JP3292379B2 - 炭素繊維チョップ及びその製造方法 - Google Patents
炭素繊維チョップ及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維チョップの製
造方法及び得られた炭素繊維チョップに関する。更に詳
しくは、繊維強化複合材料に供する、低いサイズ剤付着
率で集束性に優れた炭素繊維の生産性の高い製造方法に
関する。
造方法及び得られた炭素繊維チョップに関する。更に詳
しくは、繊維強化複合材料に供する、低いサイズ剤付着
率で集束性に優れた炭素繊維の生産性の高い製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炭素繊維と各種マトリックスを混
合して得られる繊維強化複合材料は、その優れた性質、
即ち高強度、高弾性率、高電気伝導性、高耐摩耗性、低
比重等により、工業的に重要な材料として注目されてい
る。
合して得られる繊維強化複合材料は、その優れた性質、
即ち高強度、高弾性率、高電気伝導性、高耐摩耗性、低
比重等により、工業的に重要な材料として注目されてい
る。
【0003】マトリックスに熱可塑性樹脂を用いて繊維
強化複合材料を得ようとする場合には、予め炭素繊維を
1〜数10mmに切断して炭素繊維チョップとし、これ
と熱可塑性樹脂ペレット或いはパウダーを押出機に投入
し、溶融混練して繊維強化複合材料である混合ペレット
とし、この混合ペレットを成形機にかけ、目的とする成
形体を得る。
強化複合材料を得ようとする場合には、予め炭素繊維を
1〜数10mmに切断して炭素繊維チョップとし、これ
と熱可塑性樹脂ペレット或いはパウダーを押出機に投入
し、溶融混練して繊維強化複合材料である混合ペレット
とし、この混合ペレットを成形機にかけ、目的とする成
形体を得る。
【0004】この混合ペレットを得るに当り重要なこと
は、炭素繊維チョップが定量的に押出機内に供給される
ことである。もしそうでない場合には吐出むらとなり、
一定の押し出し速度が得られずストランド切れが起こ
り、生産性が大幅に低下することとなる。この、定量的
供給に大きな影響を及ぼす要因として、押出機のホッパ
ー部での炭素繊維チョップの喰い込み性があり、これは
炭素繊維チョップの集束性と密接な関係にある。
は、炭素繊維チョップが定量的に押出機内に供給される
ことである。もしそうでない場合には吐出むらとなり、
一定の押し出し速度が得られずストランド切れが起こ
り、生産性が大幅に低下することとなる。この、定量的
供給に大きな影響を及ぼす要因として、押出機のホッパ
ー部での炭素繊維チョップの喰い込み性があり、これは
炭素繊維チョップの集束性と密接な関係にある。
【0005】炭素繊維チョップの集束性が低い場合に
は、ホッパー下部のスクリューと接するところで開繊し
て毛羽塊となり、定量的な供給が阻害される。この他、
ホッパー投入前に樹脂ペレットと炭素繊維チョップとを
予め混合する場合に於て、集束性が低いとやはり毛羽が
発生して押出機への定量供給性を損なう。これらのこと
から、集束性は炭素繊維チョップを評価する時の重要な
指標となる。
は、ホッパー下部のスクリューと接するところで開繊し
て毛羽塊となり、定量的な供給が阻害される。この他、
ホッパー投入前に樹脂ペレットと炭素繊維チョップとを
予め混合する場合に於て、集束性が低いとやはり毛羽が
発生して押出機への定量供給性を損なう。これらのこと
から、集束性は炭素繊維チョップを評価する時の重要な
指標となる。
【0006】ところで、繊維強化複合材料に供される炭
素繊維チョップを得るには、次のような方法が一般的で
ある。先ず炭素繊維をサイズ剤に浸漬して含浸させ、続
く乾燥工程で水などの溶媒を除去して集束した炭素繊維
を、連続的或いは非連続的にロービングカッターやギロ
チンカッターなどを用いて所定の長さに切断して炭素繊
維チョップとしている。
素繊維チョップを得るには、次のような方法が一般的で
ある。先ず炭素繊維をサイズ剤に浸漬して含浸させ、続
く乾燥工程で水などの溶媒を除去して集束した炭素繊維
を、連続的或いは非連続的にロービングカッターやギロ
チンカッターなどを用いて所定の長さに切断して炭素繊
維チョップとしている。
【0007】炭素繊維をサイジング処理し、次に乾燥機
に通して乾燥した後、カッターで所定の長さに切断す
る。これら工程の中で最も時間がかかるのは乾燥工程で
