JP3403179B2 - 官能基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

官能基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気、電子製品や
自動車、その他の各種工業材料、食品、包装分野のプラ
スチック材料として利用できる官能化ポリフェニレンエ
ーテルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは加工、生産性
に優れ、溶融射出成形法や溶融押し出し成形法等の成形
法により、所望の形状の製品、部品を効率よく生産でき
るため、電気・電子分野、その他の各種工業材料分野、
食品、包装分野の製品、部品の材料として幅広く用いら
れている。昨今、特に電気・電子分野、自動車分野、そ
の他の各種工業分野では製品、部品が多様化して、樹脂
材料に対する要求が幅広くなっている。
【0003】この要求に応えるために、異種材料との複
合化あるいは、各種既存高分子材料の組み合わせによる
ポリマーアロイ技術により、既存の材料にはなかった材
料特性をもつ樹脂材料が開発されている。通常のポリフ
ェニレンエーテルは耐熱性が高く、且つ機械特性に優れ
ているが、他の材料との親和性が乏しいために、複合化
できる相手の材料が限定される。特にポリアミドのよう
な極性の高い材料との親和性は非常に悪く、このような
樹脂と複合化させるためには、官能化ポリフェニレンエ
ーテルが必要である。
【0004】ポリフェニレンエーテルを官能化する手段
として、ポリフェニレンエーテル、もしくはポリフェニ
レンエーテルを含む樹脂組成物と官能基をもつ化合物を
反応させる方法が検討されてきた。例えば関連する技術
として、特公昭52−19864号公報、特公昭52−
30991号公報には、ポリフェニレンエーテルを溶液
状態で、ラジカル発生剤の存在下、スチレン、及び、無
水マレイン酸、あるいは重合可能な変性用化合物と混合
し、長時間反応させることにより官能化ポリフェニレン
エーテルを得る方法が提案されている。
【0005】しかし、これらの方法では、溶剤を用いる
ため溶解工程や重合工程、溶剤除去工程が必要であり、
設備面、エネルギー面で製造コストが割高になる。ま
た、特公平3−52486号公報、特開昭62−132
924号公報、特表昭63−500803号公報、特開
昭63−54425号公報には、ポリフェニレンエーテ
ルをラジカル発生剤の存在下、または、ラジカル発生剤
の非存在下で無水マレイン酸、あるいは、他の反応可能
な官能化化合物と混合し、樹脂が溶融した状態で反応さ
せ、官能化ポリフェニレンエーテルを得る方法が提案さ
れている。
【0006】しかし、この方法では樹脂を溶融させる温
度が非常に高温であるため、樹脂の熱劣化による変色、
黒色ゲルの発生など、色調または外観などの種々の問題
が発生している。また、特開2000−191769号
公報には固体状のポリフェニレンエーテルと官能化化合
物を反応させる方法が開示されている。しかしながら、
反応速度が遅く、生産効率が極めて低いという問題点が
あった。また、特公昭63−7204ではポリフェニレ
ンエーテルに有機又は無機のラジカル重合開始剤の存在
下でラジカル重合可能な化合物を気相状態で供給してい
るが、この方法では官能化化合物自体が単独で重合しや
すく、官能化化合物が効率よくポリフェニレンエーテル
へ付加されないという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、色調、外観
に優れた官能化ポリフェニレンエーテルを短時間で効率
よく得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、官能化ポリ
フェニレンエーテルの製造法について鋭意検討を進めた
結果、ポリフェニレンエーテルを気体状態の官能化化合
物の気流中で反応させることにより、官能化ポリフェニ
レンエーテルが短時間で得られることを見出し、本発明
に到った。
【0009】即ち本発明は、(A)ポリフェニレンエー
テルと(B)分子内に少なくとも1個の炭素−炭素二重
結合または三重結合、およびカルボキシル基、酸化アシ
ル基、イミノ基、イミド基、水酸基およびグリシジル基
からなる群から選ばれる少なくとも1個の官能基を有す
る少なくとも1種の官能化化合物を反応させる方法にお
いて、該官能化化合物を気体の状態でポリフェニレンエ
ーテルに連続的に吹き込みながら、ポリフェニレンエー
テルの溶融温度以下の温度でポリフェニレンエーテルと
反応させることを特徴とする官能化ポリフェニレンエー
テルの製造方法を提供するものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるポリフェニレンエーテルとは下記(式1)の構造
を持ち、30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液の
還元粘度が0.15〜1.0dl/gの範囲、より好ま
しくは0.20〜0.70dl/gの範囲にある重合
体、または共重合体である。
【0011】
【化1】
【0012】[R1、R2、R3、R4は各々独立し
て、水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表
す。] 具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2−メチルー6−フェニルー
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6
−フェニルー1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等
である。
【0013】本発明の共重合体の具体例としては、2,
6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば
2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−
メチルブチルフェノール)との共重合体のようなポリフ
ェニレンエーテル共重合体などが挙げられる。中でもポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリ
メチルフェノールとの共重合体が好ましく使用でき、最
も好ましくはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)である。
【0014】本発明で使用するポリフェニレンエーテル
の形態は粉体、ペレットの状態で使用できるが、粉体が
好ましい。粉体の一例としてはポリフェニレンエーテル
をトルエン、キシレン等の良溶媒に溶かした溶液にメタ
ノール、アセトン等の貧溶媒を加えて得られるポリフェ
ニレンエーテルの粒状の沈殿を乾燥して得られるものが
挙げられる。さらに本発明のポリフェニレンエーテルに
は目的に応じ適当な添加剤を添加しても良い。添加剤と
しては、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性
剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤、ジアルキルパーオ
キサイド、パーオキシ、パーオキシカーボネート、ヒド
ロパーオキサイド、パーオキシケタール等が挙げられ
る。
【0015】本発明で用いる官能化化合物は、分子内に
少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合及
び、カルボキシル基、酸化アシル基、イミノ基、イミド
基、水酸基およびグリシジル基からなる群から選ばれる
少なくとも1個の官能基を有する少なくとも1種の有機
化合物である。これらの官能化化合物のうち、分子内に
二重結合及び、少なくとも1個のカルボキシル基、酸化
アシル基またはイミド基を分子内に有する化合物が好ま
しい。
【0016】具体例としては、無水マレイン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、フェニルマレイミド、イタコン酸、グ
リシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなど
が挙げられ、中でも無水マレイン酸が好ましい。本発明
では、ポリフェニレンエーテルと反応させる気体状の官
能化化合物を、ポリフェニレンエーテルに連続的に吹き
込むことを特徴とする。官能化化合物をポリフェニレン
エーテルに対して流速をつけることにより、官能化化合
物成分が固体のポリフェニレンエーテルを取り巻くガス
境膜を通じて粒子表面へ拡散する素過程の速度が増加す
るため、反応速度が増加する効果が現れる。気体状の官
能化化合物を流動させる際、ポリフェニレンエーテルに
対する気体の線速が大きいほど反応速度は増加するが、
線速が大きくなるにつれて飛散する粉体量が増加し操作
は困難になる。ポリフェニレンエーテルに対する気体状
の官能化化合物の好ましい線速は0.05m/秒〜10
m/秒の範囲である。
【0017】気体状の官能化化合物を流動させて、ポリ
フェニレンエーテルと反応させる有効な具体例として
は、ポリフェニレンエーテルを流動層または固定層と
し、ここに気体状の官能化化合物を吹き込む方法や、攪
拌羽根を備えた装置にポリフェニレンエーテルを仕込
み、ここに気体状の官能化化合物を吹き込む方法などが
挙げられる。ポリフェニレンエーテルを流動層とする装
置の例を図1に、固定層とする装置の例を図2および図
3に示す。
【0018】好ましい反応装置としてはヘンシェルミキ
サー、パドルドライヤーが挙げられる。本発明では官能
化化合物を気体の状態でポリフェニレンエーテルへ供給
する。供給方法は、例えば気体状の官能化化合物を直接
供給する方法、不活性ガスで希釈して供給する方法など
が挙げられる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴ
ン、窒素などが挙げられ、特に窒素が好ましい。
【0019】気体状の官能化化合物を不活性ガスで希釈
する場合は、官能化化合物の体積濃度が1%以上である
ことが好ましい。官能化化合物の体積濃度は官能化化合
物を気化させる温度での飽和蒸気圧から得ることができ
る。例えば、開放系の容器で無水マレイン酸を190℃
に加熱し、気液平衡に達した場合、無水マレイン酸の体
積濃度は79%である。官能化化合物の体積濃度が高い
ほど反応速度が増加し、好ましい。体積濃度が1%未満
では反応速度が遅く、官能化ポリフェニレンエーテルの
生産効率は極端に低下する。
【0020】本発明で官能化化合物とポリフェニレンエ
ーテルを反応させるときの好ましい温度は100〜23
0℃である。反応温度が高いほど反応速度は高くなる
が、230℃を越えるとポリフェニレンエーテルが溶融
し、色調が悪化する。本発明では、反応を促進するため
にラジカル開始剤を添加することもできる。ラジカル開
始剤として好ましくは有機過酸化物が用いられる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に実施例により本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限
定されるべきではない。 <評価方法> 1.官能化ポリフェニレンエーテルに付加した無水マレ
イン酸の量 まず、反応後の官能化ポリフェニレンエーテル粉末に残
存する未反応の無水マレイン酸を除去するために、ソッ
クスレー抽出器を用いて、反応生成物を加熱されたアセ
トンで3時間以上洗浄した。なお、反応後の官能化ポリ
フェニレンエーテルが溶融した場合や押し出し機を用い
てペレットとした場合には乳鉢で十分粉砕し粉体状にし
た後に、この洗浄操作を行った。洗浄後のポリマーを1
50℃、0.1mmHgの条件で1時間、減圧乾燥させ
た。乾燥後の官能化ポリフェニレンエーテルに未反応の
無水マレイン酸が残存しないことは、乾燥後の粉末をク
ロロホルムに溶かし、溶液をガスクロマトグラフィーに
より分析し、無水マレイン酸に相当するピークが完全に
消失することにより確認した。
【0022】洗浄、乾燥後の官能化ポリフェニレンエー
テルに付加している無水マレイン酸量はフェノールフタ
レインを指示薬とする滴定により定量を行った。具体的
には、500mlの三角フラスコに1gの官能化ポリフ
ェニレンエーテルを秤量し、さらに200mlのトルエ
ンを加えて完全に溶解させた。この溶液にフェノールフ
タレインのエタノール溶液を2〜3滴加えた後、0.0
1mol/lのナトリウムメチラートのメタノール溶液
を溶液全体がピンク色に呈色するまでビュレットから滴
下し、滴下したナトリウムメチラートのメタノール溶液
