JP3286600B2 - 不凍結餡を用いた複合冷菓 - Google Patents

不凍結餡を用いた複合冷菓

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温で液状を呈す
る食用油脂を含有させて不凍結化した餡を用いた複合冷
菓に関する。本発明の複合冷菓は、冷凍化での保存が可
な不凍結化した餡と複合されたものであり、冷凍庫か
ら取り出した直後であっても餡が柔らかいものである。
【0002】
【従来の技術】餡は、従来から和菓子や冷菓あるいは料
理等の原材料として種々利用されている。例えば、和菓
子においては、草餅、最中、羊羹等の原料として用いら
れ、冷菓においては、冷菓の表面を被覆して外層を形成
させたり、冷菓で被覆して内層を形成させる等に利用さ
れている。
【0003】餡は、小豆等の豆類を原料として調製され
るが、糖類を多量に含有するため保存性が良く、常温で
も1〜2週間程度の保存が可能である。また、冷蔵温度
(5℃前後)では1ケ月間程度保存でき、冷凍温度(−
18℃前後)で保存した場合には6ケ月間以上の保存も
可能である。このように冷凍下に保存すると長期に保存
することができ、また品質の変化もないため、生産性の
向上を目的として餡を一度に大量生産して冷凍下に保存
し、使用時に解凍する方法が採られている。その解凍方
法は、解凍量や方法、あるいは雰囲気温度によっても異
なるが、数時間から一昼夜放置して解凍するのが一般的
である。そして解凍された餡は和菓子や料理の素材とし
て利用されている。
【0004】一方、上記したように冷菓に利用した場合
には、冷凍することが必須であるが、従来の冷菓に利用
されていた餡は、和菓子等に利用されていた餡とほとん
ど同じ成分組成のものであるため、冷菓と複合させて冷
凍保存すると、餡の水分が凍結し、冷凍庫から取り出し
た直後では固化していて、摂取するには常温下に一定時
間放置して軟化させなければならず、外層が冷菓で形成
されているものでは、冷菓が先に融解してしまうといっ
た問題がある。このように、餡を冷凍下に保存したり、
冷菓に利用すると、凍結固化して解凍や軟化させること
が必須で、原料として利用する場合には生産性の低下を
招き、また冷菓に利用して摂取する場合には面倒である
といった欠点を有している。
【0005】餡を冷凍下に保存した場合には上記のよう
な欠点があるため、凍結しない餡や冷菓に用いられる餡
について種々検討がなされている。例えば、特公昭61
−55936号公報には、必要量の糖類の一部を溶解し
た沸騰水に生餡を入れ、これを所定の硬さまで火詰め、
さらに残余の糖類を入れて火詰めをする工程を少なくと
も1回以上行って、これにグリセリンを生餡に対し5〜
20重量%添加して最終の硬さまで火詰めをし、その後
これを冷却することによって、低温保存下で不凍結な餡
を製造するという方法が開示されている。
【0006】また、特開平3−39047号公報には、
安定剤の添加によって保形性を向上させたアイスクリー
ムミックスのまわりを、成形機内で、糖アルコール又は
アルコールを使用して固形分を高めた餡で包んで任意の
形状に成形するに当たって、餡の表面に粉末餡又は粉末
餡と粉糖とをミックスしたものを付加して前記餡の成形
機への付着を阻止することからなる冷菓の製造方法が開
示されている。
【0007】その他、餡と油脂を混合したものとして、
特開昭63−169936号公報には、餡等の脱水した
粉末約40%以下と、融点約36℃以下の油脂(含油物
質を含む)約30%以上と、粉末糖類を約10〜60%
の割合に加熱混合したものを固化させることにより、餡
の腐敗やカビの発生の防止を図った和菓子等の製造法が
開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭61−55936号公報に開示された不凍結餡の製
造方法は、多価アルコールの一種で粘稠透明な液体であ
るグリセリンを用いるものであるため、これを単に餡に
含有させただけでは餡の硬さが維持されない上、餡の粘
度が上昇して、手作りの和菓子や料理の原料として使用
可能であっても、大量生産される冷菓の原料として使用
できないといった問題がある。すなわち、餡を用いた冷
菓を大量生産する場合には、フリーザーでフリージング
した冷菓と餡を成形機に供給し、餡で冷菓を包むか、あ
るいは冷菓で餡を包まなければならないため、餡が柔ら
か過ぎたり、また粘度が高いと、成形機の成形型に付着
して製品が目的の形状にならないといった問題がある。
さらに、グリセリンを用いた場合、その量が多くなる
と、製品がグリセリン独特の刺激臭や苦味を呈するよう
になり、風味的に劣るものしか得られないといった問題
もある。
【0009】また、上記特開平3−39047号公報に
開示されている冷菓の製造方法は、糖アルコールまたは
アルコールの添加による餡の粘度上昇から生ずる成形機
の成形型への付着は防止できるが、餡の保形性の低下に
よって、デコレーション的形状に成形しようとしても目
的の形状にならず、また目的の形状に一時的に成形でき
たとしても、その形状を維持し得ないといった問題があ
る。
【0010】さらに、上記特開昭63−169936号
公報に開示されている餡は、不凍結餡を得ることを目的
としたものではないが、粉末餡と30%以上の油脂及び
粉末糖類を混合し、油脂を水分の代替として配合するこ
とによって、和菓子等に用いたときの餡の腐敗やカビの
発生を防止することが開示されている。しかし、この餡
を冷凍下に保存したり、冷菓に利用した場合には、次の
ような問題点がある。すなわち、冷凍下に保存したり、
冷菓に利用する餡に、このように多量の油脂を配合する
と、餡と油脂が分離するといった問題や、風味的にはグ
リシーになる上、口融け性が悪くなって、餡特有のしっ
とりした食感がなくなることが避けられない。
【0011】本発明は、上記の問題点に鑑みて創出され
たもので、餡を不凍結化し、その餡を利用して冷菓を調
製することを目的とする。本発明者らは、常温で液状を
呈する特定量の油脂を餡に配合することにより、餡を冷
凍下に保存したり、冷菓と複合させた際に生ずる問題点
を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すな
わち、本発明は、餡と冷菓を複合させた際に成形機の成
形型への付着を防止し、かつ保形性が良好で、冷凍下に
保存しても凍結しない餡を利用した複合冷菓を提供する
ことを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は
温で液状を呈する食用油脂を0.1〜25重量%含有さ
せて不凍結化した餡で冷菓を被覆するか、または不凍結
化した餡を冷菓で被覆した外層または内層が前記不凍結
化した餡からなる複合冷菓、常温で液状を呈する食用油
脂を0.1〜25重量%含有させて不凍結化した餡を容
器詰め冷菓の上層、中間層及び下層のうち1層または2
以上の層に配置した複合冷菓、または常温で液状を呈す
る食用油脂を0.1〜25重量%含有させて不凍結化し
た餡がさらに、乳化剤及び/又は安定剤を0.05〜1
重量%含有するものであることを特徴とする前記複合冷
菓である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。最初に、本発明において用いられる冷凍保存して
も凍結固化しない不凍結餡について説明する。本発明
おいて用いられる餡は、特に限定されないが、小豆やエ
ンドウ豆、ささげ等の豆類、あるいは南瓜、サツマイ
モ、ジャガイモ類を原料として調製されたものである。
餡の調製方法は、特に限定されず、常法に従って、上記
の豆類やイモ類の原料を煮てすりつぶし、これに糖類や
人工甘味料を加えて火詰めを行うことにより調製するこ
とができる。本発明において使用可能な糖類や人工甘味
料の例としては、蔗糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、水
飴、あるいはエリスリトール、ソルビトール、マルチト
ール、ステビア、キシリトール、ラクチトール、パラチ
ノース、アスパルテーム等が挙げられ、これらの糖類や
人工甘味料の中から選択された一種以上が配合される。
糖類や人工甘味料の添加量は、添加する糖類や人工甘味
料の種類、あるいは嗜好性等によって異なるが、蔗糖で
あれば、通常、和菓子等に用いられる量とほぼ同量でよ
く、餡に対して約25〜100重量%程度が好ましい。
本発明では上記のようにして調製された餡の他、これら
の餡を乾燥して粉末化した餡を水戻ししたものであって
も用いることができ、餡はこし餡であっても粒餡であっ
てもよい。
【0014】本発明では上記のようにして調製された餡
に対して、常温(25℃前後)で液状を呈する油脂を
0.1〜25重量%、好ましくは3〜15重量%の範囲
で添加し、混合機等で餡を練りながら均一に混合して不
凍結餡を調製する。常温で液状を呈する油脂としては、
オリーブ油、紅花油、コーン油、ヒマワリ油、大豆油、
ナタネ油、パーム油、綿実油、ごま油、こめ油、ヤシ
油、魚油等の動植物油脂が挙げられ、またこれらのエス
テル交換油であっても分別油や混合油であっても好適に
用いることができる。
【0015】餡に対する油脂の配合量が0.1重量%未
満の場合には、冷凍下に保存した時、その配合量が少な
いため凍結固化し、利用や摂取に際して解凍が必要にな
る。また、餡で冷菓を被覆する際にも包餡機等の成形機
に付着して形崩れを起こし、目的とする形状にならな
い。一方、25重量%を超えて配合した場合には、組織
が軟弱になって、冷菓を被覆する際に保形性を維持でき
なくなるだけでなく、後述するように乳化剤や安定剤を
配合したとしても油脂の分離の問題や、油脂の風味が強
く感じられてグリシーな餡になるといった問題、あるい
は餡特有のしっとりした食感がなくなるといった新たな
問題が発生する。油脂を添加した後は、必要に応じて火
詰めを行って、目的の硬さを維持するようにする。
【0016】このようにして調製された不凍結餡は、そ
のまま−18℃以下の冷凍下に保存されても凍結固化す
ることがなく、冷凍庫から取り出した直後であっても柔
らかさを維持し、和菓子等の原料として、あるいは冷菓
に利用できるものである。
【0017】本発明では、このようにして常温で液状を
呈する食用油脂を配合して調製する不凍結餡に対して、
同時に乳化剤及び/又は安定剤を配合し、食用油脂の分
離防止を図ってもよい。この食用油脂の分離の問題は、
餡に対する配合量が15重量%を超えるとオイルオフ
(餡と油脂の分離)することがあるが、乳化剤や安定剤
を配合することによって食用油脂のオイルオフといった
問題を効果的に防止できる。
【0018】乳化剤や安定剤としては、モノグリセリ
ド、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、ジアセ
チル酒石酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセリン
脂肪酸エステル等の乳化剤、あるいはペクチン、アラビ
アガム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、寒
天、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチル
セルロース、コーンスターチ等の安定剤が挙げられ、こ
れらの中から一種以上が用いられる。乳化剤と安定剤
は、それぞれ単独で配合しても、また同時に配合しても
よく、その配合量は、両者合わせて餡と食用油脂の合計
量に対して0.05〜1重量%の範囲で配合することが
好ましい。配合量が0.05重量%未満では、餡に配合
する食用油脂の量が多くなると有効にオイルオフを防止
できなくなり、一方、1重量%を超えると、餡の組織が
もろくなり、また乳化剤や安定剤の風味が感じられるよ
うになるため、上記の範囲内で配合するのがよい。
【0019】次に、本発明の複合冷菓について説明す
る。本発明の複合冷菓は、上記のようにして調製し、不
凍結化された餡を用いて調製される。本発明の対象とな
る冷菓は、特に限定されないが、「乳及び乳製品の成分
規格等に関する省令(昭和26年12月27日 厚生省
令第52号)」に定めるアイスクリーム、アイスミル
ク、ラクトアイスの他に、ヨーグルトを凍結したフロー
ズンヨーグルトのようなものやシャーベットのような氷
菓等を含むものである。これらの冷菓は、常法に従っ
て、ミックスをフリーザー等で含気させながら凍結処理
することによって調製されたものである。
【0020】そして、このようにして調製された冷菓
を、本発明において用いられる不凍結化餡で被覆した
り、冷菓で不凍結化餡を被覆することにより、本発明の
複合冷菓が調製される。この被覆には、市販の包餡機
(例えばコバード社製 型式AR−8)等の成形機が用
いられ、成型機の成形型を装飾形状にすることによって
デコレーション効果を高めることができる。
【0021】また、本発明において用いられる餡を、容
器詰めされた冷菓の上面にトッピングしたり、中間層あ
るいは下層に配置させることにより、本発明の容器入り
複合冷菓を調製することができるが、餡は、冷菓の上
層、中間層及び下層のうち1層または2以上の複数の層
に配置することができる。この複合冷菓は、冷菓を容器
に充填した後または充填前に、不凍結化された餡をノズ
ル等によって充填することによって調製される。餡を上
面にトッピングする場合には、ノズルの出口形状を花弁
形状等にすることによって、被覆と同様にデコレーショ
ン効果を高めることができる。その他にも、モールド型
氷菓製造機を用いて、不凍結化餡で被覆されたスティッ
ク状の冷菓や、不凍結化餡を内層して冷菓で被覆したス
ティック状の冷菓を製造することができる。
【0022】本発明において用いられる不凍結化された
餡には、常温で液状を呈する食用油脂が特定量配合され
ているため、餡の粘性が低く、しかも食用油脂が潤滑油
として作用することから付着性も低いために成形機の成
形型への付着がなく、目的とするデコレーション形状を
容易に形成させることができる。また形成されたデコレ
ーション形状は、不凍結化された餡の保形性が良いた
め、製造工程中や流通段階で形崩れすることがない。こ
のようにして調製された本発明の複合冷菓は、従来の餡
と冷菓を複合した複合冷菓と比較して、餡が凍結固化し
ていないために冷凍庫から取り出した直後であっても柔
らかく、風味も食感も、また外観的にも優れたものであ
る。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明すると共に、比較例を示して本発明の効果をより明瞭
にする。
【0024】(実施例1) 不凍結餡の調製;小豆を用いて常法に従って調製した生
小豆餡30Kg、蔗糖60Kg及び水30Kgを混合し
て沸騰させ、これに生小豆餡70Kgを加えて攪拌しな
がら火詰めを行った。この火詰めを行った生小豆餡に水
飴20Kgを加えて、さらに若干火詰めを行った後、麦
芽糖16Kgを添加して良く攪拌混合しながら、所定の
硬さになるまで火詰めを行った。次に、この生小豆餡に
サラダ油20Kgを加えて、所定の硬さになるまで火詰
めをした後、常温になるまで冷却して不凍結餡を調製し
た。尚、この餡の油脂の含有量は約10重量%であっ
た。
【0025】冷菓の調製;脂肪率10%に調整した乳8
4.5Kgに、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)0.
5Kgと蔗糖15Kgを加えてミックスを調製した。こ
のミックスをフリーザーに導入して、ダッシャーの回転
数180rpm、出口温度−5℃でフリージングし、オ
ーバーラン200%のアイスクリームを調製した。
【0026】不凍結餡で被覆した冷菓の調製;上記のよ
うに調製した不凍結餡と冷菓を包餡機(コバード社製
型式AR−8)に供給し、不凍結餡で被覆されたアイス
クリームを得た。このアイスクリームを−18℃の急凍
室に入れ冷凍保存した。
【0027】(実施例2) 不凍結餡の調製;実施例1と同じ量と同じ方法によって
調製した生小豆餡に、サラダ油14Kgを加え、所定の
硬さになるまで火詰めをした後、常温になるまで冷却し
て不凍結餡を調製した。尚、この餡の油脂の含有量は約
7重量%であった。
【0028】不凍結餡で被覆した冷菓の調製;上記で調
製した不凍結餡と実施例1と全く同じ方法で調製した冷
菓を包餡機(コバード社製 型式AR−8)に供給し、
不凍結餡で被覆されたアイスクリームを得た。このアイ
スクリームを−18℃の急凍室に入れ冷凍保存した。
【0029】(実施例3) 不凍結餡の調製;実施例1と同じ量と同じ方法によって
調製した生小豆餡に、サラダ油10Kgを加え、所定の
硬さになるまで火詰めをした後、常温になるまで冷却し
て不凍結餡を調製した。尚、この餡の油脂の含有量は約
5重量%であった。
【0030】不凍結餡で被覆した冷菓の調製;上記で調
製した不凍結餡と実施例1と全く同じ方法で調製した冷
菓を包餡機(コバード社製 型式AR−8)に供給し、
不凍結餡で被覆されたアイスクリームを得た。このアイ
スクリームを−18℃の急凍室に入れ冷凍保存した。
【0031】(実施例4) 不凍結餡の調製;実施例1と同じ量と同じ方法によって
調製した生小豆餡に、あらかじめ乳化剤(蔗糖脂肪酸エ
ステル)0.3Kgと安定剤(ローカストビーンガム)
0.3Kgを添加したサラダ油45Kgを加え、所定の
硬さになるまで火詰めをした後、常温になるまで冷却し
て不凍結餡を調製した。尚、この餡の油脂の含有量は約
18重量%であった。
【0032】不凍結餡をトッピングした冷菓の調製;実
施例1と全く同じ方法で調製した冷菓を、150ml容
の円形カップ型容器に100ml充填し、その上面に上
記で調製した不凍結餡をトッピングしてカップ入りアイ
スクリームを得た。このアイスクリームを−18℃の急
凍室に入れ冷凍保存した。
【0033】(比較例) 餡の調製;実施例1と同じように、小豆を用いて常法に
従って調製した生小豆餡30Kg、蔗糖60Kg及び水
30Kgを混合して沸騰させ、これに生小豆餡70Kg
を加えて攪拌しながら火詰めを行った。更に、この火詰
めを行った生小豆餡に水飴20Kgを加えて若干火詰め
を行った後、麦芽糖16Kgを添加して、良く攪拌混合
しながら所定の硬さになるまで火詰めを行った。これを
常温になるまで冷却して餡を調製した。
【0034】餡で被覆した冷菓の調製;上記のように調
製した餡と、実施例1と全く同じ方法で調製した冷菓と
を包餡機(コバード社製 型式AR−8)に供給し、餡
で被覆されたアイスクリームを得た。このアイスクリー
ムを−18℃の急凍室に入れ冷凍保存した。
【0035】(試験例1)上記の各実施例と比較例で得
られた餡の硬さを測定した。まず、各実施例と比較例で
得られた餡を、直径30mm、高さ30mmの円柱状に
成形した後、−10℃、−15℃、−20℃、−25℃
に温度調節した。次に、ナイフ形状の測定刃(刃先の幅
0.5mm、長さ30mm)を備えた硬さ試験機(フド
ーレオメーター社製 型式NRM−1002A)を用い
て、上記の冷凍下に保存した円柱状の餡に測定刃を押し
つけ、測定刃が10mm進入した時点での切断圧力を測
定した。その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 注)比較例における−25℃点の(−)表示は、硬度が大
きいために上記の硬さ試験機による測定不能を表す。
【0037】表1から明らかなように、実施例1〜4で
得られた不凍結餡と比較例の餡の測定刃の切断圧力を比
較すると、各実施例の餡の切断圧力の方が、比較例に比
べてはるかに小さかった。特に、冷凍保存温度が低くな
るにつれて、その効果が顕著になり、また食用油脂(サ
ラダ油)の配合量に比例して効果も大きくなっているこ
とが明らかとなった。これらの結果から、本発明の各実
施例で得られた不凍結餡は、冷凍庫から出した直後でも
柔らかく、使用や摂取にあたって解凍したり、また軟化
させる必要がなく、冷菓のような凍結温度下で保存しな
ければならない製品と複合させることによって、その効
果を十分に発揮させることができるものであることが判
明した。
【0038】
【発明の効果】本発明において用いられる不凍結餡は、
餡に常温で液状を呈する食用油脂を配合しているため、
冷凍下に保存しても凍結固化することがなく、冷凍庫か
ら出した直後でも柔らかさを保持し、和菓子や料理の原
材料として解凍や軟化させることを要せずに使用できる
ものである。発明では、不凍結餡の特徴を生かして冷
菓に利用するものであるが、冷菓の保存温度である−1
8℃以下の冷凍下に保存しても、餡特有の柔らかさと食
感を失うことがない冷菓とすることができる。この冷菓
は、冷凍庫から取り出した直後であっても餡の軟化を要
せずに摂取が可能なものである。さらに、本発明におい
て用いられる不凍結餡は、食用油脂を含有しているの
で、成形機の成形型への付着がなく、かつ保形性も良好
であるため、他の食品と複合させた際には、装飾的形状
(デコレーション)を形成させることができる上、製造
工程や流通過程で型崩れすることがないといった効果を
奏する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−201546(JP,A) 特開 昭61−96953(JP,A) 特開 平3−39047(JP,A) 特開 平8−98653(JP,A) 特開 昭63−169936(JP,A) 特開 昭55−156754(JP,A) 渡辺長男ら編,製菓事典,日本,朝倉 書店,1981年10月30日,255 澤山 茂,味・材料・加工法を解析す る 調理の科学 7 小豆とあんの物性 と技術の関係,製菓製パン(1999),日 本,Vol.65,No.7,p.156− 158 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 3/00 A23G 9/00 - 9/20 A23L 1/20 301 JICSTファイル(JOIS) 食品関連文献情報(食ネット)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液状を呈する食用油脂を0.1〜
    25重量%含有させて不凍結化した餡で冷菓を被覆した
    ことを特徴とする外層が餡からなる複合冷菓。
  2. 【請求項2】 常温で液状を呈する食用油脂を0.1〜
    25重量%含有させて不凍結化した餡を冷菓で被覆した
    ことを特徴とする内層が餡からなる複合冷菓。
  3. 【請求項3】 常温で液状を呈する食用油脂を0.1〜
    25重量%含有させて不凍結化した餡を、容器詰め冷菓
    の上層、中間層及び下層のうち1層または2以上の層に
    配置したことを特徴とする容器詰めされた複合冷菓。
  4. 【請求項4】 餡が乳化剤及び/又は安定剤を0.05
    〜1重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の複合冷菓。
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渡辺長男ら編,製菓事典,日本,朝倉書店,1981年10月30日,255
澤山 茂,味・材料・加工法を解析する 調理の科学 7 小豆とあんの物性と技術の関係,製菓製パン(1999),日本,Vol.65,No.7,p.156−158

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