JP3290788B2 - プリント基板の半田膜形成装置 - Google Patents

プリント基板の半田膜形成装置

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JP3290788B2
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circuit board
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    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板のパッド
上に半田膜を形成する半田膜形成装置に関する。
【0002】プリント基板の表面に形成されたパッド
(配線パターンの一部)に配線材や電子部品のリード端
子等を接続する場合、一般に半田付けによるボンディン
グが行われる。電子部品等の実装に際しては、該パッド
上には半田膜が予め形成される。電子部品等は、この半
田膜が形成されたパッド上にそのリード端子等を位置合
わせして配置し、高温雰囲気中で該半田膜を溶融させた
後に冷却することにより、プリント基板に実装される。
本発明は、このようなパッド上に半田膜を形成する装置
に関するものである。
【0003】
【従来の技術】プリント基板への電子部品等の半田付け
は、接続の高信頼化、品質の均一化及び作業の効率化等
を図る観点から、パッドとこれに接続されるべき電子部
品のリード等の接続に適した量の半田によりなされるべ
きである。このため、従来から半田ボールが使用されて
いる。
【0004】半田ボールは、パッド上に供給すべき半田
量に対応する径に設定された球状の半田であり、パッド
や部品リードの形状等に応じて、その径が種々に設定さ
れたものが準備される。
【0005】そして、従来の技術としては、半田ボール
をピンセットを用いてプリント基板の該当するパッド上
に載置し、これに半田コテを接触せしめて、溶融・固化
させることにより、パッド上に半田膜を形成するものが
知られている。なお、これらの作業は全て手作業で行わ
れていた。
【0006】また、他の従来の技術としては、半田膜を
形成すべきパッドに対応する部分に貫通穴を有する板状
のガイドマスクをプリント基板上に積層載置し、全ての
貫通穴にピンセットにより手作業で半田ボールを挿入配
置し、これらを高温雰囲気中に位置せしめて、半田ボー
ルを溶融した後に冷却することにより、パッド上に半田
膜を形成するものも知られている。なお、高温雰囲気中
に入れる時間は、約1時間程度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術による
と、半田ボールをピンセットで掴んでパッド上に載置す
る作業やこれに半田コテを接触せしめて溶融する作業は
全て手作業であるから、作業効率が悪く、特に最近で
は、プリント基板の小形化、高密度化に伴い、パッドが
微小となり、そのため半田ボールの径も小さくなる傾向
にあるから、作業が非常に難かしくなってきている。
【0008】また、前記他の従来技術によると、パッド
一箇所に半田膜を形成したい場合においても、プリント
基板の全体を高温雰囲気中に入れる必要があるため、熱
ストレスによりプリント基板の特性劣化等の問題を生じ
る場合があった。
【0009】よって本発明の目的は、プリント基板のパ
ッド上への半田膜の形成を自動化した半田膜形成装置を
提供することである。また、本発明の他の目的は、プリ
ント基板の特性を劣化させずに選択的に半田膜を形成す
ることができる半田膜形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント基板の
半田膜形成装置は、半田ボールを収納する半田ボール収
納手段と、その先端に該半田ボールを保持するための保
持面を有し、該保持面に開口する吸着口を有する吸着ヘ
ッドと、該吸着ヘッドの吸着口に負圧を発生させる吸引
手段と、該吸着ヘッドを移動するヘッド移動手段と、プ
リント基板のパッドの位置、半田ボールの径、材料、そ
の他のデータが予め適宜に設定された基板情報を有し、
該基板情報に基づき該ヘッド移動手段による該吸着ヘッ
ドの移動及び該吸引手段の作動を制御する制御手段とを
備えて構成される。
【0011】好ましくは、前記吸着ヘッドと相対された
ときに、該吸着ヘッドの先端にエアーを吐出するエアー
吐出手段をさらに備えて構成される。また、前記吸着ヘ
ッドの前記保持面に前記半田ボールが吸着されているか
否かを検知する検知手段を備えて構成することができ、
この検知手段は、例えば、赤外線発光部と、該赤外線発
光部に対向して配置された赤外線受光部とから構成され
る。
【0012】前記吸引手段と前記吸着ヘッドとは、スパ
イラルチューブで連絡させることができる。また、プリ
ント基板の半田膜を形成すべきパッドに、半田ボールを
供給する前に、フラックスを供給するフラックス供給手
段を備えて構成することもできる。
【0013】そして、前記プリント基板のパッド上に載
置された半田ボールを非接触で溶融させるレーザ光を発
振するレーザ照射手段と、該レーザ照射手段を移動す
る、前記制御手段により制御されるレーザ移動手段とを
さらに備えて構成することができる。
【0014】このレーザ照射手段を備えた場合におい
て、前記プリント基板に対向して配置されたテレビカメ
ラ手段と、前記プリント基板の溶融すべき半田ボールが
載置されたパッドに対して該テレビカメラ手段の焦点が
合うように該テレビカメラ手段を移動するとともに、該
移動量を前記制御手段に通知するテレビ移動手段とをさ
らに備え、前記制御手段は、該移動量に応じて前記レー
ザ移動手段の移動量を補正するように構成することがで
きる。
【0015】
【作用】本発明のプリント基板の半田膜形成装置による
と、まず、制御手段は基板情報に基づき、半田膜を形成
すべきパッドを特定するとともに、該パッドに供給すべ
き半田ボールを選定し、該当する半田ボールを収容する
半田ボール収納手段に対してこれに対応する吸着ヘッド
を位置決め移動する。
【0016】吸着ヘッドは半田ボール収容手段に収容さ
れる半田ボール内に挿入され、吸引手段が作動されるこ
とにより、その保持面に半田ボールが吸着保持される。
次いで、吸着ヘッドが移動されて、プリント基板の該半
田ボールを供給すべきパッド上に位置決めされ、吸引手
段が解除されることにより、該パッド上に半田ボールが
供給され、以下この処理が必要回数だけ繰り返される。
【0017】このように、半田ボールの供給は基板情報
に従ってプリント基板のパッド上に自動的になされるか
ら、従来の人手による半田ボールの供給と比較してその
作業効率を大幅に向上することができるとともに、適宜
な半田ボールを正確に供給することができる。
【0018】また、エアー吐出手段を備えれば、吸着ヘ
ッドの保持面以外の部分に静電気力等により不要な半田
ボールが吸着した場合に、吸着ヘッドの先端にエアーを
吐出することで、不要な半田ボールを除去することがで
きる。
【0019】そして、検知手段により、吸着ヘッドの保
持面に半田ボールが吸着されているか否かを検知すれ
ば、パッドへの半田ボールの供給漏れを無くすことがで
きる。さらに、前記吸引手段と前記吸着ヘッドとの間
を、スパイラルチューブで連絡させることにより、吸着
ヘッドに不要な力を加えることが少なくなり、吸着ヘッ
ド先端によるパッドへの加圧力を一定にすることがで
き、プリント基板に損傷を与えることが少なくなる。
【0020】また、プリント基板のパッドに、フラック
ス供給手段により半田ボール供給前に予めフラックスを
塗布しておけば、半田ボール供給時に半田ボールがフラ
ックスによりパッド上に保持され、振動等の影響により
半田ボールが位置づれを起こすことを防止できる。
【0021】一方、半田ボールの供給の後、制御手段に
よりレーザ照射手段が溶融すべきパッド上に位置決めさ
れ、該パッド上に供給された半田ボールにレーザ光が所
定の時間照射されることにより溶融され、パッド上に所
定量の半田膜が形成される。半田ボールの溶融は、レー
ザ光により非接触で且つスポット的になされるから、少
数の半田膜を形成する場合であってもプリント基板の全
体に熱ストレスを加えることなく、選択的に効率的に半
田膜を形成することができる。
【0022】そして、テレビカメラ手段及びテレビ移動
手段を設けて構成すれば、プリント基板の位置的なバラ
ツキがある場合であっても、プリント基板とレーザ照射
手段との位置関係を常に最適に補正して設定することが
でき、半田膜を確実に形成することが可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
することにする。図1は、本発明実施例の外観構成を示
す図であり、図2は要部構成を示す図である。
【0024】図1において、1は各種データの入力や作
業指示を行うとともに、この半田膜形成装置を全体的に
制御する制御パソコン(パーソナルコンピュータ)であ
る。2は制御パソコン1の指示に応じて、モータやシリ
ンダ等を直接的に制御する制御ユニットが収容される制
御ユニット収納ラックである。3はモニタテレビであ
り、4は作業ユニット収容部である。
【0025】制御ユニット収納ラック2内には、各種の
制御ユニット、即ち、XYテーブル用モータコントロー
ラ、カメラ上下用モータコントローラ、レーザ照射部上
下用モータコントローラ、レーザコントローラ、ヘッド
部回転用モータコントローラ、アーム回転用モータコン
トローラ、ディスペンサ、各種エアー機器用コントロー
ラ等の各ユニットが収容されている。
【0026】作業ユニット収容部4内の構成は、図2に
示されている。図2において、11はX−Yテーブルで
あり、12は半田膜を形成すべきパッド(配線パターン
の一部)13がその表面に印刷形成されたプリント基板
である。プリント基板12はX−Yテーブル11に位置
決めピン(図示せず)により着脱可能に固定されてい
る。X−Yテーブル11はXYテーブル用モータコント
ローラにより制御されるXYテーブル用モータにより駆
動されて、プリント基板12をX(横)方向及びY
(縦)方向に位置決め可能に移動する。
【0027】14はヘッド部であり、ヘッド部14は、
図3にその詳細が示されているように構成されている。
即ち、図3において、15は吸着ヘッドであり、図4の
拡大図に示されるように、吸着ヘッド15はその先端に
半田ボール16を保持するための保持面15aを有し、
この保持面15aに開口する貫通穴15bを有してい
る。
【0028】図3において、この吸着ヘッド15は、ヘ
ッド支持部材17に固定的に支持されており、ヘッド支
持部材17は吸着ヘッド15の貫通穴15bに連絡され
た横方向に形成された吸引通路を有している。この吸引
通路の一部は貫通穴15bに沿ってヘッド支持部材17
の上部に開口しており、この開口は赤外線を透過するア
クリル板18により閉塞されている。
【0029】このヘッド支持部材17の吸引通路には、
外側からスパイラルチューブ19の一端が接続され、こ
のスパイラルチューブ19の他端は図示しない吸引(吐
出)手段に接続されている。この吸引手段により、エア
ーが吸引されることにより、吸着ヘッド15の保持面1
5aの開口に負圧を生じせしめ、半田ボール16を吸着
保持するようになっている。
【0030】ヘッド支持部材17は、支持棒20及びバ
ネ部材21等を介してスライド部材22に弾性的に支持
されており、吸着ヘッド15に対する圧力を開放できる
ようになっている。なお、23は高さ検出センサであ
る。
【0031】再度、図2を参照する。24はヘッド部1
4を上下にスライド可能に支持するとともに、ヘッド部
14を回転させるヘッド回転部である。ヘッド回転部2
4は回転可能な垂直シャフト24aを有しており、この
垂直シャフト24aがヘッド部14を支持する前記スラ
イド部材22を上下方向にスライド可能に支持してい
る。また、ヘッド部回転用モータコントローラに制御さ
れるヘッド部回転用モータ25を有しており、このヘッ
ド部回転用モータ25により、ヘッド部14が回転され
る。
【0032】同図ではヘッド部14は2つ示されている
が、この例ではヘッド部14は4つ設けられているもの
とし、各ヘッド部14の吸着ヘッド15の保持面15a
の形状は、半田ボール16の種類(径等)に応じてその
曲率等がそれぞれ適宜に設定されている。なお、このヘ
ッド部14の数はこの例に限定されるものではない。
【0033】26はヘッド部14を半田ボール16の供
給位置にて上下させるヘッド上下用(エアー)シリンダ
であり、このヘッド上下用シリンダ26は、ヘッド回転
部24の垂直シャフト24aに取り付けられている。2
7はヘッド部14を半田ボール16の吸着位置にて上下
させるヘッド上下用(エアー)シリンダである。
【0034】このヘッド上下用シリンダ27は、ヘッド
回転部24の垂直シャフト24aに取り付けられてい
る。28は横アームであり、この横アーム28はアーム
回転用モータ29により回転され、これにより、ヘッド
上下用シリンダ27が回転されるようになっている。
【0035】ヘッド回転部24のスライド部材22はそ
の上端部近傍に凸部を有しており、ヘッド上下用シリン
ダ26、27はそれぞれの作動軸先端にこの凸部が遊嵌
される凹部を有しており、これらの凹部及び凸部が所定
の位置関係となったときに、ヘッド上下用シリンダ2
6、27が作動されることにより、ヘッド部14が上下
に移動されるようになっている。
【0036】吸着ヘッド15の回転軌跡上には、複数の
半田ボール収納部31が設けられている。この半田ボー
ル収納部31は、図3に示されているように、その上側
に開口31aを有しており、内部に複数の半田ボール1
6が収容される。各半田ボール収納部31には、それぞ
れ径や材料の異なる半田ボール16が収容される。ヘッ
ド上下用シリンダ27が作動されて、該当する半田ボー
ル収納部31内に吸着ヘッド15が降下され、吸引手段
が作動されることにより、半田ボール16が吸着ヘッド
15の保持面15aに吸着保持される。
【0037】図2において、横アーム28の先端には縦
アーム32が一体的に設けられており、縦アーム32の
先端近傍には赤外線センサ33が取り付けられており、
アーム回転用モータ29によりこの赤外線センサ33も
回転されるようになっている。
【0038】この赤外線センサ33は、図5に示されて
いるように、発光部33a及び受光部33bを有してお
り、吸着ヘッド15の貫通穴15bの軸線上にこれらが
位置するように、アーム回転用モータ29及び/又はヘ
ッド部回転用モータ25が回転される。そして、発光部
33aからの赤外線が受光部33bに到達しない場合に
は、半田ボール16が保持面15aに適正に吸着された
ものと判断し、赤外線が到達した場合には、保持面15
aに半田ボール16が適正に吸着されていないと判断す
る。これにより、半田ボール16の保持面15aに対す
る吸着の有無を確認するものである。
【0039】図2において、34はエアー吐出手段であ
り、このエアー吐出手段34は縦アーム32に設けられ
ており、その詳細は図6に示されている。エアー吐出手
段34は、上側に開口する吐出口34aからエアーを吐
出するものであり、この開口34aに吸着ヘッド15の
先端部を位置合わせした状態で、エアーを吐出すること
により、吸着ヘッド15の保持面15a以外の部分に静
電気力等により吸着されている不要な半田ボール16の
みを吹き飛ばすことにより、除去するものである。
【0040】なお、除去された半田ボール16が散乱す
ることを防止するため、図7に示されているように、そ
の上下に開口をそれぞれ有する半田ボール回収箱35を
設け、上側の開口に吸着ヘッド15の先端を挿入し、下
側の開口からエアー吐出手段34によるエアー34bを
吹き込むことにより、不要な半田ボール16を半田ボー
ル回収箱35内に回収するようにすることができる。
【0041】図2において、36はフラックス供給手段
であり、フラックス供給手段36は、その内部にフラッ
クスが充填されるとともに、その下部に供給口を有する
シリンジ36aを有している。37はこのシリンジ36
aを横方向に移動するシリンジ移動用シリンダである。
このシリンジ移動用シリンダ37の作動及びX−Yテー
ブル11の移動により、シリンジ36aの供給口とプリ
ント基板12の対象となるパッド13が位置合わせさ
れ、ディスペンサにより所定量のフラックスが該パッド
13上に供給される。
【0042】38はレーザ照射部である。レーザ照射部
38は、レーザ照射部上下用モータ39を有し、このレ
ーザ照射部上下用モータ39により上下に位置決め可能
に移動されるスライド部材40を有している。スライド
部材40には、3つのレーザ照射手段、即ち、ガイド光
用レーザ照射手段41を中心として、その両側にボール
溶融用レーザ照射手段42、42がそれぞれ一点で交わ
るように、固定的に取り付けられている。
【0043】43はカメラ部である。カメラ部43は、
カメラ上下用モータ44を有し、このカメラ上下用モー
タ44により上下に位置決め可能にスライドされるスラ
イド部材45を有している。このスライド部材45に
は、テレビカメラ46が固定的に設けられている。プリ
ント基板12のX−Yテーブル11への取り付けには上
下方向に誤差を生じることがあるので、このテレビカメ
ラ46を、カメラ上下用モータ44により上下に移動す
ることにより、プリント基板12上のパッド13に対し
て焦点を合わせるようになっている。このテレビカメラ
46による映像は、外部のモニタテレビ3に映し出され
る。
【0044】次いで、この半田膜形成装置による一連の
処理を、図8乃至図10に示すフローチャートを参照し
て説明する。図8において、まず、作業者が半田膜を形
成すべきプリント基板12をこの半田膜形成装置のX−
Yテーブル11の所定の位置に固定する(ステップ「以
下STと略す」1)。この固定はX−Yテーブル11上
に配置されている位置決めピンにより行う。
【0045】次に、制御パソコン1に対して対応する基
板情報等を指定して、処理の開始を指示すると、制御パ
ソコン1により該当する基板情報が取り込まれる(ST
2)。この基板情報は、プリント基板12上の各パッド
13の位置や種類に関するデータ及び図11に示される
ようなパッドの種類とこれに用いるべき材料、ボール
径、ヘッド種別等のデータを含んでおり、制御パソコン
1が備える記憶装置(フロッピーディスク等)に予め格
納され、あるいは、この制御パソコンとLAN等を介し
て接続されている他のコンピュータ等から転送を受け
る。
【0046】そして、カメラ部43のテレビカメラ46
により、プリント基板12のZ(高さ)方向の変を確
認し(ST3)、変している場合には、制御手段のカ
メラ上下用モータコントローラにより、カメラ部43の
カメラ移動用モータ44が作動され、テレビカメラ46
が上下に移動されることにより、テレビカメラ46の焦
点(ピント)が合わせられる(ST4)。この焦点を合
わせるためのテレビカメラ46の移動量は、後に行なわ
れるレーザ照射26のための補正値として保存される。
【0047】この基板高さの補正値の保存が終了したな
らば(ST5)、制御パソコン1により、基板情報に基
づいて、プリント基板12の半田ボールを供給すべきパ
ッド13が割り出され(ST6)、該パッド13に供給
すべき半田材料、半田ボールの径、使用すべきヘッド種
別がそれぞれ選択される(ST7〜ST9)。
【0048】そして、XYテーブルコントローラによ
り、X−Yテーブル11が作動されることにより、プリ
ント基板12の該当するパッド13が半田ボール供給位
置に移動される(ST10)。
【0049】次いで、図9において、シリンジ移動用シ
リンダ37が作動されて、シリンジ36aの供給口がプ
リント基板12のパッド13に位置合わせされ(ST1
1)、ここでディスペンサにより、シリンジ36aの供
給口からフラックスが所定量だけ吐出され、パッド上に
塗布される(ST12)。
【0050】フラックスクの供給が終わったならば、ヘ
ッド部回転用モータコントローラによりヘッド部回転用
モータ25が作動され、ST9により選択されたヘッド
種別に対応するヘッド部14が、ST7及びST8で選
択された半田ボール16を収容している半田ボール収納
部31上のボール吸着位置に移動される(ST13)。
【0051】このとき、アーム回転用モータ29も作動
されて、ヘッド上下用シリンダ27もボール吸着位置に
移動されて(ST14)、ヘッド上下用シリンダ27の
作動軸が降下されることにより(ST15)、吸着ヘッ
ド15が半田ボール収納部31内に挿入される(ST1
6)。そしてこれと同時に、吸引手段が作動され、吸着
ヘッド15の開口に吸引力が作用される。
【0052】吸着ヘッド15が複数の半田ボール16に
当接してそれらから圧力を受けると、ヘッド支持部材1
7がバネ部材21の付勢力に抗してスライド部材22に
対して近接することになり、これが高さセンサ23によ
り検出され(ST17)、これを契機としてヘッド部1
4が上昇される(ST18)。
【0053】次に、アーム回転用モータ29が作動され
て、エアー吐出手段34が吸着ヘッド15に相対され
(ST19)、エアー吐出手段34からエアーが吸着ヘ
ッド15の先端に向けて噴射されることにより、吸着ヘ
ッド15の保持面15a以外の部分に半田ボール16が
静電気力等により付着ている場合に、これらの不要な半
田ボール16が除去される(ST20)。
【0054】不要な半田ボール16の除去が終わったな
らば、アーム回転用モータ29が作動されて(ST2
1)、赤外線センサ33がヘッド部14(吸着ヘッド1
5)と所定の位置関係になるように位置され、半田ボー
ル16が吸着ヘッド15の保持面15aに適正に吸着さ
れているか、否かが判断される(ST22)。
【0055】適正に吸着されていないと判断された場合
には、ST15に戻って、再度半ボール16吸着のた
めの一連の処理を行ない、適正に吸着されていると判断
された場合には、ST23に進む。
【0056】図10において、ヘッド部回転用モータ2
5が作動されて、半田ボール16を吸着したヘッド部1
4が半田供給位置に設定されているプリント基板12の
パッド13上に移動され(ST23)、ヘッド上下用シ
リンダ26が作動されて、ヘッド部14が降下され(S
T24)、半田ボール16がパッド13に当接する(S
T25)。
【0057】吸着ヘッド15の先端(半田ボール16)
がパッド13に当接すると、その押圧力により、ヘッド
支持部材17がバネ部材21の付勢力に抗してスライド
部材22に対して近接することになり、これが高さセン
サ23により検出され(ST26)、これを契機として
ヘッド部14の降下が停止される。
【0058】次に、半田ボール16の保持のための吸引
手段による吸引を解除するとともに(ST27)、逆に
吸着ヘッド15の開口からエアーを吐出し(ST2
8)、ヘッド部14を上昇させる(ST29)。これに
より、半田ボール16は、パッド13上に仮固定され
る。半田ボール16は予めパッド13上にはフラックス
が塗布されているので、位置ずれを起こすことはない。
なお、エアーを吐出するのは、静電気力等により、半田
ボール16が吸着ヘッド15に吸着されたままになるの
を防止するためである。
【0059】そして、半田ボール16の供給を終了した
ヘッド部14は、次の作業に備えて回転され、ホームポ
ジションで待機する(ST30)。次いで、半田ボール
16の溶融作業に入る。半田ボール16がパッド13上
にフラックスにより仮固定されると、レーザ照射部38
のレーザ上下用モータ39が作動されて、レーザ照射手
段41、42が所定の位置まで降下される(ST3
1)。このときの降下量は、基準量をST3〜ST5に
より検出された補正値で補正した量である。
【0060】そして、レーザ照射手段41、42が作動
されて、レーザ光がパッド13上の半田ボール16に照
射され、半田ボール16が溶融される(ST32)。こ
の場合のレーザ光の出力及び照射時間は、前記基板情報
に設定されているパッドの種類に応じて予め決定されて
おり、レーザコントローラにより実現される。
【0061】半田ボール16の溶融の後、レーザ照射部
38のレーザ上下用モータ39が作動されて、所定の位
置まで上昇され(ST33)、次のパッドについての処
理を行うべく、基板情報の次に処理すべきデータを読み
込んで、順次上記一連の処理を繰り返す(ST34)。
【0062】本実施例によると、半田ボール16の供給
は基板情報に従ってプリント基板12のパッド13上に
自動的になされるから、従来の人手による半田ボールの
供給と比較してその作業効率を大幅に向上することがで
きるとともに、パッド13の種類に適した半田ボール1
6をパッド13上に正確に供給することができる。
【0063】また、エアー吐出手段34を備えているか
ら、吸着ヘッド15の保持面15a以外の部分に静電気
力等により不要な半田ボール16が付着した場合であっ
ても、これを除去することができ、不要な半田ボールを
プリント基板上に供給してしまうことがない。
【0064】そして、赤外線センサ33により、吸着ヘ
ッド15に適正に半田ボール16が吸着されているか否
かを検出して、適正に吸着されていない場合には、再度
半田ボール16の吸着のための処理を行うようにしてい
るから、半田ボール16の供給漏れもない。
【0065】さらに、半田ボール16の吸着のための吸
引手段と吸着ヘッド15との間は、スパイラルチューブ
で連絡されているから、吸着ヘッド15に不要な力を加
えることが少なくなり、吸着ヘッド15先端によるパッ
ド13への加圧力を一定にすることができ、プリント基
板12に損傷を与えることが少ない。
【0066】また、プリント基板12のパッド13に、
フラックス供給手段36により半田ボール16の供給前
に予めフラックスを塗布するようにしたので、半田ボー
ル16がフラックスによりパッド13上に仮固定され、
振動等の影響により半田ボール16が位置づれを起こす
ことを防止できる。
【0067】一方、半田ボールの溶融は、レーザ光によ
り非接触で且つスポット的になされるから、少数の半田
膜を形成する場合であってもプリント基板12の全体に
熱ストレスを加えることなく、選択的に効率的に半田膜
を形成することができる。
【0068】そして、プリント基板12のX−Yテーブ
ル11に対する固定作業において位置的なバラツキがあ
る場合であっても、カメラ部43により、これが検出さ
れ、プリント基板12とレーザ照射手段41、42との
位置関係を常に最適に補正することができ、半田ボール
16を確実に溶融することができる。
【0069】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように構成したの
で、プリント基板のパッド上への半田膜の形成を自動化
した半田膜形成装置が提供されるという効果を奏する。
【0070】また、プリント基板の特性を劣化させずに
選択的に半田膜を形成することができる半田膜形成装置
が提供されるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明実施例の要部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明実施例のヘッド部及びボール収納部の詳
細を示す斜視図である。
【図4】本発明実施例の吸着ヘッドの先端部を示す断面
図である。
【図5】本発明実施例の赤外線センサの詳細を示す斜視
図である。
【図6】本発明実施例のエアー吐出手段の詳細を示す斜
視図である。
【図7】本発明実施例のボール回収箱の詳細を示す斜視
図である。
【図8】本発明実施例の処理を示すフローチャート(そ
の1)である。
【図9】本発明実施例の処理を示すフローチャート(そ
の2)である。
【図10】本発明実施例の処理を示すフローチャート
(その3)である。
【図11】本発明実施例の基板情報の構成の一部を示す
図である。
【符号の説明】
11 X−Yテーブル 12 プリント基板 13 パッド 14 ヘッド部 15 吸着ヘッド 16 半田ボール 19 スパイラルチューブ 24 ヘッド回転部 25 ヘッド部回転用モータ 26、27 ヘッド上下用シリンダ 29 アーム回転用モータ 31 半田ボール収納部 33 赤外線センサ 34 エアー吐出手段 36 フラックス供給手段 37 シリンジ移動用シリンダ 38 レーザ照射部 39 レーザ移動用モータ 41、42 レーザ照射手段 43 カメラ部 44 カメラ移動用モータ 46 テレビカメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−242759(JP,A) 特開 平5−167235(JP,A) 特開 平5−277716(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板のパッド上に半田膜を形成
    する装置であって、垂直シャフトと、 それぞれその先端に半田ボールを保持するための保持面
    と該保持面に開口する吸着口を有し、前記垂直シャフト
    に回転可能及びスライド可能に取り付けられた複数の吸
    着ヘッドと、 前記各吸着ヘッドがアクセス可能なように配置され、そ
    れぞれ異なる直径の半田ボールを収納する複数の半田ボ
    ール収納手段と、 前記各吸着ヘッドの吸着口に負圧を発生させる吸引手段
    と、 前記各吸着ヘッドを前記垂直シャフト回りに回動する第
    1駆動手段と、 前記垂直シャフトに沿って前記各吸着ヘッドを上下にス
    ライドさせる第2駆動手段と、 プリント基板のパッドの位置を含むデータ及び適用され
    る半田ボールの種類のデータが予め設定された基板情報
    を有し、該基板情報に基づき前記第1及び第2駆動手段
    の駆動及び前記吸引手段の作動を制御する制御手段と、 を具備したことを特徴とする プリント基板の半田膜形成
    装置。
  2. 【請求項2】 前記プリント基板のパッド上に載置され
    た半田ボールを非接触で溶融させるレーザ光を発振する
    レーザ照射手段と、 該レーザ照射手段を移動する、前記制御手段により制御
    されるレーザ移動手段とをさらに備えた請求項1に記載
    のプリント基板の半田膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記プリント基板に対向して配置された
    テレビカメラ手段と、 前記プリント基板の溶融すべき半田ボールが載置された
    パッドに対して該テレビカメラ手段の焦点が合うように
    該テレビカメラ手段を移動するとともに、該移動量を前
    記制御手段に通知するテレビ移動手段とをさらに備え、 前記制御手段は、該移動量に応じて前記レーザ移動手段
    の移動量を補正する請求項2に記載のプリント基板の半
    田膜形成装置。
  4. 【請求項4】 前記各吸着ヘッドと対向されたときに、
    該吸着ヘッドの 先端にエアーを吐出するエアー吐出手段
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の半田膜
    形成装置。
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