JP3289715B2 - 官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気・電子分野、自
動車分野、その他の各種工業材料分野、食品・包装分野
のプラスチック材料、及び、その材料の改質剤として利
用できる官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは加工性・生産
性に優れ、溶融射出成形法や溶融押出成形法などの成形
方法により所望の形状の製品・部品を効率よく生産でき
るため、電気・電子分野、自動車分野、その他の各種工
業材料分野、食品・包装分野の製品・部品用の材料とし
て幅広く用いられている。
【0003】昨今、特に電気・電子分野、自動車分野、
その他の各種工業分野では製品・部品が多様化して、樹
脂材料に対する要求が幅広くなっている。この要求に応
えるために、異種材料との複合化あるいは、各種既存高
分子材料の組合せによるポリマーアロイ技術により、既
存の材料にはなかった材料特性をもつ樹脂材料が開発さ
れている。
【0004】通常のポリフェニレンエーテルは耐熱性が
高く、且つ機械特性に優れているが、他の材料との親和
性が乏しいために、複合化できる相手の材料が限定され
る。特に、ポリアミドのような極性の高い材料との親和
性は非常に悪く、このような樹脂と複合化するために
は、変性された官能化ポリフェニレンエーテルが必要で
ある。
【0005】ポリフェニレンエーテルを変性し、官能化
ポリフェニレンエーテルを得る手段として、ポリフェニ
レンエーテルもしくはポリフェニレンエーテルを成分に
含む樹脂組成物に対して、極性基をもつ化合物とポリフ
ェニレンエーテルが溶液状態又は、溶融状態で化学的に
変性する方法が検討されている。
【0006】例えば関連する技術として、特公昭52−
19864号公報、特公昭52−30991号公報に
は、ポリフェニレンエーテルを溶液状態で、ラジカル発
生剤の存在下で、スチレン及び、無水マレイン酸、ある
いは、他の重合可能な変性用化合物と混合し、長時間重
合することにより官能化ポリフェニレンエーテルを得る
方法が提案されている。しかし、これらの方法では、溶
解、重合工程、更には、溶媒除去工程が必要であり、設
備面・エネルギー面でコストが割高なものになる。
【0007】また、特公平3−52486号公報、特開
昭62−132924号公報、特表昭63−50080
3号公報、特開昭63−54425号公報には、ポリフ
ェニレンエーテルをラジカル発生剤の存在下、または、
ラジカル発生剤が非存在下で、無水マレイン酸、あるい
は、他の反応可能な変性用化合物と混合し、溶融混練な
どの溶融状態で変性し、官能化ポリフェニレンエーテル
を得る方法が提案されている。しかし、これらの方法で
は、ポリフェニレンエーテルを溶融混練できる温度が非
常に高温であることと、ポリフェニレンエーテルの溶融
粘度が非常に高いことから、反応温度が非常に高くなる
ために種々の問題が発生している。
【0008】即ち、従来の溶融混練法で得た官能化ポリ
フェニレンエーテルは加工温度が分解温度に近いため
に、熱劣化による変色が起こり、この官能化ポリフェニ
レンエーテルは色調・外観に問題を生ずる。色調・外観
の問題を解決するために、熱安定剤、酸化防止剤などの
添加剤をポリフェニレンエーテルに添加して溶融押出す
る方法が提案されているが、溶融混練の温度が高いため
に色調・外観は充分に改善しない。
【0009】さらに、色調・外観を改良する技術として
ミネラルオイル等の可塑剤をポリフェニレンエーテルに
添加して溶融押出の加工温度を下げる方法も古くから行
われているが、この方法の官能化ポリフェニレンエーテ
ルを用いて得られる成形体では、色調・外観に関して良
好であるが、耐熱性及び機械物性が低下する。従って、
従来技術で得られる官能化ポリフェニレンエーテルは設
備面・エネルギー面での問題があるか、又は、色調・外
観と耐熱性・機械物性のバランスが不充分なため、産業
界の要求に十分応えるものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、官能化ポリ
フェニレンエーテルの製造方法に関して、得られる官能
化ポリフェニレンエーテルが十分に官能化され、かつ、
設備面・エネルギー面での問題がなく、そして、色調・
外観と耐熱性・機械物性のバランスが良く、産業界の要
求に十分応える官能化ポリフェニレンエーテルの製造方
法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため研究を重ねた結果、設備面・エネルギー面
及び、色調・外観が優れ、かつ耐熱性・機械物性に優れ
る官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法を完成し
た。
【0012】すなわち、本発明は下記(式1)の構造単
位からなるポリフェニレンエーテル(A)100重量部
に対し、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重
結合または三重結合及び少なくとも1個のカルボキシル
基、酸化アシル基、イミノ基、イミド基、水酸基、又は
グリシジル基を有する少なくとも1種の官能化化合物
(B)0.01〜10.0重量部を添加した混合物を
50〜220℃の範囲の反応温度、即ち、ポリフェニ
レンエーテル(A)が固体の状態で、官能化化合物
(B)と反応することを特徴とする官能化ポリフェニレ
ンエーテルの製造方法を提供するものである。
【0013】
【化2】 〔R1、R4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第
一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロア
ルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭
化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロ
ゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わし、R2、R3
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしく
は第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭
化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なく
とも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てて
いる)を表わす。〕
【0014】本発明によって、通常は非晶性高分子とし
て知られているポリフェニレンエーテルを官能化するに
あたって、原料として、融点を持つ結晶性のポリフェニ
レンエーテル(A)を用い、150〜220℃の範囲
温度で、即ち、ポリフェニレンエーテル(A)が固体の
状態で、官能化化合物(B)と反応することにより、先
行技術と同様の官能性を持ち、且つ、色調に優れる官能
化ポリフェニレンエーテルが得られたのである。
【0015】本発明の製造方法によって得られる官能化
ポリフェニレンエーテルは、ポリマーアロイ用途等で使
用する際に十分な官能基を有する。本発明の製造法は、
ポリフェニレンエーテルを溶融混練することなく、固体
の状態で反応するため、加工温度が低く、かつ、溶融混
練時のせん断発熱が発生しないため、熱劣化、変色が起
こらず優れた色調・外観を持つものである。また、本発
明の製造方法は、ポリフェニレンエーテルを固体の状態
で反応するため、溶媒の分離・溶融混練物の冷却などの
操作が不要であり、操作面・エネルギー面で優れるもの
である。
【0016】更に、本発明の官能化ポリフェニレンエー
テルは可塑剤を使用しないため、ポリフェニレンエーテ
ルの本来の耐熱性・機械物性を保つ。従って、本発明の
製造方法で製造される官能化ポリフェニレンエーテル
は、十分な官能性を有し、優れた色調・外観を持ち、操
作面・エネルギー面で優れ、かつ、耐熱性・機械物性に
優れるものであり、この官能化ポリフェニレンエーテル
から得られる成形体は、官能化が十分でポリマーアロイ
用途に広く使用可能であって、かつ、操作面・エネルギ
ー面での問題がなく、色調・外観と耐熱性・機械物性が
良好であるため、産業界の要求に十分応える各種工業分
野の製品・部品を提供することが可能になる。
【0017】本発明のポリフェニレンエーテル(A)と
は、下記(式1)の構造を持ち、溶融射出成形法や溶融
押出成形法などの成形方法により所望の形状の製品・部
品を生産でき、電気・電子分野、自動車分野、その他の
各種工業材料分野の製品・部品用の材料として幅広く用
いられているプラスチック材料である。
【0018】
【化3】
【0019】本発明の(式1)で示されるポリフェニレ
ンエーテル(A)における、R1、R4は、それぞれ独立
して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級ア
ルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭
化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なく
とも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てて
いる)を表わし、R2、R3は、それぞれ独立して、水
素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、
フェニル、ハロアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭
化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロ
ゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。
【0020】本発明のポリフェニレンエーテル(A)
は、0.5g/dl,クロロホルム溶液を用い30℃で
測定する還元粘度が、0.15〜1.0dl/gの範
囲、より好ましくは0.20〜0.70dl/gの範囲
にある重合体または共重合体である。
【0021】本発明のポリフェニレンエーテル(A)は
具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,
4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フ
ェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6
−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等である。
【0022】本発明のポリフェニレンエーテル(A)の
他の具体的例として、2,6−ジメチルフェノールと他
のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェ
ノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重
合体のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げら
れる。
【0023】上記の本発明のポリフェニレンエーテル
(A)のうち、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,
3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく
使用でき、最も好ましいのはポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンエーテル)である。
【0024】本発明で使用するポリフェニレンエーテル
(A)の製造方法は特に限定されない。本発明で使用す
るポリフェニレンエーテル(A)の製造方法の例とし
て、米国特許第3306874号明細書記載の第一銅塩
とアミンのコンプレックスを触媒として用い、2,6−
キシレノールを酸化重合する方法がある。米国特許第3
306875号、同第3257357号および同第32
57358号の明細書、特公昭52−17880号およ