あり、その処理速度は数m/minから10数m/mi
nである。このため処理量を増やそうとすると、乾燥機
に通す炭素繊維を多くするか、或いは乾燥距離を長くし
たり乾燥温度を上げるなどして乾燥能力を高め処理速度
を増すことが考えられる。しかしながら、何れの場合に
於てもこの方法では大掛かりな設備、あるいは改造が必
要となり経済的に不利である。
に通して乾燥した後、カッターで所定の長さに切断す
る。これら工程の中で最も時間がかかるのは乾燥工程で
あり、その処理速度は数m/minから10数m/mi
nである。このため処理量を増やそうとすると、乾燥機
に通す炭素繊維を多くするか、或いは乾燥距離を長くし
たり乾燥温度を上げるなどして乾燥能力を高め処理速度
を増すことが考えられる。しかしながら、何れの場合に
於てもこの方法では大掛かりな設備、あるいは改造が必
要となり経済的に不利である。
【0008】また、乾燥後の炭素繊維はサイズ剤のバイ
ンダー成分のみで集束されているため、切断するとき衝
撃性の剪断力がかかるとチョップ割れが生じ、この欠点
は修復されないまま毛羽の原因となって、次の工程であ
る押出機への定量的供給が難かしくなる。このことから
明らかなように、従来の炭素繊維チョップの製造方法で
は集束性を良好なレベルに保とうとするため、サイズ剤
付着率を上げようとする傾向にある。しかしながら、サ
イズ剤付着率の上昇は、最終的なコンポジット特性の低
下を招く懸念があり、好ましいものではない。
ンダー成分のみで集束されているため、切断するとき衝
撃性の剪断力がかかるとチョップ割れが生じ、この欠点
は修復されないまま毛羽の原因となって、次の工程であ
る押出機への定量的供給が難かしくなる。このことから
明らかなように、従来の炭素繊維チョップの製造方法で
は集束性を良好なレベルに保とうとするため、サイズ剤
付着率を上げようとする傾向にある。しかしながら、サ
イズ剤付着率の上昇は、最終的なコンポジット特性の低
下を招く懸念があり、好ましいものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊維
強化複合材料に供する炭素繊維チョップを効率的に製造
するにある。
強化複合材料に供する炭素繊維チョップを効率的に製造
するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素繊維をサ
イジング処理し、乾燥する前にロービングカッターで切
断することを特徴とする炭素繊維チョップの製造方法に
ある。
イジング処理し、乾燥する前にロービングカッターで切
断することを特徴とする炭素繊維チョップの製造方法に
ある。
【0011】前記した如くサイジング処理後乾燥された
炭素繊維は、サイズ剤のバインダー成分のみで集束され
ているため、切断するとき衝撃性の剪断力がかかるとチ
ョップ割れが生じ、この欠点は修復されないまま毛羽の
原因となって、次の工程である押出機への定量的供給が
難しくなる。そこで、本発明では使用するサイズ剤の表
面張力による炭素繊維の集束効果、及び切断時の衝撃性
の剪断力を乾燥していない柔らかい状態で吸収してチョ
ップ割れを防いだり、また、生じた欠点を修復する効果
を利用して、高品質の炭素繊維チョップを得るものであ
る。
炭素繊維は、サイズ剤のバインダー成分のみで集束され
ているため、切断するとき衝撃性の剪断力がかかるとチ
ョップ割れが生じ、この欠点は修復されないまま毛羽の
原因となって、次の工程である押出機への定量的供給が
難しくなる。そこで、本発明では使用するサイズ剤の表
面張力による炭素繊維の集束効果、及び切断時の衝撃性
の剪断力を乾燥していない柔らかい状態で吸収してチョ
ップ割れを防いだり、また、生じた欠点を修復する効果
を利用して、高品質の炭素繊維チョップを得るものであ
る。
【0012】本発明でいうロービングカッターとは、ロ
ール上に複数の刃が取り付けられたカッターロールと、
切断するためカッターロールに押し当てられるゴム製の
アンビルロールと、切断部に繊維束を供給する、アンビ
ルロールに押し当てられたニップロールからなるものを
指す。
ール上に複数の刃が取り付けられたカッターロールと、
切断するためカッターロールに押し当てられるゴム製の
アンビルロールと、切断部に繊維束を供給する、アンビ
ルロールに押し当てられたニップロールからなるものを
指す。
【0013】本発明におけるロービングカッター切断時
