JP3292765B2 - 顕微鏡標本の染色方法とその装置 - Google Patents

顕微鏡標本の染色方法とその装置

Info

Publication number
JP3292765B2
JP3292765B2 JP20703693A JP20703693A JP3292765B2 JP 3292765 B2 JP3292765 B2 JP 3292765B2 JP 20703693 A JP20703693 A JP 20703693A JP 20703693 A JP20703693 A JP 20703693A JP 3292765 B2 JP3292765 B2 JP 3292765B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage container
support
vertical
slide glass
sides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20703693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0743278A (ja
Inventor
一夫 宮沢
Original Assignee
株式会社千代田製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社千代田製作所 filed Critical 株式会社千代田製作所
Priority to JP20703693A priority Critical patent/JP3292765B2/ja
Publication of JPH0743278A publication Critical patent/JPH0743278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3292765B2 publication Critical patent/JP3292765B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る顕微鏡標本の染色
方法とその装置は、病院或は各種研究所に於いて、顕微
鏡観察を行なう為に、スライドガラスに貼着した組織片
或は細胞(本明細書ではこれらをまとめて試料とする)
を染色するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】病院等に於いて、患部から切除した試料
を顕微鏡により観察し、病気の診断をする事が広く行な
われている。この様な顕微鏡観察による病気の診断を容
易に行なえる様にする為、スライドガラスに貼着した試
料を染色する事が行なわれており、この染色作業を自動
的に行なう自動染色装置も種々提供されている。
【0003】図15は、特開昭61−235734号公
報に開示された自動染色装置を示している。先ず、この
図15に示した自動染色装置に就いて、簡単に説明す
る。
【0004】ケースの底板を兼ねる基板1の上面には、
それぞれ処理液を貯溜し上部が開口した多数の容器2、
2が整然と並べられている。多数の容器2、2を並べた
基板1の上方には互いに並行な2本の案内レール3、3
が配設されており、両案内レール3、3に掛け渡した支
持梁4が両案内レール3、3の長さ方向(図面の矢印a
方向)に移動自在となっている。更にこの支持梁4に
は、上記案内レール3、3の長さ方向と直角な方向に移
動する移動具5が設けられている。支持梁4が案内レー
ル3、3に沿って移動する量と、移動具5が支持梁4に
沿って移動する量とは、別途設けた制御器(図示せず)
によって制御される様になっており、上記支持梁4及び
移動具5は制御器の指令に基づいて水平方向に移動す
る。移動具5には、この移動具5に付設された昇降機構
により昇降させられる吊下腕6が設けられている。そし
て、この吊下腕6に設け、ソレノイドにより駆動される
係止具により、図16に示す様な、試料を貼着したスラ
イドガラスを収納した7が吊り下げられている。
【0005】上述の様に構成される従来の顕微鏡標本の
自動染色装置により、スライドガラスに貼着した試料の
染色処理を行なう場合、試料貼着済のスライドガラスを
収納した7を吊下腕6の係止具に吊下げ、制御器から
の指令により移動具5を予め定められた順番に従って水
平方向に移動させる事で7を所定の容器2の上に順番
に移動させる。7が所定の容器2の上に移動したなら
ば、吊下腕6を下降させてこの7に収納されたスライ
ドガラスを容器2内の処理液中に浸漬する。この際、吊
下腕6を細かく上下に振動させる振盪作業を行なって処
理液と試料とを馴染ませる。所定時間の浸漬を終了した
ならば、吊下腕6を上昇させて7を容器2から抜き出
し、この7を次の容器2に向けて移動させ、以下この
動作を所定回数行なって7内のスライドガラスに貼着
された試料を所望の染色方法により染色処理する。
【0006】上述した図15に示す自動染色装置以外の
自動染色装置に於いても、基本的な構成、並びに作用
は、この図15に示した自動染色装置と同様であり、何
れも染色処理に使用する液体を貯溜し上方が開口した容
器を基台上面に並べ、試料を貼着済のスライドガラスを
この容器内の液体に予め定められた順番に浸漬する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の自動染色装置に於いては、以下に述べる様な解決す
べき課題が存在する。即ち、染色作業を行なう場合、染
色すべき試料を貼着したスライドガラスを収納した籠7
を、順次処理液を貯溜した容器2、2に浸漬するが、こ
の際、籠7に付着した一の処理液が浸漬作業に伴って他
の処理液に混入する事が避けられない。例えば、150
mlの処理液中に、20枚のスライドガラスを収納した籠
7を浸漬した後、次の容器2にこの籠7を浸漬した場
合、当該容器2内の処理液中に、前の容器2中の処理液
が3ml程度混入した例も報告されている。
【0008】この様に、異なる種類の処理液同士が混り
合う事で、処理液は徐々に劣化していくが、処理液が劣
化した場合、所望通りの染色が行なわれなくなる。この
様な処理液の劣化を防止する為に種々の対策が提案され
ているが、これといった決め手がないのが現状である。
【0009】更に、処理液が劣化した場合、この処理液
は廃棄し、新たな処理液を容器2内に注入する。処理液
は高価である為、処理液が劣化する度合が早く、頻繁に
処理液を交換しなければならないのは不経済である。し
