JP3289699B2 - 押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法 - Google Patents

押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法

Info

Publication number
JP3289699B2
JP3289699B2 JP08514299A JP8514299A JP3289699B2 JP 3289699 B2 JP3289699 B2 JP 3289699B2 JP 08514299 A JP08514299 A JP 08514299A JP 8514299 A JP8514299 A JP 8514299A JP 3289699 B2 JP3289699 B2 JP 3289699B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
billet
lubricant
rear end
container
stem
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08514299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000271632A (ja
Inventor
幹雄 清水
武司 植村
準一 鹿野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP08514299A priority Critical patent/JP3289699B2/ja
Publication of JP2000271632A publication Critical patent/JP2000271632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3289699B2 publication Critical patent/JP3289699B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Of Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィックスドダミーと
の焼付き防止に有効な潤滑剤をビレットの後端面に塗布
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムの押出加工では、高温に加
熱したビレットを押出機のコンテナに装填し、先端にフ
ィックスドダミーを取り付けたステムでビレットを前方
に押し進める。押圧力を受けたビレットは、コンテナの
前方に配置されているダイスの賦形空間を通過し、所定
断面形状をもつ押出形材として押し出される。押出工程
では、フィックスドダミーが高温の押出用ビレットに高
圧で押し付けられるため、フィックスドダミーとビレッ
トとの間に焼付きが発生し易い。フィックスドダミーに
ビレットが焼き付くと、押出終了後にステムを後退させ
る際、ダイス内のビレットが後方に引っ張られ、メタル
が不均一に剥ぎ取られる。この状態で次のビレットを装
填すると、先のメタル表面が不均一になっているため、
新しいビレットと不均一ビレットとの間に空気が侵入す
る。侵入空気が押出形材に巻き込まれると、ブローホー
ル等の欠陥となる。侵入空気の巻込みに起因する欠陥の
発生を防止するためには、次の押出に先立ってフィック
スドダミーに焼き付いて付着したメタルを除去する必要
があり、手間や時間がかかる。そこで、フィックスドダ
ミーの先端面又はビレットの後端面に潤滑剤を塗布する
ことにより、フィックスドダミーとビレットとの間の焼
付きを防止している。
【0003】たとえば、特開平7−88539号公報で
は、フィックスドダミーの端面に固形潤滑剤を塗布する
ことにより、フィックスドダミーとビレットとの間の潤
滑を図っている。この場合に使用される潤滑剤塗布装置
1は、図1に示すようにタイロッド1aに固定配置さ
れ、シリンダ1bで押出方向Dに関して前後退可能なア
ーム1cにモータ1dを揺動可能に取り付け、固形潤滑
剤1eをモータ1dの出力軸に固定している。押出に先
立って、ステム2をコンテナ3から最も離れた後退限に
移動させる。ステム2が後退限にあるとき、アーム1c
の回転により固形潤滑剤1eをステム2とコンテナ3と
の間でステム2の軸線上に位置させる。そして、シリン
ダ1bによりアーム1cをステム2の方向に移動させる
と、固形潤滑剤1eは、ステム2の先端に取り付けられ
