JP3287158B2 - 非線形光学装置 - Google Patents

非線形光学装置

Info

Publication number
JP3287158B2
JP3287158B2 JP522495A JP522495A JP3287158B2 JP 3287158 B2 JP3287158 B2 JP 3287158B2 JP 522495 A JP522495 A JP 522495A JP 522495 A JP522495 A JP 522495A JP 3287158 B2 JP3287158 B2 JP 3287158B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
signal light
path
signal
order nonlinear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP522495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08194238A (ja
Inventor
至 横浜
雅生 遊部
篤 横尾
弘樹 伊藤
俊邦 戒能
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP522495A priority Critical patent/JP3287158B2/ja
Publication of JPH08194238A publication Critical patent/JPH08194238A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3287158B2 publication Critical patent/JP3287158B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光伝送、光情報処理等の
分野で使用される光スイッチおよび光変調器において、
高速な動作を実現し得る非線形光学装置に関するもので
ある。特に2次の非線形光学効果を用いた、小型で低動
作パワーであるような非線形光学装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光伝送、光情報処理等の分野で使用され
る高速の光スイッチおよび光変調器に関しては、電流に
より半導体中のキャリア密度の変化に伴う吸収および屈
折率の変化を利用するものや、電界を印加し結晶の持つ
電気光学効果による屈折率変化を利用するものが検討さ
れている。
【0003】上述の電流や電界を印加して動作させる光
スイッチおよび光変調器は、それぞれキャリア移動速度
や浮遊容量による動作速度の限界があり、速い場合でも
50GHz程度が限度となっている。
【0004】電流や電界を印加しないで、光により動作
するものとしては、3次の非線形光学効果によるものが
ある。3次の非線形効果は、光密度によって媒質の屈折
率を変えるもので、
【0005】
【数1】 nt =n+nNLp (1) (ここで、nt は全体の屈折率、nは非線形屈折率、n
NLは非線形屈折率、Ipは加えられる光密度である)と
表される。3次の非線形光学効果による光スイッチや光
変調器では、図8の(a),(b)および(c)に示す
ような干渉計構成が検討されている。図8(a)はカー
シャッタ構成であり、3次非線形媒質71に、制御光7
2と、制御光の偏光と45°回転した偏光の入射信号光
73が入射され、制御光72による3次非線形媒質中の
複屈折率の変化により、出射信号光74の偏光方向を回
転させ、偏光子または偏光ビームスプリッタ機能を有す
る素子75を通すことにより、制御光72によって制御
された信号光を得ることができる。また、制御光はフィ
ルタ717によりカットされている。この構成におい
て、信号光の入射時の偏波面は制御光の偏波面から45
°回転しているため、光導波路内の信号光は制御光と同
じ偏波面をもつP1 と制御光の偏波面と垂直な偏波面を
もつP2 に分かれて伝搬する。P1 とP2 のうち主にP
1 が制御光との相互作用により位相の変化を受ける。そ
のためP1 とP2 の合波光である信号光の偏波面が回転
する。図8(b)はマッハツェンダ干渉計構成であり、
信号光76は分波器77により2つの経路に分岐され、
1つの経路には第1の合波器78により制御光79が合
波され、3次非線形媒質710を透過し、2つの経路を
通過した信号光76は第2の合波器711により合波さ
れる。この構成では、制御光79によって3次非線形媒
質710の屈折率変化によって、第1の経路を通る信号
光と第2の経路を通る信号光の間に位相変化が生じ、そ
の位相変化に応じて、第2の合波器の出射側の2つの分
岐からの信号光出力が変化する。結果として、信号光出
力は制御光79により制御されることになる。図8
(c)はループミラー干渉計構成であり、信号光712
は分波器713により2つの経路に分岐され、1つの経
路には合波器714により制御光715が合波され、3
次非線形媒質716に接続され、他の経路も反対側から
3次非線形媒質716に接続されている。この構成で
は、制御光715によって3次非線形媒質716の屈折
率変化によって、右回りの信号光と左回り信号光の間に
位相変化が生じ、その位相変化に応じて、分波器の出射
側の2つの分岐からの信号光出力が変化する。結果とし
て、信号光出力は制御光715により制御されることに
なる。以上3つの構成とも基本的に干渉計構成であり、
1つの信号光を、2つの偏光または経路に分離し、再び
合波させている。合波後の出力の一方の偏光または一方
の経路からの出力は、いずれも
【0006】
【数2】 Pout=0.5[(P1 0.5−P2 0.5)2 +2(P1P2)0.5(1−cos(φ))] (2) (ここで、P1 ,P2 は、合波前の第1経路(または第
1の偏光)および第2経路(または第2の偏光)の信号
光の光強度、φは合波前の第1経路(または第1の偏
光)と第2経路(または第2の偏光)の信号光の位相差
である。)と表すことができる。動作原理は、3次非線
形効果は信号光の光強度を変化させないので、分離され
た信号光の光強度P1 ,P2 を変化させることなく、3
次非線形効果により屈折率変化によって、片方の信号光
の位相のみを変化せしめ、結果として位相差φのみを変
化させ、式(2)のPout を変化させることになる。制
御光のない時の初期位相差を0とすると、位相差φは制
御光の光密度Ip により
【0007】
【数3】 φ= 2πnNLIpL/λ (3) (ここで、Lは3次非線形媒質の素子長、λは信号光の
波長)と表され、式(2),(3)により合波後の出力
の一方の偏光または一方の経路からの出力は、
【0008】
【数4】 Pout=2P1 × sin2(πnNLIpL/λ) (4) となる。
【0009】スイッチングのためには、制御光により約
πの位相変化を信号光に生じさせなければならないが、
3次の非線形光学定数が一般に極めて小さいため、10
0GHz以上の高速動作ではあるものの、低パワー光で
の動作が行えず実用的素子には至っていない。例えば、
NL=10-18 (m2 /W)と比較的大きな3次の非線
形屈折率を有する材料であるカルゴゲナイドガラスファ
イバを使用したカーシャッタでは、ファイバ長2mで動
作パワーとして3W以上の制御光が必要であり、小型化
が難しいこともあり実用的には使用できなかった。
【0010】また、3次非線形光学効果以外の非線形光
学効果として、2次非線形光学効果があるが、周知のよ
うに2次非線形光学効果は、基本的に第2高調波発生、
和周波発生、差周波発生などの波長変換の効果であり、
中心対称性のくずれた物質に強く現れる効果である。第
2高調波発生は、角周波数ωの基本光を2次非線形媒質
に入射して、角周波数2ωの第2高調波光に変換するも
ので、変換効率を高めるためには、β2 −2β1 =0
(ここで、β1 ,β2 は、基本光および第2高調波光の
2次非線形媒質中での伝搬定数)なる位相整合条件、ま
たは2次非線形媒質が周期Tの周期的分極構造を有する
場合においては、β2 −2β1 −2πm/T=0(ここ
でmは奇整数)なる疑似位相整合条件を満たさなければ
ならない。また、和周波発生は、角周波数ω1 の光と角
周波数ω2 の光を入射して、角周波数ω3 (=ω1 +ω
2 )の和周波光に変換するもので、変換効率を高めるた
めには、β3 −β2 −β1 =0(ここで、β1 ,β2
は、角周波数ω1 およびω2 の光の2次非線形媒質中で
の伝搬定数、β3 は和周波光の2次非線形媒質中での伝
搬定数)なる位相整合条件、または2次非線形媒質が周
期Tの周期的分極構造を有する場合においては、β3
β2 −β1 −2πm/T=0(ここでmは奇整数)なる
疑似位相整合条件を満たさなければならない。また、差
周波発生は、角周波数ω3 の光と角周波数ω2 の光を入
射して、角周波数ω1 (=ω3 −ω2 )の差周波光に変
換するもので、変換効率を高めるためには、β3 −β2
−β1 =0(ここで、β1 ,β2 ,β3 は、角周波数ω
1 ,ω2 またはω3 の光の2次非線形媒質中での伝搬定
数)なる位相整合条件、または2次非線形媒質が周期T
の周期的分極構造を有する場合においては、β3 −β2
−β1 −2πm/T=0(ここでmは奇整数)なる疑似
位相整合条件を満たさなければならない。従来、2次非
線形光学効果である第2高調波発生、和周波発生、差周
波発生においては、位相整合条件および疑似位相整合条
件において、波長変換に関与する光に変換に伴う強度変
化は生ずるが、位相変化は生じないと考えれていたた
め、3次非線形光学効果の適用が検討されている位相変
化を利用して、入力と出力の信号光の波長を変えずにス
イッチ動作を行うスイッチへの検討はほとんどなされて
いなかった。
【0011】ただし、近年、2次非線形効果を用い、第
2高調波発生で位相整合条件をはずすことにより位相変
化を生じさせるカスケード効果が提案されている(参考
文献:G.I.Stegeman他 Optics L
ettes vol.18,1993,No.1,p1
3−15))。カスケード効果では、位相変化だけでは
なく、強度変化も同時に生じ、図7のような干渉計構成
に適用した場合、干渉計の完全スイッチング条件を位
相、強度ともに満たすことが一般に難しいことが難点と
なる。ただ、特殊な条件で前記難点を回避する構造も提
案されている(参考文献:C.N.Ironside他
IEEE Journal of Quantum
Electronics,vol.29,No.10,
1993,p2650−2654)。図9にその構造を
示す。マッハツェンダ干渉計構成の2つの経路にそれぞ
れ周期的分極構造を有する2次非線形媒質が配置されて
おり、基本光の伝搬定数をβ1 、第2高調波光の伝搬定
数をβ2 、素子長をLとした時、片方の経路の分極周期
が、β2 −2β1 −2πm/T=2πとなるように、も
う片方の経路の分極周期が、β2 −2β1 −2πm/T
=−2πとなるように設定されている。この構成では、
片方の経路の位相変化がπ/2となる時、強度変化がな
い状態となり、同時にもう片方の経路における位相変化
が−π/2、強度変化がない状態となり、結果として完
全スイッチングが実現される。計算上の試算では、素子
長1cmの分極反転構造のニオブ酸リチウム導波路を使
用した場合、動作パワーは約6W必要となっており、素
子構造が複雑な上、動作パワーの低パワー化が十分なさ
れない構造といえる。これは、位相整合条件をはずして
いるため、2次非線形効果を十分活用していないためで
あり、以上のように十分な低パワー動作が実現されてい
ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】3次の非線形光学効果
を用いた光スイッチなどの非線形光学装置においては、
3次の非線形屈折率が一般に非常に小さいため、大きな
素子長と大きな制御光パワーが必要であった。そのた
め、素子の小型化および低動作パワー化が行えないとい
う欠点があった。
【0013】2次の非線形光学効果を用いた第2高調波
発生、和周波発生および差周波発生においては、(1)
波長変換が目的であること、(2)位相整合の条件下に
おける上記現象においては、それぞれの単独過程におけ
る入射光の位相変化は起らないこと等の理由により、光
スイッチへの適用は行われていなかった。
【0014】同じく2次の非線形光学効果を用いた第2
高調波発生において、位相整合条件を外すことによっ
て、入射光の位相変化を起す試みが行われているが、こ
の場合素子長は1cmと小型化されるものの制御光パワ
ーは6Wと依然として高い。また位相整合条件を外して
いるため、位相変化とそれに伴い発生する強度変化が同
期せず、特殊な素子構成をとらないと完全なスイッチ動
作をしないという欠点があった。
【0015】本発明は、上述のような欠点を解決するた
めに提案されたものであり、3次の非線形光学効果より
の効率の高い2次の非線形光学効果を利用し、さらに
(1)完全なスイッチ動作が可能で、かつ(2)小型で
低動作パワーの光スイッチ動作が可能な非線形光学装置
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の非線形光学装置は、2次の非線形光学効果
を有する物質からなる光導波路と、角周波数ωの信号
光を入射する手段と、該信号光とは異なる角周波数ω
の制御光を入射する手段とを備えた非線形光学装置にお
いて、該光導波路は、該信号光と該制御光の和周波光で
ある角周波数ωの光の伝搬定数と、該信号光の伝搬定
数および制御光の伝搬定数との間に位相整合あるいは擬
似位相整合条件を満足しており、かつ、該光導波路にお
ける和周波光発生に関する実効的2次非線形定数をd
eff、該制御光の屈折率をn、該制御光の光密度を
、該和周波光の屈折率をn、該光導波路の長さを
L、真空中の光速と誘電率をそれぞれcおよびεとした
とき、 0.5π<(deff/n)×(2Iωω/(nεc))0.5×L<1.5π であることを特徴とする。
【0017】好ましくは、上記制御光を入射する手段
は、上記制御光を上記光導波路において上記信号光との
和周波光を最大効率で発生させる偏光方向で入射する機
能を有し、上記信号光を入射する手段は、上記信号光を
上記光導波路において上記制御光との和周波光を最大効
率で発生させる偏光方向から45°回転した偏光方向で
入射する機能を有する。
【0018】好ましくは、上記信号光を入射する手段
は、上記信号光を第1の経路と第2の経路に2分した
後、該第1の経路を上記光導波路に接続する機能を有
し、上記第1の経路と上記光導波路を順次通過した信号
光と、上記第2の経路を通過した信号光とを合波する合
波手段をさらに具備している。さらに好ましくは、信号
光を入射する手段と、上記制御光を入射する手段が同一
の合分波器からなる。
【0019】好ましくは、上記信号光を入射する手段
は、上記信号光を第1の経路と第2の経路に2分した
後、該第1の経路を上記光導波路の一方の端面に接続
し、第2の経路を上記光導波路の他方の端面に接続する
機能を有する。
【0020】好ましくは、上記信号光を入射する手段
と、上記制御光を入射する手段が同一の合分波器からな
る。
【0021】
【作用】2次の非線形光学効果は3次の非線形光学効果
に比べ効率が高いので、素子長を短くかつ制御光パワー
を低くできるため、従来に比べ小型で低動作パワーな非
線形光学装置を提供することができる。後述するよう
に、一例として本発明の構成では、素子長2cm以下動
作パワー30mW以下が可能であり、素子長2m以上動
作パワー3W以上必要な従来の3次の非線形光学効果を
用いた構成に比べ、大幅な素子の小型化および低動作パ
ワー化が達成される。
【0022】位相整合条件あるいは疑似位相整合条件を
満足する2次の非線形光学効果を用いる本発明の構成で
は、和周波発生過程からそれに引き続く差周波発生過程
に移るときに信号光の位相がπだけ変化し、この効果が
光スイッチに適用できることを、発明者が初めて発見し
た。これは位相整合条件下で初めて達成されるものであ
る。すなわち、信号光の位相変化は、2次の非線形光学
効果を有する物質からなる光導波路における和周波光発
生に関する実効的2次非線形定数をdeff 、制御光の屈
折率をn2 、制御光の光密度をI2 、和周波光の屈折率
をn3 、光導波路の長さをL、真空中の光速と誘電率を
それぞれcおよびεとしたとき、 (2n+0.5)π<(deff/n2) ×(2I2ω2 ω3 /(n3εc3))0.5
× L<(2n+1.5)π n=0,1,2,3,… であれば起る。本発明においては、小型で低消費電力な
非線形光学装置を提供する目的に鑑み、n=0を選択し
ている。
【0023】従来の2次の非線形光学効果を用いた和周
波発生においては、 0<(deff/n2) ×(2I2ω2 ω3 /(n3εc3))0.5 × L<0.5
π の条件で行っていた。後述するように、このような条件
では信号光の位相変化は起らない。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0025】(実施例1)図1は、本発明にもとづく非
線形光学装置の一例を模式的に表した図である。信号光
(角周波数ω1 )と制御光(角周波数ω2 )はそれぞれ
異なる方向から入射機構1内に入力される。この際、信
号光および制御光は、それぞれ半波長板2,3により偏
光状態を以下のように変える。すなわち、制御光は2次
非線形光導波路5において信号光との和周波光が最大効
率で発生する偏光方向で入射するように、また信号光は
2次非線形光導波路において制御光との和周波光が最大
効率で発生する偏光方向から45°回転した偏光方向で
入射するように調整される。また、半波長板2,3を通
過した信号光および制御光は、合波ミラー4により合波
され、2次非線形光導波路5に入射される。
【0026】2次非線形光導波路5からの出射光は、フ
ィルタ6を透過する。このフィルタ6で信号光のみが選
択され、偏光ビームスプリッタ7により特定偏光成分の
信号光すなわちスイッチングされた信号光8と、直交す
る偏光成分の信号光すなわちスイッチングされない信号
光9とに分離される。2次非線形導波路5内では、制御
光は、入射偏光方向のまま伝搬する。一方、信号光は、
45°回転した偏光で入射されるため、図1のy方向偏
光成分とz方向偏光成分に分かれて伝搬する。出射側偏
光子7を信号光の入射偏光方向と直交した成分を透過す
るように設定すると、出力信号光の光強度(Pout )は
【0027】
【数5】 Pout=0.5[(Py 0.5−Pz 0.5)2 +2(PyPz)0.5(1−cos(φ))] (5) (ここで、Py ,Pz は、2次非線形導波路後の信号光
の光強度のy偏光成分およびz偏光成分、φは2次非線
形導波路透過後の信号光のy偏光成分とz偏光成分の位
相差である。) 式(5)より、yまたはzのいずれかの偏光成分の光強
度または位相を変動させれば、Pout の変化となって表
れることがわかる。例えば信号光のy方向偏光成分とz
方向偏光成分の位相差が2mπ(m:整数)で、かつ各
偏光成分の光強度が同一であれば、Pout =0であり、
位相差が(2m+1)π(m:整数)で、かつ各偏光成
分の光強度が同一であれば、Pout =Py +Pz とな
る。従って、制御光によりy方向偏光成分の光強度また
は位相を変化させることができれば、出射信号光の光強
度を制御できることになる。
【0028】ここで、和周波発生に伴う信号光の光強度
および位相変化について理論的考察を加える。和周波に
関する波長変換の関係は、
【0029】
【数6】 dE1 */dx =-iωid/(n1c)×E3 *E2 × exp(iΔkx) (6) dE2 */dx =-iω2d/(n2c)×E3 *E1 × exp(iΔkx) (7) dE3/dx= iω3d/(n3c)×E1E2× exp(iΔkx) (8) と表すことができる。ここで、光の伝搬距離をx、信号
光、制御光、和周波光の角周波数をそれぞれ、ω1 ,ω
2 ,ω3 、信号光、制御光、和周波光の電界をそれぞれ
1 ,E2 ,E3 、その電界の複素共役をE1 *,E2 *
3 *、和周波に寄与する実効的2次非線形定数をd
eff 、信号光の角周波数における屈折率をn1、制御光
の角周波数における屈折率をn2 、和周波光の角周波数
における屈折率をn3 、真空中の光速と誘電率をそれぞ
れcおよびεとしている。また、Δkは位相整合条件か
らのずれを表しており、信号光、制御光、和周波光の2
次非線形物質中での伝搬定数をそれぞれβ1 ,β2 ,β
3 としたとき、通常の場合
【0030】
【数7】 Δk =β3 −β1 −β2 (9) で与えられ、2次非線形媒質が周期Tの周期的分極構造
を有する場合は
【0031】
【数8】 Δk =β3 −β1 −β2 − 2πm/T (m:奇整数) (10) で与えられる。
【0032】位相整合条件すなわちΔk=0のとき、和
周波発生の効率は最大となり、この場合、式(1)〜
(3)は、
【0033】
【数9】 dE1 */dx =-iω1d/(n1c)× E3 *E2 (11) dE2 */dx =-iω2d/(n2c)× E3 *E1 (12) dE3/dx= iω3d/(n3c)× E1E2 (13) となる。式(6)〜(8)を、制御光の初期光密度が信
号光の初期光密度より大きいという近似で解くと、信号
光の光密度I1 の制御光の光密度I2 および素子長L依
存性は、
【0034】
【数10】 I1= I*cos2(ΓL) (14) (ここで、Γ=(deff /n2 )×(2I2 ω2 ω3
(n3 εc3 ))0.5 )となる。
【0035】図2は本実施例の非線形光学装置の特性を
示すもので、(a)は信号光y偏光成分光密度、(b)
は信号光y偏光成分位相、および(c)は信号光出力の
ΓL依存性を示す。ΔkL=0すなわち位相整合が満た
されている場合、光密度はΓLの増加に伴い初期値より
減少し、ΓL=0.5πで0となる。その後増加に転
じ、ΓL=πで極大となり、再び減少し、ΓL=1.5
πで0となり、以後周期的に増減を繰り返す。一方、信
号光の位相は、0<ΓL<0.5πで0であるが、0.
5π/ΓL<1.5πでπとなる。また、出力信号光強
度は、緩やかに増加し、0.5π<ΓL<1.0πで急
激に増加し、ΓL=1.0πでピークとなる。また、
1.0π<ΓL<1.5πで急激に減少する。従って、
本実施例の構成では、0.5π<ΓL<1.5πで、良
好なスイッチング特性が得られることがわかる。
【0036】ここで、位相変化について説明する。前述
したように、位相整合条件または疑似位相整合条件下で
は、和周波発生および差周波発生において、関与する光
に位相変化は生じないとされてきた。これは、和周波発
生および差周波発生それぞれ単独では正しい。本構成に
おいても、0<ΓL<0.5πでは和周波発生の過程で
あり、位相変化は生じない。しかしながら、ΓL=0.
5πにおいて、信号光の強度は0となり、0.5π<Γ
L<1.0πでは、実効的に和周波光と制御光による差
周波発生過程となり、和周波発生過程から差周波発生過
程へ切り替わる際に、πの位相変化が生じる。従来はこ
の点が注目されておらず、本発明ではこの点に着目して
いる。
【0037】また、ΔkL≠0である場合と、ΔkL=
0の場合を比べると、ΔkL=0では、ΓL=πで完全
なスイッチングがなされているのに対し、ΔkL≠0で
は完全なスイッチングが難しいことがわかる。このこと
は、近年、提案されているカスケード効果、すなわちΔ
kL≠0による位相変化に比べて、本発明の位相整合条
件での和周波発生を用いたスイッチ構成の方が、スイッ
チ素子として適当であることを示している。
【0038】本発明の構成と前述した図8に示すような
3次非線形効果を用いた光スイッチの動作原理を比較す
る。本発明の構成では、干渉計構成において分離された
信号光のうちの一つの信号光(第1実施例ではy偏光信
号光)の光強度と位相がともに変化して、完全なスイッ
チングとなる光強度が同一で位相がπ変化する状態に向
かう。それに対し、従来の3次非線形効果を用いた光ス
イッチでは、前述したように分離された信号光のうちの
一つの信号光の光強度が変化せずに位相のみが変化して
完全スイッチングとなる条件に向かうことになり、動作
原理が本発明のものと全く異なる。この点を説明する図
として図3を示す。図3は、分離された信号光のうちの
一つの信号光の光振幅と位相を複素平面で表したもの
で、光振幅の2乗が光強度に比例する。信号光の制御光
のない状態の位相をθとすると、制御光のない状態の信
号光の複素平面内での座標は(|E1 |cosθ、|E
1 |sinθ)となる。したがって、完全スイッチング
となる光強度が同一で位相がπ変化する状態の座標は
(−|E1 |cosθ、−|E1 |sinθ)となる。
従来の3次非線形効果を用いた光スイッチでは、前述し
たように分離された信号光のうちの一つの信号光の光強
度が変化せずに位相のみが変化するため、制御光密度の
増加に従い図3におけるルート1に示すような円弧を描
くルートをたどる。一方、本発明の構成では、信号光は
制御光密度の増加に従い、当初位相は変化せずに光強度
のみが減少し、光強度が0になった後、位相がπずれた
状態で光強度が増加していくため、図3におけるルート
2に示すような直線を描くルートを描いて、信号光が変
化する。この点からも動作原理が異なるものであること
は明らかである。さらに、従来の3次非線形効果を用い
た光スイッチと本発明になる非線形光学装置とは、出力
信号光強度の制御光密度(Ip )依存性も異なってお
り、従来の3次非線形効果を用いた光スイッチの場合、
式(4)に示すように、出力信号光強度は、制御光密度
が1次の次数で入った正弦関数の2乗に比例するのに対
し、本発明では、
【0039】
【数11】 Pout=2P1 × sin4((Ldeff/2n2) × (2I2 ω2 ω3 /(n3εc3))0.5) (15) となり、出力信号光強度は制御光密度が0.5次の次数
で入った正弦関数の4乗に比例する。
【0040】本実施例では、具体的には、2次非線形導
波路5として、3,5−ジメチル−1−(4−ニトロフ
ェニル)ピラゾール(DMNP)結晶のガラスキャピラ
リファイバを用いている。コア径は1.5μm、ファイ
バ長5mmである。DMNPは、2次非線形定数d32
90pm/Vと大きく、本実施例のようにファイバの長
手方向が結晶のX軸方向となっている構成では、y軸方
向に偏光した入射光に対して実効的2次非線形定数d
eff =d32として和周波発生に寄与する。本実施例にお
ける信号光は角周波数ω1 =1.96×1015(波長
0.96μm)で幅1psのパルスが100GHzで繰
り返されており、パルスピークパワーは0.2mWであ
る。また、制御光は角周波数ω2 =2.05×10
15(波長0.92μm)で幅1psのパルスが50GH
zで繰り返されている。図4は、入射信号光、入射制御
光、スイッチングされた出射信号光8の波形を示してお
り、出射信号光は制御光が入射した時のみあらわされて
おり、波形のみだれもないことから、スイッチとしての
応答速度が十分速いことがわかる。なお、スイッチング
されない信号光は、偏光ビームスプリッタ7により分離
され、図1のスイッチングされない信号光9として出射
される。また、図5は、出力信号光パルスピークパワー
の2次非線形導波路に入射された制御光パルスピークパ
ワー依存性を示す。制御光パルスピークパワー7.5m
で、完全なスイッチングがなされている。実験値は、計
算値とほぼ一致しており、良好なスイッチング特性すな
わち信号光出力が25%以上であるためには、少なくと
も制御光パルスピークパワーが2mW以上17mW以下
である必要がある。この値は、0.5π<ΓL<0.5
πと一致する。この値を従来の3次非線形効果を用いた
光スイッチと比較すると、動作に必要な制御光パルスピ
ークパワーが百分の1以下であり、従来素子に比べ、極
めて効率のよい光・光スイッチが実現されている。
【0041】(実施例2)図6は、本発明の第2の実施
例の構成を模式的に表した図である。角周波数ω1 の信
号光は分波器51により第1経路52と第2経路53に
分岐され、第1経路52には第1の合波器54により角
周波数ω2 を揺する制御光が合波されている。また、第
1経路52には、周期的分極構造を有する2次非線形導
波路55が含まれている。また、第2の合波器56によ
り、分岐された2つの経路が合波され、第1出射経路5
7と第2出射経路58に出射される。第1出射経路57
からの出力信号光の光強度(Pout )は、式(5)と同
様に
【0042】
【数12】 Pout=0.5[(P1 0.5−P2 0.5)2 +2(P1P2)0.5(1−cos(φ))] (16) (ここで、P1 ,P2 は、第1経路および第2経路透過
後の信号光の光強度、φは信号光の第1経路透過後と第
2経路透過後の位相差である。) 式(16)により、第1経路、第2経路のいずれかの光
強度または位相を変動させれば、Pout の変化となって
表れることがわかる。例えば信号光の第1経路と第2経
路の位相差が2mπ(m:整数)で、かつ各経路の光強
度が同一であれば、Pout =0であり、位相差が(2m
+1)π(m:整数)で、かつ各経路の光強度が同一で
あれば、Pout =P1 +P2 となる。従って、制御光に
より第1経路52の光強度または位相を変化させること
ができれば、出射信号光の光強度を制御できることにな
る。
【0043】本実施例では、2次非線形光導波路とし
て、周期的分極構造を有する光導波路を使用しており、
信号光と制御光の和周波光である角周波数ω3 の光の伝
搬定数と信号光の伝搬定数と制御光の伝搬定数との間に
疑似位相整合の位相整合条件、
【0044】
【数13】 β3 −β1 −β2 −2πm/T=0 (17) (m:奇整数、T:分極周期) が満たされている。2次非線形導波路55透過後の第1
経路の信号光の光密度および位相および第1出射経路か
らの信号光出力、すなわちスイッチングされた信号光5
9は、第1の実施例と同様に、図2に表され、第1の実
施例と同様に、0.5π<ΓL<1.5πで、良好なス
イッチング特性が得られることがわかる。なお、スイッ
チングされない信号光510は、第2出射経路58より
出射される。
【0045】本実施例では、具体的には、2次非線形導
波路55として、ニオブ酸リチウム分極反転導波路を用
いている。ニオブ酸リチウム分極反転導波路の有効2次
非線形定数deff は25pm/Vで、素子長は2cmで
ある。本実施例における信号光は角周波数ω1 =1.2
2×1015(波長1.55μm)で幅1psのパルスが
100GHzで繰り返されており、パルスピークパワー
は0.2mWである。また、制御光は角周波数ω2
1.23×1015(波長1.53μm)で幅1psのパ
ルスが50GHzで繰り返されている。本実施例では完
全スイッチングは27mWで得られ、第1の実施例と同
様に0.5π<ΓL<1.5πで良好なスイッチングと
なる。また、出力信号光波形も図4と同様なものが得ら
れ、高速動作が実現された。
【0046】本実施例では、信号光を2つに分岐する分
波器と、制御光を第1経路に合流させる合波器の機能
を、図6の51,54のようにそれぞれ別個の分波器と
合波器で行ったが、図6の構成において、分波器51
に、信号光を2つの経路に分岐する機能と制御光を第1
経路にのみ合波させる機能を合わせもたせ、第1の合波
器54を無くす構成も可能である。その場合も、第2の
実施例と同様の機能をもつことができる。
【0047】(実施例3)図7は、本発明の第3の実施
例の構成を模式的に表した図である。第3経路61から
入射された角周波数ω1 を有する信号光は、分波器64
により第1経路62と第2経路63の2つの経路に分岐
され、第1経路62には合波器65により信号光とは異
なる角周波数ω2 を有する制御光が合波される。第1経
路62と第2経路63は、互いに相反する方向から2次
非線形光導波路66に接続している。第1経路62に入
射された信号光は、制御光と合波し、2次非線形導波路
66を透過後、第2経路63に入り、分波器64に入る
右回り光となる。一方、第2経路63に入射された信号
光は、2次非線形導波路66を透過後、第1経路62に
入り、分波器64に入る左回り光となる。分波器64よ
り第4経路67へ出射される出射信号光の光強度(P
out )は、式(5)と同様に
【0048】
【数14】 Pout=0.5[(P1 0.5−P2 0.5)2 +2(P1P2)0.5(1−cos(φ))] (18) (ここで、P1 ,P2 は、右回りおよび左回りの信号光
の一周後の光強度、φは右回りおよび左回りの信号光の
一周後の位相差である。) 式(18)より、右回り、左回りのいずれかの信号光の
光強度または位相を変動させれば、Pout の変化となっ
て表れることがわかる。例えば信号光の右回りと左回り
の位相差が2mπ(m:整数)で、かつ各経路の光強度
が同一であれば、Pout =0であり、位相差が(2m+
1)π(m:整数)で、かつ各経路の光強度が同一であ
れば、Pout =P1 +P2 となる。従って、制御光によ
り右回り信号光の光強度または位相を変化させることが
できれば、出射信号光の光強度を制御できることにな
る。
【0049】本実施例では、2次非線形光導波路とし
て、第1の実施例と同様の光導波路を使用しており、信
号光と制御光の和周波光である角周波数ω3 の光の伝搬
定数と信号光の伝搬定数と制御光の伝搬定数との間に位
相整合条件、
【0050】
【数15】 β3 −β1 −β2 =0 (19) が満たされている。本構成では、制御光と同方向に伝搬
する右回り信号光のみが和周波発生に伴う光密度変化お
よび位相変化を受ける。2次非線形導波路66透過後の
右回り信号光の光強度および位相および第4経路67か
らの信号光出力、すなわちスイッチングされた信号光6
8は、第1の実施例と同様に、図2で表され、第1の実
施例と同様に、0.5π<ΓL<0.5πで、良好なス
イッチング特性が得られることがわかる。なお、スイッ
チングされない信号光69は第1経路62へ出射され
る。
【0051】本実施例では、具体的には、2次非線形導
波路5として、3,5−ジメチル−1−(4−ニトロフ
ェニル)ピラゾール(DMNP)結晶のガラスキャピラ
リファイバを用いている。コア径は1.5μmである。
実効的2次非線形定数はdeff =90pm/Vとなる。
本実施例における信号光は角周波数ω1 =1.96×1
15(波長0.96μm)で幅1psのパルスが100
GHzで繰り返されており、パルスピークパワーは0.
2mWである。また、制御光は角周波数ω2 =2.05
×1015(波長0.92μm)で幅1psのパルスが5
0GHzで繰り返されている。本実施例では完全スイッ
チングは7.5mWで得られ、第1の実施例と同様に
0.5π<Γx<1.5πで良好なスイッチングとな
る。また、出力信号光波形も図4と同様なものが得ら
れ、高速動作が実現された。
【0052】本実施例では、信号光を2つに分岐する分
波器と、制御光を第1経路に合流させる合波器の機能
を、図7の64,65のようにそれぞれ別個の分波器と
合波器で行ったが、図7の構成において、分波器64
に、信号光を2つの経路に分岐する機能と制御光を第1
経路にのみ合波させる機能を合わせもたせ、合波器65
を無くす構成も可能である。その場合も、第3の実施例
と同様の機能をもたすことができる。
【0053】第1および第3の実施例では、通常の位相
整合条件を満たす2次非線形導波路を、第2の実施例で
は、疑似位相整合条件を満たす2次非線形導波路を、そ
れぞれ本発明構成中の2次非線形光学効果を有する物質
からなる光導波路として用いているが、いずれの構成で
も、通常の位相整合条件を満たす2次非線形導波路また
は疑似位相整合条件を満たす2次非線形導波路を使用で
きることはもちろんである。
【0054】また、実施例の説明では、光スイッチング
動作を中心に述べたが、出力信号光のパワーは、図3に
示すように、制御光パワーに依存して変化するため、本
発明の構成で、光・光変調動作を行うこともできる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の非線形光
学装置は、3次の非線形光学効果に比して効率の高い位
相整合条件下の2次の非線形光学効果を、カーシャッタ
構成またはマッハツェンダ干渉計構成またはループミラ
ー干渉計構成に適用することにより、光・光スイッチン
グ動作または光・光変調動作を実現している。カーシャ
ッタ構成またはマッハツェンダ干渉計構成またはループ
ミラー干渉計構成中に非線形物質を入れる点は、従来の
3次非線形効果を用いた光・光スイッチと構成上類似す
るものであるが、位相変化のみによる動作である従来の
3次非線形効果を用いた光・光スイッチに対し、本発明
は、2次非線形効果を用い、信号光の強度変化と位相変
化を共に利用して動作するものであり、動作原理が異な
るものである。加えて、素子性能においても、従来の3
次非線形効果を用いた光・光スイッチに比べて、本発明
は約100分の1以下の制御光パワーで動作することに
なり、かつ素子長も従来の3次非線形光学効果を利用し
た構成では2m以上必要なのに対し、本構成では素子長
2cm以下で済み、性能の差は明らかである。また、近
年提唱されている2次非線形効果を位相整合条件から外
した条件で使用し、位相変化を生じさせるカスケード効
果と比較しても、カスケード効果を使用した場合、完全
スイッチングが難しく、必要な制御光パワーも大きくな
るのに対し、本発明は、必要な制御光パワーが小さく、
かつ完全スイッチングが容易に実現できるという有用な
特長を有する。加えて、本発明による光スイッチは、干
渉計構成を用いているため、単なるON,OFFスイッ
チではなく、2つの出射経路にスイッチングされた信号
光とスイッチングされない信号光を分離して出射でき
る。このため、スイッチングされない信号光も捨て去る
ことなく利用できる上、例えば本発明の光スイッチの出
射経路に、別に本発明の光スイッチを接続し、一段目の
本発明の光スイッチでスイッチングされた信号光または
スイッチングされない信号光を、さらに選択して分離す
るなど、多段接続が容易にできるという有用性を有する
ものである。以上のように、本発明により、低パワー光
動作および高速動作という2つの特長を持つ光スイッ
チ、光変調器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を模式的に表した
図である。
【図2】信号光のy偏光成分の光密度と位相の変化およ
び図1の構成の出力信号光強度のΓx依存性を示す図
で、(a)は信号光のy偏光成分光密度、(b)はy偏
光成分位相、そして(c)は信号光出力を示す。
【図3】本発明の第1の実施例の入射信号光波形を説明
するための図である。
【図4】本発明の第1の実施例の入射信号光、入射制御
光、および出射信号を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例の出力信号光パルスピー
クパワーの制御光パルスピークパワー依存性を示す図で
ある。
【図6】第2の実施例の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示す図である。
【図8】従来の3次の非線形光学効果による光スイッチ
の構成を示す図で、(a)はカーシャッタ構成、(b)
はマッハツェンダ干渉計、そして(c)はループミラー
干渉計構成である。
【図9】従来提案されているカスケード効果を利用した
光スイッチの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 入射機構 2,3 反波長板 4 合波ミラー 5 2次非線形導波路 6 フィルタ 7 偏光子 8,59,68 スイッチングされた信号光 9,69,510 スイッチングされない信号光 51 分波器 52 第1経路 53 第3経路 54 第1の合波器 55 2次非線形導波路 56 第2の合波器 57 第1出射経路 58 第2出射経路 61 第3経路 62 第1経路 63 第2経路 64 分波器 65 合波器 66 2次非線形導波路 67 第4経路 71,710,716 3次非線形物質 72,79,715 制御光 73,76,712 信号光 74 出射信号光 75 偏光子 77,713 分波器 78 第1の合波器 711 第2の合波器 714 合波器 717 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 弘樹 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 戒能 俊邦 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−315009(JP,A) 特開 平7−43763(JP,A) 特開 平6−313908(JP,A) 特開 平6−118467(JP,A) 特開 平5−100257(JP,A) 特開 平5−66441(JP,A) 特開 平5−303121(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 - 1/39 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次の非線形光学効果を有する物質から
    なる光導波路と、角周波数ωの信号光を入射する手段
    と、該信号光とは異なる角周波数ωの制御光を入射す
    る手段とを備えた非線形光学装置において、 該光導波路は、該信号光と該制御光の和周波光である角
    周波数ωの光の伝搬定数と、該信号光の伝搬定数およ
    び制御光の伝搬定数との間に位相整合あるいは擬似位相
    整合条件を満足しており、 かつ、該光導波路における和周波光発生に関する実効的
    2次非線形定数をdeff、該制御光の屈折率をn
    該制御光の光密度をI、該和周波光の屈折率をn
    該光導波路の長さをL、真空中の光速と誘電率をそれぞ
    れcおよびεとしたとき、 0.5π<(deff/n)×(2Iωω/(nεc))0.5×L<1.5π であることを特徴とする非線形光学装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の非線形光学装置におい
    て、前記制御光を入射する手段は、前記制御光を前記光
    導波路において前記信号光との和周波光を最大効率で発
    生させる偏光方向で入射する機能を有し、前記信号光を
    入射する手段は、前記信号光を前記光導波路において前
    記制御光との和周波光を最大効率で発生させる偏光方向
    から45°回転した偏光方向で入射する機能を有するこ
    とを特徴とする非線形光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の非線形光学装置におい
    て、前記信号光を入射する手段は、前記信号光を第1の
    経路と第2の経路に2分した後、該第1の経路を前記光
    導波路に接続する機能を有し、前記第1の経路と前記光
    導波路を順次通過した信号光と、前記第2の経路を通過
    した信号光とを合波する合波手段をさらに具備したこと
    を特徴とする非線形光学装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の非線形光学装置におい
    て、前記信号光を入射する手段と、前記制御光を入射す
    る手段が同一の合分波器からなることを特徴とする非線
    形光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の非線形光学装置におい
    て、前記信号光を入射する手段は、前記信号光を第1の
    経路と第2の経路に2分した後、該第1の経路を前記光
    導波路の一方の端面に接続し、第2の経路を前記光導波
    路の他方の端面に接続する機能を有することを特徴とす
    る非線形光学装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の非線形光学装置におい
    て、前記信号光を入射する手段と、前記制御光を入射す
    る手段が同一の合分波器からなることを特徴とする非線
    形光学装置。
JP522495A 1995-01-17 1995-01-17 非線形光学装置 Expired - Fee Related JP3287158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP522495A JP3287158B2 (ja) 1995-01-17 1995-01-17 非線形光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP522495A JP3287158B2 (ja) 1995-01-17 1995-01-17 非線形光学装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08194238A JPH08194238A (ja) 1996-07-30
JP3287158B2 true JP3287158B2 (ja) 2002-05-27

Family

ID=11605229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP522495A Expired - Fee Related JP3287158B2 (ja) 1995-01-17 1995-01-17 非線形光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3287158B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200533972A (en) * 2004-03-01 2005-10-16 Univ Mcgill Apparatus for efficient optical frequency conversion

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0566441A (ja) * 1991-09-06 1993-03-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 非線形光学装置および光増幅方法
JP3031390B2 (ja) * 1991-10-09 2000-04-10 日本電信電話株式会社 非線形光学装置
JPH05303121A (ja) * 1992-04-27 1993-11-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 非線形光学装置
JPH06118467A (ja) * 1992-10-02 1994-04-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光デバイス
JPH06315009A (ja) * 1993-04-28 1994-11-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 全光型スイッチ
JPH06313908A (ja) * 1993-04-28 1994-11-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 分極反転型光スイッチ
JPH0743763A (ja) * 1993-07-29 1995-02-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長選択光スイッチング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08194238A (ja) 1996-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2504886B2 (ja) 光論理素子
US6867903B2 (en) Optical parametric circuit
Alferness Electrooptic guided-wave device for general polarization transformations
JPWO2004053574A1 (ja) 光変調器
US6744554B2 (en) Wavelength conversion apparatus
JP3250712B2 (ja) 偏波無依存光制御素子
JP3287158B2 (ja) 非線形光学装置
JP4500074B2 (ja) 偏波無依存型光学機器
US5734494A (en) Wavelength conversion device and wavelength conversion method
JP2002062516A (ja) 周期ドメイン反転構造電気光学ssb光変調器・光周波数シフタ
JP3102518B2 (ja) 偏波無依存型光パルス分離回路
JP3470849B2 (ja) 光駆動型波長変換装置
JP3164124B2 (ja) 光スイッチ
JP2991355B2 (ja) 光周波数シフトスイッチ
JP3031390B2 (ja) 非線形光学装置
JP2002156669A (ja) 波長変換装置
JP2002182256A (ja) 光パラメトリック回路
Neyer Guided-wave devices based on two-mode-interference
JPS6236631A (ja) 導波路型光変調器
JP4420202B2 (ja) 光変調器
KR19980073463A (ko) 집적광학 반사형 광변조기
JPH06313908A (ja) 分極反転型光スイッチ
JPH05224249A (ja) 非線形光学装置
JPH06308439A (ja) 偏波変調装置及び偏波変調方法
JPH0519310A (ja) 光変調波長変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090315

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090315

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100315

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110315

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110315

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120315

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130315

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees