JP3285538B2 - 投写型表示装置 - Google Patents

投写型表示装置

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JP3285538B2
JP3285538B2 JP13169898A JP13169898A JP3285538B2 JP 3285538 B2 JP3285538 B2 JP 3285538B2 JP 13169898 A JP13169898 A JP 13169898A JP 13169898 A JP13169898 A JP 13169898A JP 3285538 B2 JP3285538 B2 JP 3285538B2
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/04Reversed telephoto objectives
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/22Telecentric objectives or lens systems

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投写型表示装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図61は液晶パネルを用いた従来の投写
型表示装置の光学系の説明図であり、例えば特開平1ー
120192号公報に開示された装置である。図におい
て、1はランプ120と反射鏡130とから成る光源で
あり、光源1は照明光束2を出射する。ランプ120と
しては、例えばメタルハライドランプ,キセノンラン
プ,ハロゲンランプ等の白色光源が用いられる。反射鏡
130の反射面は典型的には放物面または球面であり、
公知のように放物面の焦点位置または球面の曲率中心位
置にランプ120の発光中心が位置決めされている。照
明光束2の出射方向には、青色光を反射し緑・赤色光を
透過するダイクロイックミラー14B、緑色光を反射し
赤色光を透過するダイクロイックミラー14G及び光を
全反射するミラー11aが配設されている。ダイクロイ
ックミラー14Bの反射方向には光を全反射するミラー
11cが配設され、ミラー11cの反射方向には液晶パ
ネル3Bが設けられている。ダイクロイックミラー14
Gの反射方向には液晶パネル3Gが設けられている。ミ
ラー11aの反射方向には光を全反射するミラー11b
が配設され、ミラー11bの反射方向には液晶パネル3
Rが設けられている。液晶パネル3R,3G,3Bに画
像を表示させる駆動回路については図示を省略してい
る。これらの液晶パネル3R,3G,3Bに囲まれて、
赤・青色光を選択的に反射し、緑色光を選択的に透過す
るダイクロイックプリズム15が設置されており、ダイ
クロイックプリズム15の出射方向には投写レンズ4が
設けられている。投写レンズ4以前の光学系を構成する
各部材は筐体200内に保持されていて、筐体200と
投写レンズ4とで投写器300が構成されている。
【0003】次に動作について説明する。光源1から出
射された照明光束2は、ダイクロイックミラー14B及
びダイクロイックミラー14Gによって赤・緑・青の3
原色に分解され、ミラー11a,11b,11cによっ
て折り曲げられて各原色に対応するモノクロ画像を表示
する液晶パネル3R,3G,3Bに照射される。液晶パ
ネル3R,3G,3Bに形成された画像で変調された光
束は、ダイクロイックプリズム15によって再び1本の
光束に合成されて、投写レンズ4により投写光110に
変換され、後述するようにスクリーン上に投写される。
投写レンズ4は良好な投写画像を得る為に各種収差を補
正する必要があり、複数枚の単レンズ(図示せず)を組
み合わせて構成される。そして、スクリーン上の投写画
像の焦点合わせは、投写レンズ4を構成するレンズの1
部もしくは投写レンズ4全体を光軸方向に駆動して行な
う。
【0004】また、図62は従来の液晶パネルを用いた
他の投写型表示装置の光学系の説明図であり、例えば特
開平1ー157688号公報に開示された装置である。
図において、131は光源12の前方に設けられたコン
デンサレンズであり、本例では、光源1がランプ120
と反射鏡130とコンデンサレンズ131とから構成さ
れている。なお、他の構成は前述の従来例(図61参
照)と同じであり、同一部分には同一番号を付して説明
を省略する。また、動作も前述の従来例と同様であるの
でその説明を省略する。
【0005】従来より、投写型表示装置としては投写レ
ンズより出射する投写光を反射型のスクリーンに結像さ
せるフロント方式の装置と、投写器をキャビネットに納
め投写光を透過型のスクリーンに結像させるリア方式の
装置が知られていた。図63に、実開平1ー11577
8号公報に開示されたリア方式の投写型表示装置の構成
を示す。図において、170は、筐体200と投写レン
ズ4とより構成される投写器300を収納するキャビネ
ットである。投写器300は図61または図62に示し
た投写器300と同様の構成であり、筐体200の内部
には光源1からダイクロイックプリズム15に至る光学
系(図示せず)が保持されている。キャビネット170
の側壁には、透過型のスクリーン5が設置されている。
また、キャビネット170内には、投写レンズ4から出
射された投写光110をスクリーン5に導くための折り
曲げミラー150,160が設けられている。
【0006】次に、図63に示した装置の動作について
述べる。投写レンズ4を出射した投写光110は折り曲
げミラー150,及び160で反射された後、スクリー
ン5に拡大画像として結像される。折り曲げミラー15
0,160は、投写レンズ4の先端からスクリーン5に
至る光路を折り曲げて、キャビネット170内に光学系
をコンパクトに収納するために用いられている。そし
て、観察者400はスクリーン5に対して、投写器30
0とは反対の方向から拡大画像を鑑賞する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のリア方式の投写
型表示装置では、図63のように折り曲げミラー150
及び投写器300がスクリーン5の下部に収納されてい
るためにキャビネット170のうち、スクリーン5の下
の部分171が大きい。このためにセットの高さHの低
減が困難であった。このために、高さHをほぼスクリー
ンの高さと同等にするには、折り曲げミラー150,1
60を省略し、投写光110をスクリーン後方より直接
投写する方法が用いられていた。この場合、セットの奥
行きDが大きくなり、キャビネット170の設置面積が
増加するといった問題点があった。
【0008】この他に、セットの小型化のためには投写
距離(投写レンズ4の出射端からスクリーン5までの中
心光線長)を短縮する事が有効であった。このために、
投写レンズ4を広角化する手法が用いられていた。しか
し、投写レンズ4を広角化して出射光110の発散角を
大きくすると、必然的に折り曲げミラー150が大形化
して、セット高さHの減少には限界があった。
【0009】従来より、例えば外光によるスクリーン面
の照度が高いと投写画像が相対的に暗くなって見えにく
くなるので、より輝度を上げて鑑賞したいという要求が
あった。逆に外光の照度が低い場合、投写画像の輝度は
抑え気味にして、コントラストを向上させて(特に黒レ
ベルの輝度をより下げて)鑑賞したいという要求があっ
た。しかし、従来の投写型表示装置では、装置の置かれ
た場所の照明状態に応じて輝度,コントラストを自動調
整する機能がないといった問題点があった。
【0010】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたものであり、その目的とするところは、装
置の奥行きと高さとを低減した小型の投写型表示装置を
提供することにある。更に他の目的は、装置の正面寸法
をスクリーンの寸法と同程度にでき、しかも奥行き寸法
を小さくできる小型の投写型表示装置を提供することに
ある。更に他の目的は、小型の投写型表示装置用の投写
器を複数個縦横に配列した、奥行きが小さなマルチビジ
ョン投写型表示装置を提供することにある。
【0011】また、更に他の目的は、画像表示デバイス
として、画像の明暗に応じて素子の透明/散乱状態が切
り替わる機能を有する素子を用いた場合に、投写画像の
コントラスト比及び輝度を変化できる投写型表示装置を
提供することにある。また、更に他の目的は、投写画像
のコントラスト比及び/または輝度が、装置が置かれた
外光の明るさに応じて自動的に可変となる投写型表示装
置を提供することにある。
【0012】
【0013】また、第1の発明において、第1のミラー
で光路が立ち上げられる際に、スクリーン上で水平方向
に表示されるべき画像表示デバイスの表示方向が回転す
るのに対応して、スクリーンの水平方向に対応する画像
表示デバイスの方向を投写レンズの出射光の中心線方向
に合わせるべく構成する。
【0014】
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】の発明に係る投写型
表示装置は、投写手段の投写レンズ内に光路を折り曲げ
るミラーを有し、このミラーによって投写レンズから出
射される投写光の中心光線を略水平方向に折り曲げて透
過型のスクリーンに入射させるように構成し、投写手段
のミラー以前の光学系が投写レンズの出射光の中心光線
と略直交する平面内に配置されており、この光学系が配
置される平面と略平行に設けられた、この光学系を保持
する筐体の底面部がスクリーンと略平行となる構成とな
す。また、前記投写レンズは、大きな共役側から、負の
屈折力の第1レンズ群、該第1レンズ群と空気間隔D1
をおいて配置された正の屈折力の第2レンズ群、正の屈
折力の第3レンズ群の3群構成とし、前記第1レンズ
群、第2レンズ群、第3レンズ群及び全レンズ系の焦点
距離をf1、f2、f3、fとするとき、 1.8<D1/f<2.9 1.1<f2/f3<1.6 1.5<|f1|/f<2.3 なる条件を満足するとともに、前記第1レンズ群と第2
レンズ群との間に光路を折り曲げるミラー手段を挿入し
たレトロフォーカス型レンズである。
【0017】また、第の発明において、複数個の投写
手段を縦・横に配列し、各投写手段の投写画像で単位画
面を形成し、隣合う単位画面を密に配列するよう構成す
る。
【0018】また、第の発明において、投写レンズの
直前に、3原色の合成を行なうプラスチック製のダイク
ロイックプリズムを備えた構成をなす。
【0019】また、第の発明において、投写倍率が調
整可能なズームレンズを投写レンズとして使用した構成
となす。
【0020】第の発明に係る投写型表示装置は、画像
表示デバイスが表示画像の明暗に応じて散乱/透明状態
が切り替わる機能を有し、画像表示デバイスより出射す
る光束の受容角を制限する絞りの開口径を制御する構成
をなす。
【0021】第の発明に係る投写型表示装置は、装置
が置かれた場所の照明状態を検出し、その照明状態に応
じて、投写手段より出射する光束の受容角を制限する絞
りの開口径及び/または画像表示デバイスを照明するラ
ンプの駆動電力を変化させる構成をなす。
【0022】また、第の発明において、画像表示デバ
イスが、表示画像の明暗に応じて散乱/透明状態が切り
替わる機能を有する。
【0023】
【0024】
【0025】第の発明では、スクリーンに入射する投
写光を投写レンズに内蔵したミラーによって水平方向に
折り曲げ、かつ投写レンズ以前の光学系をスクリーンに
略平行な面内に配置できる。また、所定の焦点距離を有
する3群のレンズ群を有し、かつそのうちの2つのレン
ズ群の間にミラー手段を配置した投写レンズを有してい
る。したがって、装置の正面寸法をスクリーン寸法と略
同等にしながら装置の奥行きを小さくできる。
【0026】また、第の発明では、上記のように装置
の正面寸法がスクリーン寸法と略同等に出来るので、縦
横に複数の投写手段を配置し、各投写手段の投写光によ
って形成する単位画面を縦横に密に配列することによ
り、奥行きが小さく、しかも単位画面間の継ぎ目が小さ
いマルチビジョン投写型表示装置を実現できる。
【0027】また、色合成用のダイクロイックプリズム
をPMMA等のプラスチック材料で作成すれば、従来公
知のガラス材料のダイクロイックプリズムを用いた装置
に比べて軽量化・低価格化が可能である。
【0028】また、投写倍率の微調整が可能なズームレ
ンズを用いることによって、スクリーンの周期構造と液
晶パネルの投写像の周期構造との寸法比が可変となるの
で、投写画像に重畳されるモアレを実用上問題のない低
視認の状態に調節可能である。さらに、マルチビジョン
投写型表示装置を構成する各投写手段の投写レンズをズ
ームレンズとすることにより、レンズの製造誤差,光学
部品の配置誤差等で単位画面間の投写倍率差が生じて
も、同一の投写倍率に調整可能となる。
【0029】第の発明では、投写レンズ内部に開口径
可変に構成された絞りを設け、散乱/透明状態が切り替
わる画像表示デバイスの出射光の受容角を可変とするの
で、投写画像のコントラスト比及び輝度が観察者の好み
に応じて調節可能であり、従来の投写型表示装置にはな
い新たな機能を追加することができる。
【0030】第の発明では、外光の明るさに応じて投
写レンズ内部の絞りの開口径が制御できるので、散乱/
透明状態が切り替わる画像表示デバイスより入射する光
束の受容角が可変となり、外光が変化した場合の投写画
像のコントラスト比,輝度を良好な状態に自動調節でき
る。さらに、外光の明るさに応じて画像表示デバイスを
照明するランプの駆動電力が可変となるので、外光が変
化した場合の投写画像の輝度をコントラスト比とは独立
に自動調節できる。以上により、従来の投写型表示装置
にはない新たな機能を付加することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の投写型表示装置の説明に
先立ち、この装置に採用して好適なレトロフォーカス型
レンズについて説明する。小型のリア方式の液晶投写型
表示装置を実現するためには、広角の投写レンズが必要
である。従来広角の画像用レンズとしては1眼レフレッ
クスカメラ用の広角レンズが知られている。しかし、本
発明の液晶投写型表示装置に用いて好適な投写レンズ
は、1眼レフレックスカメラ用の広角レンズに対して以
下の追加仕様を考慮している。
【0032】(A)折り曲げミラー挿入のために、レン
ズ系内に十分な空気間隔を確保できる構成であること。 (B)色合成用のダイクロイックプリズムを挿入するた
めに、長いバックフォーカスを確保できること。 (C)ダイクロイックプリズムに対して、軸外光の主光
線が傾いていると色むらが生じる。また、照明光を平行
光(テレセントリック照明)とする場合、液晶パネル側
の軸外光の主光線が傾いていると等価的に軸外のF値が
増加し周辺光量が低下する。このため、投写レンズとし
ては液晶パネル側の軸外光の主光線がレンズ光軸に平行
であること(テレセントリック性)。 (D)広角レンズであっても、周辺照度比を十分確保で
きること。 本発明装置に用いる投写レンズは、上記の要求をみた
し、かつ十分な解像力を有し、さらに、投写倍率を微小
に変化させ投写画像のモアレ軽減、画面サイズ微調整が
できるズームレンズとする。
【0033】以下、図面を参照しながらこのような投写
レンズについて説明する。図1から図26は、後述する
数値実施の形態のうち代表的な構成に対応するレンズ断
面図である。図には記載していないが、図1,図3,図
4,図6,図8,図10,図12,図14,図16,図
18,図19,図20,図21,図23,図24,図2
5の左方、及び図2,図5,図7,図9,図11,図1
3,図15,図17,図22,図26の上方にスクリー
ンがあるものとする。G1はスクリーン側(大きな共役
側)に位置し負の屈折力を有する第1レンズ群、G2は
正の屈折力を有する第2レンズ群、G3は液晶パネル3
側(小さな共役側)に位置し正の屈折力を有する第3レ
ンズ群である。第2レンズ群G2は、液晶パネル3側の
近傍で、かつ第3レンズ群G3のスクリーン側焦点近傍
に絞りASTを有する。また、第3レンズ群G3と液晶
パネル3との間には、従来例を示す図61または図62
におけるダイクロイックプリズム15と液晶パネル3の
カバーガラス(図示せず)とを合わせた光学厚みを有す
る平行平板L9(図18ではL9及びL10)が設けら
れている。
【0034】なお、図1,図2は実施の形態1であり、
図2は図1と同一のレンズ系に傾角45°の折り曲げミ
ラーMを挿入した状態を示している。図3は実施の形態
2、図4,図5は実施の形態3、図6,図7は実施の形
態4、図8,図9は実施の形態5、図10,図11は実
施の形態6、図12,図13は実施の形態7、図14,
図15は実施の形態8、図16,図17は実施の形態9
〜12,14〜20、図18は実施の形態13、図19
は実施の形態21,22、図20は実施の形態23、図
21,図22は実施の形態24、図23〜図26は実施
の形態25の各レンズ断面図である。
【0035】<レンズ群の構成> (実施の形態1〜実施の形態8)(図1,図3,図4,
図6,図8,図10,図12,図14参照): 第1レンズ群G1は、正の屈折力を持ち大きな共役側が
凸面の第1レンズL1と、負の屈折力を持ち小さな共役
側に強い凹面を向けた第2レンズL2と、負の屈折力を
持ち小さな共役側に強い凹面を向けた第3レンズL3と
により構成されている。第2レンズ群G2は正の屈折力
を持った第4レンズL4により構成され、小さな共役側
近傍で、かつ第3レンズ群G3の大きな共役側の焦点近
傍に絞りASTが設けられている。第3レンズ群G3
は、負の屈折力を持ち小さい共役側に凹面を有する第5
レンズL5と、正の屈折力を持ち大きな共役側が凸面で
第5レンズL5に接合された第6レンズL6と、正の屈
折力を持った第7,第8レンズL7,L8とにより構成
されている。
【0036】(実施の形態9〜実施の形態20)(図1
6,図18参照): 第1レンズ群G1,第2レンズ群G2の構成は、実施の
形態1〜実施の形態8と同様である。第3レンズ群G3
は、負の屈折力を持ち小さい共役側に凹面を有する第5
レンズL5と、正の屈折力を持ち大きな共役側が凸面で
第5レンズL5に接合された第6レンズL6と、正の屈
折力を持った第7レンズL7と、中心部分の屈折力が小
さく、周辺部分が強い負の屈折力を有する非球面の第8
レンズL8とにより構成されている。
【0037】(実施の形態21,実施の形態22)(図
19参照): 第1レンズ群G1の構成は、実施の形態1〜実施の形態
20の構成に対して、大きな共役側に中心部分の屈折力
が弱く、周辺部分が強い正の屈折力を有する非球面レン
ズL0を追加している。第2レンズ群G2の構成は、実
施の形態1〜実施の形態20と同様である。第3レンズ
群G3は、実施の形態1〜実施の形態20と同様の第
5,第6レンズL5,L6と正の屈折力を持った球面レ
ンズL7,L8とから構成されている。
【0038】(実施の形態23)(図20参照): 第1レンズ群G1の構成は、実施の形態1〜実施の形態
20と同様であるが、第3レンズL3が非球面レンズと
なっている。第2レンズ群G2の構成は、実施の形態1
〜実施の形態20と同様であるが、第4レンズL4は非
球面レンズである。第3レンズ群G3の構成は、実施の
形態21,22と同様である。
【0039】(実施の形態24)(図21参照): 第1レンズ群G1,第2レンズ群G2の構成は、実施の
形態1〜実施の形態20と同様である。また、第3レン
ズ群G3の構成は、実施の形態21,22と同様であ
る。
【0040】(実施の形態25)(図23〜図25参
照): 第1〜第3レンズ群G1〜G3の構成は、実施の形態1
〜実施の形態20と同様である。但し、本実施の形態で
は、投写倍率を微少変化させるズームレンズとなってい
る。このために、第2レンズ群G2の第4レンズL4を
光軸方向に移動して全レンズ系の焦点距離を可変とし、
これによって生じる像面の移動を第1〜第3レンズ群G
1〜G3の光軸方向の移動により補償する。
【0041】以上のとおり、各実施の形態は共に、負の
屈折力を持つ第1レンズ群G1と正の屈折力を持つ第2
レンズ群G2と第3レンズ群G3とを組み合わせてレト
ロフォーカス構成とし、第3レンズ群G3以降に厚い平
行平板L9(図18に示す実施の形態13ではL9とL
10)を挿入でき、かつ平行平板L9(図18に示す実
施の形態13ではL9とL10)の前後に適切な空気間
隔がとれるだけの大きなバックフォーカスを確保してい
る。また、絞りASTは第3レンズ群G3のスクリーン
側(大きな共役側)の焦点近傍に配置され、液晶パネル
3側(小さな共役側)で軸外主光線を光軸に略平行に保
つテレセントリック構成としている。また、第1レンズ
群G1と第2レンズ群G2との間に大きな空気間隔を確
保し、折り曲げミラーMの挿入を可能としている。
【0042】前述した投写レンズの仕様(A)〜(D)
を達成するために、本レンズ系は第1,第2,第3レン
ズ群G1,G2,G3、及び全レンズ系の焦点距離をf
1,f2,f3,fとし、第1レンズ群G1と第2レン
ズ群G2との空気間隔をD1とするとき、以下の条件式
を満足している。 1.8<D1/f<3.0 (1) 1.1<f2/f3<1.6 (2) 1.5<|f1|/f<2.3 (3)
【0043】上記条件式の上限値,下限値の意味を以下
に説明する。まず第1群レンズ群G1,第2レンズ群G
2間距離D1と全レンズ系の焦点距離との比を定める
(1)式において、(1)式の上限値を越えるとミラー
Mの挿入には有利であるが、第1レンズ群G1の外径が
大きくなり、かつレンズ全長が不必要に大きくなる。逆
に(1)式の下限値を越えるとミラーMの挿入が困難に
なり、また、必要画角を満たすためには第1レンズ群G
1の負のパワーが強くなり、軸外収差の補正が困難にな
る。
【0044】第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との
焦点距離の比を定める(2)式の条件において、(2)
式の上限値を越えると第2レンズ群G2に比べて第3レ
ンズ群G3の正の屈折力分担が強くなりすぎるため、小
さな共役側で軸外主光線を光軸に略平行にしようとする
と、小さな共役側で見た軸外での歪曲収差が樽型に大き
く発生し、その補正が困難となる。逆に(2)式の下限
値を越えると第2レンズ群G2に比べて第3レンズ群G
3の正の屈折力分担が弱くなりすぎるので、レトロフォ
ーカス型の構成が弱くなってバックフォーカスを長く保
つことが困難となる。
【0045】ついで、(3)式は、第1レンズ群G1の
全レンズ系に対する焦点距離の比を定めている。(3)
式の上限値を越えると第1レンズ群G1の負の屈折力分
担が弱すぎ、レトロフォーカス型の構成が弱くなるので
バックフォーカスを長く保つことが困難となる。また、
(3)式の上限値を越える状態で第1レンズ群G1の屈
折力を保ち、長いバックフォーカスを確保するには、第
1レンズ群G1,第2レンズ群G2間の距離を不必要に
大きくとる必要があるので、レンズ全長が増加し、それ
に伴って第1レンズ群G1のレンズ外径が大きくなるの
で好ましくない。逆に、(3)式の下限値を越えると第
1レンズ群G1の負の屈折力が強くなりすぎ軸外で大き
な非点収差が発生しその補正が困難となる。
【0046】次に、数値例を示す。数値実施の形態を示
す表1ないし表25に記載した記号の意味は以下の通り
である。なお、焦点距離,倍率はe線(546.1n
m)における値である。 f:投写レンズ全系の焦点距離 θ:投写半画角(大きな共役側) F:基準投写倍率における、実効F値(小さな共役側) β:基準投写倍率 f1:第1レンズ群G1の焦点距離 f2:第2レンズ群G2の焦点距離 f3:第3レンズ群G3の焦点距離 f4:非球面レンズL8の焦点距離(実施の形態9〜2
0,25) f5:非球面レンズL0の焦点距離(実施の形態21,
22) D1:第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間
隔 m:スクリーン側から順次数えた面番号 ri:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ面の曲
率半径 di:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
厚み及び空気間隔 ni:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
波長546.1nm(e線)に於ける屈折率(表1〜
8:実施の形態1〜8) ni:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
波長587.6nm(d線)に於ける屈折率(表9〜2
5:実施の形態9〜25) νi:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
アッベ数 AST:絞り面
【0047】また、表9〜25中に*で示した非球面の
面形状は、面の中心を原点とし光軸方向をZ軸とした直
交座標系(X,Y,Z)において、rを中心曲率半径,
Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10を各々4次,
6次,8次,10次の非球面係数とするとき、下記
(4),(5)式で表されるものとする。
【0048】
【数1】
【0049】<実施の形態1>図1は実施の形態1を示
す。また本実施の形態の数値データを表1に示す。図2
は図1と同じ構成のレンズに傾角45°の折り曲げミラ
ーMを挿入し光線を通した例である。図2において、第
1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C
2)との距離を44.06mmとした。また、絞りAS
Tは第2レンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共
役側の面に密接して配置している。図2により、第1レ
ンズ群G1と第2レンズ群G2との間にミラーMの挿入
に十分な間隔を確保できていることがわかる。周辺照度
比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画角(41.6
0°)において84.6%を得た。一般に投写型表示装
置では周辺照度比30%が必要とされているが、これに
比べて十分良好な値である。また、軸外の主光線角は
0.3°以下であった。また、図2よりレンズ系の内部
ではスクリーン側(大きな共役側)よりも軸外光の光軸
に対する傾角が小さくなることがわかる。このために、
ミラーMは投写レンズ外(スクリーン側)に配置する場
合よりも小型にできる。
【0050】
【表1】
【0051】<実施の形態2>図3は実施の形態2を示
す。また本実施の形態の数値データを表2に示す。本実
施の形態では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
間隔d6(=D1)は68.93mmであり、実施の形
態1よりも3.32mm大きい間隔を確保できており、
ミラーMの挿入には問題ない。
【0052】
【表2】
【0053】<実施の形態3>図4は実施の形態3を示
す。また本実施の形態の数値データを表3に示す。本実
施の形態では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
間隔d6(=D1)は53.83mmであり、実施の形
態1よりも11.78mm小さい間隔となっている。図
5は図4と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを
挿入し光線を通した例である。図5において、第1レン
ズ群G1の最終面中心(C1)からミラーMの中心(C
2)に至る距離を34.6mmとした。また、絞りAS
Tは第2レンズ群G2を構成するレンズL4 の小さな共
役側の面に密接して配置している。図5により、第1レ
ンズ群G1と第2レンズ群G2との間に十分ミラーMを
挿入できることがわかる。
【0054】
【表3】
【0055】<実施の形態4>図6は実施の形態4を示
す。また本実施の形態の数値データを表4に示す。本実
施の形態では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
間隔d6(=D1)は47.65mmであり、実施の形
態1よりも17.96mm小さい間隔となっている。図
7は図6と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを
挿入し光線を通した例である。図7において、第1レン
ズ群G1 の最終面中心(C1)からミラーMの中心(C
2)に至る距離を28.5mmとした。また、絞りAS
Tは第2レンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共
役側の面に密接して配置している。図7により、第1レ
ンズ群G1と第2レンズ群G2との間にミラーMをコン
パクトに実装できることがわかる。
【0056】
【表4】
【0057】<実施の形態5>図8は実施の形態5を示
す。また本実施の形態の数値データを表5に示す。図9
は図8と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿
入し光線を通した例である。図9において、第1レンズ
群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C2)との距
離を37.00mmとした。また、絞りASTは第2レ
ンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共役側の面の
後方1mmに配置している(表5の第9面)。図9によ
り、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間にミラ
ーMの挿入に十分な間隔を確保できていることがわか
る。周辺照度比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画
角(43.30°)において81%を得た。一般に投写
型表示装置では周辺照度比30%が必要とされている
が、これに比べて十分良好な値である。また、軸外の主
光線傾角は0.6°以下であった。また、図9よりレン
ズ系の内部ではスクリーン側(大きな共役側)に出射す
る光束よりも軸外光の光軸に対する傾角が小さくなるこ
とがわかる。このために、ミラーMは投写レンズ外(ス
クリーン側)に配置する場合よりも小形にできる。
【0058】
【表5】
【0059】<実施の形態6>図10は実施の形態6を
示す。また本実施の形態の数値データを表6に示す。図
11は図10と同じ構成のレンズに傾角45°のミラー
Mを挿入し光線を通した例である。図11において、第
1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C
2)との距離を37.00mmとした。また、絞りAS
Tは第2レンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共
役側の面の後方1mmに配置している(表6の第9
面)。図11により、第1レンズ群G1と第2レンズ群
G2との間にミラーMの挿入に十分な間隔を確保できて
いることがわかる。
【0060】
【表6】
【0061】<実施の形態7>図12は実施の形態7を
示す。また本実施の形態の数値データを表7に示す。本
実施の形態では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と
の間隔d6(=D1)は50.44mmであり、実施の
形態5よりも5.01mm小さい間隔となっている。図
13は図12と同じ構成のレンズに傾角45°のミラー
Mを挿入し光線を通した例である。図において、第1レ
ンズ群G1 の最終面中心(C1)からミラーMの中心
(C2)に至る距離を32.0mmとした。また、絞り
ASTは第2レンズ群G2を構成するレンズL4の小さ
な共役側の面に密接して配置している(表7の第9
面)。図13により、第1レンズ群G1と第2レンズ群
G2との間に十分ミラーMを挿入できることがわかる。
【0062】
【表7】
【0063】<実施の形態8>図14は実施の形態8を
示す。また、本実施の形態の数値データを表8に示す。
本実施の形態では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2
との間隔d6(=D1)は45.13mmであり、実施
の形態5よりも10.32mm小さい間隔となってい
る。図15は図14と同じ構成のレンズに傾角45°の
ミラーMを挿入し光線を通した例である。図において、
第1レンズ群G1の最終面中心(C1)からミラーMの
中心(C2)に至る距離を28.0mmとした。また、
絞りASTは第2レンズ群を構成するレンズL4の小さ
な共役側の面に密接して配置している(表8の第9
面)。図15により、第1レンズ群G1と第2レンズ群
G2との間にミラーMをコンパクトに実装できることが
わかる。
【0064】
【表8】
【0065】<実施の形態9>図16は実施の形態9を
示す。また本実施の形態の数値データを表9に示す。図
17は図16と同じ構成のレンズに傾角45°のミラー
Mを挿入し光線を通した例である。図17において、第
1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C
2)との距離を60.0mmとした。また、絞りAST
は第2レンズ群を構成するレンズL4の小さな共役側の
面の後方3.3mmに配置している(表9の第9面)。
図17により、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と
の間にミラーMの挿入に十分な間隔を確保できているこ
とがわかる。軸外の主光線傾角は1°以下であり、良好
なテレセントリック性が得られている。また、図17よ
りレンズ系の内部(G1〜G2間)ではスクリーン側
(大きな共役側)に出射する光束よりも軸外光の光軸に
対する傾角が小さくなることがわかる。このために、ミ
ラーMは投写レンズ外(スクリーン側)に配置する場合
よりも小形にできる。周辺照度比は、軸外の瞳収差の効
果により最大半画角にて55%以上が得られている。一
般に投写型表示装置では周辺照度比30%が必要とされ
ているのが、これに比べて十分良好な値である。さら
に、非球面レンズL8は中心のパワーが小さく周辺が大
きな負のパワーを有しており、液晶パネル3側でみた周
辺部の負の歪曲収差と高次非点収差との補正をバランス
よく行っている。
【0066】なお、後述する実施の形態10〜20及び
実施の形態25を含めて、第3レンズ群G3の最終レン
ズL8を非球面レンズとする構成では、L8の焦点距離
f4と全レンズ系の焦点距離fの比が(6)式の関係を
満たすことが望ましい。 |f4|/f>10 (6) (6)式の下限値を越えると、非球面レンズL8の軸上
屈折力が強くなりすぎる。この為、L8をプラスチック
材料で作成すると、温度・湿度等の環境変化による投写
画像の焦点ズレの問題が無視できなくなる。
【0067】
【表9】
【0068】<実施の形態10〜12>実施の形態10
〜12の数値データを表10〜12に示す。各実施の形
態のレンズ断面図は、実施の形態9を示す図16とほぼ
同等である。これら各実施の形態でも、第1レンズ群G
1,第2レンズ群G2間に実施の形態9と同程度の空気
間隔を確保できており、ミラーMの挿入には問題ない。
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】<実施の形態13>図18は実施の形態1
3のレンズ断面図である。また数値データを表13に示
す。本実施の形態でも、第1レンズ群G1,第2レンズ
群G2間に実施の形態9と同程度の空気間隔を確保でき
ており、ミラーMの挿入が可能である。また、本実施の
形態では、第3レンズ群G3後の平行平板として厚さ7
0mmのPMMA樹脂L9と、厚さ1mmのガラス板L
10(BSC7:HOYA(株)製)を挿入した状態で
収差補正を行なっている。これは、第3の発明に関連し
て後述するように色合成用のダイクロイックプリズムを
PMMA樹脂を用いて作成することを想定したものであ
る。また、1mm厚のガラス板は液晶パネルの液晶封入
用ガラス基板を想定している。
【0073】本実施の形態の如くダイクロイックプリズ
ムをプラスチック化しても良好に収差補正が可能であ
り、投写型表示装置の低価格化,軽量化を実現できる。
なお、ダイクロイックプリズム相当の平行平板L9は屈
折力を持たないので、温度・湿度等の環境変化によって
プラスチック材料の屈折率が変化しても投写画像の焦点
ずれには大きな影響がない。また、PMMA以外のプラ
スチック材料として、例えばPC,ZEONEX(日本
ゼオン(株)製),OZ1000(日立化成工業(株)
製)ARTON(日本合成ゴム(株)製),APO(三
井石油化学工業(株)製)等も使用可能である。また、
本実施の形態ではプラスチック平行平板L9の厚みは7
0mmとしたが、従来の投写型表示装置を示す図61,
図62より明らかなように、液晶パネル3の画面サイズ
に応じて調節可能である。従って、70mm以下の寸法
(例えば15〜70mm程度)でも、本レンズ系と同等
の構成により十分収差補正可能である。また、L9の厚
みが70mmを越えても、液晶パネル3の配置に支障が
ない限りにおいて同様に収差補正可能である。すなわ
ち、平行平板の全厚みの90%以上をプラスチック化し
ても十分に収差補正可能である。
【0074】
【表13】
【0075】<実施の形態14〜20>実施の形態14
〜20の数値データを表14〜20に示す。各実施の形
態のレンズ断面図は、実施の形態9を示す図16と類似
しているので図示を省略する。これら各実施の形態で
も、第1レンズ群,第2レンズ群間に実施の形態9と同
程度の空気間隔を確保できており、ミラーMの挿入には
問題ない。
【0076】
【表14】
【0077】
【表15】
【0078】
【表16】
【0079】
【表17】
【0080】
【表18】
【0081】
【表19】
【0082】
【表20】
【0083】<実施の形態21>図19は実施の形態2
1のレンズ断面図である。実施の形態21の数値データ
を表21に示す。第1レンズ群G1,第2レンズ群G2
間に十分大きな空気間隔を確保できており、ミラーMの
挿入には全く問題ない。本実施の形態では、第1レンズ
群G1を4枚構成とし、大きな共役側のレンズL0を軸
上の屈折力が弱く、周辺部が強い正の屈折力を有する両
面非球面レンズとして、主として軸外の歪曲収差を補正
している。なお、非球面レンズL0は、後述する実施の
形態22を含めて、L0の焦点距離f5と全レンズ系の
焦点距離fとの比が(7)式の関係を満たすことが望ま
しい。 |f5|/f>100 (7) (7)式の下限値を越えると、非球面レンズL0の軸上
屈折力が強くなりすぎる。このため、L0をプラスチッ
ク材料で作成する場合、温度・湿度等の環境変化による
投写画像の焦点ズレの問題が無視できなくなる。
【0084】
【表21】
【0085】<実施の形態22>実施の形態22の数値
データを表22に示す。本実施の形態のレンズ断面図
は、実施の形態21を示す図19と類似している。本実
施の形態でも、第1レンズ群G1,第2レンズ群G2間
に十分大きな空気間隔を確保できており、ミラーMの挿
入には問題ない。また、本実施の形態では第1レンズ群
のレンズL0の大きな共役側の面だけを非球面として、
主として軸外の歪曲収差を補正している。
【0086】
【表22】
【0087】<実施の形態23>図20は実施の形態2
3のレンズ断面図である。また、表23に本実施の形態
の数値データを示す。本実施の形態では、上記実施の形
態21,22よりもさらに大きな第1レンズ群G1,第
2レンズ群G2間の空気間隔を確保できており、ミラー
挿入には問題ない。また、第1レンズ群G1の液晶パネ
ル3側のレンズL3及び第2レンズ群G2のレンズL4
を共に非球面レンズとしており、軸上の球面収差と軸外
の歪曲収差,高次非点収差とを高度にバランスよく補正
している。本実施の形態では、比較的レンズ径が小さな
L3とL4とを非球面化しているので、非球面の作成が
容易である。
【0088】
【表23】
【0089】<実施の形態24>図21は実施の形態2
4を示す。また本実施の形態の数値データを表24に示
す。図22は図21と同じ構成のレンズに傾角45°の
ミラーMを挿入し光線を通した例である。図22におい
て、第1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心
(C2)との距離を56.23mmとした。また、絞り
ASTは第2レンズ群を構成するレンズL4の小さな共
役側の面の後方1.64mmに配置している(表24の
第9面)。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との比
較的小さい間隔(88.23mm)にミラーMをコンパ
クトに挿入できることがわかる。なお、本実施の形態は
全レンズを球面レンズで構成しており、後に収差図を示
すように比較的歪曲収差が大きいものの、TV画像の表
示等の用途には十分な性能であり、しかも非球面を使用
しないので安価に製造可能である。
【0090】
【表24】
【0091】<実施の形態25>図23,図24,図2
5は実施の形態25を示す。本実施の形態はズームレン
ズであり、図23〜図25の順に焦点距離が大きくなっ
ている。また本実施の形態の数値データを表25に示
す。図26(a)〜図26(c)は図23〜図25と同
じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し光線を
通した例である。図26において、第1レンズ群G1の
最終面中心(C1)とミラーMの中心(C2)との距離
を53.00mmとした。また、絞りASTは第2レン
ズ群G2を構成するレンズL4の小さな共役側の面の後
方4〜20mmに配置している(表25の第9面)。図
26により、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
間にミラーMを挿入できることがわかる。
【0092】本実施の形態では全レンズ系の焦点距離を
変えるために、第2レンズ群G2のレンズL4を単独で
光軸方向に移動している(表25のa,b)。これによ
り、液晶パネル3側のテレセントリック性を保ったまま
全レンズ系の焦点距離を可変できる。そして、この焦点
距離変化にともなう液晶パネル3側の像面ズレを補償す
るためにレンズ群G1,G2,G3の全系を平行平板L
9に対して一体的に光軸方向に移動している(表25の
c)。以上のズーム操作により、投写倍率βを13.8
倍から15.3倍へ約11%調整できる。後述する投写
画像のモアレ軽減,マルチビジョンプロジェクタの倍率
調整には10%程度の倍率微調整機能が求められるが、
本レンズのズーム機能はこの要求を満たすものである。
なお、像面ズレの補償はレンズ群G1,G2,G3の一
体的移動と共に、レンズ群G1の単独移動(表25,図
23〜図25のd6を微調整)を併用してもよく、これ
によりさらに良好な結像特性が得られる。
【0093】
【表25】
【0094】図27〜図50は、それぞれ実施の形態1
〜実施の形態24に対応する小さな共役側でみた収差曲
線図である。また、図51〜図53は、実施の形態25
の各ズーム状態に対応する小さな共役側で見た収差曲線
図である。球面収差は (WL1=610nm,WL2=
546.1nm,WL1=470nm)の3波長につい
て示し、非点収差,歪曲収差は546.1nm (e線)につい
て示している。図27〜図53における各収差は十分実
用に供されるものである。
【0095】なお、以上の各実施の形態においては、絞
りASTは第2レンズ群G2のレンズL4の後方に独立
して設けたが、レンズL4の小さな共役側の面の外径で
代用してもよいし、レンズL4を保持する鏡筒(図示せ
ず)の構造により絞り機能を実現してもよい。特に、前
述した実施の形態1〜4,7,8,22〜24の如く絞
りが第4レンズL4の直後に配置されるレンズ構成にお
いては、このような代替絞り手段が有効である。また、
実施の形態1〜25において、スクリーンから第1レン
ズL1(又はL0)に至る距離が変化した場合のフォー
カス調整は、第1レンズ群G1全体を一体的に光軸方向
に変位させるか、レンズ群G1,G2,G3,を一体的
に平行平板L9に対して光軸方向に移動させる方法が有
効である。
【0096】また、絞りASTは固定的に開口径を決め
る構成以外に、従来カメラレンズに等において公知のよ
うな開口径が可変の構成とし、実効F値を変化させるよ
うにしてもよい。絞り径を可変としたレンズは、第4,
5の発明に関連して図59,60を用いて説明するよう
に、透過光束の散乱状態と透明状態とを電気的に切り替
えるタイプの液晶パネル(PDLC,DSM液晶等)と
組み合わせることにより、投写画像のコントラスト比と
輝度とを適宜調節できるので効果的である。しかも、後
述するように絞りの開口径を公知の如くモータ等の手段
で電気的に調節可能とすれば、外光の明るさを検出する
光センサの出力をもとに、コントラスト比と輝度とを自
動的に調節できる。
【0097】以下本発明の投写型表示装置について説明
する。 <第1,第2の発明>図54は第1,第2の発明による
投写型表示装置の構成図であり、図54(a)は側面図
を示し、図54(b)は正面図を示す。図において30
0は筐体200と投写レンズ4とにより構成された投写
器である。投写レンズ4には、第1の折り曲げミラー4
1が内蔵されている。また、投写器300はキャビネッ
ト170内に収納されており、キャビネット170は第
2の折り曲げミラー160と透過型のスクリーン5とを
保持している。
【0098】また、図55は投写器300の内部構成を
表しており、図55(a)は平面図を示し、図55
(b)は正面図を示す。図において、1は、ランプ12
0と、ランプ120の電極121と、凹面鏡130と、
コンデンサレンズ131とにて構成される光源である。
ランプ120はメタルハライドランプ,キセノンラン
プ,ハロゲンランプ等の白色光源が用いられる。図では
メタルハライドランプ,もしくはキセノンランプを想定
して、一対の電極121間に放電ギャップを設けた構成
を描いている。凹面鏡130はランプ120の発光点に
曲率中心を有し、図中でランプ120の右側に効率よく
光束を送り込むために設けられている。凹面鏡130に
は必要に応じて赤外光を透過するコーティングが施さ
れ、液晶パネル側に熱が放射される割合を減少させてい
る。また、必要に応じてコンデンサレンズ131の屈折
面には赤外線、及び/又は紫外線を反射し可視光を透過
するコーティングが施してある。
【0099】光源1からの出射方向には可視光のみを透
過するフィルタ140が設けられ、フィルタ140の前
方には、青色光を反射し緑・赤色光を透過するダイクロ
イックミラー14Bと、赤色光を反射し緑・青色光を透
過するダイクロイックミラー14Rとが、直交させた態
様で配設されている。ダイクロイックミラー14Rから
の反射光の光路には、光を全反射するミラー11b,1
1c、画像表示部3rを有する液晶パネル3Rが設けら
れ、ダイクロイックミラー14Bからの反射光の光路に
は、光を全反射するミラー11a,11d、画像表示部
3bを有する液晶パネル3Bが設けられ、両ダイクロイ
ックミラー14B,14Rの透過光の光路には、画像表
示部3gを有する液晶パネル3Gが設けられている。液
晶パネル3R,3G,3Bの各表示部3r,3g,3b
に画像を表示させる駆動回路については図示を省略して
いる。これらの液晶パネル3R,3G,3Bに囲まれ
て、赤・青色光を選択的に反射し、緑色光を選択的に透
過する公知のダイクロイックプリズム15が設置されて
おり、ダイクロイックプリズム15の出射方向には投写
レンズ4が設けられている。投写レンズ4は、第1の折
り曲げミラー41及び絞りASTを内蔵しており、詳細
構成はレンズの説明で述べた通りである。図55(b)
では典型的な例として、折り曲げミラーの41の傾角が
45°の場合を図示している。なお、第1の折り曲げミ
ラー41前後のレンズ系は図示省略している。
【0100】次に、実施の形態の動作について説明す
る。光源1からの光(ランプ120の出射光及び凹面鏡
130の反射光)は、コンデンサレンズ131によって
平行化され、フィルタ140に入射する。フィルタ14
0は可視光だけを透過し、不要な赤外・紫外光を反射も
しくは吸収する。フィルタ140を透過した光束は、ダ
イクロイックミラー14B,14Rに入射する。ダイク
ロイックミラー14B,14Rによって照明光は赤
(R),緑(G),青(B)の3原色に分解される。青
色光Bはミラー11a,11dによって光路を曲げられ
て液晶パネル3Bに照射され、赤色光Rはミラー11
b,11cによって光路を曲げられて液晶パネル3Rに
照射され、緑色光Gは液晶パネル3Gに照射される。こ
のように液晶パネルはコンデンサレンズ131により平
行光で照明される(テレセントリック照明系)ので、ダ
イクロイックミラー14R,14Bの分光特性に入射角
依存性があっても、均一な色度の光で照明が可能であ
る。また、液晶パネル3R,3G,3Bの表示特性に照
明光の入射角依存性がある場合にでも、照明光が平行な
のでパネルの表示面内で均一な表示特性が得られる。
【0101】液晶パネルの画像で変調された透過光は、
ダイクロイックプリズム15により合成され、投写レン
ズ4に送り込まれる。合成光束は折り曲げミラー41に
よって90°折り曲げられ、図55(b)のように投写
光110が投写レンズ4より出射される。なお、折り曲
げミラー41の傾角は45°以外でもなんら問題なく、
要はセットの全体を設計する上で最適な角度に設定して
よく、本発明の変形例の範疇である。
【0102】なお、液晶パネル3R,3G,3Bの各画
像表示部3r,3g,3bの寸法は等しく、NTSC方
式の投写型表示装置の場合4:3の寸法比の画像を、H
DTV方式の場合16:9の寸法比の画像を、各々長手
方向が水平方向になるよう投写する必要がある。しか
し、第1の折り曲げミラー41によって、液晶表示画面
の縦方向が横方向に変換される。そこで、画像表示部3
r,3g,3bはいずれも長手方向が正面図を示す図5
5(b)中で上下方向、すなわち投写レンズから出射さ
れる投写光束の中心光線111の方向と一致するように
配置されている。なおNTSC方式、HDTV方式では
投写画像の水平方向が長手方向であるが、OA用の投写
型ディスプレイ等では特別に投写画面の上下方向を長手
方向とすべき機種もある。このような場合には、液晶パ
ネルの表示面の短辺方向を図55(b)中で上下方向に
合わせて配置すべきである。なお、液晶パネルの表示方
向が上記のように入れ替わる現象は第1の折り曲げミラ
ー41の傾角が45°以外でも同様に生じるので、この
ミラーの傾角によらず水平に投写したい液晶の辺方向を
図55(b)の如く上下方向に合わせるように設定すべ
きである。
【0103】前述した通り、絞りASTは投写レンズ4
のF値を決め、かつ液晶パネルの各点から投写レンズ4
に入射する光束の主光線をレンズ光軸に平行にする働き
がある。従って、絞りASTの開口径を大きく設定し投
写レンズ4のF値を小さくすると、スクリーン5に投写
される光束が増加し、輝度が上がる。また、絞りAST
の開口径を小さくし投写レンズ4のF値を大きくする
と、スクリーン5に投写される光束が減少して輝度が下
がるが、投写レンズ4の収差が小さくなるので解像力は
改善される。また、絞りASTにより上記のように主光
線が平行になるので、ダイクロイックプリズム15を透
過する光束に入射角のむらがなくなり、ダイクロイック
プリズム15の分光特性の入射角依存性による投写画像
の色むらをなくすことができる。
【0104】次に、セット全体の動作について図54に
より説明する。投写器300のうち、第1の折り曲げミ
ラー41以前の部分(筐体200)は、スクリーン側か
ら見た正面図(図54(b))においてスクリーン5の
中央より左側半分に配置されている。第1の折り曲げミ
ラー41によって投写レンズ4内で折り曲げられた光束
は投写光110として鉛直上方向に立ち上げられて出射
し、側面図(図54(a))に示すように第2の折り曲
げミラー160によってスクリーン5側に折り曲げら
れ、スクリーン5上に拡大画像が形成される。
【0105】なお、第2の折り曲げミラー160は長方
形でもよいし、投写光110の入射範囲だけに反射面が
あればよい。そこで、図54(b)に破線で示したよう
に台形状のミラーを使用すれば、最小限のミラー面積に
できるのでセットの軽量化に有効である。前述した通
り、折り曲げミラーをレンズ内に実装するとレンズ系内
部での軸外光の光軸に対する傾角はレンズ出射光の光軸
に対する傾角よりも小さくできるので、第1の折り曲げ
ミラー41を小型にできる。しかも筐体200をスクリ
ーン5の中央よりも左半分に収納すれば、キャビネット
170のスクリーン5よりも下の部分171が小さくで
きるので、セット高さHの低減が容易である。
【0106】奥行きDを小さくする点については、第2
の折り曲げミラー160の垂直線に対する角度θ1(図
54(a))を45°以下にすることが有効である。そ
のためには、筐体200の底面201とキャビネットの
底面172(水平線に一致)とのなす角θ2を、一点鎖
線で示す投写光束の中心線111が垂直よりもセット後
方に傾くように設定すべきである。このためにはθ2 ≧
0°とすればよい。図54では便宜上スクリーン5に入
射する投写光の中心線を水平方向に一致するように描い
たが、必ずしもこの限りではなく、中心線の延長線が鑑
賞者の目の位置となるように設定することが好ましい。
【0107】高さHを小さくするには、筐体200をで
きるだけ薄くすることが必要である。このために、図5
5の実施の形態では光源1からダイクロイックプリズム
15に至る光学系を投写レンズ4の出射光の中心光線1
11と直交する平面(図55(a))内に配置し、筐体
200の厚みHp を小さくしている。なお図55(b)
で、201は筐体200の底面であり、投写光の中心光
線111と直交している。つまり、底面201は平面図
を示す図55(a)と平行な面内に配置されている。図
55と同一の光学部品を用いて、筐体200を投写レン
ズ4の光軸回りに90°回転した光学系の配置も考えら
れるが、この場合筐体200の幅Wp が高さHp よりも
大きいので、図54の構成に適用して投写型表示装置全
体の高さを小さくする上には不利である。
【0108】また、スクリーン5はNTSC方式の装置
では4:3、HDTV方式の装置では16:9の寸法比
を有しており長手方向が水平方向に設定されている。図
55(b)に示したように、投写器300内部で液晶パ
ネルの画像表示面の長手方向が上下方向となるように配
置すれば、第1の折り曲げミラー41での反射によって
投写画像の長手方向がスクリーンの長手方向(水平方
向)と一致するように方向が変換されるので都合がよ
い。さらに、図54ではスクリーン5の中央よりも左半
分に筐体200を配置する例を示したが、筐体200を
スクリーン5の中央よりも右半分に配置しても本発明の
効果には変わりはない。
【0109】以上のような筐体内の光学系配置のもと
で、セット全体の高さを低減するには図54中で筐体2
00の底面201とキャビネット170の底面172
(図では便宜上水平線の方向と一致させている)とのな
す角θ2を適当に設定する必要がある。図54は、実施
の形態1の投写レンズを用いて、画面サイズ40インチ
(縦横比3:4)の装置を構成した例であり、図中θ1
=38°,θ2=14°としして描いている。この条件
ではセット高さH=712mm,奥行きD=360mm
が得られた。また、同じく40インチ画面でθ1=45
°,θ2=0°とすることにより、高さH=636m
m,奥行きD=432mmとなり、奥行きは上記例より
も増加するが、セット高さが低減できることがわかっ
た。但し、この例では投写器底面が水平方向と一致する
ので、セットの組立,検査等が容易になり、奥行きの増
加を許容できれば、製造上好ましい構成といえる。前述
のセットの奥行きを小さくする条件(θ2 ≧0°)を勘
案すると、セットの奥行きと高さとをバランスよく低減
するためには以下の条件式を満たすことが望ましい。 0°≦θ2 ≦20° (8) 条件式(8)の下限値を越えるとセットの奥行きが不必
要に大きくなる。また、条件式(8)の上限値を越える
と、セット高さが不必要に増加する、筐体200がスク
リーン5への入射光束を遮る、スクリーン5の面を越え
て筐体200がセット前方にはみ出す等の不都合が生ず
る。以上の構成を言い替えると次のとおりである。画像
表示デバイスを内蔵し、該画像表示デバイスに表示され
た画像を拡大表示する投写手段と、該投写手段の出射部
に設けられた投写レンズと、該投写レンズの内部に設け
られ、光を反射する第1のミラーと、前記投写レンズか
ら出射された投写光を反射する第2のミラーと、該第2
のミラーにて反射された投写光が入射して、拡大画像を
形成する透過型のスクリーンと、前記投写手段を内蔵
し、かつ前記第2のミラー、スクリーンを保持するキャ
ビネットとを備え、前記投写手段の第1のミラー以前の
部分が前記スクリーンの中央部よりも一側側に実装さ
れ、前記投写手段から前記スクリーンの面に平行に出射
された投写光を前記第1のミラーによって略上方向に立
ち上げた後、前記第2のミラーにてその光路を略水平方
向に折り曲げて前記スクリー ンに入射させるべく構成さ
れており、前記第2のミラーは、その上端を前記スクリ
ーン側に傾斜させた状態で前記キャビネットに保持され
た1枚のものであり、前記投写手段は、前記画像表示デ
バイスを含む光学系を内蔵した筐体を有し、前記投写光
が前記投写レンズを通過して前記第2のミラーに向かっ
て出射されるように前記筐体の底面部とキャビネットの
底面部との間の角度θを所定の角度範囲内に設定した状
態で、前記投写光が前記スクリーンに略平行に出射され
るように、前記キャビネットに内蔵されていることを特
徴とする投写型表示装置である。 また、この構成におい
て、前記スクリーンの水平方向に対応する前記画像表示
デバイスの方向を、前記投写レンズからの出射光の中心
線の方向に一致すべく構成してもよい。 また、前記投写
レンズの内部に前記画像表示デバイスから出射される光
束の受容角を制限する絞り手段を設けてもよい。 また、
前記角度θの設定により、前記投写レンズの出射光の中
心光線が鉛直方向よりも装置の背面側に傾いて出射する
べく構成され、前記角度θが、0°≦θ≦20°なる条
件を満足するようにしてもよい。 以上の構成によれば、
スクリーンの正面中心から見て右手もしくは左手方向に
投写手段の大部分を収納し、また、その上端をスクリー
ン側に傾斜させた状態でキャビネットに保持された1枚
の第2のミラーを備え、さらに、投写光が投写レンズを
通過して第2のミラーに向かって出射されるように投写
手段の一部である筐体の底面部とキャビネットの底面部
との間の角度θを所定の角度範囲内に設定した状態で、
投写光がスクリーンに略平行に出射されるように、筐体
をキャビネット内に内蔵している。したがって、高さ方
向及び奥行き方向の小さなリア式投写型表示装置を実現
できる。
【0110】<第3の発明>図56は第3の発明による
投写型表示装置の構成図であり、図56(a)は平面図
を、図56(b)は正面図を、図56(c)は側面図を
示す。図において、図54と同一番号を付した部分は同
一または相当部分を示すので、それらの説明は省略す
る。図において41は投写レンズ4内に内蔵された、第
1,2の発明の第1の折り曲げミラー41と同等の折り
曲げミラーである。また、図57は投写器300の内部
構成であり、図57(a)は投写レンズ4以前の光学系
が配置された面の平面図、図57(b)は側面図であ
る。図において、図55と同一番号を付した部分は同一
または相当部分を示すので、それらの説明は省略し、5
1は光センサ、52は増幅器、53はモータ/ランプ制
御回路、54はモータである。
【0111】次に、実施の形態の動作について説明す
る。光源1からの光は、コンデンサレンズ131によっ
て平行化され、フィルタ140にて可視光だけが透過さ
れる。フィルタ140を透過した光束は、ダイクロイッ
クミラー14B,14Gに入射する。ダイクロイックミ
ラー14B,14Gによって照明光は赤(R),緑
(G),青(B)の3原色に分解される。青色光はミラ
ー11aによって光路を曲げられて液晶パネル3Bに照
射され、赤色光はミラー11b,11cによって光路を
曲げられて液晶パネル3Rに照射され、緑色光はダイク
ロイックミラー14Gで反射されて液晶パネル3Gに照
射される。このように液晶パネルはコンデンサレンズ1
31により平行光で照明される(テレセントリック照明
系)ので、ダイクロイックミラー14B,14Gの分光
特性に入射角依存性があっても、均一な色度の光で照明
が可能である。また、液晶パネル3R,3G,3Bの表
示特性に照明光の入射角依存性がある場合にでも、照明
光が平行なのでパネルの表示面内で均一な表示が得られ
る。
【0112】液晶パネルの画像で変調された透過光は、
ダイクロイックプリズム15により合成され、投写レン
ズ4に入射する。前述のように、投写レンズ4の内部に
は折り曲げミラー41が内蔵されており、ミラーの前後
にレンズ系を有している(レンズ系は図示省略)。図5
7(b)では典型的な例として、折り曲げミラー41の
傾角が45°の場合を図示した。上記合成光束は折り曲
げミラー41によって90°折り曲げられ、図57
(b)のように投写光110が投写レンズ4より出射さ
れる。なお、投写レンズ4以前の光学系(光源1からダ
イクロイックプリズム15までの光学系)は、図57
(a)に平面図を示すように、筐体200の底面201
(図57(b)参照)に平行な平面内に配置されてい
る。
【0113】第1,2発明と同様に、絞りASTは投写
レンズ4のF値を決め、かつ液晶パネルの各点から投写
レンズ4に入射する光束の主光線をレンズ光軸に平行に
する働きがある。従って、絞りASTの開口径を大きく
設定し投写レンズ4のF値を小さくすると、スクリーン
5に投写される光束が増加し、輝度が上がる。また、絞
りASTの開口径を小さくし投写レンズ4のF値を大き
くすると、スクリーン5に投写される光束が減少して輝
度が低下するが、投写レンズ4の収差が小さくなるので
解像力は改善される。又、絞りASTにより上記のよう
に主光線が平行になるので、ダイクロイックプリズム1
5を透過する光束に入射角のむらがなくなり、ダイクロ
イックプリズム15の分光特性の入射角依存性による投
写画像の色むらをなくすことができる。
【0114】次に、セット全体の動作について図56に
より説明する。投写器300のうち、折り曲げミラー4
1以前の部分(筐体200)は、装置を上方から見た平
面図(図56(a))においてスクリーン5の中央より
左側半分に配置されており、筐体200の底面201は
スクリーン5と略平行に配置されている。折り曲げミラ
ー41によって投写レンズ4内で折り曲げられた光束は
投写光110としてスクリーン5上に入射し拡大画像が
形成される。本実施の形態では、投写レンズ4から出射
する中心光線111は水平方向に進行し、スクリーン5
にほぼ垂直に入射する。
【0115】前述した通り、折り曲げミラー41をレン
ズ内に配置すると、レンズ系内部での軸外光の光軸に対
する傾角をレンズ出射光の光軸に対する傾角よりも小さ
くできる。このため、投写レンズ4の外部にミラーを配
置する場合に比べてミラーの寸法を小さくできる。筐体
200をスクリーン5の中央よりも左半分に収納するこ
とによって、キャビネット170の正面寸法(図56
(b)のW,H)をほぼスクリーン5の寸法と略同等に
できる。しかも、前述したような広角の投写レンズ4を
用いることでキャビネット170の奥行き(図56
(c)のD)も小さくできる。
【0116】以上のように、筐体の底面201をスクリ
ーン5に略平行に配置し、投写光110の中心光線11
1が水平方向に出射するように配置することにより、装
置の正面寸法W,Hを最小化しながら、奥行きDを小さ
くできる。図57と同一の投写器を用いて、図56
(b)において筐体200を中心光線111の回りに9
0°回転した配置も考えられる。このような投写器の配
置も本発明の変形例であることもちろんである。また、
図56はスクリーン5の中心より左半分側に筐体200
を配置する構成を示したが、右半分側に配置する構成で
も問題はない。
【0117】次に、以上に説明した第3の発明の変形例
を図58により説明する。図58は、図57に示した投
写器300を縦横に複数個配列し、マルチビジョンプロ
ジェクタを構成した例である。図において、300a〜
300dは各々図57に示したのと同様の投写器であ
る。図では縦3×横4の配列を示しているが、下2段の
投写器300e〜300l、及び投写レンズ4e〜4l
は簡単のために図示を省略している。5a〜5lはスク
リーンであり、各スクリーン上に投写レンズ4a〜4l
より出射する投写光が入射し、単位投写画面を形成す
る。各投写器は、隣接する単位画面が密に配列してスク
リーン5a〜5l上に形成されるように配置されてい
る。各単位投写器300a〜300lの筐体の底面は図
56の場合と同様にスクリーン5a〜5lと平行に配置
されていている。170a〜170lは、各投写器30
0a〜300lを内蔵し、スクリーン5a〜5lを保持
するキャビネットである。
【0118】各スクリーン5a〜5lは単位画面毎に別
個のスクリーンを縦・横に配列してもよいし、全体が一
体でもよい。また部分的に、例えば2×2個等の単位画
面の集合に対応するスクリーンを一体化してあってもか
まわない(例:{5a,5b,5e,5f},{5c,
5d,5g,5h}が各々一体スクリーンで、{5i,
5j},{5k,5l}が各々一体スクリーン)。ま
た、キャビネット170a〜170lは、各々が別体の
箱状のものを縦横に配列してもよいし、隣接する何個か
を箱状に一体化してこれらを配列した構造、又は全体を
箱状に一体化した構造であってもかまわない。
【0119】以上のように、図58のマルチビジョンプ
ロジェクタは、図56に示す正面寸法W,Hがスクリー
ン5の寸法と同等で、奥行きDが小さい投写型表示装置
を縦・横に複数個配列した構成をなすので、単位画面間
の継ぎ目が小さくでき、しかも奥行きDが小さい装置と
なる。単位画面の配列個数は、図58は横4×縦3の例
であるが、これ以外の構成であっても問題ない。本実施
の形態はマルチビジョン構成なので、全体として超大画
面、かつ高解像度,高輝度な装置が容易に実現できる。
【0120】また、図58の構成において投写レンズ4
a〜4lをズームレンズにすることで、各画面の投写倍
率に差があっても容易に同一の投写倍率に調整でき単位
画面間の画像の不連続を最小にできる。
【0121】なお、上述の第1,2,3発明におけるダ
イクロイックプリズム15は、ガラス材料で作成しても
よいが、実施の形態13で述べたようにプラスチック材
料(PMMA,PC,ZEONEX,OZ1000,A
RTON,APO等)を用いることにより装置の軽量
化,低価格化が可能である。
【0122】また、投写レンズ4を実施の形態25で述
べたズームレンズとすることにより、投写画像の寸法を
調整出来るようになる。公知のように、スクリーン5は
水平方向に周期構造を有するレンチキュラースクリーン
が用いられ、液晶パネル3はマトリクス状の電極による
周期構造を有しているので、拡大投写画像にも水平・垂
直方向に周期構造が観察される。これらの周期構造のう
ち、スクリーン5と液晶投写像との水平周期構造の干渉
によって縦縞モアレが発生し、画像鑑賞の妨げになるこ
とが知られている。この縦縞モアレは、スクリーン5の
水平周期と液晶パネルの投写像の水平周期との比を最適
化することで視認性を下げ、画像鑑賞への影響を最小化
できることが公知である。そこで、上記のように投写レ
ンズ4をズームレンズとし、投写倍率を調整すれば投写
画像に重畳されるモアレを最も見えにくい状態に調整で
きる。
【0123】<第4の発明>投写型表示装置に用いる液
晶パネルには、従来より公知のTN(Twisted Nematic)
液晶,PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal),
DSM(Dynamic Scattering Mode) 液晶をはじめ、各種
の動作原理にもとづく液晶材料が適用可能である。上記
PDLC,DSM液晶は液晶の状態が画素への印加電圧
に応じて散乱状態と透明状態とが切り替わることが知ら
れている。従って、投写レンズ4で投写画像を形成する
場合、液晶パネルが散乱状態では、投写光束が図55の
投写レンズ4の内部に設けられた絞りASTによって遮
断されるので、投写画像は暗レベルとなる。一方、液晶
パネルが透明状態の場合、パネルを透過した平行光束は
投写レンズ4をほぼ損失なく透過して投写されるので投
写画像は明レベルとなる。
【0124】上記PDLC,DSM液晶を用いた投写型
表示装置で、絞りASTの開口径を可変できるように構
成することが第4の発明の投写型表示装置の構成上の特
徴である。この構成によってもたらされる新規な効果に
ついて、第4の発明の原理を説明する模式図である図5
9を用いて以下に説明する。図59でEPは絞りAST
の開口径で変化する投写レンズ4の入射瞳を示してお
り、液晶パネル3は説明の便宜上1枚だけとしている。
図59(b)は絞りASTの開口径を大きくした場合で
あり、図59(a)は絞りASTの開口径を小さくした
場合を示している。
【0125】液晶として透明/散乱状態を切り替えるタ
イプの液晶(PDLC,DSM等)を想定して図59を
説明する。液晶パネル3が透明状態の場合、照明光Iin
は平行な透過光It となり、損失なく入射瞳EPを透過
し投写光束となる。一方、液晶パネル3が散乱状態の場
合には、透過光は拡散光束Id となり、入射瞳の受容角
θ0 内の光束は透過して投写光束となるが、斜線で示し
た受容角θ0外の光束は投写されない。絞りASTの開
口径の調節により入射瞳EPの開口径を変化させること
により、液晶パネル3が散乱状態の場合の投写光の強度
(暗レベル)が変化し、コントラスト比(投写画像の明
/暗の輝度比)が変化することがわかる。
【0126】また、現実的には液晶パネルの照明光(図
59のIin)は完全な平行光ではないので、絞りAST
の開口径を変化させることによって、液晶パネルが透明
状態の場合の投写画像輝度(明レベル)も変化すること
になる。より具体的には、前述した投写レンズにおける
絞りASTの開口径D(投写レンズの有効F値)を公知
の絞り羽根42等で可変できるように構成することによ
り、投写画像のコントラスト比,輝度レベルを液晶パネ
ルの光学特性及び鑑賞者の好みに応じて最適に調節可能
である。なお、液晶パネルがTN液晶のように透明/散
乱状態を切り替えるタイプでない場合にでも、上述した
ように照明光が完全に平行ではないので、主に投写画像
の輝度(明レベル)を変化させることは可能であり、本
発明の適用対象となることもちろんである。また、絞り
ASTの開口径を小さくすると、投写レンズの収差が小
さくなるので投写画像はより高解像に形成される。
【0127】なお、以上の第4の発明の実施の形態は、
第1,2の発明の投写器構成を示す図55の構成の1例
として説明した。しかし、第1,2の発明において必須
の構成要素であった投写レンズ4内の第1の折り曲げミ
ラー41は必ずしも必要ではなく、公知の直管鏡筒構造
を有する投写レンズとしてもよい。また、投写方式もリ
ア方式に限らず、反射型スクリーンを用いるフロント方
式でもよい。
【0128】<第5の発明>第5の発明による投写型表
示装置では、絞りASTの開口径及び/またはランプの
駆動電力を装置が置かれた場所の外光の明るさを検知す
る光センサの出力に応じて制御し、外光の状態に対応し
て投写画像の輝度、及び/またはコントラスト比を自動
的に調節する。絞りASTの開口径を調節する基本的な
概念は、前述の第4の発明と同様であり、図60(b)
は絞りASTの開口径を大きくした場合であり、図60
(a)は絞りASTの開口径を小さくした場合を示して
いる。この第5の発明では、モータ54を通じて絞り羽
根42を駆動して開口径Dを可変とすることによって投
写画像のコントラスト比,輝度レベルを最適に調節す
る。
【0129】第5の発明による投写器の動作について、
第3の発明の説明に用いたのと共通の図57により説明
する。光センサ51は投写型表示装置が設置された環境
の外光を検出し、外光の明るさに応じて電気信号を出力
する。増幅器52は、光センサの出力を増幅し、続いて
モータ/ランプ制御回路53にてモータ54の駆動信
号、及びランプ120の駆動電力信号を生成する。モー
タ54は制御回路53の出力に応じて絞りASTの開口
径を調節する。具体的には、外光が明るいときには絞り
ASTの開口径を大きくし、外光が暗くなるに従って絞
りASTの開口径を小さくする。液晶パネル3R,3
G,3Bの液晶としてPDLC,DSM等の透過/散乱
状態を切り替えるタイプの材料を用いた場合、このよう
な絞りASTの制御により、外光が明るい場合にはコン
トラスト比と解像度とを下げながら高輝度の投写画像を
形成し、外光が暗い場合にはより低輝度で高コントラス
ト比,高解像度の投写画像を形成することができる。な
お、液晶パネル3R,3G,3Bの液晶としてTN液晶
のような透過/散乱状態を切り替えないタイプの液晶を
使用した場合には、絞りASTの開口径変化によって主
に投写画像の輝度と解像度とだけを制御できる。
【0130】図57の装置では、絞りASTの開口径制
御と共に、制御回路53の出力によりランプ120の駆
動電力も制御している。すなわち、外光が明るい場合に
はランプ120の駆動電力を増してより高輝度の投写画
像にし、外光が暗い場合にはランプ120の駆動電力を
下げてより低輝度のまぶしくない投写画像にする。な
お、以上の絞り制御とランプ駆動電力制御とは両方行っ
てもよいし、片方だけでもかまわない。
【0131】次に、図56により上記光センサ51の実
装について説明する。図中光センサ51はスクリーン5
の端に受光面をキャビネット170の外側を向けて配置
している。これにより、スクリーン5の面の外光の明る
さを検出でき、図57の増幅器52以降の処理が行え
る。
【0132】なお、以上の第5の発明の実施の形態は、
第3の発明の投写器構成を示す図57を構成の1例とし
て説明した。しかし、第3の発明において必須の構成要
素であった投写レンズ内のミラー41は必ずしも必要で
はなく、ミラーを内蔵しない直管鏡筒構造を有する投写
レンズとしてもよい。又、投写方式もリア方式に限ら
ず、フロント方式でもよい。フロント方式投写の場合、
光センサ51は反射型スクリーンに設置するか、筐体2
00の一部もしくはその近傍に設置するかのいずれかの
形態が好適である。
【0133】
【0134】
【0135】
【発明の効果】の発明によれば、投写レンズ内部に
折り曲げミラーを配置し、折り曲げミラーで投写レンズ
より出射する投写光の中心光線を略水平方向に折り曲げ
て透過型のスクリーンに入射させる構成とし、投写器の
筐体内の光源からダイクロイックプリズムに至る光学系
を投写レンズ出射光の中心光線と直交する平面内に配置
して、この平面と略平行な筐体底面とスクリーンとが略
平行となるように構成している。また、所定の焦点距離
を有する3群のレンズ群を有し、かつそのうちの2つの
レンズ群の間にミラー手段を配置した投写レンズを有し
ている。したがって、装置の正面寸法がスクリーンの寸
法と略同等にでき、しかも奥行きが短い投写型表示装置
を実現できる。
【0136】また、色合成用のダイクロイックプリズム
をプラスチック材料で構成することにより、装置の軽量
化,低価格化が実現できる。さらに、各投写器の投写光
によって投写される単位画面が密に配列するように、縦
横に複数個の投写器を配置することによって、奥行きが
小さくしかも単位画面間の継ぎ目が小さなマルチビジョ
ン投写型表示装置を実現できる。さらに、投写レンズと
して投写倍率の調整が可能なズームレンズを用いること
によって、投写画像に重畳されるモアレを実用上問題な
い低視認状態に調整できる。また、マルチビジョン投写
型表示装置の各投写レンズをズームレンズとすることに
より、各単位画面の投写倍率に製造上の差があっても同
一の投写倍率に調整可能である。
【0137】第の発明によれば、液晶パネルの液晶材
料としてパネルの透明/散乱状態を切り替えるタイプの
材料(PDLC,DSM液晶等)を用い、絞りの開口径
を可変できる投写レンズで拡大投写画像を形成するよう
に構成し、絞りの開口系の調節によって投写レンズの実
効F値を変化させることによって投写画像のコントラス
ト比と輝度とを可変出来るので、パネルの光学特性及び
鑑賞者の好みに応じて最適な状態で画像を鑑賞できる。
【0138】第の発明によれば、光センサによって外
光の明るさを検出し、センサの出力に応じてモータを駆
動して投写レンズ内の絞りの開口径を制御するように構
成したので、外光状態に応じて輝度,解像度,コントラ
スト比が自動調節可能な投写型表示装置を実現できる。
また、この光センサの出力に応じて液晶パネルを照明す
るランプの駆動電力を可変とすることにより、外光に対
応して投写画像の輝度を自動的に調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図2】 実施の形態1によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図3】 実施の形態2によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図4】 実施の形態3によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図5】 実施の形態3によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図6】 実施の形態4によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図7】 実施の形態4によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図8】 実施の形態5によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図9】 実施の形態5によるレトロフォーカス型レン
ズの断面図である。
【図10】 実施の形態6によるレトロフォーカス型レ
ンズの断面図である。
【図11】 実施の形態6によるレトロフォーカス型レ
ンズの断面図である。
【図12】 実施の形態7によるレトロフォーカス型レ
ンズの断面図である。
【図13】 実施の形態7によるレトロフォーカス型レ
ンズの断面図である。
【図14】 実施の形態8によるレトロフォーカス型レ
ンズの断面図である。
【図15】 実施の形態8によるレトロフォーカス型レ
ンズの断面図である。
【図16】 実施の形態9〜12,14〜20によるレ
トロフォーカス型レンズの断面図である。
【図17】 実施の形態9〜12,14〜20によるレ
トロフォーカス型レンズの断面図である。
【図18】 実施の形態13によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図19】 実施の形態21,22によるレトロフォー
カス型レンズの断面図である。
【図20】 実施の形態23によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図21】 実施の形態24によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図22】 実施の形態24によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図23】 実施の形態25によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図24】 実施の形態25によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図25】 実施の形態25によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図26】 実施の形態25によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図27】 実施の形態1によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図28】 実施の形態2によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図29】 実施の形態3によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図30】 実施の形態4によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図31】 実施の形態5によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図32】 実施の形態6によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図33】 実施の形態7によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図34】 実施の形態8によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図35】 実施の形態9によるレトロフォーカス型レ
ンズの諸収差図である。
【図36】 実施の形態10によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図37】 実施の形態11によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図38】 実施の形態12によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図39】 実施の形態13によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図40】 実施の形態14によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図41】 実施の形態15によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図42】 実施の形態16によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図43】 実施の形態17によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図44】 実施の形態18によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図45】 実施の形態19によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図46】 実施の形態20によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図47】 実施の形態21によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図48】 実施の形態22によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図49】 実施の形態23によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図50】 実施の形態24によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図51】 実施の形態25によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図52】 実施の形態25によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図53】 実施の形態25によるレトロフォーカス型
レンズの諸収差図である。
【図54】 第1の発明、第2の発明、及び第4の発明
による投写型表示装置の全体構成図である。
【図55】 第1の発明、第2の発明、及び第4の発明
による投写型表示装置を構成する投写器の構成図であ
る。
【図56】 第3の発明、及び第5の発明による投写型
表示装置の全体構成図である。
【図57】 第3の発明、及び第5の発明による投写型
表示装置を構成する投写器の構成図である。
【図58】 第3の発明によるマルチビジョン投写型表
示装置の全体構成図である。
【図59】 第4の発明において、投写レンズの絞りの
開口径を可変とする場合の効果の説明図である。
【図60】 第5の発明において、投写レンズの絞りの
開口径を可変とする場合の効果の説明図である。
【図61】従来の液晶投写型表示装置の投写器の構成図
である。
【図62】従来の液晶投写型表示装置の投写器の構成図
である。
【図63】従来の投写型表示装置の全体構成図である。
【符号の説明】
3R,3G,3B 液晶パネル、4 投写レンズ、5
透過型スクリーン、15 ダイクロイックプリズム、4
1 第1の折り曲げミラー、51 光センサ、52 増
幅器、53 モータ/ランプ制御回路、54 モータ、
160 第2の折り曲げミラー、170 キャビネッ
ト、200 筐体、300 投写器、M 折り曲げミラ
ー、AST 絞り、G1 第1レンズ群、G2 第2レ
ンズ群、G3 第3レンズ群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−249233(JP,A) 実開 昭58−138471(JP,U) 実開 昭63−26833(JP,U) 実開 昭57−122982(JP,U) 実開 平1−115778(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示デバイスを内蔵し、該画像表示
    デバイスに表示された画像で変調された光束を出射する
    投写手段と、該投写手段の出射部に設けられた投写レン
    ズと、前記投写手段の前記投写レンズ以前の光学系を保
    持する筐体と、前記投写レンズの内部に設けられ、前記
    を反射するミラーと、前記投写レンズから出射され
    た投写光が入射して、拡大画像を形成する透過型のスク
    リーンと、前記投写手段を内蔵し、かつ前記スクリーン
    を保持するキャビネットとを備え、 前記投写レンズから出射される投写光の中心光線を前記
    ミラーによって略水平方向に折り曲げて前記スクリーン
    に入射させるように構成し、前記投写手段の前記ミラー
    以前の部分の光学系が前記投写手段の出射光の中心光線
    と略直交する平面内に設けられており、この光学系が配
    置される平面と略平行に設けられた前記筐体の底面部が
    前記スクリーンと略平行であり、 前記投写レンズは、大きな共役側から、負の屈折力の第
    1レンズ群、該第1レンズ群と空気間隔D1をおいて配
    置された正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3
    レンズ群の3群構成とし、前記第1レンズ群、第2レン
    ズ群、第3レンズ群及び全レンズ系の焦点距離をf1、
    f2、f3、fとするとき、 1.8<D1/f<2.9 1.1<f2/f3<1.6 1.5<|f1|/f<2.3 なる条件を満足するとともに、前記第1レンズ群と第2
    レンズ群との間に光路を折り曲げるミラー手段を挿入し
    たレトロフォーカス型レンズであることを特徴とする投
    写型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記投写手段をマトリックス状に複数個
    配列し、各投写手段の投写画像で単位画面を形成すべく
    構成したことを特徴とする請求項記載の投写型表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記投写レンズの直前に、3原色の合成
    を行なうプラスチック製のダイクロイックプリズムを備
    えたことを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
  4. 【請求項4】 前記投写レンズとして、投写倍率が調整
    可能なズームレンズを使用したことを特徴とする請求項
    1記載の投写型表示装置。
  5. 【請求項5】 画像表示デバイスを内蔵し、該画像表示
    デバイスに表示された画像で変調された光束を出射する
    投写手段と、該投写手段の出射部に設けられた投写レン
    ズと、該投写レンズの内部に設けられ、前記投写手段
    ら出射される光束の受容角を制限する絞り手段と、前記
    投写レンズから出射される投写光が入射して、拡大画像
    を形成するスクリーンとを備え、 前記画像表示デバイスが表示画像の明暗に応じて表示面
    内の光学特性が散乱状態と透明状態とで切り替わる機能
    を有し、前記絞り手段の開口径を調節可能とすべく構成
    したことを特徴とする投写型表示装置。
  6. 【請求項6】 画像表示デバイス及び該画像表示デバイ
    スを照明するランプを内蔵し、前記画像表示デバイスに
    表示された画像で変調された光束を出射する投写手段
    と、該投写手段の出射部に設けられ、前記画像表示デバ
    イスの表示画面を拡大投写する投写レンズと、該投写レ
    ンズの内部に設けられ、前記投写手段から投写レンズに
    入射される光束の受容角を制限する絞り手段と、前記投
    写レンズから出射される投写光が入射して、拡大画像を
    形成するスクリーンと、前記絞り手段の開口径を変化さ
    せるモータと、入射光量に応じて電気信号を出力する光
    センサと、該光センサの出力を増幅する増幅回路と、該
    増幅回路の出力より前記モータの駆動制御信号及び/ま
    たは前記ランプの駆動電力制御信号を生成する制御回路
    とを備え、 前記光センサにより検出された照明状態に応じて、前記
    絞り手段の開口径及び/または前記ランプの駆動電力を
    変化させるべく構成したことを特徴とする投写型表示装
    置。
  7. 【請求項7】 前記画像表示デバイスが、表示画像の明
    暗に応じて表示面内の光学特性が散乱状態と透明状態と
    の間で切り替わる機能を有することを特徴とする請求項
    記載の投写型表示装置。
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