JP3285889B2 - 出力パッドを駆動するための方法及び装置 - Google Patents

出力パッドを駆動するための方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、集積回路(IC)の出力
パッドを駆動するための方法および装置に関しており、
特に、論理回路制御装置を含む方法および装置に関して
いる。
【0002】
【従来技術とその問題点】マイクロプロセッサおよびメ
モリなどの集積論理回路は、”1”と呼ばれるハイ論理
状態、または”0”と呼ばれるロー論理状態から成る出
力信号を発生させる。該集積論理回路は一般にチップと
呼ばれる。一般に、直列に接続されたFETトランジス
タは、チップの選択される出力端子のための出力段を形
成する。トランジスタの接続部は、パッドと呼ばれる端
子に結合される。チップ上の集積回路により発生される
論理信号は、FETのゲートに加えられ、それにより出
力パッドを駆動する。
【0003】チップを他のコンポーネントと接続したと
きにパッド上に現れるキャパシタンスまたは電流負荷が
あるために、ドライバが必要である。チップ上に多くの
パッドがあるときには、チップの接地線に大きなインダ
クタンスがある。このようなタイプのチップに珍しいこ
とではないが、多数のパッド上の信号が同時に状態を切
り換えると、接地線に大きなノイズ・スパイクが生じ
る。チップ・パッドに関するノイズの問題は、Van
Lehn他に与えられた米国特許第4,731,553
号で認識されている。Van Lehn他のこの特許で
は、1対の出力ドライバが与えられており、その1つの
ドライバは、ハイ論理レベル(ハイ・レベルと称する)
定常状態段において動作する他のドライバにより、論理
レベルのロー(ロー・レベル)からハイ(ハイレベル)
状態への移行を駆動する。論理的移行をもたらす他のパ
ッド・ドライバにより作り出されるノイズから、所定の
出力状態のままであるパッド・ドライバの電源ノードを
分離する目的で、各ドライバは別々の電源に接続されて
いる。Van Lehn他の特許ではこの目的を達成す
ることができるが、時間遅延回路および各パッド用の多
数の論理ゲートだけでなく、別々の電源を、チップに追
加している。Van Lehn他の特許に述べてあるよ
うに、論理回路の動作速度が増大するにつれて、ノイズ
も増加する。論理回路の設計では、回路の動作速度の選
択は、特定アプリケーションで許容することのできるノ
イズ量の関数である。論理回路の出力パッドを高速で駆
動すればするほど、ノイズもそれだけ多く発生する。
【0004】
【発明の目的】先行技術の短所を克服するところのIC
出力パッドを駆動するための方法および装置をもたらす
ことが、本発明の目的である。回路を製造した後で論理
回路の信号速度とノイズとの間のトレードオフを選択す
ることのできる該方法および装置をもたらすことが、本
発明のさらに明確な目的である。論理回路のアプリケー
ションにより異なるが、論理回路のユーザーにより、該
トレードオフを選択可能な該方法および装置をもたらす
ことが、本発明の別の明確な目的である。
【0005】
【発明の概要】本発明は、IC出力信号に応答する集積
回路(IC)出力パッドを駆動する方法を含む。IC出
力信号は、第および第パッド・ドライバの入力に加
えられる。各パッド・ドライバの出力は、前記出力パッ
ドに接続される。IC出力信号は、該信号がこのように
加えられ、ドライバ出力がこのように接続してあるとき
に、ハイ・レベルとロー・レベルの間を切り換える。該
方法を実施するための装置も与えられている。
【0006】
【望ましい実施例の説明】一般に10で示すものは、集
積回路(IC)の出力パッドを駆動するための回路の一
部である。回路10には、一般に12で示す副回路を含
み、該副回路は、さらに、一般に14で示すパッド・ド
ライバ論理回路、および一般に16、18で示す1対の
パッド・ドライバを含む。IC出力パッド20は、導線
22を介してドライバ16、18に接続される。IC出
力信号は集積回路(図示していないがマイクロプロセッ
サと想定されている)により発生され、導線24に加え
られる。導線24上の信号は、ハイおよびロー・レベル
に切り換わるが、本書では各々を”1”および”0”と
呼ぶ。導線24に加えられる信号を出力する回路10お
よびマイクロプロセッサは、同じチップ上で組み立てら
れる。すべてを図示していないが、該チップには、パッ
ド20などの多数の出力パッドを含み、各々、副回路1
2などの関連する副回路を有する。隣接する副回路の一
部を、一般に26で示す。
【0007】副回路12の構造および動作について考察
する。副回路12には、インバータ28、30を含む。
各インバータは、”1”がその入力に加えられるときの
出力が”0”、およびその逆であるように、通常通りに
動作する。インバータ28の出力は、NANDゲート3
2の入力の1つに加えれる。NANDゲート32への
他の入力は、導線34を介して導線24に接続される。
NANDゲート32の出力は、導線38に加えられる。
NANDゲートは、各入力がハイ・レベルであるときだ
けその出力がロー・レベルであるように通常通りに機能
する。他のすべての入力、例えば両方ともロー・レベル
または1つがローで他がハイ・レベルなどでは、NAN
Dゲート12の出力は”1”である。NORゲート38
には、導線40を介してインバータ28の入力に結合さ
れる1つの入力および導線34を介して導線24に結合
される他の入力がある。NORゲート38の出力は、導
線42に加えられる。NORゲート38へのいずれかま
たは両方の入力が”1”であれば、その出力ば”0”で
ある。NORゲート38の両入力が”0”である場合、
その出力は”1”である。導線36、42は、本書で
は、論理回路14の第および第出力と呼ぶ。
【0008】パッド・ドライバ16には、p−チャンネ
ルFET44およぴn−チャンネルFET46を含み、
本書では、各々第および第FETと呼んでいる。パ
ッド・ドライバ18には、p−チャンネルFET48お
よびn−チャンネルFET50も含み、本書では、各々
および第FETと呼んでいる。各FETには、ゲ
ート52、54、56、58を含む。ゲート56は導線
36に接続され、ゲート58は導線42に接続され、ゲ
ート52、54は導線60に接続され、これはさらにイ
ンバータ30の出力に接続される。すでに述べた導線2
2は、パッド20、FET44、46の接続部、および
FET48、50の接続部に接続される。FET44、
48の一方の側は、在来形電源VDDに結合される。F
ET46、50の他方の側は、接地についての通例の記
号により示されるように接地される。接地は、本書で
は、基準電位と呼んでいる。
【0009】動作において、すでに述べたようにp−チ
ャンネルFETであるFET44、48は、ゲート5
2、56の信号が”0”論理レベルであるときに、導通
し、それによりVDDを導線22に接続している。ゲー
トは52、56の論理レベルが”1”である場合、FE
T44、48は遮断され、それによりVDDを導線22
から遮断している。他方、FET46、50は、ゲート
54、58の信号が”0”論理レベルであるときにオフ
であり、それにより接地を導線22から遮断しており、
ゲート信号が”1”論理レベルであるときにオンにな
り、それにより導線22を接地している。前述のFET
の論理的動作を以要約すると下表のようになる ゲート FET44、48 FET46、50 ”0” オン オフ ”1” オフ オン
【0010】副回路26にはインバータ62を含む。イ
ンバータ62は、副回路12のインバータ28と対応し
ている。インバータ62の先までは図示していないが、
副回路26は基本的に副回路12と同一である。副回路
26には、インバータ62が一部を成す論理回路14な
どの論理回路を含んでいる。すなわち、1対のパッド・
ドライバ(図示していない)はパッド・ドライバ16、
18に似ており、パッド(図示していない)はパッド2
0に似ている。マイクロプロセッサからの別の論理信号
は、導線24の信号が副回路12に加えられるのと同じ
ようにして、副回路26に加えられる。マイクロプロセ
ッサ回路の各論理出力では、副回路12、26に似た別
の副回路が、パッド20に似た関連するパッドを駆動す
る。フリップフロップ64には、導線66に接続される
出力端子Qを含む。導線66は、回路10の副回路1
2、26に似た各副回路のインバータ28、62に対応
する各インバータの入力に接続される。入力端子Dは、
チップの入/出力バスの一部を成す導線67に接続され
る。フリップフロップ64のクロック端子は導線68に
接続され、該導線はチップ上の入力パッド(図示してい
ない)に接続される。フリップフロップ64は、導線6
8で”0”から”1”への論理レベル還移のある度に通
常のように動作し、フリップフロップの端子Dに現れる
値は、端子Qに加えられ、次の”0”から”1”への還
移までそのレベルに保持される。
【0011】ある動作モードでは、”0”がチップ入/
出力バスの導線67に加えられ、その後で、導線68に
接続されたチップ・パッド上で、”0”から”1”への
還移が引き起こされ、それにより端子Dの”0”ステー
タスをフリップフロップ64の端子Qにクロックする。
したがって、”1”がインバータ28の出力に現れ
る。”0”が導線40上に現れ、NORゲート38への
入力の一方となる。したがって、導線24上のマイクロ
プロセッサ出力信号は、NANDゲート32およびNO
Rゲート38を通り、各々導線36、42に現れる。ゲ
ート56、58を同じ信号で駆動すれば、FET48、
50はお互いに相補的に動作する。すなわち、一方がオ
ンであれば他方がオフであり、その逆もある。したがっ
て、FET48、50は、導線24に現れる信号をパッ
ド20に加える。同様にして、インバータ30は、ゲー
ト52、54を駆動する導線60に信号を送るので、F
ET44、46は、FET46、50と同じ様に、お互
いに相補的に動作する。したがって、パッド・ドライバ
16に似た1つのパッド・ドライバの出力を、先行技術
のようにパッド20に現わさせる代りに、パッド・ドラ
イバ16、18はパッド20を並列に駆動する。このよ
うな並列駆動は、1つのドライバだけでパッドを駆動す
る場合よりもずっと迅速な信号の移行をパッド20上で
行わせる。他方、2つのドライバ16、18が同時にパ
ッドを駆動するときには、チップの他の信号に影響を及
ぼすところの接地線に現れるノイズは、許容されないこ
とがある。
【0012】接地線のノイズ・レベルが高過ぎることが
確認されたならば、論理”1”状態を導線67に加え、
導線68の接続されたパッド上で”0”から”1”論理
レベルへの還移をもたらすことによりフリップフロップ
の端子Qに該論理”1”状態をクロックさせて、もう1
つの動作モードで動作するようにチップを切り換えるこ
とができ、それにより”1”レベルを導線66上に乗せ
る。これにより、”1”レベルが導線40上に現れ、”
0”レベルがインバータ28の出力に現れる。”0”を
NANDゲート32への入力の1つとすると、導線36
は常に論理レベル”1”であり、FET46は常にオフ
である。同様に、導線40に”1”レベルがあると、導
線42上のNORゲート38の出力は常に”O”論理レ
ベル状態であり、FET58もオフになる。したがっ
て、FET48、50の接続部は、電源および接地から
遮断されるので、FET44、46により発生される信
号に従う。パッド20、および導線66に接続される他
のすべてのパッドは、このように、遅いが低ノイズ・レ
ベルで駆動される。パッド・ドライバ16のFET4
4、46は、すでに述べたように継続して駆動され、そ
れにより、導線24の信号に応答して、導線22、およ
びしたがってパッド20を駆動する。パッド20の信号
の変化速度は、2つのドライバ16、18がパッドを駆
動するときよりも幾分遅いが、ノイズ・レベルは低減さ
れる。したがって、出力パッドに所望される速度対ノイ
ズ特性により異なるが、”0”または”1”論理レベル
を導線67に加えたり、その値を導線66にクロックす
ることにより、ユーザーは、チップを製造した後でチッ
プの仕様を調整することができる。論理回路14のよう
な別の論理回路を伴うパッド・ドライバ18のような別
のドライバを、回路10の各パッドに追加できることが
理解される。したがって、各パッドを例えば6つのドラ
イバにより駆動することができ、そのうちの1つは、ド
ライバ16のように、常にオンであり(即わち動作
し)、他の5つは、出力パッドの所望速度対ノイズ特性
によりオン(動作)またはオフ(非動作)に2進プログ
ラム可能である。
【0013】
【発明の効果】従って本発明の実施により、集積回路の
出力パッドの駆動性能、集積回路の使用状況に適合
変えることができるので、最適な動作状態、即わち、
ノイズ・レベルと動作速度のかね合がとれた状態を選択
できる。数のパッド・ドライバ論理回路を並列接続し
て、適宜稼動個数を指定するから、多段階の動作状態を
得ることができる。従って、最適動作状態の設定の自由
度が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のパッドを駆動するための方
法と装置を説明するための図である。
【符号の説明】
10:出力回路を駆動するための回路の一部 12:副回路 14:パッド・ドライバ論理回路 16,18:パッド・ドライバ 20:出力パッド 28,30:インバータ 36:導線:パッド・ドライバ論理回路の第1出力 42:導線:パッド・ドライバ論理回路の第2出力 44:第FET:P−チャンネルFET 46:第FET:n−チャンネルFET 48:第FET:P−チャンネルFET 50:第FET:n−チャンネルFET
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 399117121 395 Page Mill Road Palo Alto,Californ ia U.S.A. (56)参考文献 特開 昭61−294929(JP,A) 特開 平2−18788(JP,A) 特開 平2−70120(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後記(イ)〜(ト)のステップから成る
    /出力バスと論理レベル保持手段と接地線とを備える
    Cチップ内での一つの出力パッドを駆動するための方
    法。 (イ)IC出力信号を加えられるそれぞれの入力を備え
    る第1のパッド・ドライバと第2のパッド・ドライバと
    を用意するステップ。 (ロ)前記ICチップの入/出力バスからの論理レベル
    前記論理レベル保持手段により保持し該論理レベルに
    応じて前記第1、第2のパッド・ドライバの入力を制御
    して該第1、第2のパッド・ドライバのそれぞれを選択
    して動作状態あるいは非動作状態にするステップ。 (ハ)IC出力信号を前記選択に応じて動作状態にされ
    た前記第1、第2のパッド・ドライバの入力に加えるス
    テップ。 (ニ)前記動作状態にされた前記第1、第2のパッド・
    ドライバの出力を前記出力パッドに結合するステップ。 (ホ)前記IC出力信号をハイ・レベルとロー・レベル
    の間で切り換えるステップ。 (ヘ)前記接地線のノイズ・レベルが高すぎることが確
    認されるのに応じて前記ICチップの入/出力バスから
    入力される論理レベルを変化させ前記動作状態にされた
    前記第1、第2のパッド・ドライバの少なくとも一方の
    入力を制御して、該少なくとも一方を非動作状態にしそ
    の出力を前記出力パッドから除くステップ。 (ト)IC出力信号を前記第1、第2のパッド・ドライ
    バの入力に加えるステップ。
  2. 【請求項2】(チ)前記第1、第2のパッド・ドライバ
    の前記動作状態と非動作状態とは2進プログラムされ、
    いずれもが動作状態にあるとき前記第1、第2のパッド
    ・ドライバは前記IC出力信号に応じて互いに同様に動
    作するステップを追加して成る請求項1に記載の出力パ
    ッドを駆動する方法。
  3. 【請求項3】前記第1、第2のパッド・ドライバのそれ
    ぞれは一対のFETを有し、該FETはそれぞれがゲー
    トと出力パッドに接続される端子とを有し、前記(へ)
    ステップでは該非動作状態にされる第1、第2のパッ
    ド・ドライバの前記一対のFETのゲートを駆動して該
    非動作一対のFETの双方のFETをオフとすることを
    特徴とする請求項1に記載の出力パッドを駆動する方
    法。
  4. 【請求項4】入/出力バスと接地線と後記(イ)〜
    )とを備え、ICチップ内でのIC出力信号に応じ
    て一つの出力パッドを駆動する出力パッドを駆動するた
    めの装置。 (イ)前記ICチップの前記入/出力バスからの論理レ
    ベルを保持する手段。 (ロ)それぞれが入力と出力とを有する第1、第2のパ
    ッド・ドライバ。 (ハ)前記保持された論理レベルに応じて前記第1、第
    2のパッド・ドライバの入力に前記IC出力信号を供給
    し前記IC出力信号に応じて前記第1、第2のパッド・
    ドライバが前記出力パッドを駆動するように動作させる
    とともに、前記接地線のノイズ・レベルが高すぎることが確認され
    るのに応じて前記ICチップの入/出力バスから入力さ
    れる前記論理レベルを変化させ、記第1、第2のパッ
    ド・ドライバの少なくとも一方を選択して該選択された
    パッド・ドライバの入力に対する前記IC出力信号の供
    給を止め、該選択されたパッド・ドライバの出力を前記
    出力パッドから遮断するように動作させるための手段。
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