JP3287963B2 - 固形腸溶製剤のコーティング用水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents

固形腸溶製剤のコーティング用水性エマルジョンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固形腸溶製剤をコーテ
ィングする水性エマルジョンの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】固形腸溶製剤は腸溶性コーティングされ
ており、酸に弱い薬物を胃酸から保護するとともに胃壁
に対する刺激、障害を有する薬物から胃粘膜を保護し、
腸に至って溶解し、そこで薬理作用を発揮する。コーテ
ィングの基剤には、アクリル系ポリマーやセルロース系
ポリマーが使用される。アクリル系ポリマーには、例え
ばメタクリル酸とアクリル酸エチルの共重合体が挙げら
れる。セルロース系ポリマーには、例えばセルロースア
セテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセル
ロースが挙げられる。これらのポリマーは有機溶剤に溶
解したり、水性ラテックスあるいは水分散液としてコー
ティング処理に使用される。近年、有機溶剤の使用が環
境問題から規制される方向にあり、コーティング処理は
水系で行うことが普及しつつある。
【0003】水系コーティング処理については多くの技
術が公知となっている。特公昭60-43334号公報にはアク
リル系ポリマーのエマルジョンが記載されている。この
アクリル系ポリマーはメタアクリル酸とアクリル酸エチ
ルの乳化共重合体であり、粒子径が1μm以下の安定な
エマルジョンである。しかし乳化剤、重合開始剤、連鎖
移動剤、未反応モノマー等が残留しているので、固形腸
溶製剤をコーティングするには安全面から好ましくな
い。
【0004】セルロース系ポリマーを水に分散するに
は、ポリマーとともに塩類を添加するかポリマーのカル
ボキシル基を中和する方法と、ポリマーを微粒子にして
水中に分散する方法とがある。
【0005】前者の方法については、特公昭61-56221号
公報にセルロースアセテートフタレートを乳化し、次い
で凝集防止剤としてリン酸塩を添加してスプレードライ
することで、水に再分散するポリマー粉末を得る方法が
記載されている。セルロースアセテートフタレートの乳
化は米国特許4177177 号明細書に記載されている方法に
従う。特開昭56-30913号公報には、セルロースアセテー
トフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレートをアンモニアで中和した水溶液としてコー
ティングに用いる方法が記載されている。特開昭58−13
5807号公報にはアルカリにより中和して溶解した後、カ
ルボン酸を添加する方法が記載されている。これらの方
法では、何れも固形腸溶製剤をコーティングする被膜中
にカルボン酸のアルカリ塩またはアンモニウム塩が残留
する。アルカリ塩およびアンモニウム塩は吸湿性が高い
ので、固形腸溶製剤の品質は低下する。
【0006】後者の方法については、特公昭56-12614号
公報には、平均粒子径100μm以下のセルロース系ポ
リマーを、ゲル化剤(可塑剤)が含まれている沸点10
0℃以上の水中に分散させる方法が記載されている。特
公昭57-53329号公報、特公昭58-55125号公報には、ゲル
化剤としてトリアセチンあるいはクエン酸トリエチルを
使用すると記載されている。ポリマーを分散させる場
合、機械によって誘導体を粉砕するとその粒子径は少な
くとも1μm以上となってしまう。1μm以上の粒子径
では可塑剤が不可欠となり、加熱によってポリマーが軟
化しその分散液中に凝集沈殿してしまう。
【0007】特公平3-39490 号公報には、乳化により水
中のセルロース系ポリマーの粒子径を小さくしてセルロ
ース水系コーティング技術の欠点を改善する方法が記載
されている。この乳化は米国特許4177177 号明細書に記
載されている方法に従っている。具体的には、セルロー
ス系ポリマーを水不混和性の有機溶剤に溶かしてポリマ
ー溶液を調製する。安定剤である炭素数8以上の炭化水
素(セチルアルコール等)および界面活性剤をポリマー
溶液に加え、このポリマー溶液を高圧ホモジナイザー等
の特別な乳化機で処理してエマルジョンを得る。このよ
うに従来の水性コーティング液の組成には、セルロース
系ポリマー以外の成分、例えば安定剤、界面活性剤が含
まれている。これらの成分は腸溶製剤の耐酸性、安定性
を損ねることが多く、できるだけ単純な組成のコーティ
ング液の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、乳化剤、重合開始剤、連
鎖移動剤、塩類、可塑剤等の添加剤を加えることなく、
水中で容易に乳化できる安定な固形腸溶製剤のコーティ
ング用水性エマルジョンの製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 前記の目的を達成する
ためになされた本発明の固形腸溶製剤のコーティング用
水性エマルジョンの製造方法は、セルロース系ポリマー
を、水と任意の割合で混合できる有機溶媒またはこの有
機溶媒と水との混合溶媒に溶解して、可塑剤が含まれて
いないポリマー溶液を調製し、そのポリマー溶液と水と
を混合して拡散した後、有機溶媒を除去するものであ
る。
【0010】セルロース系ポリマーは固形腸溶製剤をコ
ーティングする基剤となる。セルロース系ポリマーに
は、有機溶剤系コーティングで使用されてきたポリマ
ー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレ
ート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート
サクシネート、セルロースアセテートフタレート、セル
ロースアセテートトリメリテート、カルボキシメチルエ
チルセルロースが挙げられる。これらのセルロース系ポ
リマーは単独で使用しても、混合して使用しても良い。
【0011】有機溶媒には、水と任意の割合で混合でき
る溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類が挙げられる。これらは単独で使用して
も、混合して使用しても良い。また、少量の水非混合性
の溶剤を少量使用するのは自由である。乳化後、有機溶
媒を除去する工程があるので有機溶媒の沸点は低いの
ましい。
【0012】有機溶媒と水との混合溶媒はセルロース系
ポリマーを溶解することができる組成をとる。混合溶媒
に溶解させるセルロース系ポリマーの種類によっても異
なるが、混合溶媒中での水の比率は60重量%以下であ
る。
【0013】ポリマー溶液は10重量%以下の濃度が好
ましく、さらに好ましくは2〜10重量%である。10
重量%以上では粘性が高くなり過ぎるため1μm以下の
微粒子に乳化できなくなる。2重量%以下では最終的に
得られる水性エマルジョンの濃度が低くなり過ぎるの
で、生産性が低下する。
【0014】ポリマー溶液と混合する水の量は、ポリマ
ー溶液に対して80重量%以上であることが好ましく、
さらに好ましくは80〜150重量%である。80重量
%以下では溶媒の拡散が不十分で乳化が不完全となる。
150重量%以上では最終的に得られる水性エマルジョ
ンの濃度が低くなり過ぎるので、濃縮が必要となる。
【0015】乳化方法は、有機溶媒あるいは前記混合溶
媒にセルロース系ポリマーを溶解してポリマー溶液を調
製し、そのポリマー溶液と所定の比率の水とを混合する
ことで完了する。その間通常の撹拌装置で緩やかに撹拌
を続ければよく、撹拌の強度による影響はない。但し、
混合させる速度が遅いときには、ポリマー溶液中の有機
溶媒が水相へ拡散する際に充分な拡散がされず、粒径1
μm以下のエマルジョンを得ることはできない。さらに
常法に従って、蒸留または減圧蒸留により有機溶媒を除
去することで、固形腸溶製剤のコーティング用水性エマ
ルジョンが得られる。エマルジョンの安定化等のために
界面活性剤を加えることは自由である。
【0016】本発明の固形製剤の製造方法は、前記の方
法により製造されたコーティング用水性エマルジョンに
可塑剤を添加してから、固形製剤に塗布するというもの
である。コーティング処理は、コーティング液をコーテ
ィング装置によって、固形腸溶製剤に噴射した後、液を
乾燥させて膜を造ることで完了する。コーティング液
は、得られた水性エマルジョンに製剤学的に認められて
いる可塑剤、例えばクエン酸トリエチル、トリアセチン
が加えられたものである。コーティング装置には、例え
ば流動層コーティング装置、パンコーティング装置、通
気式回転ドラム型コーティング装置が挙げられる。これ
らの装置で固形腸溶製剤にコーティング液を噴射した
後、温風を送り込むと液中の水分が発散し、固形腸溶製
剤をコーティングする皮膜が得られる。
【0017】
【発明の効果】本発明の固形腸溶製剤のコーティング用
水性エマルジョンの製造方法によれば、セルロース系ポ
リマーを特定の組成の有機溶媒に溶解させることで、塩
類、可塑剤、乳化剤(界面活性剤)等の添加剤をまった
く加えることなく、ポリマーを水中で容易に乳化するこ
とができる。得られたエマルジョンは、熱に対して安定
であるので、溶媒を除く際の蒸留操作に耐えることがで
き、加熱により凝集することがない。この水性エマルジ
ョンで固形腸溶製剤をコーティングすることで、耐酸
性、安定性に優れた固形腸溶製剤を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0019】実施例1 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55:信越化学工業製)0.3kgをアセトン9.7
kgに溶かし、ポリマー溶液を調製した。ポリマー溶液
を100rpmの強さで撹拌しながら速度1kg/秒で
水10kgに投入して乳化を行った。得られたエマルジ
ョンをエバポレーターによりジャケット温度50℃、真
空度−590mmHgで減圧蒸留し溶媒を除去した。さ
らにジャケット温度60℃、真空度−730mmHgで
濃縮を行った。蒸留濃縮物を200meshの篩に通
し、凝集物を除いた。濃縮物中での凝集物は0.1重量
%、ポリマー濃度は10重量%であった。このようにし
て得られたエマルジョン中のポリマーの平均粒子径は、
0.2μmであった。
【0020】実際のコーティングと同様に、可塑剤とし
てクエン酸トリエチルをポリマーに対して15重量%と
なるようにエマルジョンに添加し、ガラス板上にキャス
トして透明な連続フィルムを調製した。日本薬局の崩
壊試験方法が定める腸溶性製剤試験に準じて、フィルム
の崩壊を調査した。具体的にはpH1.2の第一液(人
工胃液)を37℃(体温)に保ちながら、第一液の中に
フィルムを2時間浸漬した。2時間経過しても、フィル
ムには全く変化が認められなかった。
【0021】比較例1 投入する水の量を5000gにしたことを除いては、実
施例1と同様にして乳化を行った。溶媒の拡散が不十分
で、ポリマー溶液が2層に分離し一部にゲル状のポリマ
ーの沈殿が観察された。
【0022】比較例2 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを1.
2kgにしたことを除いては、実施例1と同様にして乳
化を行った。溶媒の拡散が不十分で、ポリマー溶液が2
層に分離し下層にゲル状のポリマーの沈殿が観察され
た。
【0023】実施例2 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55:信越化学工業製)50gを、エタノールと水と
の混合溶媒(エタノール/水=8/2)950gに溶解
してポリマー溶液を調製した。水1000gを100r
pmの強さで撹拌しながら、速度200g/秒でポリマ
ー溶液に投入して乳化を行った。得られたエマルジョン
をエバポレーターにてジャケット温度60℃、真空度−
545mmHgで減圧蒸留により溶媒を除去した。蒸留
物を200meshの篩に通し、凝集物を除いた。蒸留
物中での凝集物は0.3重量%で、ポリマー濃度は6重
量%であった。こうして得られたエマルジョン中のポリ
マーの平均粒子径は0.2μmであった。
【0024】実際のコーティングと同様に、可塑剤とし
てクエン酸トリエチルをポリマーに対して15重量%と
なるようエマルジョンに添加し、ガラス板上にキャスト
して透明な連続フィルムを調製した。日本薬局の崩壊
試験方法が定める腸溶性製剤試験に準じて、得られたフ
ィルムをpH1.2の第1液で2時間浸漬しても、フィ
ルムに全く変化は認められなかった。
【0025】実施例3 ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシ
ネート(信越AQOAT AS−MF:信越化学工業
製)50gを、メタノールと水との混合溶媒950g
(メタノール/水=8/2)に溶解しポリマー溶液を調
製した。ポリマー溶液を1000gの水に投入して乳化
を行った。得られたエマルジョンをエバポレーターによ
りジャケット温度50℃、真空度−490mmHgで減
圧蒸留し溶媒を除去した。蒸留物を200meshの篩
に通して、凝集物を除いた。蒸留物中での凝集物は約
0.5重量%で、ポリマー濃度は4重量%であった。こ
うして得られたエマルジョン中のポリマーの平均粒子径
は0.3μmであった。実施例1と同様にフィルムを調
製し、崩壊試験を実施したところフィルムに変化は見ら
れなかった。
【0026】実施例4 投入する水の量を850gにしたことを除いては、実施
例2と同様の条件で乳化を行った。蒸留物中での凝集物
は2.1重量%で、ポリマー濃度は5重量%であった。
得られたエマルジョン中のポリマーの平均粒子形は0.
3μmであった。実施例1と同様にしてフィルムを調製
し、崩壊試験を実施したところフィルムに変化は見られ
なかった。
【0027】実施例5 混合溶媒950g中での水の比率を30重量%にしたこ
とを除いては、実施例2と同様の条件で乳化を行った。
蒸留物中での凝集物は3.3重量%で、ポリマー濃度は
6重量%であった。得られたエマルジョン中のポリマー
の平均粒子形は0.2μmであった。実施例1と同様に
してフィルムを調製し、崩壊試験を実施したところフィ
ルムに変化は見られなかった。
【0028】実施例6 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55)を70gにしたことを除いては、実施例2と同
様の条件で乳化を行った。蒸留物中での凝集物は5.7
重量%で、ポリマー濃度は7重量%であった。得られた
エマルジョン中のポリマーの平均粒子形は0.3μmで
あった。実施例1と同様にしてフィルムを調製し、崩壊
試験を実施したところフィルムに変化は見られなかっ
た。
【0029】実施例7 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55)を50gにしたことを除いては、実施例1と同
様の条件で乳化を行った。濃縮物中での凝集物は約0.
3重量%で、ポリマー濃度は約6重量%であった。得ら
れたエマルジョン中のポリマーの平均粒子形は0.2μ
mであった。実施例1と同様にしてフィルムを調製し、
崩壊試験を実施したところフィルムに変化は見られなか
った。
【0030】実施例8 セルロース系ポリマーにカルボキシメチルエチルセルロ
ース(CMEC AQ:フロイント産業製)を50g使
用したことを除いては、実施例1と同様の条件で乳化を
行った。濃縮物中での凝集物は約0.3重量%で、ポリ
マー濃度は約6重量%であった。得られたエマルジョン
中のポリマーの平均粒子形は0.4μmであった。実施
例1と同様にしてフィルムを調製し、崩壊試験を実施し
たところフィルムに変化は見られなかった。
【0031】実施例9 実施例1で得られたエマルジョンに、可塑剤としてクエ
ン酸トリエチルをヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレートに対して35重量%添加し、コーティング液
を調製した。
【0032】コーティング液を直径0.8mmのパンク
レアチン柱状顆粒に噴射した。噴射処理にはフロイント
産業社製のコーティング装置FLOWCOATER FLO-1 を使用
した。噴射時のスプレー速度は毎分60gとし、噴射処
理後、顆粒温度33℃のパンクレアチン柱状顆粒に毎分
2.7m3 の割合で80℃の空気を送り込み、排気温度
37℃のもとで、表面の水分を発散させた。コーティン
グ皮膜量が10〜18重量%まで5段階のパンクレアチ
ン柱状顆粒が得られた。
【0033】日本薬局−12の崩壊試験方法が定める
腸溶性製剤試験に準じ、パンクレアチン顆粒のコーティ
ング皮膜が胃液によって壊れ、内包されているパンクレ
アチンが胃液に溶出する量を溶出試験器で調査した。具
体的にはpH1.2の第一液(人工胃液)を37℃(体
温)に保ちながら、その中にコーティングされたパンク
レアチン顆粒を2時間浸漬し、溶出するパンクレアチン
の量を測定した。その結果を表1に示す。
【0034】比較例3 平均粒子径8μmのヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート(HP−55F)を水に分散させ可塑剤と
した。HP−55Fに対して35重量%のクエン酸トリ
エチルを加えてコーティング液とした。
【0035】コーティング操作は実施例9と同様の方法
で行った。14〜25重量%まで5段階のコーティング
皮膜量のパンクレアチン柱状顆粒が得られた。日本薬局
−12の崩壊試験方法が定める腸溶性試験に準じて、
コーティングされたパンクレアチン顆粒を第1液(pH
1.2)に2時間浸漬し、溶出するパンクレアチンの量
を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】比較例4 平均粒子径5μmのヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート(HP−55UF)を水に分散させ可塑剤
とした。HP−55UFに対して35重量%のクエン酸
トリエチルを加えてコーティング液とした。
【0037】コーティング操作は実施例9と同様の方法
で行った。12〜20重量%まで5段階のコーティング
皮膜量のパンクレアチン柱状顆粒が得られた。日本薬局
−12の崩壊試験方法が定める腸溶性試験に準じて、
コーティングされたパンクレアチン顆粒を第1液(pH
1.2)に2時間浸漬し、溶出するパンクレアチンの量
を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より、実施例9のコーティング液は比
較例3、4のコーティング液と比べて、耐酸性に優れて
いることがわかる。 実施例10 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP
−55)0.05kgをエタノールと水との混合溶媒
(エタノール/水=8/2)4.95kgに溶解してポ
リマー溶液を調製した。100rpmの強さで撹拌しな
がら水10kgを速度2kg/秒でポリマー溶液に投入
して乳化を行った。得られたエマルジョンを実施例2と
同様の方法により溶媒および凝集物を除去した。濃縮液
中の凝集物は0.3重量%、ポリマー濃度は5重量%で
あった。このようにして得られたエマルジョン中のポリ
マーの平均粒子径は、0.2μmであった。
【0040】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−207342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/38 A61K 9/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系腸溶性基剤を、水と任意の
    割合で混合できる有機溶媒または該有機溶媒と水との混
    合溶媒に溶解し、ポリマー濃度が10重量%以下であっ
    て可塑剤が含まれていないポリマー溶液を調製し、該ポ
    リマー溶液に対して80重量%以上の水とポリマー溶液
    とを混合して拡散した後、該有機溶媒を除去することを
    特徴とする固形腸溶製剤のコーティング用水性エマルジ
    ョンの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により製造された
    コーティング用水性エマルジョンに可塑剤を添加してか
    ら、固形製剤に塗布することを特徴とする固形製剤の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機溶媒がメタノール、エタノー
    ル、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン
    より選ばれた少なくとも1種類の溶媒であり、混合溶媒
    中での水の比率が60重量%以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の固形腸溶製剤のコーティング用水性
    エマルジョンの製造方法。
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