JP3286384B2 - ぜんまいばね用炭素鋼製薄板の製造方法及びその製造方法により製造した炭素鋼製薄板を用いたぜんまいばね - Google Patents
ぜんまいばね用炭素鋼製薄板の製造方法及びその製造方法により製造した炭素鋼製薄板を用いたぜんまいばねInfo
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Description
れる炭素鋼製の細長い薄板を製造する方法に関し、特
に、耐久性と耐食性の両方に優れたぜんまいばね用炭素
鋼製薄板を製造する方法及びその製造方法により製造し
た炭素鋼製薄板を用いたぜんまいばねに関する。
いられるぜんまいばねの材料としては、ステンレス鋼ま
たは炭素鋼からなる細長い薄板が用いられている。ステ
ンレス鋼製のものは、耐食性に優れるものの強度が低い
ために耐久性に劣り、炭素鋼製のものは、逆に強度が高
くて耐久性に優れるものの耐食性に劣り、一長一短があ
つた。
のとして、炭素鋼製薄板にメツキを施すことが提案さ
れ、従来は、炭素鋼の平線を冷間圧延して所定の厚さの
薄板を成形したのち、電気ニツケルメツキ等を施してい
た。
た圧延後にメツキする方法では、例えばぜんまいばねの
巻径を小さく抑える等のためにメツキ厚を極力薄くしよ
うとしても、初めから均一に薄くメツキすることは難し
く、また、メツキの母材との結合強度も弱くて剥がれや
すい等の欠点があり、また、メツキを施す面積が大きい
ため製造コストが大となつていた。
炭素鋼製薄板の製造方法は、叙上の点に鑑み完成された
ものであつて、炭素鋼丸線の表面に電気ニツケルメツキ
を施したのち、その電気ニツケルメツキ済みの炭素鋼丸
線を冷間伸線し、さらにその冷間伸線済みの炭素鋼丸線
を冷間圧延して細長い薄板状に成形するにより、ぜんま
いばねトルクヒステリシス減少化を図った構成とした。
表面に比較的厚肉の電気ニツケルメツキを施す。比較的
厚肉であるから均一の厚みにメツキできる。続いて、そ
のメツキ済みの炭素鋼丸線が冷間伸線され、それに伴い
メツキ層も薄くなる。
冷間圧延され、それにより、母材が細長い薄板状に形成
され、それとともにメツキ層がさらに薄くなる。
性に優れた炭素鋼からなる線材に電気ニツケルメツキが
施されているので、耐久性と耐食性の両方に優れた細長
い薄板を得ることができる。
キを施して、冷間伸線さらには冷間圧延を通して順次に
メツキ厚を薄くする構成であり、初めは比較的厚肉のメ
ツキで良いことから均一の厚みにメツキでき、それを上
記のように順次に薄くすることから最終的にメツキ厚を
均一に薄くすることができる。それにより、ぜんまいば
ねの巻径を小さく抑えるのに寄与し得る。
よりもきわめて小さいために、メツキに掛かるコストを
小さく抑えることができる。
間伸線と冷間圧延を行うのであるから、メツキの表面が
平滑にでき、それにより、ぜんまいばねの薄板間の摺動
摩擦抵抗が小さく抑えられて、ぜんまいばねのトルクヒ
ステリシスが減少し、トルク特性にも優れる。
で、メツキの母材との結合強度が高められ、メツキの剥
がれが確実に防止されて長期にわたつての耐食機能を期
すことができる効果がある。
て説明する。図1(A)において、符号1は炭素鋼から
なる丸線であつて、例えば、硬鋼線材SWRH62
(A、B)、SWRH72(A、B)、SWRH82
(A、B)、あるいは、ピアノ線材SWRS62(A、
B)、SWRS72(A、B)、SWRS82(A、
B)等が好適である。
鋼丸線1の表面に、メツキ厚20μmで電気ニツケルメ
ツキ2を施した。
た炭素鋼丸線1を冷間伸線した。この冷間伸線により、
同図(B)に示すように、炭素鋼丸線1を、直径が2.
6mmでメツキ2の厚さが10μmになるまで引き伸ばし
た。
3に冷間圧延を繰り返して薄く延ばし、同図(C)に示
すように、厚さが0.23mmで幅が7.0mmであり、表面
の電気ニツケルメツキ2の厚さが5μmとなつたぜんま
いばね用炭素鋼製薄板4を得た。
単体の薄板及びステンレス鋼単体の薄板と、内部硬さ、
引張強さ、ぜんまいばねの耐久性及び耐食性について比
較したところ、次表のような結果を得た。
薄板は、内部硬さがビツカース硬さHv 600〜80
0、引張強さが200〜250Kgf/mm2で、ぜんまいば
ねに成形した場合のその耐久回数も30〜50万回と、
炭素鋼単体のものに匹敵する強度と耐久性が得られた。
1」に規定された塩水噴霧試験を行つたところ、本実施
例によるぜんまいばねでは、赤錆が発生するまでの時間
であるSST200Hr以上をクリアし、ステンレス鋼
製のものに匹敵する耐食性を有することが証明された。
キ2を施して、冷間伸線さらには冷間圧延を通して順次
にメツキ厚を薄くするようにしたから、初めは比較的厚
肉のメツキで良くて均一の厚みにメツキでき、それを上
記のように順次に薄くすることから最終的にメツキ厚を
均一に薄くすることができる。それにより、ぜんまいば
ねの巻径を小さく抑えて、省スペース化を図ることがで
きる。
冷間伸線と冷間圧延を行うのであるから、メツキ2の表
面が平滑にできて、ぜんまいばねに成形した場合の薄板
間の摺動摩擦抵抗が小さく抑えられる。これにより、ぜ
んまいばねの巻締め時と巻戻し時のトルクヒステリシス
が、炭素鋼単体製の場合が図2の特性線aであるのに対
して、本実施例に係るぜんまいばねは同図の特性線Aに
示すように約1/2に減少し、トルク特性にも優れる。
延を行う過程でメツキ2の母材との結合強度が高めら
れ、メツキ2の剥がれが確実に防止されて長期にわたつ
ての耐食機能を期すことができる。
間伸線前の炭素鋼丸線のメツキの厚さを誇張して描いた
斜視図である。(B)は冷間伸線済みの炭素鋼丸線のメ
ツキの厚さを誇張して描いた斜視図である。(C)は冷
間圧延済みの炭素鋼薄板のメツキの厚さを誇張して描い
た斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素鋼丸線の表面に電気ニツケルメツキ
を施したのち、該電気ニツケルメツキ済みの炭素鋼丸線
を冷間伸線し、さらに該冷間伸線済みの炭素鋼丸線を冷
間圧延して細長い薄板状に成形することにより、ぜんま
いばねトルクヒステリシス減少化を図ったことを特徴と
するぜんまいばね用炭素鋼製薄板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載製造方法を用いて製造し
た炭素鋼製薄板を用いたぜんまいばね。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07901093A JP3286384B2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | ぜんまいばね用炭素鋼製薄板の製造方法及びその製造方法により製造した炭素鋼製薄板を用いたぜんまいばね |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07901093A JP3286384B2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | ぜんまいばね用炭素鋼製薄板の製造方法及びその製造方法により製造した炭素鋼製薄板を用いたぜんまいばね |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06262246A JPH06262246A (ja) | 1994-09-20 |
JP3286384B2 true JP3286384B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=13677985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07901093A Expired - Fee Related JP3286384B2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | ぜんまいばね用炭素鋼製薄板の製造方法及びその製造方法により製造した炭素鋼製薄板を用いたぜんまいばね |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3286384B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-11 JP JP07901093A patent/JP3286384B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06262246A (ja) | 1994-09-20 |
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