JP3340418B2 - マルチビジョン投写型表示装置 - Google Patents

マルチビジョン投写型表示装置

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JP3340418B2
JP3340418B2 JP2000125307A JP2000125307A JP3340418B2 JP 3340418 B2 JP3340418 B2 JP 3340418B2 JP 2000125307 A JP2000125307 A JP 2000125307A JP 2000125307 A JP2000125307 A JP 2000125307A JP 3340418 B2 JP3340418 B2 JP 3340418B2
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projection
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screen
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマルチビジョン投写型表
示装置に適用できる諸収差の小さな投写レンズ、および
そのレンズを用いた奥行きの小さなマルチビジョン投写
型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図28は従来の液晶パネルを用いた投写
型表示装置の光学系の説明図であり、例えば特開平6−
138386号公報に開示された装置である。図28
(a)は平面図を示し、図28(b)は正面図を示す。
図において、1は光源、120はランプ、121はラン
プ120の電極、130は凹面鏡、131はコンデンサ
レンズであり、凹面鏡130とランプ120とコンデン
サレンズ131とで光源1を構成する。140はフィル
タ、14B,14Rはダイクロイックミラー、11a,
11b,11c,11dはミラー、3R,3G,3Bは
液晶パネル、15はダイクロイックプリズム、4は投写
レンズであり、折り曲げミラー41、および絞りAST
を内蔵している。
【0003】次に動作について説明する。ランプ120
としては、例えばメタルハライドランプ,キセノンラン
プ,ハロゲンランプ等の白色光源が用いられる。130
はランプ120の発光点に曲率中心を有する凹面鏡で、
図中でランプ120の左側に効率よく光束を送り込むた
めに設けられている。ランプ出射光、および凹面鏡13
0の反射光は、コンデンサレンズ131によって平行化
され、フィルタ140に入射する。フィルタ140は可
視光だけを透過し、不要な赤外・紫外線を反射または吸
収する。フィルタ140を透過した光束は、青色光を反
射し緑・赤色光を透過するダイクロイックミラー14
B、および赤色光を反射し青・緑色光を透過するダイク
ロイックミラー14Rによって赤・緑・青の3原色に分
解され、ミラー11a,11b,11c,11dによっ
て折り曲げられて各原色に対応するモノクロ画像を表示
する液晶パネル3R,3G,3Bに照射される。
【0004】液晶パネル3R,3G,3Bに画像を表示
させる駆動回路については図示を省略している。液晶パ
ネルに形成された画像で変調された光束は赤・青色光を
選択的に反射し、緑色光を選択的に透過するダイクロイ
ックプリズム15によって再び1本の光束に合成され、
ミラー41によって投写レンズ4内で折り曲げられて投
写光110に変換され、後述するようにスクリーン上に
投写される。投写レンズ4は良好な投写画像を得る為に
各種収差を補正する必要があり、複数枚の単レンズ(図
示せず)を組み合わせて構成される。200は投写レン
ズ4、および投写レンズ4以前の光学系を保持する筐体
であり、筐体200と投写レンズ4とで投写器300が
構成されている。
【0005】従来より、投写型表示装置としては、投写
レンズより出射する投写光を反射型のスクリーンに結像
させるフロント方式の装置と、投写器をキャビネットに
納め投写光を透過型のスクリーンに結像させるリア方式
の装置が知られていた。図29に、特開平6−1383
86号公報に開示されたリア方式の投写型表示装置の構
成を示す。図29(a)は側面図を示し、図29(b)
は正面図を示す。図において、300は筐体200と投
写レンズ4より構成される投写器、41は投写レンズ4
に内蔵された第1の折り曲げミラー、160は第2の折
り曲げミラー、5は透過型スクリーン、170はキャビ
ネットである。
【0006】次に図29に示した装置の動作について述
べる。投写器300は図28に示した投写器300と同
様の構成であり、筐体200の内部には光源1からダイ
クロイックプリズム15に至る光学系(図示せず)が保
持されている。投写器300のうち、折り曲げミラー4
1以前の部分(筐体200)は、透過型スクリーン5側
から見た正面図(図29(b))において透過型スクリ
ーン5の中央より左半分に配置されている。ミラー41
によって投写レンズ4内で折り曲げられた光束は投写光
110として上方向に立ち上げられて出射し、側面図
(図29(a))に示すように折り曲げミラー160に
よって透過型スクリーン5側に折り曲げられ、透過型ス
クリーン5上に拡大画像が形成される。
【0007】なお、折り曲げミラー160は、投写レン
ズ4の先端から透過型スクリーン5に至る光路を折り曲
げて、キャビネット170内に光学系をコンパクトに収
納するために用いられている。そして、鑑賞者は透過型
スクリーン5に対して、投写器300とは反対の方向か
ら拡大画像を鑑賞する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のリア方式投写型
表示装置では、図29のように1つの投写器300で透
過型スクリーン5上全体に拡大画像を形成しているため
に、投写レンズ4を広角化し出射光110の発散角を大
きくしても投写距離(投写レンズ4の出射端からミラー
160を介して透過型スクリーン5に至る中心光線長)
を短縮するのには限界があり、そのためセットの奥行き
Dの低減にも限界があった。
【0009】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、マルチビジョン投写型表示装置用
の投写器を複数個配列した、奥行きが小さくかつ画像の
継ぎ目の目立たず、かつ高解像度、高輝度のマルチビジ
ョン投写型表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るマ
ルチビジョン投写型表示装置は、画像表示デバイスと該
画像表示デバイスに表示された画像を拡大投写する投写
レンズとを有する投写手段を複数個と、該各投写手段の
前記投写レンズ以前の光学系を保持する筐体手段と、前
記各投写レンズの内部に設けられ、光路を反射して折り
曲げる第1のミラー手段と、前記各投写レンズから出射
する投写光の光路を反射して折り曲げる第2のミラー手
段と、前記第2のミラー手段によって反射した前記投写
光が入射して、該各投写手段の投写画像で形成された隣
接する各単位画面を縦横に密に配列して拡大画像を形成
する透過型スクリーンと、前記第2のミラー手段と前記
透過型スクリーンとを保持するキャビネット手段とを有
するマルチビジョン投写型表示装置において、前記各筐
体手段が前記各単位画面の中央部よりも上側の左側若し
くは右側又は下側の左側若しくは右側に実装され、前記
第1のミラー手段によって前記各投写レンズより出射す
る投写光を略上方向又は略下方向に折り曲げた後、前記
第2のミラー手段で投写光路を略水平方向に折り曲げて
前記透過型スクリーンに入射させるように構成され、前
記各投写手段の前記第1のミラー手段以前の部分の各光
学系が前記各投写レンズの出射光の中心光線と直交する
各平面内に配置されており、該光学系の配置される各平
面と略平行に設けられた前記各筐体手段の底面部と、前
記キャビネット手段の底面部又は上面部とのなす角θ2
が所定の角度範囲内に設定されており、前記角度θ2の
設定により、前記各投写レンズ出射光の中心光線が垂直
方向か垂直方向よりも装置の背面側に傾いて出射するよ
うに構成し、前記θ2が、0°≦θ2≦20°なる条件
を満足し、前記各投写レンズが、負の屈折力を有する第
1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正
の屈折力を有する第3レンズ群とを大きな共役側から順
に配置したレトロフォーカス型レンズであり、前記第1
レンズ群は、大きな共役側から順に、大きな共役側に最
も近くに配置されレンズ中心近傍が弱い負の屈折力を有
し、レンズ周辺部分が正の屈折力を有 する両面非球面の
第1レンズと、負の屈折力を持ち小さな共役側が凹面状
の第2レンズと、負の屈折力を持ち小さな共役側に凹状
の第3レンズと、負の屈折力を持ち小さな共役側に凹状
の第4レンズとを有し、前記第2レンズ群は、正の屈折
力を持つ第5レンズを有し、前記第3レンズ群は、大き
な共役側から順に、負の屈折力を持ち小さな共役側に凹
状の第6レンズと、正の屈折力を持ち大きな共役側に凸
状の第7レンズと、正の屈折力を持つ第8レンズと、小
さな共役側に最も近くに配置され中心近傍にて正の屈折
力を有する両面非球面の第9レンズとを有し、f1を前
記第1レンズ群の焦点距離、f2を前記第2レンズ群の
焦点距離、f3を前記第3レンズ群の焦点距離、fを全