び特開昭50−51197号および同63−15262
8号の各公報等に記載された方法もポリフェニレンエー
テル(A)の製造方法として好ましい。
【0025】本発明のポリフェニレンエーテル(A)の
末端構造は、下記(式2)の構造であることが好まし
い。
【0026】
【化4】 〔式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ前記(式1)
におけるR1、R2、R3、R4と同様に定義される。〕
【0027】本発明のポリフェニレンエーテル(A)の
末端構造は、下記(式2’)の構造であることが更に好
ましい。
【0028】
【化5】 〔式中、R1は、前記(式1)におけるR1と同様に定義
され、R5、R5´はアルキル基を表わす。〕
【0029】本発明のポリフェニレンエーテル(A)は
目的に応じ所望の添加剤を添加しても良い。本発明のポ
リフェニレンエーテル(A)に使用する添加剤は、熱安
定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充
填剤、ポリマー添加剤、ジアルキルパーオキサイド、ジ
アシルパーオキサイド、パーオキシ、パーオキシカーボ
ネート、ヒドロパーオキサイド、パーオキシケタール等
である。
【0030】本発明で用いる官能化化合物(B)は、分
子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または
三重結合及び、少なくとも1個のカルボキシル基、酸化
アシル基、イミノ基、イミド基、水酸基、グリシジル基
を有する少なくとも1種の有機化合物である。これらの
官能化化合物(B)のうち、二重結合及び、少なくとも
1個のカルボキシル基、酸化アシル基、イミノ基、イミ
ド基、水酸基、グリシジル基を有する少なくとも1種を
分子構造内に持つ化合物であることが好ましい。
【0031】さらに、該官能化化合物(B)は、二重結
合及び少なくとも1個のカルボキシル基、酸化アシル
基、イミド基を有する少なくとも1種を分子構造内に持
つ化合物であることがより好ましい。
【0032】そして、本発明の官能化化合物(B)は、
無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フェニルマレ
イミド、又は、イタコン酸であることが極めて好まし
い。
【0033】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの
製造法において、ポリフェニレンエーテル(A)100
重量部に対して、0.01〜10.0重量部の上記の官
能化化合物(B)を混合して反応する。官能化化合物
(B)が0.01重量部未満の場合、官能基の量が不十
分である。官能化化合物(B)が10.0重量部を越え
る場合、官能化ポリフェニレンエーテル中に未反応の官
能化化合物(B)が多量に残留し、成形する際にシルバ
ーストリークスの原因になる。
【0034】本発明において、ポリフェニレンエーテル
(A)100重量部に対して、0.1〜5.0重量部の
官能化化合物(B)を混合し、反応することが好まし
い。さらに、ポリフェニレンエーテル(A)100重量
部に対して、0.5〜3.0重量部の官能化化合物
(B)を混合し、反応することがより好ましい。本発明
の官能化ポリフェニレンエーテルの製造法において、反
応温度は150〜220℃の範囲の温度である。
【0035】本発明では、融点を持つ結晶性ポリフェニ
レンエーテルを原料であるポリフェニレンエーテル
(A)として用いる。結晶性ポリフェニレンエーテルと
その融点の関係を示した文献としては、例えば、Jou
rnal of Polymer Science,P
art A‐2(6)1141‐1148頁(1968
年)、European Polymer Journ
al(9)293‐300頁(1973年)、Poly
mer(19)81‐84頁(1978年)などがあ
る。
【0036】本発明では、ポリフェニレンエーテル
(A)の融点は、(A)に対する示差熱走査型熱量計
(DSC)の測定において、20℃/分で昇温するとき
に得られる温度−熱流量グラフで観測されるピークのピ
ークトップ温度で定義される。本発明では、ポリフェニ
レンエーテル(A)の融点は、ピークトップ温度が複数
ある場合にはその内の最高の温度で定義される。
【0037】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの
製造方法では、ポリフェニレンエーテル(A)は、溶液
より沈殿して得られるパウダー状のもので、融点が24
0℃〜255℃のポリフェニレンエーテルであることが
好ましい。本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの製
造方法では、ポリフェニレンエーテル(A)は、溶液よ
り沈殿して得られるパウダー状のもので、DSC測定に
おけるピークから得られる比熱差(ΔH)が2J/g以
上であることが好ましい。
【0038】本発明において、反応温度がポリフェニレ
ンエーテル(A)の融点を越える場合、ポリフェニレン
エーテル(A)が融解し、粘度が上昇するため、官能化
化合物(B)との混合が阻害され、反応は促進しない。
この時、ポリフェニレンエーテル(A)と官能化化合物
(B)とを強力に混練して反応を促進すると、混練時の
発熱により、ポリフェニレンエーテル(A)の色調・外
観が悪くなる。
【0039】本発明において、反応温度150〜22
0℃の範囲である。
【0040】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの
製造方法としては、反応器としてパドルドライヤーを用
い製造することが好ましい。本発明の官能化ポリフェニ
レンエーテルはジャケット温度を所望の温度に設定した
パドルドライヤーを用いることにより、効率的に製造す
ることができる。
【0041】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの
製造方法としては、反応器としてヘンシェルミキサーを
用い製造することが更に好ましい。反応器としてヘンシ
ェルミキサーを用いると、ポリフェニレンエーテル
(A)と官能化化合物(B)を効率的に混合でき、か
