JP3278024B2 - 倒立型のチューブ容器 - Google Patents

倒立型のチューブ容器

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JP3278024B2 JP17371394A JP17371394A JP3278024B2 JP 3278024 B2 JP3278024 B2 JP 3278024B2 JP 17371394 A JP17371394 A JP 17371394A JP 17371394 A JP17371394 A JP 17371394A JP 3278024 B2 JP3278024 B2 JP 3278024B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出キャップの裏側に
侵入する水を速やかに排水できるようにした倒立型のチ
ューブ容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、チューブ容器本体の口頸部に吐出
キャップを装着し、該吐出キャップに三点ヒンジを介し
て蓋体を開閉自在に装備させた倒立型のチューブ容器が
ある。この場合の上記吐出キャップは、頂壁に、上記口
頸部内に通じる吐出口を有する他、三点ヒンジ有するた
めに、通常、外周形状をチューブ容器本体の胴部に適合
させてて大きく形成し、周囲に外装周壁を設けている。
しかしながら、普段、閉じた蓋体を下にして倒立させる
ため、洗面所、風呂場等の水場で使用するものでは、チ
ューブ容器本体とその外装周壁の縁部との間に生ずるわ
ずかな間隙から吐出キャップの裏側へ水が侵入し、これ
が次回にチューブ容器本体の内容物を吐出させる際に、
不意に流出して不快感を与え、甚だしくは、その水が腐
敗し、或いは、かびや雑菌の繁殖を伴い、衛生上の問題
を発生させる。そこで、その水を排出させるために、吐
出キャップの頂壁の後部に水抜き孔を穿設し、吐出キャ
ップの裏側に侵入した水をその水抜き孔から蓋体内に流
出させ、更に、三点ヒンジを形成のために蓋体に設けた
切込みをもってその水を外部へと流出させることが試み
られている(実開平5-72747 号公報)。これによると、
吐出キャップの裏側に侵入した大半の水を排出させるこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水抜き孔から
蓋体内に入り込んだ水は、蓋体全般に広がるために、そ
の一部が蓋体内に残留し、これが蓋体の開蓋時に飛散し
て、不快感を与えることがある。また、そのようにして
残留する水は水場では容易に乾燥しないため、腐敗し、
或いは、かびや雑菌の繁殖を誘発する。斯る点に鑑み、
本発明は、蓋体に流入する水を一部の狭い範囲に止め
て、排水の円滑化を図り、全てを速やかに排水させて、
上記問題点を解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1の発明は、チューブ容器本体1の口頸部12に吐出
キャップ2を装着し、該吐出キャップにヒンジ4を介し
て蓋体3を開閉自在に装備させた倒立型のチューブ容器
において、上記吐出キャップ2の頂壁21の後部に該吐出
キャップの裏側に侵入した水を上記蓋体3内へと流出さ
せる水抜き孔5を形成し、また、上記蓋体3には、その
水を外部へと流出させる隙間mを形成するとともに、該
隙間及び上記水抜き孔5を囲む止水手段nを講じたこと
を特徴とする。
【0005】請求項2の発明は、チューブ容器本体1の
口頸部12に吐出キャップ2を装着し、該吐出キャップに
三点ヒンジ4を介して蓋体3を開閉自在に装備させた倒
立型のチューブ容器において、上記吐出キャップ2の頂
壁21の後部に該吐出キャップの裏側に侵入した水を上記
蓋体3内へと流出させる水抜き孔5を形成し、また、上
記蓋体3には、三点ヒンジ4の形成のために設けた切込
み46をもってその水を外部へと流出させる隙間mに兼備
させるとともに、該切込み46及び上記水抜き孔5を囲む
止水手段nとして堰板6を装備させたことを特徴とす
る。
【0006】また、請求項3の発明は、チューブ容器本
体1の口頸部12に吐出キャップ2を装着し、該吐出キャ
ップに三点ヒンジ4を介して蓋体3を開閉自在に装備さ
せた倒立型のチューブ容器において、上記吐出キャップ
2を上記口頸部12へ装着させる吐出キャップ本体2aと外
装周壁部材2bとの組み合わせから構成し、該吐出キャッ
プ2の上部後隅に該吐出キャップの裏側に侵入した水を
上記蓋体3内へと流出させる水抜き孔5を形成し、ま
た、上記蓋体3には、三点ヒンジ4の形成のために設け
た切込み46をもってその水を外部へと流出させる隙間m
に兼備させるとともに、該切込み46及び上記水抜き孔5
を囲む止水手段nとして堰板6を装備させたことを特徴
とする。
【0007】
【作用】如上の構成であるから、いずれの発明にあって
も、倒立姿勢において、吐出キャップ2の裏側に侵入し
た水は、該吐出キャップの頂壁21の水抜き孔5から蓋体
3に流入するが、その流入範囲は止水手段n(堰板6)
により後部の狭い範囲に制限されて、蓋体3の全般に広
がることはなく、全ての水が蓋体3の隙間m(切込み4
6)を通じて円滑にかつ速やかに外部へと流出する。
【0008】
【実施例】
その1.図1乃至図4は、請求項1、請求項2の発明に係
る倒立型のチューブ容器の実施例を示している。図にお
いて、1は、チューブ容器本体、2は、該チューブ容器
の口頸部12に嵌着係合させた吐出キャップ、3は、該吐
出キャップに三点ヒンジ4を介して開閉自在に装備させ
た蓋体であり、これらはいずれも合成樹脂製で、吐出キ
ャップ2、蓋体3及び三点ヒンジ4は、開蓋状態で一体
成形して成る。また、5は、吐出キャップ2の頂壁21の
後部に開孔させた水抜き孔、6は、該水抜き孔と排水用
の隙間mたる三点ヒンジ4の下記切込み46とを囲成させ
て蓋体3内後部に設けた止水手段nたる堰板である。チ
ューブ容器本体1は、後端を一字状に閉じた円筒状の胴
部11の先端に、該胴部のほぼ半分の径の口頸部12を有
し、該口頸部の外周に係止突条13を周設している。な
お、胴部11は薄肉で押しつぶし可能である。吐出キャッ
プ2は、頂壁21の中央に上記口頸部12に通じる吐出口22
を設け、頂壁21の内面に上記口頸部12の内外に嵌着係合
させる嵌合内筒23と係合筒24を設け、かつ、該係合筒の
内周に上記口頸部12の係止突条13と係合させる係合突条
25を形成し、また、頂壁21の周縁にチューブ容器本体1
の胴部11の外径よりやや小さい外径の外装周壁26を周設
し、該外装周壁と上記係合筒24との間で、頂壁21の内面
を、倒立状態にて上記水抜き孔5の近くが低く、遠くが
次第に高くなるよう傾斜させている。蓋体3は、頂壁31
の周縁に上記外装周壁26に対応させて短い周壁32を設
け、かつ、頂壁31の内面中央に上記吐出口22に抜き差し
自在に嵌挿させる栓部33を形成している。三点ヒンジ4
は、チューブ容器本体1と吐出キャップ2との後部両側
において、一対の主たる薄肉ヒンジ部41をやや後方へ突
出させて形成し、また、チューブ容器本体1と注出キャ
ップ2との後部中央において、上記外装周壁26の中途と
吐出キャップ頂壁31の中途とに他の二点の薄肉ヒンジ部
42,43 をそれぞれ設けて、両者間にL字状弾性片44を介
在させ、該L字状弾性片は、下部を上記外装周壁26の後
面に形成した窪み45に納め、上部を上記吐出キャップ頂
壁31の後部に左右一対の切込み46を設けることにより形
成して頂壁31の一部を兼用させている。そして、該切込
み46を排水用の隙間mに兼用させている。水抜き孔5
は、吐出キャップ頂壁21の後部において、上記係合筒24
と外装周壁26との間に侵入した水を排水させるように、
この間に上記L字状弾性片44とほぼ同等の幅で横長に形
成している。止水手段nたる堰板6は、蓋体3の後部に
おいて、水抜き孔5と上記三点ヒンジ4の両側の切込み
46とをコ字状に囲って、換言すれば、蓋体周壁32の後部
を内側へコ字状に窪ませた状態に形成している。如上の
構成であり、チューブ容器本体1内にクリーム状物等の
内容物を収容し、図1に示すように、普段は倒立させて
おき、その内容物を吐出させるときは、従来通り、チュ
ーブ容器本体1を握って取り上げ、蓋体3を開けて、チ
ューブ容器本体1を圧搾し、吐出キャップ2の吐出口22
から内容物を吐出させればよいが、その倒立状態のとき
に、チューブ容器本体1の胴部11を伝って吐出キャップ
2の裏側(外装周壁26と係合筒24との間)に侵入した水
は、外装周壁26と係合筒24との間で頂壁21内面に形成し
た傾斜により全てが水抜き孔5へと導かれて、該水抜き
孔5を通って蓋体3の後部に流入し、この際、その水
は、堰板6により蓋体3の他の大半の部分に流れ込むこ
とが阻止され、L字状弾性片44の両側の切込み46から外
部へと流出する。
【0009】その2.図5乃至図8は、請求項1、請求項
3の発明に係る倒立型のチューブ容器の実施例を示して
いる。この場合、前例のものにおいて、吐出キャップ2
の具体的構成を異にする。すなわち、この場合の吐出キ
ャップ2は、上記口頸部12へ装着させる吐出キャップ本
体2aと外装周壁部材2bとの組み合わせから構成し、該吐
出キャップ2の上部後隅に該吐出キャップの裏側に侵入
した水を上記蓋体3内へと流出させる水抜き孔5を形成
している。また、外装周壁部材2bと蓋体3と三点ヒンジ
4とを一体成形し、吐出キャップ本体2aだけを別体にし
ている。吐出キャップ本体2aは、頂壁21の中央に上記口
頸部12に通じる吐出口22を設け、頂壁21の内面に上記口
頸部12の内外に嵌着係合させる嵌合内筒23と係合筒24を
設け、かつ、該係合筒の内周に上記口頸部12の係止突条
13と係合させる係合突条25を形成しており、そして、前
例のもので一体に設けた外装周壁26を無くしている。ま
た、その頂壁21の後縁部に縦断面堯状の水抜き孔カバー
部7を形成し、かつ、上記係合筒24の上部外周に外装周
壁部材2bを支持させるための係止突条27を周設してい
る。なお、図中、28は、外装周壁部材2bに設けた三点ヒ
ンジ4の一対の主たる薄肉ヒンジ部41を逃げるために上
記水抜き孔カバー部7の両脇に形成した切欠である。外
装周壁部材2bは、吐出キャップ本体2aと別体の外装周壁
26と同様に形成した外装周壁8の上縁に内向きフランジ
9を形成し、該内向きフランジの後部に上記水抜き孔5
を形成して、該内向きフランジを上記係合筒24の外周に
嵌め込んで吐出キャップ本体頂壁21に突き当てるととも
に、その係合筒24の上部外周に設けた係止突条27に内縁
にて係合固定させており、そして、その水抜き孔5を上
記水抜き孔カバー部7の下に位置させて、該水抜き孔カ
バー部の存在により結果的に後方へ向けて開放させてい
る。また、その内向きフランジ9の内面を、前例の吐出
キャップ2における外装周壁26と係合筒24との間の頂壁
21内面の傾斜と同じ意味合いから、倒立状態にて上記水
抜き孔5の近くが低く、遠くが次第に高くなるよう傾斜
させている。その他は前例と同様であり、前例の説明を
もって本例の説明を省略する。
【0010】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3の発明によれば、
チューブ容器本体1の口頸部12に装着した吐出キャップ
2に、ヒンジ4を介して蓋体3を開閉自在に装備させて
成る倒立型のチューブ容器において、吐出キャップ2の
頂壁21の後部に裏側へ侵入した水を蓋体3内へと流出さ
せる水抜き孔5を形成し、また、蓋体3にその水を外部
へと流出させる隙間mを形成するだけでなく、蓋体3に
その隙間m及び上記水抜き孔5を囲む止水手段nを講じ
たので、水抜き孔5から蓋体3内に入り込んだ水は、そ
の止水手段nで囲まれた排水に都合よい狭い範囲内に止
められて蓋体3の全般に広がらず、全てが隙間mから外
部へと円滑にかつ速やかに排出される。したがって、そ
の水の一部が蓋体内に残留するようなことはなく、これ
が蓋体の開蓋時に飛散して不快感を与えることはなく、
洗面所、風呂場等の水場で容易に乾燥し難い場所で使用
する場合であっても、残留水の腐敗、かびや雑菌の繁殖
等を生ぜず、衛生上の不都合を伴うこともない。
【0011】請求項2の発明によれば、更に、隙間mを
兼ねた三点ヒンジ4の切込み46と水抜き孔5を囲む止水
手段nとして堰板6を装備させているので、堰板6を突
設させるだけの簡単な構造で止水手段nを形成でき、し
かも、有効適切な止水を可能にすることができる。
【0012】請求項3の発明によれば、また更に、吐出
キャップ2を上記口頸部12へ装着させる吐出キャップ本
体2aと外装周壁部材2bとの組み合わせから構成している
ので、吐出キャップ本体2aの後部に水抜き孔カバー部27
を、かつ、これに対応させて外装周壁部材2bの後上部に
水抜き孔5を形成でき、したがって、水抜き孔5をその
水抜き孔カバー部27で後方へ開放させることができて、
水抜き孔5が目に触れないものにすることができ、見映
えをよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1、請求項2の発明に係る倒立型のチ
ューブ容器の実施例を示す閉蓋態勢における截断側面図
である。
【図2】 同例の開蓋態勢における中央縦断側面図であ
る。
【図3】 同例要部の開蓋態勢の斜視図である。
【図4】 同例要部の開蓋態勢の平面図である。
【図5】 請求項1、請求項3の発明に係る倒立型のチ
ューブ容器の実施例を示す閉蓋態勢における截断側面図
である。
【図6】 同例の開蓋態勢における中央縦断側面図であ
る。
【図7】 同例要部の開蓋態勢の平面図である。
【図8】 同例要部の開蓋態勢の分解斜視図である。
【符号の説明】
1…チューブ容器本体 2…吐出キャップ 2a…吐出キャップ本体 2b…外装周壁部材 3…蓋体 4…三点ヒンジ 5…水抜き孔 6…堰板 7…水抜き孔カバー部 8…外装周壁 9…内向きフランジ m…隙間 n…止水手段 11…胴部 12…口頸部 13…係止突条 21…吐出キャップの頂壁 22…吐出口 23…嵌合内筒 24…係合筒 25…係合突条 26…外装周壁 27…係止突条 28…切欠 31…蓋体の頂壁 32…蓋体の周壁 33…栓部 41…主たる薄肉ヒンジ部 42,43 …他の二点の
薄肉ヒンジ部 44…L字状弾性片 45…窪み 46…切込み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 35/44 B65D 47/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブ容器本体1の口頸部12に吐出キ
    ャップ2を装着し、該吐出キャップにヒンジ4を介して
    蓋体3を開閉自在に装備させた倒立型のチューブ容器に
    おいて、上記吐出キャップ2の頂壁21の後部に該吐出キ
    ャップの裏側に侵入した水を上記蓋体3内へと流出させ
    る水抜き孔5を形成し、また、上記蓋体3には、その水
    を外部へと流出させる隙間mを形成するとともに、該隙
    間及び上記水抜き孔5を囲む止水手段nを講じたことを
    特徴とする倒立型のチューブ容器。
  2. 【請求項2】 チューブ容器本体1の口頸部12に吐出キ
    ャップ2を装着し、該吐出キャップに三点ヒンジ4を介
    して蓋体3を開閉自在に装備させた倒立型のチューブ容
    器において、上記吐出キャップ2の頂壁21の後部に該吐
    出キャップの裏側に侵入した水を上記蓋体3内へと流出
    させる水抜き孔5を形成し、また、上記蓋体3には、三
    点ヒンジ4の形成のために設けた切込み46をもってその
    水を外部へと流出させる隙間mに兼備させるとともに、
    該切込み46及び上記水抜き孔5を囲む止水手段nとして
    堰板6を装備させたことを特徴とする倒立型のチューブ
    容器。
  3. 【請求項3】 チューブ容器本体1の口頸部12に吐出キ
    ャップ2を装着し、該吐出キャップに三点ヒンジ4を介
    して蓋体3を開閉自在に装備させた倒立型のチューブ容
    器において、上記吐出キャップ2を上記口頸部12へ装着
    させる吐出キャップ本体2aと外装周壁部材2bとの組み合
    わせから構成し、該吐出キャップ2の上部後隅に該吐出
    キャップの裏側に侵入した水を上記蓋体3内へと流出さ
    せる水抜き孔5を形成し、また、上記蓋体3には、三点
    ヒンジ4の形成のために設けた切込み46をもってその水
    を外部へと流出させる隙間mに兼備させるとともに、該
    切込み46及び上記水抜き孔5を囲む止水手段nとして堰
    板6を装備させたことを特徴とする倒立型のチューブ容
    器。
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