JP3289346B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱材の発泡剤として
使用されるフロンなどに対し、硬度、モジュラスの低下
がなく、耐ストレスクラック性、ヒートサイクル性に優
れた耐フロン性ゴム変性芳香族ビニル系樹脂を主成分と
し、しかもシート成形時のブツ発生を抑制し、シート外
観と色調に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気冷蔵庫などの内箱材料および
枠材として、ABS樹脂が広く使用されている。通常、
電気冷蔵庫の内箱は、ABS樹脂を押し出してシートに
し真空成形により、またその枠材は射出成形により成形
され、その優れた外観と優れた機械的強度が特徴になっ
ている。電気冷蔵庫の内箱や枠材は断熱材と接触する
が、この断熱材は一般的に発泡ポリウレタンであり、そ
の発泡剤にはフロン11が使用されている。ところが、
このフロン11は、モントリオール議定書締結国会議に
より西暦1,995年には使用できなくなる。このフロ
ン11に替わるべき新フロンとして、フロン141b
(HCFC141b)、フロン123(HCFC12
3)が候補として挙がっているが、これらのフロンに対
し適したABS樹脂をはじめとするゴム変性スチレン系
樹脂は未だに開発されていないのが現状である。
【0003】フロン11がフロン141b、フロン12
3に代替される場合、予想される問題点は、ABS樹脂
などへの溶解性が強いということである。フロン11に
対しては、現行の一般的なABS樹脂においてもほとん
ど侵されることなく充分に使用に耐えうるが、フロン1
41b、フロン123などの新フロンはABS樹脂の溶
解力が強く、ストレスクラックあるいはフロンを吸収す
ることにより膨潤し、硬度およびモジュラスの低下を招
き変形し易くなる。従って、現行のABS樹脂では、新
フロンに対応することが困難であるのが現状である。
【0004】また、ABS樹脂中のアクリロニトリル共
重合含有量を増やすことによって、新フロンなどに対す
る耐薬品性を向上させることはできるが、その反面、ブ
ツによるシート外観、シートの色調が低下するという問
題がある。この問題を解決するために、ABS樹脂の重
合時、低温で重合する方法、アクリロニトリルの共重合
のさせ方を工夫する方法、安定剤を添加する方法など
で、シートの外観性、色調の改良が試みられているが、
未だに不充分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、これら新フロンに対
し、硬度、モジュラスの低下がなく、耐ストレスクラッ
ク性、ヒートサイクル性に優れ、しかもシート成形時の
ブツ発生を抑制し、シート外観と色調に優れた樹脂組成
物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)ゴム状
重合体(I)5〜40重量部、ならびに(a)芳香族ビ
ニル化合物40〜70重量%、(b)シアン化ビニル化
合物60〜30重量%および(c)その他の共重合可能
な単量体0〜10重量%〔ただし、(a)+(b)+
(c)=100重量%〕からなる単量体成分(II) 95
〜60重量部〔ただし、(I)+(II) =100重量
部〕の構成成分からなり、かつゴム状重合体(I)に単
量体成分がグラフトされているグラフト成分のグラフト
率が10〜150重量%、グラフトしていない単量体成
分の(共)重合体であるマトリックス成分の固有粘度が
0.3〜1.2dl/gであるゴム変性芳香族ビニル系
樹脂100重量部に対し、(ロ)下記構造式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2
はメチル基、t−ブチル基またはt−アミル基、R3はt
−ブチル基またはt−アミル基を示す)で表される加工
安定剤0.05〜5重量部を含有してなる樹脂組成物を
提供するものである。
【0009】本発明の(イ)ゴム変性芳香族ビニル系樹
脂は、ゴム状重合体(I)の存在下に単量体成分(II)
をグラフト重合して得られるグラフト系のグラフト共重
合体樹脂であっても、また該グラフト共重合体樹脂と単
量体成分(II) の共重合体とをブレンドして得られるブ
レンド系のグラフト共重合体樹脂であってもよい。
【0010】本発明の(イ)ゴム変性芳香族ビニル系樹
脂に使用されるゴム状重合体(I)としては、例えばポ
リブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン
ランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのジ
エン系ゴム状重合体、該ジエン系ゴム状重合体の水素添
加物、エチレン−プロピレン−(ジエン)ゴム、アクリ
ルゴムなどが挙げられ、これらは1種または2種以上で
使用される。これらのゴム状重合体(I)のなかでは、
低温耐衝撃性および成形品の外観光沢に優れる点から、
ジエン系ゴム状重合体が好ましい。ゴム状重合体(I)
の使用量は、(I)〜(II) 成分の合計量100重量部
