JP3292071B2 - 弾性表面波デバイス - Google Patents

弾性表面波デバイス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信機器等に用い
られる弾性表面波デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、RF帯で用いられる共振型の弾性
表面波デバイスは、図5に示すように、圧電基板11の
表面に入、出力櫛型電極12,13と、その両側に反射
器14を形成し、その間に波動エネルギーを閉じ込める
ことによりフィルタを形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの構成
では、弾性表面波デバイスの前後の回路のインピーダン
スが極端に違う場合、弾性表面波デバイスの入、出力の
インピーダンスを変えるためには、マッチング回路が余
分に必要であった。
【0004】そこで本発明は、入、出力のインピーダン
スを前後の回路に合わせることができる弾性表面波デバ
イスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の弾性表面波デバイスは、圧電基板と、この
圧電基板の表面に設けた入、出力櫛型電極と、この入、
出力櫛型電極の両側に設けた反射器とを備え、前記入、
出力櫛型電極のうち少なくとも一方が、分割されている
ことを特徴とするものであり、入力側と出力側のインピ
ーダンスをその前後の回路に合わせることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】請求項に記載の発明は、圧電基
板と、この圧電基板の表面に設けた入、出力櫛型電極
と、この入、出力櫛型電極の両側に設けた反射器とを備
え、入、出力櫛型電極のいずれもが分割され、かつ分割
位置が入力櫛型電極と出力櫛型電極で異なることを特徴
とする弾性表面波デバイスであり、入力側と出力側のイ
ンピーダンスを4倍を越える任意の比率に変えることが
できる。
【0007】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図4を用いて説明する。
【0008】(実施の形態1) 図1は、本実施の形態における弾性表面波デバイスの上
面図であり、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、
水晶等の圧電基板1の上に、アルミニウムあるいはアル
ミニウム合金で入力櫛型電極2、出力櫛型電極3、その
両側に反射器4を形成したものである。
【0009】弾性表面波デバイスのインピーダンスは、
入、出力櫛型電極2,3の交差幅、対数等によって決ま
るが、このように波動エネルギーを反射器4間に閉じ込
める構成においては、入力櫛型電極2と出力櫛型電極3
とで交差幅を変えることはできない。また対数について
も、必要な帯域幅等の設計パラメータにより決定される
ため、大幅に変えることはできない。そこで図1に示す
ように出力櫛型電極3のみを中央部分で分割することに
より、出力櫛型電極3の静電容量は、二分割したコンデ
ンサを直列に接続した形になるため分割しないものと比
較して4分の1になり、インピーダンスは4倍となる。
すなわち入力櫛型電極2を50オームになるように設計
すると、出力櫛型電極3のインピーダンスは200オー
ムとなる。
【0010】(実施の形態2) 図2は、本実施の形態における弾性表面波デバイスの上
面図であり、(実施の形態1)で説明した弾性表面波デバ
イスを二つ直列に接続したものである。この場合、(実
施の形態1)と異なり、入力櫛型電極2と出力櫛型電極
3で交差幅を変えることは可能であるが、あまり極端に
交差幅を変えると、相互に接続されている櫛型電極6,
7のインピーダンスが異なるため挿入損失が大きくなる
等の問題が発生する。そこで、入、出力櫛型電極2,3
のいずれか一方のみを途中で分割し、それ以外の櫛型電
極は全て分割しない状態にしたものである。
【0011】(実施の形態3) 図3は分割した櫛型電極の上面図である。端からAの位
置で分割されたとすると入力されたインピーダンスのA
(1−A)倍のインピーダンスが出力されることにな
る。
【0012】入、出力櫛型電極の一方のみを分割する場
合、インピーダンス比が1〜4倍までのものを得ること
ができる。
【0013】(実施の形態4) 図4は本実施の形態における弾性表面波デバイスの上面
図であり、入力櫛型電極2は中央部分で分割し、出力櫛
型電極3は中央以外の異なる位置で分割したものであ
る。このようにすることにより、インピーダンス比が4
倍を越えるものを得ることができる。
【0014】本実施の形態のように入、出力櫛型電極
2,3を両方とも分割する場合、一方は中央部分で分割
し、もう一方で所望のインピーダンスが得られるように
調整することが、共振器のQの低下を防ぐという点から
も好ましい。
【0015】なお櫛型電極を分割するための電極(図1
〜4の5)は、櫛型電極の電極指幅と同じくらい細い幅
にすることが、抵抗値を小さくするためにも好ましい。
【0016】
【発明の効果】以上本発明によれば、従来の共振型の弾
性表面波デバイスでは難しかった入力側と出力側のイン
ピーダンスを変えることができ、容易に周辺回路とのマ
ッチングをとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における弾性表面波デバ
イスの上面図
【図2】本発明の他の実施の形態における弾性表面波デ
バイスの上面図
【図3】本発明の一実施の形態における分割された櫛型
電極の上面図
【図4】本発明の他の実施の形態における弾性表面波デ
バイスの上面図
【図5】従来の弾性表面波デバイスの上面図
【符号の説明】
1 圧電基板 2 入力櫛型電極 3 出力櫛型電極 4 反射器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 9/25

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、この圧電基板の表面に設け
    た入、出力櫛型電極と、この入、出力櫛型電極の両側に
    設けた反射器とを備え、前記入、出力櫛型電極の両方を
    分割し、かつ分割位置が前記入、出力櫛型電極で異なる
    弾性表面波デバイス。
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