JP3011918B2 - 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置

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JP3011918B2
JP3011918B2 JP10093334A JP9333498A JP3011918B2 JP 3011918 B2 JP3011918 B2 JP 3011918B2 JP 10093334 A JP10093334 A JP 10093334A JP 9333498 A JP9333498 A JP 9333498A JP 3011918 B2 JP3011918 B2 JP 3011918B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度磁気記録に
適する垂直磁化膜を有する垂直磁気記録媒体及びこれを
用いた磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている磁気ディスク装置
は、面内磁気記録方式を採用している。面内磁気記録方
式においては、ディスク基板面と平行な方向に磁化し易
い面内磁気記録媒体に基板と平行な面内磁区を高密度に
形成することが技術課題となっている。この面内磁気記
録媒体の記録密度を伸ばす方式として、面内方向に磁化
容易軸を持つ記録媒体表面に、極薄の軟磁性膜を形成し
たキーパードメディアを用いる方法が提案されている。
この技術は例えば、41st Annual Conference onMagneti
sm & Magnetic Materials (November 12-15, 1996)で発
行されたアブストラクト集の116ページ(論文番号D
Q−13)及び133ページ(論文番号EB−12)な
どに掲載されている。このような媒体構造を採用するこ
とにより、自己記録再生方式の薄膜ヘッドを用いて、磁
気記録の面記録密度を1Gb/in2以上に向上できる
ことが述べられているが、面内記録方式の場合は、この
ような技術を用いても本質的に互いに隣接する記録ビッ
トの磁化が互いに向き合っているため、境界に幅をもっ
た磁化遷移領域が形成され、10Gb/in2以上の面
記録密度を実現するためには技術的な困難が予想され
る。
【0003】一方、垂直磁気記録方式は薄膜媒体の膜面
に垂直に磁化を形成する方式であり、記録原理や媒体ノ
イズの発現機構が従来の面内磁気記録媒体の場合とは異
なるが、隣接する磁化が互いに向き合わないため、本質
的に高密度磁気記録に適した方式として注目され、垂直
磁気記録に適した媒体の構造などが提案されている。C
o合金材料からなる垂直磁化膜の垂直配向性を改善する
ために、垂直磁化膜と基板との間に非磁性材料下地を設
ける方法が検討されている。例えば、特開昭58−77
025号公報、特開昭58−141435号公報にはC
o−Cr磁性膜の下地層としてTi膜を形成する方法
が、特開昭60−214417号公報には下地層として
Ge,Si材料を用いる方法が、特開昭60−0644
13号公報にはCoO,NiO等の酸化物下地層材料が
開示されている。また、単磁極型の記録ヘッドと組み合
わせて用いられる垂直磁気記録媒体として、基板と垂直
磁化膜の間にパーマロイなどの軟磁性膜層を設けた媒体
が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】10Gb/in2以上
の高密度磁気記録が可能な垂直磁気記録媒体には、線記
録密度分解能が大きいことに加えて媒体ノイズが小さい
ことが必要とされる。今までの報告例によると、例えば
第5回垂直磁気記録シンポジウム会議資料集(1996
年10月23−25日)95〜100頁の「単層垂直磁
気ディスク媒体の高S/N化」と題する論文に記載され
ているように、垂直磁化膜の厚さを小さくする、垂直磁
化膜と基板の間に非磁性のCoCr下地を導入する、あ
るいはCo合金磁性膜の添加元素としてTa等の非磁性
元素を添加する、磁性結晶粒径を小さくすることが有効
であることが知られている。このような対策を施すこと
で媒体ノイズをかなりの程度低減できるが、更にノイズ
を低減できれば磁気記録装置の記録密度をより容易に伸
ばすことが可能となる。
【0005】本発明は、垂直磁気記録方式のこのような
現状に鑑みてなされたもので、10Gb/in2以上の
高記録密度を実現するための低ノイズ特性をもつ垂直磁
気記録媒体、及びその媒体を用いた高密度磁気記憶装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】垂直磁気記録媒体の記録
磁化状態を磁気力顕微鏡や走査型スピン電子検出型顕微
鏡によって調べた結果、大部分のノイズは媒体面に存在
する逆磁区や磁化のミクロ的な揺らぎが原因であること
が判明した。ミクロな磁化の揺らぎとは、媒体表面の磁
化の強さが0.2〜10μm程度のミクロンレベルの距
離で場所によって変動していることを指す。媒体ノイズ
を減らすためには、逆磁区を減らすとともに、媒体の表
面に存在するミクロな磁化の揺らぎを減らさなければな
らない。
【0007】本発明者らの実験の結果、以下の方法によ
って前記目的を達成できることが明かになった。垂直磁
化膜を一方向に垂直磁化すると媒体表面には強い反磁界
が作用する。この反磁界の作用で、垂直磁化した方向と
は逆の向きを持つ、いわゆる逆磁区が形成される。この
逆磁区の形成を妨げるためには、磁気異方性エネルギー
の大きい垂直磁化膜を採用する必要がある。磁気異方性
エネルギーとして、2.5×106erg/cc以上あ
ることが望ましい。実用的な媒体として扱いやすいCo
合金材料を用いた垂直磁化膜の磁気異方性エネルギーの
最大値は、5×106erg/ccである。この値以上
の磁気異方性エネルギーを持つCo合金系規則格子材料
も存在するが、規則相を得るには500℃以上のプロセ
ス温度が必要となるため、基板材料の選択範囲が狭まっ
たり、あるいは磁性膜を構成する結晶粒が粗大化してノ
イズを低減するのが困難になる等の問題が生ずる。Co
合金以外のPt/Co,Pd/Coなどの多層膜からな
る垂直磁化膜、あるいはTbFeCoなどの希土類元素
を含む非晶質構造を持つ垂直磁化膜は、磁気異方性エネ
ルギーがいずれも2.5×106erg/cc以上であ
るため、本課題を達成する材料系としては望ましいが、
そのままでは面内方向の磁気的相互作用が大きく、媒体
ノイズが大きくなってしまうため媒体ノイズを減らす特
別な工夫が必要となる。
【0008】磁気記録の面密度を10Gb/in2以上
とするためには、線記録密度として300kFCI以上
が必要となる。この線記録密度に対応するビット長は8
3nmである。記録を担う磁気記録媒体の厚さとして
は、リングヘッドの記録能力を考慮すると最短のビット
長より小さいことが望ましく、垂直磁化膜の膜厚を70
nm以下に設定する必要がある。膜厚が5nm以下にな
ると、熱揺らぎのために記録磁化が不安定になるため、
垂直磁化膜の適当な膜厚範囲は5nm以上70nm以下
である。
【0009】ノイズの原因となる逆磁区の大きさは、垂
直磁気記録媒体を構成する多結晶膜の粒径と結晶粒間の
磁気的相互作用の強さに依存する。逆磁区の大きさを3
00kFCIのビット長以下とするためには、結晶粒径
の平均を15nm以下とすることが必要であることが判
明した。しかし、結晶粒径が小さくなりすぎると記録媒
体の保磁力が減少して記録媒体として適さなくなるた
め、粒径は5nm以上であることが望まれる。なお、本
明細書で結晶粒径の平均とは、磁気記録媒体の表面で観
察した結晶粒が占有する面積と等しい円の直径の平均値
をいう。
【0010】磁気異方性エネルギーの高い垂直磁化膜を
用いることにより、逆磁区の発生を抑えることができる
ので、逆磁区に起因する媒体ノイズの発生を防ぐことが
できるが、媒体ノイズの他の原因として、媒体表面に存
在する磁化のミクロレベルでの揺らぎがある。この揺ら
ぎには、磁性膜の面内方向の磁気的相互作用が大きい場
合、長周期の磁化の揺らぎが生ずる。また、垂直磁化膜
表面に磁気的な不均質性が存在すると、短周期の磁化揺
らぎが生じ、いずれも媒体ノイズの原因となることが判
明した。このような長周期、短周期の磁化揺らぎを抑制
するためには、垂直磁化膜を2層構造とし、上層側に磁
気異方性エネルギー(Ku)の高い垂直磁化膜を下層側
に磁気異方性エネルギーが小さくてしかも結晶粒間の磁
気的分離が促進されている垂直磁化膜を採用すればよい
ことが分かった。上層側の垂直磁化膜は、2.5×10
6erg/cc<Ku<5×106erg/ccとし、下
層側の垂直磁化膜は、1×106erg/cc<Ku<
2.5×106erg/ccとするのが有効である。
【0011】ここで、下層側の垂直磁化膜はミクロレベ
ルの磁化の揺らぎピッチを記録に用いるビット長よりも
微細化する役目を果たし、上層側の垂直磁化膜は前述の
ように逆磁区の形成を抑制する。両者の膜厚の比は下層
側が厚いほうが膜全体から発生するノイズを抑えるため
には望ましく、下層の厚さは上層の2倍以上とするのが
好ましい。下層の厚さを上層の厚さの2倍未満にする
と、ミクロレベルの磁化揺らぎのピッチを記録に用いる
ビット長以下にする役目を十分果たさなくなるのであま
り望ましくない。
【0012】下層垂直磁化膜としては、結晶粒径の平均
が5nm以上15nm以下であること、結晶粒間の磁気
的結合を低減するために結晶粒界に25at%以上の非
磁性元素が析出するかもしくは空隙が形成されているこ
とが望ましい。Co合金に含まれる非磁性添加元素の総
量を25at%以上にすると、その材料の飽和磁化が極
端に低下し、添加元素の種類によっては非磁性化する。
このような弱磁性もしくは非磁性層が存在すると、磁性
結晶粒間の磁気的結合力を下げ、この結果、媒体ノイズ
が低下する望ましい効果が生ずる。また、磁気記録膜が
強い垂直磁気異方性を持つためには、上層と下層の垂直
磁化膜の結晶格子が連続であること、すなわち成長整合
性が保たれていることが必要である。
【0013】また、媒体ノイズを下げるためには磁性結
晶粒間の磁気的結合力を下げることに加えて、垂直磁化
膜の膜厚方向の結晶粒を磁気的に分離もしくは結合力を
下げることも有効である。このためには、上下2層の垂
直磁化膜の間に非磁性もしくは飽和磁化が50emu/
cc以下の弱磁性の中間層を導入することも有効であ
る。中間層の厚さは0.1nmから5nmの範囲が適当
である。中間層の厚さが0.1nm未満の場合、中間層
導入による十分な効果が得られず、逆に5nmを超える
と媒体全体の保磁力が低下したりするため望ましくな
い。中間層に用いる材料は、Pt,Pd,Ir,Re,
Ruなどの単体金属及びこれらの元素を主成分とする合
金、あるいはCoに25at%以上の前記元素あるいは
非磁性元素を添加した材料などが適当である。
【0014】また、垂直磁化膜の表面に形成される逆磁
区は、熱活性過程で時間の経過とともに反磁界の影響で
増大することがある。このような時間経過に伴って発生
する逆磁区の形成を抑えるためには、垂直磁化膜の表面
に厚さが0.1nmから5nm程度の薄い金属膜を形成
するのが有効であることが、本発明者らの実験の結果明
らかになった。金属膜としては、Pt,Pd,Ir,R
e,Ruもしくはこれらの元素を主成分とする合金、あ
るいはCoもしくはCo合金と前述の元素もしくはそれ
らの元素を主成分とする合金の積層膜、あるいは稀土類
元素を含む非晶質磁性材料膜、もしくはパーマロイ、F
e−Si,Fe−Si−Al,Co−Nb−Zrなどの
軟磁性膜、あるいはCo,Ni,Fe,Co−Ni,C
o−Ni−Crなどの面内磁化し易い磁性膜を用いるこ
とが可能である。垂直磁化膜表面にC,B,N,Pなど
の軽元素を拡散もしくは打ち込みすることにより、垂直
磁化膜をその膜厚方向に見て表面側の一部を軟磁性膜化
もしくは面内磁化膜化しても良い。
【0015】以上をまとめると、本発明は次の通りであ
る。本発明は、非磁性基板上に下地層を介して形成した
垂直磁化膜を備える垂直磁気記録媒体において、下地層
は、六方稠密構造もしくは非晶質構造を持つ材料からな
り基板と接する第1下地層と、六方稠密構造を持ち優先
成長方位が[0001]であってその上に形成される垂
直磁化膜と整合成長し得る材料からなる第2下地層とか
らなり、垂直磁化膜は第2下地層に接する下層垂直磁化
膜と上層垂直磁化膜とを含み、下層及び上層の垂直磁化
膜はCo合金多結晶膜であって、上層垂直磁化膜は下層
垂直磁化膜より非磁性元素の総添加元素濃度が低く、か
つ飽和磁化(Ms)及び磁気異方性エネルギー(Ku)
が大きく、第2下地層から上層垂直磁化膜まで連続的に
整合成長が実現されており、垂直磁化膜の総厚が5nm
以上70nm以下であり、上層垂直磁化膜の表面側で測
定した結晶粒の平均粒径が5nm以上15nm以下であ
ることを特徴とする。
【0016】下層垂直磁化膜と上層垂直磁化膜の間に六
方稠密構造を持つ非磁性もしくはMs<50emu/c
cの中間層を設け、第2下地層から上層垂直磁化膜まで
連続的に整合成長させてもよい。上層垂直磁化膜の上に
厚さ0.1nmから5nmの金属膜を形成してもよい。
この金属膜は、Pt,Pd,Ir,Re,Ruもしくは
これらの元素を主成分とする合金、あるいはCoもしく
はCo合金とPt,Pd,Ir,Re,Ruもしくはそ
れらの元素を主成分とする合金との積層膜、あるいは稀
土類元素を含む非晶質磁性材料膜とすることができる。
【0017】下層垂直磁化膜は、その結晶粒界に25a
t%以上の非磁性元素の偏析層を持つ多結晶膜であるこ
とが好ましい。下層垂直磁化膜の磁気異方性エネルギー
Kuが1×106erg/cc以上、2.5×106er
g/cc以下、上層垂直磁化膜の磁気異方性エネルギー
が2.5×106erg/cc以上、5×106erg/
cc以下であることが好ましい。第2下地層と下層垂直
磁化膜の格子定数の差は5%以下であることが好まし
い。下層垂直磁化膜の厚さは上層垂直磁化膜の厚さの2
倍以上であることが好ましい。
【0018】また、本発明は、磁気記録媒体と、磁気記
録媒体を駆動する磁気記録媒体駆動手段と、記録部と再
生部とを備える磁気ヘッドと、磁気ヘッドを駆動する磁
気ヘッド駆動手段と、磁気ヘッドの記録再生信号処理手
段とを含む磁気記憶装置において、磁気記録媒体として
前記した本発明による垂直磁気記録媒体を用い、磁気ヘ
ッドの再生部として磁気抵抗効果素子もしくは巨大磁気
抵抗効果素子を用い、面記録密度10Gb/in2以上
で磁気記録再生を行なうことを特徴とする。
【0019】さらに、本発明は、磁気記録媒体と、磁気
記録媒体を駆動する磁気記録媒体駆動手段と、記録部と
再生部とを備える磁気ヘッドと、磁気ヘッドを駆動する
磁気ヘッド駆動手段と、磁気ヘッドの記録再生信号処理
手段とを含む磁気記憶装置において、磁気記録媒体とし
て前記した本発明による垂直磁気記録媒体を用い、磁気
ヘッドの再生部として磁気トンネル効果を用いた素子を
用い、面記録密度30Gb/in2以上で磁気記録再生
を行なうことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明による垂直磁気記
録媒体の第1の実施の形態を示す断面模式図である。こ
の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板11上に磁性膜の垂
直配向性向上や結晶粒径制御を目的とした下地層12,
13を介して垂直磁化膜が形成される。基板側に形成さ
れる第1下地層12は、六方稠密構造をもつ第2下地層
13の成長方位が[0001]方位となるよう膜の核生
成過程を制御する役割を果たす。この目的に適当な材料
は、Ti,Ruあるいはこれらの元素を主成分としてC
r,V,Mo,Wなどの添加元素を含む六方稠密構造を
持つ材料、Si,Geあるいはこれらの元素を主成分と
する非晶質材料が適当である。
【0021】第2下地層13は、六方稠密構造を持つ非
磁性もしくは飽和磁化MsがMs<50emu/cc以
下の弱磁性の材料であり、例えばCoに25at%以上
のCr,V,Mo,W,Nb,Re,Ti,Y等の非磁
性元素を添加した材料が用いられる。この材料の磁化強
度が50emu/cc以上となると記録再生時の分解能
を下げたり、ノイズが上昇したりするため望ましくな
い。この第2下地層はその上に形成される垂直磁化膜1
4と成長整合することになり、良好な整合成長を実現す
るためには、両者の格子定数の差を5%以下とする必要
がある。格子定数の差が5%以上になると、ミスフィッ
ト転位が導入されたり、磁性膜に歪が入り、磁気異方性
を低下させることになり、望ましくない。
【0022】磁性膜としては、合金元素としてCr,T
a,Pt,Pd,Si,V,Nb,W,Mo,Hf,R
e,Zr,B,P,Ruなどから選ばれたすくなくとも
1種の元素を含むCo合金が用いられる。この例では、
組成の異なる垂直磁化膜を上下に2層積層する。下層垂
直磁化膜14は、上層垂直磁性膜15に比べてCoに添
加する非磁性元素の総量を多くすることにより、磁気異
方性エネルギーKuを小さく調整すると同時に結晶粒界
により多くの非磁性元素の析出を行なわせるものであ
る。上層垂直磁化膜15は下層垂直磁化膜14と成長整
合性を保って形成され、結晶的には第2下地層13から
上層垂直磁化膜15表面まで連続した結晶成長が実現さ
れることになる。
【0023】この磁性膜は多結晶膜であり、高い線記録
密度特性と低いノイズ特性をもたせるために、結晶粒径
平均は15nm以下で、しかも特に下層垂直磁化膜14
の結晶粒界面には非磁性元素が優先的に偏析した構造が
用いられる。この垂直磁化膜は膜面方向では、結晶粒界
に偏析層が存在するために、磁気結合力は小さい。媒体
ノイズを低減するために、既に述べたように、この垂直
磁化膜の上に磁気異方性エネルギーKuが相対的に大き
い上層垂直磁化膜15を形成する。上層垂直磁化膜15
の表面には保護膜16が形成される。
【0024】図2から図4は、本発明による垂直磁気記
録媒体の他の実施の形態を示す断面模式図である。図2
に断面構造を示した第2の実施の形態の垂直磁気記録媒
体は、非磁性基板21上に第1下地層22、第2下地層
23からなる2層の下地層を形成し、その上に磁性膜を
形成したものである。磁性膜は、下層垂直磁化膜24と
上層垂直磁化膜26からなる2層の積層した垂直磁化膜
の間に六方稠密構造を持つ非磁性もしくは飽和磁化Ms
がMs<50emu/ccの弱磁性を持つ中間層25を
設けたものであり、媒体のノイズ低減を促進する効果が
ある。
【0025】中間層25は、上下の垂直磁化膜24,2
6と結晶的には整合成長している。中間層の厚さは0.
5nm以上5nm以下が望ましく、さらに望ましい厚さ
の範囲は1nm以上3nm以下である。このような構造
を採用することにより、垂直磁化膜の結晶粒径や配向の
高度制御が可能になり、更なる低ノイズ特性を実現する
ことができる。上層垂直磁化膜26の表面には保護膜2
7を形成する。第1下地層22、第2下地層23、下層
垂直磁化膜24、上層垂直磁化膜26などの材料には、
図1に示した第1の実施の形態の媒体構造と対応する部
分の材料と同じ材料を用いることができる。
【0026】図3に示した本発明の第3の実施の形態の
媒体構造は、第1図に示した第1の実施の形態の垂直磁
気記録媒体の磁性膜の上に金属膜36を設けたものに相
当する。すなわち、この媒体構造は、非磁性基板31上
に第1下地層31、第2下地層33からなる2層の下地
層を設け、その上に下層垂直磁化膜34、上層垂直磁化
膜35からなる2層構造の垂直磁化膜を用いる。上層垂
直磁化膜35の上に金属膜36を形成し、その上に保護
膜37を形成する。下地層や垂直磁化膜の材料には、第
1の実施の形態で述べた材料を用いることができる。金
属膜36としては、Pt,Pd,Ir,Re,Ruもし
くはこれらの元素を主成分とする合金、あるいはCoも
しくはCo合金と前述の元素もしくはそれらの元素を主
成分とする合金の積層膜、あるいは稀土類元素を含む非
晶質磁性材料膜を用いる。
【0027】図4に示した本発明の第4の実施の形態の
媒体構造は、図2に示した第2の実施の形態の垂直磁気
記録媒体の磁性膜の上に金属膜47を設けたものに相当
する。図4の非磁性基板41、第1下地層42、第2下
地層43、下層垂直磁化膜44、中間層45、上層垂直
磁化膜46、保護膜48は、図2の非磁性基板21、第
1下地層22、第2下地層23、下層垂直磁化膜24、
中間層25、上層垂直磁化膜26、保護膜27にそれぞ
れ対応する。金属膜48としては、Pt,Pd,Ir,
Re,Ruもしくはこれらの元素を主成分とする合金、
あるいはCoもしくはCo合金と前述の元素もしくはそ
れらの元素を主成分とする合金の積層膜、あるいは稀土
類元素を含む非晶質磁性材料膜を用いる。
【0028】図1から図4に示す媒体構造を採用するこ
とにより、垂直磁化膜の表面に存在する長周期、短周期
の磁気揺らぎが減少し、かつミクロな磁化揺らぎのピッ
チが記録ビット長より短くなり、媒体ノイズが低減す
る。以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0029】[実施例1]直径2.5インチのガラス基
板を用いて、直流マグネトロンスパッタ法によって、図
1に示す断面構造を持つ磁気記録媒体を作製した。基板
11上に、下地層12,13、垂直磁化膜14,15、
保護膜16をこの順序で形成した。第1下地用にはTi
−10.2at%Crターゲット、第2下地用にはCo
−34at%Crターゲット、下層垂直磁化膜用にCo
−17at%Cr−5at%Taターゲット、上層垂直
磁化膜用にCo−10at%Cr−10at%Ptター
ゲット、保護膜用にカーボンターゲットを用いた。スパ
ッタのArガス圧力を3mTorr、スパッターパワー
を10W/cm2、基板温度を250℃とした条件でC
rTi膜を30nm、Co−Cr膜を30nm、下層垂
直磁化膜を30nm、上層垂直磁化膜を2nm、カーボ
ン膜を10nmの厚さ形成した。同様な条件で、上層垂
直磁化膜の厚さを5nm,10nm,15nm,20n
m,30nm,40nmとした以外は前記と同様な垂直
媒体を作製した。
【0030】比較試料として、上層垂直磁化膜を設けな
い垂直磁気記録媒体及び上層垂直膜の膜厚を50nmと
した垂直磁気記録媒体を作製した。上層及び下層垂直磁
化膜の磁気特性を測定した結果、下層垂直磁化膜:Ms
=385emu/cc,Ku=1.8×106erg/
cc、上層垂直磁化膜:Ms=675emu/cc,K
u=4.1×106erg/ccであった。第2下地層
13の飽和磁化は、Ms=12emu/ccであった。
これらの垂直磁化膜の結晶粒径は、8〜14nmであ
り、結晶粒間には26〜28at%のCrが平均厚さ1
nmの幅で偏析していることを電子顕微鏡を用いた分析
で確認した。また、第2下地層13と下層垂直磁化膜1
4の格子定数の差は3.2%であった。
【0031】これらの磁気記録媒体の記録再生特性を、
記録再生分離型の磁気ヘッドを用いて評価した。記録ヘ
ッドのギャップ長は0.2mm、再生用の磁気抵抗効果
型(MR)ヘッドのシールド間隔は0.2mm、測定時
のスペーシングは0.06mmとした。記録密度は低周
波の再生出力の半分になる出力半減記録密度(D50)を
測定して評価し、20kFCIの磁気記録を行なった場
合のS/Nは、上層垂直磁化膜のない比較試料のS/N
に対する相対値で評価した。これらの結果を表1に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】本実施例の磁気記録媒体は、比較例に比べ
て出力半減記録密度D50が大幅に向上し、しかも媒体S
/Nが向上しており、高密度磁気記録媒体として望まし
いことがわかった。本実施例で作製した磁気記録媒体を
用いて、再生素子としてMRヘッドを用いた2.5イン
チの磁気記録再生装置を作製した。面記録密度10Gb
/in2の条件でエラーレート10-9が確保でき、超高
密度記録再生装置として動作することを確認した。
【0034】[実施例2]直径2.5インチのシリコン
基板を用いて、直流マグネトロンスパッタ法によって、
図2に示す断面構造を持つ垂直磁気記録媒体を作製し
た。基板21上に、第1下地層22、第2下地層23、
下層垂直磁化膜24、中間層25、上層垂直磁化膜2
6、保護膜27をこの順序で形成した。第1下地用には
Geターゲット、第2下地用にはCo−35at%Ru
ターゲット、下層垂直磁化膜用にはCo−15at%C
r−6at%Pt−3at%Yターゲット、中間層用に
はCo−45at%Ruターゲット、上層垂直磁化膜用
にはCo−14at%Cr−8at%Ptターゲット、
保護膜用にはカーボンターゲットを用いた。
【0035】Co−35at%Ruの飽和磁化は15e
mu/cc以下であり、弱磁性膜が得られる。スパッタ
のArガス圧力を3mTorr、スパッターパワーを1
0W/cm2、基板温度を280℃とした条件でGe膜
を30nm、Co−Ru膜を15nm、下層垂直磁化膜
を30nm、中間層を0.1nm、上層垂直磁化膜のC
o−Cr−Pt膜を2nm、カーボン膜を10nmの厚
さ形成し、図2に断面構造を示す垂直磁気記録媒体を形
成した。さらに、中間層25の膜厚を1nm,2nm,
3nm,5nmとした以外は同様の垂直媒体を作製し
た。
【0036】また、比較試料として、上層垂直磁化膜形
成に用いたCo−Cr−Pt膜35nmからなる単層垂
直磁気記録媒体を作製した。比較試料の下地と保護膜の
形成条件は上記実施例と同様とした。上層及び下層垂直
磁化膜の磁気特性を測定した結果、下層垂直磁化膜:M
s=370emu/cc,Ku=2.0×106erg
/cc、上層垂直磁化膜:Ms=600emu/cc,
Ku=4.3×106erg/ccであった。中間層2
5のMs=0emu/ccであった。上層垂直磁化膜の
表面で測定した結晶粒の平均粒径は11nmであり、下
層垂直磁化膜の結晶粒界には27at%のCrが平均厚
さ1.2nmの幅で偏析していることを電子顕微鏡を用
いた分析で確認した。また、第2下地層23と下層垂直
磁化膜24の格子定数の差は3%であった。
【0037】これらの磁気記録媒体の保磁力Hcと記録
再生特性の評価を、それぞれ振動型磁力計(VSM)、
記録再生分離型の磁気ヘッドを用いて行なった。記録ヘ
ッドのギャップ長は0.2mm、再生用の巨大磁気抵抗
効果型(GMR)ヘッドのシールド間隔は0.15m
m、測定時のスペーシングは0.04mmとした。記録
密度は低周波の再生出力の半分になる出力半減記録密度
(D50)を測定して評価し、20kFCIの磁気記録を
行なった場合のシグナルとノイズの比率S/Nは、比較
試料のS/Nに対する相対値によって評価した。これら
の結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】本実施例の垂直磁気記録媒体は、比較例に
比べてD50,S/Nが大幅に改善されており、高密度磁
気記録媒体として望ましいことがわかった。本実施例で
作製した垂直磁気記録媒体を用いて、再生素子としてG
MRヘッドを用いた2.5インチの磁気記録再生装置を
作製した。面記録密度20Gb/in2の条件でエラー
レート10-9が確保でき、超高密度記録再生装置として
動作することを確認した。
【0040】[実施例3]直径2.5インチのガラス基
板を用いて、直流マグネトロンスパッタ法によって、図
3に示す断面構造を持つ垂直磁気記録媒体を作製した。
基板31上に、第1下地層32、第2下地層33、下層
垂直磁化膜34、上層垂直磁化膜35、金属膜36、保
護膜37をこの順序で形成した。第1下地層用にはTi
ターゲット、第2下地層用にはCo−30at%Cr−
10at%Ruターゲット、下層垂直磁化膜用にはCo
−17at%Cr−1at%Y−3at%Taターゲッ
ト、上層垂直磁化膜用にはCo−18at%Cr−10
at%Ptターゲット、金属膜用にはPtターゲット、
保護膜用にはカーボンターゲットを用いた。スパッタの
Arガス圧力を3mTorr、スパッターパワーを10
W/cm2、基板温度を250℃とした条件でTi膜を
30nm、Co−Cr−Ru膜を20nm、Co−Cr
−Y−Ta膜を20nm、Co−Cr−Pt膜を1n
m、Pt膜を0.5nm、カーボン膜を7nmの厚さ形
成した。
【0041】金属膜36としてPt膜の代わりに、Pd
膜(1nm)、Ir膜(1.5nm)、Re膜(0.1
nm)、Ru膜(1.2nm)、及びCo/Pt多層膜
(3nm)を形成した以外は前記と同様な垂直磁気記録
媒体を作製した。ここでCo/Pt多層膜は、Coター
ゲットとPtターゲットを交互に用いてそれぞれ0.5
nmの厚さずつ6サイクル形成し、合計3nm厚とし
た。比較試料として、上層垂直磁化膜と金属膜を省いた
試料、及び金属膜を省いた以外は実施例と同様の垂直磁
気記録媒体を作製した。
【0042】上層及び下層垂直磁化膜の磁気特性を測定
した結果、下層垂直磁化膜:Ms=340emu/c
c,Ku=1.5×106erg/cc、上層垂直磁化
膜:Ms=420emu/cc,Ku=3×106er
g/ccであった。上層垂直磁化膜の表面で測定した結
晶粒の平均粒径は12nmであり、下層垂直磁化膜の結
晶粒界には26〜30at%のCrが平均厚さ1nmの
幅で偏析していることを電子顕微鏡を用いた分析で確認
した。また、第2下地層33と下層垂直磁化膜34の格
子定数の差は4%であった。これらの磁気記録媒体の記
録再生特性を実施例2の場合と同様の方法で評価した。
結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】本実施例の磁気記録媒体は、比較例に比べ
てD50,S/Nが大幅に改善されており、高密度磁気記
録媒体としてさらに望ましいことがわかった。本実施例
で作製した磁気記録媒体を用いて、再生素子として磁気
トンネル現象を応用した高感度再生ヘッドを用いた2.
5インチの磁気記録再生装置を作製した。面記録密度3
0Gb/in2の条件で、表3に示すようにエラーレー
ト10-9が確保でき、超高密度記録再生装置として動作
することを確認した。
【0045】[実施例4]実施例2で試作した垂直磁気
記録媒体の上に、厚さ5nmの(Co−10at%Cr
−3at%Ta)/(Pt−45at%Re)多層膜を
設けた以外は同様にして、図4に示す断面構造を持つ垂
直磁気記録媒体を作製した。ここで(Co−10at%
Cr−3at%Ta)/(Pt−45at%Re)多層
膜は、Co−Cr−Taターゲット、及びPt−Reタ
ーゲットを交互に用いてそれぞれ0.25nmの厚さず
つ10サイクル形成し、合計5nm厚の金属膜を作製し
た。比較例として、金属膜及び下層垂直膜、中間膜を設
けない垂直磁気記録媒体も作製した。実施例2と同様な
記録再生条件で特性比較を行なった結果を、表4に示
す。
【0046】
【表4】
【0047】本発明の垂直磁気記録媒体の方が比較例に
比べ、D50,S/Nが改善されており、さらに高密度磁
気記録媒体として望ましいことが分かる。面記録密度2
0Gb/in2の条件で、表4に示すようにエラーレー
ト10-9が確保でき、超高密度記録再生装置として動作
することが分かった。
【0048】[実施例5]実施例3で試作した垂直磁気
記録媒体と巨大磁気抵抗効果(GMR)を用いた高感度
再生素子を持つ録再分離ヘッドを用いて磁気記憶装置を
作製した。この磁気記憶装置は、図5(a)に概略平面
図を、図5(b)にそのAA′断面図を示すように、磁
気記録媒体駆動部52により回転駆動される磁気記録媒
体51、磁気ヘッド駆動部54により保持されて磁気記
録媒体51に対して記録および再生を行う磁気ヘッド5
3、磁気ヘッド53の記録信号および再生信号を処理す
る記録再生信号処理系55を備える周知の構成の装置で
ある。記録ヘッドのトラック幅0.4mm,再生用のG
MRヘッド素子のトラック幅0.32mm、ヘッドと媒
体のスペーシング15nmとした。信号処理としてPR
5方式を採用し、30Gb/in2の面記録密度の条件
で装置を動作させたところ、いずれの垂直媒体において
も10-8以下の誤り率が得られた。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、垂直磁気記録媒体のノ
イズを低減することができ、この結果高いS/N比が得
られるので、磁気ディスク装置の高密度化が可能とな
る、特に10Gb/in2以上の高密度磁気記録が可能
となり、装置の小型化や大容量化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の一例の断面図。
【図2】本発明による磁気記録媒体の他の例の断面図。
【図3】本発明による磁気記録媒体の他の例の断面図。
【図4】本発明による磁気記録媒体の他の例の断面図。
【図5】磁気記憶装置の構成図。
【符号の説明】
11…基板、12…第1下地層、13…第2下地層、1
4…下層垂直磁化膜、15…上層垂直磁化膜、16…保
護膜、21…基板、22…第1下地層、23…第2下地
層、24…下層垂直磁化膜、25…中間層、26…上層
垂直磁化膜、27…保護膜、31…基板、32…第1下
地層、33…第2下地層、34…下層垂直磁化膜、35
…上層垂直磁化膜、36…金属膜、37…保護膜、41
…基板、42…第1下地層、43…第2下地層、44…
下層垂直磁化膜、45…中間層、46…上層垂直磁化
膜、47…金属膜、48…保護膜、51…磁気記録媒
体、52…磁気記録媒体駆動部、53…磁気ヘッド、5
4…磁気ヘッド駆動部、55…信号処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 和悦 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 本多 幸雄 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平10−320740(JP,A) 特開 平10−334440(JP,A) 特開 平11−25439(JP,A) 特開 平11−102510(JP,A) 特開 平11−232632(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/66 G11B 5/738

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に下地層を介して形成した
    垂直磁化膜を備える垂直磁気記録媒体において、 前記下地層は、六方稠密構造もしくは非晶質構造を持つ
    材料からなり前記基板と接する第1下地層と、六方稠密
    構造を持ち優先成長方位が[0001]であってその上
    に形成される垂直磁化膜と整合成長し得る材料からなる
    第2下地層とからなり、 前記垂直磁化膜は前記第2下地層に接する下層垂直磁化
    膜と上層垂直磁化膜とを含み、前記下層及び上層の垂直
    磁化膜はCo合金多結晶膜であって、前記上層垂直磁化
    膜は前記下層垂直磁化膜より非磁性元素の総添加元素濃
    度が低く、かつ飽和磁化(Ms)及び磁気異方性エネル
    ギー(Ku)が大きく、 前記第2下地層から前記上層垂直磁化膜まで連続的に整
    合成長が実現されており、前記垂直磁化膜の総厚が5n
    m以上70nm以下であり、前記上層垂直磁化膜の表面
    側で測定した結晶粒の平均粒径が5nm以上15nm以
    下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の垂直磁気記録媒体におい
    て、前記下層垂直磁化膜と上層垂直磁化膜の間に六方稠
    密構造を持つ非磁性もしくはMs<50emu/ccの
    中間層が設けられており、前記第2下地層から前記上層
    垂直磁化膜まで連続的に整合成長されていることを特徴
    とする垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2項記載の垂直磁気記録媒
    体において、前記上層垂直磁化膜の上に厚さ0.1nm
    から5nmの金属膜が形成されており、前記金属膜はP
    t,Pd,Ir,Re,Ruもしくはこれらの元素を主
    成分とする合金、あるいはCoもしくはCo合金とP
    t,Pd,Ir,Re,Ruもしくはそれらの元素を主
    成分とする合金との積層膜、あるいは稀土類元素を含む
    非晶質磁性材料膜であることを特徴とする垂直磁気記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の垂直磁気記録
    媒体において、前記下層垂直磁化膜はその結晶粒界に2
    5at%以上の非磁性元素の偏析層を持つ多結晶膜であ
    ることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の垂直
    磁気記録媒体において、前記下層垂直磁化膜の磁気異方
    性エネルギーが1×106erg/cc以上2.5×1
    6erg/cc以下、上層垂直磁化膜の磁気異方性エ
    ネルギーが2.5×106erg/cc以上5×106
    rg/cc以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の垂直
    磁気記録媒体において、前記第2下地層と前記下層垂直
    磁化膜の格子定数の差が5%以下であることを特徴とす
    る垂直磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載の垂直
    磁気記録媒体において、前記下層垂直磁化膜の厚さが前
    記上層垂直磁化膜の厚さの2倍以上であることを特徴と
    する垂直磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆
    動する磁気記録媒体駆動手段と、記録部と再生部とを備
    える磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを駆動する磁気ヘッ
    ド駆動手段と、前記磁気ヘッドの記録再生信号処理手段
    とを含む磁気記憶装置において、 前記磁気記録媒体として請求項1〜7のいずれか1項記
    載の垂直磁気記録媒体を用い、前記磁気ヘッドの再生部
    として磁気抵抗効果素子もしくは巨大磁気抵抗効果素子
    を用い、面記録密度10Gb/in2以上で磁気記録再
    生を行なうことを特徴とする磁気記憶装置。
  9. 【請求項9】 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆
    動する磁気記録媒体駆動手段と、記録部と再生部とを備
    える磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを駆動する磁気ヘッ
    ド駆動手段と、前記磁気ヘッドの記録再生信号処理手段
    とを含む磁気記憶装置において、 前記磁気記録媒体として請求項1〜7のいずれか1項記
    載の垂直磁気記録媒体を用い、前記磁気ヘッドの再生部
    として磁気トンネル効果を用いた素子を用い、面記録密
    度30Gb/in2以上で磁気記録再生を行なうことを
    特徴とする磁気記憶装置。
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