JPH062230U - ワイパー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動分析装置の分注用ピペット類表面に付着
した液体を払拭するワイパー装置を提案する。 【構成】 ワイパー装置は支持体と回転可能の支承体の
外周に装置された相対するスポンジ部から成り、スポン
ジ部はソレノイドの励磁作用と連動する圧縮コイルバ
ネ、引張コイルバネ及びレバーの作動で開閉を行い、ス
ポンジ部に液体吸引可能な眞空ラインと連結する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、血液検体の生化学反応や免疫反応を自動的に分析を行う自動分析装 置において、血液検体や試薬類などを分注するピペットの表面に付着する液体や 汚染物質を払拭するワイパー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この分野では出願人は、実公平４−３２５７号に示したピペット払拭装 置を提案し、この払拭体の間を弾接した間にピペットを通過可能とし、その内部 の小孔から残液を吸引する構成とした。また、実願平１−４４４５号では、支持 部材上で相対的に逆方向へスライドする一対のスライド板に左・右の保持板に左 ・右の払拭体を設け、ピペットの昇降に連動してスライド板を前記逆方向に制御 し、ピペットに進退させて払拭する駆動制御機構にラック・ピニオンを使用する 装置を完成した。 更に、実願平１−４４４６号では、支持部材上に支持部材と対称軸に設けた左 ・右支持板を設け、該左・右支持板に左・右払拭体を設け、上記左・右保持板に 左・右払拭並びに相対駆動する歯車を装置してピペット類の昇降路の左・右側に 対設すると共に、ピペット類の昇降に連動して前記両保持板を挾離合制御し、左 ・右払拭体をピペット類に進退させて払拭する駆動機構を設けたピペット類払拭 装置を提案した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術の問題としては、実公平４−３２５７号の構成では、ピペットノズル の通過移動に伴って一対の払拭体が弾接して回転する構造となっているため、ピ ペットノズルと払拭体の表面間に相対的な滑りが殆んどなく、検体としての血液 や試薬類の付着状態によってはピペットノズル表面の払拭が十分に行われず、凝 固体などの付着物が残存し、ピペットノズルによる血液や試薬類の吸引・分注に 支障を来たすなどの問題点がある。 さらに、実願平１−４４４５号では、ソレノイドの励磁・非励磁作用に合せて 、スライド板に付設した払拭部材をピペットを払拭する方向に進退させる駆動機 構にラック・ピニオンを用いたために運転時の騒音を生ずること、スポンジ部の 液体の吸引は十分でないこと、スポンジ部が固定構造であるため材質は老化が早 い欠点が見られた。 同様に実願平１−４４４６号ではピペットとワイパー吸引口の位置関係と距離 に離たりが大きく、ために吸引力があり、またソレノイドに連動した駆動機構が 歯車であるため、運転時の騒音を生ずる欠点があり、スポンジは、前記のものと 同じに固定構造で老化のための交換時期が短い欠点を生じた。

【０００４】

【課題を解決するたの手段】

上記の欠点を改善するために本考案に係るワイパー装置にあって、容器内の液 体を所要量に吸引して他の容器へ該吸引液体を吐出する自動分析装置に使用する ピペット表面に付着した液体を払拭するワイパー装置であって、該ワイパー装置 は支持体と該支持体が回転可能の一対並設され軸支された支承体と、該支承体の 外周にそれぞれ装置されたスポンジから成り、ピペット類の昇降に連動して、上 記支持体と支承体と共に構成される相対するスポンジ部は、ソレノイドの励磁作 用と連動する圧縮コイルバネ、引張コイルバネの応力で開閉を行う。従来の連動 機構はソレノイドをラック・ピニオンの駆動機構と連動したり、歯車を駆動機構 に設けたために、機構間の摩擦による騒音の発生、装置の複雑化による故障の発 生が起るため、これらのトラブルをさけるため、単にバネに連動する機構とした 。

【０００５】 さらに、支承体内面を眞空ラインと総合し、スポンジとホルダー吸引口を中央 にとりピペットと吸引口の距離を短縮して、スポンジに付着した液体の吸収を効 果よくするものとした。同時に上記スポンジ部は水洗を可能とし、従来の欠点で あったスポンジ部の血液の凝固を水洗で解消し、スポンジ部の１ステップごとの 回動でスポンジ部の全面を有効に使用し、固定スポンジに見られた劣化による早 期交換回収を解除できた。

【０００６】

【作用】

ワイパー装置のスポンジは開放の状態でピペットは洗浄トラフ容器内へ下降し 、所定位置で停止後、洗浄トラフに通水を行い、ピペットの洗浄を行う。次に、 ソレノイドを励磁し、引張りコイルバネの力でスポンジを閉じ、ピペットは相接 したスポンジの間を上昇させ、ピペット表面に付着した液体を払拭し、眞空ライ ンで吸引される。ピペットの上昇が完了するとソレノイドは非励磁とし、圧縮コ イルバネの応力でワイパー装置のスポンジ部は開放される。

【０００７】

【実施例】

図１，図２および図３によって本考案の一実施例を示す。ａはピペットであっ て、ａ´はピペットの昇降の方向を示す。ピペットにより、検体又は試薬類の分 注を終えた場合、ピペットａの内・外面を清浄にするため、本ワイパー装置に入 れる。ピペットａはスポンジ６，６´が開放した状態のままで駆動装置を止め洗 浄トラフ１の容器中に装入し、所定の位置で停止し、ピペットの表面，内面に付 着した分注時の汚染物を洗浄水２で洗浄・除去し、廃水はオーバーフロー又は下 部導水孔３より廃水用導管４を経て廃棄される。

【０００８】 ピペットａ下降時には、ソレノイド５は非励磁となっているが、洗浄トラフ１ でピペットａの洗浄を完了すると、ソレノイド５は励磁し、引張コイルバネ１３ の応力により右レバー１１、左レバー１２およびレバー１４，１４´を内側に働 かし、スポンジ部６，６´は相接した状態となり、ピペットノズルａはゆるやか にその間を上昇し、通過して上方に移す。 スポンジ部６，６´をピペットａが通過すると、ソレノイド５は非励磁とし、 圧縮コイルバネ１０の応力でレバー１１，１２，１４を外側に働かし相対するス ポンジ部６，６´を開放する。

【０００９】 スポンジ６，６´からなるワイパー装置は、支承体７と支承体７を支持する支 持体８から成りピペットａの上昇後に支承体７と支持体８は、眞空ライン９，９ ´より図示しない眞空ポンプを用いて、ピペットａの上昇時に外面に付着した液 体を吸着したスポンジ６，６´中の水分を吸引することができる。吸引を効果的 に行うために眞空ライン９，６´の吸引口を中央にとりピペットａとの距離が短 くなるようにした。更に図示しない回動装置によりスポンジ部６，６´は吸引操 作が終了すると一定角度（例えば６０°）時計方向に回転可能とする。

【００１０】

【考案の効果】

本考案に係るワイパー装置は開閉をソレノイドと圧縮コイルバネと引張コイル バネの組合せで行い、装置の簡素化、騒音の低減を行い回動式スポンジを用いて 液体，汚染物質の払拭を効果的にしたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すワイパー装置の駆動機
構説明図である。

【図２】ワイパー装置の駆動機構説明図である。

【図３】ワイパー装置の駆動機構説明図である。

【符号の説明】 １ 洗浄トラフ ２ 洗浄水管 ３ 導水孔 ４ 廃水管 ５ ソレノイド ６ スポンジ ６´スポンジ ７ 支承体 ７´支承体 ８ 支持体 ８´支持体 ９ 眞空ライン ９´眞空ライン １０ 圧縮コイルバネ １１ レバー １２ レバー １３ 引張コイルバネ １４ レバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器内の液体を所要量吸引して他の容器
   に使用する該吸引液体を吐出する自動分析装置に使用す
   るピペット表面に付着した液体を払拭するワイパー装置
   であって、該ワイパー装置は支持体とこの支持体が回転
   可能の一対並設され軸支された支承体と、該支承体の外
   周にそれぞれ装置されたスポンジから成り、ピペット類
   の昇降に連動して、上記支持体と支承体と共に構成され
   る相対するスポンジは、ソレノイドの励磁作用と連動す
   る圧縮コイルバネ、引張コイルバネの応力で開閉を行
   い、該スポンジ部は液体吸引機構を設けたことを特徴と
   するワイパー装置。