の炭素繊維の保液量は、通常、サイズ剤のピックアップ
量30〜60重量%、好ましくは40〜50重量%であ
る。この量が30重量%未満では切断時に炭素繊維チョ
ップの割れや毛羽が多くなり、押出機内への定量的な供
給が阻害される。また、60重量%を超えると炭素繊維
チョップがロービングカッターの各ロールに付着し、刃
の目詰まりやミスカットの原因となり、炭素繊維チョッ
プの生産性が低下する。
の炭素繊維の保液量は、通常、サイズ剤のピックアップ
量30〜60重量%、好ましくは40〜50重量%であ
る。この量が30重量%未満では切断時に炭素繊維チョ
ップの割れや毛羽が多くなり、押出機内への定量的な供
給が阻害される。また、60重量%を超えると炭素繊維
チョップがロービングカッターの各ロールに付着し、刃
の目詰まりやミスカットの原因となり、炭素繊維チョッ
プの生産性が低下する。
【0014】本発明におけるサイズ剤は、バインダー成
分を乳化剤を用いて水中でエマルジョン化したものか、
或いはバインダー成分を直接溶媒に溶かすか分散させた
ものであり、濃度は0.8〜17重量%、好ましくは
1.7〜9重量%である。この量が0.8重量%未満で
はバインダーとしての効果が発揮されず、また17重量
%を超えると切断に適したピックアップ量の範囲内で目
標のサイズ付着率を得ることが困難となる。
分を乳化剤を用いて水中でエマルジョン化したものか、
或いはバインダー成分を直接溶媒に溶かすか分散させた
ものであり、濃度は0.8〜17重量%、好ましくは
1.7〜9重量%である。この量が0.8重量%未満で
はバインダーとしての効果が発揮されず、また17重量
%を超えると切断に適したピックアップ量の範囲内で目
標のサイズ付着率を得ることが困難となる。
【0015】サイズ剤のバインダー成分は特に限定はな
く、公知の各種バインダーの中から本用途に適したもの
を適宜用いれば良い。例えば集束性の観点からは、バイ
ンダー成分に高分子量成分と低分子量成分の混合系を用
い、その比率を変えることで最適の条件を見いだすのも
一法である。ここでは高分子量成分により剛性を、低分
子量成分により粘着性、集束性を炭素繊維チョップに与
えている。また、実際に選択するにあたっては、炭素繊
維チョップの集束性、チョップ化工程通過性、ガムアッ
プ性、コンポジット特性への影響などを考慮する必要が
ある。
く、公知の各種バインダーの中から本用途に適したもの
を適宜用いれば良い。例えば集束性の観点からは、バイ
ンダー成分に高分子量成分と低分子量成分の混合系を用
い、その比率を変えることで最適の条件を見いだすのも
一法である。ここでは高分子量成分により剛性を、低分
子量成分により粘着性、集束性を炭素繊維チョップに与
えている。また、実際に選択するにあたっては、炭素繊
維チョップの集束性、チョップ化工程通過性、ガムアッ
プ性、コンポジット特性への影響などを考慮する必要が
ある。
【0016】本発明におけるサイジング処理は、サイズ
剤のピックアップ量を随意に制御し得るならば何れの方
法でも良く、これにより、切断時の炭素繊維の保液量を
適正な範囲内に調整することが可能となる。サイジング
処理時の炭素繊維の張力は0.1〜2kg/糸条、好ま
しくは0.3〜1kg/糸条である。この張力が0.1
kg/糸条未満ではサイズ剤のピックアップ量が一定せ
ず、また2kg/糸条を超えると毛羽が発生し易くな
る。
剤のピックアップ量を随意に制御し得るならば何れの方
法でも良く、これにより、切断時の炭素繊維の保液量を
適正な範囲内に調整することが可能となる。サイジング
処理時の炭素繊維の張力は0.1〜2kg/糸条、好ま
しくは0.3〜1kg/糸条である。この張力が0.1
kg/糸条未満ではサイズ剤のピックアップ量が一定せ
ず、また2kg/糸条を超えると毛羽が発生し易くな
る。
【0017】本発明における炭素繊維チョップ化工程
と、それに続く乾燥、選別及び金属除去の工程は連続的
に運転することが可能で、生産性の高いプロセスとなっ
ている。
と、それに続く乾燥、選別及び金属除去の工程は連続的
に運転することが可能で、生産性の高いプロセスとなっ
ている。
【0018】本発明方法により製造された炭素繊維チョ
ップの乾燥工程では、乾燥過程での炭素繊維チョップど
うしの接着に注意する。また、乾燥を連続化することで
生産性を高められる。乾燥温度、乾燥速度は、チョップ
化速度、サイズ剤の種類によって適正値を求める必要が
ある。選別、金属除去については要求される品質を維持
するため、適切な装置を用いる必要がある。
ップの乾燥工程では、乾燥過程での炭素繊維チョップど
うしの接着に注意する。また、乾燥を連続化することで
生産性を高められる。乾燥温度、乾燥速度は、チョップ
化速度、サイズ剤の種類によって適正値を求める必要が
ある。選別、金属除去については要求される品質を維持
するため、適切な装置を用いる必要がある。
【0019】本発明において水噴霧処理をサイジング処
理の前に行なうことも可能で、例えば炭素繊維を捲き出
し中のボビンに直接水を噴霧すると、炭素繊維の集束性
が良くなり工程通過性及び作業性が向上する。この時の
水噴霧量は付着量で炭素繊維の0.1〜10重量%、好
ましくは0.3〜5重量%である。この量が0.1重量
%未満では充分でなく、また10重量%を超えると、サ
イジング処理の時サイズ剤との置換が充分に行なわれ
ず、炭素繊維チョップの集束性が低下する。
理の前に行なうことも可能で、例えば炭素繊維を捲き出
し中のボビンに直接水を噴霧すると、炭素繊維の集束性
が良くなり工程通過性及び作業性が向上する。この時の
水噴霧量は付着量で炭素繊維の0.1〜10重量%、好
ましくは0.3〜5重量%である。この量が0.1重量
%未満では充分でなく、また10重量%を超えると、サ
イジング処理の時サイズ剤との置換が充分に行なわれ
ず、炭素繊維チョップの集束性が低下する。
【0020】本発明における炭素繊維は特に制限はな
く、公知の各種炭素繊維の中から任意に選び用いること
が出来る。
く、公知の各種炭素繊維の中から任意に選び用いること
が出来る。
【0021】本発明において、サイジング処理後、乾燥
する前にロービングカッターで切断されて得られたサイ
ズ剤を用いて集束された炭素繊維チョップは、サイズ剤
付着率が0.5〜5重量%で、集束性が1.05以下で
ある。サイズ剤付着率は炭素繊維チョップの特性と密接
な関係にある。即ち、サイズ剤付着率が上がると炭素繊
維チョップの嵩密度、見掛け密度は増加し、集束性は向
上する。ところが、一方ではサイズ剤付着率の上昇は、
最終的なコンポジット特性の低下を招く懸念があり、好
ましいものではない。好ましいサイズ剤付着率は0.5
〜5重量%の範囲である。この量が0.5重量%未満で
は炭素繊維チョップが開繊して毛羽や毛羽塊を生じ、押
出機内への定量的な供給が難かしく吐出むらとなり、ス
トランド切れが発生して生産性が低下する。また、5重
量%を超える場合にはコンポジット特性の低下を招く懸
念があり、好ましくない。
する前にロービングカッターで切断されて得られたサイ
ズ剤を用いて集束された炭素繊維チョップは、サイズ剤
付着率が0.5〜5重量%で、集束性が1.05以下で
ある。サイズ剤付着率は炭素繊維チョップの特性と密接
な関係にある。即ち、サイズ剤付着率が上がると炭素繊
維チョップの嵩密度、見掛け密度は増加し、集束性は向
上する。ところが、一方ではサイズ剤付着率の上昇は、
最終的なコンポジット特性の低下を招く懸念があり、好
ましいものではない。好ましいサイズ剤付着率は0.5
〜5重量%の範囲である。この量が0.5重量%未満で
は炭素繊維チョップが開繊して毛羽や毛羽塊を生じ、押
出機内への定量的な供給が難かしく吐出むらとなり、ス
トランド切れが発生して生産性が低下する。また、5重
量%を超える場合にはコンポジット特性の低下を招く懸
念があり、好ましくない。
【0022】炭素繊維チョップの集束性は1.05以下
であり、この値を超えるとサイズ剤付着率の時と同様、
開繊して毛羽などを生じ易く、押出機内への定量的な供
給が難かしく吐出むらとなり、ストランド切れが発生し
て生産性が低下する。集束性は、次項に記した。
であり、この値を超えるとサイズ剤付着率の時と同様、
開繊して毛羽などを生じ易く、押出機内への定量的な供
給が難かしく吐出むらとなり、ストランド切れが発生し
て生産性が低下する。集束性は、次項に記した。
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。本例中の各種評価は次のようにして行なった。 (1)炭素繊維チョップの嵩密度 500mlメスシリンダーに70gの炭素繊維チョップ
を投入し、メスシリンダーに1分間60回の上下振動を
与えた後の炭素繊維チョップの体積でその重さを除して
求める。 (2)炭素繊維チョップの集束性 炭素繊維チョップをミキサーで400rpm、3分間撹
拌した後の該炭素繊維チョップの嵩密度を、撹拌処理前
の嵩密度で除して求める。1が最良値であり、数値が大
きくなるに従がい、集束性は悪くなる。
る。本例中の各種評価は次のようにして行なった。 (1)炭素繊維チョップの嵩密度 500mlメスシリンダーに70gの炭素繊維チョップ
を投入し、メスシリンダーに1分間60回の上下振動を
与えた後の炭素繊維チョップの体積でその重さを除して
求める。 (2)炭素繊維チョップの集束性 炭素繊維チョップをミキサーで400rpm、3分間撹
拌した後の該炭素繊維チョップの嵩密度を、撹拌処理前
の嵩密度で除して求める。1が最良値であり、数値が大
きくなるに従がい、集束性は悪くなる。
【0023】実施例1 ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊維12,00
0本から成る炭素繊維束を、3〜5重量%の付着量にな
るように水を噴霧処理しながら60m/minの速度で
捲き出し、テンションロール、ゴデットロールを経て張
力を0.5〜0.7kg/糸条に調整し、タッチロール
方式でサイジング処理を行なった。サイズ剤のピックア
ップ量が43〜47重量%となるように回転数を調整し
た。
0本から成る炭素繊維束を、3〜5重量%の付着量にな
るように水を噴霧処理しながら60m/minの速度で
捲き出し、テンションロール、ゴデットロールを経て張
力を0.5〜0.7kg/糸条に調整し、タッチロール
方式でサイジング処理を行なった。サイズ剤のピックア
ップ量が43〜47重量%となるように回転数を調整し
た。
【0024】こうして得られた未乾燥の状態にある炭素
繊維束を、連続的にロービングカッターで6mm長さに
切断して炭素繊維チョップを製造した。使用したサイズ
剤は分子量470と2,900のビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂/水系エマルジョンの混合物で、固形分濃度
8重量%に調整したものを用いた。この結果、低いサイ
ズ率で集束性に優れた炭素繊維チョップが得られた。結
果を表1に示す。
繊維束を、連続的にロービングカッターで6mm長さに
切断して炭素繊維チョップを製造した。使用したサイズ
剤は分子量470と2,900のビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂/水系エマルジョンの混合物で、固形分濃度
8重量%に調整したものを用いた。この結果、低いサイ
ズ率で集束性に優れた炭素繊維チョップが得られた。結
果を表1に示す。
【0025】比較例1 従来の方法として炭素繊維を実施例1と同じサイズ剤エ
マルジョン溶液7重量%中に浸漬含浸し、ピックアップ
量82〜86%として、次いで熱風式乾燥機を用いて処
理速度2.6m/minで乾燥する。これを、カセ取り
して炭素繊維を更に集束し、ギロチンカッターを用いて
切断速度1.6m/minで6mm長さに切断して炭素
繊維チョップを作成した。得られた炭素繊維チョップ
は、サイズ付着率が高いにも拘らず集束性は劣ってい
た。結果を表1に示す。
マルジョン溶液7重量%中に浸漬含浸し、ピックアップ
量82〜86%として、次いで熱風式乾燥機を用いて処
理速度2.6m/minで乾燥する。これを、カセ取り
して炭素繊維を更に集束し、ギロチンカッターを用いて
切断速度1.6m/minで6mm長さに切断して炭素
繊維チョップを作成した。得られた炭素繊維チョップ
は、サイズ付着率が高いにも拘らず集束性は劣ってい
た。結果を表1に示す。
【0026】実施例2,3 表1に示すようにサイズ剤付着量を変え、実施例1と同
様にして炭素繊維チョップを作成した。その結果を表1
に示す。
様にして炭素繊維チョップを作成した。その結果を表1
に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明により、炭素繊維を高い処理速度
で切断して炭素繊維チョップを得ることが可能となり、
生産性が大幅に向上する。更に、炭素繊維が未乾燥の状
態で切断されるため炭素繊維チョップの割れが少なく、
しかも低いサイズ剤付着率で集束性に優れた高品質の炭
素繊維チョップが得られ工業的価値の極めて高いもので
ある。
で切断して炭素繊維チョップを得ることが可能となり、
生産性が大幅に向上する。更に、炭素繊維が未乾燥の状
態で切断されるため炭素繊維チョップの割れが少なく、
しかも低いサイズ剤付着率で集束性に優れた高品質の炭
素繊維チョップが得られ工業的価値の極めて高いもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 15/08 B29B 11/16 C08J 5/06 D01F 9/22 D06M 13/00
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素繊維をサイジング処理し、乾燥する
前にロービングカッターで切断することを特徴とする炭
素繊維チョップの製造方法。 - 【請求項2】 ロービングカッターで切断するときの炭
素繊維に含まれるサイズ剤の保液量が炭素繊維に対し3
0〜60重量%であることを特徴とする請求項1記載の
炭素繊維チョップの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9204892A JP3292379B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 炭素繊維チョップ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9204892A JP3292379B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 炭素繊維チョップ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261729A JPH05261729A (ja) | 1993-10-12 |
JP3292379B2 true JP3292379B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=14043637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9204892A Expired - Lifetime JP3292379B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 炭素繊維チョップ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3292379B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6066395A (en) * | 1997-05-23 | 2000-05-23 | Toray Industries, Inc. | Chopped carbon fibers and a production process there of |
US20060258810A1 (en) * | 2003-07-31 | 2006-11-16 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd | Carbon fiber bundle process for producing the same and thermoplastic resin composition and molded article thereof |
US9803061B2 (en) | 2011-11-29 | 2017-10-31 | Toray Industries, Inc. | Carbon fiber-reinforced thermoplastic resin composition, and pellets and molded article thereof |
WO2014081002A1 (ja) | 2012-11-26 | 2014-05-30 | 三菱レイヨン株式会社 | チョップド炭素繊維束およびチョップド炭素繊維束の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP9204892A patent/JP3292379B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05261729A (ja) | 1993-10-12 |
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