ているフィックスドダミー2aに接触する。そこで、モ
ータ1dを駆動させ、固形潤滑剤1eをフィックスドダ
ミー2aに押し付けることにより、フィックスドダミー
2aの表面に固形潤滑剤1eが塗布される。
【0004】固形潤滑剤1eを塗布した後、シリンダ1
bによりアーム1cを押出方向Dに移動させ、アーム1
cの回転により固形潤滑剤1eをステム2とコンテナ3
との間から待避させる。次いで、ステム2を押出方向D
に移動させ、ビレットMをコンテナ3に充填し押圧す
る。押圧されたビレットMは、ダイス4の賦形空間を通
過するとき所定の断面形状に成形され、押出形材として
押し出される。押出終了後、ステム1は図1左方向に後
退するが、フィックスドダミー2aに固形潤滑剤が塗布
されているためビレットMとの間で焼付きが発生せず、
コンテナ3内にあるメタルの剥ぎ取りが防止される。
【0005】しかし、モータ1dを駆動させて固形潤滑
剤1eをフィックスドダミー2aに塗布している間、押
出機を停止させる必要がある。その結果、押出完了から
次の押出用に押出機の準備が完了するまでの時間(押出
機アイドルタイム)が長くなり、押出機の稼働率が低下
する。また、後退限のフィックスドダミー2aがコンテ
ナ3の近傍に位置するため、フィックスドダミー2aに
固形潤滑剤1eを塗布する際、潤滑剤が飛散してコンテ
ナ3の内部に付着することもある。コンテナ3内部に潤
滑剤が付着すると、押出形材に潤滑剤が巻込まれる虞れ
が高くなり、押出形材の品質を低下させる原因になる。
しかも、油性の固形潤滑剤1eを使用しているので、引
火の危険もある。ビレット側に潤滑剤を塗布する場合、
高温のビレットに水溶性の潤滑剤を短時間で均一に塗布
することは困難であるため、ビレットヒータで加熱する
前のビレットの後端面に潤滑剤を塗布している。この潤
滑剤塗布は、押出機の動作に干渉せず且つコンテナから
離れた位置で実施されるため、押出機のアイドルタイム
を延長する原因にならず、塗布時に飛散した潤滑剤がコ
ンテナ内部に付着することもない。しかも、水溶性の潤
滑剤が使用可能なため、引火の危険もない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】押出に先立つビレット
Mの加熱には、短時間加熱,テーパ加熱等が可能なこと
から低周波誘導加熱タイプのビレットヒータが通常使用
されている。被加熱材であるビレットMは、図2に示す
ようにビレット切断機5で長尺の鋳塊M0 から切り出さ
れ、ビレットヒータ6に順次送り込まれる。ビレットヒ
ータ6内には通常2,3本のビレットM1 〜M3 が収容
されており(図3)、先頭にあるビレットM1 の加熱が
完了すると、後方から未加熱のビレットM3 をプッシャ
ー7でビレットヒータ6内に押し込む。未加熱ビレット
3 の押込みによって、加熱が完了した先行ビレットM
1 がビレットヒータ6から押し出される。押し出された
ビレットMは、搬送ロール8で押出機10に送られる。
後続ビレットM3 で先行ビレットM1 を押しながらビレ
ットヒータ6内を通過させてビレットM1 〜M3 を加熱
するため、ビレットヒータ6で加熱する前のビレットM
1 ,M2 の後端面に潤滑剤を塗布しておくと、その後端
面に接触する後続ビレットM2 ,M3 の先端面に潤滑剤
が転写される。ビレットMの先端面に転写された潤滑剤
は、ビレットMと共にコンテナ3内に持ち込まれて押出
形材に混入し、押出形材の品質を低下させる原因とな
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、ビレットヒータ
から送り出されたビレットがコンテナ孔とステムを通る
軸線上に払い出される前にビレットの後端面に潤滑剤を
塗布することにより、押出機のアイドルタイムを長くす
ることなく、コンテナ内への潤滑剤の持込みを極力少な
くし、ビレットとフィックスドダミーとの焼付きを防止
することを目的とする。本発明の潤滑剤塗布方法は、そ
の目的を達成するため、ビレットヒータで加熱されて送
り出されたビレットが押出機のコンテナ孔とステムとを
結ぶ軸線上に到達する前に、ビレットの後端面に潤滑剤
を塗布することを特徴とする。潤滑剤としては、潤滑成
分率2〜12%の水溶性潤滑材が使用される。この場
合、吹付け空気圧2〜8kgf/cm2 で塗布量が0.
005〜0.1g/cm 2 となるように水溶性潤滑剤を
ビレットの後端面に噴霧することが好ましい。
【0008】
【実施の形態】ビレットMの後端面に潤滑剤を塗布する
潤滑剤塗布装置11は、たとえば図2ではビレットMを
押出機10に払い出すビレットローダ12の側方に配置
