JP3278769B2 - 生コンクリ−トへの転写用油性インキ組成物 - Google Patents
生コンクリ−トへの転写用油性インキ組成物Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、生コンクリ−トの強度
試験のために使用する生コンクリ−トからなる供試体
（単にテストピ−スという）に転写しうる油性インキ組
成物に関する。
試験のために使用する生コンクリ−トからなる供試体
（単にテストピ−スという）に転写しうる油性インキ組
成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より生コンクリ−トを使用するに際
しては、先ず、使用する生コンクリ−トと同一組成から
なる直径１００ｍｍ、高さ２００ｍｍの円柱状のテスト
ピ−スを作成し、その強度を測定した後、合格値を有す
るもののみを実際に使用している。しかし、往々にして
強度試験のために作成し、合格品となったテストピ−ス
のコンクリ−ト成分を実際に使用する場合、その組成を
すり替える様なことがあった。そこで、このような改竄
を防止するために塩化ビニル樹脂よりなる品質管理用板
（ＱＣ板ともいう）を使用し、該ＱＣ板上に使用する生
コンクリ−トの品名や組成等を記入し、この上に直接そ
の生コンクリ−トを流し込み、これを硬化させると共に
ＱＣ板上に記入した筆跡を生コンクリ−トに転写させて
テストピ−スを作成し、その強度を測定する方法が採ら
れている。
しては、先ず、使用する生コンクリ−トと同一組成から
なる直径１００ｍｍ、高さ２００ｍｍの円柱状のテスト
ピ−スを作成し、その強度を測定した後、合格値を有す
るもののみを実際に使用している。しかし、往々にして
強度試験のために作成し、合格品となったテストピ−ス
のコンクリ−ト成分を実際に使用する場合、その組成を
すり替える様なことがあった。そこで、このような改竄
を防止するために塩化ビニル樹脂よりなる品質管理用板
（ＱＣ板ともいう）を使用し、該ＱＣ板上に使用する生
コンクリ−トの品名や組成等を記入し、この上に直接そ
の生コンクリ−トを流し込み、これを硬化させると共に
ＱＣ板上に記入した筆跡を生コンクリ−トに転写させて
テストピ−スを作成し、その強度を測定する方法が採ら
れている。
【０００３】しかしながら、従来、ＱＣ板上に記入し、
生コンクリ−トに転写させるために使用しているインキ
組成物は、主として着色料、樹脂、界面活性剤、溶剤等
よりなる通常使用されている油性インキ組成物である
が、このインキ組成物は、生コンクリ−ト表面に転写が
うまく出来ず、十分満足できるようなインキ組成物では
なかった。
生コンクリ−トに転写させるために使用しているインキ
組成物は、主として着色料、樹脂、界面活性剤、溶剤等
よりなる通常使用されている油性インキ組成物である
が、このインキ組成物は、生コンクリ−ト表面に転写が
うまく出来ず、十分満足できるようなインキ組成物では
なかった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
この点を改良して生コンクリ−トの強度試験のために使
用する生コンクリ−トからなるテストピ−スに転写しう
る油性インキ組成物について種々検討した結果、本発明
を完成したもので、本発明の目的は生コンクリ−トへの
転写用油性インキ組成物を提供するにある。
この点を改良して生コンクリ−トの強度試験のために使
用する生コンクリ−トからなるテストピ−スに転写しう
る油性インキ組成物について種々検討した結果、本発明
を完成したもので、本発明の目的は生コンクリ−トへの
転写用油性インキ組成物を提供するにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、油溶性
染料、有機溶剤、界面活性剤、樹脂、及び、吸湿性のあ
るアルカリ付与剤から成る生コンクリ−トへの転写用油
性インキ組成物である。
染料、有機溶剤、界面活性剤、樹脂、及び、吸湿性のあ
るアルカリ付与剤から成る生コンクリ−トへの転写用油
性インキ組成物である。
【０００６】しかして、本発明にかかる上記インキ組成
物は極めて良好に生コンクリ−トに転写出来る。その理
由は定かではないが、筆記時にインキ組成物中に含有さ
れる界面活性剤がＱＣ板（ＰＶＣフィルム）の表面に配
列して分子膜を作り、吸湿性のアルカリ性与付剤はイン
キの乾燥にともなって、有機溶剤と共にインキ部分の表
面に集合する。このような状態にあるＱＣ板上に生コン
クリ−トが流しこまれると、生コンクリ−ト中の強アル
カリ水分がインキ表面に近づき、インキ表面に集合した
吸湿性のアルカリ性付与剤とは親和性を持つため、強い
水素結合を生成する。
物は極めて良好に生コンクリ−トに転写出来る。その理
由は定かではないが、筆記時にインキ組成物中に含有さ
れる界面活性剤がＱＣ板（ＰＶＣフィルム）の表面に配
列して分子膜を作り、吸湿性のアルカリ性与付剤はイン
キの乾燥にともなって、有機溶剤と共にインキ部分の表
面に集合する。このような状態にあるＱＣ板上に生コン
クリ−トが流しこまれると、生コンクリ−ト中の強アル
カリ水分がインキ表面に近づき、インキ表面に集合した
吸湿性のアルカリ性付与剤とは親和性を持つため、強い
水素結合を生成する。
【０００７】更に生コンクリ−ト中の強アルカリ水が親
和性のある吸湿性のアルカリ性付与剤を介して一部樹脂
を軟化させる。その結果、インキと生コンクリ−トの親
和性がインキとＰＶＣフィルムとの親和性より強力とな
ってインキがコンクリ−ト側に転写するものと推察され
る。この現象は単に吸湿性のあるエチレングリコ−ル、
グリセリンなどの非アルカリ性付与物質を添加しても転
写性には全く効果がないものである。
和性のある吸湿性のアルカリ性付与剤を介して一部樹脂
を軟化させる。その結果、インキと生コンクリ−トの親
和性がインキとＰＶＣフィルムとの親和性より強力とな
ってインキがコンクリ−ト側に転写するものと推察され
る。この現象は単に吸湿性のあるエチレングリコ−ル、
グリセリンなどの非アルカリ性付与物質を添加しても転
写性には全く効果がないものである。
【０００８】以下、更に本発明について詳細に述べる。
油溶性染料は、着色剤として用いるものであって後述す
る有機溶剤に可溶であれば特に限定はなく、使用量は染
料の種類や色別によって異なるが、インキ全体の１〜２
０重量％が好ましい。又顔料も後述の有機溶剤に分散可
能であれば充分使用可能である。
油溶性染料は、着色剤として用いるものであって後述す
る有機溶剤に可溶であれば特に限定はなく、使用量は染
料の種類や色別によって異なるが、インキ全体の１〜２
０重量％が好ましい。又顔料も後述の有機溶剤に分散可
能であれば充分使用可能である。
【０００９】有機溶剤は、従来油性インキに用いられて
いる有機溶剤であればほとんどのものが使用可能である
が、吸湿性のアルカリ性付与剤と相溶性のあることが必
要である。具体的に使用する溶剤としてはメチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコ−ルモノメ
チルエ−テル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル
であり、これらを単独または混合物でもよく、その使用
量はインキ全体の４０％〜９０％が好ましい。
いる有機溶剤であればほとんどのものが使用可能である
が、吸湿性のアルカリ性付与剤と相溶性のあることが必
要である。具体的に使用する溶剤としてはメチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコ−ルモノメ
チルエ−テル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル
であり、これらを単独または混合物でもよく、その使用
量はインキ全体の４０％〜９０％が好ましい。
【００１０】樹脂はインキ粘度調整や定着のために用い
るものであるが、従来油性インキに用いられている樹脂
で前述の有機溶剤に可溶であればほとんどのものが使用
可能である。具体的にはロジンジ系樹脂、ケトン系樹
脂、マレイン酸系樹脂フェノ−ル系樹脂等が上げられ、
これらの樹脂を１種または２種以上混合使用してもよ
く、その使用量はインキ全体の２〜２０重量％が好まし
い。
るものであるが、従来油性インキに用いられている樹脂
で前述の有機溶剤に可溶であればほとんどのものが使用
可能である。具体的にはロジンジ系樹脂、ケトン系樹
脂、マレイン酸系樹脂フェノ−ル系樹脂等が上げられ、
これらの樹脂を１種または２種以上混合使用してもよ
く、その使用量はインキ全体の２〜２０重量％が好まし
い。
【００１１】界面活性剤はフィルム上へのインキの濡れ
性を向上させると共にフィルムとインキの間に分子膜を
造るために用いるもので、アルキルフェノ−ル系、フッ
素系、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル系などの界
面活性剤を単独または併用使用することが可能であり、
その使用量はインキ全体の０．１〜５重量％が好まし
い。
性を向上させると共にフィルムとインキの間に分子膜を
造るために用いるもので、アルキルフェノ−ル系、フッ
素系、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル系などの界
面活性剤を単独または併用使用することが可能であり、
その使用量はインキ全体の０．１〜５重量％が好まし
い。
【００１２】本発明の骨子である吸湿性のアルカリ性付
与剤であるが、前述の有機溶剤に可溶であり、吸湿性の
あるアルカリ性付与剤であればすべて使用可能であり、
例えばモノエタノ−ルアミン、ジェタノ−ルアミン、ト
リエタノ−ルアミン、ジブチルアミンプロパノ−ルアミ
ンなどがあり、これらを単独又は混合使用することが可
能で、その使用量は１〜２０重量％が好ましい。１％以
下では効果はなく、また２０％以上では染料、樹脂の溶
解量が低下、析出を生じる。更に上記必須成分以外に防
錆剤、防腐剤などを適宜添加することも可能である。
与剤であるが、前述の有機溶剤に可溶であり、吸湿性の
あるアルカリ性付与剤であればすべて使用可能であり、
例えばモノエタノ−ルアミン、ジェタノ−ルアミン、ト
リエタノ−ルアミン、ジブチルアミンプロパノ−ルアミ
ンなどがあり、これらを単独又は混合使用することが可
能で、その使用量は１〜２０重量％が好ましい。１％以
下では効果はなく、また２０％以上では染料、樹脂の溶
解量が低下、析出を生じる。更に上記必須成分以外に防
錆剤、防腐剤などを適宜添加することも可能である。
【００１３】本発明を実施例により、更に詳細に本発明
を具体的に説明する。実施例として示されている各組成
の組成割合は、いずれも重量％で示す。
を具体的に説明する。実施例として示されている各組成
の組成割合は、いずれも重量％で示す。
【００１４】
【実施例】表１に示した組成を有する油性インキ組成物
を製造した。
を製造した。
【００１５】
【表１】
【００１６】表１に示した各番号の配合剤は次ぎの通り
である。 (1) プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル (2) オリエント化学（株）製 黒色染料 (3) オリエント化学（株）製 黒色染料 (4) オリエント化学（株）製 スカ−レット染料 (5) オリエント化学（株）製 黄色染料 (6) 中国産ロジン樹脂 (7) 荒川化学（株）製 ロジン樹脂 (8) 日本ライヒホ−ルト（株）製 マレイン酸樹脂 (9) 住友スリ−エム（株）製 フッ素系活性剤 (10)日光ケミカル（株）製 ポリオキシエチレンラウリ
ルエ−テル
である。 (1) プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル (2) オリエント化学（株）製 黒色染料 (3) オリエント化学（株）製 黒色染料 (4) オリエント化学（株）製 スカ−レット染料 (5) オリエント化学（株）製 黄色染料 (6) 中国産ロジン樹脂 (7) 荒川化学（株）製 ロジン樹脂 (8) 日本ライヒホ−ルト（株）製 マレイン酸樹脂 (9) 住友スリ−エム（株）製 フッ素系活性剤 (10)日光ケミカル（株）製 ポリオキシエチレンラウリ
ルエ−テル
【００１７】実施例１〜４及び比較例１〜４で得たイン
キを市販の油性ペン（トンボＯＤ−１５０ＴＭ）に充填
して試験を行なった。試験方法は次ぎの通りである。
キを市販の油性ペン（トンボＯＤ−１５０ＴＭ）に充填
して試験を行なった。試験方法は次ぎの通りである。
【００１８】試験方法 ＱＣ板に筆記し、１時間室温に暴らした後、供試体作製
用鉄型の底部に敷き、その上に生コンクリ−トを流しこ
む。室温で２４時間放置後、取り出してコンクリ−トへ
の転写性をみた。その判断基準は、○鮮明に転写する、
△一部転写する、×全く転写しない、の３通りで行なっ
た。得られた結果を表２に示す。
用鉄型の底部に敷き、その上に生コンクリ−トを流しこ
む。室温で２４時間放置後、取り出してコンクリ−トへ
の転写性をみた。その判断基準は、○鮮明に転写する、
△一部転写する、×全く転写しない、の３通りで行なっ
た。得られた結果を表２に示す。
【００１９】
【表２】
【００２０】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る油性イ
ンキ組成物は生コンクリ−トの硬化と共にＱＣ板よりコ
ンクリ−ト側に鮮明に転写され、その効果は極めて優れ
ている。
ンキ組成物は生コンクリ−トの硬化と共にＱＣ板よりコ
ンクリ−ト側に鮮明に転写され、その効果は極めて優れ
ている。
Claims (2)
- 【請求項１】 油溶性染料、有機溶剤、界面活性剤、樹
脂、及び吸湿性のあるアルカリ付与剤から成る生コンク
リ−トへの転写用油性インキ組成物。 - 【請求項２】 吸湿性のあるアルカリ付与剤がモノエタ
ノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルア
ミン、ジブチルプロパノ−ルアミンからなる群から選ば
れたアルカリ付与剤である請求項１記載の生コンクリ−
トへの転写用油性インキ組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20657292A JP3278769B2 (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 生コンクリ−トへの転写用油性インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20657292A JP3278769B2 (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 生コンクリ−トへの転写用油性インキ組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06220384A JPH06220384A (ja) | 1994-08-09 |
| JP3278769B2 true JP3278769B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=16525628
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20657292A Expired - Fee Related JP3278769B2 (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 生コンクリ−トへの転写用油性インキ組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3278769B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20110152428A1 (en) * | 2008-08-27 | 2011-06-23 | Kao Corporation | High-molecular dispersant for inorganic pigments |
-
1992
- 1992-08-03 JP JP20657292A patent/JP3278769B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06220384A (ja) | 1994-08-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |