JP2005214320A - 3次元方向の防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
垂直方向の振動とともに水平方向における左右または前後方向の振動を防止し、多孔質焼結体を1枚または複数枚重ね合わせた金属製の防振材を使用することにより、全方向の振動を吸収する際に共振が発生せず且つ高い耐久性を付与する。
【解決手段】
傾斜面を有する下方突起を形成した受け板と、該受け板の突起傾斜面と反対向きの傾斜面を有する上方突起を形成した支持板と、受け板の突起傾斜面と支持板の突起傾斜面との間に配置した多孔質焼結体の斜め防振材とを備え、斜め防振材を水平面において少なくとも三方向に配分する。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直方向の振動とともに水平方向における左右または前後方向の振動を防止する3次元方向の防振装置に関し、多孔質焼結体を1枚または複数枚重ね合わせた金属製の防振材を使用することにより、全方向の振動を吸収する際に共振が発生せず且つ高い耐久性を有する3次元方向の防振装置に関する。
通常の大型プレス機やコンプレッサなどの機械について、振動そのものを吸収して機械精度を上げ且つ振動公害を防止するには、防振材料を大型の機械とその受け台(基礎または床)との間に挟むことが必要である。この種の用途では、硬質スポンジ,コルク,フェルトの弾性素材などの防振材料は、機械荷重が直接作用すると短期間に屈曲変形して防振効果を失なうため、このような態様での使用は実際上不可能であった。かなりの荷重が掛かる用途における防振材料は、高い耐屈曲性を有することを要し、従来から板バネまたは防振ゴムが使用されている。
この種の用途において、板バネは発生振動源と共振を起こしやすく、防振ゴムは荷重に対する耐屈曲性も低いので、いずれも大型機械用の防振材料として好ましくない。耐屈曲性が優れた素材として、粉末冶金法で金属粉末を圧縮成形後に加熱焼結させる多孔質の金属焼結体が存在するけれども、金属焼結体は、焼結体内部に空隙が残っていても非常に緻密であり、これによって焼結体が防振性を持つことは殆どなく、防振材料として使用することはできない。たとえ使用できたとしても、特開平8−210436号のように、多孔質の金属焼結体は、粉末原料が鉄鉱石やミルスケールの還元鉄粉,電解鉄粉,アトマイズ粉などであるので非常に高価であり、しかも製造用の焼結装置として電気炉,真空炉や水素炉が必要であり、製造価格は全体的にいっそう高価になってしまう。
本発明者は、板バネや防振ゴムにおける共振および低屈曲性の問題を解決するために、特殊な多孔質焼結体とその製造法として特許第3259006号を提案し、さらに金属防振材料として特許第3290158号を既に提案している。この金属防振材料は、複数枚の多孔質焼結体からなり、ゴムや合成樹脂の緩衝材で被覆しないので防振材料全体がほぼ均質で非常に硬く、高い防振性および耐屈曲性を有する。この金属防振材料は、複数枚の多孔質焼結体を接着して全体を一体化しており、制振作用を高めて所定の周波数の振動を適切に吸収することができ、該防振材料を大型機械とその受け台との間に挟んで大型機械の荷重が直接作用する際に有効である。
特開平8−210436号公報 特許第3259006号公報 特許第3290158号公報
特許第3290158号で開示した金属防振材料は、各種の製造機械分野において非常に好評であり、最近では、半導体製造装置などの超精密機器の分野においても振動防止のために防振ゴムに代わって広く使用されつつある。この金属防振材料は、垂直方向の振動に対する共振制御および耐屈曲性の点でほぼ十分の性能を有するけれども、前後および左右の水平方向における制振作用を殆ど有していない。このため、垂直方向の振動と同時に水平方向への振動が多少でも発生する機械では、この金属防振材料をコイルばねや防振ゴムと組み合わせて取り付けることが必要になり、しかもこの際には水平方向への振動防止が必ずしも十分でなく、この点の改善をユーザから要望されている。
本発明は、前記の金属防振材料についていっそうの改善を提案するものであり、垂直方向の振動防止だけでなく、前後および左右の水平方向における制振作用も備える3次元方向の防振装置を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、主として金属防振材料を設置する際に、容易にレベル調整を行うことができ且つ剛性が高い架台を備える3次元方向の防振装置を提供することである。
本発明に係る3次元方向の防振装置は、傾斜面を有する下方突起を形成した受け板と、該受け板の突起傾斜面と反対向きの傾斜面を有する上方突起を形成した支持板と、受け板の突起傾斜面と支持板の突起傾斜面との間に配置した多孔質焼結体の斜め防振材とからなる。この防振装置は、斜め防振材を水平面において少なくとも三方向に配分することにより、上下方向の振動に加えて水平方向における左右または前後方向の振動を吸収できる。
本発明の防振装置は、傾斜孔を形成した受け板と、該受け板の傾斜孔と反対向きの傾斜孔を形成した支持板と、筒体に収納して筒体内部で固着した多孔質焼結体の斜め防振材とからなっていてもよい。この防振装置は、筒体に取り付けたボルトを受け板または支持板の傾斜孔に挿通して締着し、一方、筒体内部の斜め防振材に取り付けたボルトを支持板または受け板の傾斜孔に挿通して締着し、斜め防振材を水平面において少なくとも三方向に配分することにより水平方向における左右または前後方向の振動を吸収できる。好ましくは、この防振装置では、1枚または複数枚の多孔質焼結体を重ね合わせた垂直防振材を各2組の斜め防振材の間に配置することにより、上下方向の振動をより確実に吸収する。
本発明の防振装置において、支持板を載置して固定するレベル調整可能な架台を備えると好ましい。この架台では、各支持脚を上方脚部と下方脚部とに分離し、上方脚部に固着したU字枠を下方脚部に嵌め、該U字枠に挿通したボルトを下方脚部の縦溝に嵌入する。さらに、調整ボルトが上方脚部と下方脚部とを関連づけるように回転可能にねじ込まれ、調整ボルトを回すことによって上方脚および下方脚の垂直間隔を微調整できる。
本発明を図面によって説明すると、本発明の防振装置1は、図2に示すように、多孔質焼結体2で構成する防振材3を斜めに配置し、該防振材を水平面において少なくとも三方向に配分するために少なくとも3組使用する。防振材3を構成する多孔質焼結体2は、1枚または複数枚を重ね合わせて接着剤で相互に貼着すればよい。例えば、厚みが同一または異なる多孔質焼結体2を厚さ5〜20mmの範囲において複数枚接着すると、異なる周波数の振動を効率良く吸収できるので好ましい。
防振材3は、水平方向におけるあらゆる方向の振動を吸収できるように、水平面において少なくとも三方向に等間隔で3組配分することを要する。一般に防振材3は4組使用し、下記の実施例のように四方向に等間隔つまり配分中心に関して90°の間隔で4組配分しており、3組または5組以上等間隔に配分することも可能である。
防振装置1において、複数組の防振材3を斜めに配置することにより、垂直および水平方向の振動をともに吸収できる。防振材3の傾斜角度は、図1または図5に示すように、水平面に対して45°が一般的であるが、振動の発生頻度と大きさが垂直方向または水平方向で顕著に異なっているならば、発生頻度の高い方向に対して45°を超えるように偏向させてもよい。また、垂直または水平方向だけの振動を吸収する防振材を別個に設置することも可能であり、例えば、図5および図7に示すように、1組または複数組の垂直防振材64(図5参照)などを受け板36と支持板42との間に追加配置してもよい。
防振材3を構成する多孔質焼結体2は、全体が硬いうえにほぼ均質で剛性に優れ且つ高い耐久性と防振性を有する多孔質の金属素材であれば使用可能であり、セラミックス粉粒体または熱硬化性樹脂を一部含有していてもよい。多孔質焼結体2は、加熱温度または異なる金属細片の混合率で空隙の大きさを調整でき、所望に応じて吸音特性、遮音特性、断熱特性などを高めることも可能である。
