JP3288124B2 - 凹版ロール自動払拭装置、凹版ロール自動払拭方法および凹版ロール自動乾燥方法 - Google Patents

凹版ロール自動払拭装置、凹版ロール自動払拭方法および凹版ロール自動乾燥方法

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JP3288124B2
JP3288124B2 JP11380793A JP11380793A JP3288124B2 JP 3288124 B2 JP3288124 B2 JP 3288124B2 JP 11380793 A JP11380793 A JP 11380793A JP 11380793 A JP11380793 A JP 11380793A JP 3288124 B2 JP3288124 B2 JP 3288124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、凹版ロールの胴部表
面(インキセルを含む。)の払拭または/および乾燥が
簡単で、しかもワイパーを自動的に所定の接触圧で凹版
ロールに押当て、凹版ロールの胴部表面を自動的に均一
に払拭または/および乾燥をすることができる凹版ロー
ル自動払拭装置、凹版ロール自動払拭方法および凹版ロ
ール自動乾燥方法に関する。
【0002】液晶配向膜など電子部品に用いる高分子薄
膜パターンを形成する装置として、たとえば、多数のイ
ンキセルを有する凹版ロールと、インキセル内にインキ
を充填するドクターブレードを有するインキ供給装置
と、凹版ロールのインキが転移される弾性版を版胴に有
する印刷ロールと、印刷ロールのインキが転移される被
印刷体を固定する印刷テーブルとからなる薄膜形成装置
がある。
【0003】
【従来の技術】通常、凹版ロールのインキセル内に充填
されたインキの全てが印刷ロールに転移されることはな
く、凹版ロールのインキセル内に一部インキが残留す
る。このまま放置すると、残留したインキが乾燥または
硬化してインキ固形物となりインキセルの奥にこびり付
いてしまう。こびり付いたまま凹版ロールを使用する
と、凹版ロールにこびり付いたインキが新しいインキに
再び溶解したり、インキ固形物が脱落し、凹版ロールに
供給された新しいインキに混ざってしまうので、変質し
たインキで印刷を行うことになる。また、インキセル内
にこびり付いたインキにより、インキセル容量が減少す
るので、印刷ロールへのインキの転移量がその分少なく
なる。そこで、従来は、凹版ロールのインキセル内に残
留したインキを払拭しているが、すべて手作業で行なっ
ている。つまり、まず、インキを溶かす溶剤が浸みこん
だワイパーを、凹版ロールの胴部表面に、所定の接触圧
となるように、人の手で押当て、押当てたままの状態で
凹版ロールを回転させつつ凹版ロールの軸方向に添って
移動させている。
【0004】また、払拭後に、凹版ロールの胴部表面に
残留する溶剤などを除去するために、凹版ロールを乾燥
している。つまり、人の手によって凹版ロール乾燥用の
気体が噴出する気体噴出手段と凹版ロールの胴部表面と
の間に所定の距離をおいた状態とし、回転する凹版ロー
ルの胴部表面に吹付けながら凹版ロールを回転させつつ
人の手によって凹版ロールの軸方向に添って移動させて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、つぎのような
問題点があった。 (1)凹版ロールを払拭するために人が出入りするの
で、人自身や人の衣服や地面から塵やほこりなどが舞い
立ち周囲の清浄度がよくない。また、ゴミや油が付いた
手でワイパーをつかむことになる。よって、凹版ロール
を払拭しても、塵やほこりやゴミや油が凹版ロールに付
着することになるので、人の手間がかかる割には凹版ロ
ールがきれいに払拭されず、払拭効率が悪い。
【0006】(2)ワイパーを人の手で持って凹版ロー
ルに押当てながら凹版ロールを払拭するので、所定の接
触圧でワイパーを凹版ロールに押付け、凹版ロールの軸
方向にワイパーを移動させている間、所定の接触圧を維
持することは極めて困難であり、接触圧が強くなったり
弱くなったりしてしまう。その結果、払拭が十分のとこ
ろと不十分のところなどができてしまい、凹版ロールの
胴部表面を十分にかつ均一に払拭できない。
【0007】(3)気体噴出手段を人の手で持っている
ので、気体噴出手段と凹版ロールの胴部表面との間に所
定の距離をおき、凹版ロールの軸方向に気体噴出手段を
移動させている間、所定の距離を維持することは極めて
困難であり、距離が大きくなったり小さくなったりす
る。その結果、乾燥が十分のところとが不十分のところ
などができてしまい、凹版ロールの胴部表面が十分にか
つ均一に乾燥できない。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の凹版ロール自
動払拭装置は、以上の目的を達成するために、ハンド本
体と、ハンド本体の一端に反発押当て手段を介して取付
けられた凹版ロール払拭用のワイパーホルダー手段とか
らなるハンドが、多関節ロボットのアームに取付けられ
てハンド本体と、ハンド本体の一端に反発押当て手段を
介して取付けられた凹版ロール払拭用のワイパーホルダ
ー手段とからなるハンドが、多関節ロボットのアームに
取付けられており、反発押当て手段が、ハンド本体の一
端に固設された反発力発生体と、反発力発生体の他端に
固設された軸受け体とからなり、凹版ロール払拭用のワ
イパーホルダー手段が、軸受け体の一端に回転可能に取
付けられているように構成した。
【0009】この発明の凹版ロール自動払拭方法は、凹
版ロールをワイパーで払拭する凹版ロール払拭方法にお
いて、この発明に係る凹版ロール自動払拭装置のワイパ
ーホルダー手段にワイパーを保持させ、つぎに、多関節
ロボットのアームを駆動させることによって、ワイパー
ホルダー手段を移動させて、凹版ロールの胴部表面に所
定の接触圧でワイパーを押当て、つぎに、凹版ロールを
回転させるとともに、凹版ロールの胴部表面に対するワ
イパーの前記接触圧を維持しつつ、多関節ロボットのア
ームを駆動させることによって、ハンドを凹版ロールの
軸方向に対して一定の角度をつけた方向に移動させ、つ
ぎに、多関節ロボットのアームを駆動させることによっ
て、凹版ロールの胴部表面からワイパーを引離し、凹版
ロールの払拭を完了するように構成した。
【0010】この発明の凹版ロール自動払拭方法は、こ
の発明に係る凹版ロール自動払拭方法により凹版ロール
の自動払拭を完了した後、多関節ロボットのアームを駆
動させることによって、凹版ロールの胴部表面に、この
発明に係る凹版ロール自動払拭装置の凹版ロール乾燥用
の気体噴出手段を移動させ、つぎに、凹版ロールを回転
させるとともに、凹版ロール乾燥用の気体噴出手段から
気体を噴出させつつ、多関節ロボットのアームを駆動さ
せることによって、ハンドとともに気体噴出手段を凹版
ロールの軸方向に移動させるように構成した。
【0011】
【作用】この発明の凹版ロール自動払拭装置、凹版ロー
ル自動払拭方法および凹版ロール乾燥方法では、多関節
ロボットのハンドを用いて、凹版ロールの払拭または/
および乾燥を行なう。したがって、凹版ロールの払拭ま
たは/および乾燥を自動的に行なうことができ、人手が
いらず効率がよい。また、多関節ロボットのハンドの反
発押当て手段によって、ワイパーを常に所定の接触圧で
凹版ロールの胴部表面に押当てることができる。
【0012】
【実施例】以下図面を参照しながら、この発明の実施例
を説明する。まず、この発明の凹版ロール自動払拭装置
を説明する。この発明の凹版ロール自動払拭装置は、図
1に示すように、ハンド本体1と、ハンド本体1の一端
に反発押当て手段を介して取付けられた凹版ロール払拭
用のワイパーホルダー手段2とからなるハンド5が、多
関節ロボット6のアーム60に取付けられている。
【0013】多関節ロボット6は、汎用されている産業
用ロボットであり、複数のアーム60が関節61を介し
て水平、垂直に屈曲自在につながっている。すなわち、
多関節ロボット6は、水平多関節ロボット、垂直型多関
節ロボットあるいは直交型ロボットでもよい。複数のア
ーム60が集まったアーム群の一端にはハンド5が取付
けられ、他端はロボット基台62に支えられている。関
節61は、油圧や水圧あるいはモーターによって、多段
階あるいは無段階にアーム60を屈曲させて駆動させる
部分である。ロボット基台62は、油圧や水圧あるいは
モーターによってアーム群を垂直方向に多段階あるいは
無段階に駆動させる部分である。
【0014】ハンド本体1は、多関節ロボット6のアー
ム60に固設されており、多関節ロボット6のアーム6
0の駆動によって、ハンド5が任意の方向に移動できる
ものである(図1参照)。ハンド本体1のさらに具体的
な構成は、図3、図4に示すように、その一端に後述す
るスプリング30などの反発力発生体を受ける受け部1
0と多関節ロボット6のアーム60を固設する固設部1
1とからなる。
【0015】ワイパーホルダー手段2は、ワイパー取付
け部20の押当て面23にワイパー8を保持したり保持
を解除したりすることができる機構を備えたものであ
る。ワイパーホルダー手段2の押当て面23は、平面で
もよいし、凹版ロール7の胴部表面71の曲面に沿う曲
面でもよい。ワイパーホルダー手段2は、後述する反発
押当て手段3を介することによって、ハンド本体1との
間で反発しあい、ワイパー8を凹版ロール7の胴部表面
71に所定の接触圧で押当てられるものである(図1、
図3、図4参照)。ワイパー8としては、インキを溶解
する溶剤を浸み込ませた不織布などがある。ワイパーホ
ルダー手段2のさらに具体的な構成は、図3、図4に示
すように、ワイパー取付け部20と回転軸部21とから
なる。ワイパー取付け部20は、ワイパー8の押当て面
23を有している。回転軸部21は、軸受け体31の軸
受け部311に嵌込まれており、ワイパーホルダー手段
2が軸受け体31に対して、回転軸部21を中心に回転
するようになっている。
【0016】反発押当て手段3は、ハンド本体1とワイ
パーホルダー手段2との間に反発力を発生させるため
に、スプリング30やエアーシリンダー(図示せず)な
どの反発力を発生する反発力発生体を有するものであ
る。この反発力によってワイパーホルダー手段2が、凹
版ロール7の版胴表面に、所定の接触圧で押当てられ
る。スプリング30の一端は取付け体300の受け部1
0に固設し、他端は軸受け体31の受け部310に固設
する(図3、図4参照)。スプリング30の反発力によ
って、ハンド本体1と軸受け体31とがばらばらになら
ないように、ガイドロッド32とストッパー33とによ
って、ハンド本体1と軸受け体31とが引き離される限
界が設けられている。
【0017】ハンド5には、凹版ロール乾燥用の気体噴
出手段4がワイパーホルダー手段2に併設されていても
よい。凹版ロール乾燥用の気体としては、窒素などの気
体がある。気体噴出手段4は、ノズルなどの気体噴出装
置であり、ワイパーホルダー手段2の側部に取付けられ
ている。
【0018】反発押当て手段3を介して凹版ロール払拭
用のワイパーホルダー手段2が取付けられているハンド
本体1の別の箇所に、弾性版張力自動取付け取外し手段
100または/およびドクターブレード払拭用のワイパ
ーホルダー手段200が取付けられていてもよい(図示
せず)。弾性版自動取付け取外し手段100は、図5に
示すように、たとえば、固定チャック手段および引張チ
ャック手段および弾性版張力自動調節手段101からな
り、ハンド本体1の下面に固定チャック手段と弾性版張
力自動調節手段101とが固設され、弾性版張力自動調
節手段101によって引張チャック手段とハンド本体1
との間隔が調節される。印刷ロール版胴に所定の張力で
弾性版を取付ける必要が生じたとき、まず、弾性版の両
端を固定チャック手段および引張チャック手段で保持
し、弾性版の固定チャック手段側だけを印刷ロール版胴
に受渡し、印刷ロール版胴を回転させ、弾性版にかかる
張力を弾性版張力自動調節手段101によって調節しな
がら、印刷ロール版胴に弾性版を巻付ける。固定チャッ
ク手段および引張チャック手段は、チャック機構や電磁
石などによって弾性版の両端を保持する手段である。弾
性版張力自動調節手段101は、スプリングやエアーシ
リンダーなどからなっている。
【0019】また、ドクターブレード払拭用のワイパー
ホルダー手段200は、たとえば、図5に示すように、
弾性版自動取付け取外し手段100の対向する位置に、
反発押当て手段201を介して、ハンド本体1に取付け
られる。ドクターブレードに残留した不要なインキを除
去する必要が生じたとき、ドクターブレードのワイパー
ホルダー手段200に溶剤などを侵み込ませた不織布な
どからなるワイパーを保持させ、ハンド本体1を90゜
回転させ、多関節ロボット6のアーム60を駆動させて
ドクターブレードの表面を払拭する。反発押当て手段2
01は、スプリングやエアーシリンダーなどの反発力を
利用して、所定の接触圧でドクターブレードの先端にワ
イパーを接触させ、所定の挟込み圧でドクターブレード
の上下面がワイパーによって挟込まれるようにする手段
である。
【0020】この発明の凹版ロール自動払拭方法を説明
する。この発明の凹版ロール自動払拭方法は、不要なイ
ンキなどが胴部表面71に付着した凹版ロール7の胴部
表面71をワイパー8で払拭して、不要なインキを自動
的に除去する方法である。凹版ロール7は、回転軸70
を有する円柱形のセラミック体や金属体であり、その胴
部表面71に多数のインキセルを備えたものである。こ
のインキセルの中にインキが入り込み、凹版ロール7の
版胴に接して配置される印刷ロール72の表面に、イン
キセルの中にインキを転移させるものである。
【0021】まず、この発明の凹版ロール自動払拭装置
のワイパーホルダー手段2の押当て面23にワイパー8
を保持させる。たとえば、ワイパーホルダー手段2のワ
イパー取付け部20の側部に取付けられた複数のワイパ
ーチャック24でワイパーを固定するとよい。
【0022】つぎに、多関節ロボット6のアーム60を
駆動させることによって、ワイパーホルダー手段2を移
動させて、凹版ロール7の胴部表面71に、ワイパー8
の押当て面23を所定の接触圧で押当てる。アーム60
の駆動は、多関節ロボット6の関節61を介してアーム
60を適宜屈伸させたり、あるいは、ロボット基台62
を垂直移動させたりして行なう。所定の接触圧とは、ワ
イパー8を凹版ロール7の胴部表面71に接触させ、凹
版ロール7を回転させることによって、ワイパー8に浸
み込ませた溶剤が、凹版ロール7の胴部表面71のイン
キセル内に入り込んだ不要なインキを十分に溶かし、さ
らにワイパー8によって完全に拭取られるように接触し
たときの圧力である。
【0023】つぎに、凹版ロール7を回転させるととも
に、凹版ロール7の胴部表面71に対するワイパー8の
前記接触圧を維持しつつ、多関節ロボット6のアーム6
0を駆動させることによって、ハンド5を凹版ロール7
の軸方向に添って移動させる。凹版ロール7の胴部表面
71の曲率が大きくて、ワイパーホルダー手段2に保持
したワイパー8が平面であると、凹版ロール7の胴部表
面71とワイパー8とは線接触となり、その他の部分は
浮いて接触しなくなる。ワイパー8の全面が浮かないよ
うに凹版ロール7の版胴表面に強く押当てようとする
と、強い接触圧の部分と弱い接触圧の部分とができてし
まったりする。こうなると、実質上、線接触している部
分あるいは接触圧が最大の部分だけでインキを払拭して
いることとなり、汚れがよく付着する部分とあまり付着
ししない部分ができて、ワイパー全面を無駄なく使用す
ることができず払拭効率がわるい。そこで、図2に示す
ように、ハンド5を移動させる方向を、軸方向に対して
一定の角度をつけた方向に移動させるようにした。こう
することによって、ワイパー8と凹版ロール7との線接
触している部分あるいは接触圧が最大となる部分が、ワ
イパー8の全面を満遍なく移動することになるので、ワ
イパー全面を無駄なく使用することができ払拭効率がよ
くなる。
【0024】また、ワイパー8で回転する凹版ロール7
の胴部表面71を払拭している最中に、凹版ロール7の
胴部表面71に対するワイパー8の所定の接触圧を維持
しながら、軸受け体31とワイパーホルダー手段2とが
なす角度を調節させてもよい(図4参照)。ワイパーホ
ルダー手段2の回転は、ワイパーホルダー手段2が、凹
版ロール7の版胴を移動している最中に、ハンド5の微
妙なブレなどによって、ワイパーホルダー手段2の押当
て面23と凹版ロール7の版胴表面71とが平行になら
ず、傾きかけた場合などに随時行なわれる。つまり、ワ
イパーホルダー手段2の押当て面23が、凹版ロール7
の版胴表面71に対して傾いてしまうと、ワイパー8の
一部が凹版ロール7の版胴表面71から浮き上がってし
まい、凹版ロール7の胴部表面71とワイパー8とが均
一な接触圧で接触しなくなってしまい、きれいに払拭す
ることができなくなる。そこで、その傾きに応じてワイ
パーホルダー手段2を回転軸部21を中心に所定角度だ
け回転させることによって、ワイパーホルダー手段2の
押当て面23と凹版ロール7の版胴表面71とが平行な
状態となるようにし、ワイパーホルダー手段2の押当て
面23と凹版ロール7の版胴表面71とを隙間なく均一
な接触圧で接触させることができる。
【0025】つぎに、多関節ロボット6のアーム60を
駆動させることによって、凹版ロール7の胴部表面71
からワイパー8を引離し、凹版ロール7の払拭を完了す
る。
【0026】この発明の凹版ロール自動乾燥方法を説明
する。この発明の凹版ロール自動乾燥方法は、この発明
の凹版ロール自動払拭方法により凹版ロール7の自動払
拭を完了した後に行なう。
【0027】まず、多関節ロボット6のアーム60を駆
動させることによって、凹版ロール7の胴部表面71か
ら所定の距離をおいた状態とし、この発明の凹版ロール
自動払拭装置の凹版ロール乾燥用の気体噴出手段4を移
動させる。アーム60の駆動は、多関節ロボット6の関
節61を介してアーム60を適宜屈伸させたり、あるい
は、ロボット基台62を垂直移動させたりして行なう。
【0028】つぎに、凹版ロール7を回転させるととも
に、凹版ロール乾燥用の気体噴出手段4から気体を噴出
させつつ、多関節ロボット6を駆動させることによっ
て、気体噴出手段4を凹版ロール7の軸方向に添って移
動させる。凹版ロール7の回転は、一定の回転速度で回
転させる。凹版ロール7の回転速度は、気体噴出手段4
から噴出される気体の量や温度、凹版ロール7の軸方向
への移動の速度などに依存して設定される。たとえば、
気体噴出手段4から噴出される気体の量が多いとき、あ
るいは温度が高いとき、あるい気体噴出手段4の凹版ロ
ール7の軸方向への移動の速度が遅いときなどは、凹版
ロール7の回転を比較的早くするとよい。また、気体噴
出手段4から噴出される気体の量が少ないとき、あるい
は温度が低いとき、あるい気体噴出手段4の凹版ロール
7の軸方向への移動の速度が速いときなどは、凹版ロー
ル7の回転を比較的早くするとよい。
【0029】
【発明の効果】この発明の凹版ロール自動払拭装置、凹
版ロール自動払拭方法および凹版ロール自動乾燥方法
は、以上のような構成および作用なのでつぎのような効
果を奏する。 (1)凹版ロールを払拭するために人が出入りする必要
がないので、塵やほこりなどが舞い立たず、周囲の清浄
度がよくなる。ワイパーをハンドが自動的に持つので、
塵やほこりやゴミが凹版ロールに付着しない。よって、
手間がかからないとともに凹版ロールも全く汚れず、払
拭効率がよい。
【0030】(2)ワイパーを、多関節ロボットのアー
ムに取付けられたハンドで自動的に押当てながら凹版ロ
ールを払拭するので、ワイパーを凹版ロールと所定の接
触圧で押付けることができる。また、所定の接触圧を維
持したまま、アームを凹版ロールの軸方向に移動させる
ことも自動的にできるので、凹版ロールの胴部表面を十
分にかつ均一に払拭できる。
【0031】(3)多関節ロボットに取付けられたハン
ドで、凹版ロール乾燥用の気体を自動的に凹版ロールの
胴部表面に吹付けるので、気体噴出手段と凹版ロールの
胴部表面との間の距離を所定の距離とし、凹版ロールの
軸方向に気体噴出手段を移動させている間中所定の距離
を維持することも自動的に容易にできる。よって、凹版
ロールの胴部表面を十分にかつ均一に乾燥できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の凹版ロール自動払拭装置の一実施例
を示す断面説明図である。
【図2】この発明の凹版ロール自動払拭装置のワイパー
ホルダー手段が、凹版ロールの版胴表面を接触しながら
移動する軌跡を示す説明図である。
【図3】この発明の凹版ロール自動払拭装置装置の別の
一実施例の要部拡大断面説明図である。
【図4】図3のA-A断面図である。
【図5】この発明の凹版ロール自動払拭装置装置に弾性
版張力自動取付け取外し手段とドクターブレード払拭用
のワイパーホルダー手段とが取付けられた状態の模式図
である。
【符号の説明】
1 ハンド本体 10 受け部 11 固設部 2 ワイパーホルダー手段 20 ワイパー取付け部 21 回転軸部 23 押当て面 24 ワイパーチャック 3 反発押当て手段 30 スプリング 31 軸受け体 310 受け部 311 軸受け部 32 ガイドロッド 33 ストッパー 300 取付け体 4 気体噴出手段 5 ハンド 6 多関節ロボット 60 アーム 61 関節 62 ロボット基台 70 回転軸 71 胴部表面 72 印刷ロール 8 ワイパー 100 弾性版自動取付け取外し手段 101 弾性版張力自動調節手段 200 ドクターブレード払拭用のワイパーホルダー手
段 201 反発押当て手段
フロントページの続き (72)発明者 赤井 隆広 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日本写真印刷株式会社内 (72)発明者 中林 義夫 京都府京都市中京区錦小路通烏丸西入る 占出山町320番地の1 テクノエンジニ アリング株式会社内 審査官 畑井 順一 (56)参考文献 特開 昭63−295262(JP,A) 特開 平2−280884(JP,A) 実開 昭61−138547(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 9/00 - 9/08 B25J 9/06 B41F 17/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンド本体と、ハンド本体の一端に反発
    押当て手段を介して取付けられた凹版ロール払拭用のワ
    イパーホルダー手段とからなるハンドが、多関節ロボッ
    トのアームに取付けられており、反発押当て手段が、ハ
    ンド本体の一端に固設された反発力発生体と、反発力発
    生体の他端に固設された軸受け体とからなり、凹版ロー
    ル払拭用のワイパーホルダー手段が、軸受け体の一端に
    回転可能に取付けられていることを特徴とする凹版ロー
    ル自動払拭装置。
  2. 【請求項2】 凹版ロール乾燥用の気体噴出手段が、ワ
    イパーホルダー手段と併設されている請求項1記載の凹
    版ロール自動払拭装置。
  3. 【請求項3】 反発押当て手段を介して凹版ロール払拭
    用のワイパーホルダー手段が取付けられているハンド本
    体の別の箇所に、弾性版張力自動取付け取外し手段また
    は/およびドクターブレード払拭用のワイパーホルダー
    手段が取付けられている請求項1〜請求項2のいずれか
    に記載の弾性版自動取付け取外し装置。
  4. 【請求項4】 凹版ロールをワイパーで払拭する凹版ロ
    ール払拭方法において、請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載の凹版ロール自動払拭装置のワイパーホルダー手
    段にワイパーを保持させ、つぎに、多関節ロボットのア
    ームを駆動させることによって、ワイパーホルダー手段
    を移動させて、凹版ロールの胴部表面に所定の接触圧で
    ワイパーを押当て、つぎに、凹版ロールを回転させると
    ともに、凹版ロールの胴部表面に対するワイパーの前記
    接触圧を維持しつつ、多関節ロボットのアームを駆動さ
    せることによって、ハンドを凹版ロールの軸方向に対し
    て一定の角度をつけた方向に移動させ、つぎに、多関節
    ロボットのアームを駆動させることによって、凹版ロー
    ルの胴部表面からワイパーを引離し、凹版ロールの払拭
    を完了することを特徴とする凹版ロール自動払拭方法。
  5. 【請求項5】 凹版ロールの胴部表面に所定の接触圧
    で、ワイパーを押当てた後、凹版ロールを回転させると
    ともに、凹版ロールの胴部表面に対するワイパーの接触
    圧を維持しながら軸受け体とワイパーホルダー手段とが
    なす角度を調節させつつ、多関節ロボットのアームを駆
    動させることによって、ハンドを移動させる請求項
    載の凹版ロール自動払拭方法。
  6. 【請求項6】 請求項4あるいは請求項5のいずれかに
    記載の凹版ロール自動払拭方法により、凹版ロールの自
    動払拭を完了した後、多関節ロボットのアームを駆動さ
    せることによって、凹版ロールの胴部表面に、請求項2
    〜請求項3のいずれかに記載の凹版ロール自動払拭装置
    の凹版ロール乾燥用の気体噴出手段を移動させ、つぎ
    に、凹版ロールを回転させるとともに、凹版ロール乾燥
    用の気体噴出手段から気体を噴出させつつ、多関節ロボ
    ットのアームを駆動させることによって、ハンドととも
    に気体噴出手段を移動させることを特徴とする凹版ロー
    ル自動乾燥方法。
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