JP3286202B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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JP3286202B2
JP3286202B2 JP07380397A JP7380397A JP3286202B2 JP 3286202 B2 JP3286202 B2 JP 3286202B2 JP 07380397 A JP07380397 A JP 07380397A JP 7380397 A JP7380397 A JP 7380397A JP 3286202 B2 JP3286202 B2 JP 3286202B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膨張展開するエア
バッグをカバー体で覆ったエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、自動車の運転者を衝突の
衝撃などから保護するために、ステアリングホイールの
ボス部などに備えられたエアバッグ装置が知られてい
る。そして、このエアバッグ装置は、ガスを噴射するイ
ンフレータと、折り畳まれて収納された袋状のエアバッ
グと、このエアバッグを覆うカバー体と、これらインフ
レータ、エアバッグ、およびカバー体などが取り付けら
れたベースプレートとを備えている。そして、このエア
バッグ装置は、車両の衝突を検出すると、すなわち、車
両の所定以上の急激な減速を検出すると、インフレータ
からガスを急速に噴射してエアバッグを膨張展開させ、
この膨張の圧力によりカバー体を所定のテアラインで破
断して扉状に展開させ、このカバー体からエアバッグを
突出させた上、乗員の前方に膨張展開させるようになっ
ている。
【0003】また、カバー体は、折り畳まれたエアバッ
グを覆う被覆部と、この被覆部から下側に突設された取
付片部とが形成されいる。また、ベースプレートも、イ
ンフレータやエアバッグが取り付けられる基板部と、こ
の基板部から下側に突設された支持片部とを備えてい
る。そして、取付片部を支持片部の外周部に嵌合した状
態で、これら取付片部および支持片部などを複数のリベ
ットで固着し、カバー体がベースプレートに固定されて
いる。
【0004】そして、取付片部は、筒状とすることによ
り、剛性を向上し、ベースプレートの支持片部に強固に
嵌合して固定することができるが、嵌合作業は困難にな
り、取付作業を円滑にするためには、取付片部の寸法精
度を向上する必要があり、製造コストの低減が困難であ
る問題を有している。
【0005】また、例えば、特開平8−99594号公
報に記載されているように、取付片部に複数の切欠部を
形成し、この切欠部にて取付片部の湾曲を容易にさせ、
嵌合作業を容易にすることを図った構成が知られてい
る。しかしながら、切欠部を設けて取付片部の湾曲を容
易にする構成では、カバー体の強固な固定が困難になる
とともに、この切欠部の部分の強度を確保する必要があ
り、製造コストの低減が困難である問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、取付片
部を筒状とすることにより、剛性を向上し、ベースプレ
ートの支持片部に強固に嵌合して固定することができる
が、嵌合作業は困難になるとともに、取付片部の寸法精
度を向上する必要があり、製造コストの低減が困難であ
る問題を有している。また、特開平8−99594号公
報に記載されているように、取付片部に複数の切欠部を
設けて取付片部の湾曲を容易にする構成では、カバー体
の強固な固定が困難になるとともに、この切欠部の部分
の強度を確保する必要があり、製造コストの低減が困難
である問題を有している。
【0007】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、カバー体を支持部材に容易かつ強固に取り付けで
きるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のエアバッ
グ装置は、膨張展開するエアバッグと、このエアバッグ
を覆う被覆部および筒状の取付片部を備えたカバー体
と、前記取付片部に嵌合して固定される支持部材とを具
備し、前記取付片部には、周方向に変形可能な伸縮部が
設けられたものである。
【0009】そして、この構成では、カバー体の取付片
部は、筒状をなすため、支持部材に嵌合して強固に固定
される。また、取付片部に周方向に変形可能な伸縮部を
設けることにより、取付片部を支持部材に嵌合する作業
が容易になる。
【0010】請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項
1記載のエアバッグ装置において、取付片部は、多角形
筒状をなし、伸縮部は、取付片部の角部に位置して設け
られたものである。
【0011】そして、この構成では、多角形筒状をなす
取付片部に伸縮部を設けることにより、取付片部を支持
部材に嵌合する作業が容易になる。
【0012】請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項
1または2記載のエアバッグ装置において、伸縮部は、
取付片部の他の部分より厚さ寸法が小さく形成されたも
のである。
【0013】そして、この構成では、伸縮部が簡略な構
造で構成される。
【0014】請求項4記載のエアバッグ装置は、請求項
1ないし3いずれか記載のエアバッグ装置において、取
付片部の内周側および外周側の少なくとも一方に嵌合さ
れる支持部材と、取付片部の内周側および外周側の少な
くとも他方に嵌合される環状部材とを具備したものであ
る。
【0015】そして、この構成では、カバー体は、取付
片部を、支持部材と環状部材とで挟持して、強固に固定
される。また、支持部材と環状部材との2個の部材を用
いる場合にも、伸縮部を変形させることにより、嵌合作
業が容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグ装置の
一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】図1において、1はエアバッグ装置で、こ
のエアバッグ装置1は、自動車のステアリングホイール
に装着されている。そして、このステアリングホイール
は、ステアリングホイール本体と、このステアリングホ
イール本体の乗員側すなわち正面側に取り付けられたエ
アバッグ装置1となどから構成されている。なお、ステ
アリングホイールは、適宜調節可能に傾斜したステアリ
ングシャフトに取り付けられ、通常傾斜した状態で用い
られるものであるが、以下、エアバッグ装置が取り付け
られた乗員側を上側あるいは正面側とし、車体側を下側
あるいは裏面側として説明する。また、ステアリングホ
イール本体は、円環状のリム部と、このリム部の内側に
位置するボス部と、これらリム部とボス部とを連結した
複数の、本実施の形態では4本のスポーク部となどから
形成されている。そして、ボス部の下部には、ステアリ
ングシャフトに嵌着する円筒状のボスと、このボスに別
体または一体に固着されたボスプレートとが設けられ、
このボスプレートに、必要に応じてホーンスイッチ機構
などを介して、エアバッグ装置取付部材としての両側一
対の取付ブラケットがねじにて固定され、これら取付ブ
ラケットに、キャップボルトを用いてエアバッグ装置1
が取り付けられている。さらに、このボス部の下側部
は、下部カバーにより覆われている。
【0018】また、エアバッグ装置(エアバッグモジュ
ール)1は、支持部材としてのベースプレート11と、こ
のベースプレート11に取り付けられるカバー体(エアバ
ッグカバー)12、エアバッグ15、インフレータ16、リテ
ーナ17、および環状部材としての枠(帯)18などから構
成されている。
【0019】そして、ベースプレート11は、図1、図3
ないし図6に示すように、略左右対称形状で、金属板を
プレス加工などして、平面略六角形状をなす基板部(底
壁部、平板部)21と、この基板部21の周縁から下方(反
乗員方向)に一体に屈曲(起立)された内側支持部とし
ての周板部(側周壁)22とから下面を開口した略箱状に
形成されている。また、基板部21には、略中央部に円孔
状のインフレータ挿通孔23が形成されているとともに、
このインフレータ挿通孔23の周囲に位置して、複数のボ
ルト用通孔24が形成されている。また、周板部22は、多
角形略筒状をなし、周面からは、外方すなわち放射方向
(径方向)に向かい、係合部としての内側係合片25が切
り起こしなどして一体に突設されている。また、周板部
22には、ベースプレートの両側に位置して、外側に突出
するブラケット部(取付片)27が設けられ、このブラケ
ット部27に形成したボルト通孔28の内側に、かしめなど
して、キャップボルトが螺合される角ナットが固着され
ている。
【0020】一方、カバー体12は、図1ないし図7に示
すように、合成樹脂により一体的に形成され、例えば、
オレフィン系熱可塑性エラストマーを金型を用いて射出
成形して形成され、4本のスポーク部を備えたステアリ
ングホイール本体に組み合わされるセンタパッドとして
の外形を有している。すなわち、このカバー体12は、ス
テアリングホイール本体のボス部およびスポーク部の一
部の表面側を覆う被覆部41と、この被覆部41の下面から
下方に垂直状に突設(起立)された取付片部としての周
壁部42とが一体に形成され、これら被覆部41と周壁部42
の内側との間に囲まれた部分が、エアバッグ15を収納す
るエアバッグ収納部(容器部)になっているとともに、
このエアバッグ収納部に面して、被覆部41の下面に平面
略H字状などをなす脆弱なテアライン43が凹設して薄肉
に形成されている。
【0021】また、カバー体12の周壁部42は、多角形筒
状をなし、内面の形状がベースプレート11の基板部21の
外形形状に略一致し嵌合するようになっている。そし
て、この周壁部42の内側の4か所の角部(コーナー部)
には、下端部から所定寸法だけ上側にむかって溝状に凹
設され他の部分より薄肉となる伸縮部44が形成されてい
る。そして、この伸縮部44は、周壁部42の一般部より薄
肉に形成され、周壁部42の周方向に変形して伸縮可能に
なっている。また、この伸縮部44を構成する薄肉部の上
下方向の高さ寸法hは、図6に示すように、ベースプレ
ート11の周板部22および枠18の上下方向の高さ寸法とほ
ぼ等しく形成されている。
【0022】さらに、この周壁部42には、係合受部とし
ての内側係合孔46と外側係合孔47とが複数矩形状あるい
は円孔状などに形成されている。そして、内側係合孔46
は、少なくとも内周側に開口し、有底あるいは径方向に
貫通して形成されている。また、外側係合孔47は、少な
くとも外周側に開口し、有底あるいは径方向に貫通して
形成されている。
【0023】さらに、この周壁部42には、カバー体12の
前後などに位置して、内側に向かう係止突起部(凸部)
48が形成されているとともに、カバー体12の両側に位置
して、両側方向に貫通し下方に開口した切欠部49が形成
されている。
【0024】また、エアバッグ15は、例えば、2枚の基
布を縫い合わせて偏平な袋状に形成され、中央の底部
に、インフレータ16が挿通する円孔状のガス流入口15a
が形成されているとともに、このガス流入口15a の周囲
に、ボルト用通孔(取付け通孔)15b が複数形成されて
いる。
【0025】さらに、インフレータ16は、略円柱状をな
す本体部16a を備え、この本体部16a の外周部に取付フ
ランジ16b が突設されている。そして、この取付フラン
ジ16b の上側に位置して、本体部16a にガスを噴射する
ガス噴射口16c が複数形成されているとともに、取付フ
ランジ16b には、複数のボルト用通孔(取付け通孔)16
d が形成されている。また、本体部16a の下面からは、
リード線16e が導出されているとともに、必要に応じて
合成樹脂などからなるインフレータカバーが嵌合して取
り付けられるようになっている。
【0026】また、リテーナ17は、略環状をなすリテー
ナ本体17a を備えている。そして、このリテーナ本体17
a は、内周側と外周側とに上側に向かうフランジ部を設
けた断面略コの字状をなし、このリテーナ本体17a に
は、4個のスタッドボルト17bが下方に向かって固着さ
れている。そして、これらスタッドボルト17b には、そ
れぞれ下端側からナット50が螺合されるようになってい
る。
【0027】さらに、枠18は、帯状プレートなどとも呼
ばれるもので、図1、図3ないし図6、図8および図9
に示すように、金属板など長尺の板体である本体部53の
端部同士を向き合わせ連結部54にて接続して、全体とし
て塑性変形可能な多角形筒状である所定形状の環状すな
わちループ状、帯状に形成され、カバー体12の周壁部42
の外周面に略嵌合する形状に形成されている。また、連
結部54は、図9(a)に示すように、本体部53の一端部
に形成した先端側が幅狭となる略T字状(鍵型状)をな
す通孔54a に、本体部53の他端部に切り起こし形成した
先端部が幅広となるハンマー状(略T字状)をなす挿通
部54b を挿入し、図9(b)に示すように、離反する方
向に引いて係合した状態で、点54c などで抵抗溶接など
を行うことにより固着され、周方向が所定の長さ寸法の
枠18が形成されている。
【0028】また、枠18の嵌合部55は、カバー体12の周
壁部42の外周面に密着し、丁度はめ込まれる限度でタイ
トに形成され、すなわち、嵌合部55の内面の形状は、周
壁部42の外周面の形状と略同一に形成されている。さら
に、この枠18の複数位置からは、内方に向かい、係合部
としての外側係合片61が切り起こしなどして一体に突設
されているとともに、必要に応じて、各外側係合片61の
下方などに位置した部分で、下端縁が内側に折曲され、
ストッパが形成されている。さらに、この枠18の両側部
に位置して、内側に向かって凹陥された嵌入部としての
凹陥部64が形成され、この凹陥部64には、取付け通孔65
が形成されているとともに、ステアリングホイール本体
の取付ブラケットの挿入を容易にするための折返片66が
形成されている。
【0029】なお、この凹陥部64の周方向の幅寸法およ
び嵌入深さは、ステアリングホイール本体側にもうけら
れた取付ブラケットの先端部の幅寸法および厚さ寸法に
等しく形成されている。また、枠18の上端縁には、連結
部54の近傍を除いてほぼ全周に、上側外方に傾斜する案
内部(折返片)68が一体に形成されている。
【0030】次に、本実施の形態のエアバッグ装置1の
製造工程を説明する。
【0031】まず、ベースプレート11、カバー体12、お
よび枠18などは、あらかじめ所定の形状に形成してお
く。
【0032】そして、エアバッグ15のガス流入口15a を
長円状に変形させるなどして、このガス流入口15a か
ら、エアバッグ15の内側にリテーナ17を挿入し、各スタ
ッドボルト17b をボルト用通孔15b から外側に引き出
し、さらに、これらスタッドボルト17b をベースプレー
ト11のボルト用通孔24に上側から挿入して、このガス流
入口15a の周縁をベースプレート11の基板部21上に押さ
えつけておく。
【0033】そして、この状態から、空気圧などで駆動
される自動組み立て機で自動的な組み立て作業を開始す
る。すなわち、まず、エアバッグ折畳機により、エアバ
ッグ15をインフレータ16の本体部16a の周囲に花弁状に
折り畳み、エアバッグ15がベースプレート11の基板部21
の外形形状内に収まるようにする。
【0034】そして、この状態で、エアバッグ15を折り
畳んで配置したベースプレート11の上側から下方に向か
い、カバー体12を自動供給などして被せて押し込み、こ
れらベースプレート11とカバー体12との間にエアバッグ
15を収納し、基板部21の外周部に周壁部42を嵌合する。
この状態で、ベースプレート11の各内側係合片25がそれ
ぞれカバー体12の内側係合孔46に係合するとともに、周
壁部42の下端部がベースプレート11に形成したストッパ
に当接して嵌入量を規制し、さらに、周壁部42の内側に
突設した係止突起部48がベースプレート11に形成した係
止孔26に係合して、カバー体12がベースプレート11に正
確に位置決めして抜け止め保持される。
【0035】続いて、枠18を、所定位置に自動供給など
した上、図示しない空圧プレス装置などを用いて、カバ
ー体12の周壁部42の外周側の全周に嵌め込む。この時、
枠18の上端縁に設けた案内部68が周壁部42に摺接などし
て、枠18が容易に正確な位置に案内されるとともに、外
側係合片61が外側係合孔47に挿入して係合され、さら
に、凹陥部64が切欠部49に嵌合して、枠18がカバー体12
に正確に位置決めして抜け止め保持される。なお、枠18
の下端にストッパを形成し、周壁部42の下端部に当接し
て嵌入量を規制することもできる。
【0036】そして、この状態で、カバー体12の周壁部
42がベースプレート11の周板部22と枠18の嵌合部55との
間に挟持され、内側係合片25と内側係合孔46との係合を
枠18が保持し、外側係合片61と外側係合孔47との係合を
ベースプレート11が保持して、カバー体12がベースプレ
ート11に強固に取り付けられる。
【0037】続いて、ベースプレート11の下側から、イ
ンフレータ16の本体部16a の上側部をインフレータ挿通
孔23およびガス流入口15a に押し込み、取付フランジ16
b のボルト用通孔16d にリテーナ17のスタッドボルト17
b を挿入し、さらに、これらスタッドボルト17b の下側
にそれぞれナット50を螺合して締め付けることにより、
リテーナ本体17a と取付フランジ16b との間にベースプ
レート11とエアバッグ15とが共締めされ、エアバッグ装
置1の組み立てが完了する。
【0038】そして、以上のように組み立てられたエア
バッグ装置1を、ステアリングホイール本体のボス部か
ら起立された取付ブラケットに取り付ける。この時、取
付ブラケットは、枠18の凹陥部64に嵌合し、この状態
で、取付ブラケットの外側から、キャップボルトを挿通
させ、ベースプレート11のブラケット部27のボルト通孔
28を介して角ナットに螺合させる。この状態で、内周面
が周壁部42の外周面に密着した枠18は、キャップボルト
によりベースプレート11側に締め付けられる。
【0039】また、自動車に衝突などの衝撃が加わる
と、図示しない制御ユニットがインフレータ16を作動さ
せ、ガス噴射口16c からエアバッグ15の内側に窒素ガス
などの不活性ガスを急速に供給する。すると、このガス
により、エアバッグ15は急速に膨張展開し、この膨張の
圧力でカバー体12の被覆部41をテアラインに沿って破断
させ、カバー体12の上側に突出する。さらに、エアバッ
グ15は、乗員の前方に広く膨張展開して、乗員に加わる
衝撃を吸収緩和するようになっている。
【0040】そして、このエアバッグ15の膨張の際に
は、カバー体12には、周壁部42を周方向に広げようとす
る力が加わるが、この力は、枠18により受け止められ、
さらに、この枠18を周方向に広げようとする力は、ステ
アリングホイール本体の取付ブラケットにより受け止め
られて、カバー体12をベースプレート11に確実に保持で
きるようになっている。
【0041】そして、本実施の形態によれば、カバー体
12の周壁部42を筒状として、ベースプレート11の外周に
嵌合し、さらに、この周壁部42の外周に、環状の枠18を
嵌合することにより、カバー体12をベースプレート11に
強固に保持できるとともに、複数のリベットを用いる構
成などに比べて、容易にエアバッグ装置1を組み立てる
ことができ、製造コストを低減できる。
【0042】そして、周壁部42には、伸縮自在、変形容
易な伸縮部44を形成し、周壁部42の周方向の寸法を調整
可能としたため、ベースプレート11の周板部22および枠
18を容易に嵌合することができ、カバー体12をベースプ
レート11に組み付ける作業性を向上できる。すなわち、
カバー体12の周壁部42を、周板部22と枠18との間に円滑
に嵌合する形状に形成するためには、正確な寸法管理が
必要になり、製造コストの低減は困難となるが、伸縮部
44を設けることにより、寸法のばらつきをこの伸縮部44
の伸縮により吸収して、周板部22および枠18の嵌合を容
易にすることができる。さらに、カバー体12をベースプ
レート11に組み合わせ、カバー体12の内側にエアバッグ
15を収納した状態では、カバー体12の周壁部42は折り畳
んだエアバッグ15の反力により外方に開く方向に変形し
ようとするが、この場合においても、伸縮部44により周
壁部42を縮小する方向に容易に変形させることができ、
容易に枠18を嵌合することができる。
【0043】また、周壁部42は、伸縮部44を設けた略筒
状とし、周壁部を容易に湾曲させるための切欠部などを
形成した構成に比べ、周壁部42の強度を容易に向上で
き、カバー体12をベースプレート11に容易に強固に取り
付けることができる。
【0044】さらに、伸縮部44は、周壁部42を薄肉にし
て形成したため、容易に形成でき、特に、周壁部42の周
方向の寸法の管理より、厚さ寸法(肉厚)の管理は容易
であるため、製造コストを低減することができる。
【0045】また、伸縮部44は、多角形筒状をなす周壁
部42の角部に形成したため、周壁部42を容易に拡開、縮
径でき、周壁部42の寸法のばらつきを効果的に吸収する
ことができる。
【0046】さらに、伸縮部44を構成する薄肉部の高さ
hは、ベースプレート11の周板部22の高さ寸法とほぼ等
しくしたため、円滑な嵌合作業と強度の維持とを両立す
ることができる。
【0047】なお、周壁部42は、少なくともベースプレ
ート11の基板部21の上側では、切欠部や孔部を設けない
筒状とすることにより、容易に強度を確保でき、カバー
体12をベースプレート11に強固に取り付けることができ
る。
【0048】また、上記の実施の形態では、枠18を用い
て周壁部42を周板部22に固定したが、このような枠18に
換えて、あるいは、このような枠18とともに、リベット
などの固着手段を用いて、周壁部42を周板部22に固定す
ることもできる。
【0049】また、カバー体12の周壁部42に形成する伸
縮部44の形状は、内周側を凹設した形状の他、変形容易
な種々の形状を採ることができる。例えば、図10に示
す伸縮部71のように、周壁部42を外周側から凹設した薄
肉形状とし、また、図11に示す伸縮部73のように、周
壁部42を内周側と外周側から1か所ずつ凹設した薄肉形
状とし、あるいは、図12に示す伸縮部75のように、周
壁部42を内周側と外周側とから複数箇所で凹設してクラ
ンク状とした薄肉形状とすることもできる。
【0050】またなお、エアバッグ装置は、自動車のス
テアリングホイールのみに適用されるものではなく、例
えば、助手席前のインストルメントパネルコアに備える
助手席乗員用のエアバッグ装置、あるいは座席やドアに
備えるエアバッグ装置に適用することもでき、さらに、
自動車などの車両以外の移動体など、衝撃からの保護が
必要なものに適用することもできる。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載のエアバッグ装置によれ
ば、カバー体の取付片部を筒状とすることにより、支持
部材に嵌合して強固に固定できるとともに、取付片部に
周方向に変形可能な伸縮部を設けることにより、取付片
部を支持部材に嵌合する作業を容易にできる。
【0052】請求項2記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1記載の効果に加え、多角形筒状をなす取付片部
の角部に伸縮部を設けることにより、取付片部を効率良
く拡開あるいは縮径でき、支持部材に容易に嵌合でき
る。
【0053】請求項3記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1または2記載の効果に加え、取付片部の他の部
分より伸縮部の厚さ寸法を小さく形成することにより、
変形可能な伸縮部を簡略な構造で構成でき、製造コスト
を低減できる。
【0054】請求項4記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1ないし3いずれか記載の効果に加え、カバー体
は、取付片部を支持部材と環状部材とで挟持して強固に
固定できるとともに、支持部材と環状部材との2個の部
材を用いる場合にも、伸縮部を変形させることにより、
嵌合作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す
分解斜視図である。
【図2】同上エアバッグ装置の平面図である。
【図3】同上エアバッグ装置の図2のA−A断面図であ
る。
【図4】同上エアバッグ装置の図2のB−B断面図であ
る。
【図5】同上エアバッグ装置の図2のC−C断面図であ
る。
【図6】同上エアバッグ装置の図7のD−D断面図であ
る。
【図7】同上エアバッグ装置のカバー体の裏面側から見
た斜視図である。
【図8】同上エアバッグ装置の環状部材の斜視図であ
る。
【図9】同上エアバッグ装置の環状部材の製造工程を示
す説明図である。
【図10】本発明のエアバッグ装置のカバー体の他の実
施の形態を示す裏面側から見た一部の斜視図である。
【図11】本発明のエアバッグ装置のカバー体のさらに
他の実施の形態を示す裏面側から見た一部の斜視図であ
る。
【図12】本発明のエアバッグ装置のカバー体のさらに
他の実施の形態を示す裏面側から見た一部の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 エアバッグ装置 11 支持部材としてのベースプレート 12 カバー体 15 エアバッグ 18 環状部材としての枠 41 被覆部 42 取付片部としての周壁部 44 伸縮部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小熊 義則 静岡県富士市青島町218番地 日本プラ スト株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−99594(JP,A) 特開 平1−109146(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨張展開するエアバッグと、 このエアバッグを覆う被覆部および筒状の取付片部を備
    えたカバー体と、 前記取付片部に嵌合して固定される支持部材とを具備
    し、 前記取付片部には、周方向に変形可能な伸縮部が設けら
    れたことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 取付片部は、多角形筒状をなし、伸縮部
    は、取付片部の角部に位置して設けられたことを特徴と
    する請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 伸縮部は、取付片部の他の部分より厚さ
    寸法が小さく形成されたことを特徴とする請求項1また
    は2記載のエアバッグ装置。
  4. 【請求項4】 取付片部の内周側および外周側の少なく
    とも一方に嵌合される支持部材と、 取付片部の内周側および外周側の少なくとも他方に嵌合
    される環状部材とを具備したことを特徴とする請求項1
    ないし3いずれか記載のエアバッグ装置。
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