多孔質焼結体2の製造例として、単一または異なる種類の金属チップを混合し、高圧で加圧しながら加圧方向と直交方向に高電流を流して通電加熱で成形すればよく、粉末冶金法に比べて単純であり、製造装置も簡素で安価である。原料の金属チップは、金属の粉粒体または切削屑(ダライ粉)などであり、形状や種類の異なる金属チップを混合してもよい。この金属チップには、鋳鉄切削屑,炭素鋼片,ステンレス鋼片のような鉄系金属、アルミニウム粉末,Al−Si合金切削屑のようなアルミニウム系金属、銅系金属、チタン粉末などのチタン系金属などが例示できる。多孔質焼結体2を成形する際には、矩形型枠の底面に離型シートを敷設してから、該型枠内に金属チップを均等に入れ、その上にさらに離型シートを敷設した後に、プレス型を下降させ、電流が4000〜6500アンペアになるまでプレス型を下げて圧力210〜340kg/cm2で加圧する。この加圧を所定の時間継続し、型枠内を通過する電流がほぼ一定になったら成形体を取り出す。用いる金属チップは、フェライト粉末,セメント粉やガラス粒などのセラミックス粉粒体と混合したり、エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂,フェノール樹脂,ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂と混合してもよい。この熱硬化性樹脂をフェライト粉末と混合することも可能である。得た多孔質焼結体2は、セラミックス粉粒体または熱硬化性樹脂が全体量の約10重量%以下であると十分に多孔質であり、10〜25重量%では細孔を有していても防振性が多少低下する。したがって、多孔質焼結体2における金属チップの含有量は全体量の約75重量%以上であり、特に防振性を要する用途では約90重量%以上にすると好ましい。
防振装置1において、防振材3を含む防振部4を載置する架台5は、それぞれ単独で高さ調整可能な3本または4本以上の垂直支柱20からなり、水平桟68,70(図8)などでそれぞれの相互位置を確定させる。各支柱20は、同一または異なる形状であり、上方脚部74と下方脚部75とに分離している。架台5において、上方脚部74に自在軸継手76などを介在させることにより、各支柱20が垂直位置を保ったまま支持板8または42との連結を維持できる。
例えば、上方脚部74および下方脚部75は角筒形であり、該角筒の外周面に密接できるU字枠88を脚部74または76に固着する。U字枠88の代わりに、長溝を設けた角筒体または2枚のL字枠を使用することもできる。脚部74,75が円形または他の多角形の筒体であれば、これに対応させてC字枠などを用いればよく、U字枠88にはL字枠やC字枠も包含する。調整ボルト82について、L字金具79,80の一方にナットなどを取り付けてねじ込み、他方で空回りさせることにより、調整ボルト82を回すと上方脚部74が昇降する。
図1または図5に示す防振装置について、架台5を半導体製造工場などの基礎または床の上に水平に固着し、該架台の上に防振部4,22を載置して固着する。次に、半導体製造装置のような超精密機器の機台89(図1)などを受け板の上に載置し、所望に応じて受け台に固定すればよい。製造装置が稼動して振動が発生すると、垂直方向の振動を斜め防振材4または垂直防振材64で吸収し、防振装置が共振することはない。また、製造装置が水平方向において前後および左右へ振動しても、この振動をいずれかの斜め防振材3,24で吸収でき、斜め方向へ振動しても、この振動を各2組の斜め防振材3,24で吸収できる。
一方、防振装置のレベル調整を行う際には、架台5の各支柱20における調整ボルト82を適宜に回して上方脚部74を随意に昇降させる。上方脚部74を上下動させる際に、U字枠88を貫通した各ボルト96が下方脚部75の垂直溝94に沿って上下方向に移動し、傾斜板100の内壁面106と下方脚部75の内壁との接触面積が比較的広く且つ三方で均等に支持することにより、昇降時や使用時に上方脚部74が前後左右にがたつかず、各支柱20の剛性が高い。
本発明に係る防振装置は、大型の機械について、垂直方向の振動を斜め防振材で吸収して共振することがなく、水平方向における前後および左右へ振動および斜め方向への振動も効果的に防止することができる。本発明の防振装置は、大型の機械の荷重に対する耐屈曲性が高く、防振材を長期間交換することなく所定の防振性能を維持できる。特に、超精密機器はごく微細な横方向の振動でも品質不良が発生することが多く、これに対して本発明の防振装置は実に有効である。本発明の防振装置は、縦横方向の同時防振と高い屈曲性を兼備する点で嚆矢とも云える存在であり、半導体製造装置のような大型の超精密機器において皆無であった実用的な防振装置である。
本発明の防振装置は、縦横方向の同時防振を達成するだけでなく、該装置のレベル調整を行う際に、架台における各支柱の調整ボルトを適宜に回すだけで正確にレベル調整できる。この架台について、各支柱の調整ボルトを適宜に回すと、U字枠を貫通した各ボルトが下方脚部の垂直溝に沿って上下方向に移動して支柱ごとに上方脚部を昇降できるので、水平方向におけるいずれかの方向にも随意にレベル調整が可能である。各支柱は、傾斜板の内壁面が摺動面であり、その接触面積が比較的広いことによって上方脚部が前後左右にがたつくことがなく、その剛性が非常に高いという利点もある。
本発明の防振装置で用いる防振材は、例えば、1種または2種以上の金属チップからなる金属製の多孔質焼結体からなり、これを1枚または複数枚重ね合わせて接着するため、全体が硬いうえにほぼ均質で耐久性が非常に優れている。この多孔質焼結体は、構造が単純で安価であり、加熱温度または異なる金属細片の混合率で空隙の大きさを調整することにより、所望に応じて吸音特性、遮音特性、断熱特性などを高めることも可能である。この多孔質焼結体は、セラミックス粉粒体または熱硬化性樹脂を少量含有していても高い防振性および剛性を有する。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。図1に防振装置1の一例を示し、該防振装置は、上方において防振材3を含む防振部4および下方において架台5を備える。防振装置1は、その上方の防振部4において、水平に配置する正方形の受け板7と、該受け板よりも下方で水平に位置し且つ該受け板よりもやや大きい正方形の支持板8と、各2枚の多孔質焼結体2で構成する斜め防振材3とを有する。
図2を参照すると、防振材3は、例えば、厚さ10mm、縦横40×40mmの多孔質焼結体2を2枚重ね合わせ、熱硬化性接着剤で相互に密に貼り合わせ、全厚が20mmである。多孔質焼結板2は、各種の金属チップを充填したプレス型において電流加圧することにより、例えば、気孔率約50%を有し、仕上げ直後で600×600×10mmの寸法である。多孔質焼結板2は、厚さ方向において外表面2aの気孔が疎く且つ内部2bの気孔が密になっている。この焼結板2は、抗折力が全面的にほぼ等しくて0.20〜 0.25kg/mmおよび圧縮強度が30〜42kg/cmである。
受け板7は、図3に例示するように、厚さ10mm、縦横190×190mmの矩形金属板であり、さらに角錐台形状の下方突起10を形成している。下方突起10は、底面100×100mm、高さ約28mmであり、45°の傾斜面12の横幅が40mmである。下方突起10を有する受け板7は、1枚の金属材から切削しても下方突起部を金属板に溶接してもよく、該突起部を軽量化のために中空状にすることも可能である。