している。しかし、潤滑剤塗布装置11の配置位置はこ
れに拘束されるものではなく、ビレットヒータ6から送
り出されたビレットMがコンテナ3のコンテナ孔3aと
ステム2を結ぶ軸線X−X上に到達する前である限り、
ビレットMの搬送経路に沿ったどの位置に潤滑剤塗布装
置11を配置しても良い。或いは、搬送中のビレットM
に潤滑剤が塗布されるように、ビレットMの搬送方向d
に関して移動可能に潤滑剤塗布装置11を設けることも
可能である。鋳造後に均質化処理された鋳塊M0 は、ビ
レット切断機5によってコンテナ寸法,製品寸法等を考
慮した最適長さのビレットMに切断される。切断された
ビレットMは、ビレットヒータ6に送り込まれ、ビレッ
トMの材質や押出形材の形状等を考慮して400〜53
0℃に加熱される。
【0009】図3は、ビレットヒータ6内で複数のビレ
ットを加熱する一例を示す。ビレットヒータ6内に2本
のビレットM1 〜M2 が入っており、ビレットヒータ6
の入側に後続ビレットM3 が待機している(a)。先頭
ビレットM1 が所定温度に加熱されたとき、未加熱の後
続ビレットM3 をプッシャー7でビレットヒータ6内に
押込む(b)。押し込まれた後続ビレットM3 が先行ビ
レットM1 ,M2 を押し、加熱が完了した先行ビレット
1 がビレットヒータ6から搬送ロール8に押し出され
る(c)。
【0010】ビレットヒータ6から出たビレットMは、
搬送ロール8により送られ、押出機10の外に位置する
ビレットローダ12に移載される。ビレットローダ12
に移載されたビレットMの後端面Se に潤滑剤塗布装置
11のエアスプレーノズル13(図4)を指向させ、ビ
レットMの後端面Se に潤滑剤Lを噴霧・塗布する。潤
滑剤Lの噴霧に際しては、ビレットMの周面Sc に潤滑
剤Lが付着しないように、エアスプレーノズル13とビ
レットMとの間に遮蔽板14aを配置することが好まし
い(図4a)。遮蔽板14aにビレットMの直径よりも
若干小さな開口部15を開け、開口部15を通過した潤
滑剤Lを後端面Se に付着させるとき、周面Sc に対す
る潤滑剤Lの付着が防止される。また、開口部15がビ
レットMの直径よりも若干小さいため、後端面Se の周
辺部に付着する潤滑剤が少なくなり、その分だけコンテ
ナ3に持ち込まれて残留する潤滑剤が減少する。遮蔽板
14aに替えて飛散防止カバー14bを用い、エアスプ
レーノズル13とビレットMの後端面Se との間を閉鎖
空間にすることもできる(図4b)。
【0011】潤滑剤Lとしては、黒鉛を含まない水溶性
潤滑剤が好ましい。たとえば、フタル酸のアルカリ金属
塩,沃化カリウム,ポリアルキレンエーテルグリコール
等を潤滑成分として潤滑成分率2〜12%に溶解又は懸
濁させた水溶液が使用される。潤滑剤Lを吹付け空気圧
2〜8kgf/cm2 で塗布し、ビレットMの後端面S
e に塗布量0.005〜0.1g/cm2 の潤滑膜を形
成する。吹付け条件をこのように制御するとき、高温ビ
レットMの後端面Se に対しても焼付き防止に有効な潤
滑膜を形成できる。潤滑成分率は、110℃×1時間の
加熱により水分を蒸発させた潤滑剤の重量をW1 ,加熱
前の潤滑剤の重量をW0 とするとき、W1 /W0 ×10
0(%)で表わされる値であり、希釈程度を示す。潤滑
剤Lの潤滑成分率は、ビレットMの後端面Se に形成さ
れる潤滑膜の形成効率及び形態に影響し、必要な潤滑作
用を呈する均一な潤滑膜を効率よく生成する上で2〜8
kgf/cm2 の範囲に設定される。潤滑成分率が12
%を超えると、潤滑剤の流動性が低下し、均一な潤滑膜
が形成されなくなる。逆に2%に満たない潤滑成分率で
は、液濃度が希薄なため、十分な潤滑膜を形成するため
に長時間の塗布が必要になる。
【0012】潤滑剤Lが後端面Se に塗布されるビレッ
トMは、押出加工時のメタルフローを容易にするため通
常400〜530℃の温度域に加熱されている。高温加
熱されているビレットMに水溶性潤滑剤を吹き付ける
と、ビレットMの表面近傍で潤滑剤Lの水分が沸騰し、
沸騰膜が生成する。ビレットMの後端面Se に潤滑膜を
形成するためには、沸騰膜を破壊して潤滑剤Lをビレッ
トMの後端面Se に供給することが必要になる。本発明
では、吹付け空気圧を2kgf/cm2 以上に高くして
潤滑剤Lの吹付け圧を上げることにより沸騰膜を破壊
し、ビレットMの後端面Se に均一な膜厚をもつ潤滑膜
を形成している。2kgf/cm2 未満の吹付け空気圧
では、沸騰膜の破壊に必要な潤滑剤Lの吹付け圧が得ら
れず、ビレットMの後端面Se に形成される潤滑膜の膜
厚が不均一になりやすい。しかし、8kgf/cm2
