JP3295876B2 - 車輌誘導方法、並びに旋回ゲート装置及び開閉ゲート装置 - Google Patents

車輌誘導方法、並びに旋回ゲート装置及び開閉ゲート装置

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JP3295876B2
JP3295876B2 JP05621199A JP5621199A JP3295876B2 JP 3295876 B2 JP3295876 B2 JP 3295876B2 JP 05621199 A JP05621199 A JP 05621199A JP 5621199 A JP5621199 A JP 5621199A JP 3295876 B2 JP3295876 B2 JP 3295876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、幹線道路や高速道
路等の中央分離帯を有する道路における車輌誘導技術に
関し、更に詳しくは、災害や事故などに基づく交通規制
の際、前記道路上を走行する車輌を安全且つ迅速に対向
車道側へ誘導する車輌誘導方法、並びに旋回ゲート装置
及び開閉ゲート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】災害、事故等の非常事態が発生した場
合、一般道路は勿論、高速道路や幹線道路上を走行する
車輌は、必然的に大渋滞に巻き込まれる。前記幹線道路
や高速道路の多くは、非常時における緊急車輌専用道路
に指定されており、前記の如く非常事態が発生した場合
には、当該道路の各進入口において、警察官その他の誘
導要員による車輌通行止めや料金所ゲートの閉鎖等が行
なわれ、一般車輌の進入が完全に阻止される。しかしな
がら、前記幹線道路や高速道路には通常、走行車輌の対
向車道側への逸脱や移動を防止する防護体が固定された
中央分離帯が設けられており、従って例えば災害地域或
いは事故現場に向かって上り側車道において既に停滞し
ている各車輌は、下り側車道に迂回してUターンするこ
ともできず、前記道路の交通麻痺状態は長期にわたって
継続する。そして、この様な交通麻痺の状態において
は、近隣他府県からの緊急消防消火活動の支援車輌、救
急救援車輌、食料や支援物資輸送車輌、事故処理車輌な
どの緊急車輌が、災害地域又は事故現場へ急行すること
は不可能であり、この救援活動の遅れが被害を拡大させ
る一因となっていた。
【0003】一方、特開平4−213606号公報に
は、図19に示すように道路の中央分離帯500の途中
部に設けられる除去可能な防壁502、502であっ
て、交通事故や交通渋滞の際には、該防壁を道路と平行
に移動させ、一方の車道503aを走行している車輌が
対向車道503b側に出ることのできる通路501を形
成するものが開示されている。この様に、中央分離帯に
通路を形成し、該通路501を介して上記停滞している
車輌を対向車道側へ迂回させれば、交通の麻痺状態を徐
々に解消させることは可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記通路50
1を介して、上り側車道の車輌を下り側車道の交通に安
全且つスムーズに合流させる為には、多くの誘導要員
や、誘導器具、誘導車輌、これら要員及び器具を運搬す
る車輌等の人的、物的要素が、前記通路及びその周辺に
必要であり、事故又は災害が発生してから交通渋滞が起
こる前にこれら誘導を開始することは事実上困難である
とともに、幹線道路や高速道路上での誘導には多大な危
険を伴う。そして、誘導が効果的に為されるまで上り側
車道の混乱は継続することとなり、道路の麻痺状態を迅
速に解消して当該道路を短時間のうちに緊急車輌専用道
路に変換するといった目的を達成するには限界があっ
た。
【0005】本発明は係る現況に鑑み為されたもので、
災害や事故等が発生した際、中央分離帯を有する幹線道
路や高速道路上において前記災害地域又は事故現場等の
規制区域に向かって上り側車道を走行する車輌を、安全
且つ迅速に下り側車道へ誘導することで、当該道路から
一般車輌を迅速に排出し、早急に緊急車輌専用道路に変
換できる車輌誘導技術を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の課題を
解決するにあたり鋭意検討を進めた結果、上述の通路又
はその周辺に駆動手段を有する誘導用装置を設けてお
き、該装置を作動させて通常時の前記通路の閉鎖、災害
又は事故発生に基づく交通規制時の前記通路の開放及び
通行規制、上り側車道の走行規制、及び下り側車道の走
行規制を行なうことで、多数の誘導要員や誘導器具等を
誘導現場へ急行させることなく、上り側車道を走行して
いる車輌が迅速且つ安全に下り側車道側へ誘導され、当
該道路は早急に緊急車輌専用道路に変換されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、道路の中央分離帯適所
に対向車道側へ車輌を通過させる開所を設け、通常時は
駆動手段を有する閉止装置で前記開所を閉鎖しておき、
交通規制の際には、前記閉止装置、又は閉止装置及び別
途設けた規制装置を、遠隔操作若しくは現場操作に基づ
き又は自動的に作動させることにより、規制区域に向か
って上り側の車道における、前記開所の少なくとも1車
輌幅を有する通行部位が進行方向手前側となる位置で、
当該上り側車道の車輌進行を阻止し、以後、前記開所に
おける少なくとも通行部位を開放して、前記上り側車道
で進行阻止された車輌を当該通行部位を介して下り側車
道へ誘導するとともに、下り側車道における前記通行部
位より進行方向手前側の適宜な位置で、当該下り側車道
の車輌進行を阻止する過程と、前記開所における少なく
とも通行部位を閉鎖し、上り側車道で阻止された車輌の
前記下り側車道への通行を阻止するとともに、下り側車
道における車輌の進行阻止の状態を解除する過程とを交
互に行なう車輌誘導方法を提供する。ここに、前記規制
区域とは災害や事故等が発生した方面の区域を指し、一
般車輌の進入が規制される区域をいう。この様な車輌誘
導方法では、駆動手段を有し且つ遠隔操作若しくは現場
操作に基づき又は自動的に作動される閉止装置、又は該
閉止装置以外に別途規制装置を設ける場合には前記閉止
装置及び規制装置により、上り側車道の車輌が安全且つ
効率良く下り側車道へ誘導されるので、災害や事故が発
生した際に、多数の誘導要員や誘導器具等を誘導現場へ
急行させる必要が無く、上記現場操作の場合であっても
1〜2人程度の操作員が誘導現場で簡単な操作をするだ
けで迅速に車輌の誘導及び排出が行なわれ、当該道路は
短時間で緊急車輌専用道路に変換される。また、上記装
置による車輌の誘導は、下り側車道で車輌の進行を阻止
した上で、開所の通行部位を介して上り側車道の車輌を
下り側車道へ誘導する過程と、前記通行部位における車
輌の進行を阻止した上で、下り側車道における車輌の進
行阻止状態を解除する過程とが交互に為されるので、下
り側車道に誘導された車輌が該車道を走行してきた車輌
と接触又は衝突する事故が確実に防止される。
【0008】ここで、前記閉止装置の駆動を道路状況又
は経過時間に応じて制御することで、道路上で阻止され
る車輌の安全性が向上するとともに、交互に為される上
記2つの過程において上り側車道で阻止される車輌及び
下り側車道で阻止される車輌が過度に渋滞することなく
効率良く誘導され、道路上の一般車輌は、より効率良く
短時間で排出される。前記道路状況の具体的な取得手段
としては、例えば上り側車道及び下り側車道の開所に対
して進行方向手前側の適宜な位置に、車輌検出手段又は
速度検出手段を設けることが好ましい。これにより前記
阻止された車輌の渋滞状況や、開所に近づく車輌の走行
状態を認識し、該車輌が減速していることを確認した上
で装置を作動させることも可能となる。
【0009】前記開所に対して進行方向手前側における
車道に沿った適宜な位置に電光掲示板を設け、交通規制
の際には前記電光掲示板に誘導に関する案内情報を電光
表示すれば、開所に接近する車輌の運転者に予め注意を
喚起でき、安全性が高まるとともに誘導時の混乱が回避
され、各車輌はスムーズに道路上から排出される。
【0010】また、前記開所に対して進行方向手前側に
おける車道に沿った適宜な位置にビーコン局を設け、交
通規制の際には前記ビーコン局から車輌に搭載したナビ
ゲーション装置に対し誘導に関する案内情報を無線送信
することも好ましい。これにより、ナビゲーション装置
を搭載している車輌においては災害若しくは事故状況、
規制区域、開所の位置、誘導方法等の各種情報が地図情
報上に表示され、当該車輌の運転者に対して、当該地図
情報や簡略地図情報、文字情報、音声情報などにより、
正確且つ詳細な情報が提供される。
【0011】更に、前記開所に対して進行方向手前側に
おける車道に沿った適宜な位置に、上端の閉口した単又
は複数の筒体を路面に対し出没させる昇降装置を埋設
し、通常時は前記筒体の上面を路面高さに略一致させた
状態で地中に埋没させておき、交通規制の際には前記筒
体を路面より僅か上方に突出させて、車輪がその上面を
通過した車輌の運転者に警告を与えることも好ましい。
この様に車輌を介して運転者の身体に振動を与えること
で、道路の見通しが悪い状況や運転者の集中力が低下し
ている状況であっても、該運転者に非常事態を確実に認
識させることができる。
【0012】前記閉止装置は、開所に立設した共有若し
くは独自の旋回中心軸を中心に回動し、それぞれ上り側
車道又は下り側車道に旋回突出される複数の遮断部材を
備え、通常はこれら部材を道路と平行に配置させて開所
を閉鎖しておき、交通規制の際には、一部所定の部材を
上り側車道に旋回突出させて上り側車道の車輌進行を阻
止し、以後、残り所定の部材を下り側車道に旋回突出さ
せて、通行部位を開放するとともに下り側車道の車輌進
行を阻止する過程と、当該残り所定の部材を通常位置ま
で逆方向に旋回させて、通行部位を閉鎖するとともに下
り側車道の進行阻止状態を解除する過程とを交互に行な
うものが好ましい。ここに、前記旋回中心軸には、自身
は回転せず単に遮断部材の回動を支持するものと、遮断
部材と一体回転してトルクを伝達する伝動軸として機能
するものが含まれ、また、遮断部材の荷重を支持するも
のと、支持しないものが含まれる。この様に、開所を閉
鎖する閉止装置として、開所から車道に旋回突出可能な
遮断部材を用いることで、該遮断部材の一旋回動作によ
り開所の開放と車道の車輌進行阻止が同時に為され、合
理的な装置構成が実現される。
【0013】そして特に、開所の略中央部に立設される
旋回中心軸と、該旋回中心軸にその端部を支持された状
態で旋回する2つの遮断部材と、各遮断部材を独立に旋
回駆動させる駆動手段と、この駆動手段に電力を供給す
る給電手段とを備えた旋回ゲート装置を設け、通常は前
記2部材を道路に平行な一直線状に配置させて開所を閉
鎖しておき、交通規制の際には、旋回中心軸に対して上
り側進行方向に位置する上り側遮断部材を旋回させて上
り側車道の車輌進行を阻止し、以後、他方の下り側遮断
部材を旋回させて、通行部位を開放するとともに下り側
車道の車輌進行を阻止する過程と、当該下り側遮断部材
を通常位置まで逆方向に旋回させて、通行部位を閉鎖す
るとともに下り側車道の進行阻止状態を解除する過程と
を交互に行なうものが好ましい。ここに、前記2つの遮
断部材は、開所の略中央部に設けた1つの旋回中心軸を
共有して、それぞれ該旋回中心軸に端部を支持された状
態で独立に旋回するものと、開所の略中央部に並設した
2つの独自の旋回中心軸にそれぞれ端部を支持された状
態で独立に旋回するものが含まれる。この様な旋回ゲー
ト装置によれば、前記2つの遮断部材だけで、規制区域
の方向に係わらず、交通規制の際に必要となる以下の規
制動作、即ち、通行部位の閉鎖若しくは開放、及び各車
道の車輌進行阻止若しくは阻止解除の全ての規制動作が
賄われ、装置構成の複雑化に伴う製作、設置及び維持コ
ストの上昇、トラブルの増大、交通規制時の装置操作の
複雑化などが未然に回避される。また、各遮断部材が車
道に旋回突出する際には、旋回中心軸に対し車輌進行方
向奥側に位置する部材が、その先端方向を接近する走行
車輌に対して鈍角に維持しつつ当該車道へ進入するの
で、前記車輌の運転者にとって視認が容易であり、万一
車輌が衝突しても、該車輌は遮断部材の側面に衝突する
こととなるため、対向車道側に飛び出るといった大惨事
の危険性は無い。
【0014】更に、前記閉止装置として、開所の略中央
部に立設される旋回中心軸と、該旋回中心軸にその端部
を支持された状態で旋回する2つの遮断部材と、各遮断
部材を独立に旋回駆動させる駆動手段と、この駆動手段
に電力を供給する給電手段とを備えた旋回ゲート装置、
並びに前記開所に臨む中央分離帯の両端部から、それぞ
れ前記開所空間内に道路の長手方向に沿って移動する2
つの閉鎖部材と、各閉鎖部材を独立に駆動させる駆動手
段と、この駆動手段に電力を供給する給電手段とを備え
た開閉ゲート装置とを併設し、通常は、前記旋回ゲート
装置の2つの遮断部材を道路に平行な一直線状に配置さ
せ且つ開閉ゲート装置の2つの閉鎖部材を前記中央分離
帯の両端から開所空間内に突設することで前記開所を閉
鎖しておき、交通規制の際には、旋回中心軸に対して上
り側進行方向に位置する上り側遮断部材を旋回させて上
り側車道の車輌進行を阻止し、以後、他方の下り側遮断
部材を旋回させ且つ開所に対して下り側進行方向に位置
する閉鎖部材を下り側進行方向に移動して開所空間外の
中央分離帯に重装し、通行部位を開放するとともに下り
側車道の車輌進行を阻止する過程と、当該下り側遮断部
材を通常位置まで逆方向に旋回させ且つ前記閉鎖部材を
上り側進行方向に移動して開所空間内の通常位置まで突
設させて、通行部位を閉鎖するとともに下り側車道の通
行阻止手段を解除する過程とを交互に行なうものも好ま
しい。この様に旋回ゲート装置と併せて開閉ゲート装置
を設けることで、開放される通行部位の幅が拡大し、バ
スやトラック等の大型車輌であっても前記通行部位を介
して下り側車道へスムーズに誘導される。
【0015】以上の旋回ゲート装置が備える遮断部材の
表面に、誘導に関する案内情報を表示する情報表示部を
設けておけば、該遮断部材で進行阻止されている車輌の
運転者に、交通規制に対する理解及び安心感を与えるこ
とができ、混乱を生じることなくスムーズに誘導が行な
われる。
【0016】また、規制装置として、路面より上方に突
出した位置において車輌進行路幅を実質的に狭め車輌進
行を阻止する上昇位置と、路面付近に下降した位置にお
いて前記車輌進行を阻止しない下降位置との間を二位置
的に昇降する上端の閉口した単又は複数の筒体と、該筒
体を昇降駆動させる駆動手段と、この駆動手段に電力を
供給する給電手段とを備えた昇降装置を地中に埋設し、
上昇位置とすることで前記路面における車輌の走行を阻
止すれば、交通規制の際、前記車輌の進行が阻止された
車輌進行路を介して、交通渋滞に与える影響の少ない救
援活動中の二輪車や歩行者等を選択的に規制区域に向か
って進行させることができる。また、上り側車道に設け
た前記昇降装置が、緊急車輌から発信される無線信号を
受けて、上昇位置にある筒体の一部又は全体を下降位置
に降下させるようにすれば、一般車輌の誘導に何ら影響
を与えることなく緊急車輌のみを規制区域に向かって進
行させることができる。
【0017】また、本発明は、以上の車輌誘導方法に好
適に用いることのできる装置として、道路の中央分離帯
適所に設けられた開所の略中央部に直立する旋回中心軸
と、該旋回中心軸にその端部を支持された状態で旋回す
る2つの遮断部材と、各遮断部材を独立に旋回駆動させ
る駆動手段と、この駆動手段に電力を供給する給電手段
とを備え、前記遮断部材は、通常時には道路に平行な一
直線状に配置されて開所を閉鎖し、交通規制の際には、
前記旋回中心軸に対して規制区域の方向に位置する上り
側遮断部材が、前記規制区域に向かって上り側の車道に
旋回して当該上り側車道の車輌進行を阻止する位置まで
駆動され、以後、他方の下り側遮断部材が、下り側車道
に旋回して通行部位を開放するとともに当該下り側車道
の車輌進行を阻止する位置と、逆方向に旋回して通行部
位を閉鎖するとともに前記下り側車道の進行阻止状態を
解除する通常位置との間を二位置的に駆動される旋回ゲ
ート装置を提供する。
【0018】ここで、前記ゲート装置が、少なくとも1
車線の略全幅にわたる旋回半径を有する遮断部材を有
し、その半径方向先端部に当該遮断部材を旋回中心軸の
周りに旋回駆動させる駆動輪及び駆動モータよりなる駆
動手段を備えれば、前記遮断部材の旋回により、上り側
車道又は下り側車道における少なくとも1車線幅の車輌
進行が阻止され且つ開所における少なくとも1車線幅の
通行部位が開放されて車輌の誘導が為されるとともに、
当該遮断部材は半径方向先端部に設けた駆動手段により
テコの原理で僅かな動力にて作動され且つ旋回中心軸に
は強力なヒンジ構造が不要となり、単に遮断部材を回転
可能に支持する簡単な構造となる。また、前記駆動手段
には駆動モータで回転する駆動輪が採用されている為、
開所や車道にレール等の新たな案内手段を設けることな
く容易に設置される。
【0019】ここで、前記遮断部材の途中部に、前記駆
動輪と共に該遮断部材を支持する遊動輪を備えれば、旋
回中心軸に作用する前記遮断部材の荷重が低減され、特
に、遮断部材が少なくとも2輪の駆動輪と少なくとも1
輪の遊動輪によりその自重を支持されて自立しているも
のにあっては、前記旋回中心軸に前記遮断部材の荷重が
作用せず、該旋回中心軸及びその基礎材は小さなものが
採用でき、基礎工事や据付工事が簡単になる。
【0020】更に、前記遮断部材がトラス構造を有して
いるものでは、該遮断部材が軽量且つ堅牢な構造となり
車輌の衝突にも充分耐え得るとともに、風圧を逃がすこ
とが可能となり、台風等の強風にも充分耐え得る構造に
することができる。
【0021】そして、前記遮断部材は車輌の衝突力に抗
して車道に平行な姿勢を保持する姿勢保持手段を有し、
開所における走行車輌の対向車道側への逸脱を防止する
防護体として用いられるものが好ましい。
【0022】前記遮断部材上部における旋回半径方向に
沿った所定間隔毎に、前記交通規制時に点灯又は点滅す
る警告灯を備えれば、日没後においても各車道を走行す
る車輌の運転者は遠方から前記ゲートの存在を確認で
き、安全性が向上する。
【0023】また、前記遮断部材の表面に、誘導に関す
る案内情報が表示される電光表示部を備えれば、該遮断
部材で進行阻止されている車輌の運転者に、交通規制に
対する理解及び安心感を与えることができ、混乱を生じ
ることなくスムーズに誘導を行なうことができる。
【0024】前記給電手段がバックアップ電源として二
次電池を備え、且つ駆動手段の駆動モータとして直流モ
ータを採用すれば、災害等で主電源が遮断されても交通
規制に必要な時間は前記二次電池により旋回ゲート装置
を相当回数作動させることが可能となり、更に前記給電
手段がソーラ発電装置を備えれば、前記バックアップ時
の旋回ゲート装置の作動時間が更に延長されることは元
より、主電源としても充分に使用でき、その場合には当
該旋回ゲート装置の設置箇所が自由に選択できるととも
に配電工事等を大幅に簡略化することが可能になる。
【0025】そして前記駆動手段が、手動により遮断部
材を旋回させる手動旋回機構を備えれば、万一、駆動手
段や給電手段に不具合が生じても全くの人力により当該
旋回ゲート装置の遮断部材を旋回させることが可能とな
り、緊急を要する交通規制に柔軟且つ確実に対応するこ
とができる。
【0026】また、本発明は、前記旋回ゲート装置に併
設される開閉ゲート装置であって、中央分離帯適所に設
けられた開所に臨む当該中央分離帯の両端部から、それ
ぞれ前記開所空間内に道路の長手方向に沿って移動する
2つの閉鎖部材と、各閉鎖部材を独立に駆動させる駆動
手段と、この駆動手段に電力を供給する給電手段とを備
え、通常時には、前記2つの閉鎖部材が前記中央分離帯
の両端から開所空間内に突設されて前記旋回ゲート装置
の2つの遮断部材と併せて前記開所を閉鎖し、交通規制
の際には、上り側遮断部材により当該上り側車道の車輌
進行が阻止された後、前記旋回ゲート装置の旋回中心軸
に対して下り側進行方向に位置する閉鎖部材が、下り側
進行方向に移動して開所空間外の中央分離帯に重装さ
れ、下り側車道に旋回した下り側遮断部材の旋回動作と
併せて通行部位を開放する位置と、上り側進行方向に移
動して開所空間内に突設され、当該開所空間内に旋回し
た前記下り側遮断部材と併せて通行部位を閉鎖する通常
位置との間を二位置的に駆動される開閉ゲート装置を提
供する。この様に旋回ゲート装置と併せて開閉ゲート装
置を設けることで、前述の如く、開放される通行部位の
幅が拡大し、バスやトラック等の大型車輌であっても前
記通行部位を介して下り側車道へスムーズに誘導され
る。
【0027】そして、前記開閉ゲート装置は、上記旋回
ゲート装置と同様にして、車輌の衝突力に抗して直立な
姿勢を保持する姿勢保持手段を有し、開所において走行
車輌の対向車道側への逸脱を防止する防護体として用い
られること、前記給電手段がバックアップ電源として二
次電池を備え、且つ駆動手段の駆動モータが直流モータ
であること、前記給電手段がソーラ発電装置を備えてい
ること、及び前記駆動手段が手動により閉鎖部材を移動
させる手動移送機構を備えていることが好ましい。尚、
以上の旋回ゲート装置及び開閉ゲート装置は、給電手段
を共用している場合が含まれる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。
【0029】図1〜5は本発明の技術的思想を示す概念
図である。図中101は道路の中央分離帯100の適所
において対向車道側へ車輌を通過させる開所、102は
前記開所を駆動手段により開閉自在に閉鎖する閉止装置
をそれぞれ示している。
【0030】図1は、本発明に係る車輌誘導方法を説明
する概念図である。通常時、開所101は図1(a)に
示す如く閉止装置102により車輌通行不能に閉鎖され
ている。前記閉止装置102は図示しない駆動手段を備
えており、災害や事故等の発生に基づく交通規制の際に
は管制センター等による遠隔操作や、現場に急行した1
〜3人程度の警察官等の操作員による現場操作、又は現
場周辺に設けた各種検知器の信号に基づく自動制御によ
り、始動その他の誘導動作が為される。そして、この様
に閉止装置102、又は別途規制装置を設ける場合には
閉止装置102並びに当該規制装置が駆動されることに
より、多数の誘導要員や誘導器具等を用意することな
く、図中道路左側に斜線領域で示す規制区域に向かって
上り側の車道103を進行する車輌105aが迅速且つ
安全に下り側車道104へ誘導され、道路上の各車輌1
05a、105bは渋滞することなく短時間のうちに道
路外へ排出されるのである。
【0031】災害又は事故の状況や規制の区域、開所1
01の正確な位置、誘導方法等の誘導に関する各種案内
情報や警告情報は、前記開所101に対し進行方向手前
側における車道103、104に沿った適宜な位置に設
けられ且つ文字情報を電光表示する電光掲示板や、同じ
く適宜な位置に設けられ且つ車載ナビゲーション装置を
介して地図情報や簡略地図情報、文字情報、音声情報等
を伝達するビーコン局などによって、車輌105a、1
05bのドライバーに認知される。ここで、霧等の悪天
候や朝夕の時間帯、道路の形状、構造等により前記電光
掲示板や開所101の見通しが悪い状況や、ドライバー
の集中力が低下している状況等を考慮すれば、同じく開
所101手前側の適宜な位置に、上端の閉口した単又は
複数の筒体を路面に対し出没させる後述の昇降装置17
を埋設しておき、交通規制の際には前記筒体を路面より
僅か上方に突出させ、その上面を通過した車輌運転者の
身体に振動を与えることで非常事態を強制的に認識させ
ることが好ましい。
【0032】次に、上記閉止装置102を用いて上り側
車道を走行する車輌105aを下り側車道104へ誘導
する手順を説明する。交通規制の際には、先ず図1
(b)に示すように、上り側車道103における前記開
所101の少なくとも1車輌幅を有する通行部位106
が進行方向手前側となる位置107で、当該上り側車道
103の車輌105aの進行を阻止して通行止めにす
る。そして、これ以後は以下に示す第1誘導過程と第2
誘導過程とを交互に繰り返して行う。
【0033】即ち、図1(c)に示す如く、前記開所1
01における少なくとも前記進行部位106を開放し
て、前記上り側車道103で進行を阻止された車輌10
5aを当該通行部位106を介し図中鎖線矢印の如く下
り側車道104へ誘導するとともに該下り側車道104
における前記通行部位106より進行方向手前側の適宜
な位置108で当該下り側車道104の車輌105bの
進行を阻止する第1誘導過程と、図1(d)に示す如
く、前記開所101における少なくとも前記通行部位を
閉鎖し、車輌105aの前記下り側車道104への通行
を阻止するとともに該下り側車道104における車輌1
05bの通行阻止の状態を解除する第2誘導過程とを、
交互に繰り返し行うのである。
【0034】本発明では、このように上り側車道103
と下り側車道104の各車輌105a、105bを交互
に誘導するので、下り側車道104に誘導された車輌1
05aが該車道を走行してきた車輌105bと接触又は
衝突するといった事故が未然に防止でき、誘導時の安全
性を維持することができる。ここで、前記上り側車道1
03及び下り側車道104のそれぞれにおける開所10
1に対して進行方向手前側の適宜な位置に車輌検出手段
又は速度検出手段を設置すれば、上記管制センターにお
いて閉止装置102を遠隔操作する際に道路状況を確認
して車輌に対する安全性を向上でき、さらには前記車輌
検出手段や速度検出手段で得られる道路状況に基づいて
前記閉止装置102の駆動を制御すれば、上記2つの誘
導過程をより効率良く行うことができる。
【0035】前記閉止装置102としては、後述する昇
降装置や開閉ゲート装置、昇降する遮断桿を有する遮断
装置、チェーンゲート装置等の様々な形態の装置を採用
できるが、特に、前記開所101に立設した共有若しく
は独自の旋回中心軸を中心に回動して上り側車道103
又は下り側車道104に旋回突出される複数の遮断部材
を備え、該遮断部材の一旋回動作により開所101の開
放と車道103又は104の車輌進行阻止を同時に達成
可能な旋回ゲート装置を単独若しくは他の装置に併設し
て用いることが好ましい。
【0036】例えば、図2は、旋回ゲート装置111A
を用いた車輌誘導方法の概念図を示している。該旋回ゲ
ート装置111Aは、開所101の略中央部に立設され
る旋回中心軸109と、該旋回中心軸109にその端部
を支持された状態で旋回する2つの遮断部材110a、
110bと、各遮断部材を独立に旋回駆動させる図示し
ない駆動手段と、この駆動手段に電力を供給する図示し
ない給電手段とを備え、通常時には図2(a)に示す如
く、前記2部材110a、110bを道路に平行な一直
線状に配置させて開所101を閉鎖している。
【0037】そして、前記旋回ゲート装置111Aは、
交通規制の際、先ず図2(b)に示す如く、前記旋回中
心軸109に対して上り側進行方向に位置する上り側遮
断部材110aを図中鎖線矢印のように旋回駆動させて
上り側車道103における車輌105aの進行を突出阻
止し、以後、図2(c)に示す如く、他方の下り側遮断
部材110bを図中鎖線矢印のように旋回駆動させて、
通行部位106を開放するとともに下り側車道104の
車輌105bの進行を阻止する第1誘導過程と、図2
(d)に示す如く、前記下り側遮断部材110bを通常
位置まで逆方向に旋回駆動させて、前記通行部位を閉鎖
するとともに下り側車道104の進行阻止状態を解除す
る第2誘導過程とを交互に繰り返し行うのである。この
様な旋回ゲート装置111Aを用いた車輌誘導方法によ
れば、各遮断部材110a、110bが車道に旋回突出
する際、旋回中心軸109に対し車輌進行方向奥側に位
置する部材が、その先端方向を接近する走行車輌に対し
て鈍角に維持しつつ当該車道に進入するため、前記車輌
の運転者にとって視認が容易であり、万一前記部材に衝
突しても当該車輌は部材側面に衝突するので対向車道側
に飛び出し大惨事を引き起こすといった危険性はない。
尚、各遮断部材110a、110bの表面には誘導に関
する案内情報を文字や矢印等により電光表示する情報表
示部を設けておくことが好ましく、例えば、一方の遮断
部材110aの表面では、暫く停止すべき旨と通行部位
を通過すべき旨が切替え表示され、他方の遮断部材11
0bの表面では、暫く停止すべき旨と直進すべき旨が切
替え表示されることが好ましい。
【0038】また、同様の趣旨のものとして図3に示す
旋回ゲート装置111Bは、開所101に臨む中央分離
帯100の端部112、113において、車道103、
104にそれぞれ隣接して立設される2本の旋回中心軸
109c、109d及び109e、109fと、各旋回
中心軸にその端部を支持された状態で旋回する4つの遮
断部材110c、110d、110e、110fと、各
遮断部材を独立に旋回駆動させる図示しない駆動手段
と、この駆動手段に電力を供給する図示しない給電手段
とを備え、通常時には、図3(a)に示す如く、上り側
車道103に面し且つ進行方向手前側に位置する上り線
第1部材110cと、同じく進行方向奥側に位置する上
り線第2部材110dと、下り側車道104に面し且つ
進行方向手前側に位置する下り線第1部材110eと、
同じく進行方向奥側に位置する下り線第2部材110f
とからなる4つの遮断部材をそれぞれ道路と平行に配置
させることで前記開所101を閉鎖している。
【0039】この旋回ゲート装置111Bによる交通規
制時における好ましい動作手順は、先ず図3(b)に示
す如く、上り線第1部材110cを旋回駆動させて上り
側車道103における車輌105aの進行を突出阻止す
るとともに上り線第2部材110dを同じく上り側車道
103に旋回駆動させ、以後、図3(c)に示す如く、
上り線第1部材110cを通常位置まで逆方向に旋回駆
動させて上り側車道103の進行阻止状態を解除し、且
つ下り線第1部材110eを旋回駆動させて通行部位1
06を開放するとともに下り側車道104の車輌105
bの進行を阻止する第1誘導過程と、図2(d)に示す
如く、前記上り線第1部材110cを旋回駆動させて上
り側車道103における車輌の進行を阻止し、且つ下り
側第1部材110eを通常位置まで逆方向に旋回駆動さ
せ、通行部位106を閉鎖するとともに下り側車道10
4の進行阻止状態を解除する第2誘導過程とを交互に繰
り返して行うことが好ましい。
【0040】尚、前述の旋回ゲート装置111Aの場合
と同様に、各遮断部材の表面には誘導に関する案内情報
を電光表示する情報表示部を設けることが好ましく、例
えば、車道上に旋回突出することで車輌進行を阻止する
遮断部材110c、110eの前記情報表示部では、暫
く停止すべき旨と進行すべき旨が切替え表示され、車輌
105aを通行部位106へ誘導する遮断部材110d
の情報表示部では、矢印で通行部位106の方向が表示
されることが好ましい。また、前記手順において、誘導
開始時の上り線第1部材110cと上り線第2部材11
0dの旋回動作は、同期動作と差動動作の何れでも良
く、特に差動動作させる場合には車輌の安全を考慮し、
先端方向が接近する走行車輌に対して鈍角を維持しつつ
車道に突出する上り線第1部材110cを先に旋回させ
ることが好ましい。同様に、前記2過程の交互誘導時に
おける上り線第1部材110cと下り線第1部材110
eの旋回動作も同期動作と差動動作の何れでも良く、特
に差動動作させる場合は、上り側車道に突出している遮
断部材110dと旋回される遮断部材110cとの間に
車輌105aが挟まれることを防止するため、各過程に
おいて車輌の進行を阻止する部材、即ち、上記第1誘導
過程にあっては下り側第1部材110e、第2誘導過程
にあっては上り側第1部材110cをそれぞれ先に旋回
突出させることが好ましい。また、上記一連の誘導動作
において、上り側車道103の車輌105aの進行阻止
又は阻止解除は上り線第1部材110cの旋回往復動作
により繰り返し行われるが、例えば、この上り線第1部
材110cは前記上り線第2部材110dの旋回突出完
了後に逆旋回させ通常位置まで戻しておき、以後の上記
2過程の交互誘導を下り線第1部材110eの旋回動作
により行えば、消費電力を節減できる点で好ましい。
【0041】以上の旋回ゲート装置111Bにおいて
は、2つの遮断部材110a、110bからなる上述の
旋回ゲート装置111Aの場合と同様、高い安全性が維
持できるとともに、前記旋回ゲート装置111Aでは必
要以上に長い遮断部材が必要となる幅広な中央分離帯に
設ける場合であっても、車道幅に応じた適尺な遮断部材
を用いることが可能である。
【0042】ところで、以上に示した各車輌誘導方法に
用いられる旋回ゲート装置111A、111Bは、それ
ぞれ遮断部材を車道に略直角方向に旋回突出して当該車
道上の車輌の進行阻止を行う関係上、前記遮断部材の長
さは車道の幅に対応した寸法に適宜設定されている。し
たがって車道幅の狭い片側1車線程度の道路において、
上記図2又は図3に示すように旋回ゲート装置111A
又は111Bを単独で用いて開所を閉鎖する場合には、
遮断部材の旋回動作に基づき開放される通行部位106
の幅も前記1車線程度の幅となり、この幅は、バスやト
ラック等の大型車輌が迅速且つスムーズに通行するには
充分な大きさとならない場合がある。
【0043】このような場合には、図4に示す如く、開
所101を閉鎖する閉止装置102として、前記旋回ゲ
ート装置111Aと別途構成した開閉ゲート装置116
を併設構成し、前記通行部位106の幅を遮断部材の長
さ以上に拡大可能とすることが好ましい。即ち、閉止装
置102は、前記開所101に臨む中央分離帯の両端1
12、113から、それぞれ開所101空間内に道路の
長手方向に沿って移動する2つの閉鎖部材114、11
5と、各閉鎖部材を独立に駆動させる図示しない駆動手
段と、この駆動手段に電力を供給する図示しない給電手
段とを備えた開閉ゲート装置116を、上記旋回ゲート
装置111Aに併設してなり、通常時には、図4(a)
に示すように、前記旋回ゲート装置111Aの2つの遮
断部材110a、110bを道路に平行な一直線状に配
置させ且つ開閉ゲート装置116の2つの閉鎖部材11
4、115を前記中央分離帯の両端から開所101空間
内に突設することで、前記開所101を車輌通行不能に
閉鎖している。そして、前記旋回ゲート装置111Aの
誘導動作の手順は上述したものと同様であるが、図4
(b)に示す如く、前記旋回ゲート装置111Aの下り
側遮断部材110bに連動して開閉ゲート装置116の
下り側進行方向に位置する閉鎖部材115が下り側進行
方向に移動し、開所空間外の中央分離帯100に重装さ
れることで前記通行部位106の開放幅を拡大するので
ある。
【0044】尚、前記開閉ゲート装置116は、旋回ゲ
ート装置111Aと独立して駆動可能に構成しておけ
ば、該開閉ゲート装置116だけを作動させることで車
道における一般車輌の走行に支障を来すことなく緊急車
輌や工事車輌のみ開所を通過させることが可能となる。
【0045】ここで、以上図2〜図4に示した閉止装置
102は、開所に対して何れの方面が規制区域となって
も容易に対応できるよう道路の長手方向に沿って対称に
構成されているが、例えば前記開所をトンネル内の事故
若しくは崩落にそなえて設ける場合や下り側車道が道路
出口の直前となる位置に設ける場合など、作動対象とな
る規制区域の方向が予め一方向に決定される場合には、
以下に示すような非対称の構成としても良い。
【0046】即ち、図5(a)は、図中左側の斜線領域
で示したトンネル内の事故若しくは崩落にそなえて設け
られる非対称の旋回ゲート装置111Cの概念図を示し
ており、当該旋回ゲート装置111Cは、開所101を
臨む中央分離帯100のトンネル側端部112に立設さ
れる旋回中心軸109gと、該旋回中心軸109gにそ
の端部を支持された状態で旋回される1つの遮断部材1
10gと、該遮断部材を旋回駆動させる図示しない駆動
手段と、この駆動手段に電力を供給する図示しない給電
手段とを備え、前記遮断部材110gは、トンネルに向
かって上り側の車道103における前記開所101が進
行方向手前側となる位置107で車輌105aの進行を
阻止する昇降装置117の昇降動作と連動して、旋回駆
動される。
【0047】前記昇降装置117の実施例としては、特
許公報第2861952号記載の車輌通行規制装置、即
ち図17に示す昇降装置17が好適に採用される。即
ち、前記昇降装置17は、本体部18が車道の地中に埋
設され、路面を構成する上板19より上方に突出した位
置において車輌進行路幅を実質的に狭め車輌進行を阻止
する上昇位置と、路面付近に下降した位置において前記
車輌進行を阻止しない下降位置との間を二位置的に昇降
する上端の閉口した単又は複数の筒体20と、該筒体2
0を昇降駆動させる駆動手段と、この駆動手段に電力を
供給する給電手段とを備え、筒体20が車輌105aの
走行を規制する規制部材120として直接作用する。
【0048】そして、交通規制時における前記旋回ゲー
ト装置111C及び昇降装置117の動作は、先ず前記
昇降装置117の規制部材120、…を上昇位置に移動
させて上り側車道103の車輌進行を阻止した後、旋回
ゲート装置111Cの遮断部材110gを下り側車道1
04に旋回駆動させて通行部位106を開放するととも
に下り側車道104の車輌の進行を阻止する第1誘導過
程と、前記遮断部材110gを通常位置まで逆方向に旋
回駆動させて、前記通行部位106を閉鎖するとともに
下り側車道104の進行阻止状態を解除する第2誘導過
程とを交互に繰り返し行うのである。尚、ここで前記遮
断部材110gの先端側に1つの閉鎖部材を有する開閉
ゲート装置を併設しておけば、通行部位106をさらに
拡大することが可能である。
【0049】また、同様の趣旨として図5(b)に示す
如く、同じく図中左側の斜線領域で示したトンネル内の
事故若しくは崩落にそなえて開所101に設けられ、旋
回ゲート装置111Aと該装置に対し下り側進行方向に
のみ閉鎖部材115を備えた開閉ゲート装置116Cと
からなる非対称な開閉装置102を構成すれば、前記閉
鎖部材115の移動により通行部位106を拡大するこ
とができる。
【0050】本発明の車輌誘導方法は道路の車線の数に
何ら制約を受けるものではなく、片側3車線以上の幅広
な道路の場合には、前記旋回ゲート装置の遮断部材を長
尺に設定することでこれに対応でき、または別途構成し
た規制装置を道路側方に併設することで遮断部材による
車輌進行阻止機能を補うものであっても良い。このよう
な規制装置には、通常時に中央分離帯の防護体として用
いられる上述した各旋回ゲート装置程の高い衝撃強度は
特に必要でなく、上記図17に示した昇降装置17の他
に、同じく駆動手段及び給電手段を備えた旋回ゲート装
置や開閉ゲート装置、遮断装置、チェーンゲート装置、
その他の車輌進行抑止機能を有する装置全般が好適に採
用できる。
【0051】尚、一般車輌の誘導中であっても、上り側
の路肩を含む道路側方においては緊急車輌が進行可能と
なる通行空間を確保することが好ましく、例えば旋回ゲ
ート装置の各遮断部材の長さを、その先端部と道路側端
との間に前記通行空間が形成される寸法に設定したり、
道路側方に上記昇降装置等の規制装置を設ける場合にあ
っては、緊急車輌から発信される無線信号に基づき前記
規制装置を一時開放させることが好ましい。また、緊急
車輌が道路の側方をよりスムーズに進行する為には、上
り側車道に設けた前述の電光掲示板やビーコン局におい
て、一般車輌に対し進行方向右側に車輌を寄せて停止す
る旨の案内情報を表示若しくは無線送信することが望ま
しい。
【0052】本発明では、以上の如き車輌誘導方法を採
用することで、従来図19に示した防壁502等では為
し得なかった無人若しくは小人数の操作員による安全且
つ迅速な車輌の誘導が可能となり、当該道路は短時間の
うちに緊急車輌専用道路に変換されるため規制区域に向
かう緊急車輌は道路上で渋滞に巻き込まれることはな
く、災害地域や事故現場で迅速な救援活動を行なうこと
が可能となる。また、本発明の車輌誘導方法に採用され
る上述の対称若しくは非対称な各旋回ゲート装置や開閉
ゲート装置を、幹線道路の交差点に臨む中央分離帯端部
箇所に設けておけば、該交差点に進入する車輌を反対側
車道へ誘導して当該道路を逆行させたり、前記交差点か
ら該道路に向かって進入する車輌を確実に阻止すること
ができ、災害、事故その他の道路状況に応じて交通をコ
ントロールすることが容易となる。
【0053】次に、上述の車輌誘導方法を実現する具体
的な実施形態を示した図面に基づき、本発明を更に詳細
に説明する。図6〜17は本発明の第1実施形態、図1
8は第2実施形態を示し、図中5は中央分離帯、11は
旋回ゲート装置をそれぞれ示している。
【0054】先ず、本発明の第1実施形態を説明する。
図6は高速道路上に設けた旋回ゲート装置11を示す説
明図である。
【0055】旋回ゲート装置11は、中央分離帯5に設
けられた開所1の略中央部に直立する支柱7と、該支柱
7を旋回中心軸として端部を支持された状態で旋回する
2基の遮断部材10a、10bと、各遮断部材を独立に
旋回駆動させる駆動手段8と、この駆動手段に電力を供
給する給電手段40とを備えている。
【0056】遮断部材10a、10bは、それぞれ長さ
5〜15m、幅0.8〜2m、高さ1.4〜1.7m程
の鋼管トラス構造の本体フレーム12を有しており、上
記寸法は道路幅その他の状況に応じて適宜自由に設定さ
れる。前記本体フレーム12は、詳しくは図7乃至図9
に示す如く、断面視三角形の各頂点位置にそれぞれ配さ
れた口径150mmの長手方向に延びる主鋼管12a、
12b、12cと、これら主鋼管をトラス状に連結する
口径75〜100mmのトラス管13、…とからなる重
心の低い鋼管溶接構造であり、台風や強風等の風圧は勿
論のこと、車輌の衝突や人為的な破壊行為、いたずら行
為等にも充分に耐え得る堅牢な構造を有する。尚、前記
本体フレーム12の表面は、亜鉛メッキ仕上げのうえ粉
体塗装が施され、排気ガスその他の汚れが脱落容易に処
理されている。
【0057】また、前記本体フレーム12の長手方向に
沿った適宜な複数箇所には姿勢保持手段24として、図
10に示す如く、当該本体フレーム12に固定されたス
ライド案内部材21、該スライド案内部材の貫通孔21
aにスライド自在に挿通した横長なストッパー部材2
2、及び該ストッパー部材22をワイヤー巻き上げ方式
で上下に進退させる減速機付きモータ23が設けられ、
通常時には、前記ストッパー部材22に対応する開所路
面上に開口した支持孔25に当該ストッパー部材22を
嵌入しておくことで、前記本体フレーム12が該ストッ
パー部材22を介し開所路面と一体化され、車輌衝突に
よる移動が確実に阻止される。したがって各遮断部材
は、通常時において車道に飛び出すことなく道路と平行
な姿勢を維持し、強固な防護体として中央分離帯の機能
を果たすのである。
【0058】本体フレーム12の旋回半径方向、即ち長
手方向の先端部26には駆動手段34として、図11に
示す如く、支柱を中心に本体フレーム12を旋回駆動さ
せる2個の駆動輪27、28、及び横軸3段の歯車減速
機29を介してローラチェーン30、31、32により
各駆動輪27、28に駆動力を伝動する直流モータ33
が設けられ、前記各駆動輪27、28はローラチェーン
32により同調駆動されるとともに前記歯車減速機29
及び直流モータ33は取外し可能な駆動ケース35内に
収納される。そして、前記歯車減速機29の出力軸先端
には手動旋回機構として図示しないクラッチ及びクラッ
チレバーが設けられ、交通規制の際、万一駆動手段34
や電力供給手段40等に不具合が生じた場合でも、前記
駆動ケース35を取外して前記クラッチレバーを操作し
ローラチェーン31への動力の伝達を遮断させること
で、各遮断部材は人力による旋回動作が可能となり、混
乱を生じることなく前記各遮断部材を確実に旋回させる
ことが可能である。また、前記本体フレーム12には、
各駆動輪27、28と共に遮断部材の全重量を支持する
2個の遊動輪36、37が設けられており、前記各駆動
輪27、28及び遊動輪36、37はそれぞれ耐磨耗性
及び耐暑耐寒性に優れたウレタン系のソリッドゴムタイ
ヤからなり、天候に左右されず路面上を常時静寂且つ滑
らかに転動する。
【0059】前記本体フレーム12の上部には、旋回半
径方向に沿った所定間隔毎に、それぞれ交通規制の際点
滅される警告灯38が設けられており、さらに該本体フ
レーム12の表面には、誘導に関する案内情報を表示す
る電光表示部を設けることが好ましい。
【0060】以上の如き旋回ゲート装置11にあって
は、各遮断部材10a、10bの先端部26に駆動手段
34を設けたことにより、テコの原理に基づく僅かな動
力で当該各遮断部材を確実に旋回させることが可能とな
り、さらに駆動輪27、28と遊動輪36、37で各遮
断部材の全荷重を支持しているので、該遮断部材は自立
自走して旋回駆動されることとなり、その端部に設けた
支持部43を回転可能に支持する直径100〜150m
mの金属製の支柱7には、遮断部材を旋回させる駆動手
段は勿論のこと、該遮断部材を支持する支持強度も不要
となる。また、各遮断部材に設けた前記駆動輪27、2
8及び遊動輪36、37のそれぞれの設置角度は、各車
輪の軸方向が支柱7を通る旋回半径の方向に一致するよ
うに設定されており、遮断部材の旋回動作に基づき前記
支柱7に過大な横力が作用することも回避されている。
【0061】前記姿勢保持手段24の減速機付きモータ
23や駆動手段34の直流モータ33には、支柱7を介
して道路側方から外部電力が供給され、同じく道路側方
にはバックアップ電源として前記外部電力により常時充
電されている二次電池が後述する制御装置39内に設け
られる。さらに、遮音壁等の道路外側面には、前記外部
電力の遮断に備えて前記二次電池を充電するソーラー発
電装置としての太陽電池パネルが設けられる。
【0062】道路側方の側道より外側の箇所には、各遮
断部材10a、10bの動作を管理する制御装置39が
設けられており、指令室にある押しボタンスイッチ、キ
ースイッチ若しくはコンピュータ等により各遮断部材の
動作を遠隔操作する管制センターと前記制御装置39と
の間の信号の伝達は、中継基地を介し無線信号を伝送す
るものでも良いが、旋回ゲート装置11の誤動作を未然
に防止するためには有線による信号伝達方式が好まし
く、この場合には光ファイバ網を有する既存の道路交通
情報通信システム(Vehicle Information and Commu
nication System)を利用することが便利である。尚、
前記無線信号による遠隔操作の場合には、制御装置39
に無線用送受信器を備えることは言うまでもない。ま
た、制御装置39には当該開所1に急行した警察官等の
操作員が現場操作で指令を与えるための配電盤41が設
けられており、前記操作員は、「遠隔操作」/「現場操
作」切替えスイッチを「現場操作」に切替えるととも
に、目視で現場の状態を確認しながら、各遮断部材毎に
設けた「オープン」/「ストップ」/「クローズ」の3
点押しボタンスイッチ41aを操作し、各遮断部材の開
閉動作を自在に操作することができる。
【0063】本実施形態の旋回ゲート装置11は、上述
したように各遮断部材の荷重や旋回による横力が前記支
柱7に作用しないので、支柱本体や該本体を開所路面に
固定する基礎材は、軽量且つ小型のものが採用でき、さ
らに各遮断部材は上記の如く先端部26に設けた駆動輪
27、28により駆動されるので、開所及び車道にレー
ルや案内ガイド等の旋回案内部を設ける必要もなく、極
めて短期間で且つ低コストに設置工事を終了することが
可能である。即ち、旋回ゲート装置11の設置手順は、
先ず中央分離帯の適所に開所1を設け、その略中央部に
支柱7を立設するとともに道路側方から該支柱7へ電力
及び制御信号を供給する各種配線42を埋設した後、前
記開所1の路面に車道に対して段差の無い平坦な舗装を
施す。そして、前記支柱7に各遮断部材の支持部43を
嵌合させ、各種配線を接続することで設置が完了するの
である。
【0064】以上の旋回ゲート装置11を用いた車輌誘
導方法にあっては、通常時に各遮断部材10a、10b
が上記スライド部材を介し開所1の路面に一体化され、
道路と平行な姿勢で前記開所1を閉鎖する強固な中央分
離帯を構成し、交通規制の際には、管理センターによる
遠隔操作に基づき、前記制御装置39を介して上り車道
専用の遮断部材10aと下り車道専用の遮断部材10b
がそれぞれ駆動制御される。即ち、前記支柱7に対して
規制区域の方向に位置する上り側遮断部材10aが、前
記規制区域に向かって上り側の車道に旋回して当該上り
側車道の車輌進行を阻止する位置まで駆動され、以後、
他方の下り側遮断部材10bが、下り側車道に旋回して
通行部位6を開放するとともに当該下り側車道の車輌進
行を阻止する位置と、逆方向に旋回して通行部位を閉鎖
するとともに前記下り側車道の進行阻止状態を解除する
通常位置との間を二位置的に駆動されるのである。尚、
安全性向上のため、前記各遮断部材10a、10bの旋
回動作は、通常位置から突出完了位置までの所要時間を
約50〜90秒、好ましくは60〜90秒に設定された
緩慢な動作であり、更に各遮断部材の上部に設けた警告
灯38は、前記各遮断部材が通常位置から旋回動作を行
う直前、好ましくは10秒前に点滅を開始し、当該遮断
部材が再び通常位置に戻るまで点滅を継続する。
【0065】また、上記交通規制の際には、道路適所に
設置された電光掲示板45やビーコン局44において非
常事態発生の旨、一般車輌通行禁止の旨、最寄りの出口
から退出すべき旨、及び当該道路が緊急車輌専用道路に
指定された旨の内容が、表示若しくはナビゲーション装
置に対して無線送信され、特に誘導が行われる開所1の
周辺においては、少なくとも当該開所直前の停止ライン
46付近と開所手前の数km地点に電光掲示板45が設
けられており、以下に示すような表示が為される。
【0066】例えば、上り側車道における開所の2km
手前の地点に設置する電光掲示板においては、開所にて
上り側車道を通行止めする2分程前から上り側遮断部材
の旋回突出を予告するため図12に示す表示がなされ、
同じく上り側車道における開所直前の停止ライン46付
近に設置される電光掲示板においては、上り側遮断部
材の旋回突出に応じて図13(a)、(b)に示す表示
が交互に為され、下り側遮断部材による通行部位の開
放に応じて図13(c)、(d)に示す表示が為され、
更に下り側遮断部材による通行部位の閉鎖に応じて図
13(e)に示す表示が為される。また、下り側車道に
おける開所の手前2kmの地点に設置する電光掲示板に
おいては、前記開所にて下り側車道の通行を阻止する2
分程前から下り側遮断部材の旋回突出を予告するため図
14に示す表示が為され、同じく下り側車道における開
所直前の停止ライン付近に設置される電光掲示板におい
ては、下り側遮断部材の旋回突出に応じて図15
(a)、(b)に示す表示が交互に為され、下り側遮
断部材の逆旋回に基づく通行阻止解除に応じて図15
(c)に示す表示が為される。尚、上記図12〜図15
に示した電光掲示板45の設置個所、表示内容および表
示のタイミングはあくまで一例を示したものであり、状
況に応じて他の適宜な態様を採用することも何ら差し支
えない。
【0067】また、各遮断部材10a、10bの表面に
は、誘導に関する案内情報や待機時間等を文字や数字、
矢印等で電光表示する情報表示部を設けておくことが好
ましく、例えば遮断部材10aの表面では、図16
(a)、(b)に示す表示が交互に切替え表示され、遮
断部材10bの表面では、図16(c)、(d)に示す
表示が交互に切替え表示されることが好ましい。
【0068】さらに、開所1に対して進行方向手前側の
車道に沿った適宜な位置には、図17に示すような昇降
装置17を埋設しておき、交通規制の際には筒体20を
路面より5〜10mm程度の僅かな高さだけ上方に突出
させ、その上面を通過した車輌運転者の身体に振動を与
えて非常事態を強制的に認識させることが好ましい。そ
の他、開所1周辺の道路状況を管制センターで監視する
CCDカメラを設けることや、前記停止ライン46に停
止した車輌から目視できる適宜な位置に信号機を設ける
ことも好ましい実施例である。
【0069】次に、本発明の第2実施形態を図18に基
づいて説明する。本実施形態では、通常時に開所1を閉
鎖する閉止装置2として、上記第1実施形態と同様の旋
回ゲート装置11に併設され、前記開所1を臨む中央分
離帯5の両端部48、49からそれぞれ前記開所空間内
に道路長手方向に沿って移動する2つの閉鎖部材50
a、50bと、各閉鎖部材を独立に駆動させる駆動手段
51と、この駆動手段に電力を供給する給電手段52と
を備えた開閉ゲート装置47が設けられる。さらに、車
道に突出旋回した前記旋回ゲート装置11の各遮断部材
における先端部26と車道側方との間には、それぞれ緊
急車輌が充分に通過可能な通行空間が確保され、各空間
内には、一般車輌の通行を阻止する規制装置54とし
て、図17に示す昇降装置17が埋設される。
【0070】前記開閉ゲート装置47の各閉鎖部材50
a、50bは、上記旋回ゲート装置11の遮断部材と同
様、鋼管トラス構造の本体フレームを有し、該本体フレ
ームの長手方向に沿った適宜な複数箇所には、同様の姿
勢保持手段及び当該閉鎖部材を長手方向に直線駆動する
駆動手段51が設けられる。そして、通常時には堅牢な
中央分離帯を構成するとともに、交通規制の際には、2
つの駆動輪及び2つの遊動輪によりその全荷重を支持さ
れた状態で中央分離帯端部に収納され、開所における通
行部位の幅を拡大する。
【0071】前記昇降装置17は、緊急車輌から発信さ
れる無線信号を受信する受信装置を備えており、上昇位
置にある筒体20が前記緊急車輌からの無線信号に基づ
き一時的に下降されることで、前記通行空間における緊
急車輌の通過が可能となる。
【0072】これら旋回ゲート装置11、開閉ゲート装
置47、及び昇降装置17は、それぞれ道路側方に設け
た制御装置39により集中管理されており、外部電力が
遮断された場合には、前記制御装置39内に設けたバッ
クアップ電源としての二次電池からそれぞれの駆動手段
に電力が供給される。その他の構成は第1実施形態と同
様であり、同一構成のものには同一の符号を付し、その
説明は省略する。
【0073】そして、本実施形態に示す各装置11、4
7、17を用いた車輌誘導方法にあっては、通常時に各
遮断部材10a、10bと閉鎖部材50a、50bが上
記スライド部材を介し開所1の路面に一体化され、道路
と平行な姿勢で開所1を閉鎖する強固な中央分離帯を構
成し、交通規制の際には、管理センターによる遠隔操作
に基づき、前記制御装置39を介して遮断部材、閉鎖部
材及び筒体がそれぞれ駆動制御される。即ち、上り側遮
断部材10aが上り側の車道に旋回して車輌進行を阻止
する位置まで駆動されるとともに上り側車道に設けた筒
体20が上昇位置に駆動され、以後、旋回ゲート装置1
1及び開閉ゲート装置47は、下り側遮断部材10bを
下り側車道に旋回し且つ閉鎖部材50bを中央分離帯端
部に重装することで、通行部位6を開放するとともに下
り側車道の車輌進行を阻止する位置と、前記下り側遮断
部材10bを逆方向に旋回し且つ前記閉鎖部材50bを
前記下り側遮断部材の先端部付近まで突設し、通行部位
6を閉鎖するとともに前記下り側車道の進行阻止状態を
解除する通常位置との間を、二位置的に駆動されるので
ある。尚、前記上り側車道で上昇している筒体20は、
上記の如く緊急車輌から発信される無線信号を受けて一
時下降され、当該緊急車輌の規制区域への進行を可能と
する。
【0074】
【発明の効果】請求項1記載の車輌誘導方法は、駆動手
段を有し且つ遠隔操作若しくは現場操作に基づき又は自
動的に作動される閉止装置、又は該閉止装置以外に別途
規制装置を設ける場合には前記閉止装置及び規制装置に
より、上り側車道の車輌が安全且つ効率良く下り側車道
へ誘導されるので、災害や事故が発生した際に、多数の
誘導要員や誘導器具等を誘導現場へ急行させる必要がな
く、上記現場操作の場合であっても1〜2人程度の操作
員が誘導現場で簡単な操作をするだけで迅速に車輌の誘
導および排出が行われ、当該道路を短時間で緊急車輌専
用道路に変換することができる。また、上記装置による
車輌の誘導は、下り側車道で車輌の進行を阻止した上
で、開所の通行部位を介して上り側車道の車輌を下り側
車道へ誘導する過程と、前記通行部位における車輌の進
行を阻止した上で、下り側車道における車両の進行阻止
状態を解除する過程とが交互に為されるので、下り側車
道に誘導された車輌が該車道を走行してきた車輌と接触
または衝突するといった事故を未然に防止できる。
【0075】請求項2記載の車輌誘導方法は、閉止装置
の駆動を道路状況又は経過時間に応じて制御するため、
道路上で阻止される車輌の安全性を向上できるととも
に、交互に為される2つの過程において上り側車道及び
下り側車道で走行阻止される車輌を過度に渋滞させるこ
となく効率良く誘導でき、結果として道路上の一般車輌
を短時間のうちに排出できる。
【0076】請求項3記載の車輌誘導方法は、開所に対
して進行方向手前側の適宜な位置に設けた車輌検出手段
又は速度検出手段から道路状況を得ているので、走行阻
止された車輌の渋滞状況や、開所に近づく車輌の走行状
態を認識し、各車輌が減速していることを確認した上で
装置を作動させることができる。
【0077】請求項4記載の車輌誘導方法は、開所に対
して進行方向手前側の適宜な位置に設けた電光掲示板
に、誘導に関する案内情報や警告を電光表示するので、
開所に接近する車輌の運転者に予め注意を喚起でき、安
全性を向上できるとともに誘導時の混乱を未然に回避で
き、各車輌を道路上からスムーズに排出できる。
【0078】請求項5記載の車輌誘導方法は、開所に対
して進行方向手前側の適宜な位置に設けたビーコン局か
ら、誘導に関する案内情報を無線送信するので、ナビゲ
ーション装置を搭載している車輌の運転者に対し、地図
情報や簡略地図情報、文字情報、音声情報などにより、
正確且つ詳細な情報を提供できる。
【0079】請求項6記載の車輌誘導方法は、開所に対
して進行方向手前側の適宜な位置に、上端の閉口した単
又は複数の筒体を路面に対し出没させる昇降装置を埋設
し、通常時には前記筒体の上面を路面高さに略一致させ
た状態で地中に埋設させておき、交通規制の際には前記
筒体を路面より僅か上方に突出させて、車輌がその上面
を通過した車輌の運転者に警告を与えるので、道路の見
通しが悪い状況や運転者の集中力が低下している状況で
あっても、該運転者に非常事態を確実に認識させること
ができる。
【0080】請求項7記載の車輌誘導方法は、閉止装置
として、開所から車道に旋回突出可能な遮断部材を用い
ているので、前記遮断部材の一旋回動作により開所の開
放と車道の車輌進行阻止が同時に為され且つ通常時には
中央分離帯を構成して別途収納空間を必要せず、合理的
な装置構成が実現する。
【0081】請求項8記載の車輌誘導方法は、閉止装置
として、開所の略中央部に立設される旋回中心軸と、該
旋回中心軸にその端部を支持された状態で旋回する2つ
の遮断部材とを少なくとも備えた旋回ゲート装置を用い
ているので、通行部位の閉鎖若しくは開放、及び各車道
の車輌進行阻止若しくは阻止解除の全ての規制動作が2
つの遮断部材だけで賄われ、装置構成の複雑化に伴う製
作、設置及び維持コストの上昇、トラブルの増大、交通
規制時の装置操作の複雑化などを未然に回避できる。ま
た、各遮断部材が車道に旋回突出する際には、旋回中心
軸に対し車輌進行方向奥側に位置する部材が、その先端
方向を接近する走行車輌に対して鈍角に維持しつつ当該
車道へ進入するので、前記車輌の運転者にとって視認が
容易となり、万一車輌が衝突しても、該車輌は遮断部材
の側面に衝突するので対向車道側に飛び出るといった大
惨事は避けることができる。
【0082】請求項9記載の車輌誘導方法は、閉止装置
として旋回ゲート装置に併置され、開所に臨む中央分離
帯の両端部からそれぞれ前記開所空間内に道路の長手方
向に沿って移動する2つの閉鎖部材を少なくとも備えた
開閉ゲート装置を用いているので、開放される通行部位
の幅が拡大し、バスやトラック等の大型車輌であっても
スムーズに誘導される。
【0083】請求項10記載の車輌誘導方法は、旋回ゲ
ート装置が備える遮断部材の表面に、誘導に関する案内
情報を表示する情報表示部を設けたから、該遮断部材で
進行阻止された車輌の運転者に交通規制に対する理解及
び安心感を与え、混乱を生じることなくスムーズに誘導
を行うことができる。
【0084】請求項11記載の車輌誘導方法は、規制装
置として路面より上方に突出した位置において車輌進行
路幅を実質的に狭め車輌進行を阻止する上昇位置と、路
面付近に下降した位置において前記車輌進行を阻止しな
い下降位置との間を二位置的に昇降する上端の閉口した
単又は複数の筒体を有する昇降装置を用いているので、
交通規制の際、交通渋滞に与える影響の少ない救援活動
中の二輪車や歩行者等を前記幅狭な通行路を介して選択
的に規制区域に向かって進行させることができる。
【0085】請求項12記載の車輌誘導方法は、上り側
車道に設けた昇降装置が、緊急車輌から発信される無線
信号を受けて、上昇位置にある筒体の一部又は全体を下
降位置に下降させるよう構成したので、一般車輌の誘導
に何ら影響を与えることなく緊急車輌のみ規制区域に向
かって進行させることができる。
【0086】請求項13記載の旋回ゲート装置を構成す
れば、上記車輌誘導方法に好適に用いることができる。
【0087】請求項14記載旋回ゲート装置は、遮断部
材の半径方向先端部に駆動手段を備えるため、前記遮断
部材はテコの原理により僅かな動力で作動できるととも
に、旋回中心軸には強力なヒンジ構造が不要となり、単
に遮断部材を回転可能に支持する簡単な構造を採用でき
る。また、前記駆動手段には駆動モータで回転する駆動
輪が採用されているので、開所や車道にレール等の新た
な案内手段を設ける必要がなく前記開所空間内に容易に
設置される。
【0088】請求項15記載の旋回ゲート装置は、遮断
部材の途中部に遊動輪を備えるため、旋回中心軸に作用
する前記遮断部材の荷重を低減できる。
【0089】請求項16記載の旋回ゲート装置は、少な
くとも2輪の駆動輪と少なくとも1輪の遊動輪を設け、
遮断部材の自重を支持して該遮断部材を自立させている
ので、旋回中心軸に前記遮断部材の荷重が作用せず、該
旋回中心軸及びその基礎材は小さなものが採用でき、基
礎工事や据付工事が簡単になる。
【0090】請求項17記載の旋回ゲート装置は、遮断
部材がトラス構造を有しているため比較的軽量且つ堅牢
な構造となり、車輌の衝突にも充分に耐え得るとともに
風圧を逃がすことができ、台風等の強風にも充分に耐え
ることができる。
【0091】請求項18記載の旋回ゲート装置は、車輌
の衝突力に抗して車道に平行な姿勢を保持する姿勢保持
手段を有しているので、通常時、走行車輌の対向車道側
への逸脱を防止する防護体として中央分離帯を構成でき
る。
【0092】請求項19記載の旋回ゲート装置は、遮断
部材上部における旋回半径方向に沿った所定間隔毎に、
前記交通規制時に点灯又は点滅する警告灯を備えたの
で、日没後においても各車道を走行する車輌の運転者は
遠方からでも旋回ゲート装置の存在を確認でき、安全性
が向上する。
【0093】請求項20記載の旋回ゲート装置は、遮断
部材の表面に、誘導に関する案内情報を表示する電光表
示部を備えたので、該遮断部材により進行阻止されてい
る車輌の運転者に、交通規制に対する理解及び安心感を
与えることができ、混乱を生じることなくスムーズに誘
導が行える。
【0094】請求項21記載の旋回ゲート装置は、給電
手段においてバックアップ電源としての二次電池を備え
たので、災害等により主電源が遮断されても交通規制に
必要な時間は、前記二次電池により相当回数作動させる
ことができる。
【0095】請求項22記載の旋回ゲート装置は、ソー
ラ発電装置を備えたので、バックアップ時の旋回ゲート
装置の作動時間を延長できるとともに、これを主電源と
して使用すれば当該旋回ゲート装置の設置箇所の自由度
が増し、配線工事等も大幅に簡略化することができる。
【0096】請求項23記載の旋回ゲート装置は、手動
により遮断部材を旋回させる手動旋回機構を備えたの
で、万一駆動手段や給電手段に不具合が生じても全くの
人力により当該旋回ゲート装置の遮断部材を旋回させる
ことが可能となり、緊急を要する交通規制に柔軟且つ確
実に対応できる。
【0097】請求項24〜28記載の開閉ゲート装置を
構成すれば、上記車輌誘導方法に好適に用いることがで
きるとともに、前記開閉ゲート装置が姿勢保持手段、バ
ックアップ電源としての二次電池、ソーラ発電装置、又
は手動機構を備えることで、上記旋回ゲート装置の場合
と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の車輌誘導方法を説
明する概念図。
【図2】(a)〜(d)は、閉止装置として旋回ゲート
装置を用いた場合を説明する概念図。
【図3】(a)〜(d)は、閉止装置として旋回ゲート
装置を用いた他の例を説明する概念図。
【図4】(a)及び(b)は、閉止装置として旋回ゲー
ト装置並びに開閉ゲート装置を用いた場合を説明する概
念図。
【図5】(a)は、閉止装置として道路の長手方向に沿
って非対称な旋回ゲート装置を用いた場合を説明する概
念図。(b)は、閉止装置として道路の長手方向に沿っ
て非対称な開閉ゲート装置を用いた場合を説明する概念
図。
【図6】本発明の第1実施形態を示す説明斜視図。
【図7】本実施形態に係る旋回ゲート装置の遮断部材を
示す簡略正面図。
【図8】同じく遮断部材を示す簡略平面図。
【図9】同じく遮断部材を示す簡略底面図。
【図10】同じく遮断部材が備える姿勢保持手段を示す
説明斜視図。
【図11】同じく遮断部材が備える駆動手段を示す簡略
断面図。
【図12】本実施形態において上り側車道の開所手前2
km地点に設置される電光掲示板を示す説明図。
【図13】(a)〜(e)は、本実施形態において上り
側車道の開所直前に設置される電光掲示板を示す説明
図。
【図14】本実施形態において下り側車道の開所手前2
km地点に設置される電光掲示板を示す説明図。
【図15】(a)〜(c)は、本実施形態において下り
側車道の開所直前に設置される電光掲示板を示す説明
図。
【図16】(a)〜(d)は、本実施形態に係る旋回ゲ
ート装置の遮断部材が備える情報表示部を示す説明図。
【図17】昇降装置を示す説明斜視図。
【図18】本発明の第2実施形態を示す説明斜視図。
【図19】従来の除去可能な防壁を示す説明斜視図。
【符号の説明】
1 開所 2 閉止装置 3、4 車道 5 中央分離
帯 6 通行部位 7 支柱 8 駆動手段 9 旋回中心
軸 10a、10b 遮断部材 11 旋回ゲ
ート装置 12 本体フレーム 12a、12
b、12c 主鋼管 13 トラス管 14、15
閉鎖部材 16 開閉ゲート装置 17 昇降装
置 18 本体部 19 上板 20 筒体 21 スライ
ド案内部材 21a 貫通孔 22 ストッ
パー部材 23 減速機付きモータ 24 姿勢保
持手段 25 支持孔 26 先端部 27、28 駆動輪 29 歯車減
速機 30、31、32 ローラチェーン 33 直流モ
ータ 34 駆動手段 35 駆動ケ
ース 36、37 遊動輪 38 警告灯 39 制御装置 40 給電手
段 41 配電盤 41a スイ
ッチ 42 配線 43 支持部 44 ビーコン局 45 電光掲
示板 46 停止ライン 47 開閉ゲ
ート装置 48、49 端部 50a、50
b 閉鎖部材 51 駆動手段 52 給電手
段 53 通行空間 54 規制装
置 100 中央分離帯 101 開所 102 閉止装置 103、104 車道 105a、105b 車輌 106 通行部位 107、108 位置 109、109c、109d、109e、109f 旋
回中心軸 110a、110b、110c、110d、110e、
110f 遮断部材 111A、111B、111C 旋回ゲート装置 112、113 端部 114、115 閉鎖部材 116、116C 開閉ゲート装置 117 昇降装置 120 規制部材 500 中央分離帯 501 通路 502 防壁 503a、503b 車道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01F 13/00 - 13/12

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路の中央分離帯適所に対向車道側へ車
    輌を通過させる開所を設け、通常時は駆動手段を有する
    閉止装置で前記開所を閉鎖しておき、交通規制の際に
    は、前記閉止装置、又は閉止装置及び別途設けた規制装
    置を、遠隔操作若しくは現場操作に基づき又は自動的に
    作動させることにより、規制区域に向かって上り側の車
    道における、前記開所の少なくとも1車輌幅を有する通
    行部位が進行方向手前側となる位置で、当該上り側車道
    の車輌進行を阻止し、以後、前記開所における少なくと
    も通行部位を開放して、前記上り側車道で進行阻止され
    た車輌を当該通行部位を介して下り側車道へ誘導すると
    ともに、下り側車道における前記通行部位より進行方向
    手前側の適宜な位置で、当該下り側車道の車輌進行を阻
    止する過程と、前記開所における少なくとも通行部位を
    閉鎖し、上り側車道で阻止された車輌の前記下り側車道
    への通行を阻止するとともに、下り側車道における車輌
    の進行阻止の状態を解除する過程とを交互に行なう車輌
    誘導方法。
  2. 【請求項2】 前記閉止装置の駆動が、道路状況又は経
    過時間に応じて制御される請求項1記載の車輌誘導方
    法。
  3. 【請求項3】 前記道路状況は、上り側車道及び下り側
    車道の開所に対して進行方向手前側の適宜な位置に設け
    た車輌検出手段又は速度検出手段により得られる請求項
    2記載の車輌誘導方法。
  4. 【請求項4】 前記開所に対して進行方向手前側におけ
    る車道に沿った適宜な位置に電光掲示板を設け、交通規
    制の際には前記電光掲示板に誘導に関する案内情報を電
    光表示する請求項1〜3の何れか1項に記載の車輌誘導
    方法。
  5. 【請求項5】 前記開所に対して進行方向手前側におけ
    る車道に沿った適宜な位置にビーコン局を設け、交通規
    制の際には前記ビーコン局から車輌に搭載したナビゲー
    ション装置に対し誘導に関する案内情報を無線送信する
    請求項1〜4の何れか1項に記載の車輌誘導方法。
  6. 【請求項6】 前記開所に対して進行方向手前側におけ
    る車道に沿った適宜な位置に、上端の閉口した単又は複
    数の筒体を路面に対し出没させる昇降装置を埋設し、通
    常時は前記筒体の上面を路面高さに略一致させた状態で
    地中に埋没させておき、交通規制の際には前記筒体を路
    面より僅か上方に突出させて、車輪がその上面を通過し
    た車輌の運転者に警告を与える請求項1〜5の何れか1
    項に記載の車輌誘導方法。
  7. 【請求項7】 前記閉止装置は、開所に立設した共有若
    しくは独自の旋回中心軸を中心に回動し、それぞれ上り
    側車道又は下り側車道に旋回突出される複数の遮断部材
    を備え、通常はこれら部材を道路と平行に配置させて開
    所を閉鎖しておき、交通規制の際には、一部所定の部材
    を上り側車道に旋回突出させて上り側車道の車輌進行を
    阻止し、以後、残り所定の部材を下り側車道に旋回突出
    させて、通行部位を開放するとともに下り側車道の車輌
    進行を阻止する過程と、当該残り所定の部材を通常位置
    まで逆方向に旋回させて、通行部位を閉鎖するとともに
    下り側車道の進行阻止状態を解除する過程とを交互に行
    なう請求項1〜6の何れか1項に記載の車輌誘導方法。
  8. 【請求項8】 前記閉止装置として、開所の略中央部に
    立設される旋回中心軸と、該旋回中心軸にその端部を支
    持された状態で旋回する2つの遮断部材と、各遮断部材
    を独立に旋回駆動させる駆動手段と、この駆動手段に電
    力を供給する給電手段とを備えた旋回ゲート装置を設
    け、通常は前記2部材を道路に平行な一直線状に配置さ
    せて開所を閉鎖しておき、交通規制の際には、旋回中心
    軸に対して上り側進行方向に位置する上り側遮断部材を
    旋回させて上り側車道の車輌進行を阻止し、以後、他方
    の下り側遮断部材を旋回させて、通行部位を開放すると
    ともに下り側車道の車輌進行を阻止する過程と、当該下
    り側遮断部材を通常位置まで逆方向に旋回させて、通行
    部位を閉鎖するとともに下り側車道の進行阻止状態を解
    除する過程とを交互に行なう請求項7記載の車輌誘導方
    法。
  9. 【請求項9】 前記閉止装置として、開所の略中央部に
    立設される旋回中心軸と、該旋回中心軸にその端部を支
    持された状態で旋回する2つの遮断部材と、各遮断部材
    を独立に旋回駆動させる駆動手段と、この駆動手段に電
    力を供給する給電手段とを備えた旋回ゲート装置、並び
    に前記開所に臨む中央分離帯の両端部から、それぞれ前
    記開所空間内に道路の長手方向に沿って移動する2つの
    閉鎖部材と、各閉鎖部材を独立に駆動させる駆動手段
    と、この駆動手段に電力を供給する給電手段とを備えた
    開閉ゲート装置とを併設し、通常は、前記旋回ゲート装
    置の2つの遮断部材を道路に平行な一直線状に配置させ
    且つ開閉ゲート装置の2つの閉鎖部材を前記中央分離帯
    の両端から開所空間内に突設することで前記開所を閉鎖
    しておき、交通規制の際には、旋回中心軸に対して上り
    側進行方向に位置する上り側遮断部材を旋回させて上り
    側車道の車輌進行を阻止し、以後、他方の下り側遮断部
    材を旋回させ且つ開所に対して下り側進行方向に位置す
    る閉鎖部材を下り側進行方向に移動して開所空間外の中
    央分離帯に重装し、通行部位を開放するとともに下り側
    車道の車輌進行を阻止する過程と、当該下り側遮断部材
    を通常位置まで逆方向に旋回させ且つ前記閉鎖部材を上
    り側進行方向に移動して開所空間内の通常位置まで突設
    させて、通行部位を閉鎖するとともに下り側車道の通行
    阻止手段を解除する過程とを交互に行なう請求項7記載
    の車輌誘導方法。
  10. 【請求項10】 前記遮断部材の表面に、誘導に関する
    案内情報を表示する情報表示部を設けた請求項7〜9の
    何れか1項に記載の車輌誘導方法。
  11. 【請求項11】 前記規制装置として、路面より上方に
    突出した位置において車輌進行路幅を実質的に狭め車輌
    進行を阻止する上昇位置と、路面付近に下降した位置に
    おいて前記車輌進行を阻止しない下降位置との間を二位
    置的に昇降する上端の閉口した単又は複数の筒体と、該
    筒体を昇降駆動させる駆動手段と、この駆動手段に電力
    を供給する給電手段とを備えた昇降装置を地中に埋設
    し、上昇位置とすることで前記路面における車輌の走行
    を阻止する請求項1〜10の何れか1項に記載の車輌誘
    導方法。
  12. 【請求項12】 上り側車道に設けた昇降装置は、交通
    規制の際、緊急車輌から発信される無線信号を受けて、
    上昇位置にある筒体の一部又は全体を下降位置に降下さ
    せる請求項11記載の車輌誘導方法。
  13. 【請求項13】 道路の中央分離帯適所に設けられた開
    所の略中央部に直立する旋回中心軸と、該旋回中心軸に
    その端部を支持された状態で旋回する2つの遮断部材
    と、各遮断部材を独立に旋回駆動させる駆動手段と、こ
    の駆動手段に電力を供給する給電手段とを備え、前記遮
    断部材は、通常時には道路に平行な一直線状に配置され
    て開所を閉鎖し、交通規制の際には、前記旋回中心軸に
    対して規制区域の方向に位置する上り側遮断部材が、前
    記規制区域に向かって上り側の車道に旋回して当該上り
    側車道の車輌進行を阻止する位置まで駆動され、以後、
    他方の下り側遮断部材が、下り側車道に旋回して通行部
    位を開放するとともに当該下り側車道の車輌進行を阻止
    する位置と、逆方向に旋回して通行部位を閉鎖するとと
    もに前記下り側車道の進行阻止状態を解除する通常位置
    との間を二位置的に駆動される旋回ゲート装置。
  14. 【請求項14】 少なくとも1車線の略全幅にわたる旋
    回半径を有する遮断部材を有し、その半径方向先端部に
    当該遮断部材を旋回中心軸の周りに旋回駆動させる駆動
    輪及び駆動モータよりなる駆動手段を備えた請求項13
    記載の旋回ゲート装置。
  15. 【請求項15】 遮断部材の途中部に、前記駆動輪と共
    に該遮断部材を支持する遊動輪を備えた請求項14記載
    の旋回ゲート装置。
  16. 【請求項16】 各遮断部材に設けた少なくとも2輪の
    駆動輪と少なくとも1輪の遊動輪により自重を支持され
    て自立している請求項13〜15の何れか1項に記載の
    旋回ゲート装置。
  17. 【請求項17】 前記遮断部材がトラス構造を有してい
    る請求項13〜16の何れか1項に記載の旋回ゲート装
    置。
  18. 【請求項18】 前記遮断部材は、車輌の衝突力に抗し
    て車道に平行な姿勢を保持する姿勢保持手段を有し、開
    所における走行車輌の対向車道側への逸脱を防止する防
    護体として用いられる請求項13〜17の何れか1項に
    記載の旋回ゲート装置。
  19. 【請求項19】 前記遮断部材上部における旋回半径方
    向に沿った所定間隔毎に、前記交通規制時に点灯又は点
    滅する警告灯を備えた請求項13〜18の何れか1項に
    記載の旋回ゲート装置。
  20. 【請求項20】 前記遮断部材の表面に、誘導に関する
    案内情報が表示される電光表示部を備えた請求項13〜
    19の何れか1項に記載の旋回ゲート装置。
  21. 【請求項21】 前記給電手段がバックアップ電源とし
    て二次電池を備え、且つ駆動手段の駆動モータが直流モ
    ータである請求項13〜20の何れか1項に記載の旋回
    ゲート装置。
  22. 【請求項22】 前記給電手段がソーラ発電装置を備え
    ている請求項13〜21の何れか1項に記載の旋回ゲー
    ト装置。
  23. 【請求項23】 前記駆動手段が手動により遮断部材を
    旋回させる手動旋回機構を備えている請求項13〜22
    の何れか1項に記載の旋回ゲート装置。
  24. 【請求項24】 請求項13記載の旋回ゲート装置に併
    設される開閉ゲート装置であって、中央分離帯適所に設
    けられた開所に臨む当該中央分離帯の両端部から、それ
    ぞれ前記開所空間内に道路の長手方向に沿って移動する
    2つの閉鎖部材と、各閉鎖部材を独立に駆動させる駆動
    手段と、この駆動手段に電力を供給する給電手段とを備
    え、通常時には、前記2つの閉鎖部材が前記中央分離帯
    の両端から開所空間内に突設されて前記旋回ゲート装置
    の2つの遮断部材と併せて前記開所を閉鎖し、交通規制
    の際には、上り側遮断部材により当該上り側車道の車輌
    進行が阻止された後、前記旋回ゲート装置の旋回中心軸
    に対して下り側進行方向に位置する閉鎖部材が、下り側
    進行方向に移動して開所空間外の中央分離帯に重装さ
    れ、下り側車道に旋回した下り側遮断部材の旋回動作と
    併せて通行部位を開放する位置と、上り側進行方向に移
    動して開所空間内に突設され、当該開所空間内に旋回し
    た前記下り側遮断部材と併せて通行部位を閉鎖する通常
    位置との間を二位置的に駆動される開閉ゲート装置。
  25. 【請求項25】 前記閉鎖部材は、車輌の衝突力に抗し
    て直立な姿勢を保持する姿勢保持手段を有し、開所にお
    いて走行車輌の対向車道側への逸脱を防止する防護体と
    して用いられる請求項24記載の開閉ゲート装置。
  26. 【請求項26】 前記給電手段がバックアップ電源とし
    て二次電池を備え、且つ駆動手段の駆動モータが直流モ
    ータである請求項24又は25記載の開閉ゲート装置。
  27. 【請求項27】 前記給電手段がソーラ発電装置を備え
    ている請求項24〜26の何れか1項に記載の開閉ゲー
    ト装置。
  28. 【請求項28】 前記駆動手段が手動により閉鎖部材を
    移動させる手動移送機構を備えている請求項24〜27
    の何れか1項に記載の開閉ゲート装置。
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