JP3277955B2 - 加糖豆乳粉末の製造方法 - Google Patents
加糖豆乳粉末の製造方法Info
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Description
に関する。より詳しくは蛋白質分解酵素を作用させて低
分子化した豆乳に糖類を添加した後、乾燥することを特
徴とする加糖豆乳粉末の製造方法に関する。
管と輸送にコストがかかるという問題点がある。そこ
で、その保存性に対しては無菌充填やレトルト殺菌を行
うことで、又、保管、輸送には包装に工夫することで対
処しているが、どちらも包装コストが高くなるという問
題が残っている。これらの問題を解決するには豆乳を粉
末化すればよいという考えが以前よりあり、豆乳の粉末
化技術の開発が進められてきた。
乳を濃縮した後乾燥するという方法であるが、濃縮の際
の加熱により蛋白質の変性が起こり、その結果、得られ
た豆乳粉末の溶解性が著しく低下するという問題があっ
た。そこで、その問題を解決するため多量の糖を添加し
て濃縮操作し、次いで噴霧乾燥することにより蛋白質の
変性を少なくし、豆乳粉末の溶解性を向上する方法が提
案されている(例えば特公昭61−1103号公報)。
しかし、この方法には粉末豆乳の糖濃度が高くなり、大
豆本来の風味が損なわれるとともに豆乳の特長である健
康食品としての良さが減少するという新たな問題があ
り、飲料や食品に利用する場合、添加量が制限され、高
蛋白化も困難となり利用範囲が狭くなるという欠点があ
った。
した従来の豆乳粉末化技術の問題点を解決し、糖添加量
が少なく、保存性、溶解性に優れた加糖粉末豆乳の製造
方法を提供することにある。
の粉末化技術を研究した結果、豆乳を蛋白質分解酵素で
加水分解し低分子化した後、単糖類又は少糖類を加えて
から乾燥することによって該課題を解決できることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は蛋白質分
解酵素を一定条件下に作用させ、低分子化した豆乳に単
糖類又は少糖類を添加し溶解した後、乾燥、粉末化する
ことを特徴とする加糖豆乳粉末の製造方法を提供するも
のである。
いる豆乳は、大豆から熱水等により蛋白、その他の成分
を溶出させ、繊維物質を除去して得られる乳状の飲料で
ある。一般に豆乳といわれるものはいずれも使用でき
る。本発明で用いる酵素は、蛋白分解酵素で動物、植
物、微生物由来のいずれのものも使用可能である。例え
ばアスペルギルス属及びバチルス属の微生物が産出する
エンド型及びエキソ型プロテアーゼや市販されているプ
ロテアーゼが使用できる。
酵素量、処理温度、処理時間およびpH域は用いる酵素
の至適条件が用いられる。その具体的な条件としては、
酵素量0.01〜0.1重量%、好ましくは0.015
〜0.02重量%であり、且つ処理温度40〜70℃、
好ましくは50〜60℃、処理時間70〜120分間、
好ましくは60分前後である。そして、pH域(安定)
は5.0〜9.0pH、好ましくは6.0〜8.0pH
で行われる。これらの条件を用いないと、本発明が目的
とする豆乳の良好な粉末化に必須な低分子化がなされな
い。さらに、酵素の失活は、用いる該酵素の失活条件に
合わせて行う。通常、処理温度100〜150℃、好ま
しくは120〜145℃で処理時間3〜60秒である。
で、粉末、液体を問わず、一般に食品に用いられるもの
であればいずれも使用可能であり、単独或いは組み合わ
せて用いることも可能である。また、天然物及びこれら
に化学的あるいは酵素処理をして得られた糖類、例えば
異性化糖、転化糖、糖アルコールなどが挙げられ、これ
らの混合物及び含水物も使用できる。また添加量は、目
的とする加糖豆乳粉末に応じて決定するが、一般には豆
乳1kgにつき50g以上であり、好ましくは50〜2
00gを添加する。
あり、豆乳1kg当り50g未満では溶解性が不充分
で、商品としては不適なものになってしまい、又、20
0gを超えると商品にした時の味が問題になり且つ健康
食品への利用に悪影響を与えるので好ましくない。こう
して得られた豆乳を粉末化するため乾燥を行う。この際
用いる乾燥方式は、真空乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥等い
ずれの方法でもよい。
要を説明する。まず、前記したように調製した豆乳に所
定量の蛋白分解酵素を添加し、前記の処理条件下(温
度、時間、pH)に豆乳を加水分解し低分子化する。次
に前記の酵素失活条件で該酵素を失活せしめた後、所定
量の糖類を添加後溶解させ、乾燥工程を経ると、目的と
する加糖豆乳粉末を得ることができる。この粉末は保存
性が高く、溶解しやすいという利点を持つ。水やお湯を
約7〜8倍容添加し溶解すると、調製豆乳並の飲料が得
られる。また、飲料にとどまらず、様々な食品素材とし
て利用価値が高いといえる。
添加する食品添加物、例えば甘味料、調味料、栄養強化
剤、酸化防止剤などを各々の使用基準に応じて使用する
ことができる。また、味付けを行うときは、果汁粉末や
コーヒー粉末等必要により単独或いは複合して用いるこ
とができる。添加量は商品に応じて決定する。その他、
通常食品に使用されているものであれば、目的や使用基
準に応じ、添加することも可能である。
水溶液2リットル中に投入して6分間加熱した。得られ
た熱処理大豆を、90℃以上に加熱された0.1%炭酸
水素ナトリウム水溶液を注ぎながら摩砕して最終液量を
使用大豆の8倍量の2kgとした。この大豆摩砕液を8
0℃以上に加熱し、200メッシュの振動篩で粕分を分
離して、全固形分9.5%、pH7.4の豆乳1.2k
gを得た。
た蛋白分解酵素、サモアーゼY10(大和化成株式会社
製)を0.02重量%になるよう添加し、温度55℃±
2℃、60分間、pH7.5〜8.0の処理条件下に該
豆乳を加水分解して低分子化させた。その後、得られた
加水分解処理された豆乳液の中の酵素を失活させるため
145℃で5秒間加熱処理をした。こうして得られた酵
素処理豆乳に糖類を添加し、真空乾燥法により粉末化を
行った。その際、表1の試験結果にみるように真空乾燥
法で粉末化する時、酵素処理をしない従来法では豆乳に
多量の糖類を添加する必要があることがわかる。
び、酵素処理をせず同様の方法で得た酵素無処理豆乳1
kgにつき、上白糖(東洋精糖社製)を0、50、10
0、200、280gの割合で添加、攪拌し、真空乾燥
法で粉末化した。 乾燥条件:真空ベルト乾燥機SBDミニ((株)日阪製
作所製)、乾燥温度110℃、真空度水銀計10トール
い。溶解性も良好で商品として適する) △…一応粉末化(肉眼で見ると粉末中に圧着したような
塊が見られる。溶解性も低く、そのままでは商品として
不適) ×…粉末化せず 表1に示すとおり、本発明では酵素処理豆乳は真空乾燥
法で粉末化する際、少量の糖類添加で良好な粉末を得ら
れることがわかる。
1kgにつき、上白糖を添加、溶解し、実施例1と同条
件の真空乾燥を経て粉末化した。前記の通り、真空乾燥
法で粉末化する際、豆乳に多量の糖類を添加する必要が
あるが、酵素処理豆乳を用いることで、糖類の添加量が
少なく、しかも溶解性良好な加糖豆乳粉末を得ることが
できることを酵素無処理豆乳(比較例)と対比した溶解
性で示す(表2)。
100mlを入れた300ml容ビーカー中に、長さ
3.5cmの電磁攪拌棒を投入し、マグネチックスター
ラー(株)井内盛栄堂製、MODEL No.HS−3
60)上に設置し、目盛りを2で回転攪拌しておき、別
途秤量した試料2gを上記ビーカー内に投入し、試料が
完全溶解に要する時間(秒数)で測定した。また、完全
溶解を判断するため、溶解中にサンプリングを行い、固
形分濃度が一定になった時点をもって、判断することと
した。
めに、酵素無処理豆乳を用いる場合、豆乳1kgにつき
砂糖280g添加する必要があるのに対し、酵素処理豆
乳では1/4の70gの添加でよいことがわかる。
糖を0、50、100gの割合で添加、溶解し、以下に
示す条件で噴霧乾燥し、加糖豆乳粉末を得た。 乾燥条件:機種…スプレードライヤー L−8型(大川
原化工機株式会社製) 熱風入口温度…180℃ 排風出口温度…90℃ アトマイザー…20,000rpm 乾燥前水分…90.5% 乾燥後水分…1%以下 これらの方法により得た加糖豆乳粉末と、酵素無処理豆
乳から得た加糖豆乳粉末について、実施例2と同様の方
法で溶解性を比較した(表3)。
粉末は、砂糖の添加量が少なくても溶解性に優れている
粉末であることが証明された。また、いずれの試験区に
おいても砂糖を添加した方が溶解性に優れたサンプルを
得ることができた。
糖を0、50、100g添加、溶解し、以下に示す条件
で凍結乾燥し、加糖豆乳粉末を得た。 乾燥条件:機種…EYELA FREEZE DRYER(MODEL No. FD-8
1)(スプレードライ法) (東京理化器械株式会社製) 処理方法…−50℃急速凍結 乾燥前水分…90.5% 乾燥後水分…5%以下 これらの方法により得た加糖豆乳粉末と、酵素無処理豆
乳から得た加糖豆乳粉末について、実施例2と同様の方
法で溶解性を比較した(表4)。
粉末は、砂糖の添加量が少なくても溶解性に優れている
粉末であることが証明された。また、いずれの試験区に
おいても砂糖を添加した方が溶解性に優れたサンプルを
得ることができた。
末は、糖の添加量が従来に比べ少ない上に、溶解性も良
好で且つ保存性、輸送性が優れているという効果があ
る。本願発明によって豆乳の利用が一層拡大することが
期待できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 酵素量0.01〜0.1重量%、処理温
度40〜70℃、処理時間70〜120分間、pH域
(安定)5.0〜9.0pHの条件下に蛋白質分解酵素
を作用させ、低分子化した豆乳に、豆乳1kg当り50
〜200gの単糖類又は少糖類を添加し溶解した後、乾
燥、粉末化することを特徴とする加糖豆乳粉末の製造方
法。
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JP33680692A JP3277955B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | 加糖豆乳粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33680692A JP3277955B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | 加糖豆乳粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06153841A JPH06153841A (ja) | 1994-06-03 |
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Family
ID=18302862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33680692A Expired - Fee Related JP3277955B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | 加糖豆乳粉末の製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (7)
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- 1992-11-25 JP JP33680692A patent/JP3277955B2/ja not_active Expired - Fee Related
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