JP3291893B2 - ブラインド式シャッタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、窓や出入口等のような
建物の開口部に設けられるブラインド式シャッタに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ブラインド式シャッタは、一般に、建物
の開口部を閉鎖する場合には、開口部の上部から繰り出
され、建物の開口部を開放する場合には、開口部の上部
に収納される羽根板を具備している。そしてブラインド
式シャッタにおいて、開口部の閉鎖過程の途中で、採光
のためほぼ水平に羽根板を回動させるものを、先に特願
平５−１８０７９９号において提案した。本提案した羽
根板の回動機構においては、羽根板を連結する一対のリ
ンク列にチルトアームを取り付け、リンク列の移動を案
内するブラインド式シャッタの縦枠の条溝にカムを設
け、リンク列の移動でのカムへのチルトアームの当接で
一方のリンク列を他方のリンク列に対して相対的に移動
させて羽根板を採光のためほぼ水平に回動させている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記の羽根板
の回動機構によれば、リンク列の移動を案内する縦枠の
条溝に設けられたカムは、リンク列の移動に対しては障
害物となり、リンク列の移動中、リンク列がこのカムに
噛み込んだりして、リンク列のスムーズな移動を妨げる
虞があり、特に、繰り出しにおける下方へのリンク列の
移動は、リンク列及び羽根板の自重により行われるた
め、少しの障害でもそれが阻止される虞を有する。ま
た、狭い条溝にカムを取り付け、これにチルトアームを
所定に当接させることは、極めて面倒な調整を必要と
し、組み立て、保守、修理に時間を要する。

【０００４】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、リンク列のスムー
ズな移動を確保して、トラブルの発生のない上に、組み
立て、保守、修理を容易に行い得るブラインド式シャッ
タを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、互いに平行に配された複数枚の羽根板と、この羽根
板のそれぞれを連結支持する第一のリンク列と、この第
一のリンク列に連結支持された羽根板を収容する収容装
置と、羽根板を収容装置から次々に繰出し、この繰出し
た羽根板を次々に引き上げて収容装置に収容すべく、第
一のリンク列を移動させる移動手段と、繰出された羽根
板を開閉する開閉機構とを具備しており、開閉機構は、
第一のリンク列に並置された第二のリンク列と、一端が
第一のリンク列に、他端が第二のリンク列にそれぞれ回
動自在に連結されて、カム係合部を具備したチルトアー
ムと、羽根板の端部を第一及び第二のリンク列に回動自
在に連結する連結機構とを具備しており、移動手段はホ
イールとこのホイールを回転させる駆動装置とを具備し
ており、ホイールは、その外周に、第一のリンク列に設
けられた係合部に係合する歯溝と、チルトアームのカム
係合部に係合するカム溝とを具備しているブラインド式
シャッタによって達成される。

【０００６】本発明の一つの例では、第一のリンク列
は、互いに直列に連結部を介して回動自在に連結された
多数のリンク部材からなり、これらリンク部材の連結部
において一つおきに係合部が設けられており、歯溝部と
カム凹所とは、ホイールの外周に交互に形成されている 連結機構としては、一端が羽根板の端部に取り付けら
れ、他端が第一のリンク列に回動自在に連結された軸
と、この軸に一端が取り付けられており、他端が第二の
リンク列に回動自在に連結されたリンク部材を具備して
いるものを一つの例として示すことができる。なお、第
一のリンク列に設けられる係合部をローラで、またチル
トアームのカム係合部をローラで形成すると、スムーズ
な動作を得ることができ好ましい。

【０００７】

【作用】本発明のブラインド式シャッタでは、移動手段
が作動されてそのホイールが回転されると、第一のリン
ク列の係合部へのホイールの歯溝の係合により、第一の
リンク列は収容装置から順次繰出される。第一のリンク
列のこの繰出しにより、第一のリンク列に連結支持され
た、互いに平行に配された複数枚の羽根板もまた収容装
置から順次繰出され、これにより建物の開口部は順次閉
鎖され始める。閉鎖動作中、第一のリンク列に回動自在
に連結されたチルトアームのカム係合部がホイールのカ
ム溝に係合してチルトアームが回動されると、第一のリ
ンク列に並置されてチルトアームに回動自在に連結され
た第二のリンク列が第一のリンク列に対して相対的に変
位され、しかして連結機構を介して第一及び第二のリン
ク列に連結された羽根板は採光し得るように回動されて
開放される。ホイールが逆転されると、第一のリンク列
及び羽根板は引き上げられて収容装置に順次収容され
る。

【０００８】次に本発明を、図に示す好ましい一具体例
に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら
具体例に何等限定されないのである。

【０００９】

【具体例】図１から図９において、本例のブラインド式
シャッタ１は、互いに平行に配された複数枚の羽根板２
と、羽根板２のそれぞれを連結支持する第一のリンク列
３と、リンク列３に連結支持された羽根板２を収容する
収容装置４と、羽根板２を収容装置４から次々に繰出
し、この繰出した羽根板２を次々に引き上げて収容装置
４に収容すべく、リンク列３を移動させる移動手段５
と、繰出された羽根板２を開閉する開閉機構６とを具備
している。

【００１０】各羽根板２は、特に図４及び図５に詳細に
示すように、外側に向って凸な部分１１と内側に向かっ
て凸な部分１２とからなり、凸な部分１１の下端及び中
央部には条溝１３及び１４がそれぞれ形成されており、
凸な部分１１と１２との境界部には半円筒部１５が形成
されており、条溝１３にシール１６が嵌装されている。

【００１１】リンク列３は、連結部である軸２１及び２
２を介して互いに直列に連結された多数のリンク部材２
３からなり、一つ置きのリンク部材２３の先端には、隣
接するリンク部材２３と当接して、相互の必要以上の曲
折を阻止する阻止片２４が一体的に形成されており、リ
ンク列３の連結部において一つおきに設けられた軸２１
には係合部としてのローラ２５が回転自在に設けられて
いる。なお、リンク列３は羽根板２の両端部２６及び２
７側にそれぞれ設けられているが、以下片側の端部２６
のみについて説明する。

【００１２】収容装置４は、ブラインド式シャッタ１の
一対の縦枠３１及び３２の上方に取り付けられたハウジ
ング３３と、特に図７に詳細に示すように、ハウジング
３３の側壁３４に取り付けられたガイドレール３５と、
ガイドレール３５の先端に取り付けられた案内片３６と
を具備しており、図８に詳細に示すように、ガイドレー
ル３５は、下方に突出した突条３７を有する上レール部
３８と上方に突出した突条３９を有する下レール部４０
とを一体的に具備しており、二股部４１を有する案内片
３６は、その基部４２が下レール部４０の下面に形成さ
れた空間４３に圧入されてガイドレール３５の先端に取
り付けられている。

【００１３】開閉機構６は、リンク列３に並置された第
二のリンク列５１と、一端５２がリンク列５１の上端部
に軸５３を介して、中央部５４がリンク列３に軸２１を
介してそれぞれ回動自在に連結されて、一端５２からの
折り曲げ延設部５５にカム係合部であるローラ５６を回
転自在に具備したチルトアーム５７と、羽根板２の端部
２６をリンク列３及び５１に回動自在に連結する連結機
構５８とを具備しており、リンク列５１は、交互に設け
られた軸５９及び６０を介して互いに直列に連結された
多数のリンク部材６１からなり、一つ置きのリンク部材
６１の先端には、隣接するリンク部材６１と当接して、
相互の必要以上の曲折を阻止する阻止片６２が一体的に
形成されており、連結機構５８は、一端６５が取り付け
手段６６を介して羽根板２の端部２６に取り付けられ、
他端６７が軸２１を介してリンク列３に回動自在に連結
された軸６８と、一端６９が軸６８に固着されており、
他端７０が軸６０を介してリンク列５１に回動自在に連
結されたリンク部材７１とを具備している。

【００１４】取り付け手段６６は、一方では軸６８に固
定され、他方では半円筒部１５に嵌装された取り付け具
８１と、取り付け具８１が羽根板２から脱落することを
防止する固定具８２とを具備し、固定具８２は羽根板２
の裏面中央部に形成された条溝１４に嵌装された一端８
４を有しており、固定具８２の他端８５は、取り付け具
８１が回動して羽根板２から脱落しないように取り付け
具８１を押圧して羽根板２の裏面中央部に保持してい
る。

【００１５】移動手段５は、ハウジング３３に軸９１を
介して回転自在に取り付けられたホイール９２と、ホイ
ール９２を正、逆回転させる駆動装置９３とを具備して
おり、ホイール９２は、その外周９４に、リンク列３に
設けられたローラ２５に係合する歯溝９５と、チルトア
ーム５７のローラ５６に係合するカム溝９６とを具備し
ている。歯溝９５とカム溝９６とは、ホイール９２の外
周９４に交互に形成されており、駆動装置９３は、ホイ
ール９２の側面に固着された歯車９７と、ハウジング３
３に取り付けられた電動モータ９８と、電動モータ９８
の出力回転軸に取り付けられた歯車９９と、歯車９７及
び９９間に掛け渡された無端チェーン１００とを具備し
ている。

【００１６】本例のブラインド式シャッタ１は、更に、
縦枠３１内に、図６に詳細に示すように、移動手段５に
より繰り出されて垂れ下ったリンク列３を案内する案内
手段１１０が設けられており、案内手段１１０は、軸２
１に回転自在に取り付けられたローラ２５を取り囲むよ
うにして、縦枠３１の内面に一体的に形成されたレール
１１１からなり、レール１１１は、ローラ２５の小径部
１１２に配される対抗した突条部１１３及び１１４を有
する。なお、縦枠３２内にも同様の案内手段が形成され
ている。また更に、本例のブラインド式シャッタ１は、
ハウジング３３に案内レール１２１及び案内片１２２、
１２３並びにカム片１２５が設けられており、案内レー
ル１２１及び案内片１２２、１２３は、リンク列３の移
動においてローラ２５に当接してリンク列３の移動を所
定に案内し、カム片１２５は、これにチルトアーム５７
の他端１２６に回転自在に取り付けられたローラ１２７
が当接することにより、チルトアーム５７の回動を補助
する。

【００１７】なお、チルトアーム５７よりも上流側（収
容装置４側）のリンク列３の軸２１には、連結機構５８
及び取り付け手段６６を介して羽根板２を連結してもよ
いが、本例では、これらを介することなしに、軸１３１
を介して直接に羽根板２が回動自在に連結されている。

【００１８】以上のように形成されたブラインド式シャ
ッタ１では、モータ９８が作動されて、歯車９９、チェ
ーン１００及び歯車９７を介してホイール９２がＡ方向
に回転されると、ホイール９２の外周部は二股部４１の
切欠き部１３１を通過し、ここでのホイール９２の各歯
溝９５と各軸２１のローラ２５との係合によりに、収容
装置４に収容されているリンク列３は収容装置４から引
き出され、これによりリンク列３に取り付けられた羽根
板２もまた繰り出される。なお、羽根板２の繰り出し前
においては、最先端の羽根板２は縦枠３１、３２の上端
内に配されている。リンク列３のハウジング３３内での
繰り出しは、各軸２１のローラ２５と案内レール１２
１、案内片１２２、１２３との当接により案内され、羽
根板２がこうして繰り出されると、リンク列３は縦枠３
１内を下降し、このリンク列３の下降において、ローラ
２５は案内レール１１１に案内され、したがってリンク
列３の軸２１は一つの鉛直線上に配される。なお、リン
ク列３の繰り出しでリンク５１も繰り出される。リンク
列３の下降でハウジング３３及び縦枠３１、３２に囲ま
れた開口部１５０は、羽根板２で順次閉鎖される。完全
閉鎖の直前において、図１に示すようにチルトアーム５
７が繰り出される。チルトアーム５７のこの繰り出し
で、チルトアーム５７のローラ５６がホイール９２のカ
ム溝９６に係合してチルトアーム５７が図２に示すよう
にＢ方向に回動されると、リンク列５１がリンク列３に
対して相対的に上方に変位され、しかして連結機構５８
を介してリンク列３及び５１に連結された羽根板２は採
光し得るように水平に回動されて開放される。更にホイ
ール９２がＡ方向に回転され、チルトアーム５７に取り
付けられた他のローラ１２７がカム片１２５に当接する
ことにより、カム片１２５によるローラ１２７の案内移
動で、ローラ５６とカム溝９６との係合解除後も、チル
トアーム５７のＢ方向回動は維持され、しかして羽根板
２の水平回動も維持される。ホイール９２がなおＡ方向
に回転されと、図３に示すように、ローラ１２７のカム
片１２５への当接が解除され、チルトアーム５７がリン
ク列５１等の自重によりＣ方向に回動されて、しかして
連結機構５８を介してリンク列３及び５１に連結された
羽根板２は垂直に回動されて閉鎖される。同時に開口部
１５０は羽根板２により完全に閉鎖される。このように
チルトアーム５７は、開口部１５０の完全閉鎖前に、羽
根板２が一度開放されるように、リンク列３の所定位置
に設けられている。

【００１９】完全閉鎖後、電動モータ９８の作動によ
り、ホイール９２がＡ方向と逆方向であるＤ方向に回転
されると、リンク列３が引き上げられて、前記と逆の動
作が順次行われる。そして小径部１１２が突条部３７及
び３９間に位置してローラ２５が上レール部３８及び下
レール部４０間に挿入されてリンク列３が収容装置４に
収容され、これと共に羽根板２が引き上げられる結果、
開口部１５０が開放される。

【００２０】本ブラインド式シャッタ１では、縦枠３１
内にカム片などを設けることなしに、羽根板２を回動し
得るため、縦枠３１内でのリンク列３の移動を問題なく
スムーズに行うことができ、また縦枠３１内での狭い空
間での時間のかかるカム片などの取り付け、調整作業等
をなくし得る。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、リンク列
のスムーズな移動を確保して、トラブルの発生のない上
に、組み立て、保守、修理を容易に行い得る

【図面の簡単な説明】

【図１】図９に示す本発明の好ましい一具体例の動作説
明図である。

【図２】図９に示す本発明の好ましい一具体例の動作説
明図である。

【図３】図９に示す本発明の好ましい一具体例の動作説
明図である。

【図４】図９に示す本発明の好ましい一具体例の羽根板
等の詳細図である。

【図５】図４に示すＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】図９に示す本発明の好ましい一具体例の縦枠等
の一部断面図である。

【図７】図９に示す本発明の好ましい一具体例のハウジ
ング内の説明図である。

【図８】図７に示すハウジング内の一部の分解説明図で
ある。

【図９】本発明の好ましい一具体例の斜視図である。

【符号の説明】

１ ブラインド式シャッタ ２ 羽根板 ３ 第一のリンク列 ４ 収容装置 ５ 移動手段 ６ 開閉機構

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに平行に配された複数枚の羽根板
   と、この羽根板のそれぞれを連結支持する第一のリンク
   列と、この第一のリンク列に連結支持された羽根板を収
   容する収容装置と、羽根板を収容装置から次々に繰出
   し、この繰出した羽根板を次々に引き上げて収容装置に
   収容すべく、第一のリンク列を移動させる移動手段と、
   繰出された羽根板を開閉する開閉機構とを具備してお
   り、開閉機構は、第一のリンク列に並置された第二のリ
   ンク列と、第一及び第二のリンク列にそれぞれ回動自在
   に連結されて、カム係合部を具備したチルトアームと、
   羽根板の端部を第一及び第二のリンク列に回動自在に連
   結する連結機構とを具備しており、移動手段はホイール
   とこのホイールを回転させる駆動装置とを具備してお
   り、ホイールは、その外周に、第一のリンク列に設けら
   れた係合部に係合する歯溝と、チルトアームのカム係合
   部に係合するカム溝とを具備しているブラインド式シャ
   ッタ。
2. 【請求項２】 第一のリンク列は、互いに直列に連結部
   を介して回動自在に連結された多数のリンク部材からな
   り、これらリンク部材の連結部において一つおきに係合
   部が設けられており、歯溝とカム溝とは、ホイールの外
   周に交互に形成されている請求項１に記載のブラインド
   式シャッタ。
3. 【請求項３】 連結機構は、一端が羽根板の端部に取り
   付けられ、他端が第一のリンク列に回動自在に連結され
   た軸と、一端がこの軸に取り付けられており、他端が第
   二のリンク列に回動自在に連結されたリンク部材を具備
   している請求項１又は２に記載のブラインド式シャッ
   タ。
4. 【請求項４】 チルトアームのカム係合部はローラから
   なる請求項１から３のいずれか一項に記載のブラインド
   式シャッタ。