に対し、5〜40重量部、好ましくは15〜35重量
部、さらに好ましくは18〜30重量部であり、5重量
部未満では充分な耐衝撃性が得られず、一方40重量部
を超えるとシートの成形加工性、モジュラスが劣る。
【0011】次に、単量体成分(II) を構成する(a)
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジ
ン、ビニルキシレン、モノクロスチレン、ジクロ
チレン、モノブロスチレン、フルオロスチレン、エチ
ルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、特にス
チレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらの
(a)芳香族ビニル化合物は、単独であるいは2種以上
混合して用いられる。(a)芳香族ビニル化合物の使用
量は、単量体成分(II) 中に40〜70重量%、好まし
くは40〜65重量%、さらに好ましくは45〜63重
量%、特に好ましくは50〜60重量%であり、40重
量%未満ではシートの成形加工性が劣り、一方70重量
%を超えると耐薬品性(例えば、耐フロン性)が劣る。
【0012】また、単量体成分(II) を構成する(b)
シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどが挙げられ、これらは1種または
2種以上で使用される。この(b)シアン化ビニル化合
物としては、特にアクリロニトリルが好ましい。(b)
シアン化ビニル化合物の使用量は、単量体成分(II)中
に60〜30重量%、好ましくは60〜35重量%、さ
らに好ましくは55〜37重量%、特に好ましくは50
〜40重量%であり、30重量%未満では充分な耐薬品
性(例えば、耐フロン性)が得られず、一方60重量%
を超えると成形加工性、色調が劣る。なお、グラフト成
分中の結合(b)成分量が、上記の範囲にあることが好
ましい。この結合(b)成分量は、チッ素分析計でチッ
素含量を求め、(b)成分量に換算して求めた値であ
る。
【0013】さらに、(c)その他の共重合可能な単量
体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデ
シルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルア
クリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘ
キシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタ
クリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタク
リレートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸
無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの
α−またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グ
リシジルメタクリレートなどのエポキシ化合物;アクリ
ルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸ア
ミドなどが挙げられる。これらの(c)その他の共重合
可能な単量体は、1種単独であるいは2種以上を併用す
ることができる。(c)その他の共重合可能な単量体の
使用量は、単量体成分(II) 中に0〜10重量%、好ま
しくは0〜5重量%であり、10重量%を超えると耐衝
撃性が低下する。
【0014】以上のような本発明に使用される(イ)ゴ
ム変性芳香族ビニル系樹脂のグラフト率は、10〜15
0重量%、好ましくは30〜100重量%、さらに好ま
しくは35〜85重量%である。このグラフト率が10
重量%未満では、フロン接触時におけるモジュラス、硬
度の低下が大きく、また衝撃強度、熱安定性が劣り、一
方150重量%を超えると、ストレスクラック性、ヒー
トサイクル性などの耐フロン性が劣る。ここで、グラフ
ト率とは、グラフト共重合体のゴム量に対し、ゴム状重
合体に直接グラフト結合している共重合体成分の割合を
いう。このグラフト率は、重合開始剤量、重合温度など
によって制御することができる。
【0015】このグラフト率の具体的な求め方は、まず
(イ)ゴム変性芳香族ビニル系樹脂2gを室温のアセト
ニトリルに投入し、充分攪拌し、不溶解分(w)を求め
る。一方、不溶解分(w)中のゴム状重合体量は、重合
処方をもとに算出することができる。この算出されたゴ
ム状重合体量をRとし、次式よりグラフト率を求める。 グラフト率(重量%)=〔(w−R)/R〕×100
【0016】また、本発明に使用される(イ)ゴム変性
芳香族ビニル系樹脂の、ゴム状重合体(I)にグラフト
していない単量体成分の(共)重合体であるマトリック
ス成分の固有粘度は、0.3〜1.2dl/g、好まし
くは0.45〜0.9dl/g、さらに好ましくは0.
5〜0.85dl/gである。この固有粘度が0.3d
l/g未満では、耐衝撃性、ストレスクラック性、ヒー
トサイクル性などの耐フロン性が劣り、一方1.2dl
/gを超えると、成形加工性が劣る。この固有粘度は、
連鎖移動剤、重合時間、重合温度などによって制御する
ことができる。
【0017】ここで、固有粘度(〔η〕)は、(イ)ゴ
ム変性芳香族ビニル系樹脂の前記アセトニトリル可溶分
を乾燥後、ジメチルホルムアミド50mlに0.25g
を溶解し、粘度管を用いて30℃で流出時間を測定した
のち、次式により算出した値である。 〔η〕=〔−1+√(1.4×t1/t0−0.4)〕/(0.7×C) 式中、t1;試料溶液中の流出時間(秒) t0;ブランク溶液の流出時間(秒) C;溶液濃度(%)
【0018】本発明の(イ)成分としては、下記およ
びからなるゴム変性芳香族ビニル系樹脂から構成さ
れ、かつ該樹脂中のゴム状重合体(I)の含有率が18
〜30重量%のものが好ましい。 ゴム状重合体(I)20〜70重量%の存在下に、
(a)芳香族ビニル化合物、(b)シアンビニル化合
物、および必要に応じて(c)その他の共重合可能な単
量体からなる単量体成分(II) を重合して得られ、グラ
フト率35〜85重量%、グラフトしていない単量体成
分の(共)重合体であるマトリックス成分の固有粘度が
0.5〜0.85dl/gであるグラフト共重合体。 (a)芳香族ビニル化合物、(b)シアン化ビニル化
合物、および必要に応じて(c)その他の共重合可能な
単量体からなる単量体成分(II) を重合してなる固有粘
度が0.5〜0.85dl/gである共重合体。 上記〜の単量体成分(II) 中の(a)芳香族ビニル
化合物の組成割合は好ましくは50〜60重量%、
(b)シアン化ビニル化合物の組成割合は好ましくは5
0〜40重量%、(c)その他の共重合可能な単量体の
組成割合は好ましくは10重量%以下である。上記の
〜からなる(イ)ゴム変性芳香族ビニル系樹脂から構
成された組成物を用いると、一段と優れた耐フロン性が
得られる。
【0019】本発明の(イ)ゴム変性芳香族ビニル系樹
脂の製造方法は、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどを
ゴム状重合体として使用する場合には、乳化重合、懸濁
重合、溶液重合、バルク重合などが、またエチレン−プ
ロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体およびその
水添物などをゴム状重合体として使用する場合には、溶
液重合、バルク重合を用いることが一般的である。これ
らは、通常よく知られたグラフト重合法でよい。また、
単量体成分(II) のみから構成された共重合体を得るに
は、通常のよく知られた重合法でよい。すなわち、乳化
重合、懸濁重合、溶液重合、バルク重合が用いられる。
重合後のポリマー〔(I)〜(II) 成分からなるグラフ
ト共重合体、(II) 成分のみからなる共重合体〕は、凝
固−洗浄、脱溶などの回収工程を経て乾燥後、粉体また
は粒体とする。
【0020】次に、本発明の組成物に使用される(ロ)
加工安定剤は、前記構造式(I)で表される化合物であ
り、その具体例としては、2−t−ブチル−6−(3−
t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−
4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチ
ル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート
などが挙げられる。
【0021】(ロ)加工安定剤の使用量は、(イ)ゴム
変性芳香族ビニル系樹脂100重量部に対し、0.05
〜5重量部、好ましくは0.2〜4.5重量部、さらに
好ましくは0.4〜4重量部である。0.05重量部未
満ではシート成形時のブツ発生によるシート外観の悪化
および色調が劣るものとなり、また真空成形性も劣るも
のとなる。一方、5重量部を超えて使用しても、それ以
上の添加効果が得られないばかりでなく、シート成形条
件によってはシート外観不良を発生させることがある。
【0022】さらに、本発明の組成物には、前記(ロ)
加工安定剤以外に、4,4′−ブチリデンビス(6−t
−ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリス
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、2,2′−メチレン−ビ
ス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタ
デシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル
−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2′−メチ
レン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
などのフェノール系酸化老化防止剤を併用することがで
きる。なお、フェノール系酸化防止剤は、リン系酸化防
止剤やイオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤と併用する
ことができる。本発明の樹脂組成物には、このほか滑
剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤などを
配合することができる。
【0023】本発明の樹脂組成物は、(イ)ゴム変性芳
香族ビニル系樹脂に、(ロ)加工安定剤などを添加し、
ヘンシェルミキサーなどで混合したのち、ペレット化す
ることで、射出成形、押出成形に供する。また、本発明
の樹脂組成物より得られる成形品としてはシートが好ま
しい。このシートの好ましい用途としては、断熱材と接
触する冷蔵庫内箱、冷蔵庫扉キャップ材、製氷機内箱、
レジャークーラーの内箱などが挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定した値である。臨界歪 1.1mm厚に押し出したシートを、1/4′楕円治具
に取り付け、フロン141b(HCFC141b)の入
ったデシケータに入れ、35℃×16時間、該フロン蒸
気中に放置したのち、クラックの入る歪量を臨界歪とし
た。真空成形性 上記シートを、真空成形し(展開率4倍)、肉厚の均一
性を目視判定した。 ○;均一なもの ×;不均一なもの
【0025】シート外観 30mm押出機にて、220℃で幅200mm、厚さ
1.1mmのシートを押し出し、シート表面のフローマ
ーク、ブツなどの不良現象の有無を目視判定した。 ○;シート外観の良好なもの ×;シート外観の不良なもの色調 上記シートを、スガ試験機(株)製の分光測色計にて黄
色度YIを測定した。
【0026】参考例1(グラフト共重合体A−1の調
製) 反応器に、ポリブタジエンゴム〔日本合成ゴム(株)
製、JSR #700〕50部(固形分換算)、ロジン
酸カリウム2.0部、イオン交換水190部を仕込み、
昇温後、スチレン(ST)26.0部、アクリロニトリ
ル(AN)24.0部、t−ドデシルメルカプタン0.
28部、クメンハイドロパーオキサイド0.25部、お
よびピロリン酸ナトリウム0.2部、デキストローズ
0.25部、硫酸第一鉄0.004部およびイオン交換
水15.0部を3時間にわたって連続的に添加し、その
後さらにピロリン酸ナトリウム0.1部、デキストロー
ズ0.11部、リン酸第一鉄0.002部とクメンハイ
ドロパーオキサイド0.1部を添加して1時間重合を継
続させた。重合転化率は96%であった。得られたラテ
ックスに老化防止剤を添加したのち、塩化カルシウムで
凝固し、これを分離、水洗、乾燥してグラフト共重合体
A−1を得た。得られたグラフト共重合体A−1中の単
量体成分中の結合AN(以下「結合AN」という)は4
3%、アセトニトリル可溶分を乾燥後ジメチルホルムア
ミドに溶解し測定した〔η〕は0.65dl/g、グラ
フト率は68%であった。
【0027】参考例2(グラフト共重合体A−2の調
製) 参考例1において、単量体成分をST30.0部、AN
20.0部とした以外は、同様の方法でグラフト共重合
体A−2を得た。重合転化率は97%であった。得られ
たグラフト共重合体A−2の結合ANは35%、アセト
ニトリル可溶分を乾燥後、ジメチルホルムアミドに溶解
し測定した〔η〕は0.64dl/g、グラフト率は6
3%であった。
【0028】参考例3(グラフト共重合体A−3の調
製) 参考例1において、単量体成分をST22.5部、AN
27.5部とした以外は、同様の方法でグラフト共重合
体A−3を得た。重合転化率は95%であった。得られ
たグラフト共重合体A−3の結合ANは50%、アセト
ニトリル可溶分を乾燥後、ジメチルホルムアミドに溶解
し測定した〔η〕は0.66dl/g、グラフト率は6
0%であった。
【0029】参考例4(グラフト共重合体A−4の調
製) 参考例1において、単量体成分をST33.5部、AN
16.5部とした以外は、同様の方法でグラフト共重合
体A−4を得た。重合転化率は95%であった。得られ
たグラフト共重合体A−4の結合ANは28%、アセト
ニトリル可溶分を乾燥後、ジメチルホルムアミドに溶解
し測定した〔η〕は0.65dl/g、グラフト率は6
0%であった。
【0030】参考例5(グラフト共重合体A−5の調
製) 参考例1において、単量体成分をST15.0部、AN
35.0部とした以外は、同様の方法でグラフト共重合
体A−5を得た。重合転化率は95%であった。得られ
たグラフト共重合体A−5の結合ANは65%、アセト
ニトリル可溶分を乾燥後、ジメチルホルムアミドに溶解
し測定した〔η〕は0.64dl/g、グラフト率は6
0%であった。
【0031】参考例6(グラフト共重合体A−6の調
製) 参考例1において、反応器に仕込むポリブタジエンゴム
を35部とし、昇温後に連続的に添加する単量体などの
成分のうち、t−ドデシルメルカプタンを0.05部と
し、また添加時間を8時間とした以外は、同様の方法で
グラフト共重合体A−6を得た。重合転化率は96%で
あった。得られたグラフト共重合体A−6中の単量体成
分中の結合ANは43%、アセトニトリル可溶分を乾燥
後、ジメチルホルムアミドに溶解し測定した〔η〕は
0.70dl/g、グラフト率は130%であった。
【0032】参考例7(グラフト共重合体A−7の調
製) 参考例1において、連続的に添加する単量体などの成分
のうち、t−ドデシルメルカプタンを0.6部とし、ま
た添加方法を一括添加とした以外は、同様の方法でグラ
フト共重合体A−7を得た。重合転化率は96%であっ
た。得られたグラフト共重合体A−7中の単量体成分中
の結合ANは43%、アセトニトリル可溶分を乾燥後、
ジメチルホルムアミドに溶解し測定した〔η〕は0.4
0dl/g、グラフト率は20%であった。
【0033】参考例8(共重合体B−1の調製) 反応器にST44部、AN56部、トルエン50部、お
よびt−ドデシルメルカプタン0.2部を仕込み、チッ
素雰囲気下で140℃に昇温し、重合反応を開始させ
た。その後、重合転化率60%にてST11部を2時間
かけて連続的に添加し、重合を終了させた。重合転化率
は80%であった。得られた重合体溶液をストリッピン
グし共重合体B−1を得た。共重合体B−1の結合AN
は43%、アセトニトリル可溶分のジメチルホルムアミ
ドに溶解し測定した〔η〕は0.68dl/gであっ
た。
【0034】参考例9(共重合体B−2の調製) 反応器にST60部、AN40部、トルエン40部、お
よびt−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込み、チッ
素雰囲気下で140℃に昇温し、重合反応を開始させ
た。その後、重合転化率80%にて重合を終了させた。
得られた重合体溶液をストリッピングし共重合体B−2
を得た。共重合体B−2の結合ANは35%、アセトニ
トリル可溶分のジメチルホルムアミドに溶解し測定した
〔η〕は0.70dl/gであった。
【0035】参考例10(共重合体B−3の調製) 反応器にST28部、AN72部、トルエン50部、お
よびt−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込み、チッ
素雰囲気下で140℃に昇温し、重合反応を開始させ
た。その後、重合転化率50%にてST9部を3時間か
けて連続的に添加し、重合を終了させた。重合転化率は
70%であった。得られた重合体溶液をストリッピング
し共重合体B−3を得た。共重合体B−3の結合ANは
50%、アセトニトリル可溶分のジメチルホルムアミド
に溶解し測定した〔η〕は0.69dl/gであった。
【0036】参考例11(共重合体B−4の調製) 反応器にST68部、AN32部、トルエン40部、お
よびt−ドデシルメルカプタン0.25部を仕込み、チ
ッ素雰囲気下で140℃に昇温し、重合反応を開始させ
た。その後、重合転化率90%にて重合を終了させた。
得られた重合体溶液をストリッピングし共重合体B−4
を得た。共重合体B−4の結合ANは28%、アセトニ
トリル可溶分のジメチルホルムアミドに溶解し測定した
〔η〕は0.70dl/gであった。
【0037】参考例12(共重合体B−5の調製) 反応器にST15部、AN85部、ジメチルホルムアミ
ド35部、およびt−ドデシルメルカプタン1.0部を
仕込み、チッ素雰囲気下で140℃に昇温し、重合反応
を開始させた。その後、重合転化率50%にてST7部
を4時間かけて連続的に添加し、重合を終了させた。重
合転化率は70%であった。得られた重合体溶液をスト
リッピングし共重合体B−5を得た。共重合体B−5の
結合ANは65%、アセトニトリル可溶分のジメチルホ
ルムアミドに溶解し測定した〔η〕は0.69dl/g
であった。
【0038】参考例13(共重合体B−6の調製) 反応器にST44部、AN56部、トルエン50部、お
よびt−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、チッ
素雰囲気下で140℃に昇温し、重合反応を開始させ
た。その後、重合転化率60%にてST11部を2時間
かけて連続的に添加し、重合を終了させた。重合転化率
は80%であった。得られた重合体溶液をストリッピン
グし共重合体B−6を得た。共重合体B−6の結合AN
は43%、アセトニトリル可溶分のジメチルホルムアミ
