JP3279877B2 - 熱可塑性ポリマーの濾過方法 - Google Patents

熱可塑性ポリマーの濾過方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性ポリマーの
濾過方法に関し、更に詳しくはフイルターハウジングで
の溶融ポリマーの流速分布を小さくして、滞留によるポ
リマーの熱劣化を回避して、ゲル化ポリマーの生成を抑
制した熱可塑性ポリマーの濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融した熱可塑性ポリマーを濾過精製す
るフイルターとして、通常、円筒状フイルター、又は二
枚の濾材を重ね支持体を内包させたリーフディスクフイ
ルターが使用されている。一般に、後者は前者に比して
高価ではあるが、耐圧性があるため高粘度ポリマーの濾
過或は精密濾過に適し、更に容積の割に大ききな濾過面
積が確保できるため、溶融ポリマーが濾過工程を通過す
る時間を短くすることができ、熱劣化を生じやすい熱可
塑性ポリマーの濾過に適している。
【0003】しかし、ポリマーを溶融成形して製造され
る製品の多様化に併せて、ポリマーも多様化し、流動性
の低いもの、耐熱性の低いもの、または融点が高いため
熱劣化を生じ易いものの溶融成形や、ポリマー劣化物に
起因する欠点の許容基準が著しく厳しい製品の成形など
をする必要があって、更に高度な熱劣化の軽減された濾
過装置或は濾過方法が求められている。
【0004】これらの課題を解決する手段として、従
来、大別して少なくとも2つの手段が提案されている。
その第一はフイルター自身の滞留部をなくする改良で、
例えば実開昭60−86426号、実開昭61−175
418号、実開昭60−179308号、特開平2−1
15009号、実開平4−126705、実開平4−7
0112号、実開平3−47007号が提案されてい
る。第二は多段に積層したフイルターとハウジング或は
フランジとの境界部に生じるポリマー滞留をなくすよう
にする改良である。後者の場合、例えば実際長時間ポリ
エステルの濾過に使用したフイルターセットを、ハウジ
ングから抜出してポリマーの熱劣化の状態を観察する
と、図1の濾過装置に於いて、最下段のフイルターとフ
ランジの境界面でのポリマー劣化が特に激しく、次いで
最下段のフイルターとハウジングの境界面、更に最上段
のフイルターとフイルター押え板との境界面でのポリマ
ー劣化が認められる。この滞留劣化を回避する方法とし
て、特開昭60−90017号では、ハウジングの内の
り断面積を、流体の流れ方向に沿って徐々に縮小して、
フイルター下流部でのハウジングとの境界面における流
速の低下を防ぐことを提案している。この方法は、フイ
ルター下流部でのハウジングとの境界面における滞留の
軽減には有効であるが、最下段のフイルターとフランジ
の境界面、及び最上段のフイルターとフイルター押え板
の境界での滞留抑制効果は乏しい。加えてフイルターセ
ットの抜出し、解体作業が煩雑になる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多段
に積層したフイルターとハウジング或はフランジとの境
界部に生じるポリマー滞留を軽減し、従来技術より劣化
防止効果の及ぶ範囲を広げ、加えて作業煩雑性を解消す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ハウジング内に、3枚以上のリーフディスク
フイルターをポリマー流路を有するセンターシャフトに
通して積重ねて収納し、該ハウジングに導入した溶融ポ
リマーをリーフディスクフイルターを通過させて、セン
ターシャフトのポリマー流路に移動させることによって
溶融ポリマーを濾過する方法に於て、最上段と最下段の
リーフディスクフイルターの少なくとも一方を中間段の
リーフディスクフイルターより圧力損失の小さいフイル
ターとすることを特徴とする熱可塑性ポリマーの濾過方
法によって達成される。
【0007】本発明における熱可塑性ポリマーとして
は、ポリプロピレンのようなポリオレフイン、ナイロン
6、ナイロン66のようなポリアミド、ポリエチレンテ
レフタレートのような芳香族ポリエステル、ポリカーボ
ネート等を例示することができ、特に芳香族ポリエステ
ルが好ましい。
【0008】本発明においては、濾過装置にハウジング
内に、3枚以上のリーフディスクフイルターをポリマー
流路を有するセンターシャフトに通して積重ねて収納
し、該ハウジングに導入した溶融ポリマーをリーフディ
スクフイルターを通過させて、センターシャフトのポリ
マー流路に移動させる構造かららり、かつ最上段と最下
段のリーフディスクフイルターの少なくとも一方を中間
段のリーフディスクフイルターより圧力損失の小さいフ
イルターとする構造からなるものを用いる。
【0009】前記リーフディスクフイルターは、濾材が
金属繊維の不織布状焼結体、または金属粉末、セラミッ
ク粉末等の焼結体で、要すれば濾材の補強材を介し、二
枚の濾材を重ね、フイルター二次側のポリマー流路を形
成する支持体を内包して積層され、中央に中空のシャフ
トを通すハブリングを有する。かかるフイルターは、従
来から広く知られ、また用いられている。
【0010】リーフディスクフイルターの圧力損失を小
さくする方法には、濾材の圧力損失を小さくする方法と
フイルター二次側の流路抵抗を小さくする方法がある。
【0011】濾材の異物捕集性能を変えないで、圧力損
失を他のフイルターより小さくするには、濾材が金属粉
末焼結体或はセラミック粉末焼結体からなる場合には、
粉末の粒度分布や、焼結体の空隙率が目的に合うように
焼結条件を選ぶことによって達成できる。また濾材が金
属繊維の不織布状焼結体からなる場合には、繊維径、目
付量、空隙率等の組合わせを選ぶことによって達成でき
る。
【0012】一方、フイルター二次側の流路抵抗を小さ
くするには、フイルター二次側の流路断面積、或はハブ
リング二次側の流路断面積を大きくする等の方法があ
る。
【0013】本発明における低圧フイルターの圧力損失
は、他のフイルターより3〜50%小さいのが良い。こ
の圧力損失の差が3%に満たない場合は、本発明の滞留
抑制効果に乏しく、逆に50%を越える場合には、ハウ
ジング内の流速分布が大きくなって、フイルターの濾過
寿命が短くなる問題を生じる。
【0014】以下、本発明を図面をもって説明する。
【0015】図1に於いて、ハウジング1に導入した溶
融ポリマー2は、リーフディスクフイルター3、31、
32等に分流してそれぞれの濾材4を通過し、各フイル
ターの二次側の流路5を通ってシャフト6のポリマー流
路7に入り、ポリマー流路7を移動する過程で各フイル
ターを通ったポリマーと合流を重ねて濾過装置の終端8
に至る。ポリマーの流量は、濾過装置の入口から終端に
至る間の各々の流路の圧力損失に逆比例するが、フイル
ターセットの最上段31と最下段32のリーフディスク
フイルターは、隣合う面がフランジ9や押え板10のよ
うな遮断面であるため一般にポリマーの滞留11、1
2、13を生じやすい。
【0016】本発明はかかる滞留を生じやすい部分に位
置するフイルターに、圧力損失の小さい、特に3〜50
%圧力損失の小さいフイルターを使用することから、濾
過装置内の各々の流路の圧力損失分布を変えて、フイル
ターセットの最上段と最下段の流速を高めて滞留を軽減
することが出来る。
【0017】なお、本発明の物性は次のように測定した
ものであり、且つ定義する。
【0018】1.リーフディスクフイルターの圧力損失 被測定フイルターを、該フイルターのハブリングに、両
面から一次側スペーサ(フイルター積層時に組入れるス
ペーサ)を介してフイルターと同じ外径の板で挟み、板
の中央に流量調節器の付いた吸気口と、圧力検出端を取
付け、吸気口には真空ポンプを接続してハブリングから
吸引する。該装置に於いて真空ポンプを稼働し、吸気流
量を調節してその時の真空度を測定し、濾材1cm2当り
の吸気流量が1リットル/秒の時の真空度を持ってフイ
ルターの圧力損失とする。
【0019】2.濾過精度 液体中のガラスビーズの内95%の割合で捕捉できる粒
子径で表す。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0021】[実施例1]ステンレス粒子を焼結して成
る濾過精度が15μm、外径305mmのリーフディス
クフイルターで、図1の装置に於いて、中空シャフトに
50枚積層してハウジングに収納した。ただし、フイル
ターセットの最上段31と最下段32のフイルターは、
他のフイルター5より二次側の流路断面積を25%増し
にすることで、フイルターの圧力損失は15%低くなっ
ている。
【0022】該濾過装置を通してポリエチレンテレフタ
レートを305#Cでシート状に押出したが、12日後
でもポリマー劣化に起因するゲルの発生は認められなか
った。この押出しを停止し、冷却した後、濾過装置のフ
ランジ及び押え板を撤去して、それぞれのフイルターと
の境界面を観察の結果、ポリマー劣化による着色は軽微
であった。
【0023】[比較例1]フイルターセットの最上段3
1と最下段32のフイルターを他のフイルター5と同じ
にした以外は、実施例1と同様の押出した。その結果、
押出し開始10日目にポリマー劣化のゲルに起因する欠
点を生じた。フイルターセットの最上段31と最下段3
2のフイルターとフランジ及び押え板との境界面は、ポ
リマー劣化による着色が顕著であった。
【0024】[実施例2]ステンレス繊維を不織布状に
焼結して成る濾過精度が7μm、外径305mmのリー
フディスクフイルターで、図1の装置に於いて、中空シ
ャフトに60枚積層してハウジングに収納されている。
フイルターセットの最上段と最下段のフイルターは、他
のフイルターより二次側の流路断面積を30%増しに設
計することにより、フイルターの圧力損失は30%低く
なっている。
【0025】該濾過装置を通してポリエチレン2、6ナ
タレートを315#Cでシート状に押出したが、9日後
でもポリマー劣化によるゲルの発生はなかった。
【0026】[比較例2]フイルターセットの最上段と
最下段のフイルターを他のフイルターと同じにしたこと
以外、実施例2と同様の押出し評価の結果、押出し開始
6日目にポリマー劣化のゲルに起因する欠点を生じた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、ポリマー滞留を軽減
し、かつその効果の及ぶ範囲を広げ、加えて作業の煩雑
を解消する濾過方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルターセットの断面概略図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 溶融ポリマー 3 フイルター(中段フイルター) 4 濾材 5 フイルター二次側の流路 6 シャフト 7 ポリマー流路 8 終端 9 フランジ 10 押え板 11、12、13 ポリマー滞留部 31 フイルター(最上段フイルター) 32 フイルター(最下段フイルター)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 29/39 B01D 35/02 B01D 63/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に、3枚以上のリーフディ
    スクフイルターをポリマー流路を有するセンターシャフ
    トに通して積重ねて収納し、該ハウジングに導入した溶
    融ポリマーをリーフディスクフイルターを通過させて、
    センターシャフトのポリマー流路に移動させることによ
    って溶融ポリマーを濾過する方法に於て、最上段と最下
    段のリーフディスクフイルターの少なくとも一方を中間
    段のリーフディスクフイルターより圧力損失の小さいフ
    イルターとすることを特徴とする熱可塑性ポリマーの濾
    過方法。
  2. 【請求項2】 最上段と最下段のリーフディスクフイル
    ターの少なくとも一方の圧力損失が、中間段のリーフデ
    ィスクフイルターの圧力損失より3〜50%小さい請求
    項1に記載の濾過方法。
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JP6851847B2 (ja) * 2017-02-10 2021-03-31 住友化学株式会社 ポリマーフィルタ、ポリマーフィルムの製造方法およびポリマーフィルム
JP7140948B2 (ja) * 2017-10-30 2022-09-22 株式会社クラレ フィルター装置及び熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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