かも、上述した従来装置に於いては、染色処理の効率化
を図るべく同一の処理液を貯溜した容器2、2を複数
(例えばキシレンを貯溜した容器は5個、アルコールを
貯溜した容器は8個)用意し、これらそれぞれの容器
2、2に籠7を浸漬していた為、処理液の消費量が増大
してしまう事が避けられなかった。この為、できる限り
少量の処理液で、できる限り多量のスライドガラスを染
色できる技術の確立が望まれていた。
【0010】本発明の染色方法とその装置は、上述の様
な事情に鑑みて発明されたもので、異なる種類の処理液
が混り合う事なく、従って処理液が劣化する事なく、し
かも、少量の処理液で染色作業を行なえる様にするもの
である。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る顕微鏡標本の
染色方法とその装置の内、請求項1に記載された染色方
法は、上面に染色すべき試料を貼着した複数枚のスライ
ドガラスを、上下方向に亙り、互いに微小隙間を介在さ
せて、且つ、上方のスライドガラス程、その長さ方向一
端部を、直下のスライドガラスの長さ方向一端部よりも
突出させた状態で支持し、最上位置のスライドガラスの
長さ方向一端部に、所定の処理液を選択して分注する事
により、この処理液を上側のスライドガラスから下側の
スライドガラスに向け流下させ、順次処理液を試料に浸
透させる浸透行程と、この浸透行程の後、上記複数枚の
スライドガラスを、上下方向に亙り、互いに整合させた
状態で、且つ、上記微小隙間よりも大きい一定間隔を介
在させて支持し、この状態で上記複数枚のスライドガラ
スを鉛直軸を中心として回転させる事により、余分な処
理液を除去する除去行程とを備えている。そして、これ
ら各行程を順次、所定回数繰り返す事により、上記試料
を染色する。
【0012】又、請求項2に記載された染色装置は、上
下の横辺と左右の縦辺とから成り、互いに突き合わされ
る各辺の端部同士を軸支した枠状の収納容器と、染色す
べき試料を貼着したスライドガラスの長さ方向の両端部
をそれぞれ支持すべく、上記左右の縦辺の互いに対向す
る内側面に、それぞれ上下方向に亙り互いに同一ピッチ
に形成された、それぞれ同数の第一、第二の支持片と、
上下何れか一方の横辺の幅方向一端側に、上記縦辺と等
しい傾きでその上下何れか一端部を、回動手段により収
納容器の幅方向一端側開口部を開放する向きに回動自在
に軸支すると共に、上下何れか他端部と上下何れか他方
の横辺との何れか一方に形成した係止部と何れか他方に
形成した受部とを係合自在とした第一の側板と、上下の
横辺の幅方向他端側に、上記縦辺と等しい傾きでその上
下両端部を軸支した第二の側板と、上記収納容器の上下
何れか一端側の中央部外面に設けられた継手部材と、こ
の継手部材に着脱自在で、装着した場合に、収納容器を
上記上下何れか一端側から支持すると共に、この収納容
器を回転させる回転支持部材と、収納容器を回転させる
場合に、収納容器の上下何れか他端側の中央部外面を支
承する支承手段と、この収納容器の姿勢を変形させる変
形手段と、収納容器の長さ方向一端部上方に配設され、
最上位置のスライドガラスの長さ方向一端部に向け、処
理液を分注自在な分注ノズルとを備えている。そして、
上記収納容器は、上記変形手段により、縦辺が鉛直軸と
平行な第一姿勢と、縦辺が鉛直軸に対して角度θだけ傾
斜する事で、上側の横辺の長さ方向一端部が下側の横辺
の長さ方向一端部よりも突出する第二姿勢との何れかに
変形自在である。又、上記第一、第二の支持片は、収納
容器を第二姿勢とした場合にそれぞれ水平となる様、収
納容器の長さ方向一端側の支持片を、上記角度θとほぼ
等しい角度だけ上向きに形成すると共に、収納容器の長
さ方向他端側の支持片を、上記角度θとほぼ等しい角度
だけ下向きに形成している。更に、上記分注ノズルは、
制御器の指令に基づき、送液ポンプ及びロータリ弁を介
して複数の処理液容器の内の一つに接続自在としてい
る。
【0013】
【作用】上述の様に構成される本発明の装置を用いて試
料の染色を行なう場合の作用は、次の通りである、即
ち、先ず、第一の側板を回動させ、収納容器の幅方向一
端側開口部をスライドガラスが通過自在な状態とする。
この状態で、上面に染色すべき試料を貼着した複数のス
ライドガラスを、上記試料が上面となる様に収納容器に
入れ、スライドガラスの長さ方向両端部を、互いに対向
する第一、第二の支持片に掛け渡す様に載置する。所望
数のスライドガラスを収納容器内に収納したならば、上
記第一の側板を逆方向に回動させ、この第一の側板の上
下方向他端部とこの他端部に対向する横辺とにそれぞれ
設けた係止部と受部とを係合させる。次いで、ケーシン
グ内に於いて収納容器を回転支持部材に支持する。この
状態に於いて、収納容器は第一姿勢のままである。この
状態から変位手段を作動させ、収納容器を第一姿勢から
第二姿勢に変形させる。
【0014】次いで、制御器の指令に基づき、ロータリ
弁、送液ポンプを介して、複数の処理液を貯溜した処理
液容器の内の1つに接続した分注ノズルから、上記収納
容器内に収納されたスライドガラスの内、最上位置のス
ライドガラスの長さ方向一端部に処理液を分注する。最
上位置のスライドガラスの長さ方向一端部に分注した処
理液は、先ずこのスライドガラス上面に拡がって試料を
浸透する。続いて、上記処理液は直下のスライドガラス
に向け流下するが、この際、最上位置のスライドガラス
下面とこの直下のスライドガラス上面との間には微小隙
間が存在しており、上記流下した処理液は、毛細管現象
により上記微小隙間に入り、直下のスライドガラス上面
に行き亙る。この様にして、順次下方のスライドガラス
に処理液が行き亙る(浸透行程)。
【0015】最下のスライドガラス上面に処理液が行き
亙ったならば、変形手段を逆に作動させ、収納容器を第
二姿勢から第一姿勢に戻す。
【0016】次いで、支承手段により収納容器の上下何
れか他側を支承すると共に、回転支持部材を回転駆動す
る。これに伴い、収納容器が回転するが、この際、スラ
イドガラス上面の、試料の染色に供されない余分の処理
液は、回転の遠心力により、ケーシング内に飛散する。
これにより、スライドガラス上面から、染色に供されな
い余分の処理液が除去される(除去行程)。
【0017】更に、制御器は、予め記憶したプログラム
に従い、上記各行程を所定回数繰り返し、上記試料を染
色する。
【0018】
【実施例】図1〜11は本発明に係る染色装置の第一
施例を示している。本発明を構成する収納容器8は図4
に示す様に構成されている。この収納容器8は、上下の
横辺である横板9、10と、左右の縦辺である縦板1
1、12とを矩形枠状に組み合わせ、縦、横各板9〜1
2の互いに当接する部分を軸支している。本実施例に於
いては、上下の横板9、10の両端部四隅に突片13、
13を形成し、この突片13、13を介して、各板9〜
12を軸支している。従って、この収納容器8は、縦板
11、12の外面側から外力を作用させる事により、図
4に示す第一姿勢から図9に示す第二姿勢に変形自在で
ある。
【0019】上記第一姿勢は、縦板11、12が鉛直軸
イと平行な状態である。一方、第二姿勢は、縦板11、
12が鉛直軸イに対して角度θ(図1)だけ傾斜して、
上側の横板9の長さ方向一端部(図1の右端部)が下側
の横板10の長さ方向一端部(図1の右端部)よりも突
出した状態である。
【0020】収納容器8を構成する縦板11、12の、
互いに対向する内側面には、上下方向に亙り、同一ピッ
チで第一、第二の支持片14、15が形成されている。
第一、第二の支持片14、15には、スライドガラス1
6、16の長さ方向(図5、7の左右方向)両端部をそ
れぞれ支持する為に設ける。従って対となる第一、第二
の支持片14、15は等しい高さ位置に形成される。こ
れと共に、収納容器8が第一姿勢から第二姿勢に変形す
る際、変位方向側(図1の場合、左側)の縦板11の内
側面に形成する第一の支持片14、14は、上記角度θ
だけ上向きに傾斜させる。又、他方の第二の支持片1
5、15は上記角度θだけ下向きに傾斜させる。これに
より、収納容器8を第二姿勢とした場合、第一、第二の
各支持片14、15は水平な状態となる。この状態に於
いて、上下に隣り合う各支持片14、14同士(及び1
5、15同士)のピッチは、上側のスライドガラス16
の下面と、下側のスライドガラス16の上面との間に、
好ましくは0.1mm〜0.5mm程度の微小隙間17、1
7が形成される様に、スライドガラス16の厚みを勘案
して定める。但し、スライドガラス16上面に貼付する
試料の厚みは数μm 程度である為、この試料の厚みを考
慮する必要はない。
【0021】収納容器8の幅方向一端側(図2の下側)
には、2枚の第一の側板19、19を設けている。この
第一の側板19、19は縦板11、12の傾きと等しい
傾きに設けられる。そして、第一の側板19、19の上
端部を、上記横板9に軸支している。
【0022】更に、この第一の側板19、19の下端部
には、図8(A)に示す様に通孔20を形成している。
これと共に、下側の横板10の側面で、上記通孔20に
対向する位置には、先端を上記通孔20の内径よりも少
し大きな径の球状部とした係止突部21を設けている。
第一の側板19、19の上端部の表面或は裏面には開閉
手段である切り込み22を形成し、この第一の側板1
9、19を、収納容器8の一側開口(図8の右側)を開
閉自在とすべく、図8(A)の矢印b方向の回動自在と
している。第一の側板19、19を収納容器8から遠ざ
かる向きに揺動させる事で、上記一側開口からスライド
ガラス16、16を出し入れ自在であり、これとは逆方
向に回動させ、上記通孔20と係止突部21とを係合さ
せる事で、上記一側開口を閉じる事ができる。上記通孔
20が受部をなし、上記係止突部21が係止部をなす。
【0023】又、収納容器8の幅方向(図2の上下方
向)他端側(図2の上側)には、2枚の第一の側板1
8、18を設けている。この第二の側板18、18は縦
板11、12と等しい傾きに設けている。第二の側板1
8、18の上下両端部は、1対の横板9、10に軸支さ
れている。
【0024】収納容器8を構成する上側の横板9の中央
位置には、継手部材23を設け、後述する回転軸26の
下端部と接続自在としている。この継手部材23は従来
から知られた構造のものを採用する。又、収納容器8を
構成する下側の横板10の外面中央位置には、小凹部2
4を形成している。この小凹部24は、後述する支持軸
25の先端部を当接させる為に設ける。
【0025】収納容器8が配設される円筒状のケース3
3の中心部上方には、先端側がこのケース33内に進入
した回転軸26を設けている。この回転軸26はエアシ
リンダ32により上下方向に亙る伸縮自在であり、その
基端部は、固定の部分に軸受27a、27bを介して回
転自在に支承されている。又、中間部にはプーリ28を
設け、駆動装置であるモータ29の出力軸に設けたプー
リ30との間に掛け渡したベルト31により回転自在と
している。そして、前述した様にこの回転軸26の先端
部を収納容器8の継手部材23に接続自在としている。
【0026】ケース33の中心部下方には、先端側がこ
のケース33内に進入した支持軸25を設けている。支
承手段であるこの支持軸25も上記回転軸26と同様、
上下方向の変位自在としており、収納容器8に向け上昇
する事でその先端が収納容器8の小凹部24内面に当接
し、収納容器8を回転させた場合に収納容器8がぶれる
のを防止する。
【0027】上記回転軸26の先端部を収納容器8の継
手部材23に接続すると共に、支持軸25の先端を収納
容器8の小凹部24に当接させた状態に於いては、回転
軸26、支持軸25が収納容器8の中心軸と同一直線を
なす。この際、収納容器8は第一姿勢となる。
【0028】ケース33の側方には、変形手段である押
圧ロッド34を、例えばラック&ピニオンにより変位自
在に設けている。即ち、収納容器8を構成する縦板12
の下端部に対向する状態で押圧ロッド34を設け、この
押圧ロッド34を収納容器8に向け変位させる事によ
り、収納容器8を押圧し、収納容器8を図1に実線で示
す第一姿勢から同図に鎖線で示す第二姿勢に変形させ
る。
【0029】本実施例に於いては、図3に示す様に、押
圧ロッド34と支持軸25との変位を連動させている。
即ち、支持軸24の周囲或は近傍位置に、支持軸25の
下降を検出する近接スイッチ等の第一のセンサを設け、
この第一のセンサが支持軸25の下降を検出した場合
に、上記ピニオンを回転駆動させ、上記押圧ロッド34
を変位させる。更に、押圧ロッド34設置部分にも、押
圧ロッド34が、収納容器8が第二姿勢から第一姿勢に
変形した状態となる位置に迄変位した事を検出する第二
のセンサを設け、この第二のセンサの検出値により上記
支持軸25を上昇させる様に構成する。但し、押圧ロッ
ド34は、上記位置迄変位した場合、短時間(例えば3
秒)静止した後、再び同方向に変位を再開する。これ
は、上記支持軸25の先端を小凹部24に確実に当接さ
せる為である。
【0030】ケース33の内側上方で、支持軸25と回
転軸26との間に支持した収納容器8の、上記押圧ロッ
ド34と反対側には、分注ノズル35を設けている。こ
の分注ノズル35は、途中にローラポンプ36を設けた
第一の接続管37の一端を接続している。この第一の接
続管37の他端は従来から知られたロータリ弁38の吐
出口に接続している。又、このロータリ弁38の吸入口
には、第二の接続管39の一端を接続している。この第
二の接続管39の他端は、各種処理液を貯溜した処理液
容器40、40にその一端を接続した分岐管41、41
に接続している。
【0031】上記ローラポンプ36とロータリ弁38と
の作動は、図示しない制御器により制御する。即ち、こ
の制御器は、予めこの制御器が記憶する処理手順に従っ
て、ロータリ弁38の切り換え、ローラポンプ36の駆
動、停止等を行なわせる。
【0032】ケース33の底面には一端を廃液容器42
に接続した排出管43の他端を接続している。これら廃
液容器42、排出管43は、試料を染色処理する過程に
於いて、ケース33底面に溜まる処理液を排出する為に
設けられる。本実施例に於いては、ケース33の底面を
排出管43の接続部に向け低くなる様傾斜させ、処理液
排出の便宜を図っている。尚、支持軸25を通過させる
為にこのケース33の底面中心部に設けた通孔部分に
は、シール材44を設け、この部分の液密を保持してい
る。
【0033】上述の様に構成される、本発明の顕微鏡標
本の染色装置を用いて試料を染色する際の作用は、以下
の通りである。
【0034】先ず、第一の側板19、19の通孔20
と、下側の横板10の側面の係止突部21との係合を外
し、第一の側板19、19を回動させ、収納容器8の一
側開口をスライドガラス16、16が通過自在な状態と
する。この状態で、この一側開口から、染色すべき試料
を上面に貼着したスライドガラス16、16を挿入し、
第一、第二の支持片14、15の間に掛け渡す様に支持
する。所望数のスライドガラス16、16を支持したな
らば、ケース33の蓋体(図示せず)を開け、当該開口
部を介してこの収納容器8をケース33内に入れる。こ
の際、回転軸26は引き込めた状態とし、且つ、支持軸
25を下降させた状態としている。そして、収納容器8
の継手部材23を上記回転軸26の先端に対向させ、更
に、回転軸26を継手部材23に向け、下降(伸張)さ
せる事で、回転軸26と収納容器8とを連結する。この
状態に於いて、上記収納容器8は、縦板11、12が鉛
直軸と平行な第一姿勢をなして回転軸26に支持され
る。
【0035】次いで、押圧ロッド34を伸縮させる為の
駆動手段に通電する事で押圧ロッド34を変位させ、収
納容器8の縦板12の下端部を押圧する。これにより、
収納容器8は図1に示す第一姿勢から、縦板11、12
が鉛直軸イに対して角度θだけ傾斜した第二姿勢とな
る。上記押圧ロッド34は、ラック&ピニオンにより徐
々に変位する為、収納容器8の第一姿勢から第二姿勢へ
の変形は緩徐に行なわれ、この変形により収納容器8が
揺動する事はない。又、この逆の変形時も同様である。
【0036】収納容器8を第二姿勢とするのに伴い、第
一、第二の支持片14、15は水平状態になり、第一の
支持片14、14と第二の支持片15、15との間に上
下方向に亙ってスライドガラス16、16が支持された
状態となる。この際、収納容器8内に支持されたスライ
ドガラス16、16は、図9に示す様に、下方のスライ
ドガラス16程、その長さ方向一端部(図1、9の左端
部)を、直上のスライドガラス16の長さ方向一端部よ
りも突出する状態となる。又、上下に隣り合うスライド
ガラス16、16の間には、微小隙間17が存在する。
【0037】上述した様に、スライドガラス16、16
を、下方のスライドガラス16の長さ方向一端部が直上
のスライドガラス16の長さ方向一端部よりも突出する
状態としたならば、引き続いて制御器の指令により、ロ
ータリ弁38、ローラポンプ36が作動し、各種処理液
を貯溜した複数の処理液容器40、40の内、所定の処
理液容器40と分注ノズル35とが接続する。そして、
ローラポンプ36の作動によって分注ノズル35から、
最上位置のスライドガラス16の一端部上面に上記処理
液を供給する。
【0038】上記スライドガラス16の上面には、処理
液が拡がり、このスライドガラス16上面に貼着した試
料に浸透すると共に、余分な処理液が下方のスライドガ
ラス16に向け流下する。そして、スライドガラス1
6、16の間に存在する微小隙間17に、毛細管現象に
よって処理液が入り込み、直下のスライドガラス16の
上面に貼着した試料を浸透する。以下、同様にして処理
液が流下し、最終的に最下位置のスライドガラス16上
面に貼着した試料がこの処理液により浸透される。
【0039】この場合に於いて使用する処理液の量は、
予め実験により必要量を求めておき、この必要量だけ分
注ノズル35から分注させる様にする。1枚のスライド
ガラス16の上面に供給する処理液の量は、上記微小隙
間17の寸法にもよるが、例えば微小隙間17の寸法を
0.3mmとした場合、およそ0.5mlで済む。本発明者
の試算によると、従来装置に於いては、1個の試料につ
き1.5ml程度必要である為、処理液の消費量は1/3
となる。上記必要量の処理液を分注後、上記制御器は直
ちにローラポンプ36の作動を停止させ、処理液が無駄
に消費されるのを防止する。尚、分注ノズル35から分
注する処理液の量を、予め実験によって求めておくのに
代えて、最下位置のスライドガラス16の下方に光電セ
ンサを設け、上記スライドガラス16から処理液が流下
するのを検知した場合に、ローラポンプ36の作動を停
止させる様にする事もできる。或はローラポンプ36の
送液性能を基に、一定時間、ローラポンプ36を作動さ
せたならば、必要量の処理液が供給され、最下位置のス
ライドガラス16に迄達したとして、ローラポンプ36
を停止させる様にしても良い。
【0040】上述した様に、分注ノズル35から所定の
処理液を分注し、最上位置のスライドガラス16から最
下位置のスライドガラス16迄、順に処理液を流下さ
せ、総てのスライドガラス16、16上面に貼着した試
料を浸透する(浸透行程)。尚、試料の種類、染色処理
手順等によっては、しばらくの間、試料を当該処理液に
浸透させたままの状態とする必要のあるものも存在す
る。この様な場合、上記制御器は、処理液を分注後、所
望時間、処理を停止する事により、この所望時間の間、
試料を処理液に浸透させる。又、この際、変形手段であ
る押圧ロッド34を小刻みに変位させて試料と処理液と
の馴染みを良くする事も可能である。
【0041】上記浸透行程を終了したならば、押圧ロッ
ド34を図1で右方に変位させ、収納容器8を第二姿勢
から第一姿勢に変形させる。この際、前述した通り押圧
ロッド34はラック&ピニオンにより緩徐に変位すると
共に、収納容器8が第一姿勢をなす位置でこの押圧ロッ
ド34を一旦停止させる為、収納容器8の揺動を防止し
て、収納容器8を第二姿勢から第一姿勢に変形させた後
に行なう支持軸25の先端を小凹部24に当接させる作
業を行ない易くする。
【0042】押圧ロッド34が、収納容器8が第一姿勢
をなす位置に迄変位し、この位置で変位を停止したなら
ば、これに伴って支持軸25が上昇し、収納容器8の小
凹部24と支持軸25の先端とが当接する。この後、再
び押圧ロッド34が同方向に変位を再開し、収納容器8
の回転を妨げない位置で待機する。収納容器8は第一姿
勢をなしている為、この収納容器8内に支持したスライ
ドガラス16、16は、上下方向に亙り、上記微小隙間
17よりも十分大きい一定間隔で、且つ、互いの四辺が
整合した状態となる。
【0043】次いで、モータ29を駆動する事により、
プーリ30、28、ベルト31を介して回転軸26を回
転させる。上記プーリ28の径はプーリ30の径よりも
大きくし、回転軸26の回転速度が大きくなって収納容
器8内のスライドガラス16、16が、この回転に伴っ
てがたつくのを防止する。上記回転速度は、例えば10
0〜200r.p.m 程度とする。尚、本実施例に於いて
は、回転軸26を回転駆動する為の駆動手段として、モ
ータ29、プーリ28、30、ベルト31により構成し
た例を示したが、本発明の染色装置はこれに限定される
事はなく、例えばモータの出力軸を公知の減速機を介し
て回転軸26に接続する等、従来から知られた種々の手
段を採用できる。
【0044】尚、上記モータ29を停止した場合、収納
容器8は上側の横板9の長さ方向一端部に設けた、処理
液を通過させる為の切り欠き58、58が、図1、2で
押圧ロッド34と反対側(図1、2で左側)に位置する
状態で、図1〜2示す様に停止させる。この為、上記回
転軸26を回転させる為のモータ29をステッピングモ
ータとする等、上記収納容器8の停止位置を制御する制
御機構を付設する。この制御機構としては、従来知られ
た機構を採用できる。
【0045】回転軸26が回転する事により、この回転
軸26の下端に継手部材23により連結支持された収納
容器8が、この回転軸26を中心として回転する。この
際、収納容器8の下面中央部の小凹部24内には、支持
軸25の先端が当接している為、収納容器8が回転する
のに伴ってぶれる事はない。この回転に伴う遠心力によ
ってスライドガラス16、16上面に存在する、染色に
使用されなかった余分の処理液が飛散する。従って、収
納容器8の回転により、余分の処理液がスライドガラス
16、16の上面から除去される(除去行程)。スライ
ドガラスス16、16の上面から飛散した余分な処理液
は、ケース33の底面を流れ、排出管43を介して廃液
容器42内に貯められる。
【0046】一の処理液に関し、上述した浸透、除去、
各行程を行なったならば、制御器がロータリ弁38を作
動させて次の処理液を貯溜した処理液容器40と分注ノ
ズル35とを連通させ、再び上記各行程を順番に行な
う。以下、同様にして各種処理液を順に試料に浸透さ
せ、試料を染色する。
【0047】尚、上述した本実施例に於いては、第一の
側板19、19を回動させる手段として、図8(A)に
示した様に、第一の側板19、19の上端部に切り込み
22を形成した例に就いて説明したが、図8(B)、
(C)に示す様に蝶番45を利用しても良い。この図8
(B)、或は図8(C)にそれぞれ示した各例に於いて
は、上記蝶番45の一半部を枢軸46により軸支すると
共に、第一の側板19を固定した他半部を図8(B)
(C)の矢印c方向に回動自在としている。第一の側板
19の下端部と、この下端部に対向する下側の横板10
の側面とに、それぞれ係止部と受部との何れかを設ける
のは、図8(A)に示した例の場合と同様である。
【0048】更に、図10〜11に示す様に、収納容器
8の一端面に設ける継手部材23の端部外周面に、外向
フランジ状の鍔部47を設けると共に、収納容器8の他
端側面に、この継手部材23の先半部を挿入自在な断面
T字状の溝部48を形成し、一の収納容器8の他面側の
溝部48に、他の収納容器8の一面側の継手部材23を
挿入し、更に抜け止め部材49を挿入し、更に螺子止め
等の手段により固定する事で、複数の収納容器8を上下
方向に亙って連結できる様に構成する事も可能である。
この様に、複数の収納容器8を連結自在に構成すれば、
分注ノズル35の数を増加させる事によって、より多数
の試料を一度に染色できる為、処理効率が向上する。上
記分注ノズル35は、それぞれ上下の収納容器8、8の
上端の切り欠き58、58に対向させ、この切り欠き部
分58、58から処理液を分注する。
【0049】次に、図12は本発明に係る染色装置の第
二実施例を示している。本実施例に於いては、上下の横
辺を、1対の帯状の板材50、50により構成してい
る。上下の横辺を構成する、それぞれ1対の板材50、
50は互いに平行となる様、縦板11、12に軸支され
ている。又、1対の板材50、50の中間部には、平板
部51、51を設け、この平板部51、51に、それぞ
れ継手部材23、小凹部24、或は溝部48を設ける。
その他の構成並びに作用は、前述した第一実施例の場合
と同様である。
【0050】次に、図13は、本発明の染色装置の第三
実施例を示している。本実施例に於いては、左右の縦辺
を構成する断面略コ字形の縦板11、12の一端部5
2、52の寸法を比較的長く形成している。この様に構
成する事で、収納容器8bの一側開口はスライドガラス
16、16の長さ寸法よりも短くし、収納容器8b内に
収納したスライドガラス16、16が、この一側開口か
ら抜け出るのを防止している。即ち、この一端部52、
52が第二の側板として機能する。一方、縦板11、1
2の他端部53、53の寸法を比較的短く形成してい
る。この他端部53、53同士の間部分の寸法は、スラ
イドガラス16、16の長さ寸法よりも大きくし、この
他側開口からスライドガラス16、16を出し入れ自在
としている。
【0051】上記他端部53、53の上下両端部には、
横辺である板材50、50の左右両端部を軸支している
が、本実施例に於いては、これら他端部53、53と板
材50、50との間部分に、第一の側板19a、19a
を設けている。即ち、第一の側板19a、19aの下端
部を、上記他端部53、53の下端部と下側の板材50
の左右両端部との間に緩く挟持した状態で軸支してい
る。従って、第一の側板19a、19aは、この軸支部
分を中心として、図13の矢印dで示す様に互いが離れ
る方向に回動自在である。
【0052】又、上記他端部53、53の上端部と上側
の板材50の左右両端部とは、これら上端部と左右両端
部との互いに対向する面同士の間に、上記第一の側板1
9a、19aの厚さ分よりもやや大きな寸法の隙間をあ
けた状態で軸支している。上記第一の側板19a、19
aの上端部には、上記軸支部分を中心とする円弧形の切
り欠き54を、それぞれの開口部が互いに対向する様に
設けている。従って、この第一の側板19a、19a
を、図13に示す様に鉛直方向に起立した状態に迄回動
させると、この第一の側板19a、19aの上端部は、
枢軸が切り欠き54に進入しつつ、上記他端部53、5
3の上端部と板材50の左右両端部との間の隙間に進入
する。上記切り欠き54の中間部には小突起55を設け
ており、上記枢軸がこの小突起55を乗り越えて切り欠
き54の奥端に達した場合、収納容器8の回転によって
はこの第一の側板19a、19aが、水平方向に横臥す
る状態に回動する事はない。第一の側板19a、19a
の幅寸法は、上記一端部52、52の幅寸法と同程度と
し、この第一の側板19a、19aが起立した状態に於
いては、スライドガラス16、16の通過を許容せず、
逆に横臥した状態に於いては、スライドガラス16、1
6の通過を許容する。その他の構成、並びに作用に就い
ては、前述した第一、第二実施例の場合と同様である。
【0053】次に、図14は本発明の第四実施例を示し
ている。本実施例に於いては、回転支持部材を、ケース
33内で鉛直軸を中心とする回転自在なターンテーブル
56としている。このターンテーブル56の上面と収納
容器8の下面とには、例えば係合突部と係合凹部との様
な位置決め用の部材を設けている。更に、収納容器8の
上面中心部には、小凹部を設け、この小凹部に支持軸5
7の下端を進入自在としている。この支持軸57は、従
来から知られた駆動装置により昇降並びに図14の左右
方向に亙る変位自在とされており、収納容器8が第一姿
勢を取った状態でこの支持軸57を下降させる事で、支
持軸57の先端が上記小凹部内に進入する。更に制御器
に指令を送る事により、この制御器は上記駆動装置を介
して支持軸57を、図14で実線状態から鎖線状態に迄
図14で左右方向に変位しつつ下降する。これにより、
収納容器8は第一姿勢から第二姿勢に変形し、分注ノズ
ル35からの処理液の分注を待つ。
【0054】収納容器8を第二姿勢に変形させ、スライ
ドガラス16、16を下方のもの程、長さ方向一端(図
4の左端)が突出する状態とし、続いて処理液を分注す
る浸透行程を施したならば、上記支持軸57を図14の
鎖線状態から実線状態にまで変位させる。これにより、
収納容器8は第二姿勢から第一姿勢に変形し、スライド
ガラス16、16は互いに整合した状態で上下方向に亙
り支持される。この後、余分な処理液を除去する除去行
程を施すが、本実施例に於いてはこの除去行程を、収納
容器8を支持固定したターンテーブル56の回転により
行なう。その他の構成並びに作用は、前述した第一実施
例と同様である。
【0055】尚、前述した第一、第二実施例に於いて
は、第一の側板19、19を、その上端部を軸支し、そ
の下端部を収納容器8に係合自在としているが、これと
は逆に、第三実施例に示す様に第一の側板19、19の
下端部を軸支し、その上端部を収納容器8に係合自在と
する事もできる。又、上記第三実施例に於いても、前記
第一、第二実施例と同様、第一の側板19a、19aの
上端部を軸支し、その下端部を収納容器8に対して係合
自在としても良い。何れの実施例に於いても、第一の側
板19、19aを、その上端部を軸支した場合、スライ
ドガラス16、16を収納する為の作業台に、第一の側
板19、19aが収納容器8の一端側開口からスライド
ガラス16、16を通過自在な状態に回動したままの状
態に保持する保持腕を設ければ、スライドガラス収納作
業が容易となる。この保持腕としては、スタッドに昇降
自在に設けた腕片に上記第一の側板19、19aを載置
させる構造等が考えられる。
【0056】更に、第一〜第三実施例に於いては、変形
手段としてラック&ピニオンにより変位する押圧ロッド
34を採用した例に就いて説明したが、これをソレノイ
ドを用いて変位させる様にしても良い。又、押圧ロッド
34に代えて収納容器8を、その変位方向側に引っ張る
引っ張りロッドとする事もできる。更に、これら変形手
段と支承手段とを連動させる場合、支承手段、或は変形
手段の昇降、或は変位に伴う圧力流体の移動により行な
ったり、リレー回路等を用いて電気的に行なう事もでき
る。
【0057】
【発明の効果】本発明の顕微鏡標本の染色方法とその装
置は、上述した様に構成され作用する為、異なる種類の
処理液が混り合い、劣化する事がない。しかも、使用す
る処理液の量は少量で済む為、高価である処理液の消費
量が低減する。従って、本発明に係る染色方法とその装
置によれば、少ない量の、劣化されていない処理液によ
って、より多くの試料を処理できる。更に、各種処理液
を貯溜した容器の数を最小限にできる為、容器の管理が
容易になる。しかも、従来装置に比較して設置スペース
が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る染色装置の第一実施例を示す略
図。
【図2】同じく要部平面図。
【図3】互いに連動する支持軸と押圧ロッドとを示す
図。
【図4】収納容器の略斜視図。
【図5】第一の側板を省略して示す、収納容器の正面
図。
【図6】収納容器の平面図。
【図7】図5のA−A断面図。
【図8】第一の側板の取付け状態を示す、それぞれ
図。
【図9】収納容器の第二姿勢を上半部のみ示す、略正面
図。
【図10】収納容器同士の連結部を示す斜視図。
【図11】同底面図。
【図12】本発明の第二実施例を示す、一部を省略した
収納容器の略斜視図。
【図13】本発明の第三実施例を示す、収納容器の略斜
視図。
【図14】本発明の第四実施例を示す、要部略正面図。
【図15】従来の染色装置を示す斜視図。
【図16】従来の染色装置に使用される染色籠の斜視
図。
【符号の説明】
1 基板 2 容器 3 案内レール 4 支持梁 5 移動具 6 吊下腕 7 籠8、8b 収納容器 9、10 横板 11、12 縦板 13 突片 14 第一の支持片 15 第二の支持片 16 スライドガラス 17 微小隙間 18 第二の側板 19、19a 第一の側板 20 通孔 21 係止突部 22 切込み 23 継手部材 24 小凹部 25 支持軸 26 回転軸 27a、27b 軸受 28 プーリ 29 モータ 30 プーリ 31 ベルト 32 エアシリンダ 33 ケース 34 押圧ロッド 35 分注ノズル 36 ローラポンプ 37 第一の接続管 38 ロータリ弁 39 第二の接続管 40 処理液容器 41 分岐管 42 廃液容器 43 排出管 44 シール材 45 蝶番 46 枢軸 47 鍔部 48 溝部 49 抜け止め部材 50 板材 51 平板部 52 一端部 53 他端部 54 切り欠き 55 小突起 56 ターンテーブル 57 支持軸 58 切り欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/30 G01N 1/28 G01N 33/48 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に染色すべき試料を貼着した複数枚
    のスライドガラスを、上下方向に亙り、互いに微小隙間
    を介在させて、且つ、上方のスライドガラス程、その長
    さ方向一端部を、直下のスライドガラスの長さ方向一端
    部よりも突出させた状態で支持し、最上位置のスライド
    ガラスの長さ方向一端部に、所定の処理液を選択して分
    注する事により、この処理液を上側のスライドガラスか
    ら下側のスライドガラスに向け流下させ、順次処理液を
    試料に浸透させる浸透行程と、この浸透行程の後、上記
    複数枚のスライドガラスを、上下方向に亙り、互いに整
    合させた状態で、且つ、上記微小隙間よりも大きい一定
    間隔を介在させて支持し、この状態で上記複数枚のスラ
    イドガラスを鉛直軸を中心として回転させる事により、
    余分な処理液を除去する除去行程とを備え、これら各行
    程を順次、所定回数繰り返す事により、上記試料を染色
    する顕微鏡標本の染色方法。
  2. 【請求項2】 上下の横辺と左右の縦辺とから成り、互
    いに突き合わされる各辺の端部同士を軸支した枠状の収
    納容器と、染色すべき試料を貼着したスライドガラスの
    長さ方向の両端部をそれぞれ支持すべく、上記左右の縦
    辺の互いに対向する内側面に、それぞれ上下方向に亙り
    互いに同一ピッチに形成された、それぞれ同数の第一、
    第二の支持片と、上下何れか一方の横辺の幅方向一端側
    に、上記縦辺と等しい傾きでその上下何れか一端部を、
    回動手段により収納容器の幅方向一端側開口部を開放す
    る向きに回動自在に軸支すると共に、上下何れか他端部
    と上下何れか他方の横辺との何れか一方に形成した係止
    部と何れか他方に形成した受部とを係合自在とした第一
    の側板と、上下の横辺の幅方向他端側に、上記縦辺と等
    しい傾きでその上下両端部を軸支した第二の側板と、上
    記収納容器の上下何れか一端側の中央部外面に設けられ
    た継手部材と、この継手部材に着脱自在で、装着した場
    合に、収納容器を上記上下何れか一端側から支持すると
    共に、この収納容器を回転させる回転支持部材と、収納
    容器を回転させる場合に、収納容器の上下何れか他端側
    の中央部外面を支承する支承手段と、この収納容器の姿
    勢を変形させる変形手段と、収納容器の長さ方向一端部
    上方に配設され、最上位置のスライドガラスの長さ方向
    一端部に向け、処理液を分注自在な分注ノズルとを備
    え、上記収納容器は、上記変形手段により、縦辺が鉛直
    軸と平行な第一姿勢と、縦辺が鉛直軸に対して角度θだ
    け傾斜する事で、上側の横辺の長さ方向一端部が下側の
    横辺の長さ方向一端部よりも突出する第二姿勢との何れ
    かに変形自在であり、上記第一、第二の支持片は、収納
    容器を第二姿勢とした場合にそれぞれ水平となる様、収
    納容器の長さ方向一端側の支持片を、上記角度θとほぼ
    等しい角度だけ上向きに形成すると共に、収納容器の長
    さ方向他端側の支持片を、上記角度θとほぼ等しい角度
    だけ下向きに形成しており、上記分注ノズルは、制御器
    の指令に基づき、送液ポンプ及びロータリ弁を介して複
    数の処理液容器の内の一つに接続自在として成る、顕微
    鏡標本の染色装置。
  3. 【請求項3】 第一の側板が合成樹脂製であり、回動手
    段が、この側板の軸支側端部に形成された切目である、
    請求項2に記載の顕微鏡標本の染色装置。
  4. 【請求項4】 回動手段が、その一側に、第一の側板の
    上下何れか一端部を固定し、その他側を上下何れか一方
    の横辺の幅方向一端側に軸支した蝶番である、請求項2
    に記載の顕微鏡標本の染色装置。
  5. 【請求項5】 第一の側板を2枚の板材により構成し、
    これら各板材の上下方向一端部を、上下何れか一方の横
    辺の幅方向一端側の、長さ方向両端部に、回動手段をな
    す枢軸により回動自在に軸支すると共に、この板材の上
    下方向他端部に、その中間部に小突起を形成した円弧状
    の切り欠きを設け、この切り欠きを上下何れか他方の横
    辺と縦辺とを軸支する枢軸の、上記横辺と縦辺との間部
    分に、小突起を乗り越えさせる事で進入自在とした、請
    求項2に記載の顕微鏡標本の染色装置。
  6. 【請求項6】 支承手段が、上下何れか他端側の中央部
    外面に設けた小凹部に、その先端を当接自在とした支持
    軸である、請求項2〜5に記載の顕微鏡標本の染色装
    置。
  7. 【請求項7】 支承手段が収納容器を支承するのを解除
    した事を検出する第一のセンサと、変形手段が、収納容
    器を第二姿勢から第一姿勢に戻した事を検出する第二の
    センサとを備え、制御器が、第一のセンサの検出信号に
    より収納容器が第二姿勢を取る様、変形手段を変位させ
    る機能と、第二のセンサの検出信号により、支承手段が
    収納容器を支承する様、支承手段を変位させる機能とを
    有する、請求項2〜6に記載の顕微鏡標本の染色装置。
