JP3287948B2 - 石英系光導波路のコア膜用材料の製造方法および石英系光導波路コア膜の製造方法 - Google Patents
石英系光導波路のコア膜用材料の製造方法および石英系光導波路コア膜の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信システムの一部
品として利用される石英系光導波路のコア膜用材料の製
造方法および石英系光導波路コア膜の製造方法に関する
ものである。
品として利用される石英系光導波路のコア膜用材料の製
造方法および石英系光導波路コア膜の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路の中で石英系光導波路は、低損
失で、光ファイバとの接続損失も非常に小さく、低価格
の光部品として有望視されている。
失で、光ファイバとの接続損失も非常に小さく、低価格
の光部品として有望視されている。
【0003】基板上に石英系光導波路を製造する方法と
して、火炎堆積法と反応性イオンエッチングによる方法
が、河内氏著、オプトロニクス、1988年8号85頁
に記載されている。この方法は、シリコン基板上に火炎
堆積法によりアンダークラッド層、コア膜となるガラス
微粒子を堆積させて多孔質膜を形成し、電気炉などで高
温に加熱して透明ガラス化する。ガラス化したコア膜を
反応性イオンエッチングにより矩形にした後、ガラス微
粒子を堆積しオーバークラッド層を形成して、高温に加
熱してガラス化する。
して、火炎堆積法と反応性イオンエッチングによる方法
が、河内氏著、オプトロニクス、1988年8号85頁
に記載されている。この方法は、シリコン基板上に火炎
堆積法によりアンダークラッド層、コア膜となるガラス
微粒子を堆積させて多孔質膜を形成し、電気炉などで高
温に加熱して透明ガラス化する。ガラス化したコア膜を
反応性イオンエッチングにより矩形にした後、ガラス微
粒子を堆積しオーバークラッド層を形成して、高温に加
熱してガラス化する。
【0004】また基板上に石英系光導波路を製造する方
法として、電子ビーム蒸着法と反応性イオンエッチング
と火炎堆積法による方法が、井本他、日立評論、199
0年72(4)51頁に記載されている。この方法は、
アンダークラッド層を兼ねた石英ガラス基板上に電子ビ
ーム蒸着法によりコア膜を形成し、コア膜を反応性イオ
ンエッチングにより矩形にした後、火炎堆積法によりガ
ラス微粒子を堆積しオーバークラッド層を形成して、高
温に加熱してガラス化する。この製造方法ではコア膜を
形成する材料として、石英ガラスに屈折率制御用添加物
としてTiを含有したものが使用されている。また特開
平5−157927号公報には、コア材料として、Si
O2 とTa2 O5 粉末を均一混合した後、これをホット
プレスにより所定形状に固形化したものが開示されてい
る。
法として、電子ビーム蒸着法と反応性イオンエッチング
と火炎堆積法による方法が、井本他、日立評論、199
0年72(4)51頁に記載されている。この方法は、
アンダークラッド層を兼ねた石英ガラス基板上に電子ビ
ーム蒸着法によりコア膜を形成し、コア膜を反応性イオ
ンエッチングにより矩形にした後、火炎堆積法によりガ
ラス微粒子を堆積しオーバークラッド層を形成して、高
温に加熱してガラス化する。この製造方法ではコア膜を
形成する材料として、石英ガラスに屈折率制御用添加物
としてTiを含有したものが使用されている。また特開
平5−157927号公報には、コア材料として、Si
O2 とTa2 O5 粉末を均一混合した後、これをホット
プレスにより所定形状に固形化したものが開示されてい
る。
【0005】火炎堆積法は、ガラス微粒子の堆積後にガ
ラス化するために1100℃〜1400℃で1〜3時間
の熱処理を必要とし、この熱処理はガラス化後のコア
膜、クラッド層とシリコン基板との熱膨張係数が大きく
違うためコア膜に大きな熱応力を発生させてしまう。こ
の大きな熱応力は本来等方性であるコア膜を異方性とし
てしまい、デバイスを形成した場合、偏波依存性を発生
させるという欠点を有していた。また膜厚制御や面内の
膜厚分布を均一にするのが困難で、ガラス微粒子の堆積
後、高温加熱によりガラス化したアンダークラッド層、
コア膜、オーバークラッド層の各層は、面内の膜厚分布
を均一にするためにポリッシュを行なわなければならな
かった。
ラス化するために1100℃〜1400℃で1〜3時間
の熱処理を必要とし、この熱処理はガラス化後のコア
膜、クラッド層とシリコン基板との熱膨張係数が大きく
違うためコア膜に大きな熱応力を発生させてしまう。こ
の大きな熱応力は本来等方性であるコア膜を異方性とし
てしまい、デバイスを形成した場合、偏波依存性を発生
させるという欠点を有していた。また膜厚制御や面内の
膜厚分布を均一にするのが困難で、ガラス微粒子の堆積
後、高温加熱によりガラス化したアンダークラッド層、
コア膜、オーバークラッド層の各層は、面内の膜厚分布
を均一にするためにポリッシュを行なわなければならな
かった。
【0006】電子ビーム蒸着法は、成膜時に膜厚制御が
可能であり、面内の膜厚分布も均一であるためポリッシ
ュを行なう必要はなく有効な方法である。
可能であり、面内の膜厚分布も均一であるためポリッシ
ュを行なう必要はなく有効な方法である。
【0007】しかしながら、電子ビーム蒸着法によりコ
ア膜を製造する際に使用するコア材料として石英ガラス
に屈折率制御用添加物としてTiを含有したものを用い
ると、Tiにより光が吸収されて伝搬損失が大きくな
る。
ア膜を製造する際に使用するコア材料として石英ガラス
に屈折率制御用添加物としてTiを含有したものを用い
ると、Tiにより光が吸収されて伝搬損失が大きくな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したSiO2 とT
a2 O5 の粉末を用いた方法において、本発明者は材料
をSiO2 とGeO2 の粉末として試みた。その結果、
SiO2 とGeO2 の粉末を均一に混合してホットプレ
スしたものをコア材料として石英系光導波路コア膜を製
造すると、低損失の石英系光導波路コア膜を製造するこ
とができるが、SiO2 とGeO2 の融点の差が大き過
ぎるためコア材料の蒸発速度に差が生じ、製造されたコ
ア膜にクラスターが基板面内の一部に発生することが分
かった。さらに膜厚方向でのGeの含有量が均一でない
ため、バッチ間での特性が安定しなかった。
a2 O5 の粉末を用いた方法において、本発明者は材料
をSiO2 とGeO2 の粉末として試みた。その結果、
SiO2 とGeO2 の粉末を均一に混合してホットプレ
スしたものをコア材料として石英系光導波路コア膜を製
造すると、低損失の石英系光導波路コア膜を製造するこ
とができるが、SiO2 とGeO2 の融点の差が大き過
ぎるためコア材料の蒸発速度に差が生じ、製造されたコ
ア膜にクラスターが基板面内の一部に発生することが分
かった。さらに膜厚方向でのGeの含有量が均一でない
ため、バッチ間での特性が安定しなかった。
【0009】本発明は前記の課題を解決するためなされ
たもので、信頼性が高く、極めて低損失で、しかも特性
が安定した石英系光導波路のコア膜用材料の製造方法お
よび石英系光導波路コア膜の製造方法を提供することを
目的とする。
たもので、信頼性が高く、極めて低損失で、しかも特性
が安定した石英系光導波路のコア膜用材料の製造方法お
よび石英系光導波路コア膜の製造方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の石英系光導波路のコア膜用材料の
製造方法は、図1に示すように、SiCl4 とGeCl
4 とを酸水素炎を用いた火炎加水分解反応により微粉末
多孔質材3を形成し、微粉末多孔質材3を燒結して透明
ガラス化した固化物とする。前記固化物の外周部を所定
量除去することが好ましい。
めになされた本発明の石英系光導波路のコア膜用材料の
製造方法は、図1に示すように、SiCl4 とGeCl
4 とを酸水素炎を用いた火炎加水分解反応により微粉末
多孔質材3を形成し、微粉末多孔質材3を燒結して透明
ガラス化した固化物とする。前記固化物の外周部を所定
量除去することが好ましい。
【0011】前記の目的を達成するためになされた本発
明の石英系光導波路コア膜の製造方法は、図3に示すよ
うに、真空室11内で、電子銃13でコア膜用材料12
を蒸発させアンダークラッドを兼ねた基板またはアンダ
ークラッドを形成した基板15に付着させる石英系光導
波路コア膜の製造方法において、コア膜用材料12がS
iCl4 と屈折率制御用元素の塩化物とを酸水素炎の火
炎加水分解反応により微粉末多孔質材を形成し、該微粉
末多孔質材を燒結して透明ガラス化した固化物である。
前記屈折率制御用元素はGeであることが好ましい。
明の石英系光導波路コア膜の製造方法は、図3に示すよ
うに、真空室11内で、電子銃13でコア膜用材料12
を蒸発させアンダークラッドを兼ねた基板またはアンダ
ークラッドを形成した基板15に付着させる石英系光導
波路コア膜の製造方法において、コア膜用材料12がS
iCl4 と屈折率制御用元素の塩化物とを酸水素炎の火
炎加水分解反応により微粉末多孔質材を形成し、該微粉
末多孔質材を燒結して透明ガラス化した固化物である。
前記屈折率制御用元素はGeであることが好ましい。
【0012】
【作用】SiCl4 とGeCl4 を酸水素炎を用いて火
炎加水分解反応により形成した微粉末多孔質材を燒結し
て透明ガラス化した固化物は、燒結時に外周部のGeが
揮発してGe濃度が小さくなってしまうが、その外周部
を所定量除去することにより、Geが均一に添加された
コア材料として使用することができる。またSiCl4
とGeCl4 を酸水素炎を用いて火炎加水分解反応によ
り微粉末多孔質材を形成すると同時に、SiO2 のみの
微粉末多孔質を外周部に形成し、燒結を行なうことによ
っても、燒結時に外周部のGeの揮発を防止することが
できる。
炎加水分解反応により形成した微粉末多孔質材を燒結し
て透明ガラス化した固化物は、燒結時に外周部のGeが
揮発してGe濃度が小さくなってしまうが、その外周部
を所定量除去することにより、Geが均一に添加された
コア材料として使用することができる。またSiCl4
とGeCl4 を酸水素炎を用いて火炎加水分解反応によ
り微粉末多孔質材を形成すると同時に、SiO2 のみの
微粉末多孔質を外周部に形成し、燒結を行なうことによ
っても、燒結時に外周部のGeの揮発を防止することが
できる。
【0013】本発明の製造方法により石英系光導波路コ
ア膜を製造すると、電子ビーム蒸着法におけるコア材料
を屈折率制御用添加物を含有した固化物とすることによ
り、コア膜中のクラスターをなくすことができる。また
SiO2 と屈折率制御用添加物が電子ビームの加熱によ
り同時に蒸発するため、屈折率制御用添加物がアンダー
クラッド層にコア膜として面内、膜厚方向に均一に添加
される。このためコア膜の面内、膜厚方向の屈折率が均
一なコア膜を製造することができ、バッチ間の特性が安
定する。
ア膜を製造すると、電子ビーム蒸着法におけるコア材料
を屈折率制御用添加物を含有した固化物とすることによ
り、コア膜中のクラスターをなくすことができる。また
SiO2 と屈折率制御用添加物が電子ビームの加熱によ
り同時に蒸発するため、屈折率制御用添加物がアンダー
クラッド層にコア膜として面内、膜厚方向に均一に添加
される。このためコア膜の面内、膜厚方向の屈折率が均
一なコア膜を製造することができ、バッチ間の特性が安
定する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明を適用する石英系光導波路
のコア膜用材料の製造方法を実施する装置の概略構成図
である。
のコア膜用材料の製造方法を実施する装置の概略構成図
である。
【0016】同図に示すように、軸付けチャンバー1に
は導入口5、6、および残留ガスや残留微粉末を排気す
るための排気口7が開けられている。導入口5には上方
から軸2が上部で支えられて導入され、導入口6には微
粉末多孔質材3の形成材料となるガスを通すノズル4が
導入されている。
は導入口5、6、および残留ガスや残留微粉末を排気す
るための排気口7が開けられている。導入口5には上方
から軸2が上部で支えられて導入され、導入口6には微
粉末多孔質材3の形成材料となるガスを通すノズル4が
導入されている。
【0017】上記装置を使用して、SiCl4 、GeC
l4 、O2 およびH2 ガスがノズル4を通って軸付けチ
ャンバー1内に導入され、軸2の先端部に吹きつけられ
る。軸2は火炎加水分解反応により微粉末多孔質材3を
形成しながら上方に引き上げられる。形成された微粉末
多孔質材3は燒結され透明ガラス化した固化物となる。
l4 、O2 およびH2 ガスがノズル4を通って軸付けチ
ャンバー1内に導入され、軸2の先端部に吹きつけられ
る。軸2は火炎加水分解反応により微粉末多孔質材3を
形成しながら上方に引き上げられる。形成された微粉末
多孔質材3は燒結され透明ガラス化した固化物となる。
【0018】上記の装置、動作により、火炎加水分解反
応を行なう際のガス流量をSiCl4 が0.52l/m
in、GeCl4 が0.061l/min、O2 が10
l/min、H2 が6l/minとして微粉末多孔質材
3を形成し、He雰囲気中1600℃で燒結して、透明
ガラス化した固化物を得た。
応を行なう際のガス流量をSiCl4 が0.52l/m
in、GeCl4 が0.061l/min、O2 が10
l/min、H2 が6l/minとして微粉末多孔質材
3を形成し、He雰囲気中1600℃で燒結して、透明
ガラス化した固化物を得た。
【0019】得られた透明ガラス化した固化物の径方向
のGe濃度分布を測定し、その結果を図2に示した。同
図に示すように、微粉末多孔質材3を燒結するときに外
周部のGeが揮発してしまうため、固化物の外周部はG
eの濃度が小さい。このGeの濃度が小さい固化物の外
周部を除去するために、外周から中心に向かって10m
m円筒研削を行ない、研削された固化物を任意の大きさ
に切断してGe濃度の均一な固化物を製造し、コア材料
として使用する。前記外周部を除去する方法としてはフ
ッ酸によるウェットエッチングでも良い。
のGe濃度分布を測定し、その結果を図2に示した。同
図に示すように、微粉末多孔質材3を燒結するときに外
周部のGeが揮発してしまうため、固化物の外周部はG
eの濃度が小さい。このGeの濃度が小さい固化物の外
周部を除去するために、外周から中心に向かって10m
m円筒研削を行ない、研削された固化物を任意の大きさ
に切断してGe濃度の均一な固化物を製造し、コア材料
として使用する。前記外周部を除去する方法としてはフ
ッ酸によるウェットエッチングでも良い。
【0020】図3は、本発明を適用する石英系光導波路
コア膜の製造方法を実施する装置の概略構成図である。
コア膜の製造方法を実施する装置の概略構成図である。
【0021】同図に示すように、チャンバー11はボル
ト31とナット32により台19に固定され密閉されて
おり、台19にはチャンバー11内を真空にするための
真空排気系16が接続されている。また台19の側部に
は電源20が固設されている。チャンバー11内の上部
には基板ホルダ21が固定されており、基板ホルダ21
には石英ガラス基板15が固定されている。チャンバー
11内の下部には電子銃13が固設されており、電子銃
13の上には石英系光導波路コア膜のコア材料12がル
ツボ14に入れて置かれている。コア材料12の両側に
はヒータ22が固設されており、ヒータ22は電源20
に接続され、電流供給量を変えて温度を調節できるよう
になっている。
ト31とナット32により台19に固定され密閉されて
おり、台19にはチャンバー11内を真空にするための
真空排気系16が接続されている。また台19の側部に
は電源20が固設されている。チャンバー11内の上部
には基板ホルダ21が固定されており、基板ホルダ21
には石英ガラス基板15が固定されている。チャンバー
11内の下部には電子銃13が固設されており、電子銃
13の上には石英系光導波路コア膜のコア材料12がル
ツボ14に入れて置かれている。コア材料12の両側に
はヒータ22が固設されており、ヒータ22は電源20
に接続され、電流供給量を変えて温度を調節できるよう
になっている。
【0022】上記の装置を用いて次のように石英系光導
波路コア膜を製造する。真空排気系16を作動させ、チ
ャンバー11内を真空にする。ヒータ22に電流を流し
て、石英ガラス基板15の表面を加熱する。電子銃13
から電子ビームをコア材料12に照射して蒸発させ、石
英ガラス基板15の表面に蒸着させて石英系光導波路コ
ア膜を形成する。
波路コア膜を製造する。真空排気系16を作動させ、チ
ャンバー11内を真空にする。ヒータ22に電流を流し
て、石英ガラス基板15の表面を加熱する。電子銃13
から電子ビームをコア材料12に照射して蒸発させ、石
英ガラス基板15の表面に蒸着させて石英系光導波路コ
ア膜を形成する。
【0023】上記の装置、動作により、直径100mm
の石英ガラス基板15を用いて、その表面を350℃に
保ちながら、コア材料12を蒸発させ、成膜速度1.2
nm/secで厚さ8μmの石英系光導波路コア膜を形
成した。尚、石英系光導波路コア膜の屈折率がアンダー
クラッド層を兼ねた石英ガラス基板15よりも0.3%
高くなるようにコア材料12のGe添加量を調節した。
の石英ガラス基板15を用いて、その表面を350℃に
保ちながら、コア材料12を蒸発させ、成膜速度1.2
nm/secで厚さ8μmの石英系光導波路コア膜を形
成した。尚、石英系光導波路コア膜の屈折率がアンダー
クラッド層を兼ねた石英ガラス基板15よりも0.3%
高くなるようにコア材料12のGe添加量を調節した。
【0024】上記製造方法により石英系光導波路コア膜
を5バッチ製造し、それらの面内屈折率分布および伝搬
損失を測定した。面内屈折率分布は、図4に示すよう
に、石英系光導波路コア膜の中心点Aと、外周から中心
点Aに向かって10mmの点B、C、D、Eの5点で測
定し、面内屈折率分布偏差を計算した。伝搬損失はプリ
ズムカプラ法により測定した。それらの結果を表1に示
す。
を5バッチ製造し、それらの面内屈折率分布および伝搬
損失を測定した。面内屈折率分布は、図4に示すよう
に、石英系光導波路コア膜の中心点Aと、外周から中心
点Aに向かって10mmの点B、C、D、Eの5点で測
定し、面内屈折率分布偏差を計算した。伝搬損失はプリ
ズムカプラ法により測定した。それらの結果を表1に示
す。
【0025】コア膜の面内屈折率分布偏差σは、設定屈
折率をn、測定屈折率をnm として以下のように定義す
る。
折率をn、測定屈折率をnm として以下のように定義す
る。
【0026】
【数1】
【0027】
【表1】
【0028】表1に示すように、どのバッチ回数におい
ても、製造された石英系光導波路コア膜の面内屈折率分
布がほとんどないため面内屈折率分布偏差が小さく、伝
搬損失も極めて小さかった。
ても、製造された石英系光導波路コア膜の面内屈折率分
布がほとんどないため面内屈折率分布偏差が小さく、伝
搬損失も極めて小さかった。
【0029】比較のため、上記実施例と同一の装置、条
件において、図1に示す装置で製造された固化物の外周
部を除去せずに、図3に示す装置で石英系光導波路コア
膜を製造した。この製造方法により石英系光導波路コア
膜を5バッチ製造し、実施例と同様にそれらの面内屈折
率分布および伝搬損失を測定し面内屈折率分布偏差を計
算した。それらの結果を表2に示す。
件において、図1に示す装置で製造された固化物の外周
部を除去せずに、図3に示す装置で石英系光導波路コア
膜を製造した。この製造方法により石英系光導波路コア
膜を5バッチ製造し、実施例と同様にそれらの面内屈折
率分布および伝搬損失を測定し面内屈折率分布偏差を計
算した。それらの結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2に示すように、コア材料を均一に蒸発
することができた1、4、5バッチ目は、実施例と同程
度の結果が得られたが、2、3バッチ目はコア材料の蒸
発時の偏りのため面内屈折率分布偏差および伝搬損失が
大きくなってしまい、バッチごとに特性が異なり安定し
なかった。
することができた1、4、5バッチ目は、実施例と同程
度の結果が得られたが、2、3バッチ目はコア材料の蒸
発時の偏りのため面内屈折率分布偏差および伝搬損失が
大きくなってしまい、バッチごとに特性が異なり安定し
なかった。
【0032】さらに比較のため、上記実施例において、
図1の装置でコア材料を製造せずに、SiO2 とGeO
2 の粉末を均一に混合してホットプレスし所定形状に固
形化した固化物をコア材料として、図3に示す装置によ
り上記実施例と同じ条件で石英系光導波路コア膜を製造
した。この製造方法により石英系光導波路コア膜を5バ
ッチ製造し、実施例と同様にそれらの面内屈折率分布お
よび伝搬損失を測定し面内屈折率分布偏差を計算した。
それらの結果を表3に示す。
図1の装置でコア材料を製造せずに、SiO2 とGeO
2 の粉末を均一に混合してホットプレスし所定形状に固
形化した固化物をコア材料として、図3に示す装置によ
り上記実施例と同じ条件で石英系光導波路コア膜を製造
した。この製造方法により石英系光導波路コア膜を5バ
ッチ製造し、実施例と同様にそれらの面内屈折率分布お
よび伝搬損失を測定し面内屈折率分布偏差を計算した。
それらの結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3に示すように、どのバッチ回数におい
ても、製造された石英系光導波路コア膜の面内屈折率分
布偏差が大きく、伝搬損失も大きかった。また製造され
た石英系光導波路コア膜の中には1〜10μmのクラス
ターが観察された。
ても、製造された石英系光導波路コア膜の面内屈折率分
布偏差が大きく、伝搬損失も大きかった。また製造され
た石英系光導波路コア膜の中には1〜10μmのクラス
ターが観察された。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明の製
造方法による石英系光導波路のコア膜用材料を用いて、
石英系光導波路コア膜を製造すると、信頼性が高く、極
めて低損失で、しかも特性が安定した石英系光導波路コ
ア膜を製造することができ、しかも歩留りが良いため光
通信システムの一部品として用いた際に低価格の光部品
を提供することができる。
造方法による石英系光導波路のコア膜用材料を用いて、
石英系光導波路コア膜を製造すると、信頼性が高く、極
めて低損失で、しかも特性が安定した石英系光導波路コ
ア膜を製造することができ、しかも歩留りが良いため光
通信システムの一部品として用いた際に低価格の光部品
を提供することができる。
【図1】本発明を適用する石英系光導波路のコア膜用材
料の製造方法を実施する装置の概略構成図である。
料の製造方法を実施する装置の概略構成図である。
【図2】コア材料である固化物のGe濃度分布を示す図
である。
である。
【図3】本発明を適用する石英系光導波路コア膜の製造
方法を実施する装置の概略構成図である。
方法を実施する装置の概略構成図である。
【図4】石英系光導波路コア膜の面内屈折率分布を測定
する位置を示す図である。
する位置を示す図である。
1は軸付けチャンバー、2は軸、3は微粉末多孔質材、
4はノズル、5・6は導入口、7は排気口、11はチャ
ンバー、12はコア材料、13は電子銃、14はルツ
ボ、15は石英ガラス基板、16は真空排気系、21は
基板ホルダ、19は台、22はヒータ、31はボルト、
32はナットである。
4はノズル、5・6は導入口、7は排気口、11はチャ
ンバー、12はコア材料、13は電子銃、14はルツ
ボ、15は石英ガラス基板、16は真空排気系、21は
基板ホルダ、19は台、22はヒータ、31はボルト、
32はナットである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−157927(JP,A) 特開 平5−301721(JP,A) 特開 平6−61552(JP,A) 特開 昭59−137346(JP,A) 特開 平5−215929(JP,A) 特開 平5−226733(JP,A) 特開 平5−341145(JP,A) 特開 平6−144867(JP,A) 特開 平6−57417(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14 C03B 1/00 - 5/44 C03B 8/00 - 8/04 C03B 19/00 - 20/00 C03C 1/00 - 23/00 C23C 14/00 - 14/58
Claims (4)
- 【請求項1】 真空室内で、電子ビーム蒸着法によりコ
ア膜用材料を蒸発させアンダークラッドを兼ねた基板ま
たはアンダークラッドを形成した基板に付着させる石英
系光導波路コア膜の製造方法において、該コア膜用材料
がSiCl4と屈折率制御用元素の塩化物とを酸水素炎
の火炎加水分解反応により微粉末多孔質材を形成し、該
微粉末多孔質材を燒結して透明ガラス化した固化物であ
ることを特徴とする石英系光導波路コア膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記屈折率制御用元素がGeであること
を特徴とする請求項1に記載の石英系光導波路コア膜の
製造方法。 - 【請求項3】 SiCl4 とGeCl4 とを酸水素炎の
火炎加水分解反応により微粉末多孔質材を形成し、該微
粉末多孔質材を燒結して透明ガラス化した固化物とする
ことを特徴とする石英系光導波路のコア膜用材料の製造
方法。 - 【請求項4】 前記固化物の外周部を所定量除去するこ
とを特徴とする請求項3に記載の石英系光導波路のコア
膜用材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10016494A JP3287948B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 石英系光導波路のコア膜用材料の製造方法および石英系光導波路コア膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10016494A JP3287948B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 石英系光導波路のコア膜用材料の製造方法および石英系光導波路コア膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07306327A JPH07306327A (ja) | 1995-11-21 |
JP3287948B2 true JP3287948B2 (ja) | 2002-06-04 |
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ID=14266682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10016494A Expired - Fee Related JP3287948B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 石英系光導波路のコア膜用材料の製造方法および石英系光導波路コア膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3287948B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-13 JP JP10016494A patent/JP3287948B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07306327A (ja) | 1995-11-21 |
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