JPH0797699A - 細径複合金属めっき線の製造方法 - Google Patents

細径複合金属めっき線の製造方法

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JPH0797699A
JPH0797699A JP24290193A JP24290193A JPH0797699A JP H0797699 A JPH0797699 A JP H0797699A JP 24290193 A JP24290193 A JP 24290193A JP 24290193 A JP24290193 A JP 24290193A JP H0797699 A JPH0797699 A JP H0797699A
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Shunichi Yoshimura
俊一 吉村
Masanori Nonomura
雅徳 野々村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸線加工時における断線頻度をより低くす
る。 【構成】 銅または銅合金の芯材の外周上に、鉄,ニッ
ケルまたは鉄−ニッケル合金の第1めっき層を電気めっ
きして、複合金属めっき線を作成する(ステップ1)。
この複合金属めっき線の塑性加工度が95%以上,99
%以下の範囲内になるまで伸線加工を行ない(ステップ
2)、中間的に抵抗加熱焼鈍する(ステップ3)。これ
を繰り返して、所定の外径になるまで伸線加工を行なう
(ステップ4)。 【効果】 細径金属めっき線の生産効率を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、細径複合金属めっき
線の製造方法に関し、さらに詳しくは、外径数十μmの
細径複合金属めっき線を効率よく製造できる細径複合金
属めっき線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の細径複合金属めっき線の製造方法
としては、特開昭64−17892号公報に記載の細径
複合鉄めっき線の製造方法が知られている。図7に、上
記従来の細径複合鉄めっき線の製造方法のフロー図を示
す。ステップR1では、銅の芯材(例えば、外径0.9
mm)の外周上に、電気めっきにより、鉄めっき層(例
えば、厚さ10μm)を形成して複合鉄めっき線を作成
する。ステップR2では、前記ステップ1で作成した複
合鉄めっき線に伸線加工を行なって、所定の外径(例え
ば、0.025mm〜0.03mm)の細径複合鉄めっ
き線とする。ステップR3では、前記細径複合鉄めっき
線に、ポリウレタン皮膜を焼き付ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の細径複合鉄
めっき線の製造方法は、銅芯材上に鉄を電気めっきによ
り被覆するものであるので、得られた鉄めっき層は展延
性のある靭軟な電解鉄層から形成される。従って、この
複合鉄めっき線は伸線加工により、例えば0.9mmの
母材から0.05mmの細径線への伸線加工が可能とな
った。しかし、電気めっきによる鉄めっき層が靭軟で展
延性に優れるとはいえ、塑性加工を施していった場合の
加工硬化の進度は芯材の銅線に比べればどうしても高い
ものとなる。このため、かかる複合鉄めっき線に塑性加
工度が99%を越えるような強加工を施した場合、鉄め
っき層の加工硬化が増大して伸線加工工程における断線
頻度が急増するという生産効率上の大きな問題があっ
た。また加えて、鉄めっき層の硬化により、細径線にカ
ールを生じ易くなる問題があった。さらに、折り曲げに
よって鉄めっき層にクラックを発生するという品質上の
問題もあった。かかる問題は、電気めっき層がニッケル
めっき層あるいは鉄−ニッケルめっき層の場合でも同様
であった。そこで、この発明の目的は、伸線加工工程に
おける断線頻度をより低下させるとともに、カールを生
じさせず、さらに、折り曲げによるクラックの発生を防
止できるようにした細径複合金属めっき線の製造方法を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、この発
明は、銅または銅合金の芯材の外周上に、電気めっきに
より、鉄かニッケルの単一金属または鉄−ニッケル合金
からなる第1めっき層を形成して複合金属めっき線を作
成し、この複合金属めっき線が所定の外径になるまで伸
線加工を行なって細径複合金属めっき線を製造する細径
複合金属めっき線の製造方法において、前記複合金属め
っき線の塑性加工度が95%以上,99%以下の範囲に
なった段階で前記複合金属めっき線に対し中間焼鈍を施
すことを特徴とする細径複合金属めっき線の製造方法を
提供する。
【0005】第2の観点では、この発明は、銅または銅
合金の芯材の外周上に、電気めっきにより鉄かニッケル
の単一金属または鉄−ニッケル合金からなる第1めっき
層を形成し、この第1めっき層の外周上に、電気めっき
により銅,金,銀のうち何れかの単一金属またはその合
金からなる第2めっき層を形成して複合金属めっき線を
作成し、この複合金属めっき線が所定の外径になるまで
伸線加工を行なって細径複合金属めっき線を製造する細
径複合金属めっき線の製造方法において、複合金属めっ
き線の塑性加工度が95%以上,99%以下の範囲にな
った段階で中間焼鈍を施すことを特徴とする細径複合金
属めっき線の製造方法を提供する。
【0006】なお、上記塑性加工度とは、伸線加工前の
外径をR,伸線加工後の外径をrとするとき、 塑性加工度=(1−(r/R)2)×100 で定義される値である。
【0007】
【作用】上記第1の観点によるこの発明の細径複合金属
めっき線の製造方法では、複合金属めっき線の塑性加工
度が95%以上,99%以下の範囲になるまで伸線加工
を行なうと、その段階で中間焼鈍を施し、鉄かニッケル
の単一金属または鉄−ニッケル合金からなる第1めっき
層の加工硬化を解消する。かかる中間焼鈍を伸線加工中
に1回以上挟みながら、所定の外径まで伸線加工し、所
望の細径複合金属めっき線を得る。このように、伸線加
工の中間で焼鈍を施すことにより第1めっき層の加工硬
化が解消されるので、伸線加工工程での断線が低減し、
また、カールが生じず、さらに、細径線を折り曲げたと
きのクラックの発生も解消できる。
【0008】なお、塑性加工度が99%を越えるまで焼
鈍を行わないと、第1めっき層に蓄積した加工ストレス
により伸線加工で断線が多発し易くなり、また、カール
しやすくなり、さらに、折り曲げたときに第1めっき層
にクラックを生ずる。一方、塑性加工度が95%未満の
段階で焼鈍を行うことは、伸線加工工程と中間焼鈍工程
の作業工程数を増加させることになり、細径複合金属め
っき線の製造設備費用が増大し、また、製造コストを高
めるので好ましくない。従って、塑性加工度95%以
上,99%以下の範囲で中間焼鈍を行う必要がある。
【0009】上記第2の観点によるこの発明の細径複合
金属めっき線の製造方法では、前記第1めっき層の外周
に、銅,金,銀のうち何れかの単一金属またはその合金
からなる第2めっき層を形成する。この第2めっき層
は、伸線加工を施した場合にも第1めっき層に比べ加工
硬化度が低いため、細線加工の際の第1めっき層と伸線
ダイスとの間の潤滑層として作用し、伸線ダイスの摩耗
を著しく低減させる。この作用が上記第1の観点による
作用に加わるため、伸線加工工程における断線トラブル
をより一層低減させることが出来る。
【0010】なお、伸線加工の前半側の段階と後半側の
段階とでは、一般に前者の線速が大きいので、複合金属
めっき線の塑性加工度が95%以上,99%以下の範囲
になるまでの伸線工程とその後の中間焼鈍工程とを連続
した工程とすることにより、大きな線速で焼鈍を行うこ
とができ、生産効率上好ましい。
【0011】さて、焼鈍には、ジュール熱を利用して直
接的に複合金属めっき線を加熱する抵抗加熱焼鈍の外
に、所定温度の炉雰囲気内を通過させて間接的に複合金
属めっき線を加熱する炉焼鈍もある。しかし、炉焼鈍で
は、間接加熱のため、抵抗加熱焼鈍に比べ焼鈍時間が1
0〜50倍多く要するので、炉長を長くするか焼鈍線速
を遅くする必要があり、製造設備の省スペース化や生産
効率の点で抵抗加熱焼鈍が好ましい。また、焼鈍時間が