  8. 【請求項8】 継手部材が、先端部に外向きフランジ状
    の鍔部を設けた、断面の外周が略T字状に形成し、収納
    容器の上下何れか継手部材を設けない側の中央部側面
    に、開口側が狭く、奥側が広い、断面略T字状の係合溝
    を設け、この係合溝に継手部材を挿入し、更に抜け止め
    部材を、挿入固定する事で、複数の収納容器を上下方向
    に連結自在とした請求項2〜7に記載の顕微鏡標本の染
    色装置。
  9. 【請求項9】 回転支持部材が、収納容器の下面を固定
    自在で、且つ鉛直軸を中心に回転自在なターンテーブル
    であり、支承手段が収納容器の上面中心部を支承する支
    持軸であり、且つ、この支持軸を、3次元方向の移動自
    在に設ける事で変形手段とした、請求項2〜5に記載の
    顕微鏡標本の染色装置。
JP20703693A 1993-07-30 1993-07-30 顕微鏡標本の染色方法とその装置 Expired - Fee Related JP3292765B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20703693A JP3292765B2 (ja) 1993-07-30 1993-07-30 顕微鏡標本の染色方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20703693A JP3292765B2 (ja) 1993-07-30 1993-07-30 顕微鏡標本の染色方法とその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0743278A JPH0743278A (ja) 1995-02-14
JP3292765B2 true JP3292765B2 (ja) 2002-06-17

Family

ID=16533146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20703693A Expired - Fee Related JP3292765B2 (ja) 1993-07-30 1993-07-30 顕微鏡標本の染色方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3292765B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7838283B2 (en) * 2005-04-21 2010-11-23 Celerus Diagnostics, Inc. Wicking cassette method and apparatus for automated rapid immunohistochemistry
US8958995B2 (en) 2009-04-02 2015-02-17 Honeywell International Inc. System and method for monitoring rotating and reciprocating machinery
KR101358549B1 (ko) 2009-11-13 2014-02-05 벤타나 메디컬 시스템즈, 인코포레이티드 조절 가능한 체적 수용을 위한 박막 프로세싱 장치
CA2842114C (en) * 2011-09-09 2016-03-22 Ventana Medical Systems, Inc. Slide transfer device
CN112654870B (zh) * 2018-09-13 2024-02-06 株式会社日立高新技术 自动分析装置
CN114486411A (zh) * 2020-11-12 2022-05-13 邑流微测股份有限公司 显微镜观测载台及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0743278A (ja) 1995-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7635453B2 (en) Device and method for wetting objects
US6489171B1 (en) Chemical dispensing system and method
EP0884577B1 (en) Liquid treating apparatus for biological sample
EP0122772A1 (en) Chemical manipulator
CN102794205B (zh) 用于打开/关闭流体容器的装置和方法
JP3292765B2 (ja) 顕微鏡標本の染色方法とその装置
EP1979752B1 (en) Assay device processing apparatus and method
WO2006017737A2 (en) Microtiter plate scrubbing device
US6325865B2 (en) Method for drying substrate
JP3334045B2 (ja) 塗工方法及び塗工装置
JP7016151B2 (ja) 検体塗抹装置
JP3058938B2 (ja) 染色装置と染色用トレー
JP2650362B2 (ja) 自動前処理装置
CN210907134U (zh) 一种微流控芯片的清洗装置
EP1174702A1 (en) Automatic equipment for processing microscope slides for colouring biological specimens
US4555331A (en) Self-metering semi-automatic quantitative filtration assembly
JPH06313767A (ja) 磁気ビーズを用いる血液等の検査装置
JP3231222B2 (ja) 分注装置
JP3252325B2 (ja) 塗工方法及び塗工装置
JPH0341790B2 (ja)
JP3052697B2 (ja) 液体試料の撹拌装置
JP2702970B2 (ja) 顕微鏡標本の染色方法と染色用篭及び染色装置
JPH062230U (ja) ワイパー装置
JPH0433497Y2 (ja)
JP2002286728A (ja) 液体吸引装置およびそれを備えた液体分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees