JP3290158B2 - 金属製の防振部材 - Google Patents

金属製の防振部材

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JP3290158B2 JP12344099A JP12344099A JP3290158B2 JP 3290158 B2 JP3290158 B2 JP 3290158B2 JP 12344099 A JP12344099 A JP 12344099A JP 12344099 A JP12344099 A JP 12344099A JP 3290158 B2 JP3290158 B2 JP 3290158B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として金属チッ
プからなる薄い多孔質焼結体を複数枚用いる金属製の防
振部材に関し、全体がほぼ均質で非常に硬いことによ
り、高い防振性および耐久性を有する金属製の防振部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】大型プレスやコンプレッサなどの機械の
振動を可能な限り防止することは、近年のように騒音公
害が問題になり、作業環境が重要視されるようになると
絶対に必要である。従来の防振材料は、主に硬質スポン
ジ,コルク,フェルトの弾性材からなり、これらを機械
とそのカバーとの間に挟んで使用することが多い。
【0003】 防振材料が弾性材であっても、機械とカ
バーとの間に挟むような使用態様では、耐屈曲性をそれ
ほど必要としないので比較的問題にならない。しかしな
がら、防振材料を大型の機械とその受け台(基礎または
床)との間に挟んで使用すれば、大型の機械の荷重が防
振材料に直接作用する。この態様では、弾性材製の防振
材料は短期間に屈曲変形して防振効果を失なうため、こ
のような態様での使用は実際上殆ど不可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】板バネや防振ゴムは、
耐屈曲性を有する防振材料として使用されているけれど
も、板バネは発生振動源と共振を起こしやすく、大型の
機械用の防振材料として好ましくない。また、防振ゴム
は、一般的に防振効果が低く、しかも大型の機械による
大荷重に対する耐屈曲性が良くないという問題がある。
【0005】 一方、耐屈曲性が優れた素材には、粉末
冶金法で金属粉末を圧縮成形し、これを融点以下の高温
度で加熱することで焼結させて製造する多孔質の金属焼
結体が存在する。これらの焼結部品は、焼結体内部に空
隙が残っているといっても非常に緻密であり、これによ
って焼結体が防振性を持つことは殆どなく、現在、防振
材料として殆ど使用されていない。多孔質の金属焼結体
は、粉末冶金法における粉末原料が鉄鉱石やミルスケー
ルの還元鉄粉,電解鉄粉,アトマイズ粉などであって非
常に高価である。また、製造用の焼結装置として電気
炉,真空炉や水素炉が必要であり、製造価格は全体的に
いっそう高価になる。
【0006】 本発明は、特殊な金属焼結板を安価に製
造することを提案するものであり、この金属焼結板が耐
屈曲性に優れていることを既に確認し、しかもその構造
上の特徴から大型の機械の振動を効果的に吸収できるこ
とも見いだした。したがって、本発明は、従来の防振材
料に残存する前記の問題点を改善するため、薄い金属焼
結体を複数枚重ね合わせ、全体がほぼ均質で高い耐屈曲
性を有する防振部材を提供することを目的としている。
本発明の他の目的は、構造が単純で安価な防振装置を構
成する防振部材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る防振部材1は、図1に例示するよう
に、複数枚の多孔質焼結体2を重ね合わせて接着する。
多孔質焼結体2は、異なる周波数の振動を効率よく吸収
するように、通常5〜15mmの範囲において厚みの異
なる板体を形成し、これらを複数枚組み合わせて接着剤
で貼着する。多孔質焼結体2の接着枚数は、2枚以上で
あれば何枚でもよいが、好ましくは4〜8枚である。
【0008】 本発明の防振装置6では、図1および図
2のように、複数枚の多孔質焼結体2を重ね合わせて接
着した防振部材1を用い、該防振部材を基台4の上に固
着する。基台4の上には、防振部材1の平面形状よりも
多少大きい内寸の囲み枠5を取り付け、例えば、防振部
材1が矩形や円形平面ならば囲み枠5も矩形や円形平面
に定める。荷重支持カバー7は、基台4上の防振部材1
に被せ、該カバーを基台4の囲み枠5と外嵌合して基台
4から外れないように構成するため、カバー7の内寸は
囲み枠5の外寸よりも僅かに大きい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる多孔質焼結体2
は、図3に示すように、単一または異なる種類の金属チ
ップ3を混合し、高圧で加圧しながら加圧方向と直交方
向に高電流を流して通電加熱で成形する。原料である金
属チップ3は、金属の粉粒体または切削屑(ダライ粉)
などのいずれでもよく、形状や種類の異なる複数の金属
チップを混合してもよい。金属チップ3には、鋳鉄切削
屑,炭素鋼片,ステンレス鋼片のような鉄系金属、アル
ミニウム粉末,Al−Si合金切削屑のようなアルミニ
ウム系金属、銅系金属、チタン粉末などのチタン系金属
などが例示できる。
【0010】 多孔質焼結体2を製造するには、図5に
例示するように、離型シート20を型枠14の底面に敷
設してから、型枠14内に単一または混合した金属チッ
プ3を均等に入れ、その上にさらに離型シート20を敷
設する。次に、プレス型17を下降させ、電流が400
0〜6500アンペアになるまでプレス型17を下げて
一般に圧力210〜340kg/cm2で加圧する。こ
の加圧を所定の時間継続し、型枠14内を通過する電流
がほぼ一定になったら成形体を取り出す。
【0011】 図4に示すように、金属チップ3は、フ
ェライト粉末,セメント粉やガラス粒などのセラミック
ス粉粒体5と混合したり、エポキシ樹脂,ポリエステル
樹脂,ウレタン樹脂,フェノール樹脂,ジアリルフタレ
ート樹脂などの熱硬化性樹脂と混合してもよい。この熱
硬化性樹脂をフェライト粉末と混合することも可能であ
る。
【0012】 焼結体2は、セラミックス粉粒体5また
は熱硬化性樹脂が全体量の約10重量%以下であると十
分に多孔質であり、10〜25重量%では細孔を有して
いても防振性が多少低下する。したがって、本発明で
は、焼結体2における金属チップ3の含有量は全体量の
約75重量%以上であると好ましく、特に防振性を要す
る用途では約90重量%以上にする。
【0013】 防振部材1は、薄い金属製の多孔質焼結
体2を複数枚重ね合わせて接着するため、全体が硬いう
えにほぼ均質で耐久性が優れている。防振部材1とし
て、図1のように同一厚さの多孔質焼結体2を接着して
も、厚さの異なるものを接着して異なる周波数の振動を
効率よく吸収させてもよい。図1および図2の防振装置
6は、基台4の上に接着した防振部材1に荷重支持カバ
ー7を被せ、該基台を工場などの基礎または床の上に水
平に固着し、プレス機の脚部などをカバー7で支持す
る。カバー7を基台4の囲み枠5と嵌合することによ
り、カバー7上に大きい荷重が作用しても、該カバーは
傾いたりずれたりすることなく、基台4上で安定支持で
きる。
【0014】 本発明において、金属チップ3に400
0〜6500アンペアの高電流を流して通電加熱で多孔
質焼結体2を成形することにより、この成形時に高圧化
によって表面拡散に基づく金属チップ間の結合が増え
る。多孔質焼結体2の成形の際に、型枠14(図5)内
において加熱温度が1000℃以上に達しても、高電流
を流すことで体積拡散を殆ど起こさず、防振部材1にお
ける空隙の球状化、微細空隙の減少や消滅のような現象
は発生しない。
【0015】 多孔質焼結体2の成形時には、高電流を
流すことで金属チップ間の接触部で部分的に溶融して結
合したり、異なる金属チップ間では浸炭現象が生じる。
多孔質焼結体2は、型枠14から取り出すと熱が内部に
逃げながら冷却するので、一般に厚さ方向において外表
面の気孔が疎く、内部の気孔が密になる。セラミックス
粉粒体5または熱硬化性樹脂と混合して得た多孔質焼結
体2(図4)は、比較的少量のセラミックス粉粒体5ま
たは熱硬化性樹脂が溶融流動化するから、金属チップ3
と密に結合することで防振性を十分に維持する。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例1 図5に示す多孔質焼結体の成形装置10には、水平の耐
熱性セラミックス板11の上に、同一表面積である1対
の矩形状の電極板12,12を対向設置し、これと直交
して1対の矩形状の耐熱側壁13,13(図6)を設置
して型枠14を形成する。型枠14の寸法は、底面積6
75×675mmで高さ15cmである。図6におい
て、一方の電極板12の側端には低電圧トランス(図示
しない)からの電線15を接続し、且つ他方の電極板1
2における反対側の側端に電線を接続する。水平のセラ
ミックス板11の中には熱電対を挿入しており、型枠1
4内の温度を測定することが可能である。
【0017】 図5に示すように、型枠14の底面に1
50gの市販の新聞用紙20を平らに敷設し、その上に
鋳鉄(FC−25、含有量:炭素約3.5%,ケイ素約
2.5%,マンガン約0.5%)の切削屑(ダライ粉)
8.5kgを入れ、厚さ約15mmになるように均等に
ならす。その表面にさらに新聞用紙20を平らに敷設す
る。
【0018】 次に、セラミックス製のプレス型17を
下降させると同時に電源を入れ、電流が5000アンペ
アになるまでプレス型17を下げて加圧する。圧力21
0kg/cmで加圧を継続すると、型枠14内を通過
する電流が0から5000アンペアへ急激に上昇し、さ
らに徐々に上昇を続けて加圧後10〜12分で6400
アンペアに達する。電流は6400アンペアで平衡にな
るから、ここでプレス型17を上げて成形板を取り出し
て冷却する。
【0019】 得た金属焼結板2は仕上げ後で600×
600×5mmの寸法であり、気孔率約50%を有し、
厚さ方向において外表面の気孔が疎く且つ内部の気孔が
密になっている。金属焼結板2は、抗折力が全面的にほ
ぼ等しくて0.15〜 0.25kg/mmおよび圧縮
強度が30〜42kg/cmであり、これを5枚製造
する。防振部材1を得るために、図1のように5枚の金
属焼結体2を重ね合わせ、熱硬化性接着剤で相互に貼着
する。
【0020】 図1と図2に示す防振装置6では、厚さ
25mmの防振部材1を厚さ4.5mmで100×10
0mmの矩形基台4の上に接着剤で固着する。基台4の
上には、外寸65×65mmの囲み枠5を取り付ける。
厚さ4.5mmで外寸75×75mmの基台上の箱型カ
バー7を防振部材1に被せると、該カバーは基台4の矩
形平面の囲み枠5と嵌合する。全高34mmの防振装置
6は、基台4を工場などの基礎または床の上に水平にボ
ルト止めし、60トンプレス機の脚部8に締着したボル
トをカバー7の中央凹み9で支持する。
【0021】 防振装置6について、60トンプレス機
における作動時の床振動を測定するため、4個の防振装
置6を工場の床の上に所定間隔をおいてボルト止めし、
図示のようにプレス機の脚部8を支持する。一方、比較
のために、防振部材1と同寸法のゴム板を矩形平面の基
台4の上に接着し、該基台上の防振部材1に下面開口の
箱型カバー7を被せる。この防振ゴム装置を前記と同様
に設置してプレス機の脚部8を支持する。
【0022】 本発明の防振装置6または前記の防振ゴ
ム装置を取り付けると、プレス機の床振動は下記の表1
の通りになる。表1から、防振装置6の方が防振ゴム装
置よりも床振動が少なくなり、防振性が高いことが判明
する。なお、下記の表1において、振動加速度レベル
(120dB)は重力加速度(1G)に等しい。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 図7に示す成形装置18において、型枠14の底面に薄
い板紙5を敷設した後に、実施例1で用いた鋳鉄切削屑
17kgを入れ厚さ約30mmになるように均等になら
す。その表面に板紙5を敷設して同量の鋳鉄切削屑17
kgを入れ、さらに板紙5を敷設して鋳鉄切削屑17k
gを入れた後に、板紙5を敷せて型入れを完了する。
【0025】 プレス型を下降させると同時に電源を入
れ、電流が5000アンペアになるまでプレス型を下げ
て加圧する。圧力300kg/cmで加圧を継続する
と、型枠14内を通過する電流が0から5000アンペ
アへ急激に上昇する。電流は6400アンペアで平衡に
なると、プレス型を上げて厚さ10mmの3枚の成形板
を取り出して冷却する。前記と同様に、厚さ6mmの金
属焼結板2’も3枚製造する。
【0026】 防振部材1を得るために、厚さ10mm
と6mmの金属焼結体を交互に4枚重ね合わせ、熱硬化
性接着剤で相互に貼着する。防振部材1を基台4の上に
接着し、該基台上の防振部材1に下面開口の箱型カバー
7を被せ、得た防振装置6の基台4を工場などの基礎又
は床の上に水平にボルト止めする。
【0027】実施例3 成形装置10において、型枠14の底面に新聞用紙20
を平らに敷設した後にAl−Si合金(Si含有量20
%)切削屑(ダライ粉)8kgを入れ、厚さ約70mm
になるように均等にならす。その表面にさらに新聞用紙
20を平らに敷設する。プレス型17を下降させると同
時に電源を入れ、電流が約6000アンペアになるまで
プレス型17を下げて加圧する。圧力340kg/cm
で加圧を継続すると、型枠14内を通過する電流は6
000アンペ ア前後から徐々に減少してくる。加圧後
約10分で電流は4500〜5000アンペアで平衡に
達するため、ここでプレス型17を上げて成形板を取り
出して冷却する。
【0028】 得た厚さ5mmの金属焼結体2を5枚重
ね合わせ、熱硬化性接着剤で相互に貼着する。防振部材
1を基台4の上に接着し、該基台上の防振部材1に下面
開口の箱型カバー7を被せ、得た防振装置6の基台4を
工場などの基礎または床の上に水平にボルト止めする。
【0029】実施例4 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(炭素含有量約4%)12
kgを普通鋼切削屑(炭素含有量0.5%)(新日本製
鉄製)5kgと混合し、鋳鉄切削屑と炭素鋼切削屑との
複合材料を得る。成形装置10において、型枠14の底
面に新聞用紙20を平らに敷設した後に、鋳鉄切削屑と
炭素鋼切削屑との複合材料を入れ、厚さ約50mmにな
るように均等にならす。その表面にさらに新聞用紙20
を平らに敷設する。プレス型17を下降させると同時に
電源を入れ、電流が約5000アンペアになるまでプレ
ス型17を下げて加圧する。この際に、両切削屑間の接
触部において鋳鉄切削屑が含有する炭素が炭素鋼切削屑
の表面に移行するという浸炭現象が起こり、一般に炭素
鋼切削屑の添加量の方が多くても、焼結温度は約150
0℃から1100℃に下降する。
【0030】 得た金属焼結体を複数枚重ね合わせ、熱
硬化性接着剤で相互に貼着する。この防振部材は、プレ
ス機、ギャップシャー、レーザー切断機の振動個所に取
り付けると発生振動を軽減できる。
【0031】実施例5 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)16kgを油
抜きし、全体を水に浸漬してから取り出す。湿潤した鋳
鉄切削屑を、セメント粉(アサノセメント製)を平らに
収納した箱の中に入れ、該鋳鉄切削屑の表面にセメント
粉2kgを付着させ、鋳鉄切削屑とセメント粉との複合
材料を得る。型枠14の底面において、それと等しい大
きさの薄い板紙5を敷設し、該板紙表面に水を散布す
る。次に前記の複合材料18kgを板紙5の上に均等に
入れ、さらにその上に水を散布した薄い板紙5を載せ
る。プレス型17を下降させると同時に電源を入れる
と、型枠14内を通過する電流が0から4000アンペ
アへ急激に上昇し、さらに徐々に上昇を続ける。加圧後
1〜2分で型枠14内の温度が100〜120℃に達
し、120℃になると電流を止め、圧力340kg/c
で加圧を1分程度継続する。この後にプレス型17
を上げて成形板を取り出す。この成形板は、表面から水
蒸気が出ている状態であるので一夜大気中に放置する。
【0032】 得たセメントボードは十分に多孔質で防
振性を有し、非常に軽い。セメントボードにおいて、セ
メント粉が全体量の25〜30重量%に達すると防振性
は低下する。得たセメントボードを複数枚重ね合わせ、
熱硬化性接着剤で相互に貼着する。この防振部材は、プ
レス機、ギャップシャー、レーザー切断機の振動個所に
取り付けると発生振動を軽減できる。
【0033】実施例6 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)15kgを平
均直径1mmのガラス粒3kgと混合して複合材料を
得、以下実施例5と同様に処理する。但し、加圧後1〜
2分で型枠14内の温度が850〜1000℃に達し、
1000℃になると電流を止めて加圧を1分程度継続す
る。得たガラスボードは、型枠14内から取り出した後
に急冷しないように保温槽に入れ、室温に達するまで徐
々に冷却する。このガラスボードは十分に多孔質で防振
性を有し、比重が2.7〜3.0であって両端面間に電流
をよく流すことができる。このガラスボードにおいて、
ガラス粒が全体量の25〜30重量%に達すると防振性
は低下する。
【0034】 得たガラスボードを複数枚重ね合わせ、
熱硬化性接着剤で相互に貼着する。この防振部材は、プ
レス機、ギャップシャー、レーザー切断機の振動個所に
取り付けると発生振動を軽減できる。
【0035】実施例7 セラミックス粉末は、酸化アルミ系の液状セラミックス
(東亜合成化学工業製)を乾燥して固化し、これを破砕
して粉末化する。このセラミックス粉末2kgを金属チ
タン切削屑(三菱重工製)6kgと混合して複合材料を
得、これを型枠14内で厚さ70mmになるように均等
にならす。
【0036】 プレス型を下降させると同時に電源を入
れ、圧力300kg/cmで加圧を継続すると、型枠
14内を通過する電流が0から7000アンペアに上昇
する。型枠14内の温度が1800℃に達し、この加圧
を30分間継続すると、プレス型を上げて3枚の成形板
を取り出して冷却する。得た成形板は300×600×
10mmの寸法である。
【0037】 得たセラミックスボードは、表面が酸化
して酸化チタンになっているが耐熱性で非常に硬く非常
に軽い。これを複数枚重ね合わせ、熱硬化性接着剤で相
互に貼着する。
【0038】実施例8 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)17kgを液
状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製)1kgと混
合して複合材料を得、以下実施例5と同様に処理する。
但し、加圧後1〜2分で型枠14内の温度が100〜1
20℃に達すると電流を止め、圧力340kg/cm
で成形板が所定の厚みになるまで加圧し、この後にプレ
ス型17を上げて成形板を取り出す。
【0039】 得た樹脂ボードは、型枠14内から取り
出してから空中で冷却する。この樹脂ボードは、耐熱性
であるうえに多孔質で非常に軽く、これを複数枚重ね合
わせ、熱硬化性接着剤で相互に貼着する。
【0040】実施例9 フェライト粉末8kgを液状エポキシ樹脂(大日本イン
キ化学工業製)0.5kgと混合して複合材料を得、以
下実施例5と同様に処理する。但し、加圧後1〜2分で
型枠14内の温度が100〜120℃に達すると電流を
止め、圧力340kg/cmで成形板が所定の厚みに
なるまで加圧し、この後にプレス型17を上げて成形板
を取り出す。
【0041】 得た樹脂ボードは、型枠14内から取り
出してから空中で冷却する。この樹脂ボードは、耐熱性
であるうえに多孔質で非常に軽く、これを複数枚重ね合
わせ、熱硬化性接着剤で相互に貼着する。
【0042】実施例10 実施例1で用いた鋳鉄切削屑(ダライ粉)8kgをウレ
タン樹脂チップ(大日本インキ化学工業製)0.5kg
と混合して複合材料を得、以下実施例5と同様に処理す
る。得た樹脂ボードは、型枠14内から取り出してから
空中で冷却する。この樹脂ボードは、耐熱性且つ多孔質
で非常に軽く、わずかに弾力性を保持することで高いダ
ンピング性を有し、一般にこれを複数枚重ね合わせ、熱
硬化性接着剤で相互に貼着する。
【0043】
【発明の効果】本発明の防振部材は、主として金属チッ
プからなる薄い金属製の多孔質焼結体からなり、これを
複数枚重ね合わせて接着するため、全体が硬いうえにほ
ぼ均質で耐久性が優れている。また、本発明の防振装置