レンズ系の焦点距離、D1を前記第1レンズ群と前記第
2レンズ群との間の空気間隔としたときに、下記の条件
1.1<f2/f3≦1.22 2.43≦D1/f≦2.74 1.71≦|f1|/f≦2.03 を満足することを特徴としている。
【0011】また、請求項2の発明に係るマルチビジョ
ン投写型表示装置は、前記各投写手段の前記投写レンズ
を該投写レンズの前記第1のミラー手段以前の小さな共
役側の光軸と垂直な方向に移動させることにより、前記
各投写手段の投写画像で形成された隣接する各単位画面
を前記透過型スクリーン面内で並進させ、該単位画面を
縦横に密に配列させる調整機構を備えたことを特徴とし
ている。
【0012】また、請求項3の発明に係るマルチビジョ
ン投写型表示装置は、前記透過型スクリーン上に縦横に
密に配列された前記各単位画面のうち、横方向に配列さ
れた該単位画面を投写するために前記各投写レンズから
出射した投写光を反射する前記第2の折り曲げミラー手
段を、一体のミラー手段としてキャビネット手段内部に
配置したことを特徴としている。
【0013】
【0014】また、請求項に係るマルチビジョン投写
型表示装置は、前記第1レンズの焦点距離をf4とした
ときに、下記の条件式 |f4|/f>100 を満足することを特徴としている。
【0015】また、請求項に係るマルチビジョン投写
型表示装置は、前記第9レンズの焦点距離をf5とした
ときに、下記の条件式 |f5|/f>10 を満足することを特徴としている。
【0016】また、請求項に係るマルチビジョン投写
型表示装置は、前記第2レンズ群の近傍で、かつ前記第
3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍に配設された絞り
手段を備えたことを特徴としている。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】請求項1の発明に係るマルチビジョン投写型表
示装置は、各投写手段の投写光によって形成された各単
位画面を縦横に密に配列することにより、装置の正面寸
法をスクリーン寸法と略同等にしながら奥行きが小さ
く、しかも各単位画面間の継ぎ目の小さいマルチビジョ
ン投写型表示装置が実現できる。しかも、投写レンズ手
段内部に光路を折り曲げる第1のミラー手段を内蔵する
ので、広角投写レンズを使用しても第1のミラー手段
寸法が大きくなることはない。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】また、請求項1から6までの発明に係るマ
ルチビジョン投写型表示装置は、第1レンズ群のスクリ
ーン側レンズおよび第3レンズ群の液晶パネル側レンズ
に非球面を導入することにより、広画角化による軸外収
差、特に歪曲収差,非点収差を良好に補正できる。
【0029】また、請求項1から6までの発明に係るマ
ルチビジョン投写型表示装置は、液晶投写型表示装置に
必要な以下の性能を有する投写レンズが得られる。 ・ミラー挿入に必要な第1レンズ群〜第2レンズ群の間
隔が確保できる。 ・レトロフォーカス構成なので比較的長いバックフォー
カスが確保できる。 ・広角でありながら良好な周辺照度比が得られる。
【0030】また、請求項1から6までの発明に係る
ルチビジョン投写型表示装置は、第1レンズ群のスクリ
ーン側(大きな共役側)レンズに非球面を導入すること
により、広画角化による軸外収差、特に歪曲収差、非点
収差を良好に補正でき、かつ該非球面レンズをプラスチ
ック材料で作成した場合の温度・湿度等の環境変化によ
る投写画像の焦点ズレの問題が無視できる。
【0031】また、請求項1から6までの発明に係る
ルチビジョン投写型表示装置は、第3レンズ群の液晶パ
ネル側(小さな共役側)レンズに非球面を導入すること
により、広画角化による軸外収差、特に歪曲収差、非点
収差を良好に補正でき、かつ該非球面レンズをプラスチ
ック材料で作成した場合の温度・湿度等の環境変化によ
る投写画像の焦点ズレの問題が無視できる。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【実施例】小型のリア方式マルチビジョン液晶投写型表
示装置を実現するためには、広角の投写レンズが必要で
ある。従来広角の画像用レンズとしては1眼レフレック
スカメラ用の広角レンズが知られている。しかし、本発
明による液晶投写型表示装置用の投写レンズは、1眼レ
フレックスカメラ用の広角レンズに対して以下の追加仕
様を考慮している。
【0036】(1):諸収差のうち、特に広角レンズで
問題となる歪曲収差を良好に補正し、マルチビジョン投
写した場合の各単位画面を密に配列可能とすること。 (2):折り曲げミラー挿入のために、レンズ系内に十
分な空気間隔が確保できる構成であること。 (3):色合成用のダイクロイックプリズムを挿入する
ために、長いバックフォーカスが確保できること。 (4):ダイクロイックプリズムに対して、軸外光の主
光線が傾いていると色むらが生じる。また、照明光を平
行光(テレセントリック照明)とする場合、液晶パネル
側の軸外光の主光線が傾いていると等価的に軸外のF値
が増加し周辺光量が低下する。このため、投写レンズと
しては液晶パネル側の軸外光の主光線がレンズ光軸に平
行であること(テレセントリック性)が求められる。 (5):広角レンズであっても、周辺照度比が十分確保
できること。本発明による投写レンズは、上記の要求を
みたし、かつ十分な解像力を有するレンズの構成を提供
する。さらに、投写画像の並進を微調整できるレンズの
構成を提供する。
【0037】以下、図面を参照しながら本発明の投写レ
ンズの実施例について説明する。図1から図16は、後
述する本発明の数値実施例に対応するレンズ断面図であ
る。図には描いていないが、図1,図3,図4,図6,
図7,図9,図11,図13,図14の左方、および図
2,図5,図8,図10,図12,図15,図16の上
方にスクリーンがあるものとする。G1はスクリーン側
(大きな共役側)に位置し、負の屈折力を有する第1レ
ンズ群であり、第1レンズL1が非球面レンズとなって
いる。G2は正の屈折力を有する第2レンズ群であり、
液晶パネル3側近傍で、かつ第3レンズ群G3のスクリ
ーン側焦点近傍に絞りASTを有する。G3は液晶パネ
ル3の側(小さな共役側)に位置し正の屈折力を有する
第3レンズ群であり、第9レンズL9が非球面レンズと
なっている。L10は従来例を示す図28におけるダイ
クロイックプリズム15と、液晶パネル3のカバーガラ
ス(図示せず)を合わせた光学厚みを有する平行平板で
ある。
【0038】なお、図1,図2は第1実施例、図3は第
2実施例、図4,図5は第3実施例、図6は第4実施
例、図7,図8は第5実施例、図9,図10は第6実施
例、図11,図12は第7実施例、図13〜図16は第
8実施例の各レンズ断面図である。
【0039】<レンズ群の構成> 1)第1実施例〜第7実施例(図1,図3,図4,図
6,図7,図9,図11参照):第1レンズ群G1は、
レンズ中心近傍が弱い負の屈折力を有し、レンズ周辺部
分が正の屈折力を有する両面非球面非球面の第1レンズ
L1,負の屈折力を持ち小さな共役側に強い凹面を向け
た第2レンズL2,負の屈折力を持ち小さな共役側に凹
面を有する第3レンズL3,負の屈折力を持ち小さな共
役側に凹面を有する第4レンズL4より構成されてい
る。第2レンズ群G2は正の屈折力を持った第5レンズ
L5より構成され、小さな共役側近傍で、かつ第3レン
ズ群G3の大きな共役側の焦点近傍に絞りASTが設け
られている。第3レンズ群G3は、負の屈折力を持ち小
さい共役側に凹面を有する第6レンズL6,正の屈折力
を持ち大きな共役側が凸面で第6レンズL6と接合され
た第7レンズL7,正の屈折力を持った第8レンズL
8,中心近傍にて正の屈折力を有する非球面の第9レン
ズL9より構成されている。
【0040】2)第8実施例(図13,図14参照):
第1〜第3レンズ群G1〜G3は、上記1)項と同じ構
成である。但し、本実施例では、投写画像を微小並進さ
せるレンズとなっている。このために、第1〜第3レン
ズ群G1〜G3および絞りASTを一体的に光軸と垂直
な方向に移動している。図14において、一点鎖線がレ
ンズ系の光軸を示し、破線が液晶パネル3の表示面中心
の法線を示す。
【0041】以上のとおり、各実施例は共に、第1レン
ズL1および第9レンズL9が非球面であり、負の屈折
力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レ
ンズ群G2および第3レンズ群G3の組み合わせでレト
ロフォーカス構成とし、第3レンズ群G3以降に厚い平
行平板L10が挿入でき、かつ、平行平板L10の前後
に適切な空気間隔がとれるだけの大きなバックフォーカ
スを確保している。また、絞りASTは第3レンズ群G
3のスクリーン側(大きな共役側)の焦点近傍に配置さ
れ、液晶パネル3側(小さな共役側)で軸外主光線を光
軸に略平行に保つテレセントリック構成としている。ま
た、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に大き
な空気間隔を確保し、折り曲げミラーMの挿入を可能と
している。
【0042】前述した投写レンズの仕様(1)〜(5)
を達成するために、本レンズ系は第1,第2,第3レン
ズ群G1,G2,G3、および全系の焦点距離をf1,
