JP3282461B2 - ポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子 - Google Patents

ポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子

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JP3282461B2 JP23554395A JP23554395A JP3282461B2 JP 3282461 B2 JP3282461 B2 JP 3282461B2 JP 23554395 A JP23554395 A JP 23554395A JP 23554395 A JP23554395 A JP 23554395A JP 3282461 B2 JP3282461 B2 JP 3282461B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に係
り、特にポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリママトリックス中に液晶が分散され
た、いわゆるポリマ分散型液晶フィルムは、通常の液晶
ディスプレイに比べ偏光板を使用しないため表示が明る
いこと、画面を大型化できること等の種々の利点を有し
ている。
【0003】このポリマ分散型液晶フィルムのポリママ
トリックス中の液晶小滴を均一に分散させる方法として
は、重合、熱、溶媒除去等による相分離による方法と、
ポリビニルアルコールに代表される水溶性ポリマの水溶
液と液晶のエマルジョンを利用する方法の2つがある
が、水溶性ポリマの水溶液とエマルジョンを利用する方
法は、相分離による方法に比較して液滴の制御や、フィ
ルム作製が容易である等の利点を有する。
【0004】このエマルジョンを使用するフィルム作製
方法は、水溶性ポリマ水溶液中に液晶が液滴として分散
しているエマルジョンをITO(Indium Tin Oxide)等
の透明導電性膜を具備した電極基板上にドクターブレー
ドなどの塗工器具により塗布した後、膜を乾燥させ、さ
らに、もう一方の電極基板を貼合わせることからなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このエマル
ジョンを用いるポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示
素子は一般の液晶表示素子と比べて駆動電界E90が高
く、ヒステリシスHが大きいという問題点を有し、汎用
の安価な駆動回路が使用できない等のため、その応用が
制限されている。従って、本発明者らは先に特願平7−
24110号の明細書に示した方法(以下先願の発明1
という)、すなわち水溶性ポリママトリックスと水溶性
ポリママトリックスに分散された液晶の小滴とから成る
ポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子の水溶性ポ
リママトリックスと液晶との間にポリオキシプロピレン
の層を設けることによって駆動電界E90を低減し、かつ
ヒステリシスHを小さくする方法と、特願平7−241
12号の明細書に示した方法(以下先願の発明2とい
う)、すなわち水溶性ポリママトリックスと水溶性ポリ
ママトリックスに分散された液晶の小滴とから成るポリ
マ分散型液晶フィルムを用いた表示素子の水溶性ポリマ
マトリックスと液晶との間に化1で示される化合物の層
を設けることによって駆動電界E90を低減し、かつヒス
テリシスHを小さくする方法とを見出した。
【0006】しかしながら、これらの方法だけでは駆動
電界の低減が十分ではないという課題を有していること
が分かった。
【0007】そこで本発明は、上述した従来技術の欠点
を解消し、量産性に優れたポリマ分散型液晶フィルムを
用いた表示素子の消費電力が小さいままで駆動電界E90
を低減でき、且つヒステリシスHを小さくすることがで
きる新規なポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1の発明は、水溶性ポリママトリックスと該水溶
性ポリママトリックスに分散された液晶の小滴とからな
るポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子におい
て、ポリマ分散型液晶フィルム中に化1で示される化合
物とポリオキシプロピレンとを含ませたポリマ分散型液
晶表示素子である。
【0009】
【化1】
【0010】(構造式中、R1は水素またはアルキル基
またはハロゲン、R2はCH2 CH2 OまたはCH2
H(CH3 )Oでnは1以上の正の整数、R3は水素ま
たはメチル基である。) 請求項2の発明は、上記化1で示される化合物とポリオ
キシプロピレンとが合計で液晶に対して0.1〜20重
量%含まれた表示素子である。
【0011】請求項3の発明は、表示素子特性のうち、
駆動電界E90が1.0ACメガボルト/m未満であり、
ヒステリシスHが0.02以下である表示素子である。
【0012】請求項4の発明は、上記化1で示される化
合物に熱重合開始剤、もしくは、光重合開始剤を含有さ
せ、これを熱、または光で重合させた表示素子である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好適実施の形態を詳述す
る。
【0014】先ず、本発明者らは、ポリマ分散型液晶フ
ィルムを用いた表示素子の駆動電界とヒステリシスはポ
リママトリックスと液晶小滴との界面の状態に強く依存
していることを見出し、先に先願の発明1、すなわち水
溶性ポリママトリックスと水溶性ポリママトリックスに
分散された液晶の小滴とから成るポリマ分散型液晶フィ
ルムを用いた表示素子の水溶性ポリママトリックスと液
晶との間にポリオキシプロピレンの層を設けることによ
って駆動電界E90を低減し、かつヒステリシスHを小さ
くする方法と、先願の発明2、すなわち水溶性ポリママ
トリックスと水溶性ポリママトリックスに分散された液
晶の小滴とから成るポリマ分散型液晶フィルムを用いた
表示素子の水溶性ポリママトリックスと液晶との間に上
記化1で示される化合物の層を設けることによって駆動
電界E90を低減し、かつヒステリシスHを小さくする方
法を見出した。さらに本発明者らは界面の状態を変える
目的でポリママトリックスと液晶との間に化1で示され
る化合物とポリオキシプロピレンの層を設け、先願の発
明1、先願の発明2の単独では十分でなかった駆動電界
のより一層の低減を実現する方法を見出した。
【0015】本発明において、化1で示される化合物は
特に限定されないが、フェノキシエチルアクリレート、
フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ノニル
フェノキシポリエチレングリコールアクリレート等が挙
げられる
【0016】本発明において、ポリオキシプロピレンは
市販されているものを使用でき、例えば、日本油脂社製
ユニオールD−1000を挙げることができる。ポリオ
キシプロピレンは、分子量が300〜10,000の範
囲のものが使用できる。本発明においては、これらの化
合物に重合の形態に応じて、過酸化物に代表される熱重
合開始剤や、光増感剤に代表される光重合開始剤を添加
して用いることもできる。
【0017】更に、化1で示される化合物とポリオキシ
プロピレンの使用量は特に限定されないが、液晶に対し
て合計量0.1〜20重量%で使用するのが望ましい。
使用量0.1重量%以下では前述したポリママトリック
スと液晶との間に形成させる層の形成が不十分であり、
目的とする駆動電界、ヒステリシスの低下は実現されな
い。また、使用量20重量%以上では液晶小滴の形成が
困難となる。
【0018】また、本発明のポリマ分散型液晶フィルム
の膜厚は2〜20μmが望ましく、膜厚2μm以下では
塗布が難しい、素子の絶縁性が不十分、コントラストが
悪い等の問題点があり望ましくない。また、膜厚20μ
m以上では、塗布が難しい、駆動電圧が高くなる等の問
題点がある。
【0019】また、ポリマも特に限定するものではない
が、通常の水溶性ポリマ、具体的にはポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げ
ることができ、さらに、これらを適当な精製法によりイ
オン性の不純物を除去し高純度化したものを用いること
が好ましい。
【0020】また、本発明において使用する液晶も特に
限定されるものではないが、アゾメチン化合物、アゾキ
シ化合物、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステ
ル、安息香酸エステル、シアノ置換フェニルピリジン、
アルコキシ置換フェニルピリジン、フェニルジオキサ
ン、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル等及びそ
れらの混合物に代表されるネマチック液晶が挙げられ、
さらに、これらを適当な精製法により導電性の不純物を
除去したものを用いることが望ましい。さらに、このネ
マチック液晶にコントラスト比を高める目的で二色性色
素を添加しても良い。
【0021】これらにより、表示特性のうち、消費電力
を低めたまま駆動電界E90が1.0ACメガボルト/ m
未満であり、ヒステリシスHが0.02以下のポリマ分
散型液晶フィルムを用いた表示素子が得られる。
【0022】但し、駆動電界E90は表示素子を0.5ボ
ルト/秒で昇圧駆動した時の素子の最大光透過率に対す
る90%透過率を示す電圧V90をポリマ分散型液晶フィ
ルム膜厚dで割った値(E90=V90/d)であり、ヒス
テリシスHは表示素子を0.5ボルト/秒で昇圧した際
の素子最大光透過率に対する50%光透過率を示す電圧
Vup50をポリマ分散型液晶フィルム膜厚dで割った値E
up50(Eup50=Vdown50/d)と表示素子を0.5ボル
ト/秒で降圧した際の素子最大光透過率に対する50%
光透過率を示す電圧Vdown50をポリマ分散型液晶フィル
ム膜厚dで割った値Edown50(Edown50=Vdown50/
d)を測定し、H=(Edown50−Eup50)/Edown50、
により定義され、また駆動電圧は50Hzの交流を用いて
実行値とし、透過率測定は555nmの平行光に近い光
の透過光により測定されたものである。
【0023】素子の消費電力の目安である素子の体積抵
抗率は、22℃で直流電圧10ボルトを30秒間印加し
た時に測定される値とした。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を表1と共に
詳述する。
【0025】実施例1 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.
004グラムを含む新中村化学社製NKエステルAMP
−10G(フェノキシエチルアクリレート)を0.16
グラムと、日本油脂社製ユニオールD−1000を0.
16グラムと、クラレ社製ポバール205(ポリビニル
アルコール)10重量%水溶液10グラムとを4枚羽式
のホモジナイザーで5,000 RPMの回転数で10分間攪
拌しエマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のた
め3日間放置後、さらに、透明電極付ガラス基板に30
μmのギャップのドクターブレードで塗布し、さらに、
20℃40%RH(相対湿度)の環境で24時間放置、
水を乾燥させた。さらに、対向電極基板として透明電極
付ガラス基板を貼合わせた後、紫外線を照射しポリマ分
散型液晶フィルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0026】この素子の駆動電界E90は0.5メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.012であった。
また、この素子の体積抵抗率は、1.2×1012Ωcm
であった。
【0027】実施例2 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.
004グラムを含む新中村化学社製NKエステルAMP
−20G(フェノキシジエチレングリコールアクリレー
ト)を0.16グラムと、日本油脂社製ユニオールD−
1000を0.16グラムと、クラレ社製ポバール20
5(ポリビニルアルコール)10重量%水溶液10グラ
ムとを4枚羽式のホモジナイザーで5,000 RPMの回転
数で10分間攪拌しエマルジョンを得た。このエマルジ
ョンを脱泡のため3日間放置後、さらに、透明電極付ガ
ラス基板に30μmのギャップのドクターブレードで塗
布し、さらに、20℃40%RHの環境で24時間放
置、水を乾燥させた。さらに、対向電極基板として透明
電極付ガラス基板を貼合わせた後、紫外線を照射しポリ
マ分散型液晶フィルム層厚さ7μmの液晶セルを作製し
た。
【0028】この素子の駆動電界E90は0.6メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.013であった。
また、この素子の体積抵抗率は、3.1×1012Ωcm
であった。
【0029】実施例3 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.
004グラムを含む新中村化学社製NKエステルNPA
−5P(ノニルフェノキシポリエチレングリコールアク
リレート)を0.16グラムと、日本油脂社製ユニオー
ルD−1000を0.16グラムと、クラレ社製ポバー
ル205(ポリビニルアルコール)10重量%水溶液1
0グラムとを4枚羽式のホモジナイザーで5,000 RPM
の回転数で10分間攪拌しエマルジョンを得た。このエ
マルジョンを脱泡のため3日間放置後、さらに、透明電
極付ガラス基板に30μmのギャップのドクターブレー
ドで塗布し、さらに、20℃40%RHの環境で24時
間放置、水を乾燥させた。さらに、対向電極基板として
透明電極付ガラス基板を貼合わせた後、紫外線を照射し
ポリマ分散型液晶フィルム層厚さ7μmの液晶セルを作
製した。
【0030】この素子の駆動電界E90は0.7メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.012であった。
また、この素子の体積抵抗率は、1.5×1012Ωcm
であった。
【0031】実施例4 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.
004グラムを含む新中村化学社製NKエステルAMP
−10G(フェノキシエチルアクリレート)を0.16
グラムと、日本油脂社製ユニオールD−1200を0.
16グラムと、クラレ社製ポバール205(ポリビニル
アルコール)10重量%水溶液10グラムとを4枚羽式
のホモジナイザーで5,000 RPMの回転数で10分間攪
拌しエマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のた
め3日間放置後、さらに、透明電極付ガラス基板に30
μmのギャップのドクターブレードで塗布し、さらに、
20℃40%RHの環境で24時間放置、水を乾燥させ
た。さらに、対向電極基板として透明電極付ガラス基板
を貼合わせた後、紫外線を照射しポリマ分散型液晶フィ
ルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0032】この素子の駆動電界E90は0.6メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.012であった。
また、この素子の体積抵抗率は、9.6×1011Ωcm
であった。
【0033】実施例5 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.
004グラムを含む新中村化学社製NKエステルAMP
−10G(フェノキシエチルアクリレート)を0.16
グラムと、日本油脂社製ユニオールD−2000を0.
16グラムと、クラレ社製ポバール205(ポリビニル
アルコール)10重量%水溶液10グラムとを4枚羽式
のホモジナイザーで5,000 RPMの回転数で10分間攪
拌しエマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のた
め3日間放置後、さらに、透明電極付ガラス基板に30
μmのギャップのドクターブレードで塗布し、さらに、
20℃40%RHの環境で24時間放置、水を乾燥させ
た。さらに、対向電極基板として透明電極付ガラス基板
を貼合わせた後、紫外線を照射しポリマ分散型液晶フィ
ルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0034】この素子の駆動電界E90は0.7メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.012であった。
また、この素子の体積抵抗率は、8.3×1011Ωcm
であった。
【0035】実施例6 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.
004グラムを含む新中村化学社製NKエステルAMP
−10G(フェノキシエチルアクリレート)を0.16
グラムと、日本油脂社製ユニオールTG−3000を
0.16グラムと、クラレ社製ポバール205(ポリビ
ニルアルコール)10重量%水溶液10グラムとを4枚
羽式のホモジナイザーで5,000 RPMの回転数で10分
間攪拌しエマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡
のため3日間放置後、さらに、透明電極付ガラス基板に
30μmのギャップのドクターブレードで塗布し、さら
に、20℃40%RHの環境で24時間放置、水を乾燥
させた。さらに、対向電極基板として透明電極付ガラス
基板を貼合わせた後、紫外線を照射しポリマ分散型液晶
フィルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0036】この素子の駆動電界E90は0.7メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.011であった。
また、この素子の体積抵抗率は、7.9×1011Ωcm
であった。
【0037】比較例1 メルク社製液晶TL204を4グラムとクラレ社製ポバ
ール205(ポリビニルアルコール)10重量%水溶液
10グラムとを4枚羽式のホモジナイザーで5,000 RP
Mの回転数で10分間攪拌しエマルジョンを得た。この
エマルジョンを脱泡のため3日間放置後、さらに、透明
電極付ガラス基板に30μmのギャップのドクターブレ
ードで塗布し、さらに、20℃40%RHの環境で24
時間放置、水を乾燥させた。さらに、対向電極基板とし
て透明電極付ガラス基板を貼合わせポリマ分散型液晶フ
ィルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0038】この素子の駆動電界E90は3.7メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.036であった。
また、この素子の体積抵抗率は、1.5×1012Ωcm
であった。
【0039】比較例2 メルク社製液晶TL204を4グラムと、日本油脂製ユ
ニオールD−1000を0.32グラムと、クラレ社製
ポバール205(ポリビニルアルコール)10重量%水
溶液10グラムとを4枚羽式のホモジナイザーで5,000
RPMの回転数で10分間攪拌しエマルジョンを得た。
このエマルジョンを脱泡のため3日間放置後、さらに、
透明電極付ガラス基板に30μmのギャップのドクター
ブレードで塗布し、さらに、20℃40%RHの環境で
24時間放置、水を乾燥させた。さらに、対向電極基板
として透明電極付ガラス基板を貼合わせポリマ分散型液
晶フィルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0040】この素子の駆動電界E90は1.4メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.012であった。
また、この素子の体積抵抗率は、9.2×1011cmで
あった。
【0041】比較例3 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを
0.008グラム含む新中村化学社製NKエステルAM
P−10G(フェノキシエチルアクリレート)を0.3
2グラムと、クラレ社製ポバール205(ポリビニルア
ルコール)10重量%水溶液10グラムとを4枚羽式の
ホモジナイザーで5,000 RPMの回転数で10分間攪拌
しエマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため
3日間放置後、さらに、透明電極付ガラス基板に30μ
mのギャップのドクターブレードで塗布し、さらに、2
0℃40%RHの環境で24時間放置、水を乾燥させ
た。さらに、対向電極基板として透明電極付ガラス基板
を貼合わせた後、紫外線を照射しポリマ分散型液晶フィ
ルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0042】この素子の駆動電界E90は1.2メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.011であった。
また、この素子の体積抵抗率は、9.8×1011Ωcm
であった。
【0043】比較例4 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを
0.03グラム含む新中村化学社製NKエステルAMP
−10G(フェノキシエチルアクリレート)を0.6グ
ラムと、日本油脂社製ユニオールD−1000を0.6
グラムと、クラレ社製ポバール205(ポリビニルアル
コール)10重量%水溶液10グラムとを4枚羽式のホ
モジナイザーで5,000 RPMの回転数で10分間攪拌し
エマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため3
日間放置後、さらに、透明電極付ガラス基板に30μm
のギャップのドクターブレードで塗布し、さらに、20
℃40%RHの環境で24時間放置、水を乾燥させた。
しかしながら、乾燥後の膜は液晶のしみだしが激しく、
ポリマに液晶小滴が分散した形状の膜は得られなかっ
た。
【0044】比較例5 メルク社製液晶TL204を4グラムと、光重合触媒で
ある1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを
0.025ミリグラム含む新中村化学社製NKエステル
AMP−10G(フェノキシエチルアクリレート)を
0.001グラムと、日本油脂社製ユニオールD−10
00を0.001グラムと、クラレ社製ポバール205
(ポリビニルアルコール)10重量%水溶液10グラム
とを4枚羽式のホモジナイザーで5,000 RPMの回転数
で10分間攪拌しエマルジョンを得た。このエマルジョ
ンを脱泡のため3日間放置後、さらに、透明電極付ガラ
ス基板に30μmのギャップのドクターブレードで塗布
し、さらに、20℃40%RHの環境で24時間放置、
水を乾燥させた。さらに、対向電極基板として透明電極
付ガラス基板を貼合わせた後、紫外線を照射しポリマ分
散型液晶フィルム層厚さ7μmの液晶セルを作製した。
【0045】この素子の駆動電界E90は3.6メガボル
ト/mであり、ヒステリシスHは0.036であった。
また、この素子の体積抵抗率は、1.9×1012Ωcm
であった。
【0046】実施例1〜3は、メルク社製液晶TL20
4と日本油脂社製ユニオールD−1000とクラレ社製
ポバール205(ポリビニルアルコール)水溶液とに加
える上記化1で示される化合物の種類を変えて液晶セル
を作製したものである。
【0047】実施例4〜6は、メルク社製液晶TL20
4と新中村化学社製NKエステルAMP−10Gとクラ
レ社製ポバール205(ポリビニルアルコール)水溶液
とに加える上記ポリオキシプロピレンの分子量を変えて
液晶セルを作製したものである。
【0048】比較例1は上記化1で示される化合物も上
記ポリオキシプロピレンも加えないで、実施例1〜6と
同じ条件で液晶セルを作製したものであり、紫外線も照
射していない。
【0049】比較例2は上記ポリオキシプロピレンは加
えるが、上記化1で示される化合物は加えないで、実施
例1〜6と同じ方法で液晶セルを作製したものである。
【0050】比較例3は上記化1で示される化合物は加
えるが、上記ポリオキシプロピレンは加えないで、実施
例1〜6と同じ方法で液晶セルを作製したものである。
【0051】比較例4は上記化1で示される化合物と上
記ポリオキシプロピレンとを液晶に対して20重量%以
上の範囲に入るように設定した例であり、実施例1と同
じ方法で液晶セルを作製したものである。
【0052】比較例5は上記化1で示される化合物と上
記ポリオキシプロピレンとを液晶に対して0.1重量%
未満の範囲に入るように設定した例であり、実施例1と
同じ方法で液晶セルを作製したものである。
【0053】上記実施例1〜6、比較例1〜5に示した
駆動電界E90、ヒステリシスH、重合開始剤の有無、体
積抵抗率についての測定結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1において、駆動電界E90は表示素子を
0.5ボルト/秒で昇圧駆動した時の素子の最大光透過
率に対する90%透過率を示す電圧V90をポリマ分散型
液晶フィルム膜厚dで割った値(E90=V90/d)であ
り、ヒステリシスHは表示素子を0.5ボルト/秒で昇
圧した際の素子最大光透過率に対する50%光透過率を
示す電圧Vup50をポリマ分散型液晶フィルム膜厚dで割
った値Eup50(Eup50=Vdown50/d)と表示素子を
0.5ボルト/秒で降圧した際の素子最大光透過率に対
する50%光透過率を示す電圧Vdown50をポリマ分散型
液晶フィルム膜厚dで割った値Edown50(Edown50=V
down50/d)を測定し、H=(Edown50−Eup50)/E
down50、により定義され、また駆動電圧は50Hzの交流
を用いて実行値とし、透過率測定は555nmの平行光
に近い光の透過光により測定した。
【0056】また、素子の消費電力の目安である素子の
体積抵抗率は、22℃で直流電圧10ボルトを30秒間
印加した時に測定される値とした。
【0057】実施例1〜6と比較例1とを比較すると、
上記化1で示される化合物を加えた実施例1〜3の駆動
電界E90が1.0ACメガボルト/ m未満で、かつヒス
テリシスHが0.02以下の値を示しており、実施例1
〜3の方が明らかに比較例1よりも駆動電界、ヒステリ
シスが低く、体積抵抗率も高い値を示している。
【0058】実施例1〜6と比較例2とを比較すると、
上記ポリオキシプロピレンのみを加えた比較例2は、比
較例1より、全く加えないよりは駆動電界、ヒステリシ
スが低く、体積抵抗率も高い値を示しているが、上記化
1で示される化合物も加えた実施例1〜6よりは体積抵
抗率が低くなってしまう。
【0059】実施例1〜6と比較例3とを比較すると、
上記化1で示される化合物のみを加えた比較例3は、比
較例1より、全く加えないよりは駆動電界、ヒステリシ
スが低く、体積抵抗率も高い値を示しているが、ポリオ
キシプロピレンも加えた実施例1〜6よりは体積抵抗率
が低くなってしまう。
【0060】実施例1と比較例4,5とを比較すると、
上記1で示される化合物とポリオキシプロピレンの添加
量は、新中村化学社製NKエステルAMP−10Gと日
本油脂社製ユニオールD−1000とを添加した場合、
メルク社製液晶TL204を4グラムに対し、合計量
0.002グラムでは少なく、1.2グラムでは多すぎ
るといえる。
【0061】従って、合計使用量0.1重量%未満では
前述したポリママトリックスと液晶の間に形成させる層
の形成が不十分であり、目的とする駆動電界、ヒステリ
シスの低下は実現されない。また、使用量20重量%以
上では液晶小滴の形成が困難といえる。因って、液晶に
対して0.1〜20重量%で使用するのが望ましい。
【0062】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ポリマ分
散型液晶フィルムを用いた表示素子の消費電力を低めた
まま、駆動電界E90とヒステリシスHを大巾に低減で
き、特性を向上させることができる。
【0063】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−181457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/13 C09K 19/54 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ポリママトリックスと該水溶性ポ
    リママトリックスに分散された液晶の小滴とからなるポ
    リマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子において、ポ
    リマ分散型液晶フィルム中に化1で示される化合物とポ
    リオキシプロピレンとを含ませたことを特徴とするポリ
    マ分散型液晶表示素子。 【化1】 (構造式中、R1は水素またはアルキル基またはハロゲ
    ン、R2はCH2 CH2 OまたはCH2 CH(CH3
    Oでnは1以上の正の整数、R3は水素またはメチル基
    である。)
  2. 【請求項2】 上記化1で示される化合物とポリオキシ
    プロピレンとが合計で液晶に対して0.1〜20重量%
    含まれることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 【請求項3】 表示素子特性のうち、駆動電界E90が
    1.0ACメガボルト/m未満であり、ヒステリシスH
    が0.02以下であることを特徴とする請求項1に記載
    の表示素子。
  4. 【請求項4】 上記化1で示される化合物に熱重合開始
    剤、もしくは、光重合開始剤を含有させ、これを熱、ま
    たは光で重合させたことを特徴とする請求項1に記載の
    表示素子。
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