は、構造が単純で安価であるうえに耐久性が優れている
ので、大型の機械,列車線路や高速道路の高架下などに
おいて設置すると好適である。
【0044】 本発明の防振部材である多孔質焼結体
は、加熱温度または異なる金属細片の混合率で空隙の大
きさを調整できる。したがって、本発明の防振材につい
て、所望に応じて吸音特性、遮音特性、断熱特性などを
高めることも可能である。この多孔質焼結体は、セラミ
ックス粉粒体または熱硬化性樹脂を含有していても高い
防振性を有ししかも剛性である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る防振装置を示す部分断面図であ
る。
【図2】 図1の防振装置の平面図である。
【図3】 本発明で用いる多孔質焼結体を拡大して示す
概略断面図である。
【図4】 別の多孔質焼結体を拡大して示す概略断面図
である。
【図5】 本発明で用いる成形装置を示す概略断面図で
ある。
【図6】 図5の成形装置の概略水平断面図である。
【図7】 3枚の多孔質焼結板を同時に成形する状態を
示す装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 防振部材 2 多孔質焼結体 3 金属チップ 5 セラミックス粉粒体 6 防振装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−210436(JP,A) 特開 平10−259434(JP,A) 特開 平11−71651(JP,A) 特開 昭50−22706(JP,A) 特開 昭58−6901(JP,A) 特開 平3−6802(JP,A) 特開 平8−284994(JP,A) 特開 昭52−139609(JP,A) 特開 昭60−113838(JP,A) 特開 昭62−50424(JP,A) 特開 平7−117168(JP,A) 特開 平11−7180(JP,A) 実開 昭61−109937(JP,U) 実開 平8−41508(JP,U) 実開 昭62−59343(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 B32B 18/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の多孔質焼結体だけを重ね合わせ
    て熱硬化性接着剤で接着した防振部材であって、該多孔
    質焼結体は、単一または異なる種類の金属チップの混合
    物を高圧で加圧しながら高電流を流して通電加熱で成形
    することにより、全体が均で耐屈曲性を有する金属製
    の防振部材。
  2. 【請求項2】 異なる周波数の振動を効率よく吸収する
    ように厚みの異なる複数枚の多孔質焼結体だけを重ね合
    わせて接着した防振部材であって、該多孔質焼結体は、
    単一または異なる種類の金属チップの混合物を高圧で加
    圧しながら高電流を流して通電加熱で成形することによ
    り、全体が均で耐屈曲性を有する金属製の防振部材。
  3. 【請求項3】 厚さ5〜15mmである複数枚の多孔質
    焼結体だけを重ね合わせて熱硬化性接着剤で接着した防
    振部材であって、該多孔質焼結体は、比較的多量の金属
    チップとセラミックス粉粒体との混合物を高圧で加圧し
    ながら高電流を流して通電加熱で成形することにより、
    金属チップをセラミックス粉粒体の溶融によって密に結
    合し、全体が均で耐屈曲性を有する金属製の防振部
    材。
  4. 【請求項4】 厚さ5〜15mmである複数枚の多孔質
    焼結体だけを重ね合わせて熱硬化性接着剤で接着した防
    振部材であって、該多孔質焼結体は、比較的多量の金属
    チップまたはフェライト粉末と熱硬化性樹脂との混合物
    を高圧で加圧しながら高電流を流して通電加熱で成形す
    ることにより、金属チップまたはフェライト粉末を熱硬
    化性樹脂の溶融によって密に結合し、全体が均で耐
    曲性を有する金属製の防振部材。
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