f2,f3,fとし、第1レンズ群G1と第2レンズ群
G2の空気間隔をD1とするとき、以下の条件式を満足
している。 1.8<D1/f<3.0 ……(1) 1.1<f2/f3<1.6 ……(2) 1.5<|f1|/f<2.3……(3)
【0043】上記条件式の極値の意味を以下に説明す
る。まず第1群レンズ群G1〜第2レンズ群G2間距離
と全系の焦点距離の比を定める(1)式において、
(1)式の上限値を越えるとミラーMの挿入には有利で
あるが、第1レンズ群G1の外径が大きくなり、かつレ
ンズ全長が不必要に大きくなる。逆に(1)式の下限値
を越えるとミラーMの挿入が困難になる。また、必要画
角を満たすためには第1レンズ群G1の負のパワーが強
くなり、軸外収差の補正が困難になる。
【0044】第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の焦
点距離の比を定める(2)式の条件において、(2)式
の上限値を越えると第2レンズ群に比べて第3レンズ群
の正の屈折力分担が強くなりすぎるため、小さな共役側
で軸外主光線を光軸に略平行にしようとすると、小さな
共役側で見た軸外での歪曲収差が樽型に大きく発生し、
その補正が困難となる。逆に(2)式の下限値を越える
と第2レンズ群に比べて第3レンズ群の正の屈折力分担
が弱くなりすぎるので、レトロフォーカス型の構成が弱
くなってバックフォーカスを長く保つのが困難となる。
【0045】ついで、(3)式は、第1レンズ群の全系
に対する焦点距離の比を定めている。(3)式の上限値
を越えると第1レンズ群の負の屈折力分担が弱すぎ、レ
トロフォーカス型の構成が弱くなるのでバックフォーカ
スを長く保つのが困難となる。また、(3)式の上限値
を越える状態で第1レンズ群の屈折力を構成し、所望の
バックフォーカスを確保するには、第1レンズ群と第2
レンズ群間の距離が小さくなりすぎて折り曲げミラーの
挿入が困難となる。逆に、(3)式の下限値を越えると
第1レンズ群の負の屈折力が強くなりすぎ軸外で大きな
非点収差が発生しその補正が困難となる。
【0046】第1レンズ群G1の大きな共役側のレンズ
L1を非球面レンズとする本構成では、L1の焦点距離
f4と全系の焦点距離fの比が(4)式の関係を満たす
ことが望ましい。 |f4|/f>100 ……(4) (4)式の下限値を越えると、非球面レンズL1の軸上
屈折力が強くなりすぎる。このため、L1をプラスチッ
ク材料で作成する場合、温度・湿度等の環境変化による
投写画像の焦点ズレの問題が無視できなくなる。
【0047】第3レンズ群G3の小さな共役側のレンズ
L9を非球面レンズとする本構成では、L9の焦点距離
f5と全系の焦点距離fの比が(5)式の関係を満たす
ことが望ましい。 |f5|/f>10 ……(5) (5)式の下限値を越えると、非球面レンズL9の軸上
屈折力が強くなりすぎる。このため、L9をプラスチッ
ク材料で作成すると、温度・湿度等の環境変化による投
写画像の焦点ズレの問題が無視できなくなる。
【0048】次に、本発明の数値実施例を示す。数値実
施例1ないし数値実施例8に記載した記号の意味は以下
の通りである。なお、焦点距離,倍率はe線(546.
1nm)における値である。 f:投写レンズ全系の焦点距離 θ:投写半画角(大きな共役側) F:基準投写倍率における、実効F値(小さな共役側) β:基準投写倍率 f1:第1レンズ群G1の焦点距離 f2:第2レンズ群G2の焦点距離 f3:第3レンズ群G3の焦点距離 f4:非球面レンズL1の焦点距離 f5:非球面レンズL9の焦点距離 D1:第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間
隔 m:スクリーン側から順次数えた面番号 ri:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ面の曲
率半径 di:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
厚みおよび空気間隔 ni:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
波長587.6nm(d線)に於ける屈折率 νi:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
アッベ数 AST:絞り面
【0049】また、各数値データ中に*で示した非球面
の面形状は、面の中心を原点とし光軸方向をZ軸とした
直交座標系(X,Y,Z)において、rを中心曲率半
径,Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10を各々4
次,6次,8次,10次の非球面係数とするとき、下記
(6),(7)式で表されるものとする。
【0050】
【数1】
【0051】<数値実施例1>図1は実施例1を示す。
また本実施例の数値データを次に示す。図2は図1と同
じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し、光線
を通した変形例である。 f = 20.10 θ=40.72° F = 3.0 β=22.73 f1=-40.85 f2=58.72 f3=48.74 D1=55.00 D1/f=2.74 f2/f3=1.20 |f1|/f=2.03 f4=-2049.96 |f4|/f=101.99 f5= 205.00 |f5|/f= 10.20 m ri di ni νi 1 144.53758 6.52 1.49091 57.8 * 2 124.56847 0.30 * 3 80.12001 2.00 1.69680 55.5 4 33.49008 8.37 5 97.73254 2.00 1.61293 37.0 6 54.64791 0.30 7 57.54407 2.00 1.63854 55.4 8 37.18815 55.00 9 40.36627 2.83 1.80518 25.5 10 253.86377 0.30 11 INF 25.92 AST 12 -32.91364 2.00 1.80518 25.5 13 30.11748 12.65 1.71300 53.9 14 -63.30667 0.50 15 49.75426 14.43 1.69680 55.5 16 -75.75062 0.30 17 88.03700 2.90 1.49091 57.8 * 18 676.25798 6.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 14.049951 0.511784E-05 -0.324162E-08 0.173489E-11 -0.219309E-15 2 -0.947031 0.490511E-05 -0.446777E-08 0.304698E-11 -0.636315E-15 17 -30.000000 0.213445E-05 -0.113398E-07 -0.110003E-11 0.626640E-14 18 30.000000 0.420107E-05 -0.338760E-08 -0.529001E-11 0.878067E-14
【0052】図2において、第1レンズ群最終面中心
(C1)とミラーMの中心(C2)の距離を35.0m
mとした。また、絞りASTは第2レンズ群を構成する
レンズL5の小さな共役側の面の後方0.3mmに配置
している。図2により、第1レンズ群G1と第2レンズ
群G2の間にミラーMの挿入に十分な間隔が確保できて
いることがわかる。軸外の主光線傾角は0.3°以下で
あり、良好なテレセントリック性が得られている。ま
た、図2よりレンズ系の内部(G1〜G2間)ではスク
リーン側(大きな共役側)に出射する光束よりも軸外光
の光軸に対する傾角が小さくなることがわかる。このた
めに、ミラーMは投写レンズ外(スクリーン側)に配置
する場合よりも小型にできる。周辺照度比は、軸外の瞳
収差の効果により最大半画角にて80%以上が得られて
いる。さらに、非球面レンズL1はレンズ中心近傍が弱
い負の屈折力を有し、レンズ周辺部分が正の屈折力を有
し、非球面レンズL9は中心部が正のパワーを有してお
り、液晶パネル側でみた周辺部の負の歪曲収差と高次非
点収差の補正をバランスよく行っている。
【0053】<数値実施例2>図3は実施例2を示す。
また本実施例の数値データを次に示す。 f = 20.10 θ=40.73° F = 3.0 β=22.73 f1=-40.07 f2=59.64 f3=48.85 D1=55.00 D1/f=2.74 f2/f3=1.22 |f1|/f=1.99 f4=-2049.96 |f4|/f=102.01 f5= 205.00 |f5|/f= 10.20 m ri di ni νi 1 146.25448 6.51 1.49091 57.8 * 2 125.88423 0.30 * 3 81.93874 2.00 1.69680 55.5 4 33.52539 8.41 5 100.54363 2.00 1.61293 37.0 6 51.76156 0.30 7 54.34585 2.00 1.63854 55.4 8 36.99495 55.00 9 42.95287 5.00 1.80518 25.5 10 357.98313 0.30 11 INF 25.96 AST 12 -34.07663 2.00 1.80518 25.5 13 30.20282 12.58 1.71300 53.9 14 -67.53304 0.50 15 50.96840 15.00 1.69680 55.5 16 -71.79149 0.30 17 81.31390 3.62 1.49091 57.8 * 18 410.23742 6.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 13.885892 0.521648E-05 -0.398180E-08 0.235195E-11 -0.244395E-15 2 -0.237274 0.499628E-05 -0.654919E-08 0.618932E-11 -0.194218E-14 17 -30.000000 0.438037E-05 -0.168442E-07 -0.156713E-11 0.108017E-13 18 30.000000 0.498639E-05 -0.674091E-08 -0.909031E-11 0.159715E-13
【0054】図3のレンズ断面図は、実施例1を示す図
1とほぼ同等である。本実施例でも、第1レンズ群G1
〜第2レンズ群G2間に実施例1と同量の空気間隔が確
保できており、ミラーMの挿入には問題ない。
【0055】<数値実施例3>図4は実施例3を示す。
また本実施例の数値データを次に示す。図5は図4と同
じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し、光線
を通した変形例である。 f = 20.09 θ=40.73° F = 3.0 β=22.73 f1=-38.11 f2=55.56 f3=50.00 D1=55.00 D1/f=2.74 f2/f3=1.11 |f1|/f=1.90 f4=-2049.96 |f4|/f=102.05 f5= 205.00 |f5|/f= 10.20 m ri di ni νi 1 167.21861 7.00 1.49091 57.8 * 2 141.49277 0.30 * 3 81.21689 2.00 1.69680 55.5 4 33.36225 6.08 5 61.73065 2.00 1.61293 37.0 6 48.27901 2.41 7 75.78143 2.00 1.63854 55.4 8 35.19476 55.00 9 41.59238 3.50 1.69894 30.1 10 -640.52751 2.10 11 INF 26.19 AST 12 -29.72193 2.11 1.78472 25.7 13 31.79942 12.65 1.69680 55.5 14 -58.28475 0.50 15 49.22762 15.00 1.64850 53.0 16 -68.02103 0.30 17 84.67134 2.83 1.49091 57.8 * 18 516.66369 6.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 18.273463 0.592629E-05 -0.431832E-08 0.257940E-11 -0.365463E-15 2 3.707776 0.594675E-05 -0.712662E-08 0.623619E-11 -0.197372E-14 17 -30.000000 0.411329E-05 -0.168705E-07 -0.332521E-11 0.117636E-13 18 30.000000 0.529834E-05 -0.801132E-08 -0.785035E-11 0.146477E-13
【0056】図4において、第1レンズ群最終面中心
(C1)とミラーMの中心(C2)の距離は35.0m
mである。また、絞りASTは第2レンズ群を構成する
レンズL5の小さな共役側の面の後方2.1mmに配置
している。図5により、第1レンズ群G1と第2レンズ
群G2の間にミラーMの挿入に十分な間隔が確保できて
いることがわかる。軸外の主光線傾角は0.2°以下で
あり、良好なテレセントリック性が得られている。周辺
照度比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画角にて8
0%以上が得られている。
【0057】<数値実施例4>図6は実施例4を示す。
また本実施例の数値データを次に示す。 f = 20.09 θ=40.73° F = 3.0 β=22.73 f1=-38.15 f2=55.29 f3=50.00 D1=55.00 D1/f=2.74 f2/f3=1.11 |f1|/f=1.90 f4=-2049.96 |f4|/f=102.05 f5= 204.99 |f5|/f= 10.21 m ri di ni νi 1 169.48326 7.00 1.49091 57.8 * 2 143.16057 0.30 * 3 81.47967 2.00 1.69680 55.5 4 33.42615 5.88 5 59.97288 2.00 1.61293 37.0 6 47.80968 2.55 7 76.91826 2.00 1.63854 55.4 8 35.11541 55.00 9 41.53543 3.50 1.69894 30.1 10 -604.13521 1.99 11 INF 25.79 AST 12 -30.31429 2.79 1.78472 25.7 13 31.43325 12.65 1.69680 55.5 14 -60.88761 0.50 15 48.60276 15.00 1.64850 53.0 16 -69.43146 0.30 17 82.49091 2.82 1.49091 57.8 * 18 444.10635 6.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 19.072972 0.595539E-05 -0.435982E-08 0.257916E-11 -0.353528E-15 2 3.594281 0.599511E-05 -0.721013E-08 0.628832E-11 -0.195026E-14 17 -27.952219 0.444726E-05 -0.167489E-07 -0.347749E-11 0.114415E-13 18 30.000000 0.567467E-05 -0.795368E-08 -0.781468E-11 0.144074E-13
【0058】図6のレンズ断面図は、実施例3を示す図
4とほぼ同等である。本実施例でも、第1レンズ群G1
〜第2レンズ群G2間に実施例3と同量の空気間隔が確
保できており、ミラーMの挿入には問題ない。
【0059】<数値実施例5>図7は実施例5を示す。
また本実施例の数値データを次に示す。図8は図7と同
じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し、光線
を通した変形例である。 f = 20.06 θ=40.76° F = 3.0 β=22.73 f1=-38.21 f2=55.50 f3=50.00 D1=55.00 D1/f=2.74 f2/f3=1.11 |f1|/f=1.90 f4=-2049.95 |f4|/f=102.18 f5= 205.00 |f5|/f= 10.22 m ri di ni νi 1 200.38649 6.50 1.49091 57.8 * 2 165.43377 0.30 * 3 79.64856 2.00 1.74400 44.9 4 34.12410 6.02 5 63.80568 2.00 1.71300 53.9 6 41.19482 2.99 7 66.05494 2.00 1.56384 60.8 8 38.54791 55.00 9 41.34907 3.50 1.71736 29.5 10 -1315.30505 3.05 11 INF 25.60 AST 12 -29.19360 2.41 1.78472 25.7 13 31.93897 12.85 1.69680 55.5 14 -56.76985 0.50 15 48.11803 15.00 1.63854 55.4 16 -69.68377 0.30 17 88.42674 2.82 1.49091 57.8 * 18 700.45438 6.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 27.099756 0.630158E-05 -0.479976E-08 0.295832E-11 -0.417643E-15 2 9.456317 0.599491E-05 -0.756318E-08 0.682710E-11 -0.217979E-14 17 -29.508077 0.557801E-05 -0.169219E-07 -0.653153E-11 0.135063E-13 18 30.000000 0.778203E-05 -0.105712E-07 -0.771268E-11 0.146458E-13
【0060】図8において、第1レンズ群最終面中心
(C1)とミラーMの中心(C2)の距離は35.0m
mである。また、絞りASTは第2レンズ群を構成する
レンズL5の小さな共役側の面の後方3.05mmに配
置している。図8により、第1レンズ群G1と第2レン
ズ群G2の間にミラーMの挿入に十分な間隔が確保でき
ていることがわかる。軸外の主光線傾角は0.3°以下
であり、良好なテレセントリック性が得られている。周
辺照度比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画角にて
81%以上が得られている。
【0061】<数値実施例6>図9は実施例6を示す。
また、本実施例の数値データを次に示す。本実施例では
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔d8(=D
1)は50.0mmであり、実施例1〜実施例5よりも
5.0mm小さい間隔となっている。図10は図9と同
じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し、光線
を通した変形例である。 f = 20.00 θ=40.87° F = 3.0 β=22.73 f1=-35.70 f2=55.50 f3=50.00 D1=50.00 D1/f=2.50 f2/f3=1.11 |f1|/f=1.78 f4=-2049.95 |f4|/f=102.50 f5= 204.99 |f5|/f= 10.25 m ri di ni νi 1 699.24232 6.41 1.49091 57.8 * 2 412.01572 0.30 * 3 80.66004 2.50 1.69680 55.5 4 31.67874 7.54 5 78.70230 2.50 1.61293 37.0 6 52.55744 1.20 7 62.73434 2.50 1.63854 55.4 8 33.61138 50.00 9 44.45248 4.00 1.69894 30.1 10 -312.40651 0.72 11 INF 27.53 AST 12 -32.78267 2.50 1.78472 25.7 13 33.16621 12.21 1.69680 55.5 14 -61.87310 0.30 15 47.63476 15.00 1.63854 55.4 16 -71.98256 0.30 17 82.98694 2.79 1.49091 57.8 * 18 459.11977 6.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 16.490954 0.808713E-05 -0.618187E-08 0.402789E-11 -0.720705E-15 2 0.070528 0.773877E-05 -0.919467E-08 0.830007E-11 -0.285502E-14 17 -30.000000 0.873630E-05 -0.240649E-07 -0.131285E-10 0.272775E-13 18 30.000000 0.104440E-04 -0.175524E-07 -0.128337E-10 0.264017E-13
【0062】図10において、第1レンズ群最終面中心
(C1)とミラーMの中心(C2)の距離を32.0m
mとした。また、絞りASTは第2レンズ群を構成する
レンズL5の小さな共役側の面の後方0.72mmに配
置している。図10により、第1レンズ群G1と第2レ
ンズ群G2の間にミラーMの挿入に十分な間隔が確保で
きていることがわかる。軸外の主光線傾角は0.2°以
下であり、良好なテレセントリック性が得られている。
周辺照度比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画角に
て80%以上が得られている。
【0063】<数値実施例7>図11は実施例7を示
す。また本実施例の数値データを次に示す。本実施例で
は第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔d8(=
D1)は48.5mmであり、実施例1〜実施例5より
も6.5mm小さい間隔となっている。また、本実施例
では第3レンズ群G3と平行平板L10の間隔d18は
11.0mmであり、実施例1〜実施例6よりも5.0
mm大きい間隔となっている。図12は図11と同じ構
成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し、光線を通
した変形例である。 f = 19.97 θ=40.91° F = 3.0 β=22.73 f1=-34.19 f2=59.31 f3=50.00 D1=48.50 D1/f=2.43 f2/f3=1.19 |f1|/f=1.71 f4=-2049.95 |f4|/f=102.66 f5= 217.20 |f5|/f= 10.88 m ri di ni νi 1 10133.99691 6.44 1.49091 57.8 * 2 918.67295 0.30 * 3 91.29158 2.50 1.69680 55.5 4 30.55128 8.03 5 82.06807 2.50 1.61293 37.0 6 57.09781 0.80 7 63.17290 2.50 1.63854 55.4 8 34.25805 48.50 9 55.99976 4.50 1.69894 30.1 10 -159.05328 4.96 11 INF 25.70 AST 12 -38.41747 4.50 1.78472 25.7 13 34.29676 12.54 1.69680 55.5 14 -82.22438 0.30 15 51.10917 16.00 1.63854 55.4 16 -64.18314 0.30 17 86.97034 2.80 1.49091 57.8 * 18 458.41195 11.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 30.000000 0.818671E-05 -0.569060E-08 0.376350E-11 -0.800916E-15 2 30.000000 0.719910E-05 -0.665014E-08 0.540966E-11 -0.191931E-14 17 -29.618780 0.930485E-05 -0.204868E-07 -0.210749E-10 0.297159E-13 18 30.000000 0.108415E-04 -0.151952E-07 -0.210847E-10 0.310660E-13
【0064】図12において、第1レンズ群最終面中心
(C1)とミラーMの中心(C2)の距離を32.0m
mとした。また、絞りASTは第2レンズ群を構成する
レンズL5の小さな共役側の面の後方4.96mmに配
置している。図12により、第1レンズ群G1と第2レ
ンズ群G2の間にミラーMの挿入に十分な間隔が確保で
きていることがわかる。軸外の主光線傾角は0.3°以
下であり、良好なテレセントリック性が得られている。
周辺照度比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画角に
て81%以上が得られている。
【0065】<数値実施例8>図13,図14は実施例
8を示す。本実施例は投写画像を並進させる機能を持つ
レンズであり、図14は図13の第1〜第3レンズ群G
1〜G3および絞りASTを一体的に光軸と垂直な方向
に3.5mm移動している。図14において、一点鎖線
がレンズ系の光軸を示し、破線が液晶パネル3の表示面
中心の法線を示している。また本実施例の数値データを
次に示す。図15,図16はそれぞれ図13,図14と
同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し、光
線を通した変形例である。 f = 20.09 θ=40.73° F = 3.00 β=22.73 f1=-38.02 f2=55.50 f3=50.00 D1=55.00 D1/f=2.74 f2/f3=1.11 |f1|/f=1.89 f4=-2049.96 |f4|/f=102.03 f5= 207.23 |f5|/f= 10.31 m ri di ni νi 1 164.02814 7.00 1.49091 57.8 * 2 139.13222 0.30 * 3 81.27125 2.00 1.69680 55.5 4 33.51374 7.13 5 76.74242 2.00 1.61293 37.0 6 46.43924 1.53 7 59.69807 2.00 1.63854 55.4 8 35.34112 55.00 9 42.28191 4.00 1.69894 30.1 10 -498.63001 2.15 11 INF 26.03 AST 12 -30.09670 3.01 1.78472 25.7 13 32.81563 12.45 1.69680 55.5 14 -59.44211 0.50 15 47.98450 15.00 1.63854 55.4 16 -69.20724 0.30 17 88.27549 2.78 1.49091 57.8 * 18 643.08057 6.00 * 19 INF 38.00 1.51680 64.2 20 INF <非球面係数> m K A4 A6 A8 A10 1 17.041178 0.591051E-05 -0.487677E-08 0.302565E-11 -0.340027E-15 2 0.986328 0.621784E-05 -0.917537E-08 0.936190E-11 -0.322040E-14 17 -29.951620 0.665213E-05 -0.190228E-07 -0.991913E-11 0.183491E-13 18 30.000000 0.899955E-05 -0.129477E-07 -0.100556E-10 0.185599E-13
【0066】図15,図16において、第1レンズ群最
終面中心(C1)とミラーMの中心(C2)の距離を3
5.0mmとした。また、絞りASTは第2レンズ群を
構成するレンズL5の小さな共役側の面の後方2.15
mmに配置している。図15,図16により、第1レン
ズ群G1と第2レンズ群G2の間隔にミラーMが挿入で
きることがわかる。
【0067】本変形例では投写画像を並進させるため
に、第1〜第3レンズ群G1〜G3および絞りASTを
一体的に光軸と垂直な方向に3.5mm移動している。
これにより、液晶パネル3側のテレセントリック性を保
ったまま投写画像を83.0mm並進できる。本レンズ
の投写画像並進機能は、後述するマルチビジョンプロジ
ェクタに求められる投写画像微小並進調整機能を十分に
満たすものである。
【0068】図17〜図23は、それぞれ実施例1〜実
施例7に対応する小さな共役側でみた収差曲線図であ
る。また、図24,図25は、実施例8の各状態に対応
する小さな共役側で見た収差曲線図である。球面収差図
は(WL1=610nm,WL2=546.1nm,W
L3=470nm)の3波長について示し、非点収差,
歪曲収差は546.1nm(e線)について示してい
る。図17〜図25における各収差は十分実用に供され
るものである。
【0069】なお、以上の各実施例においては、絞りA
STは第2レンズ群G2のレンズL5の後方に独立して
設けたが、レンズL5の小さな共役側の面の外径で代用
してもよいし、レンズL5を保持する鏡筒(図示せず)
の構造により絞り機能を実現してもよい。特に、前述し
た実施例1,実施例2,実施例6の如く絞りが第5レン
ズL5の直後に配置されるレンズ構成においては、この
ような代替絞り手段が有効である。なお、実施例1〜実
施例8において、スクリーンから第1レンズL1に至る
距離が変化した場合のフォーカス調整は、第1レンズ群
G1全体を一体的に光軸方向に変位させるか、レンズ群
G1,G2,G3を一体的に平行平板L10に対して光
軸方向に移動させる方法が有効である。
【0070】3)第9実施例(図26,図27参照):
図26は本発明によるマルチビジョン投写型表示装置の
実施例の構成図であり、図26(a)は側面図を、図2
6(b)は正面図を示す。図において300a〜300
dは筐体200a〜200dと投写レンズ4a〜4dよ
り構成された投写器、41a〜41dは投写レンズ4a
〜4dに内蔵された折り曲げミラー、5は透過型スクリ
ーン、170はキャビネットであり投写器300a〜3
00dを内蔵しスクリーン5を保持している。また、図
27は投写器300a〜300dの内部構成を示す図で
あり、図27(a)は投写レンズ4a〜4d以前の光学
系が配置された面の平面図、図27(b)は側面図であ
る。図において、120はランプ、130は楕円鏡、1
31はコンデンサレンズである。14GB,14Gはダ
イクロイックミラー、11a,11b,11c,11d
はミラー、3R,3G,3Bは液晶パネル、15はダイ
クロイックプリズムである。また、4は投写レンズであ
り、折り曲げミラー41、および絞りASTを内蔵して
おり、詳細構成は実施例1〜8で述べた通りである。
【0071】次に、本実施例の動作について説明する。
図27において、メタルハライドランプ,キセノンラン
プ,ハロゲンランプ等の白色光源120から出射した光
束は楕円鏡130で反射後集光され、ミラー11aで反
射されてコンデンサレンズ131に入射し、平行照明光
束に変換される。平行照明光束は緑・青色光を反射し、
赤色光を透過するダイクロイックミラー14GB、およ
び緑色光を反射し青色光を透過するダイクロイックミラ
ー14Gによって赤・緑・青の3原色に分解される。赤
色光はミラー11bによって光路を曲げられて液晶パネ
ル3Rに照射され、青色光はミラー11c,11dによ
って光路を曲げられて液晶パネル3Bに照射され、緑色
光はダイクロイックミラー14Gで反射されて液晶パネ
ル3Gに照射される。このように液晶パネルはコンデン
サレンズ131により平行光で照明される(テレセント
リック照明系)ので、ダイクロイックミラー14GB,
14Gの分光特性に入射角依存性があっても、均一な色
度の光で照明が可能である。また、液晶パネル3R,3
G,3Bの表示特性に照明光の入射角依存性がある場合
にでも、照明光が平行なのでパネルの表示面内で均一な
表示が得られる。
【0072】液晶パネルの画像で変調された透過光は、
公知のダイクロイックプリズム15により合成され、投
写レンズ4に入射する。前述したとおり、投写レンズ4
の内部には折り曲げミラー41が内蔵されており、ミラ
ーの前後にレンズ系を有している(レンズ系は図示省
略)。図27(b)では典型的な例として、折り曲げミ
ラー41の傾角が45°の場合を図示した。上記合成光
束は折り曲げミラー41によって90°折り曲げられ、
図27(b)のように投写光110が投写レンズ4より
出射される。なお、投写レンズ4以前の光学系は、図2
7(a)に平面図を示すように、筐体200の底面20
1(図27(b)参照)に平行な平面内に配置されてい
る。
【0073】前述した通り、絞りASTは投写レンズの
F値を決め、かつ液晶パネルの各点から投写レンズに入
射する光束の主光線をレンズ光軸に平行にする働きがあ
る。絞りASTにより主光線が平行になるので、ダイク
ロイックプリズム15を透過する光束に入射角のむらが
なくなり、ダイクロイックプリズム15の分光特性の入
射角依存性による投写画像の色むらをなくすことができ
る。
【0074】次に、セット全体の動作について図26に
より説明する。投写器300a〜300dのうち、第1
の折り曲げミラー41a〜41d以前の部分(筐体20
0a〜200d)は、スクリーン側から見た正面図(図
26(b))において、筐体200a,200bはそれ
ぞれ投写器300a,300bが形成する単位画面11
2a,112bの中央より下方の左側半分に、また、筐
体200c,200dはそれぞれ投写器300c,30
0dが形成する単位画面112c,112dの中央より
上方の右側半分に配置されている。第1の折り曲げミラ
ー41a〜41dによって投写レンズ4a〜4d内で折
り曲げられた光束は投写光110a〜110dとして鉛
直上方向もしくは鉛直下方向に折り曲げられて出射し、
側面図(図26(a))に示すように第2の折り曲げミ
ラー160a,160bによってスクリーン5側に折り
曲げられ、スクリーン5上に拡大単位画像112a〜1
12dが形成される。単位画面の配列個数は、図26は
縦2×横2の例であるが、これ以外の構成であっても問
題ない。
【0075】なお、第2の折り曲げミラー160a,1
60bは図26のように部品点数の削減およびキャビネ
ット170への取り付けの簡略化のために横方向で共通
としてあってもよいし、または各単位画面112a〜1
12d毎に別個のミラーを配置してもよい。また、第2
の折り曲げミラー160a,160bは長方形でもよ
く、投写光110a〜110dの入射範囲だけに反射面
があればよい。そこで、図26(b)に破線で示したよ
うに台形状のミラーを使用すればミラー面積を長方形に
したときよりも低減できるので、セットの軽量化に有効
である。スクリーン5は全体が一体でもよいし、上下ま
たは左右で2分割してあってもよく、また、単位画面1
12a〜112d毎に別個のスクリーンを縦横に配列し
てもよい。キャビネット170は全体が一体でもよい
し、各単位画面112a〜112d毎に各々が別体の箱
状のものを縦横に配列した構造、または隣接するものど
うしを箱状に一体化してこれらを配列した構造であって
もよい。
【0076】前述した通り、折り曲げミラーをレンズ内
に実装するとレンズ系内部での軸外光の光軸に対する傾
角はレンズの出射光の光軸に対する傾角よりも小さくで
きるので、第1の折り曲げミラー41a〜41dを小型
にできる。しかも筐体200a〜200dを各単位画面
112a〜112dの中央よりも下側または上側の左半
分もしくは右半分に収納すれば、キャビネット170の
スクリーン5よりも下の部分171および上の部分17
3が小さくできるので、セット高さHの低減が容易であ
る。
【0077】奥行きDを小さくする点については、第2
の折り曲げミラー160a,160bの垂直線に対する
角度θ1(図26(a))を45°以下にすることが有
効である。そのためには、筐体200a〜200dの底
面201a〜201d(201b,201dは図示せ
ず)とキャビネットの底面172または上面174(水
平方向に一致)とのなす角θ2を、一点鎖線で示す投写
光束の中心線111a〜111d(111b,111d
は図示せず)が垂直よりもセット後方に傾くように設定
すべきである。このためにはθ2≧0°とすればよい。
図26では便宜上スクリーン5に入射する投写光の中心
線を水平方向に一致するように描いたが、必ずしもこの
限りではなく、中心線の延長線が鑑賞者の目の位置とな
るように設定することが望ましい。
【0078】高さHを小さくするには、筐体200a〜
200dをできるだけ薄くすることが必要である。この
ために、図27の実施例では投写レンズ4以前の光学系
を投写レンズ4の出射光の中心線111と直交する平面
(図27(a))内に配置し、筐体200の厚みHpを
小さくしている。なお、図27(b)で、201は筐体
200の底面であり、投写光の中心線111と直交して
いる。つまり、底面201は平面図を示す図27(a)
と平行な面内に配置されている。図27と同一の光学部
品を用いて、筐体200を投写レンズ4の光軸回りに9
0°回転した光学系の配置も考えられるが、この場合、
筐体200の幅Wpが高さHpよりも大きいので、図2
6の構成に適用してマルチビジョン投写型表示装置全体
の高さHを小さくする上では不利である。
【0079】また、スクリーン5はNTSC方式の装置
では4:3,HDTV方式の装置では16:9の寸法比
を有しており、長手方向が水平方向に設定されている。
図27(b)に示したように、投写器300内部で液晶
パネルの画像表示面の長手方向が上下方向となるように
配置すれば、第1の折り曲げミラー41での反射によっ
て投写画像の長手方向がスクリーンの長手方向(水平方
向)と一致するように方向が変換されるので都合がよ
い。
【0080】さらに、図26ではキャビネット170内
部の下側の投写器300a,300bは各単位画面11
2a,112bの中央よりも下方の左側に筐体200
a,200bを配置し、かつ上側の投写器300c,3
00dは各単位画面112c,112dの中央より上方
の右側に筐体200c,200dを配置する例を示した
が、筐体200a〜200dを各単位画面112a〜1
12dの中央に対し、各々左右反対側に配置しても本発
明の効果に変わりはない。
【0081】また、上側の投写器300c,300dは
各単位画面112c,112dの中央よりも上半分に配
置されているが、キャビネット170内部の第2の折り
曲げミラー160aの上方にキャビネット底面172お
よび上面174と平行な平面を設け、該平面上に筐体2
00c,200dを配置することにより、投写器300
c,300dを各単位画面112c,112dの中央よ
りも下半分に配置しても本発明の効果に変わりはない。
但し、この場合、上側の第2の折り曲げミラー160b
は、下側の第2の折り曲げミラー160aと平行にキャ
ビネット170内に配置することになる。
【0082】以上のような筐体内の光学系の配置のもと
で、セット全体の高さを低減するには図26中で筐体2
00a〜200dの底面201a〜201d(201
b,201dは図示せず)とキャビネット170の底面
172もしくは上面174(図では便宜上水平線の方向
と一致させている)とのなす角θ2を適当に設定する必
要がある。図26は第1の発明(実施例1)の投写レン
ズを用いて、全画面サイズの対角60インチ(各単位画
面サイズの対角30インチ),縦横比3:4の装置を構
成した例であり、図中θ1=40°,θ2=10°とし
て描いている。この条件では、セット高さH=1080
mm,奥行きD=280mmが得られた。
【0083】また、同じく全画面サイズ60インチでθ
1=45°,θ2=0°とすることにより、高さH=1
000mm,奥行きD=330mmとなり、奥行きは上
記例よりも増加するが、セット高さが低減できることが
わかった。但し、この例では投写器底面が水平方向と一
致するので、セットの組立、検査等が容易になり、奥行
きの増加を許容できれば製造上好ましい構成といえる。
前述のセットの奥行きを小さくする条件(θ2≧0°)
を勘案すると、セットの奥行きと高さとをバランスよく
低減するためには以下の条件式を満たすことが望まし
い。 0°≦θ2≦20° ……(8) 条件式(8)の下限値を越えるとセットの奥行きが不必
要に大きくなる。また、条件式(8)の上限値を越える
と、セット高さが不必要に増加する、筐体200a〜2
00dがスクリーン5への入射光を遮る、スクリーン5
の面を越えて筐体200a〜200dがセット前方には
み出す等の不都合が生ずる。
【0084】さらに、図26において、投写レンズ4a
〜4dをそれぞれ該投写レンズの第1の折り曲げミラー
41a〜41d以前の液晶パネル側(小さな共役側)の
光軸と垂直な方向に移動することにより、スクリーン5
上に投写された単位画面112a〜112dのスクリー
ン面内における位置を調整できるようになる。この調整
法は、第1の発明の実施例8で述べたレンズが持つ投写
画像並進機能を利用している。これにより単位投写画面
112a〜112dの相対位置を各々調整し縦横に密に
配列すれば、単位画面間の継ぎ目を最も見えにくくし、
且つ隣接画面間の画素の相対位置を最適な状態に調整で
きる。
【0085】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1の発明
に係るマルチビジョン投写型表示装置によれば、奥行き
が小さく、しかも単位画面間の継ぎ目が小さなマルチビ
ジョン投写型表示装置を実現できる。
【0086】また、請求項1の発明に係るマルチビジョ
ン投写型表示装置によれば、各投写手段投写レンズ
前の光学系を各投写レンズ出射光の中心光線と直交する
各平面内に配置して、この各平面とキャビネットの奥行
き方向とのなす角を適切に設定することにより、高さ方
向および奥行き方向の小さなマルチビジョン投写型表示
装置を実現できる。
【0087】また、請求項1の発明に係るマルチビジョ
ン投写型表示装置によれば、各投写手段投写レンズ
投写レンズの第1ミラー以前の小さな共役側の光軸と
垂直な方向に移動させることにより、各投写手段の投写
光によって形成された隣接する各単位画面を並進させ、
縦横に密に配列することで各単位画面間の継ぎ目が小さ
く、且つ各画面間の画素ズレが小さなマルチビジョン投
写型表示装置が実現できる。
【0088】また、請求項の発明に係るマルチビジョ
ン投写型表示装置によれば、透過型スクリーン上に縦横
に密に配列された各単位画面のうち、横方向に配列され
た該単位画面を投写するために各投写レンズから出射し
た投写光を反射する第1のミラー手段を、一体のミラー
としてキャビネット内部に配置することにより、部品点
数の削減およびキャビネットへの第2の折り曲げミラー
の取り付けが簡略化できる。
【0089】また、請求項1から6までの発明に係るマ
ルチビジョン投写型表示装置によれば、第1レンズ群の
大きな共役側のレンズおよび第3レンズ群の小さな共役
側のレンズを共に非球面レンズとすることにより、広画
角性と高度な結像特性とを両立できる。
【0090】また、請求項1から6までの発明に係るマ
ルチビジョン投写型表示装置によれば、投写レンズ手段
におけるレトロフォーカス型レンズの屈折力配置を特定
することにより、折り曲げミラーを第1レンズ群、第2
レンズ群間に挿入可能とし、ダイクロイックプリズムの
挿入に十分なバックフォーカスを確保した広角投写が可
能になる。
【0091】また、請求項1から6までの発明に係るマ
ルチビジョン投写型表示装置によれば、投写レンズ手段
における第1レンズ群の大きな共役側の非球面レンズを
プラスチック材料で作成した場合の温度・湿度等の環境
変化による投写画像の焦点ズレの問題を起こすことなく
広画角性と高度な結像特性とを両立できる。
【0092】また、請求項1から6までの発明に係るマ
ルチビジョン投写型表示装置によれば、投写レンズ手段
における第3レンズ群の小さな共役側の非球面レンズを
プラスチック材料で作成した場合の温度・湿度等の環境
変化による投写画像の焦点ズレの問題を起こすことなく
広画角性と高度な結像特性とを両立できる。
【0093】
【0094】
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図2】 実施例1の変形例によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図3】 この発明の実施例2によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図4】 この発明の実施例3によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図5】 実施例3の変形例によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図6】 この発明の実施例4によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図7】 この発明の実施例5によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図8】 実施例5の変形例によるレトロフォーカス型
レンズの断面図である。
【図9】 この発明の実施例6によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図10】 実施例6の変形例によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図11】 この発明の実施例7によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図12】 実施例7の変形例によるレトロフォーカス
型レンズの断面図である。
【図13】 この発明の実施例8の第1の構成例による
レトロフォーカス型レンズの断面図である。
【図14】 この発明の実施例8の第2の構成例による
レトロフォーカス型レンズの断面図である。
【図15】 実施例8の第1の変形例によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図16】 実施例8の第2の変形例によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図17】 実施例1のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図18】 実施例2のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図19】 実施例3のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図20】 実施例4のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図21】 実施例5のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図22】 実施例6のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図23】 実施例7のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図24】 実施例8のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図25】 実施例8のレトロフォーカス型レンズの諸
収差図である。
【図26】 この発明の実施例9によるマルチビジョン
投写型表示装置の全体構成図である。
【図27】 実施例9のマルチビジョン投写型表示装置
を構成する投写器の構成図である。
【図28】 従来の液晶投写型表示装置の投写器の構成
図である。
【図29】 従来の投写型表示装置の全体構成図であ
る。
【符号の説明】
3R,3G,3B 画像表示デバイス、4,4a,4
b,4c,4d 投写レンズ、5 透過型スクリーン、
15 ダイクロイックプリズム、41,41a,41
b,41c,41d 第1の折り曲げミラー手段、11
0,110a,110b,110c,110d 投写
光、111,111a,111b,111c,111d
投写光の中心光線、112a,112b,112c,
112d 単位投写画面、120 ランプ、160,1
60a,160b 第2の折り曲げミラー手段、170
キャビネット手段、200,200a,200b,2
00c,200d 筐体手段、300,300a,30
0b,300c,300d 投写器、M 折り曲げミラ
ー、AST 絞り手段、G1 第1レンズ群、G2 第
2レンズ群、G3 第3レンズ群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03B 21/00 G09F 9/00 360D G09F 9/00 360 H04N 5/64 501B H04N 5/64 501 9/31 B 9/31 C G02F 1/1335 530 (56)参考文献 特開 平8−201688(JP,A) 特開 平6−138386(JP,A) 特開 平4−86643(JP,A) 実開 平5−21246(JP,U) 実開 平2−75630(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示デバイスと該画像表示デバイス
    に表示された画像を拡大投写する投写レンズとを有する
    投写手段を複数個と、 該各投写手段の前記投写レンズ以前の光学系を保持する
    筐体手段と、 前記各投写レンズの内部に設けられ、光路を反射して折
    り曲げる第1のミラー手段と、 前記各投写レンズから出射する投写光の光路を反射して
    折り曲げる第2のミラー手段と、 前記第2のミラー手段によって反射した前記投写光が入
    射して、該各投写手段の投写画像で形成された隣接する
    各単位画面を縦横に密に配列して拡大画像を形成する透
    過型スクリーンと、 前記第2のミラー手段と前記透過型スクリーンとを保持
    するキャビネット手段とを有するマルチビジョン投写型
    表示装置において、 前記各筐体手段が前記各単位画面の中央部よりも上側の
    左側若しくは右側又は下側の左側若しくは右側に実装さ
    れ、前記第1のミラー手段によって前記各投写レンズよ
    り出射する投写光を略上方向又は略下方向に折り曲げた
    後、前記第2のミラー手段で投写光路を略水平方向に折
    り曲げて前記透過型スクリーンに入射させるように構成
    され、前記各投写手段の前記第1のミラー手段以前の部
    分の各光学系が前記各投写レンズの出射光の中心光線と
    直交する各平面内に配置されており、 該光学系の配置される各平面と略平行に設けられた前記
    各筐体手段の底面部と、前記キャビネット手段の底面部
    又は上面部とのなす角θ2が所定の角度範囲内に設定さ
    れており、 前記角度θ2の設定により、前記各投写レンズ出射光の
    中心光線が垂直方向か垂直方向よりも装置の背面側に傾
    いて出射するように構成し、前記θ2が、0°≦θ2≦
    20°なる条件を満足し、 前記各投写レンズが、負の屈折力を有する第1レンズ群
    と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を
    有する第3レンズ群とを大きな共役側から順に 配置した
    レトロフォーカス型レンズであり、 前記第1レンズ群は、大きな共役側から順に、大きな共
    役側に最も近くに配置されレンズ中心近傍が弱い負の屈
    折力を有し、レンズ周辺部分が正の屈折力を有する両面
    非球面の第1レンズと、負の屈折力を持ち小さな共役側
    が凹面状の第2レンズと、負の屈折力を持ち小さな共役
    側に凹状の第3レンズと、負の屈折力を持ち小さな共役
    側に凹状の第4レンズとを有し、 前記第2レンズ群は、正の屈折力を持つ第5レンズを有
    し、 前記第3レンズ群は、大きな共役側から順に、負の屈折
    力を持ち小さな共役側に凹状の第6レンズと、正の屈折
    力を持ち大きな共役側に凸状の第7レンズと、正の屈折
    力を持つ第8レンズと、小さな共役側に最も近くに配置
    され中心近傍にて正の屈折力を有する両面非球面の第9
    レンズとを有し、 f1を前記第1レンズ群の焦点距離、f2を前記第2レ
    ンズ群の焦点距離、f3を前記第3レンズ群の焦点距
    離、fを全レンズ系の焦点距離、D1を前記第1レンズ
    群と前記第2レンズ群との間の空気間隔としたときに、
    下記の条件式 1.1<f2/f3≦1.22 2.43≦D1/f≦2.74 1.71≦|f1|/f≦2.03 を満足する ことを特徴とするマルチビジョン投写型表示
    装置。
  2. 【請求項2】 前記各投写手段の前記投写レンズを該投
    写レンズの前記第1のミラー手段以前の小さな共役側の
    光軸と垂直な方向に移動させることにより、前記各投写
    手段の投写画像で形成された隣接する各単位画面を前記
    透過型スクリーン面内で並進させ、該単位画面を縦横に
    密に配列させる調整機構を備えたことを特徴とする請求
    項1に記載のマルチビジョン投写型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記透過型スクリーン上に縦横に密に配
    列された前記各単位画面のうち、横方向に配列された該
    単位画面を投写するために前記各投写レンズから出射し
    た投写光を反射する前記第2の折り曲げミラー手段を、
    一体のミラー手段としてキャビネット手段内部に配置し
    たことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の
    マルチビジョン投写型表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第1レンズの焦点距離をf4とした
    ときに、下記の条件式 |f4|/f>100 を満足することを特徴とする請求項1から3までのいず
    れか一つに記載のマルチビジョン投写型表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第9レンズの焦点距離をf5とした
    ときに、下記の条件式 |f5|/f>10 を満足することを特徴とする請求項1から4までのいず
    れか一つに記載のマルチビジョン投写型表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第2レンズ群の近傍で、かつ前記第
    3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍に配設された絞り
    手段を備えたことを特徴とする請求項1から5までのい
    ずれか一つに記載のマルチビジョン投写型表示装置。
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