一方、支持板8は、図4に例示するように、厚さ10mm、縦横230×230mmの矩形金属板であり、さらに矩形環状の上方突起14を形成している。上方突起14は、頂点が直角の二等辺三角形断面であり、その内寸が約75×75mmである。上方突起14は、受け板7の突起傾斜面12と反対向きである内向き傾斜面16を有し、該傾斜面は角度45°で横幅が40mmである。上方突起14を有する支持板8は、受け板7と同様に1枚の金属材から切削しても上方突起部を溶接してもよく、該突起部を中空状にすることも可能である。
防振装置1において、図3または図4に示すように4組の斜め防振材3を用い、各防振材の下表面を支持板8の内向き傾斜面16にそれぞれ熱硬化性接着剤などで貼り合わせる。次に、受け板7を重ね合わせ、該受け板の外向き傾斜面12を各防振材3の上表面とそれぞれ貼り合わせる。この結果、4組の斜め防振材3が、水平面において等間隔で四方向を向き、45°の角度で外向きに上昇する状態に配置され、受け板7の下方突起10の頂面18は支持板8の表面に接触しない。支持板8は、架台5の4本の支柱20の上端面に固定して水平に配置する。
防振装置1の防振部4は、垂直方向の振動を4組の斜め防振材4で吸収して共振することがなく、大型の機械の荷重に対する耐屈曲性が高い。また、防振部4は、制振すべき物体が、水平方向において前後および左右へ振動すれば、この振動をいずれかの斜め防振材3で吸収でき、斜め方向へ振動しても、この振動を各2組の斜め防振材3で吸収することができる。このため、半導体製造装置のような超精密機器において、垂直方向の振動と同時に水平方向への振動が発生すると単独で吸収でき、コイルばねや防振ゴムと組み合わせて取り付けることが不要になる。
図5は防振部の変形例を示し、防振装置21において、防振部22の斜め防振材24は、例えば、厚み5mmの6枚の多孔質焼結体26を有し、全厚が30mmである。6枚の多孔質焼結体26は、相互に重ね合わせて熱硬化性接着剤で相互に密に貼り合わせ、さらに中心貫通孔28を穿孔する。防振材24は、該防振材より長い角筒体30に収納して筒体内部で固着する。角筒体30の内部において、防振材24の表面に固定板32を接着または溶接し、該固定板に後端をかしめ止めした上ボルト34は防振材24の貫通孔28を通って角度45°で上方へ延び、角筒体30を通過して受け板36に達する。一方、固定板32から離隔した他方の固定板38を角筒体30の内端壁に接着または溶接し、該固定板に前端をかしめ止めした下ボルト40は角度45°で下方へ延び、筒体30を通過して支持板42に達する。
受け板36は、図5と図6に例示するように、厚さ15mm、縦横250×250mmの矩形金属板であり、該金属板の各辺の中央表面に幅30mmで深さ15mmの切り込み44をそれぞれ形成し、該切り込みの底壁45は45°に傾斜する。傾斜孔46は、底壁45から直交状に穿孔し、該傾斜孔は内方に向かって角度45°で下降する。各傾斜孔46には上ボルト34の先端部を嵌入し、該ボルトをナット48で締着する。また、受け板36の四隅に貫通孔50を設け、該貫通孔には支持板42や架台5との連結部材(図示しない)などを取り付ける。
支持板42は、図5と図7に例示するように、厚さ15mm、縦横250×250mmの矩形金属板であり、その中央裏面に90°の水平間隔をおいて幅20mmで深さ10mmの縦断面三角の円形溝52を形成し、該円形溝の底壁54は45°に傾斜する。傾斜孔56は、底壁54から直交状に穿孔し、該傾斜孔は外方に向かって角度45°で上昇する。各傾斜孔56には下ボルト40の後方部を嵌入し、該ボルトをナット58で締着する。また、支持板42の四隅にも貫通孔60を設ける。
防振部22において、図5と図7に示すように4組の斜め防振材24を支持板42の中心に関して90°の水平間隔で配置する。さらに、角柱形の垂直防振材64を支持板42の中心に関して各2組の斜め防振材24の間に配置し、該垂直防振材の上面を受け板36の裏面に接着し、且つ下面を支持板42の表面に接着する。垂直防振材64は、例えば、厚さ10mm、縦横60×60mmの多孔質焼結体66を6枚重ね合わせ、熱硬化性接着剤で相互に密に貼り合わせ、全厚が60mmである。
防振装置21の防振部22では、4組の垂直防振材64で垂直方向の振動を効果的に吸収して共振することがなく、該防振材は垂直配置であるので大型の機械の荷重に対する耐屈曲性がいっそう高い。また、制振すべき物体が水平方向において前後および左右へ振動すれば、この振動をいずれかの斜め防振材24で吸収でき、斜め方向へ振動してもこの振動を各2組の斜め防振材24で吸収することができる。このため、大型の超精密機器において、大部分の垂直方向の振動と同時に水平方向への振動が僅かに発生しても単独で吸収でき、コイルばねや防振ゴムと組み合わせて取り付けることが不要である。
図1または図5に示す架台5は、それぞれ単独で高さ調整可能な4本の垂直支柱20からなり、図8から明らかなように各支柱20を長短各2本の水平桟68,70でそれぞれ連結し、さらに4本の筋交い72でそれぞれの相互位置を確定させる。4本の支柱20は、いずれも同一の形状であり、同一断面である角筒状の上方脚部74と下方脚部75とに分離している。上方脚部74の上端には自在軸継手76を垂直に接合し、自在軸継手76を介して各支柱20を支持板8または42の四隅と連結し、下方脚部75の下端には矩形の水平取付板78を水平に接合する。架台5は、自在軸継手76を介在させることにより、支持板8または42のどの方向への傾きにも対応できる。
図9を参照すると、上方脚部74および下方脚部75の側壁にL字金具79,80を溶接し、両金具の水平部を垂直方向に合致させる。六角頭部81付きの調整ボルト82は、L字金具79,80の水平部に同軸状に設けた貫通孔に挿通し、該調整ボルトを回すと上方脚部74および下方脚部75の垂直間隔を微調整できるように構成する。例えば、ナット84をL字金具79の貫通孔と同心状に該L字金具の水平部に溶接し、該貫通孔の直径がボルト82の直径よりも大きく、ボルト82をナット84にねじ込むことができる。そしてボルト82の下端部を小径化するとともに、L字金具80の貫通孔をその小径部に応じた直径に定め、ボルト下端に戻り止めナット86(図1)をねじ込んで固定させる。ボルト82を回すと、L字金具79の個所で上下動し、L字金具80の個所では空回りする。この場合において、L字金具79の個所で空回りし、L字金具80の個所では上下動するように構成することも可能である。
図9と図10から明らかなように、U字枠88を上方脚部74に溶接などによって固着し、該U字枠はL字金具79,80と接触することなく、該U字枠の内寸が上方脚部74および下方脚部75の外寸とほぼ等しい。U字枠88は、上方脚部74の下端面から部分的に下方へ突き出ており、その突出部90が下方脚部75の上方部と嵌合するとともに、その三方の側壁に貫通孔92をそれぞれ設ける。一方、下方脚部75の上端面に縦長の垂直溝94を切り込み、該垂直溝はU字枠88の貫通孔92と対応させて角筒壁の三辺にそれぞれ形成する。
図11と図12を参照すると、ボルト96をワッシャ98とともにU字枠88の各貫通孔92に横向きにそれぞれ嵌入し、さらに傾斜板100およびTワッシャ102を通して止めナット104をねじ込む。傾斜板100は、下方脚部75の内壁と接触する平滑な内壁面106および下方に向かって外方へ傾く傾斜面108からなり、さらに下方脚部75の垂直溝94と対応する切り込み110を上端から形成する。Tワッシャ102では、縦突起112を有する内壁面114が傾斜板100の傾斜面108と反対向きに傾斜することにより、その外壁面116は下方脚部75の内壁面と平行である。縦突起112が傾斜板100の切り込み110に密に嵌り込み、Tワッシャ102は傾斜板100とともに上下方向に移動する。Tワッシャ102および止めナット104の代わりに、Tナット(図示しない)を使用してもよい。