ドに溶解し測定した〔η〕は0.80dl/gであっ
た。
【0039】参考例14(共重合体B−7の調製) 反応器にST44部、AN56部、トルエン50部、お
よびt−ドデシルメルカプタン0.8部を仕込み、チッ
素雰囲気下で140℃に昇温し、重合反応を開始させ
た。その後、重合転化率60%にてST11部を2時間
かけて連続的に添加し、重合を終了させた。重合転化率
は80%であった。得られた重合体溶液をストリッピン
グし共重合体B−7を得た。共重合体B−7の結合AN
は43%、アセトニトリル可溶分のジメチルホルムアミ
ドに溶解し測定した〔η〕は0.40dl/gであっ
た。
【0040】実施例1〜7、比較例1〜5 前記参考例で調製したグラフト共重合体、共重合体、お
よび前記構造式(I)で表される(ロ)加工安定剤〔た
だし、構造式(I)中、RIはメチル基、R2およびR3はt
−アミル基を示す)を表1〜2に示す配合処方で混合
し、ベント付き押出機で樹脂温度230℃で溶融混合
し、押し出しすることによりペレットを製造した。な
お、比較例5は、実施例1において、(ロ)加工安定剤
をフェノール系酸化防止剤である2,2′−メチレン−
ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)に代え
た以外は、同様の方法でペレットを製造した。これらの
ペレットを用い、30mmφ押出機によりシリンダー温
度220℃でシートを作製し、各物性を評価した。結果
を表1〜2に示す。
【0041】表1から明らかなように、実施例1〜7
は、本発明の範囲内の(イ)〜(ロ)成分を用いた例で
あり、溶解性の強いフロン141bのテストにおいて
も、臨界歪に優れ、さらに真空成形性、シート外観、色
調にも優れている。これに対し、表2から明らかなよう
に、比較例1は、(ロ)加工安定剤を用いない例であ
り、真空成形性、シート外観、色調が劣ることが分か
る。
【0042】比較例2は、(ロ)加工安定剤が本発明の
範囲を超える例であり、臨界歪、真空成形性、色調は優
れるが、シート外観に不良が発生することが分かる。比
較例3は、アクリロニトリル含量が本発明の範囲未満の
例であり、シート外観、色調はよいが、臨界歪が劣るこ
とが分かる。比較例4は、アクリロニトリル含量が本発
明の範囲を超える例であり、臨界歪はよいが、(ロ)成
分を添加してもシート外観、色調とも劣ることが分か
る。比較例5は、(ロ)成分の代わりに本発明の範囲外
の酸化防止剤を使用した例であり、真空成形性、シート
外観、色調ともに劣る。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、断熱材の発泡剤
として使用されるフロン、特にフロン141b、フロン
123に対し、モジュラスの低下がなく、耐ストレスク
ラック性に優れ、しかもシート外観、色調に優れてい
る。従って、これらのフロンガスを発泡剤とする断熱材
に接触する成形品の成形材料として極めて高い性能を発
揮する。上記の断熱材と接触する成形品としては、例え
ば電気冷蔵庫、冷凍庫、アイスボックス、製氷機、保温
庫、ハウジングなどが挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−248411(JP,A) 特開 昭59−71341(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 55/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)ゴム状重合体(I)5〜40重量
    部、ならびに(a)芳香族ビニル化合物40〜70重量
    %、(b)シアン化ビニル化合物60〜30重量%およ
    び(c)その他の共重合可能な単量体0〜10重量%
    〔ただし、(a)+(b)+(c)=100重量%〕か
    らなる単量体成分(II) 95〜60重量部〔ただし、
    (I)+(II) =100重量部〕の構成成分からなり、
    かつゴム状重合体(I)に単量体成分がグラフトされて
    いるグラフト成分のグラフト率が10〜150重量%、
    グラフトしていない単量体成分の(共)重合体であるマ
    トリックス成分の固有粘度が0.3〜1.2dl/gで
    あるゴム変性芳香族ビニル系樹脂100重量部に対し、
    (ロ)下記構造式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2はメチル基、
    t−ブチル基またはt−アミル基、R3はt−ブチル基ま
    たはt−アミル基を示す)で表される加工安定剤0.0
    5〜5重量部を含有してなる樹脂組成物。
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