JPH10303697A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents
弾性表面波フィルタInfo
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- JPH10303697A JPH10303697A JP10796697A JP10796697A JPH10303697A JP H10303697 A JPH10303697 A JP H10303697A JP 10796697 A JP10796697 A JP 10796697A JP 10796697 A JP10796697 A JP 10796697A JP H10303697 A JPH10303697 A JP H10303697A
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Abstract
を並列に接続したタイプにおいて、低域側のフィルタ通
過特性の劣化を防止し、また小型化に適したものとす
る。 【解決手段】高域側の通過周波数帯域を有するラダー型
弾性表面波フィルタ42の並列弾性表面波共振子46
a,46b,46cと接地間に、低域側の通過周波数帯
域で高インピーダンスのフィルタ49a,49b,49
cを介装した。
Description
帯電話等の移動体無線機器等に内蔵される周波数帯域フ
ィルタとしての弾性表面波フィルタに関する。
ave で、以下、SAWと略す)フィルタ用のSAW共振
子を図4に示す。同図(a)はSAW共振子Sの基本構
成の平面図、(b)は電極1と電極2との間のインピー
ダンス特性のグラフである。
LiTaO3 やLiNbO3 等の圧電基板上に、蒸着
法,フォトリソグラフィ法等により、Al,Al合金等
から成る一対の櫛歯状の電極(Inter Digital Transduc
erで、以下、IDT電極という)1,2を形成して成
る。IDT電極1,2のSAW伝搬路の両端には、SA
Wを反射し効率よく共振させるための反射器3,3が設
けられており、この反射器3,3は場合によって省略さ
れることもある。尚、(a)において、IDT電極1,
2及び反射器3,3の電極指の本数は数10〜数100
本に及ぶため、その形状を簡略化して描いてある。
インピーダンス−周波数特性は、同図(b)に示すよう
に、比較的狭帯域の周波数範囲に、非常に低インピーダ
ンスの共振点4と非常に高インピーダンスの共振点5が
現れるというものである。このインピーダンス特性によ
り、SAW共振子Sは、入力する周波数に応じて選択的
にオン・オフ動作をする一種のスイッチとして機能す
る。
互に多段接続したものがラダー型(梯子型)SAWフィ
ルタ(以下、SAWフィルタという)と呼ばれ、図5は
移動体通信用のGHz周波数帯域でよく使用される2.
5段π型のものである。同図(a)は2.5段π型のS
AWフィルタFの基本構成の平面図、(b)は並列SA
W共振子のインピーダンス−周波数特性のグラフ、
(c)は直列SAW共振子のインピーダンス−周波数特
性のグラフ、(d)は2.5段π型のSAWフィルタF
の通過特性のグラフである。
SAWフィルタFは、2個の直列SAW共振子6a,6
bと3個の並列SAW共振子7a,7b,7cの計5個
のSAW共振子を、多段接続することにより構成され
る。その際、図5(b),(c)に示すように、並列S
AW共振子7a,7b,7cの共振周波数は、直列SA
W共振子6a,6bの共振周波数よりも低くなるように
している。その結果、このSAWフィルタFのフィルタ
通過特性、所謂信号強度−周波数特性は、同図(d)に
示すようなものとなる。
けるSAWフィルタFのインピーダンス特性を、各SA
W共振子のスイッング動作に置き換えて表現した等価回
路図である。図6(a)は、周波数8付近における等価
回路図で、並列SAW共振子7a,7b,7cが非常に
低インピーダンス(スイッチ・オン)になるため、並列
SAW共振子7a,7b,7cがグランドにショート
し、かつ直列SAW共振子6a,6bが非常に高インピ
ーダンス(スイッチ・オフ)になるため、信号が通過し
難くなっている。(b)は、周波数9付近における等価
回路図で、並列SAW共振子7a,7b,7cが非常に
高インピーダンス(スイッチ・オフ)になり、かつ直列
SAW共振子6a,6bが非常に低インピーダンス(ス
イッチ・オン)になるため、信号がよく通過する。
(c)は、周波数10付近における等価回路図で、直列
SAW共振子6a,6b及び並列SAW共振子7a,7
b,7cが共に高インピーダンス(スイッチ・オフ)に
なるため、信号が通過し難くなる。
野において、通過周波数帯域が異なる2つの帯域通過S
AWフィルタを並列に接続した、デュアルモード型のS
AWフィルタに対する要望が強くなっている。図7はデ
ュアルモード型について示したもので、同図(a)はフ
ィルタ通過特性を模式的に示したグラフ、(b)は一入
力二出力タイプのブロック図で、入力端子13に対し出
力端子14a,14bがあり、(c)は二入力一出力タ
イプのブロック図で、入力端子13a,13bに対し出
力端子14が存在する。尚、15,16は各々通過周波
数帯域が異なる2つの帯域通過SAWフィルタである。
示したラダー型のSAWフィルタFをそのまま並列接続
して、図7(b),(c)のようなデュアルモード型と
しても、以下に述べるような問題点が生じていた。すな
わち、図7(b)のように構成した場合、低域側の通過
周波数帯域11(中心周波数800MHz程度)におい
て、高域側の通過周波数帯域12(中心周波数900M
Hz程度)に相当するSAWフィルタの並列SAW共振
子が非常に低インピーダンス(図6(a)の状態)にな
ってしまい、その結果、信号が通過し難くなる。
なる2つのSAWフィルタ21,22を、一入力二出力
タイプのデュアルモード型として構成した場合、図9
(a)のようなフィルタ通過特性及び図9(b)のよう
なVSWR(Voltage StandingWave Ratio;電圧定在波
比)−周波数特性が理想的であるが、実際には図10
(a),(b)のようになってしまう。
域側のSAWフィルタ21に相当する通過周波数帯域で
の信号レベルが低下し、挿入損失劣化を生じる。また、
図10(b)のように、低域側の通過周波数帯域でVS
WRが非常に大きくなり、外部回路とのインピーダンス
不整合による信号の反射、不通過が大きくなる。これ
は、等価回路でいえば図11の状態に相当し、高域側の
通過周波数帯域に相当するSAWフィルタ22の並列S
AW共振子26a,26b,26cが低インピーダンス
になり、グランドにほぼショートしてしまうためであ
る。前記VSWRは交流信号のインピーダンス不整合に
よる信号の反射、不通過の度合いを示すパラメータで、
その値が1の場合が最もよく、1より大きいと信号の反
射、不通過が大きくなる。また、図10(a)のS21
(縦軸)は信号強度に比例するパラメータである。
のパラメータを表1に示す。
側の通過周波数帯域に相当する2.5段T型のSAWフ
ィルタ、22は高域側の通過周波数帯域に相当する2.
5段π型のSAWフィルタ、23a,23b,23cは
SAWフィルタ21側の直列SAW共振子、24a,2
4bはSAWフィルタ21側の並列SAW共振子、25
a,25bはSAWフィルタ22側の直列SAW共振
子、26a,26b,26cはSAWフィルタ22側の
並列SAW共振子、27は入力端子、28a,bは出力
端子である。
図12に示すように、並列接続されたSAWフィルタ2
1,22の前段に遅延線路31,32を挿入することに
よって、図7の低域側の通過周波数帯域11において、
本来短絡(ショート)した状態にある高域側のSAWフ
ィルタ22の特性を、正反対のオープン状態になるよう
に位相回転、すなわち位相及びインピーダンスのシフト
を行うというものが提案されている(”DEVELOPMENT OF
SMALL ANTENNA DUPLEXER USING SAW FILTERSFOR HANDH
ELD PHONES",O.Ikata et.al,1993 ULTRASONICS SYMPOSI
UM,PP.111-114参照)。
場合、所望の位相回転量を得るためには、遅延線路の長
さが必要以上に長くなってしまい、SAWフィルタの小
型化の障害となっていた。しかも、周波数が低くなれば
なるほど遅延線路の長さは長くなり、さらに小型化に不
適当となる。また、遅延線路が持つ抵抗及び電磁放射に
よる損失が、SAWフィルタの挿入損失を劣化するとい
う問題点もあった。
振子と共に圧電基板上に集積化することができず、パッ
ケージの表面等に遅延線路を設ける必要があった。しか
し、遅延線路の仕様はSAWフィルタの仕様と共に変わ
るため、異なるSAWフィルタ間でパッケージを共用化
できず、その結果、高コスト化を招くという問題点も有
していた。
れたものであり、その目的は、デュアルモード型のSA
Wフィルタにおいて、低域側のフィルタ通過特性の劣化
を防止し、また小型化に適しており、その結果、低コス
トに製造可能なものとすることにある。
ルタは、通過周波数帯域が異なる複数のラダー型弾性表
面波フィルタを並列接続して成り、高域側の通過周波数
帯域を有するラダー型弾性表面波フィルタの並列弾性表
面波共振子と接地間に、低域側の通過周波数帯域で高イ
ンピーダンスを有するフィルタを介装してなることを特
徴とし、高域側のSAWフィルタで信号がグランドへシ
ョートして、低域側のフィルタ通過特性が劣化するのを
抑制、防止する。好ましくは、前記フィルタをSAWフ
ィルタと共に圧電基板上に一体的に集積化する。
図は一入力二出力タイプのデュアルモード型のSAWフ
ィルタに、本発明を適用した構成のブロック図である。
同図において、41は低域側の通過周波数帯域に相当す
る2.5段T型のSAWフィルタ、42は高域側の通過
周波数帯域に相当する2.5段π型のSAWフィルタ、
43a,43b,43cはSAWフィルタ41側の直列
SAW共振子、44a,44bはSAWフィルタ41側
の並列SAW共振子、45a,45bはSAWフィルタ
42側の直列SAW共振子、46a,46b,46cは
SAWフィルタ42側の並列SAW共振子、47は入力
端子、48a,bは出力端子、49a,49b,49c
はSAWフィルタ42の並列SAW共振子46a,46
b,46cと接地間に介装され、かつ低域側の通過周波
数帯域で高インピーダンスであるフィルタである。
のような等価回路となり、フィルタ49a,49b,4
9cが高インピーダンス(スイッチ・オフ)となる。こ
のような構成により、信号が接地側へショートせずに通
過可能となり、SAWフィルタ42の動作が良好なもの
となる。
電基板材料、SAW共振子のIDT電極指対数、IDT
電極指ピッチ等のパラメータにより変動はあるが、少な
くとも500Ω以上とするのが、本発明の上記効果を発
揮するうえで好ましい。
は、一般的に、インダクタ,キャパシタ,抵抗素子等の
インピーダンス素子により構成できるが、SAW共振子
を用いると、他のSAW共振子と共に同じ製造工程で一
体的に作製でき、また従来の遅延線路よりも大幅な小型
化が可能となるため好適である。また、前記フィルタ4
9a,49b,49cは、高域側の通過周波数帯域を含
む高周波数帯域側では、低インピーダンスのフィルタ又
は高インピーダンスのフィルタ(低域通過フィルタ)の
いずれでもよいが、低域通過フィルタである方が、高周
波数帯域側で信号がグランドへショートし難いため好ま
しい。
に限らず、通過周波数帯域が各々異なるものを複数並列
接続したものであれば適用できる。例えば、3種類のS
AWフィルタの場合、高域、中域、低域の通過周波数帯
域に相当するSAWフィルタにおいて、より高域側のも
のと低域側のものとの関係で本発明を適用すればよい。
例えば、高域と中域、高域と低域、中域と低域、高域及
び中域と低域という関係において適用する。
プについて説明したが、二入力一出力タイプの場合も同
様である。
極はAlあるいはAl合金(Al−Cu系,Al−Ti
系等)からなり、特にAlが励振効率が高く、材料コス
トが低いため好ましい。また、IDT電極は蒸着法、ス
パッタリング法又はCVD法等の薄膜形成法により形成
する。
程度、電極指の幅は0.1〜10.0μm程度、電極指
の間隔は0.1〜10.0μm程度、電極指の開口幅
(交差幅)は10〜100μm程度、IDT電極の厚み
は0.2〜0.4μm程度とすることが、共振器あるい
はフィルタとしての所期の特性を得るうえで好適であ
る。また、IDT電極の電極指間に酸化亜鉛,酸化アル
ミニウム等の圧電材料を成膜すれば、SAWの共振効率
が向上し好適である。
6°Yカット−X伝搬のLiTaO3 結晶、64°Yカ
ット−X伝搬のLiNbO3 結晶、45°Xカット−Z
伝搬のLiB4 O7 結晶等が、電気機械結合係数が大き
く且つ群遅延時間温度係数が小さいため好ましい。圧電
基板の厚みは0.3〜0.5mm程度がよく、0.3m
m未満では圧電基板が脆くなり、0.5mm超では材料
コストが大きくなる。
帯域におけるフィルタ通過特性の劣化を抑制、防止し、
また小型化に適しており、その結果、低コストに製造可
能になるという作用効果を有する。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種
々の変更は何等差し支えない。
うなデュアルモード型のSAWフィルタを、以下の
(1)〜(3)の工程で製造した。
O3 結晶から成るウエハ上に、複数のSAWフィルタ用
のパターンを、紫外線(Deep-UV 光)光源を用いた密着
露光機によるフォトリソグラフィ法で形成し、前記パタ
ーン上にIDT電極及び反射器用のAlを電子ビーム蒸
着法により3500Å成膜した。
フトオフし、SAWフィルタ用のAlパターンを形成し
た。
々のSAWフィルタにダイシング法でカットし、個々の
SAWフィルタをSMD(Surface Mounted Device:表
面実装素子)用のパッケージに収容して、エポキシ樹脂
で接着固定し、リッドを被せ封止する。
AW共振子及びSAW共振子から成るフィルタのパラメ
ータを表2に示す。本実施例のフィルタのインピーダン
ス値は、低域側の通過周波数帯域(840±12.5M
Hz)において、約1000Ωであった。尚、高域側の
通過周波数帯域は880±12.5MHzである。
図(a)はフィルタ通過特性のグラフ、(b)はVSW
R−周波数特性のグラフである。図3において明らかな
ように、SAWフィルタ41,42による2つの通過周
波数帯域が実現されており、各々の通過周波数帯域にお
いて、相手側の通過周波数帯域への信号の漏れは−20
dB以下に抑制された。その結果、低域側のフィルタ通
過特性が改善され、劣化はまったく見られなかった。ま
た、VSWR−周波数特性も大きく改善された。
体が一個の圧電基板上に一体的に集積化されているの
で、従来の遅延線路を使用したものと比較して、大幅な
小型化及び低コスト化が達成された。
するSAWフィルタの並列SAW共振子と接地間に、低
域側の通過周波数帯域で高インピーダンスのフィルタを
介装することにより、低挿入損失のフィルタ通過特性及
び低VSWR−周波数特性が実現できるという作用効果
を有する。
圧電基板上に一体的に形成可能なため、従来の長い遅延
線路が不要となり、大幅な小型化ができる。更には、仕
様に応じて異なる遅延線路を個々のパッケージ上に設け
る必要もないため、パッケージが共用化され、低コスト
に製造できるという効果もある。
帯域における、インピーダンス特性の等価回路図であ
る。
し、(a)はフィルタ通過特性のグラフ、(b)はVS
WR−周波数特性のグラフである。
図、(b)は従来のSAW共振子のインピーダンス特性
のグラフである。
図、(b)は並列SAW共振子のインピーダンス特性の
グラフ、(c)は直列SAW共振子のインピーダンス特
性のグラフ、(d)はラダー型SAWフィルタのフィル
タ通過特性のグラフである。
ラダー型SAWフィルタのインピーダンス特性の等価回
路図、(b)は図5(d)の周波数9における従来のラ
ダー型SAWフィルタのインピーダンス特性の等価回路
図、(c)は図5(d)の周波数10における従来のラ
ダー型SAWフィルタのインピーダンス特性の等価回路
図である。
ルタのフィルタ通過特性を模式的に示したグラフ、
(b)は従来の一入力二出力タイプのブロック図、
(c)は従来の二入力一出力タイプのブロック図であ
る。
ィルタを、一入力二出力タイプのデュアルモード型とし
たもののブロック図である。
性のグラフ、(b)は図8のものの理想的なVSWR−
周波数特性のグラフである。
性のグラフ、(b)は図8のものの実際のVSWR−周
波数特性のグラフである。
るインピーダンス特性の等価回路図である。
型のSAWフィルタで、各SAWフィルタの前段に遅延
線路を設けたもののブロック図である。
タ 42:高域側の通過周波数帯域に相当するSAWフィル
タ 43a:直列SAW共振子 43b:直列SAW共振子 43c:直列SAW共振子 44a:並列SAW共振子 44b:並列SAW共振子 45a:直列SAW共振子 45b:直列SAW共振子 46a:並列SAW共振子 46b:並列SAW共振子 46c:並列SAW共振子 49a:フィルタ 49b:フィルタ 49c:フィルタ
Claims (1)
- 【請求項1】通過周波数帯域が異なる複数のラダー型弾
性表面波フィルタを並列接続して成り、高域側の通過周
波数帯域を有するラダー型弾性表面波フィルタの並列弾
性表面波共振子と接地間に、低域側の通過周波数帯域で
高インピーダンスを有するフィルタを介装してなること
を特徴とする弾性表面波フィルタ。
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1997
- 1997-04-24 JP JP10796697A patent/JP3878714B2/ja not_active Expired - Fee Related
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