つ、剪断発熱により加熱でき、本発明の官能化ポリフェ
ニレンエーテルを効率的に製造することができる。しか
し、本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法
は特に限定されるものではない。
【0042】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルは
反応助剤を添加して製造することが可能である。本発明
の官能化ポリフェニレンエーテルは反応助剤としては、
ラジカル開始剤が好ましい。
【0043】本発明の官能化ポリフェニレンエーテル
は、色調・外観に優れる。本発明の官能化ポリフェニレ
ンエーテルは、機械物性に優れ、そのまま使用すること
ができる。本発明の官能化ポリフェニレンエーテルは、
そのほかの組成物と混合し、溶融混練したポリマーアロ
イまたは、ポリマーコンポジットとして使用すること
が、好ましい。
【0044】本発明の官能化ポリフェニレンエーテル
は、そのほかの組成物、及び、溶媒と混合し、溶解した
ポリマーアロイまたは、ポリマーコンポジットとして、
更に好ましく使用することができる。本発明の官能化ポ
リフェニレンエーテルは、ポリアミド、ポリイミドと混
練するポリマーアロイに、極めて好ましく使用できる。
本発明の官能化ポリフェニレンエーテルはその用途を特
に限定されるものではなく、電気・電子分野、自動車分
野、その他の各種工業材料分野、食品・包装分野におけ
る用途に対して広く適用できる。
【0045】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルを
含有するポリマーアロイ、または、ポリマーコンポジッ
トは電気・電子分野、自動車分野、その他の各種工業材
料分野、食品・包装分野におけるに対して、好ましく適
用できる。本発明の官能化ポリフェニレンエーテル及
び、ポリアミド、ポリイミド、又は、ポリエステルとを
混練してなるポリマーアロイは、色調・外観、及び、機
械物性、生産性に優れるため、電気・電子分野、自動車
分野、その他の各種工業材料分野、食品・包装分野にお
ける用途に対して、極めて好ましく使用できる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、実施例により、本発明の実
施の形態を具体的にに説明する。但し本発明はその主旨
を越えない限り以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0047】実施例及び比較例では次のポリフェニレン
エーテル(A)を用いる。 A−1:2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得
た還元粘度0.54のポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル) A−2:2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得
た還元粘度0.31のポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)
【0048】実施例及び比較例では次の官能化化合物
(B)を用いる。 B−1:無水マレイン酸 B−2:フマル酸 B−3:フェニルマレイミド B−4マレイン酸 B−5イタコン酸
【0049】実施例及び比較例では次の方法で融点を評
価する。ポリフェニレンエーテル(A)に対し、示差熱
走査型熱量計(DSC)の測定を行い、20℃/分で昇
温するときに得られる温度−熱流量グラフのピークトッ
プ温度を融点とする。ポリフェニレンエーテル(A−
1)の温度−熱流量グラフは、単一のピークのを示し、
融点は250℃である。ポリフェニレンエーテル(A−
2)の温度−熱流量グラフは、単一のピークのを示し、
融点は245℃である。
【0050】
【実施例】実施例1 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)2gと直径5mmの攪拌用鉄球5個とを
ガス注入口がついたオートクレーブ中に入れる。室温に
て、ガス注入口を通して、内部を10mmHgまで減圧
にした後に、大気圧の窒素を導入し、内部を窒素置換す
る。この操作を三回繰り返し、オートクレーブを密封す
る。減圧・窒素置換時に、系外に出る(A−1)、(B
−1)を捕集する。系外に出る(A−1)、(B−1)
は、それぞれ、0.1g、及び、0.02gである。
【0051】密封したオートクレーブを200℃に設定
したオイルバスに入れ、15分間、激しく振とうする。
オートクレーブをオイルバスから取り出し、1時間、室
温で放置する。オートクレーブを開放し、パウダー状の
内容物(C−1−1)を採取する。内容物(C−1−
1)は溶融物を混入しない。内容物(C−1−1)の質
量は、101.7gである。内容物(C−1−1)のう
ちの50gを100mlのアセトンで洗浄し、ガラスフ
ィルターを用いて濾別する。この操作を5回繰り返し、
洗浄された洗浄物1(D−1−1)及び、濾液1(E−
1−1)を得る。
【0052】ガスクロマトグラム分析した結果、濾液1
(E−1−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)
は、0.5gである。洗浄物1(D−1−1)を乾燥し
た乾燥物1(F−1−1)から20g分取したものを4
0mlのアセトンで洗浄し、ガラスフィルターを用いて
濾別する。この操作を5回繰り返し、洗浄された洗浄物
2(G−1−1)及び、濾液2(H−1−1)を得る。
ガスクロマトグラム分析した結果、濾液2(H−1−
1)中に官能化化合物(B−1)は含まれない。
【0053】乾燥物1(F−1−1)1gを内側からポ
リテトラフロロエチレンシート、アルミシート、鉄板の
順に重ねたものの間にはさみ、280℃に温度設定した
プレス成形機を用い、100kg/m2で圧縮成形しフ
ィルム(I−1−1)を得る。同様の操作で、ポリフェ
ニレンエーテル(A−1)から、フィルム(A−1−
1)を得る。得られたフィルム(I−1−1)、(A−
1−1)それぞれについて、日本分光社製FT/IR−
420型フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、赤外分
光測定を行う。
【0054】(I−1−1)に対する測定では、179
0cm-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、マレ
イン酸由来のピークが観測される。(A−1−1)に対
する測定では、1790cm-1のピークは観測されな
い。金型温度を280℃に設定したプレス成形機を用い
て、乾燥物1(F−1−1)20gをプレス成形し、5
0×80×3mm3大の平板状成形体(J−1−1)を
得る。この平板状成形体は、透明の淡い黄色であり、異
物は見られない。
【0055】実施例2 ポリフェニレンエーテル(A−2)100gと官能化化
合物(B−2)2gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−2)、(B−2)は、それ
ぞれ、0.06g、及び0.02gである。実施例1と
同様に、密封したオートクレーブを200℃に設定した
オイルバスに入れ、5分間振とうし、パウダー状の内容
物(C−2−1)を101.6g得る。
【0056】内容物(C−2−1)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−2−
1)、濾液1(E−2−1)、乾燥物1(F−2−1)
49.4g、及び、濾液2(G−2−1)を得る。濾液
1(E−2−1)、及び、濾液2(G−2−1)中に含
まれる官能化化合物(B−2)は、それぞれ0.3g、
及び、0gである。
【0057】更に、実施例1と同様の操作で、乾燥物1
(F−2−1)より、フィルム(I−2−1)を得る。
(I−2−1)に対する赤外分光測定では、1788c
-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、フマル酸
由来のピークが観測される。実施例1と同様に、平板状
成形体(J−2−1)を得る。この平板状成形体は、実
施例1と同様に、透明の淡い黄色であり、異物は見られ
ない。
【0058】実施例3 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)2gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−1)、(B−1)は、それ
ぞれ、0.08g、及び、0.03gである。密封した
オートクレーブを150℃に設定したオイルバスに入
れ、5分間振とうし、パウダー状の内容物(C−3−
1)を101.0g得る。内容物(C−3−1)のうち
の50gから、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D
−3−1)、濾液1(E−3−1)、乾燥物1(F−3
−1)49.0g、及び、濾液2(G−3−1)を得
る。
【0059】濾液1(I−3−1)、及び、濾液2(G
−3−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、そ
れぞれ0.4g、0gである。更に、実施例1と同様の
操作で、乾燥物1(F−3−1)より、フィルム(I−
3−1)を得る。(I−3−1)に対する赤外分光測定
では、1790cm-1に、ポリフェニレンエーテルに付
加した、無水マレイン酸由来のピークが観測される。実
施例1と同様に、透明の淡い黄色で、異物は見られない
平板状成形体(J−3−1)を得る。
【0060】実施例 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)2gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−1)、(B−1)は、それ
ぞれ、0.1g、及び、0.05gである。
【0061】密封したオートクレーブを215℃に設定
したオイルバスに入れ、5分間振とうし、パウダー状の
内容物(C−5−1)を100.0g得る。内容物(C
−5−1)のうちの50gから、実施例1と同様の操作
で、洗浄物1(D−5−1)、濾液1(E−5−1)、
乾燥物1(F−5−1)49.3g、及び、濾液2(G
−5−1)を得る。濾液1(E−5−1)、及び、濾液
2(G−5−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)
は、それぞれ、0.3g及び0gである。
【0062】更に、実施例1と同様の操作で、乾燥物1
(F−5−1)より、フィルム(I−5−1)を得る。
(I−5−1)に対する赤外分光測定では、1790c
-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、無水マレ
イン酸由来のピークが観測される。実施例1と同様に、
透明の淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体(J
−5−1)を得る。
【0063】比較例1 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)2gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−1)、(B−1)は、それ
ぞれ、0.1g、及び、0.05gである。密封したオ
ートクレーブを260℃に設定したオイルバスに入れ、
5分間振とうし、内容物(C−7−2)を得る。内容物
(C−7−2)は、オートクレーブ内に付着し、取り出
すのが困難である。
【0064】内容物(C−7−2)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−7−
2)、濾液1(E−7−2)、乾燥物1(F−7−2)
49.6g、及び、濾液2(G−7−1)を得る。濾液
1(E−7−1)、及び、濾液2(G−7−1)中に含
まれる官能化化合物(B−1)は、それぞれ、0.2g
及び0gである。更に、実施例1と同様の操作で、フィ
ルム(I−7−2)を得る。(I−7−2)に対する赤
外分光測定では、1790cm-1に、ポリフェニレンエ
ーテルに付加した、無水マレイン酸由来のピークが観測
される。透明で濃い黄色で、異物が見られない平板状成
形体(O−7−2)を得る。
【0065】比較例2 ポリフェニレンエーテル(A−1)5kgと官能化化合
物(B−1)100gをヘンシェルミキサーで混合し、
バレル温度を340℃に設定したウェルナー社製ZSK
−25型押出機を用いて押出混練を試みる。得られるペ
レットを用いて、実施例1と同様に調整したフィルムを
用いて赤外分光測定を実施すると、1790cm-1に、
ポリフェニレンエーテルに付加した、無水マレイン酸由
来のピークが観測される。更に、実施例1と同様に得
た、平板状成形体は、透明で濃茶色で、黒色の異物を含
有するものである。
【0066】実施例 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)0.3gを用い、実施例1と同様の操作
で、窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・
窒素置換時に、系外に出る(A−1)、(B−1)は、
それぞれ、0.1g、及び、0.01gである。密封し
たオートクレーブを200℃に設定したオイルバスに入
れ、5分間振とうし、パウダー状の内容物(C−8−
1)を100.1g得る。内容物(C−8−1)のうち
の50gから、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D
−8−1)、濾液1(E−8−1)、乾燥物1(F−8
−1)49.8g、及び、濾液2(G−8−1)を得
る。
【0067】濾液1(E−8−1)、及び、濾液2(G
−8−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、そ
れぞれ、0.05及び0gである。更に、実施例1と同
様の操作で、フィルム(I−8−1)を得る。(M−8
−1)に対する赤外分光測定では、1790cmに、ポ
リフェニレンエーテルに付加した、無水マレイン酸由来
のピークが観測される。実施例1と同様に、透明の淡い
黄色で、異物は見られない平板状成形体(J−8−1)
を得る。
【0068】比較例3 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)0.05gを用い、実施例1と同様の操
作で、窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧
・窒素置換時に、系外に出る(A−1)、(B−1)
は、それぞれ、0.2g、及び、0.01gである。密
封したオートクレーブを200℃に設定したオイルバス
に入れ、5分間振とうし、パウダー状の内容物(C−9
−2)を100g得る。
【0069】内容物(C−9−2)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−9−
2)、濾液1(E−9−2)、乾燥物1(F−9−2)
49.7g、及び、濾液2(G−9−1)を得る。濾液
1(E−9−1)、及び、濾液2(G−9−1)中に含
まれる官能化化合物(B−1)は、それぞれ、0.06
及び0gである。更に、実施例1と同様の操作で、フィ
ルム(I−9−2)を得る。(M−9−2)に対する赤
外分光測定では、1790cm-1の無水マレイン酸由来
のピークは明確に観測されない。
【0070】実施例 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)9gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−1)、(B−1)は、それ
ぞれ、0.2g、及び、0.8gである。密封したオー
トクレーブを200℃に設定したオイルバスに入れ、5
分間振とうし、パウダー状の内容物(C−10−1)を
106.5g得る。内容物(C−10−1)のうちの5
0gから、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−1
0−1)、濾液1(E−10−1)、乾燥物1(F−1
0−1)45.7g、及び、濾液2(G−10−1)を
得る。
【0071】濾液1(E−10−1)、及び、濾液2
(G−10−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)
は、それぞれ、4.0及び0gである。更に、実施例1
と同様の操作で、フィルム(I−10−1)を得る。
(I−10−1)に対する赤外分光測定では、1790
cm-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、無水マ
レイン酸由来のピークが観測される。実施例1と同様
に、透明の淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体
(J−10−1)を得る。
【0072】比較例4 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−1)12gを用い、実施例1と同様の操作
で、窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・
窒素置換時に、系外に出る(A−1)、(B−1)は、
それぞれ、0.5g、及び、2.8gである。密封した
オートクレーブを200℃に設定したオイルバスに入
れ、5分間振とうする。塊状の内容物(C−11−2)
を100.5g得る。塊状であるため、取り出し操作は
困難である。
【0073】内容物(C−11−2)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−11−
2)、濾液1(E−11−2)、乾燥物1(F−11−
2)43.7g、及び、濾液2(G−11−1)を得
る。濾液1(E−11−1)、及び、濾液2(G−11
−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、それぞ
れ、5.3及び0gである。更に、実施例1と同様の操
作で、フィルム(I−11−2)を得る。(I−11−
2)に対する赤外分光測定では、1790cm-1に、ポ
リフェニレンエーテルに付加した、無水マレイン酸由来
のピークが観測される。実施例1と同様に、透明の淡い
黄色で、異物は見られない平板状成形体(J−11−
2)を得る。
【0074】実施例 ポリフェニレンエーテル(A−1)10kgと官能化化
合物(B−1)200gを奈良機械社製パドルドライヤ
ー中に入れ、内部を攪拌しながら窒素置換する。窒素置
換後、パドルドライヤーを密封し、内部を攪拌しなが
ら、ジャケット温度を室温から180℃まで1時間かけ
て昇温する。5分間180℃に保温した後、ジャケット
温度を1時間かけ室温まで恒温する。パウダー状の内容
物(C−12−1)を9.85kg得る。内容物(C−
12−1)のうちの50gから、実施例1と同様の操作
で、洗浄物1(D−12−1)、濾液1(E−12−
1)、乾燥物1(F−12−1)49.2g、及び、、
濾液2(G−12−1)を得る。
【0075】濾液1(E−12−1)、及び、濾液2
(G−12−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)
は、それぞれ、0.2及び0gである。更に、実施例1
と同様の操作で、フィルム(I−12−1)を得る。
(I−12−1)に対する赤外分光測定では、1790
cm-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、無水マ
レイン酸由来のピークが観測される。実施例1と同様
に、透明の淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体
(J−12−1)を得る。
【0076】更に、内容物(C−12−1)の内の1k
g、及び、(A−1)を1kg、旭化成社製ポリアミド
6,6樹脂「レオナ樹脂1300S」1.6kg、旭化
成社製水添SBブロックコポリマー「タフテックH10
77」0.4kgをヘンシェルミキサーで混合し、バレ
ル温度を340℃に設定したウェルナー社製ZSK−2
5型押出機を用いて押出混練を行い、ペレット(P−1
2−1)を得る。
【0077】射出成形機を用いて、ペレット(P−12
−1)より、ASTM規格試験片を射出成形し、AST
M規格に従って、引張強度(ASTM D−638:2
3℃)、引張破断伸び(ASTM D−638:23
℃)、アイゾット(ノッチ付き)衝撃強度(ASTM
D−256:23℃)を測定する。測定の結果、引張強
度は、61MPa、引張破断伸びは、100%以上、ア
イゾット(ノッチ付き)衝撃強度は、140J/mであ
る。
【0078】比較例5 実施例9と同様に、(A−1)2kg、及び、旭化成社
製ポリアミド6,6樹脂「レオナ樹脂1300S」1.
6kg、旭化成社製水添SBブロックコポリマー「タフ
テックH1077」0.4kgをヘンシェルミキサーで
混合し、バレル温度を340℃に設定したウェルナー社
製ZSK−25型押出機を用いて押出混練を行い、ペレ
ット(P−9−2)を得る。
【0079】射出成形機を用いて、ペレット(P−9−
2)より、ASTM規格試験片を射出成形し、ASTM
規格に従って、引張強度(ASTM D−638:23
℃)、引張破断伸び(ASTM D−638:23
℃)、アイゾット(ノッチ付き)衝撃強度(ASTM
D−256:23℃)を測定する。測定の結果、引張強
度は、57MPa、引張破断伸びは、5%、アイゾット
(ノッチ付き)衝撃強度は、2.7J/mである。
【0080】実施例 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−3)2gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−1)、(B−3)は、それ
ぞれ、0.2g、及び、0.8gである。密封したオー
トクレーブを200℃に設定したオイルバスに入れ、5
分間振とうし、パウダー状の内容物(C−13−1)を
100.5g得る。
【0081】内容物(C−13−1)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−13−
1)、濾液1(E−13−1)、乾燥物1(F−13−
1)48.9g、及び、濾液2(G−13−1)を得
る。濾液1(E−13−1)、及び、濾液2(G−13
−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、それぞ
れ、0.5及び0gである。実施例1と同様に、透明の
淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体(J−13
−1)を得る。
【0082】実施例 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−4)2gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−1)、(B−4)は、それ
ぞれ、0.2g、及び、0.6gである。密封したオー
トクレーブを200℃に設定したオイルバスに入れ、5
分間振とうし、パウダー状の内容物(C−14−1)を
100.2g得る。
【0083】内容物(C−14−1)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−14−
1)、濾液1(E−14−1)、乾燥物1(F−14−
1)49.2g、及び、、濾液2(G−14−1)を得
る。濾液1(E−14−1)、及び、濾液2(G−14
−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、それぞ
れ、0.4及び0gである。実施例1と同様に、透明の
淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体(J−14
−1)を得る。
【0084】実施例10 ポリフェニレンエーテル(A−1)100gと官能化化
合物(B−5)2gを用い、実施例1と同様の操作で、
窒素置換したオートクレーブ中に密封する。減圧・窒素
置換時に、系外に出る(A−1)、(B−5)は、それ
ぞれ、0.6g、及び、0.5gである。密封したオー
トクレーブを200℃に設定したオイルバスに入れ、5
分間振とうし、パウダー状の内容物(C−15−1)を
100.0g得る。
【0085】内容物(C−15−1)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−15−
1)、濾液1(E−15−1)、乾燥物1(F−15−
1)49.2g、及び、、濾液2(G−15−1)を得
る。濾液1(E−15−1)、及び、濾液2(G−15
−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、それぞ
れ、0.5及び0gである。実施例1と同様に、透明の
淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体(J−15
−1)を得る。
【0086】実施例11 ポリフェニレンエーテル(A−1)50kgと官能化化
合物(B−1)2kgを、ジャケット加熱可能な奈良機
械(株)社製NPD−16W型パドルドライヤー中に入
れ内部を窒素置換する。ジャケットに加熱水蒸気を導入
し200℃まで1時間かけて加熱する。ジャケット温度
が200℃に到達した後、15分間保温した後、冷水を
ジャケットに流し冷却する。
【0087】内容物(C−16−1)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−16−
1)、濾液1(E−16−1)、乾燥物1(F−16−
1)49.0g、及び、濾液2(G−16−1)を得
る。濾液1(E−16−1)、及び、濾液2(G−16
−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、それぞ
れ、0.3及び0gである。実施例1と同様に、透明の
淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体(J−16
−1)を得る。
【0088】実施例12 ポリフェニレンエーテル(A−1)150kgと官能化
化合物(B−1)2kgを、ジャケット加熱可能な三井
鉱山(株)社製FM500型ヘンシェルミキサー入れ内
部を窒素置換する。撹拌羽根を高速回転し、剪断発熱に
より内容物を200℃まで50分かけて加熱する。ジャ
ケット温度が200℃に到達した後、5分間高速回転を
継続した後、冷水をジャケットに流し冷却する。
【0089】内容物(C−17−1)のうちの50gか
ら、実施例1と同様の操作で、洗浄物1(D−17−
1)、濾液1(E−17−1)、乾燥物1(F−17−
1)49.3g、及び、濾液2(G−17−1)を得
る。濾液1(E−17−1)、及び、濾液2(G−17
−1)中に含まれる官能化化合物(B−1)は、それぞ
れ、0.25及び0gである。実施例1と同様に、透明
の淡い黄色で、異物は見られない平板状成形体(J−1
7−1)を得る。
【0090】
【発明の効果】本発明の官能化ポリフェニレンエーテル
の製造方法ににより、十分に官能化され、かつ、設備面
・エネルギー面での問題がなく、かつ、色調・外観と耐
熱性・機械物性のバランスが良く、産業界の要求に十分
応える官能化ポリフェニレンエーテルを提供することが
可能になった。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(式1)の構造単位からなるポリフ
    ェニレンエーテル(A)100重量部に対し、分子構造
    内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結
    合及び少なくとも1個のカルボキシル基、酸化アシル
    基、イミノ基、イミド基、水酸基、又はグリシジル基を
    有する少なくとも1種の官能化化合物(B)0.01〜
    10.0重量部を添加した混合物を150〜220℃の
    範囲の反応温度、即ち、ポリフェニレンエーテル
    (A)が固体の状態で、官能化化合物(B)と反応する
    ことを特徴とする官能化ポリフェニレンエーテルの製造
    方法。 【化1】 〔R1、R4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第
    一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロア
    ルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭
    化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロ
    ゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わし、R2、R3
    は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしく
    は第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭
    化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なく
    とも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てて
    いる)を表わす。〕
  2. 【請求項2】 ポリフェニレンエーテル(A)が、溶液
    より沈殿して得られるパウダー状のもので、融点が24
    0℃〜255℃のポリフェニレンエーテルであることを
    特徴とする請求項1記載の官能化ポリフェニレンエーテ
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 パドルドライヤーを用い製造することを
    特徴とする請求項1記載の官能化ポリフェニレンエーテ
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ヘンシェルミキサーを用い製造すること
    を特徴とする請求項1記載の官能化ポリフェニレンエー
    テルの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜のいずれかに記載の製造方
    法で製造された官能化ポリフェニレンエーテル。
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