JP3283842B2 - 液晶表示用バックライト装置 - Google Patents

液晶表示用バックライト装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示用バック
ライト装置に関し、特に導光板の側面に陰極管を備えた
サイドライト型液晶表示用バックライト装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、ＣＲＴ等の表示装置に代わり、ス
ペースをとらない液晶表示装置が広く採用されるに至っ
ている。この液晶表示用バックライト構成及び機能につ
いて、図１、図９を参照して説明する。図１は、液晶表
示用バックライト装置の構成を説明するための分解図で
あり、図９は、従来の液晶表示用バックライトの構造を
説明するための断面図である。
【０００３】図１に示すように、液晶表示用バックライ
ト装置は、バックライト光源である陰極管５と、陰極管
５から発せられた光を反射する陰極管反射板４と、光を
液晶パネル方向に反射する反射シート２と、光を液晶面
に導く導光板１と、導光板からの光を拡散する拡散シー
ト６とにより構成されており、陰極管反射板４で反射し
た陰極管５の光は、導光板１と反射シート２により反射
を繰り返し、拡散しながら均一な光となって液晶パネル
に入射する。
【０００４】この種の液晶表示装置は、表示画面の大面
積化に伴い、表示領域以外の領域、すなわち額縁部分を
小さくすることが求められているが、額縁部分を小さく
すると、液晶表示画面の陰極管５に近い部分では、反射
シート２や陰極管反射板４で反射された光が他の領域に
比べて多く入射するために、ライン状に明るく発光する
輝線が発生し、液晶表示画面の表示品質を著しく損なっ
てしまう。
【０００５】そこで、この輝線を防止する方法として、
特開平９−２４４０１９号公報等には反射シート２の陰
極管５に近い部分に、グレー又は黒の反射防止膜を設け
る方法が記載されている。この方法について、図９を用
いて説明すると、陰極管５から発する光のうち、反射シ
ート２の陰極管５側の端部に照射する光（図の点線部）
は、液晶表示パネルの陰極管５側に入射して輝線となる
が、図９に示す従来例では、反射シート２の陰極管５端
部には反射防止膜８を形成しているために、この部分に
入射した光は再び導光板１に戻ることがなく、輝線の発
生を抑制することができる。
【０００６】また、液晶表示装置では、種々の用途に応
じて色度を調整することも重要な課題であるが、色度を
調整する方法としては、陰極管５そのものの色を変更す
る方法、あるいは反射シート２や陰極管反射板４に色度
補正フィルタなどの新規部材を追加したり着色を施す工
程を追加する方法等がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】このように、液晶表示
装置においては、輝線の発生を防止し、容易に色度の調
整を行うことができ、かつ、輝度を低下させないことが
求められるが、上述した反射シート２の陰極管５側端部
に反射防止膜８を設けて輝線の発生を防止する方法で
は、輝線の発生は防げるものの、反射防止膜８に入射す
る光を有効に使用することができないために輝度が低下
してしまうという問題がある。
【０００８】また、色度を調整するために陰極管５の色
を変更する方法では、色度の異なった他種類の陰極管５
を用意しなければならず、多大な工数と時間がかかり、
コストが大きく上昇してしまう。更に、反射シート２や
陰極管反射板４全面に色度補正フィルタなどの新規部材
を追加したり、反射シート２や陰極管反射板４全面に着
色を施す方法では、光の反射効率が低下し、色度が補正
される代わりに輝度が低下してしまうという問題が生じ
る。
【０００９】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その主たる目的は、液晶表示パネルの輝度
を損なうことなく色度を調整し、かつ、輝線の発生を抑
えることができる液晶表示用バックライトを提供するこ
とにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、第１の視点において、導光板に入射した
陰極管の光のうち、前記導光板の一側の面を透過した光
は該一側の面に近接して設けた拡散シートに入射し、前
記導光板の一側の面で反射した光は前記導光板の他側の
面に近接して設けた反射シートで反射され、前記導光板
の前記一側の面と前記反射シートとで繰り返し反射され
ることにより、前記導光板に入射した光が液晶パネルを
均一に照射する液晶表示用バックライト装置において、
前記反射シートの前記陰極管側の端部に色度補正手段を
設けたものである。
【００１１】本発明においては、前記色度補正手段が、
所定の波長成分の光のみを反射する反射膜を有すること
が好ましい。
【００１２】本発明においては、前記色度補正手段が、
複数の略半球状の散乱体を含み、所定の波長成分の光の
みを散乱して反射することが好ましい。
【００１３】本発明は、上記構成により、輝度を低下さ
せるなく、所望のバックライト色を容易に得ることがで
きる。また、部材や工程の追加の必要がなく、安価に色
度の補正を実現することが可能である。
【００１４】
【００１５】
【発明の実施の形態】本発明に係る液晶表示用バックラ
イト装置は、その好ましい一実施の形態において、導光
板（図３の１）の両側に反射シート（図３の２）と拡散
シート（図３の６）を備え、側面に陰極管からなる光源
を有する液晶表示用バックライト装置において、反射シ
ートの陰極管側端部に色度補正膜（図３の３）を設け、
導光板の上面で一部反射した光が反射シートで反射され
て導光板に戻り、導光板と反射シートとで反射を繰り返
すことで、補正された光が導光板全体に均一に広がり、
色度の調整を行うものである。
【００１６】
【実施例】上記した本発明の実施の形態についてさらに
詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照
して以下に説明する。
【００１７】［実施例１］まず、本発明の第１の実施例
について、図１乃至図６及び表１を参照して説明する。
図１は、サイドライト型液晶表示用バックライト装置の
分解図であり、図２は、液晶表示用バックライト装置の
構造を示す断面図である。図３は、陰極管から出た光が
導光板内で均一に広がる様子を模式的に示す図である。
また、図４及び図５は、本実施例の液晶表示用バックラ
イト装置における色度補正の効果を確認するための実験
方法及び実験結果を示す図であり、図４は色度の測定点
を、図５は色度の変化を示している。図６は、色度補正
膜として略半球状の散乱体を含む補正膜を用いた液晶表
示用バックライト装置の構造を示す断面図である。
【００１８】まず、図１及び図２を参照して、第１の実
施例の液晶表示用バックライト装置の構成について説明
すると、本実施例の液晶表示用バックライト装置は、光
を面全体に導く導光板１と、導光板から下方向に出た光
を反射し、導光板に戻す反射シート２と、色度補正機能
と輝線防止機能を兼ね備え、反射シート端部に設けられ
た色度補正膜３と、光を導光板方向に反射する陰極管反
射板４と、光源である陰極管５と、導光板から液晶パネ
ルに照射される光を拡散する拡散シート６と、導光板内
や反射シートで反射した光を拡散するドットパターン７
とから構成される。なお、図に示すように、色度補正膜
３は反射シート２の光源近傍端部に設置する。
【００１９】このような液晶表示用バックライト装置を
用いた場合の動作について、図３を用いて説明すると、
陰極管５から照射された光は、陰極管反射板４や反射シ
ート２等に反射し、ドットパターン７や拡散シート６等
で拡散され、最終的に液晶パネルを照射する面状光にな
る。本実施例では、陰極管５から照射される光のうち、
色度補正膜３に入射した光は色度補正膜３で光の色度が
補正され、その補正された光と色度補正膜３に当たらな
かった光が導光板１内で反射、拡散しながら混合するこ
とにより、面全体の色度を補正する。
【００２０】この効果を検証するための実験手順、実験
結果について図４及び図５を用いて説明する。色度補正
効果の確認実験は、光源近傍端部の色度補正膜３上に赤
色のインクを塗布し、液晶パネルを外したバックライト
ユニット単体の状態で陰極管５を点灯して行った。測定
ポイントは、図４に示すように、画面を９分割したそれ
ぞれの中心の９ポイントである。
【００２１】上記条件で実験を行った結果を表１に示
す。
【表１】
【００２２】表１の結果を図で表したものが図５であ
り、図５からわかるように画面内すべての測定点で色度
が補正されることを確認した。このように、反射シート
２の陰極管５側の端部に色度補正膜３を設けるだけで、
画面内の全面にわたって色度を補正することができるた
め、反射シート２や陰極管反射板４の全面に色度補正フ
ィルタを新たに設置したり、着色工程を新たに追加しな
くてもよく、従って、輝度を低下させることなく、容易
に色度の調整をすることが可能になる。
【００２３】また、色度補正膜３は、図６に示すように
略半球状の散乱体を備えた形状にすることもでき、この
色度補正膜３を用いる場合には、色度補正膜３に当たっ
た光は拡散されて導光板内に均一に広がるため、より均
一に面全体の色度を補正することができる。更に、色度
補正膜３で光が散乱されるために、液晶表示パネルの陰
極管５近傍に光が集中することを防ぐことができ、輝線
の発生を抑制することができる。なお、輝線は、色度補
正膜３の厚み、色、ドットの大きさ、ドットの間隔等を
調整することによって有効に除去することができる。
【００２４】［実施例２］次に、本発明の第２の実施例
について図７及び図８を参照して説明する。図７は、第
２の実施例に係る液晶表示用バックライト装置の構造を
示す断面図であり、図８は、色度補正膜として略半球状
の散乱体を含む補正膜を用いた液晶表示用バックライト
装置の構造を示す断面図である。
【００２５】まず、図７を参照して、第２の実施例の液
晶表示用バックライト装置の構成について説明すると、
本実施例の液晶表示用バックライト装置は、導光板１
と、反射シート２と、色度補正機能と輝線防止機能を兼
ね備え、導光板端部に設けられた色度補正膜３と、陰極
管反射板４と、陰極管５と、拡散シート６と、ドットパ
ターン７とから構成される。なお、第２の実施例は、前
記した第１の実施例と異なり、色度補正手段を反射シー
ト２側ではなく、拡散シート６側の導光板１端部に設け
ている。
【００２６】このような液晶表示用バックライト装置で
は、陰極管５から照射された光のうち、導光板１の陰極
管５近傍の輝線となる余分な光は、導光板１の上部に設
けた色度補正膜３で光の色度が補正されて導光板１内部
で反射を繰り返し、また、輝線とならない光は色度補正
膜３で補正されることなく導光板１内部で反射を繰り返
し、その補正された光と色度補正膜３に当たらなかった
光とが導光板１内で反射、拡散しながら混合することに
より、前記した第１の実施例と同様に面全体の色度を補
正することができる。
【００２７】このように、導光板１の陰極管５側の端部
に色度補正膜３を設けるだけで、画面内の全面にわたっ
て色度を補正することができるため、反射シート２や陰
極管反射板４の全面に色度補正フィルタを新たに設置し
たり、着色工程を新たに追加しなくても、輝度を低下さ
せることなく、容易に色度の調整をすることが可能にな
る。また、導光板１に色度補正膜３を設けることで、輝
線の発生を有効に防止することができ、更に、反射シー
ト２や陰極管反射板４全面に色度補正フィルタ等を設置
する場合に比べて、製造コストの増加を防ぐことができ
る。
【００２８】また、色度補正膜３は、図８に示すように
略半球状の散乱体を含む構造にすることもでき、このよ
うな色度補正膜３を用いる場合には、色度補正膜３に当
たった光は拡散されて導光板１内に均一に広がるため、
より均一に面全体の色度を補正することができる。な
お、輝線及び色度補正は、色度補正膜３の透過率と反射
率、ドットの大きさ、ドットの間隔等を調整することに
よって有効に行うことができる。
【００２９】なお、上記した実施例の他に、色度補正膜
３を導光板１上部の拡散シート６の端部に設けることも
可能であり、このような構成によっても前記の実施例と
同様に輝線を防止し、輝度を低下させることなく色度補
正を行うことができることは明らかである。
【００３０】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
下記記載の効果を奏する。
【００３１】第１の効果は、輝度低下のほとんどない色
度の補正が可能であることである。その理由は、輝線防
止のため反射防止膜を設けていた部分に色度補正膜を設
けることによって、反射防止膜で吸収されていた光を色
度補正に利用することができるからである。また、色度
補正膜で補正された光は導光板内部で反射を繰り返すこ
とによって液晶パネル全面にわたって均一に拡散される
ため、色度補正膜の面積を小さくすることができ、色度
補正膜での光の吸収を小さくすることができる。
【００３２】第２の効果は、従来に比べ安価に色度補正
が実現可能であることである。その理由は、色度補正フ
ィルタ等の部材や着色工程等の追加が不要であるためで
あり、反射シートの光源近傍端部には、輝線防止を目的
として形成する反射防止膜の代わりに、同じ方法で色度
補正機能と輝線防止機能を併せ持った色度補正膜を形成
することで、色度補正部材による新たな費用が発生しな
いからである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施例に係るサイドライト型液
晶表示用バックライト装置の構成を説明するための分解
図である。
【図２】本発明の第１の実施例に係る液晶表示用バック
ライトの構造を示す断面図である。
【図３】本発明の第１の実施例に係る液晶表示用バック
ライトの機能を説明するための断面図である。
【図４】本発明の第１の実施例に係る液晶表示用バック
ライトの輝度測定の測定点を示す図である。
【図５】本発明の第１の実施例に係る液晶表示用バック
ライトの輝度測定の結果を示す図である。
【図６】本発明の第１の実施例に係る液晶表示用バック
ライトの機能を説明するための断面図である。
【図７】本発明の第２の実施例に係る液晶表示用バック
ライトの機能を説明するための断面図である。
【図８】本発明の第２の実施例に係る液晶表示用バック
ライトの機能を説明するための断面図である。
【図９】従来の液晶表示用バックライトを示す断面図で
ある。
【００３３】
【符号の説明】
１ 導光板 ２ 反射シート ３ 色度補正膜 ４ 陰極管反射板 ５ 陰極管 ６ 拡散シート ７ ドットパターン ８ 反射防止膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 導光板に入射した陰極管の光のうち、
    前記導光板の一側の面を透過した光は該一側の面に近接
    して設けた拡散シートに入射し、前記導光板の一側の面
    で反射した光は前記導光板の他側の面に近接して設けた
    反射シートで反射され、前記導光板の前記一側の面と前
    記反射シートとで繰り返し反射されることにより、前記
    導光板に入射した光が液晶パネルを均一に照射する液晶
    表示用バックライト装置において、前記反射シートの前
    記陰極管側の端部に色度補正手段を設けた、ことを特徴
    とする液晶表示用バックライト装置。
  2. 【請求項２】前記色度補正手段が、所定の波長成分の光
    のみを反射する反射膜を有する、ことを特徴とする請求
    項１記載の液晶表示用バックライト装置。
  3. 【請求項３】前記色度補正手段が、複数の略半球状の散
    乱体を含み、所定の波長成分の光のみを散乱して反射す
    る、ことを特徴とする請求項１又は２記載の液晶表示用
    バックライト装置。
JP00295899A 1999-01-08 1999-01-08 液晶表示用バックライト装置 Expired - Lifetime JP3283842B2 (ja)

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