の容量から、無水マレイン酸の付加量を求めた。
【0023】2.官能化ポリフェニレンエーテルの色調 官能化ポリフェニレンエーテル0.5gをクロロホルム
10mlに溶かし、その溶液を光路長1cmの石英セル
に入れた。これを分光光度計を使って480nmにおけ
る吸光度を測定し、その測定値を20倍した。この測定
値が大きいほどポリフェニレンエーテルは反応中に熱劣
化を受け、色調が悪化したことになる。原料のポリフェ
ニレンエーテル粉末の色調測定値は0.23であった。
【0024】3.官能化ポリフェニレンエーテルに含ま
れる黒色異物の数 官能化ポリフェニレンエーテル5gをクロロホルム50
mlに溶解させた後、この溶液を直径10cmのろ紙で
ろ過した。ろ過終了後、ろ紙上の黒色異物の数を肉眼で
数えた。なお、原料のポリフェニレンエーテル粉末にも
黒色異物は3個含まれていた。この黒色異物はポリフェ
ニレンエーテルのゲル生成物や外部から混入したゴミ等
である。
【0025】4.ポリフェニレンエーテルの還元粘度 ポリフェニレンエーテルを0.5g/100mlのクロ
ロホルム溶液とし、30℃においてウベローデ粘度計を
用いて測定した結果、0.43dl/gであった。
【0026】
【実施例1】本発明の実施に用いた装置を図4に示す。
無水マレイン酸を気化させる槽(A槽)とポリフェニレ
ンエーテルと無水マレイン酸を反応させるB槽から構成
される。A槽に粉末状の無水マレイン酸を500g、B
槽にガラスウール(F1)を詰め、その上に粉体状のポ
リフェニレンエーテルを10g入れた。さらにB槽の上
部にもガラスウール(F2)を詰め、ポリフェニレンエ
ーテルの粉体が気流で飛散しないようにした。A、Bと
もに真空ポンプで0.1mmHg以下に減圧にした後、
窒素ガスを吸入させて容器内を完全に窒素置換した。
A、Bともに加熱したオイル浴に入れた。この時、Aで
は無水マレイン酸の温度が190℃になるように、Bで
はポリフェニレンエーテルの粉末の温度が190℃にな
るようにオイル浴を温度調整した。温度が190℃に安
定した時点でバルブC及びバルブDを開放するとともに
バルブEからAに窒素ガスを送った。その結果、Bには
0.082m/秒の線速で無水マレイン酸と窒素の混合
ガスが送られた。B槽に無水マレイン酸と窒素の混合ガ
スを送り始めてから20分後にバルブC,D,Eを閉
じ、Bから官能化ポリフェニレンエーテルの粉末を取り
出した。官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレイン
酸の付加量は、0.57重量部であった。色調の測定値
は0.33、黒色異物数は、3個であった。
【0027】
【実施例2】無水マレイン酸と窒素の混合ガスの線速を
0.164m/秒とした他は実施例1と同様に行った。
官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量
は0.73重量部、色調の測定値は0.38,黒色異物
数は3個であった。
【0028】
【実施例3】無水マレイン酸と窒素の混合ガスの線速を
0.246m/秒とした他は実施例1と同様に行った。
官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量
は1.12重量部、色調の測定値は0.36,黒色異物
数は3個であった。
【0029】
【実施例4】無水マレイン酸と窒素の混合ガスの線速を
10m/秒とした他は実施例1と同様に行った。官能化
ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量は1.
12重量部、色調の測定値は0.33,黒色異物数は3
個であった。
【0030】
【実施例5】無水マレイン酸と窒素の混合ガスの線速を
0.04m/秒とした他は実施例1と同様に行った。官
能化ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量は
0.35重量部、色調の測定値は0.39,黒色異物数
は3個であった。
【0031】
【実施例6】無水マレイン酸と窒素の混合ガスの線速を
20m/秒とした他は実施例1と同様に行った。官能化
ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量は1.
52重量部、色調の測定値は0.41,黒色異物数は3
個であった。
【0032】
【比較例1】B槽にポリフェニレンエーテルを入れない
状態で、A槽、B槽を実施例1と同様にして窒素置換し
た後、両方の槽をオイルバスに投入し、加熱した。この
時A槽の無水マレイン酸が190℃になるようにオイル
温度を調整した。次にバルブC,D,Eを開け、バルブ
Eから毎分3Lの窒素を流し、B槽に気体の無水マレイ
ン酸と窒素の混合ガスを送りB槽をガス置換した。この
ガス置換の操作を20分行い、B槽内を完全にガス置換
した。次に、バルブCを閉じ、バルブDからポリフェニ
レンエーテルの粉体10gを入れた。この時B槽を揺ら
して、粉体がガラスウール上に均一に広がるようにし
た。次にバルブDも閉じ、B槽内のポリフェニレンエー
テルの温度が190℃となるようにオイル温度を調整し
た。ポリフェニレンエーテルをB槽に投入して20分経
過した時点でB槽をオイルから取り出し、冷却した。官
能化ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量は
0.17重量部、色調の測定値は0.29,黒色異物数
は3個であった。
【0033】
【実施例7】A槽の無水マレイン酸とB槽のポリフェニ
レンエーテルの温度を150℃とした他は実施例1と同
様に行った。官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレ
イン酸付加量は0.33重量部、色調の測定値は0.2
9,黒色異物数は4個であった。
【0034】
【実施例8】A槽の無水マレイン酸とB槽のポリフェニ
レンエーテルの温度を230℃とした他は実施例1と同
様に行った。官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレ
イン酸付加量は1.51重量部、色調の測定値は0.3
3,黒色異物数は3個であった。
【0035】
【実施例9】A槽の無水マレイン酸とB槽のポリフェニ
レンエーテルの温度を120℃とした他は実施例3と同
様に行った。官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレ
イン酸付加量は0.71重量部、色調の測定値は0.3
1,黒色異物数は4個であった。
【0036】
【実施例10】A槽の無水マレイン酸とB槽のポリフェ
ニレンエーテルの温度を90℃とした他は実施例1と同
様に行った。官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレ
イン酸付加量は0.28重量部、色調の測定値は0.3
1,黒色異物数は4個であった。
【0037】
【比較例2】A槽の無水マレイン酸とB槽のポリフェニ
レンエーテルの温度を240℃とした他は実施例1と同
様に行った。ポリフェニレンエーテルの粉体は溶融し
て、色調が悪化した。官能化ポリフェニレンエーテルの
無水マレイン酸付加量は1.52重量部、色調の測定値
は2.29であった。
【0038】
【比較例3】A槽の無水マレイン酸とB槽のポリフェニ
レンエーテルの温度を240℃とした他は実施例2と同
様に行った。ポリフェニレンエーテルの粉体は溶融し
て、色調が悪化した。官能化ポリフェニレンエーテルの
無水マレイン酸付加量は1.53重量部、色調の測定値
は2.89であった。
【0039】
【実施例11】本実施例で使用した装置を図5に示す。
(5)の槽に無水マレイン酸500gを仕込み、三井鉱
山(株)社製ヘンシェルミキサーFM10C/I型と配
管で接続した。ヘンシェルミキサーにはポリフェニレン
エーテルの粉末2Kgを仕込み、窒素気流で槽内を置換
しつつ、600rpmで攪拌した。その後、ミキサーの
ジャケットに200℃のオイルを送り、ポリフェニレン
エーテル粉末が190℃になるまで加熱した。(5)の
槽はオイルバスに入れ、槽内の無水マレイン酸の温度が
190℃となるように調整した。ポリフェニレンエーテ
ル粉末と無水マレイン酸の温度が190℃で安定した時
点で、バルブ(8)を開けて(5)の槽に窒素1L/分
を流した。この時にバルブ(7)を開けると、ヘンシェ
ルミキサーには無水マレイン酸と窒素の混合ガス(無水
マレイン酸の体積濃度79%)が送られた。この時、バ
ルブ(10)は閉じ、バルブ(9)は開放した。そのま
ま攪拌とガスの流通を20分間継続した。20分後、装
置ジャケットから200℃オイルを抜き取り、代わりに
室温のオイルを送ってミキサー槽内のポリフェニレンエ
ーテル粉末を室温にまで冷却した。官能化ポリフェニレ
ンエーテルの無水マレイン酸付加量は0.92重量部、
色調の測定値は0.35、黒色異物数は、3個であっ
た。
【0040】
【比較例4】図5の装置を使用した。ヘンシェルミキサ
ーにPPEの粉体を2Kg仕込み、(5)の容器に無水
マレイン酸500gを仕込んだ。実施例11と同様にし
てポリフェニレンエーテルと無水マレイン酸の温度を1
90℃に調整した。バルブ(7)、(9)、(10)を
閉じた状態でヘンシェルミキサー内を真空ポンプで減圧
にした後密閉し、ミキサー内を減圧にした。次に、バル
ブ(7)を開けると(5)の容器から無水マレイン酸の
ガスはミキサー内に吸引され、ミキサー内は瞬時に無水
マレイン酸のガスで満たされた。バルブ(7)を閉じ、
ミキサーを密閉させた状態で攪拌機を起動し、ポリフェ
ニレンエーテルと無水マレイン酸のガスを20分間、攪
拌混合した。20分後、装置ジャケットから200℃オ
イルを抜き取り、代わりに室温のオイルを送ってミキサ
ー槽内のポリフェニレンエーテル粉末を室温にまで冷却
した。官能化ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸
付加量は0.13重量部、色調の測定値は0.34、黒
色異物数は、3個であった。
【0041】
【実施例12】本実施例で使用した装置を図5に示す。
(5)の槽に無水マレイン酸500gを仕込み、三井鉱
山(株)社製ヘンシェルミキサーFM10C/I型と配
管で接続した。ヘンシェルミキサーにはポリフェニレン
エーテルの粉末2Kgを仕込み、窒素気流で槽内を置換
しつつ、600rpmで攪拌した。その後、ミキサーの
ジャケットに200℃のオイルを送り、ポリフェニレン
エーテル粉末が190℃になるまで加熱した。(5)の
槽はオイルバスに入れ、槽内の無水マレイン酸の温度が
190℃となるように調整した。ポリフェニレンエーテ
ル粉末と無水マレイン酸の温度が190℃で安定した時
点で、バルブ(8)を開けて(5)の槽に窒素1L/分
を流した。この時にバルブ(7)を開け、さらにバルブ
(10)を開けてここから窒素ガス40L/分を送るこ
とにより、ヘンシェルミキサーには無水マレイン酸の体
積濃度1.9%の無水マレイン酸と窒素の混合ガスが送
られた。そのまま攪拌とガスの流通を20分間継続し
た。20分後、装置ジャケットから200℃オイルを抜
き取り、代わりに室温のオイルを送ってミキサー槽内の
ポリフェニレンエーテル粉末を室温にまで冷却した。官
能化ポリフェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量は
0.23重量部、色調の測定値は0.35、黒色異物数
は3個であった。
【0042】
【比較例5】ポリフェニレンエーテル粉末5Kgと固形
の無水マレイン酸100gをよく混合させた後、ウェル
ナー社製の二軸押し出し機ZSK−25を使って320
℃で混練押し出しを行い、ペレットを得た。官能化ポリ
フェニレンエーテルの無水マレイン酸付加量は0.40
重量部、色調の測定値は3.13、黒色異物数は、61
個であった。
【0043】
【比較例6】無水マレイン酸を200gとした他は比較
例5と同様に行った。官能化ポリフェニレンエーテルの
無水マレイン酸付加量は0.56重量部、色調の測定値
は2.33、黒色異物数は、49個であった。
【0044】
【参考例1】実施例11で得られた反応生成物を150
℃、真空下で2時間静置乾燥させ、未反応の無水マレイ
ン酸を除去した。遊離した無水マレイン酸が完全に除去
されたことは乾燥後の粉末のクロロホルム溶液をガスク
ロマトグラフィーにより分析し、無水マレイン酸に相当
するピークが完全に消失することにより確認した。ま
た、乾燥後のポリフェニレンエーテル粉末に付加した無
水マレイン酸を定量した結果、乾燥前と同じ0.92重
量部であった。この乾燥後の官能化ポリフェニレンエー
テルの粉末30重量部と水素添加スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体、ポリアミド66樹脂を59重量部と
ポリアミド6樹脂を5重量部をよく混合させた後、ウェ
ルナー社製の二軸押し出し機ZSK−25を使って32
0℃で混練押し出しを行い、ペレットを得た。このペレ
ットを射出成形機によりASTM規格試験片に成形し、
アイゾット(ノッチ付き)衝撃強度(ASTM D−2
56:23℃)を測定した結果、240J/mであっ
た。
【0045】
【参考例2】比較例4で得られた官能化ポリフェニレン
エーテルを用いた他は、参考例1と同様の操作を行い、
ペレットを得た。このペレットを射出成形機によりAS
TM規格試験片に成形し、アイゾット(ノッチ付き)衝
撃強度(ASTM D−256:23℃)を測定した結
果、80J/mであった。
【0046】
【本発明の効果】本発明の方法により、短時間で十分に
官能化され、かつ、色調、外観、機械物性に優れた官能
化ポリフェニレンエーテルを提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリフェニレンエーテルを官能化化合物のガス
で官能化させるための装置の概略図
【符号の説明】
(1):ポリフェニレンエーテル (2):バッグフィルター (3):ノズルジェット (4):金属製メッシュ 図中に示された矢印は気体状の官能化化合物の流動方向
を示す。
【図2】ポリフェニレンエーテルを官能化化合物のガス
で官能化させるための装置の概略図
【符号の説明】
(1):ポリフェニレンエーテル (2):バッグフィルター (3):ノズルジェット (4):金属製メッシュ 図中に示された矢印は気体状の官能化化合物の流動方向
を示す。
【図3】ポリフェニレンエーテルを官能化化合物のガス
で官能化させるための装置の概略図
【符号の説明】
(1):ポリフェニレンエーテル (2):モーター (3):攪拌羽根 (4):金属製メッシュ 図中に示された矢印は気体状の官能化化合物の流動方向
を示す。
【図4】ポリフェニレンエーテルを官能化化合物のガス
で官能化させるための装置の概略図
【符号の説明】
A:官能化化合物をガス化させるための槽(A槽)で容
量は1.2L、内径(D)と高さ(L)の比(L/D)
は2 B:ポリフェニレンエーテルと官能化化合物を反応させ
るための反応槽容量は1L、内径(D)と高さ(L)の
比(L/D)は2 C、D,E:バルブである。バルブDはポリフェニレン
エーテルの粉体が通る程度の口径 F1、F2:ガラスウール、 G:ポリフェニレンエーテルの粉体 H:熱伝対温度計 L1、L2、L3:配管
【図5】ポリフェニレンエーテルを気体状の官能化化合
物で官能化させるための装置の概略図である。
【符号の説明】
(1):ポリフェニレンエーテル、 (2):モーター、 (3):攪拌羽根、 (4):熱伝対温度計、 (5):無水マレイン酸を加熱、気化させるための槽容
量は1L、内径(D)と高さ(L)の比(L/D)は2 (6):無水マレイン酸、 (7)、(8):バルブである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/48

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンエーテルと(B)分
    子内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重
    結合、およびカルボキシル基、酸化アシル基、イミノ
    基、イミド基、水酸基およびグリシジル基からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1個の官能基を有する少なくとも
    1種の官能化化合物を反応させる方法において、該官能
    化化合物を気体の状態でポリフェニレンエーテルに連続
    的に吹き込みながら、ポリフェニレンエーテルの溶融温
    度以下の温度でポリフェニレンエーテルと反応させるこ
    とを特徴とする官能化ポリフェニレンエーテルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】官能化化合物が無水マレイン酸である請求
    項1記載の官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  3. 【請求項3】気体状態の官能化化合物を吹き込む際の線
    速がポリフェニレンエーテルに対して0.05m/秒〜
    10m/秒であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  4. 【請求項4】気体状態の官能化化合物を不活性ガスで希
    釈することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の官能化ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  5. 【請求項5】気体状態の官能化化合物の体積濃度が1%
    以上であることを特徴とする請求項4記載の官能化ポリ
    フェニレンエーテルの製造方法。
  6. 【請求項6】反応速度が100℃〜230℃であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の官能化ポ
    リフェニレンエーテルの製造方法。
  7. 【請求項7】ポリフェニレンエーテルが流動層を形成す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の官
    能化ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  8. 【請求項8】ポリフェニレンエーテルが固定層であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の官能化
    ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  9. 【請求項9】ヘンシェルミキサーを用いて反応させるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の官能化
    ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  10. 【請求項10】パドルドライヤーを用いて反応させるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の官能化
    ポリフェニレンエーテルの製造方法。
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