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

光電変換装置、固体撮像装置およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換装置、お
よびそれを用いた固体撮像装置とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】CCD型固体撮像装置には、その動作モ
ードで分類すると、インターライン転送方式とフレーム
転送方式(またはフルフレーム型転送方式)とがある。
インターライン転送型の固体撮像装置では、各画素部が
PN接合からなり、N型領域の上方に形成された絶縁膜
を通して光が入射する。また、各画素列に隣接して垂直
電荷転送部が形成され、光電変換部に蓄積された信号電
荷が垂直電荷転送部に転送される。そして、垂直電荷転
送部の内容が順次水平電荷転送部に転送、出力される。
【0003】一方、フレーム転送型の固体撮像装置で
は、電荷転送部を兼ねる光電変換部と蓄積部と水平電荷
転送部に分かれており、光電変換部に蓄積された信号電
荷は垂直ブランキング期間内に蓄積部に転送され、その
後、蓄積部の信号が水平電荷転送部に順次読み出され
る。蓄積部からの読み出し期間中、光電変換部は次の信
号電荷を蓄積している。したがって、フレーム転送型固
体撮像装置の光電変換部に用いるCCDには、転送ゲー
トをなす透明電極を通して光が入射され、光電変換が行
われる。なお、フルフレーム転送方式の固体撮像装置
は、光電変換部と水平転送部とを備えており、水平転送
部へ蓄積電荷を転送する際には機械的シャッター等を用
いて入射光を遮断する必要がある。一方、フレーム転送
方式の固体撮像装置は、光電変換部と蓄積部と水平転送
部とを備えており、光電変換部に蓄積された電荷は一括
して高速で蓄積部に転送される。蓄積部は遮光されてい
るので、蓄積部に蓄積された画像情報は次の画像情報を
光電変換部に蓄積するまでの間に転送を完了すればよい
ため、機械式シャッター等により光を遮断する必要はな
い。
【0004】図11は従来のフレーム転送型固体撮像装
置の光電変換部の転送方向に対して垂直な箇所の断面構
造の一例を示す図である。この固体撮像装置の場合、P
型シリコン基板50上に、光電変換領域51をなすN型
領域52が形成されるとともに、隣接する光電変換領域
51同士を分離するチャネルストップ領域53をなすP
+型領域54が形成されている。また、基板50上に絶
縁層55を介して透明電極56が形成され、透明電極5
6上には平坦化層57が形成されている。
【0005】上記構造の固体撮像装置を製造する際に
は、まず、図12(a)に示すように、P型シリコン基
板50上にN型領域52、P+型領域54をそれぞれ形
成し、絶縁層55を形成した後、例えば多結晶シリコン
膜を全面に形成した後、多結晶シリコン膜を線状にパタ
ーニングして長く延びる透明電極56を形成する。その
後、図12(b)に示すように、透明電極56を覆うよ
うにシリコン酸化膜等からなる平坦化層57を形成す
る。
【0006】この固体撮像装置においては、光が平坦化
層57、透明電極56、絶縁層55を通してP型シリコ
ン基板50内に入射され、光電変換領域51のN型領域
52内で光電変換が行われ、信号電荷が蓄積される。そ
して、複数の透明電極56にパルスが与えられることに
より蓄積された信号電荷が紙面の垂直方向に順次転送さ
れていく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の固体撮像装置には次のような問題点があった。それ
は、透明電極を厚く形成した場合においては感度が低下
し、薄く形成した場合には転送効率や転送電荷量の低下
を招くという問題点である。さらに、解像度の点でも不
満足であった。
【0008】なぜならば、上記従来の固体撮像装置では
多結晶シリコン等からなる透明電極がどの部分も等しい
膜厚に形成されているが、透明電極部分の配線抵抗を下
げようとすると透明電極の膜厚を厚くすることが考えら
れる。ところが、透明電極の膜厚を厚くした場合、透明
電極に入射された光が内部で乱反射する分が多くなり、
光の透過率が低下するために感度が低下する。そこで、
感度の向上を重視して透明電極を薄くすると、今度は配
線抵抗が増大してパルスなまり等の問題が生じ、転送効
率や転送電荷量が低下する。また、図11に示した構造
からすると、チャネルストップ領域にも透明電極を介し
て光が入射されるが、光の周縁部はチャネルストップ領
域の両側方の光電変換領域に振り分けられて光電変換が
行われるため、解像度が低下するのである。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、転送効率や転送電荷量の低下が生
じることなく、感度や解像度に優れた光電変換装置、固
体撮像装置とその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光電変換装置は、第1導電型の半導体基
板と、前記第1導電型の半導体基板上に形成された第1
の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に形成された透明電極
と、前記透明電極上に形成された第1の反射防止膜と、
前記透明電極と第1の反射防止膜の間に、第3の絶縁膜
を有する。第1導電型半導体基板内には、第2導電型領
域を有する。また、前記透明電極には、所望の電圧を印
加する。更に、第1、第2,第3、第4の絶縁膜のいず
れかがシリコン酸化膜で形成されており、また、第1の
反射防止膜上に第2の絶縁膜を有している。また、第3
の絶縁膜の膜厚は、前記第2の絶縁膜の膜厚より、薄い
ことが好ましく、また、第1の反射防止膜の屈折率が、
前記透明電極の屈折率と、前記第2の絶縁膜の屈折率の
間の屈折率であることが好ましい。更に、第3、第4の
絶縁膜の厚さが50nm以下であることが好ましい。次
に、第1、第2の反射防止膜がシリコン窒化膜、タンタ
ルオキサイド、またはBSTで、前記透明電極は多結晶
シリコンで形成するとよい。また、第1導電型半導体基
板と第1の絶縁膜の間に、第2の反射防止膜を形成し、
第1導電型半導体基板と第2の反射防止膜の間に、第4
の絶縁膜を形成してもよい。また、第4の絶縁膜の膜厚
が、前記第1の絶縁膜の膜厚より、薄いことが好まし
い。更に、第2の反射防止膜の屈折率が、前記第1導電
型半導体基板の屈折率と、前記第1の絶縁膜の屈折率の
間の屈折率であることが好ましい。そして、前記固体撮
像装置の光電変換装置の透明電極が、前記固体撮像装置
の電荷転送電極を兼ねており、前記固体撮像装置の光電
変換装置の第2導電型領域が、前記固体撮像装置の電荷
転送部の埋め込みチャネルを構成する第2導電型領域を
兼ねることが特徴である。前記電荷転送電極のうち、前
記光電変換領域の上方に位置する部分の膜厚が、それ以
外の部分の膜厚よりも薄いことを特徴とし、更に、前記
光電変換領域以外の領域に位置する前記転送電極の上方
に遮光膜が設けられていることを特徴とする。
【0011】本発明の固体撮像装置は、半導体基板上に
多数の光電変換領域と各光電変換領域間と各光電変換領
域間を分離する多数のチャネルストップ領域とが配列さ
れ、前記光電変換領域および前記チャネルストップ領域
の上方にわたって絶縁膜を介して透明電極が設けられた
フレーム転送型またはフルフレーム転送型の固体撮像装
置において、前記透明電極表面の少なくとも前記光電変
換領域の上方に位置する箇所に第1の反射防止膜が設け
られたことを特徴とするものである。
【0012】本発明の他の固体撮像装置は、半導体基板
上に多数の光電変換領域と各光電変換領域間を分離する
多数のチャネルストップ領域とが配列され、前記光電変
換領域および前記チャネルストップ領域の上方にわたっ
て第1の絶縁膜を介して透明電極が設けられたフレーム
転送型またはフルフレーム転送型の固体撮像装置におい
て、前記透明電極の少なくとも前記光電変換領域の上方
に位置する部分と該透明電極を覆う第2の絶縁膜との間
に、前記透明電極の屈折率と前記第2の絶縁膜の屈折率
との間の屈折率を有する第1の反射防止膜が設けられた
ことを特徴とするものである。
【0013】前記透明電極のうち、前記光電変換領域の
上方に位置する部分の膜厚をそれ以外の部分の膜厚より
も薄くすることが好ましい。さらに、前記透明電極表面
の前記光電変換領域以外の部の上方に位置する箇所に遮
光膜を設けることが好ましい。
【0014】本発明の他の固体撮像装置は、半導体基板
上に多数の光電変換領域と各光電変換領域間を分離する
多数のチャネルストップ領域とが配列され、前記光電変
換領域および前記チャネルストップ領域の上方にわたっ
て絶縁膜を介して透明電極が設けられたフレーム転送型
またはフルフレーム転送型の固体撮像装置において、前
記光電変換領域以外の領域の上方に位置する前記透明電
極の表面に遮光膜が設けられたことを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明のさらに他の固体撮像装置は、半導
体基板上に多数の光電変換領域と各光電変換領域間を分
離する多数のチャネルストップ領域とが配列され、前記
光電変換Rおよび前記チャネルストップ部の上方にわた
って絶縁膜を介して透明電極が設けられたフレーム転送
型またはフルフレーム転送型の固体撮像装置において、
前記透明電極のうち、前記光電変換領域の上方に位置す
る部分の膜厚がそれ以外の部分の膜厚よりも薄いことを
特徴とするものである。
【0016】上記本発明の光電変換装置によれば、透明
電極表面の光電変換領域の上方に位置する箇所に第1の
反射防止膜が設けられているため、第1の反射防止膜を
持たない従来のものと比較して透明電極、絶縁膜を経て
半導体基板表面の光電変換領域に到達する光の量、すな
わち光の透過率が向上する。その結果、感度を向上させ
ることができる。また、第1の反射防止膜として、透明
電極の屈折率と透明電極上の第2の絶縁膜の屈折率との
間の屈折率を有するものを用いると、光の全反射を防止
することができる。
【0017】固体撮像装置においては、上記第1の反射
防止膜を付加したことに加えて、透明電極のうちの光電
変換領域にあたる部分の膜厚をそれ以外の部分の膜厚よ
りも薄くした場合、透明電極における光の透過率がより
向上し、感度をより向上させることができる。逆に言え
ば、光電変換領域以外にあたる部分の透明電極の膜厚は
厚く形成されるため、従来のように透明電極の膜厚をど
の箇所も同じにし、しかも透過率向上の観点から膜厚を
一様に薄くした場合に比べて、配線抵抗を低減すること
ができる。その結果、配線に供給する読み出しパルスの
なまり等が生じることがなく、ひいては転送効率や転送
電荷量の低下を防止することができる。この場合、光電
変換領域にあたる部分の膜厚は、約300nm以下であ
る必要があり、好ましくは150〜250nm程度が適
切である。膜厚が厚くなると、透過率が下がるために感
度が劣化する。このため、膜厚と受光セルの面積はある
比例関係にあり、セルの面積を変えなければ、膜厚を薄
くすることで感度が上がり、感度を一定にすればセルの
面積を小さくすることができる。
【0018】さらに、光電変換領域以外の領域、例えば
チャネルストップ領域にあたる透明電極上に遮光膜を設
けた場合、チャネルストップ領域上に入射する光が遮光
膜により遮光され、任意の光電変換領域に入射される光
が隣接する光電変換領域にも入射されるのを防止するた
め、解像度を向上させることができる。
【0019】なお、具体的な構成材料としては、半導体
基板にはシリコン基板、(第1の)絶縁膜にはシリコン
酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、透明電
極には多結晶シリコン、第1の反射防止膜にはシリコン
窒化膜、シリコン酸化窒化膜、(第2の)絶縁膜にはシ
リコン酸化膜、遮光膜にはチタンシリサイド、タングス
テンシリサイド等の高融点金属のシリサイド膜もしくは
金属膜、等を用いることが可能である。例えば透明電極
に多結晶シリコン、第1の反射防止膜にシリコン窒化膜
やシリコン酸化窒化膜、第2の絶縁膜にシリコン酸化膜
を用いた場合、屈折率が下から順に約5,約2,約1.
45となり、上記の全反射を防止するための条件を満足
する。
【0020】本発明の固体撮像装置の製造方法は、第1
導電型の半導体基板の表面にイオン注入により前記第1
導電型と逆の導電型である第2導電型の光電変換領域を
形成する工程と、前記第2導電型の各光電変換領域間を
分離する第1導電型のチャネルストップ領域を形成する
工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
該絶縁膜上に透明電極を形成する工程と、該透明電極上
の一部または全面に前記透明電極の屈折率よりも小さい
屈折率の第1の反射防止膜を形成する工程とを有するこ
とを特徴とするものである。前記第1の反射防止膜を透
明電極上の一部に形成する場合には、光電変換領域の上
方に位置する箇所に形成することが好ましい。
【0021】本発明の他の固体撮像装置の製造方法は、
第1導電型の半導体基板の表面にイオン注入により前記
第1導電型と逆の導電型である第2導電型の光電変換領
域を形成する工程と、前記第2導電型の各光電変換部間
を分離する第1導電型のチャネルストップ領域を形成す
る工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
と、該絶縁膜上に透明電極を形成する工程と、前記透明
電極のうち前記光電変換領域の上方に位置する部分の一
部または全部をそれ以外の部分より膜厚が薄くなるよう
に除去する工程とを有することを特徴とするものであ
る。さらに、透明電極のうち光電変換領域の上方に位置
する部分の一部または全部をそれ以外の部分より膜厚が
薄くなるように除去する工程の後に、透明電極上の一部
または全面に透明電極の屈折率よりも小さい屈折率の第
1の反射防止膜を形成する工程を設けるとよい。
【0022】本発明の他の固体撮像装置の製造方法は、
第1導電型の半導体基板の表面にイオン注入により前記
第1導電型と逆の導電型である第2導電型の光電変換領
域を形成する工程と、前記第2導電型の各光電変換部間
を分離する第1導電型のチャネルストップ領域を形成す
る工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
と、該絶縁膜上に多結晶シリコンからなる透明電極を形
成する工程と、該透明電極の表面に高融点金属膜を被着
させる工程と、熱処理により前記透明電極の前記高融点
金属膜と接した部分をシリサイド化する工程と、その後
でシリサイド化していない前記高融点金属膜を除去する
工程とを有することを特徴とするものである。
【0023】本発明の他の固体撮像装置の製造方法は、
第1導電型の半導体基板の表面にイオン注入により前記
第1導電型と逆の導電型である第2導電型の光電変換領
域を形成する工程と、前記第2導電型の各光電変換領域
間を分離する第1導電型のチャネルストップ領域を形成
する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
と、該絶縁膜上に多結晶シリコンからなる透明電極を形
成する工程と、該透明電極の表面に高融点金属膜を被着
させる工程と、熱処理により前記透明電極の前記高融点
金属膜と接した部分をシリサイド化する工程と、前記光
電変換部の上方に位置する前記高融点金属膜またはシリ
サイド膜を除去する工程とを有することを特徴とするも
のである。
【0024】なお、上記本発明の製造方法において、第
1の反射防止膜形成工程の後に、透明電極の表面に高融
点金属膜を被着させる工程と、熱処理により前記透明電
極の前記高融点金属膜と接した部分をシリサイド化する
工程と、その後でシリサイド化していない前記高融点金
属膜を除去する工程とを設けてもよい。あるいは、反射
防止膜形成工程の後に、前記透明電極の表面に高融点金
属膜を被着させる工程と、熱処理により前記透明電極の
前記高融点金属膜と接した部分をシリサイド化する工程
と、前記光電変換部の上方に位置する前記高融点金属膜
またはシリサイド膜を除去する工程とを設けてもよい。
【0025】本発明の他の固体撮像装置の製造方法は、
第1導電型の半導体基板の表面にイオン注入により前記
第1導電型と逆の導電型である第2導電型の光電変換領
域を形成する工程と、前記第2導電型の各光電変換領域
間を分離する第1導電型のチャネルストップ領域を形成
する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
と、該絶縁膜上に多結晶シリコンからなる透明電極を形
成する工程と、該透明電極の表面に高融点金属膜を被着
させる工程と、熱処理により前記透明電極の前記高融点
金属膜と接した部分をシリサイド化する工程と、前記光
電変換領域の上方に位置する前記高融点金属膜またはシ
リサイド膜を除去する工程と、前記透明電極表面の前記
光電変換領域の上方に位置する箇所に前記透明電極の屈
折率よりも小さい屈折率の第1の反射防止膜を形成する
工程とを有することを特徴とするものである。
【0026】本発明の他の固体撮像装置の製造方法は、
第1導電型の半導体基板の表面にイオン注入により前記
第1導電型と逆の導電型である第2導電型の光電変換領
域を形成する工程と、前記第2導電型の各光電変換領域
間を分離する第1導電型のチャネルストップ領域を形成
する工程と、前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
と、該絶縁膜上に透明電極を形成する工程と、該透明電
極の表面に金属膜を被着させる工程と、前記光電変換領
域の上方に位置する前記金属膜を除去する工程とを有す
ることを特徴とするものである。
【0027】なお、前記第1の反射防止膜形成工程の後
に、前記透明電極の表面に金属膜を被着させる工程と、
前記光電変換領域の上方に位置する前記金属膜を除去す
る工程とを設けてもよい。また、前記金属膜除去工程の
後に、前記透明電極表面の前記光電変換領域の上方に位
置する箇所に前記透明電極の屈折率よりも小さい屈折率
の反射防止膜を形成する工程を設けてもよい。
【0028】いずれにしても、本発明の固体撮像装置の
製造方法を用いることにより、転送効率や転送電荷量の
低下が生じることなく、感度や解像度に優れた固体撮像
装置を製造することができる。光電変換領域における透
明電極の膜厚の薄い部分、光電変換領域における第1の
反射防止膜、光電変換領域以外の領域における遮光膜の
3つの構成要素を兼ね備えた固体撮像装置の場合、製造
工程としては、透明電極の膜厚の薄い部分の形成、第1
の反射防止膜の形成、遮光膜の形成、の順番を採ること
ができる。もしくは、第1の反射防止膜の形成と遮光膜
の形成の順番は、遮光膜の形成を先に行い、第1の反射
防止膜の形成を後で行うようにしてもよい。
【0029】また、遮光膜の形成に関しては、多結晶シ
リコンからなる透明電極上に高融点金属膜を被着させ、
熱処理により透明電極の高融点金属膜と接した部分をシ
リサイド化し、さらに光電変換領域上の高融点金属膜ま
たはシリサイド膜を除去することにより、シリサイド膜
からなる遮光膜を形成することができる。あるいは、単
に透明電極上に金属膜を被着させ、光電変換領域上の金
属膜を除去することにより、金属膜からなる遮光膜を形
成することも可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照して説明す
る。図1は本実施の形態のフレーム転送方式のCCD型
固体撮像装置の垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域の
構成を示す平面図、図2は透明電極の長手方向に沿って
切断した状態を示す(図1のA−A線に沿う)断面図、
図3は3本の透明電極を横断する方向に沿って切断した
状態を示す(図1のB−B線に沿う)断面図、図4は固
体撮像装置の製造プロセスを示す工程断面図、である。
【0031】本実施の形態のCCD型固体撮像装置の垂
直電荷転送部を兼ねる光電変換領域は、図1に示すよう
に、横方向に延びた透明電極1が複数本形成され、各透
明電極1に沿って多数の垂直電荷転送部を兼ねる光電変
換領域2が形成されるとともに、各垂直電荷転送部を兼
ねる光電変換領域2、2間を分離する多数のチャネルス
トップ領域3が形成されている。
【0032】断面構造としては、図2、図3に示すよう
に、P型シリコン基板4表面にN型不純物が導入された
N型領域5が形成され、この部分が垂直電荷転送部を兼
ねる光電変換領域2となっている。また、透明電極1に
沿って隣接するN型領域5、5間に基板4より高濃度で
P型不純物が導入されたP+型領域6が形成され、この
部分がチャネルストップ領域3となっている。そして、
基板4上に絶縁層7(第1の絶縁層)を介して透明電極
1が形成されている。
【0033】この透明電極1は垂直電荷転送部を兼ねる
光電変換領域2の部分の膜厚がチャネルストップ領域3
の部分の膜厚よりも薄く形成され、さらに、透明電極1
のうち、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2にあた
る膜厚が薄い部分の上に第1の反射防止膜8が形成され
ている。図3に示すように、隣接する3本の透明電極1
の全ての上面に第1の反射防止膜8が形成されている。
そして、これら透明電極1および第1の反射防止膜8を
覆うように平坦化層9(第2の絶縁層)が形成されてい
る。
【0034】本実施の形態の場合、各層の構成材料の一
例として、第1の絶縁層7にシリコン酸化膜、透明電極
1に多結晶シリコン、第1の反射防止膜8にシリコン窒
化膜、平坦化層9にシリコン酸化膜が用いられる。その
場合、透明電極1、第1の反射防止膜8、平坦化層9の
各層の屈折率は、下から順に約5,約2,約1.45と
なる。各層の屈折率は下から順にだんだんと大きくなっ
ていることが望ましい。
【0035】次に、上記構成のCCD型固体撮像装置の
製造方法の一例を図4を用いて説明する。なお、図4
(a)〜(d)は図2と同じ方向から見た断面図であ
る。まず、図4(a)に示すように、P型シリコン基板
4表面にN型領域5、P+型領域6を形成し、それぞれ
垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2、チャネルスト
ップ領域3とする。次いで、全面に絶縁層7となるシリ
コン酸化膜を成膜した後、全面に透明電極の一部となる
多結晶シリコンを300〜600nm程度の膜厚で一旦
成膜し、この多結晶シリコン膜を垂直電荷転送部を兼ね
る光電変換領域の部分を除去し、垂直電荷転送部を兼ね
る光電変換領域以外の部分を残すようにパターニングす
る(符号10の部分)。なお、垂直電荷転送部を兼ねる
光電変換領域以外の部分に残る多結晶シリコンの膜厚
は、抵抗値を下げるためには厚い方が好ましいが、80
0nmよりも厚くなると、加工時に側壁部の形状に問題
が生じる場合がある。したがって、一般的には300〜
600nm程度が適当である。
【0036】次に、図4(b)に示すように、全面に多
結晶シリコンを200nm程度の膜厚で再度成膜するこ
とにより、膜厚が垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域
で薄く、それ以外の部で厚い段差を有する透明電極1を
形成する。
【0037】次に、図4(c)に示すように、全面に第
1の反射防止膜8となる例えばシリコン窒化膜をCVD
法等を用いて50nm程度の膜厚となるように成膜す
る。
【0038】次に、図4(d)に示すように、垂直電荷
転送部を兼ねる光電変換領域にあたる第1の反射防止膜
8(シリコン窒化膜)上にレジストパターン11を形成
した後、レジストパターン11をマスクとしたシリコン
窒化膜のエッチングを行い、レジストパターン11が形
成されていない領域、つまり垂直電荷転送部を兼ねる光
電変換領域以外の領域のシリコン窒化膜を除去する。こ
れにより、透明電極1上の垂直電荷転送部を兼ねる光電
変換領域2にあたる箇所にのみ第1の反射防止膜8を残
す。
【0039】最後に、レジストパターン11を除去した
後、全面に平坦化層9となるシリコン酸化膜を成膜する
ことにより、本実施の形態のCCD型固体撮像装置が完
成する。
【0040】本実施の形態のCCD型固体撮像装置にお
いては、透明電極1表面の垂直電荷転送部を兼ねる光電
変換領域2にあたる箇所に第1の反射防止膜8が形成さ
れているため、第1の反射防止膜を持たない従来のもの
と比較して垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域への光
の透過率が高くなる。これにより、感度を向上させるこ
とができる。また、透明電極1に多結晶シリコン、第1
の反射防止膜8にシリコン窒化膜やシリコン酸化窒化
膜、平坦化層9にシリコン酸化膜を用いているので、屈
折率が下から順に約5,約2,約1.45となり、各層
の界面での全反射が確実に防止され、透過率の向上に寄
与することができる。
【0041】それに加えて、本実施の形態の場合、透明
電極1のうちの垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2
にあたる部分の膜厚がそれ以外の部分の膜厚よりも薄く
なっているので、透明電極1内での乱反射等が防止さ
れ、光の透過率がより向上し、感度をより向上させるこ
とができる。
【0042】また、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領
域2以外にあたる部分の透明電極1の膜厚は厚く形成さ
れているため、透明電極の膜厚をどの箇所も同じにし、
透過率向上のために膜厚を一様に薄くした従来の場合に
比べて、配線抵抗を低減することができる。その結果、
パルスなまり等が生じることがなく、転送効率や転送電
荷量の低下が生じることがない。更に、光電変換領域2
以外の領域には反射防止膜が形成されていないため、全
面に形成するよりも解像度を向上することができる。
【0043】なお、本実施の形態の固体撮像装置の製造
方法においては、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域
2部分の透明電極1を薄くする方法として、垂直電荷転
送部を兼ねる光電変換領域2以外の膜厚を厚くする箇所
に多結晶シリコンのパターンを形成した後、再度全面に
多結晶シリコンを成長させる方法を用いたため、多結晶
シリコンのダメージが少なく、光電変換領域2の光の透
過率を均一に制御しやすいが、この方法に代えて、多結
晶シリコンを初めから厚く成長させ、垂直電荷転送部を
兼ねる光電変換領域の部分を一部エッチングして薄くす
るという方法を採ることもできる。
【0044】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図5、図6を参照して説明する。図5は
本実施の形態のフレーム転送方式のCCD型固体撮像装
置の構成を示す断面図(透明電極の長手方向に沿って切
断した状態)、図6は同、固体撮像装置の製造プロセス
を示す工程断面図、である。ここでは、平面図、透明電
極を横断する方向に沿って切断した断面図については、
第1の実施の形態とほぼ同様であるため、図示を省略す
る。なお、図5、図6において、図2、図4と共通の構
成要素には同一の符号を付す。
【0045】本実施の形態のCCD型固体撮像装置は、
図5に示すように、P型シリコン基板4表面に垂直電荷
転送部を兼ねる光電変換領域2をなすN型領域5が形成
されるとともに、チャネルストップ領域3をなすP+型
領域6が形成されている。また、基板4上に例えばシリ
コン酸化膜からなる絶縁層7(第1の絶縁層)を介して
透明電極1が形成されている。
【0046】この透明電極1は多結晶シリコンにより形
成されており、チャネルストップ領域3の上方にあたる
多結晶シリコンは表面がシリサイド化され、例えばチタ
ンシリサイド、タングステンシリサイド等の高融点金属
のシリサイド層となり、このシリサイド層がチャネルス
トップ領域3の上方を覆う遮光膜12となっている。ま
た、透明電極1上の垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領
域2にあたる部分に第1の反射防止膜8が形成されてい
る。そして、これら第1の反射防止膜8および遮光膜1
2を覆うように平坦化層9(第2の絶縁層)が形成され
ている。本実施の形態の場合も、各層の材料は第1の実
施の形態と同様のものを用いることができる。
【0047】次に、上記構成のCCD型固体撮像装置の
製造方法の一例を図6を用いて説明する。まず、図6
(a)に示すように、P型シリコン基板4表面にN型領
域5、P+型領域6を形成し、それぞれ垂直電荷転送部
を兼ねる光電変換領域2、チャネルストップ領域3とす
る。次いで、全面に絶縁層7となるシリコン酸化膜を成
膜した後、全面に透明電極1となる多結晶シリコンを2
00nm程度の膜厚で成膜する。次いで、全面に第1の
反射防止膜8となる例えばシリコン窒化膜をCVD法等
を用いて50nm程度の膜厚となるように成膜する。
【0048】次に、図6(b)に示すように、垂直電荷
転送部を兼ねる光電変換領域2にあたる第1の反射防止
膜8(シリコン窒化膜)上にレジストパターン11を形
成した後、レジストパターン11をマスクとしたシリコ
ン窒化膜のエッチングを行い、レジストパターン11が
形成されていない領域、つまり垂直電荷転送部を兼ねる
光電変換領域2以外の領域のシリコン窒化膜を除去す
る。これにより、透明電極1上の垂直電荷転送部を兼ね
る光電変換領域2にあたる箇所にのみ第1の反射防止膜
8が形成され、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2
以外の箇所は透明電極1の多結晶シリコンが露出した状
態となる。
【0049】次に、レジストパターン11を除去した
後、図6(c)に示すように、全面にスパッタ法等を用
いてチタン、タングステン等の高融点金属膜13を50
nm程度の膜厚で成膜する。
【0050】次に、例えばAr等の不活性ガス雰囲気
下、温度600℃、時間30分程度の条件で熱処理を行
うと、図6(d)に示すように、透明電極1の多結晶シ
リコンと高融点金属膜13が直接接触した箇所でのみシ
リサイド化反応が生じるため、結果として、チャネルス
トップ領域3の上方にチタンシリサイド、タングステン
シリサイド等の高融点金属のシリサイド層からなる遮光
膜12が形成される。
【0051】最後に、シリサイド化していない高融点金
属膜13を除去した後、全面に平坦化層9となるシリコ
ン酸化膜を成膜することにより、本実施の形態のCCD
型固体撮像装置が完成する。
【0052】本実施の形態のCCD型固体撮像装置にお
いても、透明電極1表面の垂直電荷転送部を兼ねる光電
変換領域2上に第1の反射防止膜8が形成されているた
め、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2への光の透
過率が高くなり、感度が向上する、という第1の実施の
形態と同様の効果を奏することができる。
【0053】また、チャネルストップ領域3にあたる透
明電極1上に遮光膜12が形成されているため、チャネ
ルストップ領域3上に入射する光が遮光膜12により遮
光され、任意の垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2
に入射される光が隣接する垂直電荷転送部を兼ねる光電
変換領域2にも同時に入射されるのを防止するため、従
来の装置に比べて解像度を向上させることができる。
【0054】本実施の形態の場合、チャネルストップ領
域3上方の透明電極表面がシリサイド化されているた
め、この領域においては多結晶シリコン部分の膜厚だけ
見れば垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2よりも薄
くなっている。ところが、チタンシリサイド、タングス
テンシリサイド等の材料は多結晶シリコンよりも比抵抗
が小さいため、このシリサイド層が遮光膜12としての
役目を果たすのみならず、透明電極1が薄くなったこと
による抵抗の増大分を相殺し、さらに単位面積当たりの
比抵抗を小さくするという役目を果たす。その結果、高
い配線抵抗に起因するパルスなまり等の問題が生じるこ
とがなく、転送効率や転送電荷量の低下を防止すること
ができる。
【0055】さらに、本実施の形態の製造方法は、先に
垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域2のみに第1の反
射防止膜8を形成し、全面に高融点金属膜13を成膜し
た後、透明電極1の多結晶シリコンと高融点金属膜13
が直接接触した箇所でのみシリサイド化反応を生じさ
せ、チャネルストップ部3上に選択的に遮光膜12を形
成する方法である。そして、シリサイド層と高融点金属
とのエッチング選択性を利用して、次工程でシリサイド
化していない高融点金属膜13のみを容易に除去するこ
とができる。したがって、高融点金属膜13のパターニ
ング工程が不要であるという点で合理的な製造プロセス
である。
【0056】[第3の実施の形態]以下、本発明の第3
の実施の形態を図7を参照して説明する。図7は本実施
の形態のフレーム転送方式のCCD型固体撮像装置の構
成を示す断面図(透明電極の長手方向に沿って切断した
状態)である。ここでは、平面図、透明電極を横断する
方向に沿って切断した断面図については、第1の実施の
形態とほぼ同様であるため、図示を省略する。なお、図
7において、図2と共通の構成要素には同一の符号を付
す。
【0057】本実施の形態のCCD型固体撮像装置は、
図7に示すように、P型シリコン基板4表面に垂直電荷
転送部を兼ねる光電変換領域2をなすN型領域5が形成
されるとともに、チャネルストップ領域3をなすP+型
領域6が形成されている。また、基板4上に第2の反射
防止膜14が形成され、その第2の反射防止膜14を介
して例えばシリコン酸化膜からなる絶縁層7(第1の絶
縁層)、さらに絶縁膜7を介して透明電極1が形成され
ている。本実施の形態の場合、第1の実施の形態に比
べ、さらに、第2の反射防止膜を設けたことにより、さ
らに光の透過率を向上できるため、感度を向上すること
ができる。また、たとえば、図8のように第1の反射防
止膜8と透明電極1の間、あるいは第2の反射防止膜1
4とシリコン基板4の間に薄いシリコン酸化膜(第3、
第4の絶縁膜)15、16が形成されていてもよい。こ
の場合、第3の実施の形態に比べ、透明電極1と第1の
反射防止膜8、シリコン基板4と第2の反射防止膜14
とのストレスを緩和することができる。
【0058】[第4の実施の形態]図9は、本発明の第
4の実施の形態の固体撮像装置を示す断面図である。図
9に示すように、P型シリコン基板110面にN型不純
物が導入されたN型領域109が形成され、この部分が
光電変換領域となっている。さらにその上部に第4絶縁
膜107を介して第2の反射防止膜が形成され、さらに
その上部に第1の絶縁膜105を介してその上部の一部
に並列に透明電極104が形成されている。さらにその
上部に第3の絶縁膜103を介して第1の反射防止膜1
02が形成されその上部には平坦化も兼ねた第2の絶縁
膜101が形成されている。このような構成により、転
送効率をより向上し、パルスなまりを防止することが可
能である。
【0059】[第5の実施の形態]図10は本発明のフ
ォトカプラにおける受光素子部分の1例である。図10
に示すように、P型シリコン基板210面にN型不純物
が導入されたN型領域209が形成され、この部分が光
電変換領域となっている。さらにその上部に第1の絶縁
膜205を介して、その上部にフォトダイオードの電位
が安定するためのフォトシールド役目を持つ透明電極2
04がグランドに終端されるよう形成されている。さら
にその上部に第1の反射防止膜202が形成されてい
る。反射防止膜上部より入射した光は光電変換領域内で
光電変換される。そして発生した光電流による電位の変
動を検知し外部に出力する。透明電極上に反射防止膜を
形成することにより、透明電極を厚くして抵抗値を下げ
るとともに、光の透過率を向上することが可能である。
また、フォトカプラは、主に単色光を用いるため、光の
波長範囲が狭く、4分の1波長膜を用いることによっ
て、感度の著しい向上を望むことが可能である。フォト
カプラの場合には、受光部以外は遮光膜を兼ねたパッケ
ージ等で覆われているため、外部からの磁場をシールド
するため、受光面だけでなく、全面に反射防止膜を形成
することがより望ましい。このような受光素子はフォト
カプラ等のスイッチング素子に用いられるが、勿論、他
の光電変換装置においても適用可能である。
【0060】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば本発明の最も特徴的な3つの構成要件は、(1)垂
直電荷転送部を兼ねる光電変換領域の透明電極の上方に
反射防止膜を設ける点、(2)垂直電荷転送部を兼ねる
光電変換領域の透明電極と、半導体基板間に反射防止膜
を設ける点、(3)垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領
域の上方に位置する透明電極の膜厚をそれ以外の領域の
膜厚よりも薄くする点、(4)垂直電荷転送部を兼ねる
光電変換領域以外の領域の上方に遮光膜を設ける点、で
ある。これに対して、第1の実施の形態では、(1)お
よび(3)のみを備えた例、第2の実施の形態では、
(1)および(4)のみを備えた例、第3の実施の形態
では(1)、(2)および(3)を示したが、本発明の
固体撮像装置はこれら実施の形態に限るものではなく、
これら全ての要件を兼ね備えていてもよいし、いずれか
一つを備えていてもよい。
【0061】また、上記第2の実施の形態において、遮
光膜を高融点金属のシリサイド膜で形成したが、その
他、金属膜で形成するようにしてもよい。その場合、シ
リサイド化の熱処理工程が不要になるが、全面に金属膜
を成膜した後にパターニングを行い、垂直電荷転送部を
兼ねる光電変換領域にあたる部分を除去する工程が必要
になる。また、第2の実施の形態では、先に第1の反射
防止膜を形成した後、遮光膜を形成したが、パターニン
グにより遮光膜を形成する場合には、先に遮光膜を形成
した後、第1の反射防止膜を形成するという順番でもよ
い。
【0062】さらに、上記実施の形態では、隣接する3
本の透明電極の全ての上面に反射防止膜を形成したが、
フレーム転送型CCD固体撮像装置の駆動方法によって
は、例えば1本の透明電極下のN型領域を垂直電荷転送
部を兼ねる光電変換領域として用い、残りの2本の透明
電極下のN型領域は専ら電荷転送領域として用いること
もある。そのような場合、本発明の固体撮像装置では少
なくとも垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域上にあた
る透明電極のみに第1の反射防止膜を形成するようにし
てもよい。
【0063】また、上記実施の形態で挙げた各層の材料
以外にも種々の材料を用いることができる。例えば、第
1の反射防止膜の材料として、シリコン窒化膜、シリコ
ン酸化窒化膜に代えて、タンタル酸化膜(Ta2
5 )、BST((Ba,Sr)TaO3 )等を用いるこ
とも可能である。なお、上述した実施例では、フレーム
転送型またはフルフレーム転送型固体撮像装置に関して
適用した実施例を示したが、さらに、本発明はこの範疇
に限らず、たとえばCMOS型、あるいはMOS型の固
体撮像装置、フォトカプラ等に用いられる垂直電荷転送
部を兼ねる光電変換領域としても同様にして適用できる
のは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域の上方に
反射防止膜を設けたこと、もしくは透明電極のうちの垂
直電荷転送部を兼ねる光電変換領域部分の膜厚を薄くし
たことにより、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域へ
の光の透過率が向上するため、感度を向上させることが
できる。また、垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域以
外にあたる部分の透明電極の膜厚は厚く形成されること
により、透明電極の膜厚を一様に薄くした従来の場合に
比べて配線抵抗を低減できるため、パルスなまり等が生
じることがなく、転送効率や転送電荷量の低下を防止す
ることができる。さらに、垂直電荷転送部を兼ねる光電
変換領域以外の領域上に遮光膜を設けたことにより、任
意の垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域に入射される
光が隣接する垂直電荷転送部を兼ねる光電変換部にも入
射されるのを防止するため、解像度を向上することがで
きる。さらに、第2の反射防止膜を設けたことにより、
さらに光の透過率を向上できるため、感度を向上するこ
とができる。すなわち、転送効率や転送電荷量の低下が
生じることなく、感度や解像度に優れたフレーム転送型
またはフルフレーム転送型固体撮像装置を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるCCD型固体
撮像装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】同、固体撮像装置の製造プロセスを示す工程断
面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態であるCCD型固体
撮像装置の構成を示す断面図である。
【図6】同、固体撮像装置の製造プロセスを示す工程断
面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態であるCCD型固体
撮像装置の構成を示す断面図である。
【図8】同、固体撮像装置の製造プロセスを示す工程断
面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態であるCCD型固体
撮像装置の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態である光電変換装
置を示す断面図である。
【図11】 従来のフレーム転送方式のCCD型固体撮
像装置の構成の一例を示す断面図である。
【図12】 同、固体撮像装置の製造プロセスを示す工
程断面図である。
【符号の説明】
1 透明電極 2 垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域 3 チャネルストップ領域 4 P型シリコン基板(半導体基板) 5 N型領域 6 P+型領域 7 絶縁層(第1の絶縁層) 8 反射防止膜(第1の反射防止膜) 9 平坦化層(第2の絶縁層) 12 遮光膜 13 高融点金属膜 14 反射防止膜(第2の反射防止膜) 15 絶縁膜(第3の絶縁膜) 16 絶縁膜(第4の絶縁膜) 50 P型シリコン基板(半導体基板) 51 垂直電荷転送部を兼ねる光電変換領域 52 N型領域 53 チャネルストップ領域 54 P+型領域 55 絶縁層 56 透明電極 57 平坦化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−296009(JP,A) 特開 平6−296008(JP,A) 特開 昭63−269567(JP,A) 特開 平11−150262(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14 H01L 27/146 H01L 27/148

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型の半導体基板と、前記第1導電
    型の半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、前記第
    1の絶縁膜上に形成された透明電極と、前記透明電極上
    に形成された第1の反射防止膜と、前記透明電極と前記
    第1の反射防止膜の間に形成された、第3の絶縁膜とを
    有することを特徴とする光電変換装置。
  2. 【請求項2】前記第1導電型半導体基板内であって、前
    記透明電極下に、第2導電型領域を有することを特徴と
    する請求項1記載の光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記透明電極に所望の電圧が印加されて
    いることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記
    載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の反射防止膜上に第2の絶縁膜
    を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    の光電変換装置。
  5. 【請求項5】 前記第3の絶縁膜の膜厚が、前記第2の
    絶縁膜の膜厚より、薄いことを特徴とする請求項4記載
    の光電変換装置。
  6. 【請求項6】前記第3の絶縁膜の厚さが50nm以下であ
    ることを特徴とする請求項1ないし5項のいずれかに
    載の光電変換装置。
  7. 【請求項7】前記第1と第3の絶縁膜のいずれかがシリ
    コン酸化膜であることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかに載の光電変換装置。
  8. 【請求項8】前記第2の絶縁膜がシリコン酸化膜である
    ことを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに載の光
    電変換装置。
  9. 【請求項9】前記第1の反射防止膜の屈折率が、前記透
    明電極の屈折率と、前記第2の絶縁膜の屈折率の間の屈
    折率であることを特徴とする請求項4ないし8のいずれ
    かに記載の光電変換装置。
  10. 【請求項10】前記第1の反射防止膜がシリコン窒化
    膜、タンタルオキサイド、またはBSTであることを特
    徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の光電変換
    装置。
  11. 【請求項11】前記第1導電型半導体基板と第1の絶縁
    膜の間に、第2の反射防止膜を有するとを特徴とする請
    求項1ないし10のいずれかに記載の光電変換装置。
  12. 【請求項12】前記第1導電型半導体基板と第2の反射
    防止膜の間に、第4の絶縁膜を有することを特徴とする
    請求項11に記載の光電変換装置。
  13. 【請求項13】前記第4の絶縁膜の膜厚が、前記第1の
    絶縁膜の膜厚より、薄いことを特徴とする請求項12
    記載の光電変換装置。
  14. 【請求項14】前記第4の絶縁膜の膜厚が50nm以下で
    あることを特徴とする請求項12ないし13のいずれか
    記載の光電変換装置。
  15. 【請求項15】前記第2の反射防止膜の屈折率が、前記
    第1導電型半導体基板の屈折率と、前記第1の絶縁膜の
    屈折率の間の屈折率であることを特徴とする請求項11
    ないし14のいずれかに記載の光電変換装置。
  16. 【請求項16】前記第4の絶縁膜がシリコン酸化膜であ
    ることを特徴とする請求項12ないし15のいずれかに
    記載の光電変換装置。
  17. 【請求項17】前記第2の反射防止膜がシリコン窒化
    膜、タンタルオキサイド、またはBSTであることを特
    徴とする請求項11ないし16のいずれかに記載の光電
    変換装置。
  18. 【請求項18】前記透明電極が、多結晶シリコンで形成
    されていることを特徴とする請求項1ないし17のいず
    れかに記載の光電変換装置。
  19. 【請求項19】前記第1導電型半導体基板上に複数の電
    荷転送領域を兼ねる光電変換領域と、前記光電変換領域
    を分離する複数のチャネルストップ領域とが配列され、
    前記光電変換領域およびチャネルストップ領域の上方に
    わたって絶縁膜を介して電荷転送電極が設けられた固体
    撮像装置において、前記光電変換領域に、請求項1ない
    し18のいずれかに記載の光電変換装置が用いられてい
    ることを特徴とする固体撮像装置。
  20. 【請求項20】前記請求項1ないし18の光電変換装置
    の透明電極が、前記固体撮像装置の電荷転送電極を兼ね
    ることを特徴とする請求項19に記載の固体撮像装置。
  21. 【請求項21】前記請求項2ないし18の光電変換装置
    の第2導電型領域が、前記固体撮像装置の電荷転送部の
    埋め込みチャネルを構成する第2導電型領域を兼ねるこ
    とを特徴とする請求項19または20のいずれかに記載
    の固体撮像装置。
  22. 【請求項22】前記電荷転送電極のうち、前記光電変換
    領域の上方に位置する部分の膜厚 が、前記光電変換領域の間に設けられた前記チャネルス
    トップ領域の上方に位置する部分の膜厚よりも薄いこと
    を特徴とする請求項19ないし21のいずれかに記載の
    固体撮像装置。
  23. 【請求項23】前記光電変換領域以外の領域に位置する
    前記転送電極の上方に遮光膜が設けられていることを特
    徴とする請求項19ないし22のいずれかに記載の固体
    撮像装置。
  24. 【請求項24】第1導電型の半導体基板上に複数の第2
    導電型の光電変換領域を形成する工程と、 前記第2導電型の光電変換領域を分離する領域に第1導
    電型のチャネルストップ領域を形成する工程と、 前記半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、 前記第1の絶縁膜上に透明電極を形成する工程と、 前記透明電極上に第1の反射防止膜を形成する工程と、 前記第1導電型のチャネルストップ領域上の前記第1の
    反射防止膜を除去する工程と、 前記透明電極の表面に高融点金属膜を被着させる工程
    と、 熱処理により前記透明電極の前記高融点金属膜と接した
    部分をシリサイド化する工程と、その後シリサイド化し
    ていない前記高融点金属を除去する工程とを有すること
    を特徴とする固体撮像装置の製造方法。
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