JP3289143B2 - ケイ素で縮環されたポリジフェニルアミン化合物、及び該化合物を用いた有機薄膜素子 - Google Patents

ケイ素で縮環されたポリジフェニルアミン化合物、及び該化合物を用いた有機薄膜素子

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JP3289143B2
JP3289143B2 JP2000133913A JP2000133913A JP3289143B2 JP 3289143 B2 JP3289143 B2 JP 3289143B2 JP 2000133913 A JP2000133913 A JP 2000133913A JP 2000133913 A JP2000133913 A JP 2000133913A JP 3289143 B2 JP3289143 B2 JP 3289143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5,10−ジヒド
ロ−5H−フェナザシリン(以下フェナザシリン)化合
物を主鎖骨格とする重合体に関するものであり、この重
合体は耐熱性を持つとともに、有機薄膜発光素子の正孔
輸送特性を保有する素材として利用できる。
【0002】
【従来の技術】主鎖骨格にジフェニルアミンを持つ下記
式で表されるポリマーの合成については、Macrom
olecules 1998, 31, 988−993
にて報告されている。このポリマーのNMP(N−メチ
ル−2−ピロリドン)溶液は高い蛍光量子収率を示すこ
とが報告されている。
【0003】
【化4】
【0004】ケイ素で縮環されたジフェニルアミン誘導
体であるフェナザシリン化合物は、特開平8−3023
39号公報、特開平10−218884号公報で、発光
素子の正孔輸送材料として好適に用いられることが記載
されている。また、発光素子の構成材料として用いた際
に、通常の低分子化合物が時間の経過とともに結晶化
し、界面が凸凹になることから電気短絡を起こすという
欠点があるのに対し、フェナザシリン化合物は高いガラ
ス転移温度Tgを持つことから、経時変化と共に結晶化
の進行の少ないことが特徴となっていた。
【0005】ポリアニリンを初めとする芳香族アミン型
ポリマーは、高い電気活性を示すが、一般の有機溶媒へ
の溶解性が低いため、膜形成がしにくく、素子化が難し
いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膜形成性に
すぐれたフェナザシリン化合物、その製造方法を提供す
るとともに、該フェナザシリン化合物からなる有機薄膜
素子を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、下記一般式(1)で
表される5,10−ジヒドロ−5H−フェナザシリン化
合物を主鎖骨格とする重合体が提供される。
【化5】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基を示し、nは
平均重合度で3〜30000の数を示す) また、本発明によれば、下記一般式(2)で表される5
−メチルアリール−5,10−ジヒドロ−5H−フェナ
ザシリン化合物を主鎖骨格とする重合体が提供される。
【化6】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基を示し、R3
はアリール基を示し、nは平均重合度で3〜30000
の数を示す) さらに、本発明によれば、前記一般式(2)の5−メチ
ルアリール−5,10−ジヒドロ−5H−フェナザシリ
ン化合物を主鎖骨格とする重合体を、脱アリールメチル
化することを特徴とする前記一般式(1)の5,10−
ジヒドロ−5H−フェナザシリン化合物を主鎖骨格とす
る重合体を製造する方法が提供される。さらにまた、本
発明によれば、下記一般式(3)で表される5,10−
ジヒドロ−5H−フェナザシリン化合物をニッケル錯体
を用いて脱ハロゲン化縮合反応させて重合することを特
徴とする前記一般式(2)のポリフェナザシリン化合物
の合成方法が提供される。
【化7】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基を示し、R3
はアリールメチル基を示し、Xはハロゲン原子を示す) さらにまた、本発明によれば、前記一般式(1)又は
(2)の重合体を構成要素に用いた有機薄膜エレクトロ
クロミック素子が提供される。さらにまた、本発明によ
れば、前記一般式(1)又は(2)の重合体を構成要素
に用いた有機薄膜発光素子が提供される。
【0008】前記一般式(1)〜(3)において、R1
及びR2で表されるアルキル基としては、メチル、エチ
ル、n−またはiso−プロピル、n−、iso−また
はtert−ブチル、n−、iso−またはneo−ペ
ンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチ
ル、n−オクチル等の直鎖、分岐、環状の炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12のアルキル基が挙げられる。ア
ルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−または
iso−プロポキシ、n−、iso−またはtert−
ブトキシ、n−、iso−またはneo−ペントキシ、
n−ヘキソキシ、シクロヘキソキシ、n−ヘプトキシ、
n−オクトキシ等の直鎖、分岐、環状の炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12のアルコキシ基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、o−、m−、p−ト
リル基、1−および2−ナフチル基、アントリル基等の
炭素数6〜20、好ましくは6〜14のアリール基が挙
げられる。アリーロキシ基としては、フェノキシ基、o
−、m−、p−トリロキシ基、1−および2−ナフトキ
シ基、アントロキシ基等の炭素数6〜20、好ましくは
6〜14のアリーロキシ基が挙げられる。
【0009】前記一般式(2)及び(3)において、R
3で表されるアリール基としては、フェニル基、o−、
m−、p−トリル基、1−および2−ナフチル基、アン
トリル基等の炭素数が6〜20、好ましくは6〜14の
アリール基が挙げられる。
【0010】前記一般式(3)において、Xで表される
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子が挙げられ、特に臭素原子が好ましい。
【0011】本発明による前記一般式(2)の重合体
は、前記一般式(3)で表される5,10−ジヒドロ−
5H−フェナザシリン化合物を、ニッケル錯体を用いて
脱ハロゲン化縮合反応させて重合することによって製造
することができる。
【0012】ニッケル錯体を用いる前記脱ハロゲン化重
縮合には、この種の反応において通常用いられる種々の
有機溶媒を用いることができる。これを例示すれば、
N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン、
テトラヒドロフラン等である。
【0013】前記ニッケル錯体としては、テトラカルボ
ニルニッケル(0)、ジカルボニルビス(トリフェニル
ホスフィン)ニッケル(0)、ビス(1,5−シクロオ
クタジエン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル(0)、(η2−エチレン)ビ
ス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラ
キス(イソシアン化t−ブチル)ニッケル(0)、
[(1,2,5,6,8,10−η)−trans,t
rans,trans−1,5,9−シクロドデカトリ
エン]ニッケル(0)、等を例示することができる。ニ
ッケル錯体は、前記(3)の化合物1当量当り、0.1
〜20当量、好ましくは1〜5当量の割合で用いられ
る。
【0014】また、ニッケル錯体には、支持配位子とし
て0.1〜10当量の2,2’−ビピリジルやトリフェ
ニルホスフィン等の配位子を加えてもよい。例を挙げれ
ば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル
(0)に2,2’−ビピリジルを1当量加えて用いる、
ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)に
トリフェニルホスフィンを2当量加えて用いる等であ
る。
【0015】脱ハロゲン化重縮合反応は、溶媒の融点〜
溶媒の沸点まで種々の温度で実施できるが、特に0℃〜
100℃程度が望ましい。反応後は、再沈等によって精
製できる。
【0016】このポリマーの平均重合度nは3〜300
00、好ましくは5〜10000である。本発明による
前記一般式(1)で表される5,10−ジヒドロ−5H
−フェナザシリン化合物を主鎖骨格とする重合体は、前
記一般式(2)のポリフェナザシリン化合物中のN−置
換基−CH2−R3を脱アリールメチル化させ、NH型の
ポリフェナザシリン化合物とすることにより製造するこ
とができる。この場合、その脱アリールメチル化反応と
しては、従来公知の各種の反応が用いられる。このよう
な反応には、化学的還元反応や、電気化学的還元反応等
が包含される。前記の化学的還元反応では、ベンジルア
ミン誘導体で保護されたアミンの脱アリールメチル化反
応に一般的に用いられている方法、例えば、パラジウム
−炭素、ラネーニッケル、ナトリウム等を触媒として用
いる水素還元方法を挙げることができる。一方、電気化
学的還元反応としては、従来公知の方法を採用すること
ができる。一般式(2)のポリフェナザリンの脱アリー
ルメチル化反応は、種々の形態、例えば、フィルムの形
態や溶液の形態で行うことができる。
【0017】一般式(2)で示されたポリフェナザシリ
ンのフィルムを電気化学的な還元反応によるNH型のポ
リフェナザシリンに変換する場合、その電解反応に用い
る支持電解質としては一般の電解反応に使用する電解質
を用いることができる。このような電解質としては、例
えば、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸ナ
トリウム、テトラフルオロほう酸テトラブチルアンモニ
ウム等が用いられる。電解反応の温度は溶媒の融点〜溶
媒の沸点まで種々の温度で実施できる。また、電解反応
に用いる溶媒は一般に電解反応に用いられる溶媒を使用
することができるが、特にアセトニトリルが望ましい。
電解反応における還元電位は化合物のCV測定時に還元
ピークが現れる電位で電解還元反応を行うことができる
が、特に、Ag/Ag+に対して−2Vから−4Vの範
囲が望ましい。
【0018】前記一般式(1)及び(2)で表される本
発明の重合体は、有機溶媒に可溶性のものであり、スピ
ンコートなどの簡便な成形加工手法で薄膜化することが
できる。
【0019】本発明の重合体は、真空蒸着法、スピンコ
ート法、キャスト法などの方法により、ITOなどの電
極上に製膜することにより、エレクトロクロミック素子
及び発光素子として機能する。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0021】実施例1[2,8−ジブロモ−10,10
−ジ−n−ブチル−5−(2−ナフチルメチル)−5,
10−ジヒドロフェナザシリンの合成(一般式3、
1、R2= n−ブチル、R3=2−ナフチル、X= B
r)の合成] 4.94gのビス(2,4−ジブロモフェニル)アミン
と2.25gの2−ナフチルブロモメタンと1.03g
のテトラブチルアンモニウムブロミドと0.68gの水
酸化ナトリウムを100mLのテトラヒドロフランに溶
かし、24時間加熱還流した。反応液に水を加えて反応
を止めて抽出した後、シリカゲルのカラムで精製するこ
とによって、3.40g のビス(2,4−ジブロモフ
ェニル)−(2−ナフチルメチル)アミンを得た。続い
て、氷浴中で1.29g(2.1mmol)のビス
(2,4−ジブロモフェニル)−(2−ナフチルメチ
ル)アミンに20mLののエーテルに懸濁させた後に3
mLのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M)
を加えた。懸濁液が均一になったところで、さらにジ−
n−ブチルジクロロシランを0・44 g(2.1 mm
ol)加えた。沈殿が生成した後に氷浴を外して12時
間かくはんした。反応液を水を加えてエーテルで抽出し
た後にシリカゲルのカラムで精製することにより、0.
51g(0.84mmol)の2,8−ジブロモ−1
0,10−ジ−n−ブチル−5−(2−ナフチルメチ
ル)−5,10−ジヒドロフェナザシリンを単離した。
得られた化合物は文献未記載の新規化合物であった。
【0022】元素分析値は以下の通りである。 元素分析値:C3133Br2NSiとしての 計算値:C,61.29;H,5.48;N,2.31 実測値:C,61.11;H,5.40;N,2.09
【0023】NMRスペクトルデータについては以下の
通りである。1 H−NMR(CDCl3):δ6.8−8.0(m,
13H), 5.41(s,2H), 1.0−2.0
(m,18H)13 C−NMR(CDCl3):δ148.81,13
5.77,134.40,133.45,132.9
9,132.63,128.90,127.70,12
6.40,125.93,124.76,123.9
2,122.64,118.21,113.69,5
6.65,26.38,25.78,13.76,1
3.6529 Si−NMR(CDCl3):δ−20.10
【0024】実施例2[脱ハロゲン化カップリング反応
によるポリ(10,10−ジ−n−ブチル−5−(2−
ナフチルメチル)−5,10−ジヒドロフェナザシリン
−2,8−ジイル)(一般式2,R1,R2 = n−ブチ
ル,R3=2−ナフチル)の合成] 窒素雰囲気下でビス(1,5−シクロオクタジエン)ニ
ッケル(0)の0.28g(1.0 mmol)に、
1,5−シクロオクタジエン 1 mL を加えた後にト
ルエンを 5mL加えて懸濁させた。更に2,2’−ビ
ピリジル 0.16g(1.0 mmol)を加えてかく
はんした。更に0.42g(0.7 mmol) の2,
8−ジブロモ−10,10−ジ−n−ブチル−5−(2
−ナフチルメチル)−5,10−ジヒドロフェナザシリ
ンを加えた後に60℃に昇温して48時間かくはんし
た。反応液をメタノールに注ぎ、得られた粉末をろ過し
た。この粉末を水、メタノールの順で洗浄した後にジク
ロロメタンに溶かしてメタノールで再沈殿することによ
り、0.27g(モノマー単位として0.60 mmo
l)のポリマーを単離した。得られたポリマーはTH
F、クロロホルム等の一般の有機溶媒に可溶であった。
得られたポリマーは文献未記載の新規化合物であり、数
平均分子量は10000、重量平均分子量は24000
であった。
【0025】元素分析値は以下の通りである。 元素分析値:C3133NSi・H2Oとしての 計算値:C,79.96;H,7.58;N,3.00 実測値:C,79.59;H,7.29;N,2.79
【0026】NMRスペクトルデータについては以下の
通りである。1 H−NMR(CDCl3):δ6.8−8.0(m,
13H), 5.4(s,2H), 1.0−2.0
(m,18H)13 C−NMR(CDCl3):δ149.15,13
5.60,133.61,132.65,132.3
2,131.82,128.76,126.29,12
5.77,124.91,120.47,116.4
7,56.79,26.55,26.09,14.2
0,13.7629 Si−NMR(CDCl3):δ−21.18
【0027】IRスペクトルのデータは以下の通りであ
る。 IR(KBrペレット)3050,3008,295
2,2919,2867,1633,1590,154
0,1508,1452,1407,1373,131
5,1269,1214,1076,1004,96
0,890,868,810,741,474cm-1
【0028】実施例3[高分子反応によるポリ(10,
10−ジ−n−ブチル−5,10−ジヒドロフェナザシ
リン−2,8−ジイル)(一般式1,R1=R2 =n−
ブチル)の合成] 33.5mgのポリ(10,10−ジ−n−ブチル−5
−(2−ナフチルメチル)−5,10−ジヒドロフェナ
ザシリン−2,8−ジイル)を10mLのテトラヒドロ
フランに溶かし、0.2gのナトリウムを加えて撹拌し
た。24時間撹拌した後に2−プロパノールを加えるこ
とによってナトリウムを失活させた。溶媒を留去させた
後にメタノールを加えてろ過することによって22.7
mgのポリ(10,10−ジ−n−ブチル−5,10−
ジヒドロフェナザシリン−2,8−ジイル)を得た。得
られたポリマーは文献未記載の新規化合物であり、数平
均分子量は18000、重量平均分子量は32000で
あった。CDCl3中での2 9Si−NMRはδ−20.
38ppmであり、原料ポリマーの骨格を残したまま反
応が進行していることが確認できた。
【0029】実施例4[電解還元によるポリ(10,1
0−ジ−n−ブチル−5,10−ジヒドロフェナザシリ
ン−2,8−ジイル)(一般式1,R1=R2 =n−ブ
チル)の合成] ポリマー1mgを200μlのジクロロエタンに溶か
し、電極表面にそのポリマー溶液をキャストし、これを
作用極とした。これを対極(白金板)、参照極と共に電
解セル内に配置し、支持電解質として過塩素酸ナトリウ
ム、溶媒として脱水アセトニトリルを用いて−3V(対
Ag/Ag+)で電解還元を行った。その結果、2−ナ
フチルメチル基が脱離したポリ(10,10−ジ−n−
ブチル−5,10−ジヒドロフェナザシリン−2,8−
ジイル)が得られた。
【0030】IRスペクトルのデータは以下の通りであ
る。 IR(KBrペレット)3419,3050,300
8,2952,2919,2867,2854,159
2,1454,1407,1373,1315,126
9,1215,1146,1111,1088,100
7,881,866,810,741,627,474
cm-1
【0031】実施例5[ポリマーを用いたエレクトロク
ロミック素子]ポリマーのエレクトロクロミック特性の
評価は以下のように行った。ポリマー1mgを200μ
lのジクロロエタンに溶かし、電極表面にそのポリマー
溶液をキャストし、これを作用極とした。これを対極
(白金板)、参照極と共に石英セル内に配置し、支持電
解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム、溶媒と
して脱水アセトニトリルを用い、電位変化におけるポリ
マーの色調変化を観察した。
【0032】ポリ(10,10−ジ−n−ブチル−5−
(2−ナフチルメチル)−5,10−ジヒドロフェナザ
シリン−2,8−ジイル)(一般式2,R1=R2=n−
ブチル,R3=2−ナフチル)を作用極に用いた場合、
中性ではポリマーの色は無色であったがキャストフィル
ムに引加する電位を高くすることにより無色から黄、
茶、黒と変化した。
【0033】ポリ(10,10−ジ−n−ブチル−5,
10−ジヒドロフェナザシリン−2,8−ジイル)(一
般式1,R1=R2 =n−ブチル)を作用極に用いた場
合、中性ではポリマーの色は無色であったがキャストフ
ィルムに引加する電位を高くすることにより無色から
赤、赤紫、紫と変化した。
【0034】実施例6[ポリマーを用いた有機発光素
子] 図1はエレクトロルミネッセンス素子(発光素子)の概
略断面図を示したものである。透明絶縁性の基板1とし
て、厚さ1.1mmのガラス板を用い、この上に120
nmのITOをスパッタリング法で被膜して陽極2とし
た。この透明導電性基板を使用前に水洗、オゾン洗浄、
プラズマ洗浄により十分に洗浄した。正孔輸送層3とし
て、ポリマーを有機溶媒(1,2−ジクロロエタン、ト
ルエンなど)に溶解し、陽極2にスピンコート法により
40nmの厚さで成膜した。
【0035】次に、有機発光層4としてトリス(8−キ
ノリノール)アルミニウムを60nm蒸着し、その上面
に陰極5としてMgとAgを蒸着速度比10:1で15
0nm蒸着した。最後に、封止層6としてGeOを1.
6μm蒸着後、ガラス板7を光硬化性樹脂8で接着し密
封した。なお、図中、9は電源、10はリード線11は
陰極端子を示す。
【0036】ポリマーとして(10,10−ジ−n−ブ
チル−5−(2−ナフチルメチル)−5,10−ジヒド
ロフェナザシリン−2,8−ジイル)(一般式2,R1
=R2=n−ブチル,R3=2−ナフチル)を用いた場
合、この素子は5V以上の直流電圧により緑色に発光
し、14.5Vにおける輝度は1450cd/m2、電
流密度は280mA/cm2であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、新規なフェナザシリン
化合物が提供され、さらに該化合物を高分子化すること
で、成形加工でも非常に簡便な手法で薄膜化が出来るよ
うな素材の提供が可能となり、さらに発光素子およびエ
レクトロクロミズム素子の構成材料として有用な材料を
提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6で示した発光素子の模式的断面図であ
る。
【符号の説明】 1 基板 2 陽極 3 正孔注入輸送層 4 有機発光層 5 陰極 6 封止層 7 ガラス板 8 接着性材料層 9 電源 10 リード線 11 陰極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 輝幸 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 田中 正人 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 平8−302339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される5,10−
    ジヒドロ−5H−フェナザシリン化合物を主鎖骨格とす
    る重合体。 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基を示し、nは
    平均重合度で3〜30000の数を示す)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で示される5−メチル
    アリール−5,10−ジヒドロ−5H−フェナザシリン
    化合物を主鎖骨格とする重合体。 【化2】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基を示し、R3
    はアリール基を示し、nは平均重合度で3〜30000
    の数を示す)
  3. 【請求項3】 請求項2の5−メチルアリール−5,1
    0−ジヒドロ−5H−フェナザシリン化合物を主鎖骨格
    とする重合体を、脱アリールメチル化することを特徴と
    する請求項1に記載の5,10−ジヒドロ−5H−フェ
    ナザシリン化合物を主鎖骨格とする重合体を製造する方
    法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(3)で表される5,10−
    ジヒドロ−5H−フェナザシリン化合物をニッケル錯体
    を用いて脱ハロゲン化縮合反応させて重合することを特
    徴とする請求項2に記載のポリフェナザシリン化合物の
    合成方法。 【化3】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基を示し、R3
    はアリールメチル基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載の重合体を
    構成要素に用いた有機薄膜エレクトロクロミック素子。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2に記載の重合体を
    構成要素に用いた有機薄膜発光素子。
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