JP3295312B2 - 製紙パルプスラッジ石膏ボードの製造方法および製紙パルプスラッジ石膏ボード - Google Patents
製紙パルプスラッジ石膏ボードの製造方法および製紙パルプスラッジ石膏ボードInfo
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙工場の産業廃棄物
として焼却あるいは、埋め立てにより廃棄処分されてい
た製紙パルプスラッジを再活用して得る高強度の製紙パ
ルプスラッジ石膏ボードの製造方法および製紙パルプス
ラッジ石膏ボードに関する。
として焼却あるいは、埋め立てにより廃棄処分されてい
た製紙パルプスラッジを再活用して得る高強度の製紙パ
ルプスラッジ石膏ボードの製造方法および製紙パルプス
ラッジ石膏ボードに関する。
【０００２】
【従来技術】製紙パルプスラッジは製紙工場の産業廃棄
物として大量に焼却あるいは、埋め立てにより廃棄処分
されており、その再利用方法として、建材用内・外装用
ボードとして再生することが提案されている。
物として大量に焼却あるいは、埋め立てにより廃棄処分
されており、その再利用方法として、建材用内・外装用
ボードとして再生することが提案されている。
【０００３】その一利用方法として、製紙パルプスラッ
ジと半水石膏（ＣａＳＯ４・１／２Ｈ２Ｏ）を混練して
作られる建材用石膏ボードがある。ここで主原料として
使用される石膏は、天然に産出される天然石膏と合成さ
れた副産石膏とに大別される。いすれも二水石膏（Ｃａ
ＳＯ４・２Ｈ２Ｏ）で、これを焼いて半水石膏化する
か、加圧水溶液法で半水石膏化することにより製造され
る。前者はβ型石膏、後者はα型石膏と称されている。
建材用石膏ボードに用いられる原料用石膏は、焼成炉で
１５０〜１８０℃付近で焼くβ型石膏が主体である。
ジと半水石膏（ＣａＳＯ４・１／２Ｈ２Ｏ）を混練して
作られる建材用石膏ボードがある。ここで主原料として
使用される石膏は、天然に産出される天然石膏と合成さ
れた副産石膏とに大別される。いすれも二水石膏（Ｃａ
ＳＯ４・２Ｈ２Ｏ）で、これを焼いて半水石膏化する
か、加圧水溶液法で半水石膏化することにより製造され
る。前者はβ型石膏、後者はα型石膏と称されている。
建材用石膏ボードに用いられる原料用石膏は、焼成炉で
１５０〜１８０℃付近で焼くβ型石膏が主体である。
【０００４】製紙パルプスラッジを用いた石膏ボードの
製造方法としては、主原料に半水石膏を用い、強化剤と
してパルプ製紙廃泥と合成繊維、ガラス繊維などの長繊
維を添加し混合、加圧成型する建材用石膏ボードの製造
方法が提案されている。（特開昭５０−９５３２２号公
報参照）
製造方法としては、主原料に半水石膏を用い、強化剤と
してパルプ製紙廃泥と合成繊維、ガラス繊維などの長繊
維を添加し混合、加圧成型する建材用石膏ボードの製造
方法が提案されている。（特開昭５０−９５３２２号公
報参照）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来、建材用石膏ボー
ドの主原料である焼石膏（半水石膏）は、原料石膏→ド
ライヤー→焼成炉→粉砕機→サイロの多重工程を経て作
られる。このようにして作られた半水石膏は水と接触す
ると同時に水和反応が進行するため、凝結調整剤を用い
て水和時間を調整するなどし、建材用石膏ボードの主原
料として用いられている。特開昭５０−９５３２２号公
報では、前述した方法により製造された焼石膏を主原料
として用い、強化材としてパルプ製紙廃泥と合成繊維、
ガラス繊維などの長繊維を添加し、これにより強度向上
を図ることを基本とするものである。
ドの主原料である焼石膏（半水石膏）は、原料石膏→ド
ライヤー→焼成炉→粉砕機→サイロの多重工程を経て作
られる。このようにして作られた半水石膏は水と接触す
ると同時に水和反応が進行するため、凝結調整剤を用い
て水和時間を調整するなどし、建材用石膏ボードの主原
料として用いられている。特開昭５０−９５３２２号公
報では、前述した方法により製造された焼石膏を主原料
として用い、強化材としてパルプ製紙廃泥と合成繊維、
ガラス繊維などの長繊維を添加し、これにより強度向上
を図ることを基本とするものである。
【０００６】このように従来の建材用石膏ボードの製造
方法では、主原料の半水石膏の水和による硬化性に依存
するため、直接二水石膏を用いて建材用ボードを製造す
ることを退け、わざわざ工程の重なる二水石膏の焼成工
程を経て半水石膏を得ている。さらに、半水石膏は水和
の進行が早いので、水を添加する混合混練工程で、機材
へ付着した石膏が固着固化するという本質的な問題を有
している。
方法では、主原料の半水石膏の水和による硬化性に依存
するため、直接二水石膏を用いて建材用ボードを製造す
ることを退け、わざわざ工程の重なる二水石膏の焼成工
程を経て半水石膏を得ている。さらに、半水石膏は水和
の進行が早いので、水を添加する混合混練工程で、機材
へ付着した石膏が固着固化するという本質的な問題を有
している。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、二水石膏を主
原料とし、強化材に製紙パルプスラッジを添加し半乾式
混合したのち、圧縮成型中に温度１２０〜１５０℃、圧
力５〜２０ｋｇ／ｃｍ２下で一定時間保持し、その後放
圧放冷して二水石膏が半水石膏化した成型枠をそのまま
加水処理し、これを成型固化することを特徴とする製紙
パルプスラッジ石膏ボードの製造方法であり、それによ
り製造される製紙パルプスラッジ石膏ボードである。
原料とし、強化材に製紙パルプスラッジを添加し半乾式
混合したのち、圧縮成型中に温度１２０〜１５０℃、圧
力５〜２０ｋｇ／ｃｍ２下で一定時間保持し、その後放
圧放冷して二水石膏が半水石膏化した成型枠をそのまま
加水処理し、これを成型固化することを特徴とする製紙
パルプスラッジ石膏ボードの製造方法であり、それによ
り製造される製紙パルプスラッジ石膏ボードである。
【０００８】また、主原料である二水石膏に製紙パルプ
スラッジを添加し半乾式混合して圧縮成型後、温度１２
０〜１５０℃、圧力５〜２０ｋｇ／ｃｍ２下で一定時間
保持し、その後放圧放冷して二水石膏が半水石膏化した
成型枠をそのまま加水処理し、成型固化することを特徴
とする製紙パルプスラッジ石膏ボードの製造方法と、そ
れにより製造される製紙パルプスラッジ石膏ボードであ
る。
スラッジを添加し半乾式混合して圧縮成型後、温度１２
０〜１５０℃、圧力５〜２０ｋｇ／ｃｍ２下で一定時間
保持し、その後放圧放冷して二水石膏が半水石膏化した
成型枠をそのまま加水処理し、成型固化することを特徴
とする製紙パルプスラッジ石膏ボードの製造方法と、そ
れにより製造される製紙パルプスラッジ石膏ボードであ
る。
【０００９】すなわち、本発明は高強度の建材用の製紙
パルプスラッジ石膏ボードの製造にあたり二水石膏を主
原料とし、圧縮成型中もしくはその後に加温加圧して型
枠の中で半水石膏化せしめ、これを再び加水処理して二
水石膏とし、固化することで従来技術のような半水石膏
化せしめる多重の焼成工程を省略することができ、併せ
て、水と半水石膏の水和によって起きる混合混練工程で
の機材への固着固化の排除を可能とした画期的な製紙パ
ルプスラッジ石膏ボードの製造方法を提供するものであ
る。
パルプスラッジ石膏ボードの製造にあたり二水石膏を主
原料とし、圧縮成型中もしくはその後に加温加圧して型
枠の中で半水石膏化せしめ、これを再び加水処理して二
水石膏とし、固化することで従来技術のような半水石膏
化せしめる多重の焼成工程を省略することができ、併せ
て、水と半水石膏の水和によって起きる混合混練工程で
の機材への固着固化の排除を可能とした画期的な製紙パ
ルプスラッジ石膏ボードの製造方法を提供するものであ
る。
【００１０】
【作用】本発明における製紙パルプスラッジ中の含水微
細繊維と混合された二水石膏は、圧縮成型枠の中で温度
１２０〜１５０℃、圧力５〜２０ｋｇ／ｃｍ２のもとで
３〜１５分保持すると、半水石膏となる。かくして、加
温、加圧処理されてできた成型枠の半水石膏、もしくは
成型後に加温、加圧処理されてできた半水石膏は、加水
処理を施すことにより二水石膏となる。すなわち、二水
石膏→半水石膏→復水石膏化を成型枠の中で完結しうる
ものである。上記したように本発明の半水石膏処理は、
加温加圧した成型枠の中、もしくは成型後加温加圧する
ことにより達成できることを特徴としている。加温加圧
には相関があり、温度１１０℃以下では圧力２０ｋｇ／
ｃｍ２で長時間処理しても半水石膏化は難しい。加温加
圧は高温高圧下になるに従い、短時間で半水石膏と化す
が、好ましい範囲は１２０〜１５０℃、圧力５〜２０ｋ
ｇ／ｃｍ２で処理時間１５分である。本発明により処理
された半水石膏は、製紙パルプスラッジ中の微細繊維と
混合されたままの状態であり、加水処理の際この微細繊
維の毛細管を通じ半水石膏のそば迄湿潤加水されるの
で、微細繊維の極近傍から二水石膏の結晶が成長する。
そのため微細繊維と復水石膏との絡合性が強まり、高い
強度を有する製紙パルプスラッジ石膏ボードとなる。以
下具体的に実施例について説明する。
細繊維と混合された二水石膏は、圧縮成型枠の中で温度
１２０〜１５０℃、圧力５〜２０ｋｇ／ｃｍ２のもとで
３〜１５分保持すると、半水石膏となる。かくして、加
温、加圧処理されてできた成型枠の半水石膏、もしくは
成型後に加温、加圧処理されてできた半水石膏は、加水
処理を施すことにより二水石膏となる。すなわち、二水
石膏→半水石膏→復水石膏化を成型枠の中で完結しうる
ものである。上記したように本発明の半水石膏処理は、
加温加圧した成型枠の中、もしくは成型後加温加圧する
ことにより達成できることを特徴としている。加温加圧
には相関があり、温度１１０℃以下では圧力２０ｋｇ／
ｃｍ２で長時間処理しても半水石膏化は難しい。加温加
圧は高温高圧下になるに従い、短時間で半水石膏と化す
が、好ましい範囲は１２０〜１５０℃、圧力５〜２０ｋ
ｇ／ｃｍ２で処理時間１５分である。本発明により処理
された半水石膏は、製紙パルプスラッジ中の微細繊維と
混合されたままの状態であり、加水処理の際この微細繊
維の毛細管を通じ半水石膏のそば迄湿潤加水されるの
で、微細繊維の極近傍から二水石膏の結晶が成長する。
そのため微細繊維と復水石膏との絡合性が強まり、高い
強度を有する製紙パルプスラッジ石膏ボードとなる。以
下具体的に実施例について説明する。
【００１１】
【実施例１】水分５０％程度含有している製紙パルプス
ラッジと原料二水石膏を１：１で水分添加をしない半乾
式で混練混合し、圧縮成型中に温度１４０℃、圧力１０
ｋｇ／ｃｍ２下で１５分間保持し、その後放圧放冷して
二水石膏が半水石膏化した成型枠をそのまま加水処理し
た。得られた厚さ１２ｍｍ、縦３００ｍｍ、横３００ｍ
ｍの製紙パルプスラッジ石膏ボードにて、かさ比重、曲
げ強さ、圧縮強さの試験を行った。かさ比重１．２０、
曲げ強さ８０ｋｇｆ／ｃｍ２、圧縮強さ２５０ｋｇｆ／
ｃｍ２であった。曲げ強さはＪＩＳ Ａ１４０８、圧縮
強さはＪＩＳ Ｒ５２０１に準じた。
ラッジと原料二水石膏を１：１で水分添加をしない半乾
式で混練混合し、圧縮成型中に温度１４０℃、圧力１０
ｋｇ／ｃｍ２下で１５分間保持し、その後放圧放冷して
二水石膏が半水石膏化した成型枠をそのまま加水処理し
た。得られた厚さ１２ｍｍ、縦３００ｍｍ、横３００ｍ
ｍの製紙パルプスラッジ石膏ボードにて、かさ比重、曲
げ強さ、圧縮強さの試験を行った。かさ比重１．２０、
曲げ強さ８０ｋｇｆ／ｃｍ２、圧縮強さ２５０ｋｇｆ／
ｃｍ２であった。曲げ強さはＪＩＳ Ａ１４０８、圧縮
強さはＪＩＳ Ｒ５２０１に準じた。
【００１２】
【実施例２】水分５０％程度含有している製紙パルプス
ラッジと図１の原料二水石膏を１：１で水分添加しない
半乾式で混練混合し、圧縮成型後に温度１４０℃、圧力
１０ｋｇ／ｍ２下で１５分間保持し、その後放圧放冷し
て二水石膏が半水石膏化した成型枠をそのまま加水処理
し、実施例１と同様の製紙パルプスラッジ石膏ボードを
得た。かさ比重１．２２、曲げ強さ８１ｋｇｆ／ｃ
ｍ２、圧縮強さは２４７ｋｇｆ／ｃｍ２であった。
ラッジと図１の原料二水石膏を１：１で水分添加しない
半乾式で混練混合し、圧縮成型後に温度１４０℃、圧力
１０ｋｇ／ｍ２下で１５分間保持し、その後放圧放冷し
て二水石膏が半水石膏化した成型枠をそのまま加水処理
し、実施例１と同様の製紙パルプスラッジ石膏ボードを
得た。かさ比重１．２２、曲げ強さ８１ｋｇｆ／ｃ
ｍ２、圧縮強さは２４７ｋｇｆ／ｃｍ２であった。
【００１３】
【発明の効果】本発明は高強度の建材用の製紙パルプス
ラッジ石膏ボードの製造にあたり二水石膏を主原料と
し、圧縮成型中もしくはその後に加温加圧して型枠の中
で半水石膏化せしめ、これを再び加水処理して二水石膏
とし、固化することで、従来技術のような半水石膏化せ
しめる多重の焼成工程を省略することができ、併せて、
水と半水石膏の水和によって起きる混合混練工程での機
材への固着固化の排除を可能とした。また、工程の省
略、機材への固着を排除することで、製造工程を簡略化
することができ、コストを低減することもできる。
ラッジ石膏ボードの製造にあたり二水石膏を主原料と
し、圧縮成型中もしくはその後に加温加圧して型枠の中
で半水石膏化せしめ、これを再び加水処理して二水石膏
とし、固化することで、従来技術のような半水石膏化せ
しめる多重の焼成工程を省略することができ、併せて、
水と半水石膏の水和によって起きる混合混練工程での機
材への固着固化の排除を可能とした。また、工程の省
略、機材への固着を排除することで、製造工程を簡略化
することができ、コストを低減することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−267149（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−25151（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−183647（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−310462（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−310456（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−95322（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B28B 3/00 - 5/12 C04B 28/14
Claims (3)
- 【請求項１】製紙パルプスラッジを強化材に用いて二水
石膏と半乾式混合し圧縮成型固化する際に、製紙パルプ
スラッジと二水石膏を半乾式混合する第１工程と、該混
合物を圧縮成型中に温度１２０〜１５０℃、圧力５〜２
０ｋｇ／ｃｍ２下で一定時間保持する第２工程と、その
後放圧放冷して二水石膏が半水石膏化した成型枠をその
まま加水処理する第３工程と、これを成型固化する第４
工程からなることを特徴とする製紙パルプスラッジ石膏
ボードの製造方法。 - 【請求項２】製紙パルプスラッジを強化材に用いて二水
石膏と半乾式混合し圧縮成型固化する際に、製紙パルプ
スラッジと二水石膏を半乾式混合する第１工程と、該混
合物を圧縮成型する第２工程と、温度１２０〜１５０
℃、圧力５〜２０ｋｇ／ｃｍ２下で一定時間保持する第
３工程と、その後放圧放冷して二水石膏が半水石膏化し
た成型枠をそのまま加水処理する第４工程と、これを成
型固化する第５工程からなることを特徴とする製紙パル
プスラッジ石膏ボードの製造方法。 - 【請求項３】請求項１または請求項２によって製造され
る製紙パルプスラッジ石膏ボード。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21038796A JP3295312B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 製紙パルプスラッジ石膏ボードの製造方法および製紙パルプスラッジ石膏ボード |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21038796A JP3295312B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 製紙パルプスラッジ石膏ボードの製造方法および製紙パルプスラッジ石膏ボード |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1015923A JPH1015923A (ja) | 1998-01-20 |
| JP3295312B2 true JP3295312B2 (ja) | 2002-06-24 |
Family
ID=16588499
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21038796A Expired - Fee Related JP3295312B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 製紙パルプスラッジ石膏ボードの製造方法および製紙パルプスラッジ石膏ボード |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3295312B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101870133A (zh) * | 2010-06-02 | 2010-10-27 | 韩灵翠 | 一种石膏板的生产方法及装置 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1338020A (zh) | 1998-12-11 | 2002-02-27 | 揖斐电株式会社 | 复合建材 |
-
1996
- 1996-07-05 JP JP21038796A patent/JP3295312B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101870133A (zh) * | 2010-06-02 | 2010-10-27 | 韩灵翠 | 一种石膏板的生产方法及装置 |
| CN101870133B (zh) * | 2010-06-02 | 2011-09-28 | 太原理工大学 | 一种石膏板的生产方法及装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1015923A (ja) | 1998-01-20 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |