JP3283921B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP3283921B2
JP3283921B2 JP25361992A JP25361992A JP3283921B2 JP 3283921 B2 JP3283921 B2 JP 3283921B2 JP 25361992 A JP25361992 A JP 25361992A JP 25361992 A JP25361992 A JP 25361992A JP 3283921 B2 JP3283921 B2 JP 3283921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型複写機やページプ
リンタ等の画像形成装置に用いられる現像装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の磁性一成分現像剤の現像装置の一
例を図13に示す。現像装置9はホッパー2と現像剤担
持体たる現像スリーブ3とを備えており、潜像担持体た
る感光ドラム8上に形成した潜像に現像剤たるトナー4
を供給して可視化せしめるようになっている。
【0003】上記ホッパー2内には現像剤搬送手段5が
設けられており、該ホッパー2内のトナーを現像スリー
ブ3へ搬送する。該現像スリーブ3は中空の円筒で、円
筒の軸を中心に一定速度で回転し、トナー4を現像位置
まで搬送する。これは、現像スリーブ3の内部に設置さ
れた多極マグネット6により上記トナー4を該現像スリ
ーブ3上に保持することにより行われる。
【0004】一方、トナー4は現像位置へ搬送される途
上で現像スリーブ3に近接もしくは接触するように設置
されている現像剤規制部材たる現像ブレード7により、
塗布量を制限されると共に現像スリーブ3上に均一に塗
布される。また、トナー4は現像スリーブ3上に搬送さ
れる過程で現像スリーブ3の表面、弾性ブレード7もし
くはトナー自身に摺擦され帯電し、感光ドラム8上に形
成した潜像の可視化に供せられる。
【0005】以上のような現像装置は小型の複写機及び
ページプリンタに用いられるが、最近ではメンテナンス
を容易にするため、上記現像装置をユニット化するか、
もしくは感光ドラムやクリーナ及び帯電装置(図示せ
ず)と共に一体化したカートリッジとして交換できる装
置が実用化されている。
【0006】上記のカートリッジや現像ユニットにおい
ては、交換する際に現像装置に加えられる軽い衝撃など
によりトナーが漏れ出す虞があるため、現像装置には様
々なシーリングがなされている。特に、現像スリーブ3
上の未現像のトナーを現像装置内へ回収する開口部で
は、トナーの回収を阻害せずに現像装置内部のトナーが
装置外へ流出することを防ぐためのシール部材1が設け
られている。
【0007】上記シール部材1は短冊型のシート状にな
っており、長手の一端を現像装置の下フレーム10に固
定され一方の自由端を現像スリーブ3の回転方向に沿う
ようにして自らの弾性によって現像スリーブ3に接触
し、摺擦する。材質は薄いウレタンゴムやフィルム状の
腰の弱いポリカーボ、PET等が用いられている。トナ
ーの回収時には、図14中の矢印のようにシール部材1
は現像装置内側に倒れてトナーの回収を阻害しない。ま
た、現像装置内部からのトナーの吹き出しに対しては現
像スリーブ3と密着して漏れを防止するようになってい
る。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】次に、一成分現像方式の従来の現像装置の
他の例を図29に基づいて説明する。図29において、
221はアルミニウムやステンレススチールのパイプか
ら形成された現像剤担持体としての非磁性現像スリーブ
で、現像スリーブ221は、現像装置の一成分現像剤と
しての磁性トナー224を収容した現像容器223内
に、画像形成装置の像担持体(図示せず)に対向した開
口部の箇所に回転自在に設置されている。この現像スリ
ーブ221内には、磁極N、Sが交互に複数個形成され
た磁石222が、現像スリーブ221の回転に対して不
動に設置されている。磁石222の磁気作用により現像
容器内のトナー224が、矢印方向へ回転する現像スリ
ーブ221の表面上に担持される。
【0012】現像スリーブ221上の現像容器223の
位置には、現像剤規制部材としての弾性ブレード226
が板金227に接着して取り付けられている。弾性ブレ
ード226は、現像スリーブ221上に上方から垂下し
て、現像スリーブ221の矢印で示す回転方向と逆向き
に伸びた自由端部の腹部で現像スリーブ221上に当接
している。弾性ブレード226は、一般にウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、ブチルゴム等からなっている。現
像スリーブ221上に担持されたトナー224は、弾性
ブレード226が当接する箇所を通過する間その層厚を
規制され、これにより現像スリーブ221上に薄層のト
ナー層225が形成される。
【0013】上記の現像スリーブ221上のトナー層2
25は、現像スリーブ221の回転により像担持体と対
向した現像部へと搬送され、そこで像担持体上に形成さ
れている潜像にトナー224が供給、付着されて、これ
により潜像が現像されてトナー像として可視化される。
【0014】上記の現像装置においては、画像に生じる
スリーブゴーストや濃度ムラを防ぐために、上記弾性ブ
レード226の表面上に、トナー224の摩擦帯電極性
と逆極性の摩擦帯電材の樹脂からなる被覆層226bを
設けている。上記被覆層226bの例として、ナイロン
樹脂を用いることで、初期におけるトナー224の帯電
不足を防ぎ、良好な画像を得ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来例によれば、以下のような問題点があった。先ず図
14に示す従来例によれば、シール部材1の裏側にトナ
ーが大量に入り込むと様々な不具合が発生する。例え
ば、図15に示すようにシール部材1の裏のトナーがマ
グネット6の磁力に引きつけられて図15中の1Aから
1Bのように現像スリーブ3に沿って変形し、現像スリ
ーブ3との摺擦域が図中のW1からW2のように拡大
し、回収されるトナー4と現像スリーブ3との過度の摺
擦によりトナー4が現像スリーブ3に固着する等の問題
が起こった。現像スリーブ3へのトナー固着は、現像ス
リーブ3が小径化する程摺擦回数が増えることから、現
像スリーブ3の外径が30mm以下の現像装置で特に問
題となっていた。
【0016】また、シール部材1の裏に流入したトナー
4が現像装置内壁との間で図16のBに示すようにブロ
ッキングして、現像スリーブ3上の未現像のトナーの回
収を阻害し、トナーが飛散したり、最悪の場合には回収
できずに溜ったトナーがこぼれ落ちることがあった。
【0017】例えば、重量平均粒径が8μm以下のトナ
ーは、従来用いられてきたトナー(重量平均粒径10〜
15μm)に比べて、流動状態では細かい部分に流入し
易く、ブロッキングする際には高密度に押し固まる傾向
があるため上記の問題が起こり易かった。特に、帯電
性、流動性、画像の解像度等に優れる下記の磁性一成分
現像剤(以下、トナーαとする)を用いた場合は、顕著
にブロッキングし易い。 結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも含有し、磁性酸
化鉄は、ケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として、
0.5〜4.0重量%であり、磁性酸化鉄の鉄元素溶解
率が20重量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと
磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)
×100が44〜84%であり、磁性酸化鉄の表面に存
在するケイ素元素の含有量Cと含有量Aとの比(C/
A)×100が10〜55%のトナー。 重量平均粒径が6〜8μmであり、5.0μm以下の
粒径を有するトナーが17〜60個数%含有され、6.
35〜10.08μmの粒径を有するトナーが5〜50
個数%含有され、12.70μm以上の粒径を有するト
ナーが2.0体積%以下で含有され、5.00μm以下
の粒径を有するトナー粒子群が下記式を満たすトナー。
【0018】
【数1】N/V=−0.05N+k
【0019】式中、Nは5.0μm以下の粒径を有する
トナーの個数%を示し、Vは5.0μm以下の粒径を有
するトナーの重量%を示し、kは値として4.6〜6.
7のいずれかの正数を有し、Nは値として17〜60の
いずれかの正数を有する条件を満たす。
【0020】また、トナーが現像スリーブ3上に供給さ
れる際に(特に使用を開始して最初にトナーが供給され
る際に)図17に示すように現像スリーブ3とシール部
材1で作る楔形の空間(図中K)にトナーが勢いよく入
り込むと、シール部材を1Eから1Fの位置に押し下げ
てトナーが吹き出すことがあった(図中4’)。これ
は、特に、小径化した現像スリーブで発生し易かった。
【0021】
【0022】また、図29に示す従来例によれば、弾性
ブレード226aの表面上にナイロン等の樹脂層226
bを被覆した場合、トナー層225の上層は弾性ブレー
ド226の正帯電性の強い被覆層226bと接触を繰り
返すことで、その度に摩擦帯電電荷を付与され、トナー
224は過剰帯電となる。このため、トナー224の現
像スリーブ221への鏡映力が非常に強くなり、像担持
体たる感光ドラム(図示せず)上に形成されている潜像
に供給、付着されにくくなり、これによって得られる画
像には、濃度ムラ、スリーブゴースト、あるいはトナー
の凝集による斑点状のムラが発生し易くなるという問題
が生じる。
【0023】本発明の目的は、上記問題点を解決し、弾
性ブレードと現像スリーブとの当接部における、トナー
の過剰帯電及び回収不良並びに飛び散り等を発生させる
ことのない現像装置を提供することにある。
【0024】
【0025】
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、開口部を有して現像剤を収容せしめる現像容器
と、該開口部にて回転自在に配設され現像剤を担持搬送
せしめる現像剤担持体と、該現像剤担持体内部に配設さ
れた磁界発生手段と、上記開口部にて一端を上記現像剤
担持体の下方の現像容器壁に取り付け、他端の自由端を
上記現像剤担持体の表面に摺擦するように配設された弾
性体の現像剤シール部材とを備えた現像装置において、
上記現像剤担持体は外径が30mm以下に、上記現像剤
シール部材と該現像剤担持体との摺擦部の幅は2.0m
m以下に、上記現像容器の内壁から現像剤シール部材ま
での間隔は上記摺擦部近傍にて2.0mm以上に、それ
ぞれ設定されていることにより達成される。
【0027】
【0028】
【0029】
【作用】本発明においては、外径が30mm以下の小径
の現像剤担持体を用いた場合でも、該現像剤担持体に下
方で摺擦する現像剤シール部材と該現像剤担持体との摺
擦部の幅を2.0mm以下にしたことによって、過度に
摺擦されることがなくなり、現像剤担持体表面への現像
剤の固着が生じないことが分かった。また、現像容器内
壁から現像剤シール部材までの間隔を上記摺擦部近傍に
て2.0mm以上にしたことにより、現像剤シール部材
と現像容器内壁との間の現像剤が磁界発生手段の磁力と
現像剤担持体の回転によって確実に回収され、ブロッキ
ングを発生させないことが分かった。したがって、現像
剤担持体と現像剤シール部材の摺擦部における現像剤の
通過を円滑にし、現像剤の飛散や現像剤漏れを生じさせ
ない。
【0030】
【0031】
【0032】
【実施例】本発明の実施例1ないし実施例参考例と
共に図面に基づいて説明する。
【0033】〈実施例1〉先ず、本発明の実施例1を図
1ないし図7に基づいて説明する。図1において、1は
現像剤シール部材であり、フィルム状のPETを用いて
いる。該現像シール部材1が当接する現像スリーブ3の
外径は、20mmであり、該現像スリーブ3の内部には
マグネット6が設置されている。このマグネット6の磁
力により現像スリーブ3上にトナー4を保持し、感光ド
ラム8へ搬送する。搬送途上で現像スリーブ3上のトナ
ー4は現像ブレード7により現像スリーブ上に均一に塗
布され、現像スリーブ3と感光ドラム8が対向する現像
領域において感光ドラム8上に転移し現像に供される。
現像に寄与しなかったトナー4は現像スリーブ3上に残
り、現像スリーブ3下の開口部より回収される。
【0034】本実施例では、シール部材1に自由長が
6.0mm、厚みが50μmのものを用いた。設定は、
図2に示すように、現像スリーブ3との当接位置にてシ
ール部材1の先端が2.0mm重なるように設置した。
このときシール部材1と現像スリーブ3の摺擦部Wは、
シール部材1の自由端から約0.5mmの剰余部分Vに
続く約1.0mm幅の部分となる。シール部材1の摺擦
部Wの幅は、現像スリーブ3との摺擦による傷やトナー
に含まれる含量等の色素が付着している部分の幅であ
り、現像スリーブ3の回転後のシール部材1を観察すれ
ば容易に測定できる。また、上記摺擦部Wと現像スリー
ブ3の間隔は最小で2.0mmとなっている。
【0035】以上のような設定で、ブロッキング及びト
ナー固着が発生し易い高温高湿度環境(温度35℃、湿
度85%)で、数種類のトナー(トナーαを含む)を通
紙耐久試験を行ったがトナー固着及びトナーの回収不良
は発生しなかった。
【0036】次に、トナー固着及びトナー回収不良を起
こす条件を求めるために行った実験について説明する。
【0037】(実験1)シール部材1の位置設定を図2
に示した設定とし、シール部材1の自由長のみを変え、
高温高湿度環境(温度35℃、湿度85%)でトナーを
補給しながら約15,000枚の通紙耐久試験を行っ
た。使用したトナーは従来例で説明したトナーαであ
る。実験の結果を以下に示す。
【0038】
【表1】 *トナー固着欄の数字は最も短い固着発生通紙枚数を示
す(〜3K → 約3000枚) *また、○印はトナー固着、回収不良が無いことを示す *さらに、×印は回収不良が発生したことを示す(%は
発生頻度を示す)
【0039】実験によれば、シール部材の裏に回ったト
ナーは図15のように、現像スリーブ3内のマグネット
6の磁力でシール部材1を現像スリーブ3に沿って押し
付けるため、ほぼ自由長の増加分だけ摺擦幅が増加し、
摺擦幅が2.0mmを超えるとトナー固着が発生するこ
とが分かった。摺擦幅が2.0mm以上では摺擦幅が広
がるに従い急速にトナー固着が発生し易くなる。また、
図3のように、シール部材1の位置を1E(図2に示さ
れるのシール部材1の位置)から1Fとなるようにシー
ル部材の固定座面の設定を変えても結果に大きな変化は
なかった。
【0040】(実験2)実験1と同様にシール部材1の
位置設定を図2に示した設定とし、シール部材1の厚さ
が100μmのものを用いて自由長を変え、高温高湿度
環境(温度35℃、湿度85%)でトナーを補給しなが
ら約15,000枚の通紙耐久試験を行った。使用した
トナーはトナーαである。実験の結果を下に示す。
【0041】
【表2】 *トナー固着欄の数字は最も短い固着発生通紙枚数を示
す(〜3K → 約3000枚) *また、○印はトナー固着、回収不良が無いことを示す *さらに、×印は回収不良が発生したことを示す(%は
発生頻度を示す)
【0042】実験によれば、厚いシートでは腰が強くな
り、現像スリーブ3に沿って曲がることがなくなって摺
擦幅は自由長の長さに依らなくなることが分かった。こ
の場合には現像スリーブ3との当接圧がかなり高くなる
と予想されるが、実際には。上記のように摺擦幅が2.
0mmを超えなければトナー固着は起こりにくい。
【0043】実験1及び実験2よりシール部材1と現像
スリーブ3の摺擦幅が2.0mm以下であればトナー固
着はほとんど発生しないことが分かった。トナーを現像
スリーブ3に固着させる主要因は、現像スリーブ3への
当接圧ではなく、現像スリーブ3との摺接幅である。表
1に示すようにトナー固着は摺擦幅2.0mmでも発生
する場合があるが、トナーがなくなると現像装置を交換
する使い切りタイプの現像装置の場合は使用可能枚数が
多くても8,000〜10,000枚であるので、摺擦
幅2.0mmでも使用可能である。当然ながら、トナー
漏れを防止できるならば、摺擦幅は小さい程トナー固着
に対し有利であり、1.5mm以下が望ましい。
【0044】トナーの回収不良については、上記実験1
及び実験2の耐久終了後、現像装置を60℃の恒温槽に
入れてトナーを固めて現像装置内を調べた。その結果、
トナーの回収不良を起こしていないものはシール部材1
と現像装置内壁との間に空隙があったが、回収不良を起
こしたものはトナーが詰まっていた。
【0045】シール部材が短い場合(例えば、実験2に
おいてシール部材1の長さ6mmの場合)には、図4の
ようにシール部材1と現像装置内壁とで挟まれる空間に
トナーが入り込んでも、マグネット6の磁力と現像スリ
ーブ3の回転によってシール部材1の裏のトナーが引き
出される。しかし、シール部材1が長い場合(例えば、
実験2においてシール部材1の長さ9mmの場合)に
は、図5のように、シール部材1と現像装置内壁とで挟
まれる空間に入り込んだトナーはほとんど引き出される
ことなく滞留して(図中A)その一部がブロッキング
(図中B)する。
【0046】上記のようにトナーの回収不良は、主にシ
ール部材1と現像装置内壁とで挟まれる空間にトナーが
入り込んでブロッキングすることにより発生する。そこ
で、シール部材1の摺擦部と現像装置内壁との間隔Dと
トナー回収不良の関係を明確にすべく以下の実験を行っ
た。
【0047】(実験3)実験1と同様の条件で、シール
部材1の自由長を7.0mmとし、シール部材1の摺擦
部と現像装置内壁との間隔Dを変え、高温高湿度環境
(温度35℃、湿度85%)でトナーを補給しながら約
15,000枚の通紙耐久試験を行った。使用したトナ
ーはトナーαである。実験の結果を下に示す。
【0048】
【表3】 ○:回収不良無し ×:回収不良発生
【0049】間隔Dが1.0〜1.5mmでは図6(間
隔Dが1mmの場合)に示すように、実験した全数にブ
ロッキング(図中B)が原因のトナー回収不良が発生し
た。これは間隔Dが狭いので、シール部材裏に入り込ん
だトナー(図中A)が非常に詰まり易くなっているため
である。間隔Dが2.0mm以上では、シール部材1の
裏に少量のトナー(現像スリーブ3内のマグネット6の
磁力の影響によるもの)があるだけで、その下ではトナ
ーがほとんど現像スリーブ3上に回収されて空洞となっ
ていた(図4参照)。
【0050】間隔Dが0.5mmの場合は、シール部材
1の裏に殆どトナーが存在せず、したがって回収不良も
発生しない。これは間隔Dが狭いためトナーの流入が妨
げられているためと考えられる。しかし、現像装置交換
の際に様々な応力が加わることを考慮すれば、現像スリ
ーブ3と現像装置内壁が接触して現像スリーブ3を傷つ
けることも考えられ、構成上不利となる。また、この間
隔を維持しようとすれば、現像装置を構成する部材とし
て強度、精度の高いものが必要となるためコスト高とな
る。
【0051】また、トナー回収不良は摺擦部近傍でトナ
ーがブロッキングを起こさなければ発生しない。図7に
示すようにシール部材1の固定座面を移動し、摺擦幅を
2.0mm、剰余長を0.5mmとしたままシール部材
1の自由長を9.0mmとした場合について耐久実験を
行った。結果はシール部材1が長いため一部でトナーが
滞留していたが、摺擦部近傍ではほとんどトナーが存在
せず、当然ながらトナー回収不良は発生しなかった。
【0052】よって、シール部材1の摺擦幅が2.0m
m以下で、シール部材1の摺擦部と現像装置内壁との間
隔Dが2.0mm以上確保できれば、シール部材裏に入
り込んだトナーは押し固まることなく磁力により再び現
像スリーブ3上に引き戻すことができ、トナー回収不良
は発生しなかった。
【0053】同様の実験を200μmのPETフィルム
をシール部材1として行ったが、シール部材1としては
素材が固いため現像スリーブ3と均一に密着せず軽い衝
撃でもトナー漏れを起こした。また、如何なる設定でも
摺擦幅に無関係にトナーの回収不良が発生した。本発明
はシール部材の材質、厚さ等を規定するものではない
が、当然ながらシール部材として不適なものは除外す
る。
【0054】以上説明したように、現像スリーブ3とシ
ール部材1の摺擦部の幅が2.0mm以下で、上記摺擦
部の近傍でシール部材1と現像装置内壁との間隔が2.
0mm以上であるならば、現像スリーブ3上へのトナー
固着、トナー回収不良が解消できる。
【0055】なお、上記実施例では、ブロッキングし易
いトナーαを用いたが、当然ながら通常用いられる他の
トナーについても上記の条件を満たせば現像スリーブ上
へのトナー固着、トナー回収不良が解消できる。
【0056】〈実施例2〉次に、本発明の実施例2を図
8及び図9に基づいて説明する。なお、実施例1との共
通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0057】本実施例では、図8に示すように実施例1
で定めた条件下(現像スリーブ3とシール部材1の摺擦
部の幅が2.0mm以下で、上記摺擦部の近傍でシール
部材1と現像装置内壁との間隔が2.0mm以上)で現
像スリーブ3’の外径を変えた場合について述べる。
【0058】図9に実施例2の詳細図を示す。図9中に
示した現像スリーブ3’の外径は10.0mmであり、
シール部材1の摺擦部から自由長までの非摺擦部V(以
下剰余部とする)の長さ(以下剰余長とする)が1.5
mmである。また、このときのシール部材1は厚さ10
0μmのPETであり、摺擦幅Wは1.1mm、摺擦部
の近傍でシール部材1と現像装置内壁との間隔は2.0
mmである。
【0059】上記設定で実験例1と同様の耐久試験を行
ったが、当然ながらトナー固着、トナー回収不良は発生
せず、また以下に述べるようなトナー漏れも発生しな
い。
【0060】トナー供給時(特に使用開始直後)にシー
ル部材1の剰余部と現像スリーブ3との間の楔状の空間
(図17参照;図中K)にトナーが勢いよく入り込む
と、上述したようにシール部材1を押し下げてトナー漏
れ(トナー吹き出し)を起こす場合があった(シール部
材1の裏に若干量のトナーが存在すると、現像スリーブ
3内のマグネット6の磁力でシール部材1を現像スリー
ブ3に押し付けて漏れ防止能力が高まる。使用開始時に
トナー漏れが発生し易いのは、シール部材1の裏に全く
トナーが存在しないためである)。このトナー吹き出し
の発生頻度は、上記楔状の空間を形作るシール部材1の
剰余長に依存し、剰余長が長い程発生し易い。また、現
像スリーブ3の外径が小さい程現像スリーブ3の曲率が
大きいことから、若干腰の強いシール部材1を用いる
と、シール部材1が現像スリーブ3に沿って曲がらず、
上記楔状の空間が形成され易いため、軽い衝撃でもトナ
ー漏れが発生することがあった。シール部材1の剰余長
とトナー漏れの発生頻度の関係を明確にするため以下の
ような実験を行った。
【0061】(実験4)シール部材1の位置設定を図9
に示した設定とし、シール部材1の自由長(剰余長)を
変え、高さ20cmからトナー補給直後の現像装置を三
回続けて落下させた。シール部材1の厚さは100μ
m。現像スリーブ3’の外径は10.0mm。使用した
トナーはトナーαである。実験の結果を以下に示す。
【0062】
【表4】 ○:トナー漏れ無し ×:トナー漏れ発生(%は発生
頻度)
【0063】表4に示すように、トナー漏れは剰余長が
2.0mmを超えると発生し始める。上記結果はシール
部材1の厚みを150μmとした場合も同様であった。
【0064】なお、10.0mmの現像スリーブ3’の
外径は、内蔵したマグネット6の磁力が現像スリーブ
3’表面で必要とされる磁力を得られるほぼ下限の現像
スリーブ3’の外径である。一方、現像スリーブ3’の
外径がおおよそ20mm以上の場合は、実施例1で定め
た条件に従えば、上述のような剰余長が2.0mm超え
る設定となることは殆どない。したがって、本実施例が
対象とするのは10〜20mmの外径の現像スリーブを
持つ現像装置である。
【0065】上記よりシール部材1の剰余長を2.0m
m以下とすることで、外径10〜20mmの小径現像ス
リーブを持つ現像装置で、使用開始時に発生するトナー
漏れを防止することができる。シール部材1の剰余部は
トナー漏れ防止には何の寄与もしない部分であるから剰
余長はなるべく短い方が望ましい。当然ながら、現像ス
リーブ3’とシール部材1の摺擦部の幅が2.0mm以
下という条件を守れるならば、シール部材1は腰の弱い
材質や厚さであることが望ましい。
【0066】〈実施例3〉次に、本発明の実施例3を図
10ないし図12に基づいて説明する。なお、実施例1
との共通箇所については同一符号を付して説明を省略す
る。
【0067】本実施例では、図10に示すように実施例
1に加えてマグネット6の現像極以外の磁極の一つを、
シール部材1と現像スリーブ3の摺擦部近傍で、摺擦部
から現像領域までの間に設置したものである。図11は
その詳細図である。
【0068】実施例1のようにブロッキングによるトナ
ーの回収不良を除いても、摺擦部でのシール部材1の当
接圧が高めになると、図12のように現像スリーブ3上
のトナーを若干ながら掻き均し(図中C)、飛散させる
傾向があり、特に流動性の高いトナーで顕著になる。し
かし、図11で示すように磁極を設けることにより、摺
擦部に至る直前でトナーを現像スリーブ3上に強く保持
して(図中D)トナーが掻き落とされるのを抑えて回収
を容易にする効果がある。上記磁極の磁力は現像スリー
ブ3の法線方向成分が20mT(200Gauss)以
上で上記効果があることを確認した。磁力が高い程上記
効果は大きい。
【0069】磁極の位置は摺擦部の磁力の法線方向成分
が20mT(200Gauss)以上であれば、どこに
位置してもよいが、当然ながら摺擦部近傍に設置するこ
とが望ましい。しかしながら、摺擦部に対向する位置も
しくは摺擦部の現像スリーブ回転方向下流に磁極を設置
することは、先の実施例で述べたようにシール部材1の
裏にトナーを誘引し、かつ滞留させやすくするため避け
るべきである。よって、摺擦部の現像スリーブ回転方向
上流でトナーを感光ドラム8に供給している現像領域ま
での間に磁極を設置することにより、トナーの回収不良
等の弊害を助長させることなくトナーの飛散防止を行う
ことができる。
【0070】〈参考〉 次に、本発明に係る参考を図18ないし図21に基
づいて説明する。図18は、参考装置の概略構成を
示す図であり、図19はプロセスカートリッジを備える
画像形成装置の断面図である。図19において101
は、レーザ、ポリゴンミラー、補正系レンズ系を含むス
キャナユニットであり、該スキャナユニット101から
は画像信号に応じて変調されたレーザ光がスキャン出力
され、このレーザ光は折り返しミラー102で反射し
て、プロセスカートリッジKに内蔵された像担持体たる
感光ドラム103上に照射される。そして、感光ドラム
103は同プロセスカートリッジKに内蔵された帯電ロ
ーラからなる一次帯電器104によって予め均一に帯電
され、その表面上にはレーザ光の照射によって静電潜像
が形成される。この静電潜像は現像装置内のトナー12
4によってトナー像として現像されて顕像化される。
【0071】一方で、カセット107a内に収納された
記録材107は、給紙ローラpによって感光ドラム10
3での潜像の形成と同期してレジストローラrまで供給
される。そして、この記録材107はレジストローラr
によって感光ドラム103上に形成された潜像の先端と
同期して、コロナ放電器からなる転写帯電器106に搬
送され、該転写帯電器106によって上述トナー像が該
記録材107に転写される。トナー像を転写された記録
材107は搬送ガイドgに沿って搬送され、定着装置1
08によってトナー像を永久定着された後、最後に装置
外部に排出される。
【0072】図18は主な画像形成手段である感光ドラ
ム103、一次帯電器104、現像装置105、クリー
ニング器109を一括してユニット化されているプロセ
スカートリッジKの断面図である。プロセスカートリッ
ジK内での画像形成にかかわるプロセスの概略を説明す
ると、プロセスカートリッジK内の現像容器123に貯
蔵されている一成分磁性トナー124は撹拌棒115に
よって撹拌されながらスリーブ121に供給される。現
像スリーブはアルミニウムのパイプからできており、そ
の内部には磁極を有する磁石122が内蔵されている。
トナー124は現像スリーブ121が矢印方向へ回転す
ることによって弾性ブレード126との当接部に向かっ
て搬送される。弾性ブレード126はウレタンゴムから
なり、接着剤によって板金127に接着され、自由端部
分は現像スリーブ121の表面に腹の部分でトナー12
4を介して接触しており、このトナー124に現像に必
要な電荷を与えると共にトナー層の厚みを規制してい
る。こうして現像スリーブ121表面に形成されたトナ
ー層125は感光ドラム103と対向する位置で感光ド
ラム上に形成された潜像をトナー像として顕画像化す
る。
【0073】なお現像後に感光ドラム103上に残留し
たトナーはクリーニング器109によって除去される。
カバー111はプロセスカートリッジKを装置本体から
外した際の感光ドラム103に対する遮光及びゴミ付着
防止機能を有する。
【0074】それぞれの構成体はプロセスカートリッジ
K内で所定の相互配置関係をもって組み付けされてお
り、該プロセスカートリッジKは画像形成本体内の所定
部に対して所定の要領にて挿入装着され、また逆に画像
形成本体内から抜き外し自由である。
【0075】また、現像スリーブ121としては直径1
6mmのアルミニウム製パイプを、100番メッシュの
アランダム砥粒で粗したものを用い、該現像スリーブ1
21には60〜85mT(600〜850Gauss)
の磁極を四極有するマグネット122を内蔵せしめた。
【0076】さらに、負帯電性トナー124としては、
スチレン−アクリル樹脂にマグネタイトを100部混練
し、粉砕により5〜8μmに粒度分布の中心があるよう
にしたものを用い、外添剤としてシリカを1.2重量%
用いた。さらに、弾性ブレード126としては厚さ1.
3mm、硬度65度(JIS−A)のウレタンゴムを用
いた。
【0077】そして、本参考例によるリブ117は同図
中現像装置105内のトナー124がスリーブ121へ
供給され、あるいはトナー容器123内で撹拌される際
の循環経路の外側である位置に配置されている。
【0078】本参考例に依るリブ117はポリスチロー
ル製でトナー容器123と一体成型されており、肉厚2
mmの板が3cm間隔で現像スリーブ121の長手方向
五カ所に設置してある。
【0079】以上の構成によって実際に画像をプリント
したところ、現像スリーブ121上のトナー層125の
コート量や電荷量はスリーブ長手方向にも均一であり、
プリントされた画像は濃度ムラのない良好なものであっ
た。
【0080】次に、プロセスカートリッジKの強度を上
げることに対する、本参考例によるリブの効果を調べ
た。
【0081】先ず、プロセスカートリッジKを手でもっ
た場合を想定し、図20に示すようにリブ117を固定
した状態で、トナー容器123の底面に1.5kgの荷
重を行ったところ、0.1mm以下であったのに対し
て、リブがない場合の変位量は約0.7mmに達した。
【0082】また、プロセスカートリッジKを本体内に
着脱する際に無理な力がかかった場合を想定し、図21
に示すようにトナー容器123の開口側を固定し、非開
口側の底面に10kgの荷重を行ったところ、リブがあ
る場合の変位量は最大でも0.1mm以下であったのに
対して、リブがない場合の変位量は約0.9mmに達し
た。
【0083】なお、リブの厚みが1mm以下の場合には
強度アップの効果が半減してしまった。逆に7mmより
厚くしても強度アップに対する効果は変わらず、カート
リッジの重量が増し、トナー容器の要領が小さくなって
しまうだけであった。ただし、リブの形状、材質などは
本実施例で取り上げたものに限るものではなく、リブ間
の間隔を短くしたり、リブを平行に設置するだけでな
く、交差させたりすることにより、リブの厚さはより薄
いものでも可能になる。
【0084】また、リブを設置する位置を、撹拌部材の
回転半径に5mm加えた半径を持つ円とスリーブの半径
より5mm大きい半径を持つ円との二つの円に接する直
線に囲まれた領域の内側に設定した場合には、プリント
された画像に濃度ムラが発生してしまった。
【0085】〈参考〉 次に、本発明に係る参考を図22に基づいて説明す
る。なお、参考との共通箇所には同一符号を付して
説明を省略する。
【0086】本参考例は、補給のためのリブをトナー容
器の外側にも配置するところが参考と異なる。カー
トリッジ寿命をより長くしようとした場合、トナーの充
填量のアップ及びトナー容器の容量アップ等が行われ
る。トナー重量がアップすれば、カートリッジの強度も
それにともなってアップさせなければならない、大容量
カートリッジの場合、トナー容器の内側だけでなく外側
にもリブを配置することによりトナー容器の強度アップ
を図ることが容易になる。
【0087】図22は本参考例のプロセスカートリッジ
の概略断面図である。プロセスカートリッジK内での画
像形成にかかわるプロセスの概略を説明すると、プロセ
スカートリッジK内の現像容器123内に貯蔵されてい
る一成分磁性トナー124は撹拌棒115によって撹拌
されながら現像スリーブ121に供給される。現像スリ
ーブ121はアルミニウムのパイプからできており、そ
の内部には磁極を有する磁石122が内蔵されている。
トナー124は現像スリーブ121が矢印方向へ回転す
ることによって弾性ブレード126との当接部に向かっ
て搬送される。弾性ブレード126はウレタンゴムから
なり、接着剤によって板金127に接着され、自由端部
分は現像スリーブ121の表面に腹の部分でトナー12
4を介して接触しており、このトナー124に現像に必
要な電荷を与えると共にトナー層の厚みを規制してい
る。こうして現像スリーブ121表面に形成されたトナ
ー層125は感光ドラム103と対向する位置にて感光
ドラム上に形成された潜像をトナー像として顕画像化す
る。
【0088】なお、現像後に感光ドラム103上に残留
したトナーはクリーニング器109によって除去され
る。カバー111はプロセスカートリッジKを装置本体
から外した際の感光ドラム103に対する遮光及びゴミ
付着防止機能を有する。
【0089】それぞれの構成体はプロセスカートリッジ
K内で所定の相互配置関係をもって組み付けられてお
り、該プロセスカートリッジKは画像形成装置本体内の
所定部に対して所定の要領にて挿入装着され、また逆に
画像形成装置本体内から抜き外し自由である。
【0090】以上のような本参考例装置において、リブ
117は同図中トナー容器123の外側に配置されてい
る。以下、具体例を説明する。
【0091】本参考例によるリブ117はポリスチロー
ル製でトナー容器123と一体成型されており、参考
と同様に肉厚2mmの板が3cm間隔で現像スリーブ
121の長手方向五カ所に配置してある。さらにカート
リッジの外側には、肉厚1.5mm、高さ1cmのリブ
が1cm間隔でトナー容器123の上面に現像スリーブ
121の長手方向に平行に五枚、トナー容器123の底
面には肉厚1.5mm、高さ0.7〜1.3cmのリブ
が1cm間隔で三枚配置してある。
【0092】なお、現像スリーブ121としては直径1
6mmのアルミニウム製パイプを、100番メッシュの
アランダム砥粒で粗したものを用い、該スリーブには6
0〜85mT(600〜850Gauss)の磁極を四
極有するマグネット122を内蔵せしめた。
【0093】また、負帯電性トナー124としては、ス
チレン−アクリル樹脂にマグネタイトを100部混練
し、粉砕により5〜8μmに粒度分布の中心があるよう
にしたものを用い、外添剤としてシリカを1.2重量%
用いた。さらに、弾性ブレード126としては厚さ1.
3mm、硬度65度(JIS−A)のウレタンゴムを用
いた。
【0094】以上の構成によって実際に画像をプリント
したところ、現像スリーブ121上のトナー層125の
コート量や電荷量はスリーブ長手方向にも均一であり、
プリントされた画像は濃度ムラのない良好なものであっ
た。
【0095】次に、プロセスカートリッジKの強度を上
げることに対する、本参考例によるリブの効果を実施例
1と同様に調べた。
【0096】先ず、プロセスカートリッジKを手で持っ
た場合を想定した1.5kgの荷重ではリブがある場合
の変位量は0.1mm以下であったのに対して、リブが
ない場合の変位量は約0.7mmも変位していた。
【0097】また、プロセスカートリッジKを本体内に
着脱する際に無理な力がかかった場合を想定し、図21
に示すように、トナー容器123の開口側を固定し、非
開口側の底面に10kgの荷重を行ったところ、リブが
ある場合の変位量は最大でも0.1mm以下であったの
に対して、リブがない場合の変位量は約0.9mmも変
位していた。
【0098】本参考例のように補給リブをトナー容器の
外側に配置した場合にはプロセスカートリッジの本体へ
の着脱の際、手で持った場合でも滑らずに作業が容易に
なるというメリットもあった。
【0099】〈実施例〉 次に、本発明の実施例を図24及び図25に基づいて
説明する。図24は、実施例における現像装置の概略
構成を示す図であり、図25は図24の現像装置を備え
る画像形成装置の断面図である。本画像形成装置は、図
25に示すように、レーザ、ポリゴンミラー、補正系レ
ンズ系を含むスキャナユニット201を備える。このス
キャナユニット201から画像信号に応じて変調された
レーザ光が出力され、折り返しミラー202で反射し
て、像担持体たる感光ドラム203上に照射される。こ
の感光ドラム203はOPC(有機光導電体)などから
なり、コロナ帯電器からなる一次帯電器204によって
予め負極性に均一に一次帯電されている。感光ドラム2
03は、レーザ光の照射により露光され、静電潜像が形
成される。感光ドラム203上に形成された静電潜像
は、本実施例の現像装置205内の一成分現像剤たるト
ナー204により現像され、トナー像として可視化され
る。
【0100】一方で、カセット207a内に収納された
普通紙、プラスチックシート等の記録材207は、一時
的に停止しているレジストローラrまで給紙ローラpに
より感光ドラム203への静電潜像の形成と同期して給
送される。レジストローラrは記録材207を感光ドラ
ム203上に形成された静電潜像の先端と同期して、コ
ロナ放電器からなる正極性の転写帯電器206へと搬送
する。記録材207は、転写帯電器206によって感光
ドラム203上のトナー像を転写された後、搬送ガイド
gに沿って定着装置208まで搬送され、そこで記録材
207上にトナーが永久定着された後、画像形成装置の
機外に排出される。
【0101】感光ドラム203上に残留したトナー22
4は、クリーニング器209により除去された後、前露
光器210により露光されて帯電履歴が消去される。
【0102】なお、上記感光ドラム203、一次帯電器
204、現像装置205及びクリーニング器209等
は、画像形成ユニットのカートリッジKとして、カバー
211内に一体的に内蔵され、画像形成装置本体に着脱
自在に設けられている。カバー211は、カートリッジ
Kを画像形成装置本体から取り外した際に、感光ドラム
203に対する遮光及びゴミの付着を防止する機能を備
えている。
【0103】次に、図24に基づき、本発明の現像装置
について説明する。本現像装置205は、図29の従来
例と現像装置と同様、磁性トナー224を収容した現像
容器223内に現像剤担持体としての現像スリーブ22
1を備え、現像スリーブ221は、現像容器223の図
25の感光ドラム203に対向した開口部の箇所に回転
自在に設置され、現像スリーブ221内には、磁極N、
Sが交互に複数個形成された磁石222が不動に設置さ
れている。また、現像スリーブ221上の現像容器22
3の位置には、現像剤規制部材としてのゴムや金属板バ
ネ製の弾性ブレード226が板金227に接着して取り
付けられている。
【0104】弾性ブレード226は、現像スリーブ22
1上に上方から垂下して、現像スリーブ221の矢印で
示す回転方向と逆向きに(同方向でもよい)伸びた自由
端部の腹部で現像スリーブ221上に当接している。現
像スリーブ221上に担持されたトナー224は、弾性
ブレード226が当接する箇所を通過する間にその層厚
を規制され、これにより現像スリーブ221上に薄層の
トナー層225が形成される。また、トナー224は現
像スリーブ221との摩擦で潜像を現像する極性の摩擦
帯電電荷を獲得するが、この弾性ブレード226による
規制時に最も活発に摩擦帯電する。
【0105】本発明によれば、上記弾性ブレード226
は、その表面上にトナー224の摩擦帯電極性と反対極
性の摩擦帯電材料からなる二種類の被覆層226b,2
26cを設けている。上記被覆層226b,226c
は、現像剤の摩擦帯電極性と逆極性の摩擦帯電材である
が、上層226cには、帯電性の高い摩擦帯電材を用
い、それに対して下層226bには、帯電性の低い摩擦
帯電材を用いる。本実施例では、トナー224は、負帯
電極性とされ、ウレタンゴム製のブレード本体226a
の表面上に下層では正帯電材料のナイロン樹脂に導電性
微粒子を含有したものからなる被覆層226bと、上層
に正帯電材料のナイロン樹脂からなる薄い被覆層226
cを設けて、弾性ブレード226を形成している。
【0106】上記の弾性ブレード226によれば、二つ
の被覆層226b,226cを形成しているナイロン樹
脂が正帯電性で電子供与性があるため、負帯電性のトナ
ーはこれらの被覆層226b、あるいは226cに接触
して摩擦されると、負に良好に摩擦帯電される。上層の
ナイロン樹脂からなる被覆層226cは現像動作の初期
の帯電されていないトナー224に対して、良好な付与
効果により、高い電荷を有することができる。上層のナ
イロン樹脂からなる被覆層226cは、現像動作の初期
以降に削り取られて(摩滅)しまう。これにより、現像
動作の初期以降は、トナー224は下層のナイロン樹脂
に導電性微粒子を含有したものからなる被覆層226b
に接触し、負に摩擦帯電される。下層の被覆層226b
は、ナイロン樹脂に導電性微粒子を含有することで、上
層のナイロン樹脂からなる被覆層226cに対し、弱電
子供与性である。このため、トナー224との摩擦帯電
において、トナーの過剰帯電を防ぎ、良好な電荷を有す
ることができる。このため現像スリーブ221上のトナ
ー層225の上層は、弾性ブレード226により充分な
負の摩擦帯電電荷が付与され、トナー層225は現像ス
リーブ221から摩擦帯電電荷を付与される下層から上
層に亘る全層で均一かつ高い電荷を有するようになる。
また、下層226bの樹脂層に導電性微粒子を含有して
いるため、トナー224に付与した負の摩擦帯電電荷
は、弾性ブレード226との接触により、過剰電荷が導
電性微粒子にリークされ、トナー224は長手方向に均
一な電荷を保持し、トリボムラを防止することができ
る。
【0107】このため本実施例の現像装置によれば、ト
ナー層225を現像スリーブ221によって感光ドラム
203と対向した現像部へ搬送して、トナー224で感
光ドラム203上の静電潜像を現像することにより、濃
度が均一で高くスリーブゴーストやカブリのない画像を
得ることができる。
【0108】本実施例では、下層の被覆層226bのナ
イロン樹脂に導電性微粒子を含有したものの代わりに、
アクリル樹脂、セルロースなど、ナイロン樹脂に対して
帯電特性の低い材料を用いてもよい。また、ブレード本
体226aのウレタンゴムに代えてブチルゴム、リン青
銅等を用いても良い。このように、弾性ブレード226
は、ブレード本体226a、下層の被覆層226b、上
層被覆層226cの順に帯電特性が低いものを選択する
ことで、トナー224のに良好な均一の帯電電荷を保有
させることができる。
【0109】また、トナー224が正帯電性であるとき
は、被覆層226b及び226cには、電子吸引性があ
る負帯電性の物質、例えば、フッ素樹脂、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル等を選択すれば良い。
【0110】〈実施例〉 次に、本発明の実施例を図26及び図27に基づいて
説明する。なお、実施例との共通箇所には同一符号を
付して説明を省略する。
【0111】本実施例では、現像スリーブ221とし
て、図26,図27に示すように直径16mmのアルミ
ニウム製パイプ221aに、導電性微粒子を含有する樹
脂層221bを有し、導電性微粒子と樹脂による二次粒
子221cが表面に突出しており、しかもこの膜221
bの体積抵抗率が102〜10-3Ω・cmであるような
現像スリーブを用いる。この現像スリーブを用いると、
トナーと現像スリーブ表面との接触抵抗を小さくするこ
とができるため、トナーの過剰電荷をリークさせるの
で、トナーの過剰帯電による濃度低下などを引き起こさ
ないため、弾性ブレード226の電荷付与層の電荷付与
性を高めることができ、現像装置の初期使用時の画像濃
度をより高めることができる。
【0112】現像スリーブ221として直径16mmの
アルミニウム製パイプにカーボンとグラファイトからな
る導電性微粒子をフェノール樹脂中に適量分散したもの
を5μmの厚さに塗布して熱硬化を行い、適度の導電性
を付与したものを用い、該スリーブには600〜850
ガウスの磁極を四極有するマグネットを内蔵せしめた。
【0113】弾性ブレードとしては、厚さ1.3mm、
硬度65度(JIS−A)のウレタンゴム226aに、
ポリアミド樹脂にカーボンとグラファイトからなる導電
性微粒子を適量分散した厚さ15μmの電荷付与層22
6b、そしてポリアミド樹脂からなる厚さ1μmの電荷
付与層226cを形成したものを用いた。
【0114】トナーとしては、実施例で用いたものと
同じものを用いたところ、トナーに対する電荷付与性は
実施例で用いた弾性ブレードより高いものを示した
が、低湿環境下においても濃度低下やトナー同士の凝集
による斑点状のムラの発生もなく良好な画像が得られ
た。特に現像装置の初期使用時の画像濃度を高める効果
が顕著となった。
【0115】本実施例では、現像スリーブ表面の導電性
微粒子を含有した樹脂層として、カーボンとグラファイ
トからなる導電性微粒子をフェノール樹脂中に適量分散
したものを用いた画像、導電性微粒子てとして、金属微
粒子、TiO2、SnO2、Siアルコキシド系の導電性
セラミックスなどを用いることもでき、また、樹脂とし
ては、分散性がよく、耐摩擦摩耗性に優れるものを選ぶ
のがよく、例えばエポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、メタクリル樹脂、ポリアセタールなどが使用
可能である。
【0116】〈実施例〉 次に、本発明の実施例を図28に基づいて説明する。
なお、実施例との共通箇所には同一符号を付して説明
を省略する。
【0117】本実施例の特徴とするところは、トナーへ
の電荷供与性を有する被覆層を持つ弾性ブレードを非磁
性一成分トナーを用いる現像装置に適用することであ
る。
【0118】図28は本実施例の現像装置の概略断面図
である。現像スリーブ221はステンレス製の表面に、
導電性微粒子を含有した樹脂層を有する直径16mmの
パイプからなり、矢印A方向に回転する。現像スリーブ
221には、発泡ポリウレタンの直径8mmのローラ2
28が押し当てられ、矢印B方向に回転しながら、現像
スリーブ221上の現像後のトナーを剥ぎ取りながら新
たなトナーを供給する。負帯電トナーとしては、スチレ
ンアクリル樹脂に赤のアゾ系顔料を内添した7〜10μ
mに粒度分布の中心があるようにしたものを用いた。
【0119】弾性ブレード226としては、厚さ1.3
mm、硬度65度(JIS−A)のウレタンゴム226
aに、ポリアミド樹脂にカーボンとグラファイトからな
る導電性微粒子を適量分散した厚さ15μmの電荷付与
層226b、そしてポリアミド樹脂からなる厚さ1μm
の電荷付与層226cを形成したものを用いた。弾性ブ
レード226は、現像スリーブ221に21g/cmの
線圧で当接させた。
【0120】以上の構成で画像をプリントしたところ、
低湿環境下においても、トナーの初期使用時やトナー補
給時にも、安定したトナー層をスリーブ上に形成するこ
とができ、スリーブ長手方向に均一な反射濃度1.2以
上の画像濃度を得ることができ、良好な画像であった。
【0121】なお、この現像装置は、主たる画像形成手
段を一括して画像形成装置本体に対して着脱可能なユニ
ット体にしたプロセスカートリッジに適用してもよく、
またはこれらの画像形成手段が本体に直接組み付けられ
ている画像形成装置に適用しても良い。プロセスカート
リッジに適用した場合、該プロセスカートリッジを交換
する度にトナーもトリボをもたない新しいものに代わ
る。プロセスカートリッジに内蔵されている弾性ブレー
ドに、トナーに対する適度な電子供与性をもたせると
は、濃度低下やトナーの凝集による斑点状のムラを生じ
ることのない良好な出力画像を得るために極めて有効で
ある。また、主たる画像形成手段が画像形成装置本体に
直接組み付けられている場合にも、特に、トナー補給時
などに多くみられる濃度低下やトナーの凝集による斑点
状のムラを解消することができた。
【0122】本発明による弾性ブレードはトナーやスリ
ーブに対する潤滑性を示すため当接部が剥れたり削れた
りすることが少ない。本実施例で用いた弾性ブレードに
は、初期の状態で20μmの電荷付与層が被覆されてお
り、2万枚プリントした後にも10μm程度の厚みがあ
り、トナーへのトリボ付与効果は充分現れていた。
【0123】非磁性トナーは、磁性トナーのように内部
に高融点物質を含まないので、現像スリーブ221と弾
性ブレード226の当接部で融着し、画像上スジ状のム
ラが生じ易い。しかし、本実施例によれば、当接圧を2
1g/cmと低くすることができるため、また、ブレー
ドの潤滑性が良いため、ブレード部でのトナーの滞留が
生じず、上のような問題が生じなかった。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
現像剤担持体の外径が30mm以下の現像装置におい
て、現像剤シール部材と現像剤担持体の摺擦部の幅を
2.0mm以下とし、摺擦部の近傍でシール部材と現像
装置内壁との間に少なくとも2.0mm以上の間隔を設
けることにより、現像スリーブ上の未現像トナーの回収
を阻害したり、過剰な摺擦によりトナーが現像スリーブ
に固着することを防止することができる。本発明は特
に、ブロッキングし易い小粒径の磁性一成分現像剤を使
用した場合でも上記効果を奏するため、解像度の高い良
好な画像を得ることができる。
【0125】
【0126】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1装置の概略構成を示す断面図
である。
【図2】図1装置における現像剤シール部材の設定を示
す図である。
【図3】図1装置と比較のために現像剤シール部材の固
定座面を変えた装置の概略構成を示す図である。
【図4】図1装置と比較される短い現像剤シール部材を
用いた装置における現像剤の動きを説明するための図で
ある。
【図5】図1装置と比較される長い現像剤シール部材を
用いた装置における現像剤の動きを説明するための図で
ある。
【図6】図1装置と比較のために現像剤シール部材と現
像容器内壁の間隔を短くした装置における現像剤の動き
を説明するための図である。
【図7】図1装置と比較のために現像剤シール部材と現
像容器内壁の間隔を図1装置と同じく設定し現像剤シー
ル部材の固定座面を変えた装置の概略構成を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施例2装置の概略構成を示す断面図
である。
【図9】図8装置における現像剤シール部材の設定を示
す図である。
【図10】本発明の実施例3装置の概略構成を示す断面
図である。
【図11】図10装置における現像剤シール部材と磁界
発生手段の磁極の位置関係を示す図である。
【図12】図10装置と比較される従来例装置の現像剤
の飛散を説明する図である。
【図13】従来例装置の概略構成を示す断面図である。
【図14】図13装置における現像剤シール部材の作用
を説明する図である。
【図15】図13装置において現像剤シール部材が変形
した場合の状態を示す図である。
【図16】図13装置において現像剤のブロッキングが
生じた場合の状態を示す図である。
【図17】図13装置において生じる現像剤の吹き出し
の状態を説明する図である。
【図18】本発明に係る参考装置の概略構成を示す
断面図である。
【図19】図18装置が組み込まれる画像形成装置の概
略構成を示す断面図である。
【図20】図18装置について行った強度試験の概要を
説明する図である。
【図21】図18装置について行った別の強度試験の概
要を説明する図である。
【図22】本発明に係る参考装置の概略構成を示す
断面図である。
【図23】従来のプロセスカートリッジの概略構成を示
す断面図である。
【図24】本発明の実施例装置の概略構成を示す断面
図である。
【図25】図24装置が配設される画像形成装置の概略
構成を示す断面図である。
【図26】本発明の実施例における現像剤担持体表面
の状態を示す断面図である。
【図27】本発明の実施例における現像剤担持体表面
の状態を示す斜視図である。
【図28】本発明の実施例装置の概略構成を示す断面
図である。
【図29】従来例装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 現像剤シール部材 2 ホッパー(現像容器) 3 現像スリーブ(現像剤担持体) 4 トナー(現像剤) 6 マグネット(磁界発生手段) 221 現像スリーブ(現像剤担持体) 223 現像容器 224 トナー(一成分現像剤) 226 弾性ブレード(現像剤規制部材) 226b 下層の摩擦帯電性部材 226c 上層の摩擦帯電性部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 居波 聡 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長谷川 浩人 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大久保 正晴 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−16878(JP,A) 特開 平4−128856(JP,A) 特開 昭62−27770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有して現像剤を収容せしめる現
    像容器と、該開口部にて回転自在に配設され現像剤を担
    持搬送せしめる現像剤担持体と、該現像剤担持体内部に
    配設された磁界発生手段と、上記開口部にて一端を上記
    現像剤担持体の下方の現像容器壁に取り付け、他端の自
    由端を上記現像剤担持体の表面に摺擦するように配設さ
    れた弾性体の現像剤シール部材とを備えた現像装置にお
    いて、上記現像剤担持体は外径が30mm以下に、上記
    現像剤シール部材と該現像剤担持体との摺擦部の幅は
    2.0mm以下に、上記現像容器の内壁から現像剤シー
    ル部材までの間隔は上記摺擦部近傍にて2.0mm以上
    に、それぞれ設定されていることを特徴とする現像装
    置。
  2. 【請求項2】 現像剤担持体は外径が10〜20mmで
    あり、現像剤シール部材の摺擦部から自由端までの非摺
    擦部の長さは2.0mm以下であることとする請求項1
    に記載の現像装置。
  3. 【請求項3】 磁界発生手段は、多極の磁石であり、該
    磁石の磁極の一つは、現像剤シール部材と現像剤担持体
    の摺擦部近傍であって、該摺擦部よりも該現像剤担持体
    の回転方向上流で、該現像剤担持体と潜像担持体の対向
    する現像領域と該摺擦部との間に位置することとする請
    求項1に記載の現像装置。
  4. 【請求項4】 現像剤は、磁性一成分現像剤で結着樹脂
    及び磁性酸化鉄を少なくとも含有し、該磁性酸化鉄は、
    ケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として0.5〜4.
    0重量%であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重
    量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化
    鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100
    が44〜84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在する
    ケイ素元素の含有量Cと含有量Aとの比(C/A)×1
    00が10〜55%であり、重量平均粒径が13.5μ
    m以下であり、粒径12.7μm以上の現像剤の含有率
    が50重量%以下であることとする請求項1に記載の現
    像装置。
  5. 【請求項5】 現像剤は、重量平均粒径が6〜8μmで
    あり、5.0μm以下の粒径を有するトナーが17〜6
    0個数%含有され、6.35〜10.08μmの粒径を
    有するトナーが5〜50個数%含有され、12.70μ
    m以上の粒径を有する現像剤が2.0体積%以下で含有
    されるものであり、5.0μm以下のの粒径を有する現
    像剤の個数%を示し17〜60のいずれかの値をとるN
    と、5.0μm以下の粒径を有する現像剤の重量%を示
    すVとが、4.6〜6.7のいずれかの値をとる正数k
    を用いて、N/V=−0.05N+kの関係を有するこ
    ととする請求項3に記載の現像装置。
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