超える吹付け空気圧では、潤滑剤Lの噴霧方向に絞りが
加わって塗布面積が小さくなるため、ビレットMの後端
面Se に潤滑剤が塗布されない部分が残る。何れの場合
も、形成された潤滑膜は十分な潤滑作用を示さず、ビレ
ットMとフィックスドダミー2aとの間の焼付き防止に
有効でない。
【0013】ビレットMの後端面Se に形成される潤滑
膜は、ビレットMとフィックスドダミー2aとの間の焼
付きを防止するために必要な厚みをもつことが要求され
る。潤滑膜の膜厚は潤滑剤Lの塗布量で評価でき、塗布
量を0.005〜0.1g/cm2 の範囲に調整すると
き、焼付き防止に有効な膜厚をもつ潤滑膜が形成され
る。塗布量が0.005g/cm2 未満では十分な膜厚
の潤滑膜が形成されず、潤滑性が悪くなる。逆に0.1
g/cm2 を超える塗布量では、増量に見合った潤滑性
の向上がみられず、経済的に好ましくない。後端面Se
に潤滑膜が形成されたビレットMは、ビレットローダ1
2と共に押出機10側に揺動し、コンテナ孔3aとステ
ム2を結ぶ軸線X−X上に移動する。そこで、先端にフ
ィックスドダミー2aを取り付けたステム2を押出方向
Dに移動させ、ビレットMをコンテナ孔3aに充填する
(図5a)。ビレットMの後方からステム2で圧力を加
えると、コンテナ3内を塑性流動したメタルがダイス4
の賦形空間を通過する際に成形され、所定の断面形状を
もつ押出形材として押し出される。
【0014】押出加工されるビレットMは、内部に比較
して欠陥部の多い表皮部が周面Scを取り囲んでいる。
欠陥の多い表皮部が押出加工中にビレットMの後方に溜
められるため、ビレットMの後端から10〜50mmを
残して押出を終了する(図5b)。押出終了後、ステム
2を図5左方向に後退させるが、ビレットMの後端面S
e に潤滑膜が形成されているため、フィックスドダミー
2aとビレットMとの間に焼付きが生じることはない。
したがって、ダイス4内のメタルを剥ぎ取ることなく、
ステム2が円滑に後退する。押し残されたビレットMW
は、多量の欠陥部を含む表皮部が集められたものであ
り、ダイス4の端面上部に設けられているシャーナイフ
16を用いダイス4の端面で切り落とされ、スクラップ
として回収される。このように押出機10の外で潤滑剤
LをビレットMの後端面Se に塗布するとき、コンテナ
3の内部に潤滑剤Lが付着しないため、製品となる押出
形材への潤滑剤の巻込みが防止される。しかも、後端面
e に形成された潤滑膜によってビレットMとフィック
スドダミー2aとの焼付きが防止され、フィックスドダ
ミー2aの後退時にコンテナ3からメタルが剥ぎ取られ
ることが無くなる。更に、遮蔽板14a(図4a)又は
飛散防止カバー14b(図4b)を用いて後端面Se
潤滑剤Lを噴霧・塗布すると、コンテナ3に持ち込まれ
て残留する潤滑剤が一層少なくなり、潤滑剤起因の欠陥
がない押出形材が得られる。
【0015】
【実施例】JIS 6063アルミニウム合金を直径2
73mm,長さ5000mmの鋳塊M0 にDC鋳造し、
560℃×2時間の均質化処理を施した後、室温まで冷
却した。冷却後の鋳塊M0 から長さ800mmのビレッ
トMを切り出し、ビレットヒータ6に順次送り込んで前
面が460℃となるように加熱した。加熱されたビレッ
トMを搬送ロール8により搬送し、ビレットローダ12
に移載した。ビレットローダ12上にあるビレットMの
後端面Se に吹付け空気圧3kgf/cm2 で潤滑剤L
を塗布量0.005g/cm2 となるように噴霧・塗布
した。潤滑剤Lとしては、フタル酸のアルカリ金属塩を
主成分とし、潤滑成分率が6%の水溶性潤滑剤を使用し
た。後端面Se に潤滑膜が形成されたビレットMを押出
機のコンテナ孔3aとステム2とを結ぶ軸線X−X上に
移動し、ステム2を押出方向Dに前進させてビレットM
をコンテナ孔3aに充填した。そして、押出速度30m
/分で幅200mm,高さ150mm,ほぼ矩形状断面
の押出形材を押し出し、ビレットMの後端から30mm
残して押出を終了した。
【0016】押出終了後、ステム2を図5左方向に後退
させたが、押し残されたビレットM w との間に焼付きが
ないため、コンテナ3内のメタルが剥ぎ取られることな
く、ビレットMW からフィックスドダミー2aが容易に
切り離された。そのため、押し残されたビレットMW
メタル剥ぎ取りに起因した凹凸が生じることなく、シャ
ーナイフ16で切断した後で平滑な面になっていた。従
って、次の押出工程で後続ビレットMをコンテナ3に充
填しても、ビレットMW との間に隙間が生じなかった。
製造された押出形材の断面を観察したところ、潤滑剤の
巻込みに起因する欠陥は検出されなかった。コンテナ3
の内部にも、潤滑剤の付着残留が検出されなかった。こ
のように押出機10の外で潤滑剤LをビレットMの後端
面Se に塗布したため、潤滑剤塗布の間に押出機10を
待機させる必要がなく、26秒のアイドルタイムで押出
加工できた。
【0017】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、ビレットヒータから送り出された高温のビレットが
押出機のアームとステムとを結ぶ軸線上に到達する前
に、ビレットの後端面に潤滑剤を吹付け、焼付き防止に
有効な潤滑膜を形成している。潤滑剤の塗布が押出機の
外で実施されるため、コンテナの内部に潤滑剤が混入せ
ず、押出機のアイドルタイムも長くならない。また、ビ
レットヒータの入側で潤滑剤を塗布する場合と異なり、
先行ビレットの後端面に付着した潤滑剤が後続ビレット
の先端面に転写されることもない。このようにして、本
発明によるとき、押出機を高い稼動率で運転でき、潤滑
剤起因の欠陥がない高品質の押出形材が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ステムの先端に取り付けたフィックスドダミ
ーに固形潤滑剤を塗布する従来法の説明図
【図2】 本発明に従って潤滑剤塗布装置を押出機の外
に配置したレイアウト
【図3】 複数のビレットを加熱して搬送ロールに順次
送り出すビレットヒータ
【図4】 遮蔽板(a)及び飛散防止カバー(b)を用
いて潤滑剤をビレットの後端面に噴霧している状態
【図5】 コンテナ孔とステムとを結ぶ軸線上にビレッ
トを位置させた状態(a)及び押出終了後にステム2を
後退させている状態(b)
【符号の説明】
2:ステム 2a:フィックスドダミー 3:コン
テナ 3a:コンテナ孔 4:ダイス 5:ビレ
ット切断機 7:プッシャー 8:搬送ロール
10:押出機 11:潤滑剤塗布装置 12:ビレ
ットローダ 13:エアスプレーノズル 14:遮
蔽板 15:開口部 16:シャーナイフ D:押出方向 d:ビレットの搬送方向 M,M1 〜M3 :ビレット M0 :鋳塊 MW :押
し残されたビレット Se :ビレットの後端面 Sc :ビレットの周面 X−X:コンテナ孔とステムとを結ぶ軸線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−113112(JP,A) 実開 平4−411(JP,U) 実開 昭52−59055(JP,U) 実用新案登録3007991(JP,U) 特公 昭42−4765(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 23/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビレットヒータで加熱されて送り出され
    たビレットが押出機のコンテナ孔とステムとを結ぶ軸線
    上に到達する前に、ビレットの後端面に潤滑剤を塗布す
    ることを特徴とする押出用ビレットへの潤滑剤塗布方
    法。
  2. 【請求項2】 潤滑剤として潤滑成分率2〜12%の水
    溶性潤滑材を使用し、吹付け空気圧2〜8kgf/cm
    2 で塗布量が0.005〜0.1g/cm2となるよう
    に水溶性潤滑剤をビレットの後端面に噴霧する請求項1
    記載の押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法。
JP08514299A 1999-03-29 1999-03-29 押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法 Expired - Fee Related JP3289699B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08514299A JP3289699B2 (ja) 1999-03-29 1999-03-29 押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08514299A JP3289699B2 (ja) 1999-03-29 1999-03-29 押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000271632A JP2000271632A (ja) 2000-10-03
JP3289699B2 true JP3289699B2 (ja) 2002-06-10

Family

ID=13850423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08514299A Expired - Fee Related JP3289699B2 (ja) 1999-03-29 1999-03-29 押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3289699B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040029837A (ko) * 2002-10-02 2004-04-08 현대자동차주식회사 단조용 빌릿의 가공방법
CN103722037B (zh) * 2013-12-20 2015-11-18 河北宏润核装备科技股份有限公司 一种热挤压工艺中高温坯件的玻璃润滑剂涂敷装置
CN109332413B (zh) * 2018-12-11 2021-02-26 湖南千源铝业有限公司 一种包括上油机构的铝合金挤压成型装置
JP7338426B2 (ja) 2019-11-22 2023-09-05 Ubeマシナリー株式会社 ビレットプッシャー装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000271632A (ja) 2000-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5280971B2 (ja) 金属管の引抜装置および引抜方法
JP3289699B2 (ja) 押出用ビレットへの潤滑剤塗布方法
US4379398A (en) Pull-back type indirect extrusion press
CN108160961A (zh) 一种气体辅助连续铸挤的方法及装置
JP5781399B2 (ja) 金属管の引抜装置及び引抜方法
JP2729209B2 (ja) 管材を傾斜穿孔圧延するための方法および傾斜穿孔圧延ロールスタンド
US3369384A (en) Metal extrusion
WO1981003441A1 (en) Indirect metal extruding process
CN209287973U (zh) 无缝管热连轧穿棒在线喷硼砂机构
DE102006013607B4 (de) Verfahren zum Erzeugen eines Magnesiumbands
US2955709A (en) Hot extrusion of metals
RU2004121625A (ru) Способ производства биметаллических центробежно-литых заготовок и биметаллических износостойких труб для транспортировки абразивных сыпучих материалов и пульп на трубопрокатных установках с пилигримовыми станами
DE4123956C2 (de) Verfahren und Anlage zum Herstellen eines Metallstranges durch Gießen
RU2792327C2 (ru) Установка для непрерывного литья, прокатки и прессования металла
JPS591486B2 (ja) アルミニウム合金の鋳造ビレット表皮層除去装置
JPS6216727B2 (ja)
JPS5938061B2 (ja) 製品−貫製造装置
JP2959903B2 (ja) 回転ホイール式連続押出法にて用いる押出素材及びその製造方法
RU2065788C1 (ru) Способ получения полых заготовок
JP2586280B2 (ja) 熱間圧延材の潤滑方法
JP3012543B2 (ja) 押出し成形方法及び押出し成形装置
JPS6219921B2 (ja)
NL7909310A (nl) Werkwijze voor oplossingswarmtebehandeling van 6201 aluminium alliage.
JPH01309716A (ja) 連続押出し方法とその装置
SU1400691A1 (ru) Способ изготовлени труб

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110322

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120322

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120322

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130322

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130322

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140322

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees