JP3292346B2 - 車両用シートの取付構造 - Google Patents

車両用シートの取付構造

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  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用シートの取付構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、キャブオーバタイプのトラックな
どに設けられる車両用シートは、図9〜図11に示す如
く、乗員が着座するシートクッション51と乗員の背部
を受けるシートバック52とからなり、このうちシート
バック52は、差込み手段とスクリュ等の締結具にて固
定することにより車体側パネルに取付けられている。
【0003】このため、シートバック52内には、縦横
に配置した線材53aによって構成されるシートフレー
ム53が設けられている。そして、シートフレーム53
の上部には、線材53aをU字状に屈曲形成した上側差
込み部54が設けられ、この上側差込み部54はシート
バック52の上部より上方へ突出すべく配置されてい
る。また、シートフレーム53の下部には、線材53a
をU字状に屈曲形成した下側差込み部55と締付け部5
6が設けられており、これら下側差込み部55および締
付け部56はシートバック52の下部より下方へ突出す
べくそれぞれ配置されている。
【0004】一方、トラックの運転室後壁を構成するキ
ャブバックパネル57の上部には、アッパメンバ58が
車巾方向に沿って固着されており、該アッパメンバ58
の端部には、シートフレーム53の上側差込み部54と
対応して上側差込み口58aが設けられている。また、
キャブバックパネル57の下部には、ロアメンバ59が
車巾方向に沿って固着されており、該ロアメンバ59に
は、シートフレーム53の下側差込み部55および締付
け部56と対応して下側差込み口59aおよび固定部5
9bが設けられている。
【0005】しかして、上記シートバック52をキャブ
バックパネル57に取付けるには、まず、シートフレー
ム53の下側差込み部55を下側差込み口59aに差込
み、次いでシートフレーム53の上側差込み部54を同
様の手順で上側差込み口58aに差込む。しかる後、シ
ートフレーム53の締付け部56をスクリュ等にて固定
部59bに締付けて固定すれば、シートバック52の取
付作業は完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の取付構造にあっては、シートフレーム53の上側差
込み部54が上方へ延びるU字状に形成されているの
で、該上側差込み部54をキャブバックパネル57の上
側差込み口58aに差込む際に、上下方向の位置が決ま
らず、スクリュでシートフレーム53の締付け部56を
締付ける時までシートバック52を適切な位置に保持し
なければならなかった。しかも、スクリュでの締付け時
おいては、シートバック52には時計方向への力が作用
することになるので、シートバック52を一定の力で保
持したまま取付作業を行う必要があった。したがって、
従来の取付構造では、シートバック52の取付作業が煩
雑となり、取付作業の能率向上が図れないという不都合
を有していた。
【0007】また、シートバック52が時計方向の力を
受けたままで固定された場合、当該シートバック52
は、図11に示す如く角度θ程下方へ傾いて取付けられ
ることになるため、外観を損ねることがあった。特に、
シートバック52のトリムに横方向の模様(キルティン
グライン等)Lが付されている場合は、非常に目立って
しまうおそれがあった。
【0008】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、シートバックを押え付ける
だけで位置決めができ、かつシートバックの保持力が小
さくて済み、シートバックの取付けが容易に行えるとと
もに、良好な外観を保つことが可能な車両用シートの取
付構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明においては、シートバック
を構成するシートフレームの上部に上側差込み体を設け
るとともに、前記シートフレームの下部に下側差込み体
と締付け体をそれぞれ設け、キャブバックパネルの上部
に上側差込み口を設けるとともに、前記キャブバックパ
ネルの下部に下側差込み口と固定部を設け、前記シート
フレームの上下側差込み体を前記キャブバックパネルの
上下側差込み口に差込み、前記締付け体を前記固定部に
締付けて前記シートバックの上下部を前記キャブバック
パネルに取付ける車両用シートの取付構造において、前
記シートフレームの上側差込み体に、前記キャブバック
パネルの上側差込み口の下端周縁部と係合する係合部を
設け、前記シートフレームの上側差込み体を、前記キャ
ブバックパネルの上側差込み口の内部に差込まれる湾曲
状の差込み部と、該差込み部の内側下端に形成されかつ
車巾方向へ延びる係合部とによって構成している。
【0010】
【作用】本発明に係る車両用シートの取付構造では、シ
ートバックを構成するシートフレームの上部に上側差込
み体を設け、該上側差込み体に、キャブバックパネルの
上側差込み口の下端周縁部と係合する係合部を設け、前
記シートフレームの上側差込み体を、前記キャブバック
パネルの上側差込み口の内部に差込まれる湾曲状の差込
み部と、該差込み部の内側下端に形成されかつ車巾方向
へ延びる係合部とによって構成しているため、シートフ
レームの上下側差込み体をキャブバックパネルの上下側
差込み口に差込み、シートフレームの締付け体をキャブ
バックパネルの固定部にスクリュで締付けるまで係合部
が上下方向のストッパとなり、シートバックを押え付け
るだけでその位置決めを行うことができる。また、スク
リュで締付ける時には、上側差込み体の係合部が上側差
込み口の下端周縁部に当たるため、その係合作用によっ
てシートバックの回動を阻止し、小さな力でシートバッ
クを保持できる上、シートバックの傾きを確実に防ぐこ
とができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0012】図1〜図8は本発明に係る車両用シートの
取付構造の一実施例を示している。図において、1はキ
ャブオーバタイプのトラックの運転室内に配設される車
両用シートのシートバック、2はトラックの運転室後壁
を構成するものであって、図10に示すものと同様のキ
ャブバックパネルである。
【0013】上記シートバック1は、着座した乗員の背
部を受けるために、図示しないシートクッションの後端
部に立設された状態で、キャブバックパネル2に固定さ
れるようになっている。このため、シートバック1の内
部には、線材にて形成されたシートフレーム3が設けら
れており、このシートフレーム3は、メインフレーム
4、アッパフレーム5、ロアフレーム6およびインナフ
レーム7によって構成されている。
【0014】メインフレーム4は、これを屈曲させてシ
ートバック1と対応する正面略長方形状に形成されてお
り、当該メインフレーム4によってシートバック1を形
作っている。また、アッパフレーム5およびロアフレー
ム6は、メインフレーム4の左側上下角部のそれぞれを
間に置いて斜めに配設され、その基端部は溶接によって
メインフレーム4の左側側部4aに連結されている。そ
して、アッパフレーム5の先端部には、これを屈曲させ
て形成した上側差込み体8が設けられており、メインフ
レーム4との交差部は溶接にて互いに固着されている。
【0015】このような上側差込み体8は、図1および
図2に示す如く、上方へ延びるU字状の差込み部8a
と、該差込み部8aの内側下端に形成される係合部8b
とによって構成されており、この係合部8bはシートバ
ック1の内側に向かってメインフレーム4とほぼ平行に
車巾方向へ延びているとともに、先端は下方へ向かって
直角に折曲げられている。しかして、差込み部8aは後
述する上側差込み口に差込まれ、係合部8bは当該上側
差込み口の下端周縁部と係合するようになっており、こ
れによって係合部8bはシートバック1の位置決め機能
と回り止め機能を有することになる。このため、上側差
込み体8の差込み部8aは、メインフレーム4の上部よ
りも上方に位置し、シートバック1の上面部から突出し
て配置されている。
【0016】なお、本実施例では、上側差込み体8に係
合部8bを設けているが、図3に示す如く、差込み部8
aの巾Wを後述する上側差込み口の巾に合わせて長く形
成することにより、係合部8bを設けなくとも回り止め
効果が得られるが、差込み部8aを当該上側差込み口に
差込むことが容易でなくなるという不具合を有する。
【0017】さらに、ロアフレーム6の先端部には、こ
れを下方へ延びるU字状に屈曲させて形成した下側差込
み体9が設けられており、メインフレーム4との交差部
は溶接にて互いに固着されている。また、インナフレー
ム7は、メインフレーム4の右側下方の角部を間に置い
て斜めに配設され、その基端部はメインフレーム4の屈
曲部4bに連結されている。しかも、インナフレーム7
の先端部には、これを下方へ延びるU字状に屈曲させて
形成した締付け体10が設けられており、メインフレー
ム4との交差部は溶接にて互いに固着されている。そし
て、下側差込み体9および締付け体10は、メインフレ
ーム4の下部よりも下方に位置し、シートバック1の下
面部から突出して配置されている。
【0018】一方、上記キャブバックパネル2の上部に
は、車巾方向に沿って配設されるアッパメンバ11が固
着されている。このアッパメンバ11の左側端部には、
図3〜図5に示す如く、アッパフレーム5の上側差込み
体8と対応して上側差込み口12が設けられており、当
該上側差込み口12の巾は上側差込み体8の差込み部8
aよりも大きく形成されている。しかも、上側差込み口
12を形成する下端周縁部12aの左右両側は、上側差
込み体8の係合部8bと係合すべく運転室側へ向かって
傾斜しながら突出して形成されている。
【0019】また、上記キャブバックパネル2の下部に
は、車巾方向に沿って配設されるロアメンバ13が固着
されている。このロアメンバ13の左側端部には、図6
に示す如く、ロアフレーム6の下側差込み体9と対応し
てシートブラケット14が取付けられ、かつインナフレ
ーム7の締付け体10と対応して固定部15がシートブ
ラケット14に対し右寄りに一定の間隔を置いて配設さ
れている。シートブラケット14は、図7および図8に
示す如く、中央部分が運転室側へ向かって突出して形成
されているとともに、キャブバックパネル2側には下側
差込み口16が設けられている。この下側差込み口16
の巾は、これに差込む下側差込み体9よりも大きく形成
されている。そして、ロアメンバ13の固定部15に
は、図示しないスクリュを螺入するネジ孔17が穿設さ
れている。
【0020】本実施例のシートバック1をキャブバック
パネル2に取付けるには、まず、シートフレーム3の下
側差込み体9を車体上方から車体下方へ向かってシート
ブラケット14の下側差込み口16よりキャブバックパ
ネル2とシートブラケット14との間に差込む。次い
で、シートフレーム3の上側差込み体8の差込み部8a
を車体上方へ向かってアッパメンバ11の上側差込み口
12よりキャブバックパネル2とアッパメンバ11との
間に差込む。この際、シートフレーム3の上側差込み体
8の係合部8bは、図3〜図5に示す如く、上側差込み
口12の下端周縁部12aと当たって係合するため、シ
ートバック1はこれを押え付けるだけで位置決めされる
ことになる。
【0021】しかる後、ネジ孔17にスクリュ(図示せ
ず)を螺入することによりシートフレーム3の締付け体
10をロアメンバ13の固定部15に締付けて固定する
と、シートバック1の上下部はアッパメンバ11、シー
トブラケット14およびロアメンバ13を介してキャブ
バックパネル2に取付けられることになる。しかも、上
記スクリュの図3の矢印C方向への締付け時において
は、上側差込み体8の係合部8bと上側差込み口12の
下端周縁部12aとが係合しているため、シートバック
1が同方向へ回動することはない。
【0022】本実施例の取付構造においては、シートフ
レーム3の上側差込み体8が差込み部8aと係合部8b
とによって構成されているとともに、この係合部8bが
キャブバックパネル2に固着したアッパメンバ11の上
側差込み口12の下端周縁部12aに当たって係合する
ようになっているため、シートフレーム3の上下側差込
み体8,9を上下側差込み口12,16にそれぞれ差込
み、シートフレーム3の締付け体10をロアメンバ13
の固定部15にスクリュで締付けるまで、当該係合部8
bがシートバック1の上下方向のストッパとして機能
し、シートバック1は簡単に位置決めされることにな
る。
【0023】また、上記スクリュの締付け時には、上側
差込み体8の係合部8bと上側差込み口12の下端周縁
部12aとの係合作用によってシートバック1の回動が
阻止されており、該シートバック1が締付方向(矢印C
の時計方向)の力を受けたまま固定されることがないた
め、小さな力でもシートバック1を傾けることなく保持
することができる。
【0024】以上、本発明の一実施例につき述べたが、
本発明は既述の実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能
である。
【0025】
【発明の効果】上述の如く、本発明に係る車両用シート
の取付構造は、シートバックを構成するシートフレーム
の上部に上側差込み体を設けるとともに、前記シートフ
レームの下部に下側差込み体と締付け体をそれぞれ設
け、キャブバックパネルの上部に上側差込み口を設ける
とともに、前記キャブバックパネルの下部に下側差込み
口と固定部を設け、前記シートフレームの上下側差込み
体を前記キャブバックパネルの上下側差込み口に差込
み、前記締付け体を前記固定部に締付けて前記シートバ
ックの上下部を前記キャブバックパネルに取付けるもの
であって、前記シートフレームの上側差込み体に、前記
キャブバックパネルの上側差込み口の下端周縁部と係合
する係合部を設け、前記シートフレームの上側差込み体
を、前記キャブバックパネルの上側差込み口の内部に差
込まれる湾曲状の差込み部と、該差込み部の内側下端に
形成されかつ車巾方向へ延びる係合部とによって構成し
ているので、スクリュなどでシートフレームの締付け体
をキャブバックパネルの固定部に締付けるまで、上側差
込み体の係合部が上下方向のストッパとなってこれを押
え付けるだけでシートバックの位置決めを行うことがで
き、したがって、シートバックの取付作業が容易とな
り、従来の取付構造に比べて取付作業の能率向上が図れ
る。
【0026】また、本発明の取付構造では、スクリュな
どでシートフレームの締付け体をキャブバックパネルの
固定部に締付ける時において、上側差込み体の係合部が
上側差込み口の下端周縁部に当たって係合するようにな
っているので、シートバックの締付方向への回動が阻止
され、小さな力でシートバックを保持することができ
て、シートバックの取付作業性が良くなる。しかも、本
発明の取付構造では、シートバックがスクリュなどの締
付方向の力を受けたままで取付けられることがないの
で、シートバックが傾いて固定されるということは起こ
らず、仮にシートバックのトリムに横方向の模様が付さ
れている場合であっても良好な外観を保つことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る取付構造を適用して取
付けられる車両用シートのシートバックを示す斜視図で
ある。
【図2】上記シートバックのシートフレームの要部を拡
大して示す正面図である。
【図3】上記シートフレームの上側差込み体をキャブバ
ックパネルのアッパメンバの上側差込み口に差込んでい
る状態を示す正面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】図3において矢印B方向から見た平面図であ
る。
【図6】上記キャブバックパネルの下部に固着されるロ
アメンバを示す正面図である。
【図7】上記シートフレームの下側差込み体を差込む下
側差込み口が形成されたシートブラケットを示す平面図
である。
【図8】上記シートブラケットを示す側面図である。
【図9】従来の取付構造を適用して取付けられる車両用
シートのシートバックを示す斜視図である。
【図10】車両のキャブバックパネルを示す斜視図であ
る。
【図11】従来の取付構造によって傾いたまま取付けら
れたシートバックを示す正面図である。
【符号の説明】
1 シートバック 2 キャブバックパネル 3 シートフレーム 4 メインフレーム 5 アッパフレーム 6 ロアフレーム 7 インナフレーム 8 上側差込み体 8a 差込み部 8b 係合部 9 下側差込み体 10 締付け体 11 アッパメンバ 12 上側差込み口 12a 下端周縁部 13 ロアメンバ 14 シートブラケット 15 固定部 16 下側差込み口 17 ネジ孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートバックを構成するシートフレーム
    の上部に上側差込み体を設けるとともに、前記シートフ
    レームの下部に下側差込み体と締付け体をそれぞれ設
    け、キャブバックパネルの上部に上側差込み口を設ける
    とともに、前記キャブバックパネルの下部に下側差込み
    口と固定部を設け、前記シートフレームの上下側差込み
    体を前記キャブバックパネルの上下側差込み口に差込
    み、前記締付け体を前記固定部に締付けて前記シートバ
    ックの上下部を前記キャブバックパネルに取付ける車両
    用シートの取付構造において、 前記シートフレームの上側差込み体に、前記キャブバッ
    クパネルの上側差込み口の下端周縁部と係合する係合部
    を設け 前記シートフレームの上側差込み体を、前記キャブバッ
    クパネルの上側差込み口の内部に差込まれる湾曲状の差
    込み部と、該差込み部の内側下端に形成されかつ車巾方
    向へ延びる係合部とによって構成し たことを特徴とする
    車両用シートの取付構造。
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