長い程、銅または銅合金と,ニッケルまたは鉄−ニッケ
ル合金の界面で、銅−ニッケル拡散層が生成され易くな
る。この銅−ニッケル拡散層は、塑性加工性に劣り、ま
た細径複合金属めっき線をコイルに巻装したときにコイ
ルの周波数特性の低下をもたらすので、できる限り生成
しないようにすることが望ましい。このため、焼鈍の時
間が短い抵抗加熱焼鈍の方が、焼鈍の時間が長い炉焼鈍
よりも好ましい。
【0012】
【実施例】以下、図に示す実施例によりこの発明をさら
に詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限定さ
れるものではない。
【0013】本実施例では、細径複合金属めっき線の製
造工程中に中間焼鈍工程を1工程入れた場合について説
明する。中間焼鈍工程を2工程入れる場合は中間焼鈍工
程を1工程入れた場合の繰り返しとなり、説明が重複す
るので省略する。図1は、この発明の細径複合金属めっ
き線の製造方法の一実施例を示すフロー図である。ステ
ップS1では、図2の(a)に示すように、銅または銅
合金の芯材Aの外周上に、電気めっきにより、鉄または
ニッケルまたは鉄−ニッケル合金の第1めっき層Bを形
成し、複合金属めっき線W1を作成する。あるいは、図
3の(a)に示すように、前記第1めっき層Bの外周上
に、銅または銀または金または銅合金または銀合金また
は金合金の第2めっき層Cを形成して複合金属めっき線
W1を作成する。
【0014】ステップ2では、前記複合金属めっき線W
1を、塑性加工度が95%以上,99%以下の範囲内ま
で伸線加工する。ステップ3では、電流焼鈍や高周波焼
鈍などの抵抗加熱焼鈍を施す。ステップ4では、抵抗加
熱焼鈍後の複合金属めっき線を所定の外径まで伸線加工
する。なお、この場合の伸線加工の塑性加工度も95%
以上,99%以下の範囲内にあるようにすることは勿論
である。これにより、図2の(b)に示すような細径複
合金属めっき線Wが得られる。あるいは、図3の(b)
に示すような細径複合金属めっき線Wが得られる。ステ
ップ5では、前記細径複合金属めっき線Wに、ポリウレ
タン皮膜を塗布焼付ける。
【0015】図4は、この発明の細径複合金属めっき線
の製造方法を実施する細径複合金属めっき線の製造装置
の説明図である。この細径複合金属めっき線の製造装置
100は、伸線焼鈍装置101および焼鈍後伸線装置1
02を具備している。中間焼鈍までの工程と中間焼鈍よ
り後の工程とが分離しているので、中間焼鈍前の伸線加
工速度と中間焼鈍後の伸線加工速度とが違う場合に有用
である。前記伸線焼鈍装置101は、供線機1,焼鈍前
伸線機2,電流焼鈍機3および巻取機4を有している。
前記焼鈍後伸線装置102は、供線機5,焼鈍後伸線機
6および巻取機7を有している。前記電流焼鈍機3は、
直流電源Eの負極に接続された第1給電ロール10と,
直流電源Eの正極に接続された第2給電ロール11と,
直流電源Eの負極に接続された第3給電ロール12と,
冷却水槽13とを有している。
【0016】前記複合金属めっき線W1は、前記供線機
1から引き出され、前記焼鈍前伸線機2でダイヤモンド
ダイス9により塑性加工度95%以上,99%以下の範
囲まで伸線される。前記焼鈍前伸線機2を経た複合金属
めっき線W2は、前記電流焼鈍機3で、第1給電ロール
10と第2給電ロール11の間および第2給電ロール1
1と第3給電ロール12の間において通電され、そのジ
ュール熱により焼鈍される。そして、水槽14により冷
却される。前記電流焼鈍機3を経た複合金属めっき線W
3は、前記巻取機4に巻き取られる。
【0017】前記複合金属めっき線W3は、前記供線機
5から引き出され、前記焼鈍後伸線機6でダイヤモンド
ダイス16により所定の外径まで伸線され、細径複合金
属めっき線Wとして、巻取機7で巻き取られる。
【0018】図5は、この発明の細径複合金属めっき線
の製造方法を実施する別の細径複合金属めっき線の製造
装置の説明図である。この細径複合金属めっき線の製造
装置100’は、図4の伸線焼鈍装置101および焼鈍
後伸線装置102を連結したものである。中間焼鈍まで
の工程と中間焼鈍より後の工程が連続なので、中間焼鈍
前の伸線加工速度と中間焼鈍後の伸線加工速度とが同じ
場合に有用である。
【0019】−製造例1− 外径0.9mmの銅線の外周上に電気めっきにより厚さ
10μmの鉄めっき層を形成し、その鉄めっき層の外周
上に電気めっきにより厚さ5μmの銅めっき層を形成
し、複合金属めっき線を作成した。この複合金属めっき
線を、外径0.14mm(塑性加工度97.6%)まで
1400m/minの伸線加工速度で伸線し、続いて、
印加電圧35V,電流17A,通電時間0.066秒で
電流焼鈍を施した。次に、電流焼鈍を施した複合金属め
っき線を、外径0.05mmまで1200m/minの
伸線加工速度で伸線し、細径複合金属めっき線を製造し
た。焼鈍後伸線において断線が発生するまでの細径複合
金属めっき線の生産量は約20kgであり、断線頻度は
非常に低かった。また、カールの発生は見られなかっ
た。さらに、この細径複合金属めっき線を折り曲げたと
き、めっき層にクラックの発生は見られなかった。その
後、細径複合金属めっき線にポリウレタン皮膜を塗布焼
き付けし、エナメル細径複合金属めっき線とした。この
エナメル細径複合金属めっき線の伸びを引張試験機によ
り測定した結果は、26%であった。また、エナメル細
径複合金属めっき線を空心コイルに単層密巻し、周波数
10MHzのときのQ値を測定した結果は、60であっ
た。比較のために、電流焼鈍を行わない以外は上記と同
じ条件にして、細径複合金属めっき線を製造した(塑性
加工度は、99.7%になる)。焼鈍後伸線において断
線が発生するまでの間の細径複合金属めっき線の生産量
は約2kgであり、断線頻度は中間焼鈍を行った場合に
比べ約10倍も高いものであった。また、カールの発生
が見られた。さらに、細径線を折り曲げたときに、めっ
き層にクラックの発生が見られた。また、伸びは、22
%であった。また、Q値は、60であった。なお、上記
結果は、図6に製造例1としてまとめてある。
【0020】−製造例2− 外径0.9mmの銅線の外周上に電気めっきにより厚さ
10μmの鉄めっき層を形成し、その鉄めっき層の外周
上に電気めっきにより厚さ5μmの銅めっき層を形成
し、複合金属めっき線を作成した。この複合金属めっき
線を、外径0.10mm(塑性加工度98.8%)まで
1400m/minの伸線加工速度で伸線し、続いて、
印加電圧36V,電流9A,通電時間0.066秒で電
流焼鈍を施した。次に、電流焼鈍を施した複合金属めっ
き線を、外径0.05mmまで1200m/minの伸
線加工速度で伸線し、細径複合金属めっき線を製造し
た。焼鈍後伸線において断線が発生するまでの間の細径
複合金属めっき線の生産量は約20kgであり、断線頻
度は非常に低かった。また、カールの発生は見られなか
った。さらに、この細径複合金属めっき線を折り曲げた
ときに、めっき層にクラックの発生は見られなかった。
その後、細径複合金属めっき線にポリウレタン皮膜を塗
布焼き付けし、エナメル細径複合金属めっき線とした。
このエナメル細径複合金属めっき線の伸びを引張試験機
により測定した結果は、27%であった。また、エナメ
ル細径複合金属めっき線を空心コイルに単層密巻し、周
波数10MHzのときのQ値を測定した結果は、60であ
った。なお、上記結果は、図6に製造例2としてまとめ
てある。
【0021】−製造例3− 外径0.9mmの銅線の外周上に電気めっきにより厚さ
10μmの鉄めっき層を形成し、その鉄めっき層の外周
上に電気めっきにより厚さ5μmの銅めっき層を形成
し、複合金属めっき線を作成した。この複合金属めっき
線を、外径0.14mm(塑性加工度97.6%)まで
1400m/minの伸線加工速度で伸線し、続いて、
印加電圧35V,電流17A,通電時間0.066秒で
電流焼鈍を施した。次に、電流焼鈍を施した複合金属め
っき線を、外径0.03mmまで1200m/minの
伸線加工速度で伸線し、細径複合金属めっき線を製造し
た。焼鈍後伸線において断線が発生するまでの間の細径
複合金属めっき線の生産量は約6kgであり、断線頻度
は非常に低かった。また、カールの発生は見られなかっ
た。さらに、この細径複合金属めっき線を折り曲げたと
きに、めっき層にクラックの発生は見られなかった。そ
の後、細径複合金属めっき線にポリウレタン皮膜を塗布
焼き付けし、エナメル細径複合金属めっき線とした。こ
のエナメル細径複合金属めっき線の伸びを引張試験機に
より測定した結果は、18%であった。また、エナメル
細径複合金属めっき線を空心コイルに単層密巻し、周波
数10MHzのときのQ値を測定した結果は、32であっ
た。比較のために、焼鈍を行わない以外は上記と同じ条
件にして、細径複合金属めっき線を製造した(塑性加工
度は、99.9%になる)。焼鈍後伸線において断線が
発生するまでの間の細径複合金属めっき線の生産量は約
600gであり、断線頻度は焼鈍を行った場合に比べ約
10倍も高いものであった。また、カールの発生が見ら
れた。さらに、この細径複合金属めっき線を折り曲げた
ときに、めっき層にクラックの発生が見られた。また、
伸びは、15%であった。また、Q値は、32であっ
た。なお、上記結果は、図6に製造例3としてまとめて
ある。
【0022】−製造例4− 外径0.9mmの銅線の外周上に電気めっきにより厚さ
10μmの鉄めっき層を形成し、その鉄めっき層の外周
上に電気めっきにより厚さ5μmの銅めっき層を形成
し、複合金属めっき線を作成した。この複合金属めっき
線を、外径0.10mm(塑性加工度98.8%)まで
1400m/minの伸線加工速度で伸線し、続いて、
印加電圧36V,電流9A,通電時間0.066秒で電
流焼鈍を施した。次に、電流焼鈍を施した複合金属めっ
き線を、外径0.03mmまで1200m/minの伸
線加工速度で伸線し、細径複合金属めっき線を製造し
た。焼鈍後伸線において断線が発生するまでの間の細径
複合金属めっき線の生産量は約6kgであり、断線頻度
は非常に低かった。また、カールの発生は見られなかっ
た。さらに、この細径複合金属めっき線を折り曲げたと
きに、めっき層にクラックの発生は見られなかった。そ
の後、細径複合金属めっき線にポリウレタン皮膜を塗布
焼き付けし、エナメル細径複合金属めっき線とした。こ
のエナメル細径複合金属めっき線の伸びを引張試験機に
より測定した結果は、19%であった。また、エナメル
細径複合金属めっき線を空心コイルに単層密巻し、周波
数10MHzのときのQ値を測定した結果は、32であっ
た。なお、上記結果は、図6に製造例4としてまとめて
ある。
【0023】−製造例5− 外径0.9mmの銅線の外周上に電気めっきにより厚さ
10μmの鉄めっき層を形成し、複合金属めっき線を作
成した。この複合金属めっき線を、外径0.2mm(塑
性加工度95%)まで1400m/minの伸線加工速
度で伸線し、続いて、印加電圧18V,電流28A,通
電時間0.066秒で電流焼鈍を施した。次に、電流焼
鈍を施した複合金属めっき線を、外径0.05mmまで
1200m/minの伸線加工速度で伸線し、細径複合
金属めっき線を製造した。焼鈍後伸線において断線が発
生するまでの間の細径複合金属めっき線の生産量は約1
0kgであり、断線頻度は非常に低かった。また、カー
ルの発生は見られなかった。さらに、この細径複合金属
めっき線を折り曲げたときに、めっき層にクラックの発
生は見られなかった。その後、細径複合金属めっき線に
ポリウレタン皮膜を塗布焼き付けし、エナメル細径複合
金属めっき線とした。このエナメル細径複合金属めっき
線の伸びを引張試験機により測定した結果は、25%で
あった。また、エナメル細径複合金属めっき線を空心コ
イルに単層密巻し、周波数10MHzのときのQ値を測定
した結果は、60であった。なお、上記結果は、図6に
製造例5としてまとめてある。
【0024】
【発明の効果】この発明の細径複合金属めっき線の製造
方法によれば、伸線加工の途中で中間焼鈍を入れたの
で、断線頻度を低減することが出来る。また、カールの
発生を防止することが出来る。さらに、めっき層のクラ
ックの発生を防止することが出来る。このため、外径数
十μmの細径複合金属めっき線を効率よく製造できるよ
うになる。また、第1めっき層を第2めっき層で保護す
るので、さらに断線頻度を小さくでき、外径数十μmの
細径複合金属めっき線をさらに効率よく製造できるよう
になる。また、伸線加工と焼鈍加工とを連続して行うの
で、作業工程の効率化が図れる。また、抵抗加熱焼鈍に
より短時間で焼鈍を行うので、生産効率を向上できると
共に、異種金属間の拡散が抑制され、細径複合金属めっ
き線の機械的,電気的,磁気的特性の劣化を防止できる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の細径複合金属めっき線の製造方法の
一実施例のフロー図である。
【図2】2層の複合金属めっき線および細径複合金属め
っき線の断面図である。
【図3】3層の複合金属めっき線および細径複合金属め
っき線の断面図である。
【図4】この発明の細径複合金属めっき線の製造方法を
実施する細径複合金属めっき線の製造装置の説明図であ
る。
【図5】この発明の細径複合金属めっき線の製造方法を
実施する別の細径複合金属めっき線の製造装置の説明図
である。
【図6】この発明の細径複合金属めっき線の製造方法に
よる製造例のデータを示す特性図表である。
【図7】従来の細径複合鉄めっき線の製造方法のフロー
図である。
【符号の説明】
100,100’ 細径複合金属めっき線の製造装置 1 供線機 2 焼鈍前伸線機 3 電流焼鈍機 6 焼鈍後伸線機 10 第1給電ロール 11 第2給電ロール 12 第3給電ロール E 電源 W,W’ 細径複合金属めっき線 A 芯材 B 第1めっき層 C 第2めっき層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金の芯材の外周上に、電気
    めっきにより、鉄かニッケルの単一金属または鉄−ニッ
    ケル合金からなる第1めっき層を形成して複合金属めっ
    き線を作成し、この複合金属めっき線が所定の外径にな
    るまで伸線加工を行なって細径複合金属めっき線を製造
    する細径複合金属めっき線の製造方法において、 前記複合金属めっき線の塑性加工度が95%以上,99
    %以下の範囲になった段階で前記複合金属めっき線に対
    し中間焼鈍を施すことを特徴とする細径複合金属めっき
    線の製造方法。
  2. 【請求項2】 銅または銅合金の芯材の外周上に、電気
    めっきにより、鉄かニッケルの単一金属または鉄−ニッ
    ケル合金からなる第1めっき層を形成し、この第1めっ
    き層の外周上に、電気めっきにより、銅,金,銀のうち
    何れかの単一金属またはその合金からなる第2めっき層
    を形成して複合金属めっき線を作成し、この複合金属め
    っき線が所定の外径になるまで伸線加工を行なって細径
    複合金属めっき線を製造する細径複合金属めっき線の製
    造方法において、 複合金属めっき線の塑性加工度が95%以上,99%以
    下の範囲になった段階で中間焼鈍を施すことを特徴とす
    る細径複合金属めっき線の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の細径複
    合金属めっき線の製造方法において、複合金属めっき線
    の塑性加工度が95%以上,99%以下の範囲になるま
    での伸線工程とその後の中間焼鈍工程とが連続した工程
    になっていることを特徴とする細径複合金属めっき線の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の細径複合金属めっき線の製造方法において、前記焼鈍
    が、抵抗加熱焼鈍であることを特徴とする細径複合金属
    めっき線の製造方法。
JP24290193A 1993-09-29 1993-09-29 細径複合金属めっき線の製造方法 Expired - Fee Related JP2923597B2 (ja)

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CN106968004A (zh) * 2017-03-29 2017-07-21 浙江东尼电子股份有限公司 一种磁性材料的电镀工艺方法

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