架台5において、支持板8または42のレベル調整を行う際に、4本の支柱20における調整ボルト82を適宜に回して上方脚部74を随意に上下動させ、支持板8または42をいずれの方向へも傾けることができる。上方脚部74を上下動させる際に、U字枠88を貫通した各ボルト96が下方脚部75の垂直溝94に沿って上下方向に移動する。この時に、傾斜板100の内壁面106が、下方脚部75の内壁に対する摺動面であり、その接触面積が比較的広く且つ角筒の三辺で均等に支持することにより、上方脚部74が前後左右にがたつくことがなく、各支柱20の剛性が非常に高い。
本発明に係る3次元方向の防振装置を示す縦断面図である。 図1の防振装置で用いる防振材の拡大断面図である。 図1の防振装置で用いる受け板の裏面を示す平面図である。 図1の防振装置で用いる支持板の表面を示す平面図である。 本発明の防振装置の変形例を示す縦断面図である。 図5の防振装置で用いる受け板の表面を示す平面図である。 図5の防振装置で用いる支持板の裏面を示す平面図である。 本発明で用いる架台の水平断面図である。 架台の支柱の要部を示す斜視図である。 支柱の上方脚部と下方脚部を分解して示す斜視図であり、上方脚部と下方脚部を部分的に図示する。 上方脚部に固着したU字枠と下方脚部との連結状態を示す分解斜視図であり、U字枠と下方脚部を断面で図示する。 図11の連結状態を示す部分縦断面図である。
符号の説明
1 防振装置
2 多孔質焼結体
3 防振材
5 架台
7 受け板
8 支持板
10 下方突起
12 外向き傾斜面
14 上方突起
16 内向き傾斜面
20 垂直支柱
74 上方脚部
75 下方脚部
82 調整ボルト
88 U字枠

Claims (5)

  1. 傾斜面を有する下方突起を形成した受け板と、該受け板の突起傾斜面と反対向きの傾斜面を有する上方突起を形成した支持板と、受け板の突起傾斜面と支持板の突起傾斜面との間に配置した多孔質焼結体の斜め防振材とからなり、斜め防振材を水平面において少なくとも三方向に配分することにより、上下方向の振動に加えて水平方向における左右または前後方向の振動を吸収できる3次元方向の防振装置。
  2. 傾斜孔を形成した受け板と、該受け板の傾斜孔と反対向きの傾斜孔を形成した支持板と、筒体に収納して筒体内部で固着した多孔質焼結体の斜め防振材とからなり、筒体に取り付けたボルトを受け板または支持板の傾斜孔に挿通して締着し、一方、筒体内部の斜め防振材に取り付けたボルトを支持板または受け板の傾斜孔に挿通して締着し、斜め防振材を水平面において少なくとも三方向に配分することにより水平方向における左右または前後方向の振動を吸収できる3次元方向の防振装置。
  3. 1枚または複数枚の多孔質焼結体を重ね合わせた垂直防振材を各2組の斜め防振材の間に配置することにより、上下方向の振動を吸収する請求項1または2記載の防振装置。
  4. 下方突起を形成した受け板と、上方突起を形成した支持板と、受け板の突起傾斜面と支持板の突起傾斜面との間に配置した複数組の斜め防振材と、支持板を載置して固定するレベル調整可能な架台からなり、前記架台の各支持脚を上方脚部と下方脚部とに分離し、上方脚部に固着したU字枠を下方脚部に嵌め、該U字枠に挿通したボルトを下方脚部の縦溝に嵌入するとともに、調整ボルトが上方脚部と下方脚部とを関連づけるように回転可能にねじ込まれ、調整ボルトを回すことによって上方脚および下方脚の垂直間隔を微調整できる3次元方向の防振装置。
  5. 傾斜孔を形成した受け板と、該受け板の傾斜孔と反対向きの傾斜孔を形成した支持板と、筒体に収納して筒体内部で固着し且つ受け板および支持板と関連づける複数組の斜め防振材と、支持板を載置して固定するレベル調整可能な架台からなり、前記架台の各支持脚を上方脚部と下方脚部とに分離し、上方脚部に固着したU字枠を下方脚部に嵌め、該U字枠に挿通したボルトを下方脚部の縦溝に嵌入するとともに、調整ボルトが上方脚部と下方脚部とを関連づけるように回転可能にねじ込まれ、調整ボルトを回すことによって上方脚および下方脚の垂直間隔を微調整できる3次元方向の防振装置。
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