JP3285558B2 - 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents
垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置Info
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Description
適する磁性膜を有する磁気記録媒体及びこれを用いた磁
気記憶装置に関する。
は、面内磁気記録方式を採用している。面内磁気記録方
式では、ディスク基板面と平行な方向に磁化し易い面内
磁気記録媒体に基板と平行な面内磁区を高密度に形成す
ることが技術課題となっている。面内記録では、磁化が
互いに逆向きで隣接するため、線記録密度を伸ばすため
には、記録膜の保磁力を増大させるとともに膜厚を減少
していくことが必要である。記録膜の膜厚が小さくなる
と熱揺らぎのために記録磁化強度が減少し、極端な場合
には記録情報が失われるという問題が発生する。面内記
録方式では、従来から用いられているCo合金系の記録
膜を用いた場合、20Gb/in2以上の面記録密度の
実現が困難になる。
直に磁化を形成する方式で、記録原理や媒体ノイズの発
現機構が従来の面内磁気記録媒体の場合とは異なるが、
隣接する磁化が向き合わないために、本質的に高密度磁
気記録に適した方式として注目され、垂直磁気記録に適
した媒体の構造などが提案されている。Co合金材料か
らなる垂直磁化膜の垂直配向性を改善するために垂直磁
化膜と基板との間に非磁性材料下地を設ける方法が検討
されている。例えば、特開昭58−77025号公報、
特開昭58−141435号公報にはCo−Cr磁性膜
の下地層としてTi膜を形成する方法が、特開昭60−
214417号公報には下地層としてGe,Si材料を
用いる方法が、特開昭60−064413号公報にはC
oO,NiO等の酸化物下地層材料が開示されている。
て用いられる垂直磁気記録媒体として、基板と垂直磁化
膜の間にパーマロイなどの軟磁性膜層を設けた媒体が検
討されている。また、垂直磁気記録媒体のノイズを低減
したり記録分解能を向上させる手段として、Co合金材
料からなる垂直磁化膜の途中に非磁性のCoCr膜やT
i膜を導入することが有効である。このような技術は、
例えば第5回垂直磁気記録シンポジウム会議資料集(1
996年10月23−25日)95〜100頁の「単層
垂直磁気ディスク媒体の高S/N化」と題する論文に記
載されている。
の高密度磁気記録が可能な垂直磁気記録媒体としては、
線記録密度分解能が大きいことに加えて媒体ノイズが小
さいことが必要である。このためには、前述したように
垂直磁化膜と基板の間に非磁性のCo−Cr下地を導入
する、あるいはCo合金磁性膜の添加元素としてTa等
の非磁性元素を添加する、磁性結晶粒径を小さくするこ
とが有効であることが知られている。このような対策を
行なうことで媒体ノイズをかなり低減できるが、さらに
ノイズを低減できれば磁気記録装置の記録密度をより容
易に伸ばすことが可能となる。
密度を実現するための低ノイズ特性をもつ垂直磁気記録
媒体を提供し、高密度記録再生装置の実現を容易ならし
めることを目的とする。
磁化状態を磁気力顕微鏡や走査型スピン電子検出型顕微
鏡によって調べた結果、大部分のノイズは媒体面に存在
するミクロ的な磁化の揺らぎが原因であることが判明し
た。ミクロな磁化の揺らぎとは、媒体表面の磁化の強さ
がミクロン(μm)レベルで場所によって変動している
ことを示す。媒体ノイズを減らすためには、媒体の表面
に存在するミクロな磁化の揺らぎを減らさなければなら
ない。このためには、垂直磁化膜を構成する磁性結晶粒
子を微細化するとともに磁気的分離を促進することが有
効である。
直磁化膜の途中に少なくとも1層のAl膜もしくはAl
合金膜を導入することにより、磁性結晶粒子の微細化及
び磁気的分離を促進することを特徴とする。この構造
は、非磁性基板上に非磁性下地層を介して垂直磁化膜と
保護膜を形成した単層垂直磁気記録媒体に対しても、非
磁性基板上に裏打磁性膜層を介して垂直磁化膜と保護膜
を形成した2層垂直磁気記録媒体に対しても有効であ
る。
り、垂直磁化膜に用いられるCo−Cr合金の平均の原
子間距離の0.25〜0.27nmに近く、しかも最稠
密面の原子配列がCo−Cr合金の原子配列に類似して
いるため、0.5nmから数nm程度の極薄膜をCo−
Cr合金膜上に形成しても膜厚が均一な連続膜として成
長しやすい性質を持つ。また、Alは非磁性元素であ
り、この層が介在することによりCo−Cr合金膜が上
下に分断され、さらにAlはCo−Cr合金膜の結晶粒
界に拡散しやすいため、磁性結晶粒子の微細化と磁気分
離を促進することができる。
e,Hf,Ir,Mg,Mn,Siなどの元素を添加し
たAl合金を用いると上記の効果はさらに増大される。
これは、添加元素が入ることによって、純Alに比べて
Alもしくは添加元素が結晶粒界に拡散する能力が増幅
されること、及びAl合金化することによってCo−C
r合金磁性膜との格子定数の不整合が調整される効果な
どによるものである。Alに添加する前記元素の量は少
なくとも0.5at%以上25at%未満であることが
必要である。添加量が0.5at%未満では添加元素の
効果が顕著ではなく、また25at%を超えるとAl基
合金の結晶構造と異なる構造をもつ第2相の介在比率が
増大するため、前記の効果が大幅に減少するためであ
る。
るためには、最大線記録密度を300kFCI以上とす
る必要がある。このときビット長は80nm以下とな
り、このためには垂直磁気記録媒体を構成する垂直磁化
膜の磁性結晶粒子の直径を20nm以下望ましくは15
nm以下とすることが必要となる。本発明者らの実験に
よると、このためには垂直磁化膜の全膜厚を40nm未
満とする必要があることが分かった。しかし、膜厚が1
0nm未満になると熱揺らぎにより低記録密度領域の記
録磁化強度が減少する問題も発生することが明らかにな
った。従って、望ましい垂直磁化膜の全厚さは10nm
以上40nm未満である。ここで垂直磁化膜の全厚さと
は、Co−Cr合金系垂直磁化膜の総厚であり、中間に
少なくとも1層導入したAl膜もしくはAl合金膜の厚
さは含まない。
に別の組成を持つCo−Cr合金系垂直磁化膜やPt/
Co多層膜、Fe−Pt強磁性膜などを設けて、さらに
ノイズ低減を図ることも可能である。
では垂直磁化膜の途中に少なくとも1層のCr,Au,
Cu,Hf,Ir,Pd,Pt,Ru,Re,Rh,T
i,V又はZr、もしくはこれらのいずれかの元素を主
成分とする合金からなる膜厚が0.3nm以上5nm未
満の層を導入することにより、磁性結晶粒子の微細化及
び磁気的分離を促進することを特徴とする。この構造
は、非磁性基板上に非磁性下地層を介して垂直磁化膜と
保護膜を形成した単層垂直磁気記録媒体に対しても、非
磁性基板上に裏打磁性膜層を介して垂直磁化膜と保護膜
を形成した2層垂直磁気記録媒体に対しても有効であ
る。
合金が適当である。垂直磁気異方性を持つCo基合金膜
においては六方稠密構造(Hexagonal Closed-Packed St
ructure:HCP)の最稠密面である(0001)面が
基板と平行になり、膜の成長方位は[0001]となっ
ている。HCP構造を持つCo基合金の成長の過程でA
u,Cu,Ir,Pd,Ptなどの面心立方構造(Face
Centered Cubic Structure:FCC)の金属膜を形成
すると、FCC構造の最稠密面である(111)面の原
子配列はHCP構造の(0001)面の原子配列と同一
であるため、結晶成長が連続して進行するヘテロエピタ
キシャル成長が実現される。このような成長は両材料間
で格子定数が大きく異なると起こり難いが、膜厚が数n
m以下と小さい場合は格子が歪むことによってエピタキ
シャル成長が確保される。Ru,Re,RhなどCo基
合金と同様なHCP構造を持つ材料の場合、FCC構造
を持つ材料に比べて格子定数により大きな違いがあって
もエピタキシャル成長は確保される。また、Cr,V,
Zr,Hfなどの体心立方構造(Body Centered Cubic
Structure:BCC)の場合、形成する膜厚が5nm以
下と小さい場合はCo基合金のHCP構造とヘテロエピ
タキシャル関係を保って膜を成長させることが可能であ
る。
CP,BCC材料の極薄膜を形成した後、再びCo基合
金からなる材料を形成すると、エピタキシャル成長が継
続進行し、その成長方位を[0001]とすることがで
きる。HCP構造を持つCo基合金の[0001]方位
は磁化容易軸であり、良好な垂直磁気特性を得るために
は、この軸が基板と垂直になるように膜形成を行う必要
がある。Co基合金膜がこのような非磁性金属の極薄膜
で分離されると、磁気的にも分離されることになり、磁
性結晶粒の単位が微細化し、媒体の低ノイズ化が可能と
なる。非磁性金属膜の厚さは、0.3nm〜5nmの範
囲、より望ましくは0.5nm〜3nmの範囲が良い。
向の磁気的分離ばかりではなく膜の面内方向の分離を促
進することが必要である。Co合金垂直磁化膜は多結晶
膜であり、結晶粒界が存在する。膜の面内方向の磁気的
分離を促進するためには、結晶粒界に非磁性元素を偏析
させることによって、非磁性元素からなる薄い膜を形成
する必要がある。Co基合金の成長過程で前記のような
非磁性金属元素の極薄膜を形成すると、膜形成時の基板
温度が高い場合には、非磁性元素が結晶粒界に拡散して
粒界に偏析する効果が生ずる。さらに上記金属元素に拡
散しやすい元素を添加した材料を膜形成の過程で用いる
ことにより、このような効果を促進することができる。
しては、基本的には金属元素の持つFCC,HCP,B
CC構造を破壊しないことが望ましい。添加元素として
は、B,C,Si,Mn,Alが有効であるが、B,
C,Siの場合では添加量が数at%以上になると合金
が非晶質化したり、結晶構造が変わったりするため、よ
り多くの量が添加可能なMnあるいはAlが望ましい。
Mnの場合、添加可能な最大量を各非磁性元素ごとに示
すと、Au(10at%),Cr(45at%),Cu
(48at%),Hf(3at%),Ir(35at
%),Pd(28at%),Pt(38at%),Ru
(10at%),Rh(10at%),Re(2at
%),Ti(2at%),V(45at%),Zr(1
3at%)である。Alの場合には、Au(15at
%),Cr(48at%),Cu(20at%),Hf
(30at%),Ir(10at%),Pd(20at
%),Pt(12at%),Ru(4at%),Rh
(3at%),Re(3at%),Ti(20at
%),V(49at%),Zr(21at%)である。
添加元素を加えることによって磁性膜の結晶粒界への非
磁性元素の偏析促進の効果を有効に発揮するための最小
の添加量として、少なくとも0.5at%必要である。
詳細に説明する。 [実施の形態1]直径2.5インチのガラス基板を用い
て、直流マグネトロンスパッタ法によって、図1に示す
断面構造を持つ垂直磁気記録媒体を作製した。基板11
上に、非磁性下地層12を形成した後、垂直磁化膜1
3、非磁性膜14、垂直磁化膜15、保護膜16を形成
した。非磁性下地12用にはTi−10.2at%Cr
ターゲット、垂直磁化膜13用にはCo−16at%C
r−4at%Taターゲット、非磁性膜14用にはAl
ターゲット、垂直磁化膜15用にCo−20at%Cr
−10at%Pt−1.5at%Taターゲット、保護
膜16用にカーボンターゲットを用いた。スパッタのA
rガス圧力を3mTorr、スパッタパワー10W/c
m2、基板温度280℃の条件で、Cr−Ti膜を30
nm、Co−Cr−Ta膜を30nm,非磁性膜を1.
5nm、Co−Cr−Pt−Ta垂直磁化膜を5nm、
カーボン膜を5nmの厚さ形成した。
として、Al−2at%B,Al−1.5at%C,A
l−2.5at%Cr,Al−3.6at%Cu,Al
−3at%Ge,Al−2at%Hf,Al−1.8a
t%Ir,Al−24at%Mg,Al−3at%M
n,Al−4at%Siを用いた以外は前記と同様な垂
直媒体を作製した。
用いた垂直媒体試料の断面構造を透過型電子顕微鏡で観
察した結果、図2に示す構造が実現されていることを確
認した。基板21上に形成したTi−Cr非磁性下地層
22上に[0001]方向を成長方位に持つCo−Cr
−Ta結晶粒23が成長し、この上に同様の結晶直径を
持つAl−Cu層24が形成され、その上に同様に[0
001]方向を成長方位に持つCo−Cr−Pt−Ta
結晶粒が、さらにカーボン保護膜26が形成されてい
た。また、互いに隣接する磁性膜結晶粒間にはCr,A
l,Cuなどの非磁性元素が結晶粒内に比べ多量に析出
していた。
磁気記録媒体を作製した。これらの磁気記録媒体の記録
再生特性を、記録再生分離型の磁気ヘッドを用いて評価
した。記録ヘッドのギャップ長は0.2μm、再生用の
巨大磁気抵抗効果型(GMR)ヘッドのシールド間隔は
0.15μm、測定時のスペーシングは0.02μmと
した。記録密度は低周波の再生出力の半分になる出力半
減記録密度(D50)を測定し、20kFCIの磁気記録
を行なった場合のS/Nを、比較試料のS/Nに対する
相対値で示した。これらの結果を表1に示す。
は、比較例に比べてD50が向上し、しかも媒体S/Nが
向上しており、高密度磁気記録媒体として望ましいこと
がわかった。本実施の形態で作製した直径2.5インチ
の磁気記録媒体を用い、再生素子としてGMRヘッドを
用いた磁気記録再生装置を作製した。面記録密度30G
b/in2の条件でエラーレート10-9が確保でき、超
高密度記録再生装置として動作することを確認した。
面構造を持つ垂直磁気記録媒体を同様の手順で作成し
た。ここで非磁性膜としてAl−Mg合金を用いて、そ
の膜厚と合金組成を変えた試料を作成した。Al−Mg
合金としてAl−8at%Mgを用いて膜厚を0〜10
nmの範囲で変化させた試料を作成し、その記録分解能
(D50)と媒体S/Nを実施の形態1で作成した比較例
と比較した。結果を図3と図4に示す。
金非磁性膜の厚さが増大するにしたがって向上したのち
減少した。膜厚が5nmを超えると比較試料に比べて分
解能が低下する傾向が確認された。一方、図4に示すよ
うに、S/Nは膜厚の増大にしたがって増大した。これ
らの結果から、高い分解能と高いS/Nが得られる膜厚
の範囲は5nm以下であることを確認した。また膜厚が
0.5nm未満になると、試料の分解能及びS/Nは比
較試料との差が殆どなくなり、顕著な改善効果を得るた
めには少なくとも0.5nmの膜厚が必要であることが
分かった。
に保って、Al−Mg合金の組成をMgの添加量0〜5
0at%の範囲で変化させた試料を作成し、同様な条件
で分解能とS/Nを測定した。結果を図5と図6に示
す。図5に示すように、Mgの添加量を増すにつれて分
解能は向上するが、Mgの添加量が25at%を超える
と分解能が比較試料に比べて低くなる傾向が認められ
た。一方、図6に示すように、Mgを添加することでS
/Nは比較試料より改善されることが分かった。また添
加量が0.5at%未満になると、試料の分解能及びS
/Nは比較試料との差が殆どなくなり、顕著な改善効果
を得るためには少なくとも0.5at%の添加量が必要
であることが分かった。
l−20at%Mg非磁性膜を形成した直径2.5イン
チの垂直磁気記録媒体を用い、再生素子としてGMRヘ
ッドを用いて磁気記録再生装置を作製した。面記録密度
45Gb/in2の条件でエラーレート10-9が確保で
き、超高密度記録再生装置として動作することを確認し
た。
ス基板を用いて、直流マグネトロンスパッタ法によっ
て、図7に示す断面構造を持つ垂直磁気記録媒体を作製
した。この媒体は、基板31上に裏打磁性膜、中間層、
多層垂直磁化膜及び保護膜を順次形成した、いわゆる2
層垂直磁気記録媒体である。ここで、裏打磁性膜は膜厚
が5nmのHfからなるシード層32、膜厚10nmの
Fe−45at%Ptからなる強磁性層33、膜厚が3
nmのSiからなる非磁性層34、及び膜厚が150n
mのCo−5at%Nb−3at%Zrからなる軟磁性
膜35から構成した。垂直磁化膜を形成する前に中間層
36として厚さが5nmのSi膜を形成した。
膜38、中部垂直磁化膜39、非磁性膜40、及び上部
垂直磁化膜41から構成した。それぞれの膜を形成する
ためのターゲットとして、Co−17at%Cr−4a
t%Nb,Al−2at%Mn,Co−19at%Cr
−7at%Pt−3at%Ta−1.5at%B,Al
−2at%Mn,Fe−50at%Ptを用いた。膜厚
はそれぞれ、15nm,1nm,5nm,0.8nm,
3nmとした。垂直磁化膜の上にカーボンターゲットを
用いて保護膜42を厚さ5nm形成し、垂直磁気記録媒
体を作成した。各膜は、スパッタのArガス圧力3mT
orr、スパッタパワー20W/cm2、基板温度25
0℃の条件で形成した。
トラック幅が0.4μmの単磁極型の記録ヘッド、再生
用にトラック幅が0.35μm、シールド間隔が0.1
2μmのGMRヘッドを用いて、ヘッドと媒体のスペー
シングを15nmとして記録再生実験を行った結果、記
録分解能(D50)として380kFCI,300kFC
Iの信号を記録したときの媒体S/Nとして32dBの
値が得られた。信号の再生波形をEEPR4系の信号処
理回路を通してエラーレートを評価したところ、面記録
密度60Gb/in2の条件でエラーレート10-8が確
保でき、超高密度記録再生装置として動作することを確
認した。
垂直磁気記録媒体とトンネル型磁気抵抗効果(TMR)
を用いた高感度再生素子を持つ録再分離ヘッドを用いて
図8に示す磁気記憶装置を作製した。この磁気記憶装置
は、図8(a)に概略平面図を、図8(b)にそのA
A′断面図を示すように、磁気記録媒体駆動部52によ
り回転駆動される磁気記録媒体51、磁気ヘッド駆動部
54により駆動されて磁気記録媒体51に対して記録及
び再生を行う磁気ヘッド53、磁気ヘッド53の記録信
号及び再生信号を処理する信号処理部55を備える周知
の構成の装置である。
生用のTMRヘッド素子のトラック幅を0.26μm、
磁気ヘッド53と磁気記録媒体51のスペーシングを1
05nmとした。信号処理方式としてEEPR4方式を
採用し、75Gb/in2の面記録密度の条件で装置を
動作させたところ、10-8以下の誤り率が得られた。
ス基板を用いて、直流マグネトロンスパッタ法によっ
て、図9に示す断面構造を持つ垂直磁気記録媒体を作製
した。基板61上に、非磁性下地層62を形成した後、
垂直磁化膜63、非磁性膜64、垂直磁化膜65、保護
膜66を形成した。非磁性下地62用にはTi−10a
t%Crターゲット、垂直磁化膜63用にはCo−17
at%Cr−3.2at%Taターゲット、非磁性膜6
4用にはAuターゲット、垂直磁化膜65用にCo−1
9at%Cr−8at%Pt−2at%Taターゲッ
ト、保護膜66用にカーボンターゲットを用いた。スパ
ッタのArガス圧力を2.8mTorr、スパッタパワ
ー12W/cm2、基板温度275℃の条件でCr−T
i膜を30nm、Co−Cr−Ta膜を25nm,非磁
性膜を0.5nm、Co−Cr−Pt−Ta垂直磁化膜
を5nm、カーボン膜を5nmの厚さ形成した。
として、Cr,Cu,Hf,Ir,Pd,Pt,Ru,
Rh,Re,Ti,V,Zrを用いた以外は前記と同様
な構造の垂直媒体を作製した。また、比較試料として、
非磁性膜を設けない垂直磁気記録媒体を作製した。
記録再生分離型の磁気ヘッドを用いて評価した。記録用
の薄膜ヘッドのギャップ長は0.22μm、再生用の巨
大磁気抵抗効果型(GMR)ヘッドのシールド間隔は
0.16μm、測定時のスペーシングは0.02μmと
した。記録密度は低周波の再生出力の半分になる出力半
減記録密度(D50)を測定し、200kFCIの磁気記
録を行なった場合のS/Nを、比較試料のS/Nに対す
る相対値で示した。これらの結果を表2に示す。
録媒体は、比較例に比べてD50が向上し、しかも媒体S
/Nが向上しており、高密度磁気記録媒体として望まし
いことがわかった。本実施の形態で作製した直径2.5
インチの磁気記録媒体を用い、再生素子としてGMRヘ
ッドを用いて磁気記録再生装置を作製したところ、面記
録密度30Gb/in2の条件でエラーレート10-9が
確保でき、超高密度記録再生装置として動作することを
確認した。
面構造を持つ垂直磁気記録媒体を、同様の手順で作成し
た。ここで非磁性膜としてCu−Mn合金を用いて、そ
の膜厚と合金組成を変えた試料を作成した。Cu−Mn
合金としてCu−10at%Mnを用いて膜厚を0〜1
0nmの範囲で変化させた試料を作成し、その記録分解
能(D50)と媒体S/Nを実施の形態5で作成した比較
例と比較した。結果を図10と図11に示す。
合金非磁性膜の厚さが増大するにしたがって向上したの
ち減少した。膜厚が5nmを超えると比較試料に比べて
分解能が低下する傾向が確認された。一方、図11に示
すように、S/Nは膜厚の増大にしたがって増大した。
これらの結果から、高い分解能と高いS/Nが得られる
膜厚の範囲は5nm未満であり、さらに望ましい範囲は
0.5nm以上3nm以下であることを確認した。Cu
−Mn合金非磁性膜の膜厚が0.3nm未満になると分
解能及びS/Nは比較試料との差が殆どなくなり、顕著
な改善効果を得るためには少なくとも0.3nmの膜厚
が必要であることが分かった。
に保って、Cu−Mn合金の組成をMnの添加量0〜6
0at%の範囲で変化させた試料を作成し、同様な条件
で分解能とS/Nを測定した。結果を図12と図13に
示す。図12に示すように、Mnを添加すると分解能は
向上するが、Mnの添加量が50at%を超えると分解
能が比較試料に比べて低くなる傾向が認められた。ま
た、Mn添加の効果は、添加量を0.5at%以上とす
るとき顕著になることが分かった。また図13に示すよ
うに、Mnを添加することでS/Nは比較試料より向上
することが分かった。
u−12at%Mn非磁性膜を形成した直径2.5イン
チの垂直磁気記録媒体を用い、再生素子としてGMRヘ
ッドを用いて磁気記録再生装置を作製した。面記録密度
30Gb/in2の条件でエラーレート10-8が確保で
き、超高密度記録再生装置として動作することを確認し
た。
ス基板を用いて、直流マグネトロンスパッタ法によっ
て、図14に示す断面構造を持つ垂直磁気記録媒体を作
製した。この媒体は、基板71上に裏打磁性膜、中間
層、多層垂直磁化膜、及び保護膜を順次形成した、いわ
ゆる2層垂直磁気記録媒体である。ここで裏打磁性膜は
膜厚が5nmのCrからなるシード層72、膜厚8nm
のFe−45at%Ptからなる強磁性層73、膜厚が
3nmのSiからなる非磁性層74、及び膜厚が200
nmのCo−5at%Nb−4at%Zrからなる軟磁
性膜75から構成した。垂直磁化膜を形成する前に中間
層76として厚さが3nmのSi−15at%Ge膜を
形成した。
膜78、中部垂直磁化膜79、非磁性膜80、及び上部
垂直磁化膜81から構成した。下部垂直磁化膜、中部垂
直磁化膜及び上部垂直磁化膜を形成するためのターゲッ
トとしてそれぞれ、Co−17at%Cr−4at%T
a,Co−19at%Cr−8at%Pt−3at%T
a−2at%B,Co−17at%Cr−12at%P
tを用いた。それぞれの垂直磁化膜の膜厚は15nm,
5nm,3nmとした。
%Mn,Cr−35at%Mn,Cu−43at%M
n,Hf−2at%Mn,Ir−18at%Mn,Pd
−27at%Mn,Pt−28at%Mn,Ru−9a
t%Mn,Rh−7at%Mn,Re−1.5at%M
n,Ti−2at%Mn,V−45at%Mn,Zr−
12at%Mn,Au−12at%Al,Cr−25a
t%Al,Cu−17at%Al,Hf−22at%A
l,Ir−10at%Al,Pd−17at%Al,P
t−11at%Al,Ru−3at%Al,Rh−2a
t%Al,Re−1.5at%Al,Ti−18at%
Al,V−46at%Al,Zr−16at%Al,C
r−10at%Mn−5at%Al,Cu−25at%
Mn−8at%Al,Pt−20at%Mn−5at%
Al,Ti−1at%Mn−5at%Al,Cr−1a
t%B,Cu−0.8at%C,Cu−1.4at%S
i−1at%Bを各々用いて膜を形成した。これら非磁
性膜の厚さは0.8nmとした。
て厚さ5nm形成し、垂直磁気記録媒体を作成した。各
膜は、スパッタのArガス圧力を3mTorr、スパッ
タパワー20W/cm2、基板温度250℃の条件で形
成した。また、比較試料として非磁性膜78,80を設
けない以外は同様の構造を持つ垂直磁気記録媒体を作成
した。これらの垂直磁気記録媒体の分解能と媒体S/N
を、実施の形態5と同様の条件で測定した。結果を表3
に示す。
用にトラック幅が0.4μmの単磁極型の薄膜記録ヘッ
ド、再生用にトラック幅が0.35μm、シールド間隔
が0.12μmのGMRヘッドを用いて、ヘッドと媒体
のスペーシングを15nmとして記録再生実験を行っ
た。信号の再生波形をEEPR4系の信号処理回路を通
してエラーレート評価を行ったところ、本発明による垂
直磁気記録媒体はいずれも面記録密度50Gb/in2
の条件で10-8以下のエラーレート値が得られた。
垂直磁気記録媒体とトンネル型磁気抵抗効果(TMR)
を用いた高感度再生素子を持つ録再分離ヘッドを用いて
図8に示す磁気記録再生装置を作製した。記録ヘッドの
トラック幅0.3μm,再生用のTMRヘッド素子のト
ラック幅0.26μm、ヘッドと媒体のスペーシング1
0nmとした。信号処理としてEEPR4方式を採用
し、75Gb/in2の面記録密度の条件で装置を動作
させたところ、10-8以下の誤り率が得られた。
イズを低減することができ、この結果高いS/N比が得
られるので、磁気ディスク装置の高密度化が可能とな
る、特に30Gb/in2以上の高密度磁気記録が可能
となり、装置の小型化や大容量化が容易になる。
図。
図。
価結果を示す図。
価結果を示す図。
価結果を示す図。
価結果を示す図。
図。
図。
評価結果を示す図。
評価結果を示す図。
評価結果を示す図。
評価結果を示す図。
面図。
14…非磁性膜、15…垂直磁化膜、16…保護膜、2
1…基板、22…非磁性下地層、23…垂直磁化膜、2
4…非磁性膜、25…垂直磁化膜、26…保護膜、31
…基板、32…シード層、33…強磁性膜、34…非磁
性層、35…軟磁性膜、36…中間層、37…下部垂直
磁化膜、38…非磁性膜、39…中部垂直磁化膜、40
…非磁性膜、41…上部垂直磁化膜、42…保護膜、5
1…磁気記録媒体、52…磁気記録媒体駆動部、53…
磁気ヘッド、54…磁気ヘッド駆動部、55…信号処理
部 61…基板、62…非磁性下地層、63…垂直磁化膜、
64…非磁性膜、65…垂直磁化膜、66…保護膜、7
1…基板、72…シード層、73…強磁性膜、74…非
磁性層、75…軟磁性膜、76…中間層、77…下部垂
直磁化膜、78…非磁性膜、79…中部垂直磁化膜、8
0…非磁性膜、81…上部垂直磁化膜、82…保護膜
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性基板上に非磁性下地層もしくは裏
打磁性膜層を介して垂直磁化膜が設けられた垂直磁気記
録媒体において、前記垂直磁化膜が少なくとも1層のA
l合金膜で複数の層に分離されており、前記Al合金が
Al−B,Al−C,Al−Cu,Al−Cr,Al−
Ge,Al−Hf,Al−Ir,Al−Si,Al−M
n,Al−Mgのいずれかからなり、Alに対する合金
元素の添加量が0.5at%以上25at%未満である
ことを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体において、
前記垂直磁化膜がCo基合金であることを特徴とする垂
直磁気記録媒体。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁気記録媒体にお
いて、Al合金膜の1層の厚さが0.5nm以上5nm
未満であり、前記Al合金膜を除く前記垂直磁化膜の全
厚さが10nm以上40nm未満であることを特徴とす
る垂直磁気記録媒体。 - 【請求項4】 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆
動する磁気記録媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に対し
て記録及び再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを
駆動する磁気ヘッド駆動部と、前記磁気ヘッドの記録信
号及び再生信号を処理する記録再生信号処理系とを備え
る磁気記憶装置において、前記磁気記録媒体として請求
項1〜3のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体を用
い、前記磁気ヘッドは薄膜型の記録用ヘッドと巨大磁気
抵抗効果もしくは磁気トンネル効果を用いた再生用素子
を備え、面記録密度30Gb/in2以上で磁気記録再
生を行なうことを特徴とする磁気記憶装置。
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