JP3276901B2 - 動圧スピンドル装置 - Google Patents

動圧スピンドル装置

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JP3276901B2
JP3276901B2 JP27450697A JP27450697A JP3276901B2 JP 3276901 B2 JP3276901 B2 JP 3276901B2 JP 27450697 A JP27450697 A JP 27450697A JP 27450697 A JP27450697 A JP 27450697A JP 3276901 B2 JP3276901 B2 JP 3276901B2
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spindle
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spindle main
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庄太郎 溝渕
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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砥石等のツールを保持
したスピンドル主軸を高速で回転させるスピンドル装置
に係り、詳細には、気体又は液体の流体エネルギをター
ビンロータによって上記スピンドル主軸の回転動力に変
換するスピンドル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、研削盤等の工作機械に用いられる
スピンドル装置では、工具あるいは被加工物が固定され
るスビンドル主軸を転がり軸受で回転自在に支承すると
共に、このスビンドル主軸に対してプーリ及びベルトか
らなる動力伝達系を介してモータの回転動力を伝達する
ものが一般的であった。
【0003】しかしながら、近年では被加工物に対する
高精密加工の要請から小型で且つ主軸回転数の高いスピ
ンドル装置が必要とされており、ベルトによってモータ
とスピンドル主軸を結合する従来のスピンドル装置で
は、このような小型化及び高速化の要求に十分に応える
ことかできなかった。また、従来のスピンドル装置では
スピンドル主軸の回転数を高速化した場合に、スピンド
ル主軸を支えている転がり軸受に振動あるいは焼きつき
が発生し、スピンドル主軸の回転数を高精密加工に十分
な速度にまで高めることができなかった。
【0004】そこで、このような小型化及び高速化の要
請に応えるものとして、砥石を保持したスピンドル主軸
をタービンで駆動するスピンドル装置が提案されている
(特開平8−21435号公報)。かかるスピンドル装
置では、タービンブレードを備えたタービンロータがス
ピンドル主軸に固定される一方、上記スピンドル主軸の
回転は高圧の流体潤滑膜を発生する動圧軸受によって支
承されており、上記タービンブレードに駆動流体を噴き
つけると、スピンドル主軸がタービンロータと共に回転
するように構成されている。また、スピンドル主軸が回
転を開始すると、該スピンドル主軸は流体潤滑膜の作用
によって浮揚状態となり、抵抗や振動が殆ど作用するこ
となく滑らかに回転する。従って、このスピンドル装置
によれば、ベルトやプーリ等の大がかりな動力伝達系を
設けることなく、コンパクトな装置構成でスピンドル主
軸に高速回転を与えることができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のスピンドル装置では、上記スピンドル主軸を回転さ
せるに当たり、タービンロータに備えられたタービンブ
レードに対して外部から駆動流体を吹きつけていたの
で、タービンロータをケーシング等で密閉してしまう
と、タービンブレードから飛散した駆動流体によって該
タービンブレードに対する駆動流体の噴出が阻害されて
しまい、タービンロータを効率良く回転させることがで
きなかった。このため、かかる従来のスピンドル装置で
はタービンロータをケーシング等によって密閉すること
ができず、タービンロータの回転に伴って駆動流体がス
ピンドル主軸の周囲に飛散し、スピンドル装置の周辺機
器が駆動流体によって汚染されてしまうといった問題点
があった。
【0006】また、タービンロータに対してはその接線
方向から駆動流体を吹きつける必要が生じ、その分だけ
スピンドル装置の外径が大型化せざるを得ないといった
問題点もあった。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、タービンロータ
によってスピンドル主軸に高速回転を与えると共に、該
タービンロータを駆動する駆動流体が装置周辺に飛散す
ることがなく、しかも構成が簡易で且つ小型の動圧スピ
ンドル装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の動圧スピンドル装置は、円筒状に形成され
たハウジングと、先端部にツールを保持して回転するス
ピンドル主軸と、このスピンドル主軸の回転に伴って発
生する高圧の流体潤滑膜によって、該スピンドル主軸を
上記ハウジングの内径に対して回転自在に支承する動圧
軸受手段と、上記スピンドル主軸の後端部に固定される
と共に、駆動流体が内径から外径に向かって吹き抜ける
タービンブレードを有し、駆動流体の吹き込みに伴って
該スピンドル主軸を回転駆動するタービンロータと、こ
のタービンロータを覆うようにして上記ハウジングの一
端開口に固定され、かかるハウジング内にタービン室を
形成するエンドキャップと、このエンドキャップの中心
に設けられて上記スピンドル主軸の後端と対向し、該ス
ピンドル主軸を通して上記タービンロータに駆動流体を
吹き込む噴出ノズルとから構成されることを特徴とする
ものである。
【0009】このような技術的手段によれば、タービン
ロータを駆動する駆動流体はエンドキャップの中心に設
けられた噴出ノズルから吹き出し、かかる噴出ノズルと
対向するスピンドル主軸の後端に吹き込まれる。一方、
スピンドル主軸の後端に固定されたタービンロータには
駆動流体が内径から外径へ向けて吹き抜けるタービンブ
レードが形成されており、噴出ノズルから噴き出された
駆動流体はスピンドル主軸を通して上記タービンブレー
ドに吹き込まれる。これにより、駆動流体の保有する流
体エネルギは上記タービンブレードによってタービンロ
ータの回転エネルギに変換され、かかるタービンロータ
が固定されたスピンドル主軸は高速で回転する。
【0010】このとき、本発明では上記エンドキャップ
をハウジングに固定することによってタービン室が形成
され、上記タービンロータはこのタービン室に収容され
ているので、タービンブレードの外径から噴き出した駆
動流体は全てこのタービン室によって回収され、装置周
辺に飛散することがない。また、駆動流体はスピンドル
主軸を通してタービンロータの内径に吹き込まれる一
方、かかるタービンロータの外径から排出されるので、
タービンブレードから飛散した駆動流体によって該ター
ビンブレードに対する駆動流体の噴出が阻害されること
はなく、タービンロータをタービン室内に収容している
にもかかわらず、該タービンロータを効率良く回転させ
ることができる。
【0011】更に、駆動流体はスピンドル主軸の後端に
対してその軸方向から吹き込まれるので、装置の外径は
ハウジング内にタービン室が形成できる程度であれば良
く、かかるスピンドル装置の小型化を図ることもでき
る。
【0012】このように構成された本発明において、上
記スピンドル主軸の回転を支承する動圧軸受手段として
は、該スピンドル主軸の回転に伴って高圧の流体潤滑膜
を発生し、スピンドル主軸をハウジングに対して浮揚状
態で支承するものであれば、その詳細な構成は適宜設計
変更しても差し支えない。但し、外力に対するスピンド
ル主軸の剛性及びバランスを考慮した場合、かかる動圧
軸受手段は、上記スピンドル主軸に設けられたジャーナ
ル部と、このジャーナル部を挟むようにして上記スピン
ドル主軸に固定された一対のスラスト板と、上記ハウジ
ングの内径に固定されると共に、上記ジャーナル部及び
各スラスト板と所定の軸受隙間を介して対向する軸受リ
ングとから構成されるのが好ましい。
【0013】また、スピンドル主軸に対する動圧軸受手
段及びタービンロータの組み付けの簡略化を考慮した場
合、上記ツール及びタービンロータをスピンドル主軸の
両端に夫々固定した際に、上記一対のスラスト板がスピ
ンドル主軸に対して固定されるようにするのが好まし
い。
【0014】更に、構成部品の点数を減らし、かかるス
ピンドル装置の一層の小型化を図るという観点からすれ
ば、上記ジャーナル部及び一方のスラスト板は上記スピ
ンドル主軸と一体的に形成すると共に、他方のスラスト
板は上記タービンロータをスピンドル主軸に固定するこ
とにより、かかるタービンロータと上記ジャーナル部と
の間に挟み込まれてスピンドル主軸に固定されるのが好
ましい。
【0015】上記タービンロータをスピンドル主軸に、
あるいは上記軸受リングをハウジングへ固定する手法と
しては、接着あるいは螺合等によりこれを行っても差し
支えないが、接着による場合はスピンドルを高温環境化
で使用することができず、また、螺合による場合は芯出
し等の作業か必要なのでスピンドル主軸が小型化した場
合にその製作に手間が掛かる。特に、歯科治療に用いら
れるスピンドル装置は口内で使用するために超小型であ
り、しかも高温殺菌処理が不可欠であるため、接着、螺
合といった手法を用いて組み立てるのは困難である。そ
れ故、上記タービンロータ及び軸受リングは焼き嵌めに
よってスピンドル主軸又はハウジングに夫々固定される
のが好ましい。このように焼き嵌めによって固定を行え
ば、ねじ溝の形成等の面倒な機械加工を必要とせず、ス
ピンドル主軸やハウジングを容易に小型化することがで
きる他、焼き嵌め温度よりも低い温度環境下であれば十
分に使用に耐え得るので、耐熱性のある金属やセラミッ
クスをスピンドル主軸、タービンロータあるいはハウジ
ングに使用すれば、400°C以上の高温環境下でも使
用することができる。
【0016】更に、流体潤滑膜が形成される動圧軸受手
段の軸受隙間に対して外部から異物が入り込むと、かか
る動圧軸受手段における円滑な回転運動か妨げられるの
で、かかる異物の侵入を防止するという観点からすれ
ば、上記軸受リングの軸方向中央に潤滑流体の供給流路
を貫通形成し、上記ジャーナル部には軸受リングとの間
に介在する潤滑流体を一対のスラスト板へ向けて付勢す
る動圧発生用溝を形成する一方、上記スラスト板には軸
受リングとの間に介在する潤滑流体を外径方向へ付勢す
る動圧発生用溝を形成するのが好ましい。このように動
圧軸受手段を構成すれば、潤滑流体は軸受リングの供給
流路からのみ軸受隙間に吸引されるので、かかる供給流
路にフィルターを設けることにより、異物が外部から動
圧軸受内に侵入するのを防止することが可能となる。
【0017】一方、上記ツールをスピンドル主軸の先端
部に固定する手法としては、ナットをスピンドル主軸の
先端に螺合させて固定するようにしても差し支えない
が、より簡易な方法としては、動圧軸受手段による潤滑
流体の吸引作用を利用し、ツールをスピンドル主軸の先
端部に吸着して固定するのが好ましい。すなわち、上記
スピンドル主軸の先端には上記ツールが嵌め込まれるツ
ール保持孔を開設する一方、このツール保持孔と上記動
圧軸受手段の軸受隙間とを連通する吸引流路を形成し、
上記スピンドル主軸の回転に伴って上記ツールをツール
保持孔内に吸引固定するように構成する。
【0018】このような構成によれば、スピンドル主軸
の回転に伴って動圧軸受手段の軸受隙間から潤滑流体が
排出され、かかる軸受隙間に負圧が発生すると、上記吸
引流路を介して軸受隙間と連通するツール保持孔内の雰
囲気が軸受隙間に吸引され、上記ツール保持孔に嵌合し
たツールは該ツール保持孔内に吸引されてチャッキング
される。従って、ツールをツール保持孔に嵌合させるだ
けで該ツールの固定を行うことができ、超小型のスピン
ドル装置であってもツールの固定を容易に行うことがで
きるものである。
【0019】ところで、このような動圧軸受手段ではス
ピンドル主軸の回転に伴って軸受隙間に介在する潤滑流
体が加圧されて高圧の流体潤滑膜が発生することから、
かかるスピンドル主軸の回転数が未だ低い場合には該ス
ピンドル主軸の負荷能力が不足する懸念がある。従っ
て、スピンドル主軸の回転数が低い際にも十分な負荷能
力を確保するという観点からすれば、上記軸受リングの
供給流路に対しては加圧された潤滑流体を供給するのが
好ましい。このように加圧された潤滑流体を軸受隙間に
供給すれば、スピンドル主軸のジャーナル部等に形成し
た動圧発生用溝が静圧発生用リセスとして機能すること
から、スピンドル主軸の回転数が低い場合であっても、
軸受隙間には十分に高圧の流体潤滑膜が発生し、スピン
ドル主軸の負荷能力を高めることができる。また、加圧
された潤滑流体としては、上記タービンロータに対して
吹き込む駆動流体をそのまま使用することも可能であ
る。
【0020】また、本願発明者らが実験により把握した
ところによれば、本発明の動圧スピンドル装置では、軸
受隙間に供給する潤滑流体の加圧量を高めていくと、ス
ピンドル主軸の回転に対して抵抗が作用し、スピンドル
主軸の回転数が低下する一方で回転トルクが増加してい
くことが判明した。従って、本発明では潤滑流体及びタ
ービンロータに吹き込む駆動流体の加圧量を夫々調整す
ることにより、上記スピンドル主軸の回転数及び回転ト
ルクを制御することができ、種々の用途に対して柔軟に
対応することが可能となる。
【0021】一方、本発明においてはエンドキャップに
固定された噴出ノズルを回転するスピンドル主軸の後端
に対向させ、かかる噴出ノズルからスピンドル主軸に対
して駆動流体を吹き込んでいるので、噴出ノズルとスピ
ンドル主軸の後端との間には隙間が発生せざるを得ず、
この隙間から漏洩した駆動流体がタービンロータとエン
ドキャップとの隙間に入り込み易い。従って、かかる駆
動流体の漏洩を防止してタービンロータに吹き込まれる
駆動流体の流量の増加を図るためには、エンドキャップ
と対向するタービンロータの一面に動圧発生用溝を形成
し、上記隙間に入り込んだ駆動流体をタービンロータの
回転に伴い噴出ノズルへ向けて付勢するのが好ましい。
【0022】また、エンドキャップとタービンロータと
の隙間に駆動流体が溜まり、かかる隙間に静圧が作用す
るとタービンロータの回転効率が低下するので、タービ
ンロータの回転の高効率化を図るという観点からすれ
は、エンドキャップと対向するタービンロータの一面に
は遠心羽根を形成し、タービンロータの回転に伴ってエ
ンドキャップとタービンロータとの隙間から駆動流体を
排出するのが好ましい。
【0023】更に、上記スピンドル主軸の後端には前述
の通り駆動流体が吹き込まれるが、かかるスピンドル主
軸の後端からツールが固定された先端にかけて導通孔を
形成すると共に、上記駆動流体として研削油剤等の所謂
クーラントを使用するようにすれば、タービンロータの
回転駆動、すなわちスピンドル主軸の回転駆動に併せて
該スピンドル主軸先端のツールにクーラントを供給する
ことができ、別途ツールに対してクーラントを供給する
場合と比較して構成の簡略化を図ることができる。ま
た、このような構成によれば、スピンドル主軸内をクー
ラントが通過するので、高速回転に伴うスピンドル主軸
の発熱を可及的に防止することも可能となり、スピンド
ル主軸の熱膨張を抑えることも可能となる。
【0024】また、スピンドル主軸をタービンロータに
よって回転駆動する場合、かかるスピンドル主軸の先端
に保持したツールがワークに接離すると該スピンドル主
軸の回転数に変動を生じ易いことから、回転数を一定に
保持するためにはタービンロータに流入する駆動流体の
流量をきめ細かく調整する必要がある。従って、かかる
観点からすれば、スピンドル主軸に貫通形成した前述の
導通孔内におけるタービンロータとツール固定端との間
には、スピンドル主軸の回転数の上昇に伴い孔径が拡大
する可変オリフィスを設けるのが好ましい。このように
構成すれば、上記可変オリフィスの孔径が拡大してツー
ルに対する駆動流体の供給流量が増加すると、その増加
分だけタービンロータに吹き込まれる駆動流体の流量が
減少するので、スピンドル主軸の回転数は低下すること
となる。その一方、上記可変オリフィスの孔径が絞られ
てツールに対する駆動流体の供給流量が減少すると、そ
の減少分だけタービンロータに吹き込まれる駆動流体の
流量が増加するので、スピンドル主軸の回転数は上昇す
ることとなり、結果的にスピンドル主軸の回転数を略一
定に保持使用とする作用が発揮される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の動圧スピンドル装置を詳細に説明する。図1は研削盤
の研削軸として用いられる動圧スピンドル装置に本発明
を適用した第1実施例を示すものであり、符号1は該装
置を研削盤の主軸頭に固定するためのハウジングを、符
号2はスピンドル主軸を、符号3はこのスピンドル主軸
2の先端に装着されたカップ型砥石(ツール)を、符号
4は上記スピンドル主軸2の後端に固定されたタービン
ロータを、符号5は上記スピンドル主軸2をハウジング
1に対して回転自在に支承する動圧軸受手段を、符号6
は上記タービンロータ4を覆うように該ハウジング1の
一端開口に固定されたエンドキャップを夫々示してい
る。
【0026】先ず、上記ハウジング1は、動圧軸受手段
5を収容する軸受ケース1aと、上記タービンロータ4
を収容するタービンケース1bとから構成されており、
これらを相互に螺合して円筒状に形成されている。ま
た、上記軸受ケース1aには動圧軸受手段5に対して潤
滑流体を供給するための供給ポート11が貫通形成され
る一方、上記タービンケース1bの内周面にはタービン
ロータ4から排出された駆動流体を回収するための凹溝
12が形成されている。
【0027】更に、上記エンドキャップ6はタービンケ
ース1bの開口縁に螺合する円盤状に形成され、上記タ
ービンケース1bと相俟ってタービン室61を形成して
いる。このエンドキャップ6の中心には駆動流体をター
ビン室61に向けて噴き出す噴出ノズル62が嵌合して
おり、かかる噴出ノズル62の先端は僅かな隙間を介し
てスピンドル主軸2の後端と対向している。また、この
エンドキャップ6には駆動流体を上記噴出ノズル62に
送り込むための供給ポート63が半径方向に貫通形成さ
れる一方、タービンケース1bの凹溝12によって回収
された使用済み駆動流体をハウジング1外へ排出するた
めの排出ポート64が形成されている。
【0028】一方、上記スピンドル主軸2にはタービン
ロータ4が固定される後端からツール3が固定される先
端にかけて導通孔21が貫通形成されており、上記噴出
ノズル62から噴き出した駆動流体はこの導通孔21に
吹き込まれるようになっている。また、タービンロータ
4の固定位置には上記導通孔21と連通する駆動流体の
噴出口22が開設されており、スピンドル主軸2の後端
から上記導通孔21に吹き込まれた加圧流体が、かかる
噴出口22を通してタービンロータ4に吹き込まれるよ
うになっている。尚、この噴出口22はスピンドル主軸
の円周方向の4ヵ所に等配されている。
【0029】従って、噴出ノズル62からスピンドル主
軸2に吹き込まれた駆動流体はその全てがタービンロー
タ4に吹き込まれるのではなく、一部は導通孔21を通
してスピンドル主軸2の先端から噴出し、カップ型砥石
3がワークを研削する際の研削油剤(クーラント)とし
て使用される。但し、上記噴出口22を通してタービン
ロータ4に流れ込む駆動流体の流量よりも導通孔21を
通して砥石3に供給される駆動流体の流量の方が極端に
多くなると、スピンドル主軸2の回転動力が不足するこ
とから、上記噴出口22よりもスピンドル主軸2の先端
部よりには流路抵抗を増加させるためのオリフィス孔2
3が設けられ、タービンロータ4に流れ込む駆動流体の
流量の確保が図られている。
【0030】また、このスピンドル主軸の回転を支承す
る上記動圧軸受手段5は、上記スピンドル主軸2の外径
に焼き嵌めで固定されたジャーナル部51と、このジャ
ーナル部51を挟むようにして上記スピンドル主軸2に
固定された一対のスラスト板52,52と、上記ハウジ
ング1aの内径に接着で固定されると共に、上記ジャー
ナル部51及び各スラスト板52と所定の軸受隙間を介
して対向する軸受リング53とから構成されており、ス
ピンドル主軸2の回転に伴い上記軸受隙間に発生する高
圧の流体潤滑膜によって、該スピンドル主軸2を浮揚状
態で支承するようになっている。
【0031】ここで、上記ジャーナル部51は軸受リン
グ53と相俟ってラジアル動圧軸受を構成しており、図
2に示すように、かかるジャーナル部51の外周面には
ヘリングボーン状の動圧発生用溝(以下、ヘリングボー
ン溝)54が形成されている。このヘリングボーン溝5
4は軸受隙間に介在する潤滑流体を軸端方向へ付勢する
所謂ポンプアウト型に形成されており、スピンドル主軸
2の回転に伴って潤滑流体を加圧し、ジャーナル部51
と軸受リング53との間に流体潤滑膜を形成する。尚、
図2中の矢線はスピンドル主軸2の回転方向を示してい
る。
【0032】また、各スラスト板52は軸受リング53
と相俟ってスラスト動圧軸受を構成しており、図3に示
すように、スラスト板52の軸受リング53との対向面
にはスパイラル状の動圧発生用溝(以下、スパイラル
溝)55が形成されている。このスパイラル溝55は軸
受隙間に介在する潤滑流体をスラスト板52の外径方向
へ付勢する所謂ポンプアウト型に形成されており、スピ
ンドル主軸2の回転に伴ってスラスト板52と軸受リン
グ53との間に流体潤滑膜を形成する一方、かかる潤滑
流体を軸受隙間から軸受外へと排出する。尚、図3中の
矢線はスピンドル主軸2の回転方向を示している。
【0033】上記ジャーナル部及びスラスト板はSi3
4、SiC等のセラミクス材から形成されており、ヘ
リングボーン溝54及びスパイラル溝55は何れもショ
ットブラスト加工によって深さ10μmに形成されてい
る。また、上記軸受リング53はジャーナル部51より
も熱膨張係数の大きいAl23、ZrO2等のセラミク
ス材から形成されており、その軸方向の中央には上記ラ
ジアル動圧軸受の軸受隙間と軸受ケース1aに開設され
た潤滑流体の供給ポート11とを連通する供給流路56
が開設されている。
【0034】また、一対のスラスト板52,52のう
ち、一方のスラスト板52はカップ型砥石3とジャーナ
ル部51との間に、他方のスラスト板52はタービンロ
ータ4とジャーナル部51との間に夫々挟み込まれて固
定されており、砥石3及びタービンロータ4をスピンド
ル主軸2に装着すると各スラスト板52,52の位置決
めがなされるようになっている。尚、この実施例におい
て上記砥石3はナット31によってスピンドル主軸2の
先端に固定され、直接スラスト板52と接しているが、
間座を介してスラスト板52と接するように構成しても
差し支えない。
【0035】一方、上記タービンロータ4はセラミクス
材から形成された円筒状の部材であり、その内径に接着
された金属製スリーブ41を介してスピンドル主軸2の
後端に螺合している。このタービンロータ4の軸方向の
中央には4枚のタービンブレード42が形成されてお
り、上記スピンドル主軸2の噴出口22から噴き出され
た駆動流体がこれらタービンブレード42の間を内径か
ら外径へ吹き抜けるようになっている。
【0036】図4は、上記タービンブレード42の形成
位置でタービンロータ4を切断した断面図を示すもので
ある。上記タービンブレード42は遠心羽根としてスパ
イラル状に形成される一方、かかるタービンブレード4
2の内径側には複数の仕切り壁43に囲まれるようにし
てインデューサ室44が形成されており、スピンドル主
軸2の噴出口22から噴き出した駆動流体は先ず上記イ
ンデューサ室44において圧力の均一化が図られ、上記
仕切り壁43の間から噴き出してタービンブレード42
に吹きつけられた後に、タービンロータ4から排出され
るようになっている。尚、図4中の矢線は、駆動流体を
タービンロータ4に吹き込んだ際の該タービンロータ4
の回転方向を示している。
【0037】また、スピンドル主軸2と共に回転するタ
ービンロータ4がハウジング1に固定されたエンドキャ
ップ6と接触するのを防止するため、これらタービンロ
ータ4とエンドキャップ6との間には20μm程度の隙
間が形成される一方、噴出ノズル62からとスピンドル
主軸2に吹き込まれるべき駆動流体の一部がこの隙間に
流れ込むのを防止すべく、図5に示すように、タービン
ロータ4のエンドキャップ6との対向面には動圧発生用
溝45及び遠心羽根46が形成されている。
【0038】図6に示すように、上記動圧発生用溝45
はタービンロータ4の内径近傍に形成されており、ター
ビンロータ4の回転に伴い該タービンロータ4とエンド
キャップ6との隙間に介在する駆動流体を内径側、すな
わち噴出ノズル62の方向へ付勢する。このため、ター
ビンロータ4が回転を開始すると、噴出ノズル62とス
ピンドル主軸2との間は高圧の駆動流体で外径側から密
封される結果となり、噴出ノズル62から噴き出した駆
動流体を無駄なくスピンドル主軸2の導通孔21に吹き
込むことができるようになっている。
【0039】また、上記遠心羽根46は動圧発生用溝4
5よりもタービンロータ4の外径側に形成されており、
タービンロータ4の内径側あるいは外径側から該タービ
ンロータ4とエンドキャップ6との隙間に入り込んだ駆
動流体をタービンロータ4の回転に伴って外径方向へ排
出し、かかる隙間に駆動流体の静圧が発生するのを防止
している。尚、図5中の矢線はタービンロータ4の回転
方向を示している。
【0040】更に、このタービンロータ4は一対のセラ
ミクス製円筒状半体を貼り合わせて形成されており、上
記タービンブレード42はその接合面に位置している。
すなわち、各円筒状半体にショットブラスト加工を用い
て上記タービンブレード42、仕切り壁43、動圧発生
用溝45及び遠心羽根46を形成した後、これら円筒状
半体を貼り合わせることによってタービンブレード42
がタービロータ4に内蔵されるようになっている。
【0041】そして、以上のように構成された本実施例
のスピンドル装置においては、図示外のポンプによって
加圧された駆動流体をエンドキャップ6に形成された供
給ポート63に送り込むと、かかる駆動流体が噴出ノズ
ル62及びスピンドル主軸2を通してタービンロータ4
内に吹き込まれ、タービンロータ4で発生した回転動力
によってスピンドル主軸2が回転を開始する。一方、ス
ピンドル主軸2が回転を開始すると、それに伴って上記
ラジアル動圧軸受及びスラスト動圧軸受の軸受隙間では
潤滑流体が加圧され、各軸受隙間には高圧の流体潤滑膜
が形成される。これにより、上記スピンドル主軸2は回
転抵抗や振動が殆ど作用しない浮揚状態の下、タービン
ロータ4でその回転を加速され、先端に保持したカップ
型砥石3と共に高速で回転する。
【0042】図6はスピンドル主軸2の回転中における
駆動流体の流れ(白抜き矢印)と、潤滑流体の流れ(黒
塗り矢印)とを示すものである。前述の通り駆動流体は
エンドキャップ6の供給ポート63及び噴出ノズル62
を通してスピンドル主軸2の導通孔21に吹き込まれ、
噴出孔22を介してタービンロータ4に吹き込まれる。
また、タービンロータ4を回転させた駆動流体はタービ
ンケース1bの凹溝によって回収され、エンドキャップ
6の排出ポート64を介して装置外へ排出される。
【0043】これにより、本実施例のスピンドル装置で
はタービンロータ4に吹き込まれる駆動流体と、該ター
ビンロータ4から排出される駆動流体とが相互に交じり
合うことがないので、駆動流体の流動の円滑化が図ら
れ、スピンドル主軸2の回転の高効率化を図ることがで
きるものである。また、タービンロータ4から排出され
た駆動流体は全て回収されるので、かかる駆動流体が周
辺機器に飛散するのを防止することもできるものであ
る。
【0044】また、スピンドル主軸2に吹き込まれた駆
動流体の一部は導通孔21を通してスピンドル主軸2の
先端から噴出し、カップ型砥石3による研削加工のクー
ラントとして使用される。このため、本実施例では上記
駆動流体として研削油剤を用いている。通常、研削加工
においてはクーラントの供給が必須であることから、本
実施例のスピンドル装置は該クーラントの供給装置を有
する従来の研削盤に容易に適用可能であり、しかもそれ
によって従来必要とされていた主軸回転用のモータが不
要となり、その分だけ研削盤の構成の簡略化を図ること
ができるものである。
【0045】一方、スピンドル主軸2が回転を開始する
と、上記潤滑流体は軸受ケース1aの供給ポート11及
び軸受リング53の供給流路56を介して動圧軸受手段
5の軸受隙間に供給される。すなわち、スピンドル主軸
2の回転中はジャーナル部51に形成されたヘリングボ
ーン溝54の働きによってラジアル動圧軸受の軸方向の
中央が若干負圧となるので、潤滑流体は上記供給流路5
6から軸受リング53とジャーナル部51の軸受隙間へ
自然吸引される。また、かかる軸受隙間に吸引された潤
滑流体はジャーナル部51の軸方向の両端からスラスト
動圧軸受の軸受隙間、すなわち軸受リング53とスラス
ト板52との軸受隙間に流動し、更にスラスト板52に
形成されたスパイラル溝55の働きによって該スラスト
板52の外径方向へと排出される。
【0046】このため、本実施例のスピンドル装置では
軸受ケース1aの供給ポート11から清浄な潤滑流体を
供給しさえれば、動圧軸受手段5の軸受隙間に対して外
部から塵芥等の異物が侵入する懸念はなく、常にスピン
ドル主軸2の回転を安定的に支承することができるもの
である。
【0047】また、本実施例ではスピンドル主軸2の外
力に対する負荷能力の向上を図るため、加圧された潤滑
流体を軸受ケース1aの供給ポート11に送り込んでお
り、特に構成の簡略化を図る観点から、前述の駆動流体
を潤滑流体として使用している。このようにポンプで加
圧された潤滑流体を動圧軸受手段5に供給すれば、ジャ
ーナル部51及びスラスト板52に形成した動圧発生用
溝54,55が静圧発生用リセスとして機能することか
ら、スピンドル主軸2が停止している場合あるいは低速
で回転している場合であっても、動圧軸受手段5の各軸
受隙間には高圧の流体潤滑膜が形成され、スピンドル主
軸2の浮揚状態を創り出すことができる。また、スピン
ドル主軸2の高速回転中にあっては、既に加圧されてい
る潤滑流体を動圧発生用溝54,55が更に加圧するこ
ととなるので、より高圧の流体潤滑膜が軸受隙間に形成
され、スピンドル主軸2の外力に対する負荷能力の向上
を図ることも可能となる。
【0048】次に、この第1実施例のスピンドル装置に
おけるスピンドル主軸2の回転数の制御方法について説
明する。図8は駆動流体の供給圧力とスピンドル主軸2
の回転数との関係を示すグラフであり、スピンドル主軸
2の導通孔21に形成したオリフィス孔23の内径を変
化させた各場合についてスピンドル主軸2の回転数を計
測した結果を示している。このグラフによれば、本実施
例のスピンドル装置では上記オリフィス孔23を通じて
砥石3側に供給される駆動流体の流量が多い程、スピン
ドル主軸2の回転数が低下すると言える。
【0049】また、図9はタービンロータ4から排出さ
れる駆動流体の流量とスピンドル主軸2の回転数との関
係を示すグラフであり、やはり上記導通孔21に形成し
たオリフィス孔23の内径を変化させた各場合について
スピンドル主軸2の回転数を計測した結果を示してい
る。このグラフによれば、上記オリフィス孔23の内径
が変化した場合であっても、タービンロータ4を通過す
る駆動流体の流量が一定であれば、スピンドル主軸2の
回転数は一定に保持されることが伺える。
【0050】これらの結果からすれば、スピンドル主軸
2の回転数はタービンロータ4に流入する駆動流体の流
量で決定されると言え、スピンドル主軸2の回転数を略
一定に制御するためには、かかる回転数に応じてタービ
ンロータ4に流入する駆動流体の流量を増減すれば良い
ことになる。
【0051】そこで、本実施例のスピンドル装置ではス
ピンドル主軸2の回転数に応じて導通孔21の内径を変
化させ、砥石3に対して供給される駆動流体の流量を変
化させるべく、図5に示すように、スピンドル主軸2の
導通孔21の内部にゴム製のOリング24を配設し、ス
ピンドル主軸2の回転数の変化に応じてこのOリング2
4の内径が変化するようにしている。具体的には、スピ
ンドル主軸2の先端とタービンロータ4への噴出口22
との間における導通孔21の内周面に凹溝を形成し、か
かる凹溝に上記Oリング24を嵌合させた。
【0052】そして、このような構成によれば、スピン
ドル主軸2の回転数が上昇するにつれて上記Oリング2
4に作用する遠心力が増大することから、かかる遠心力
によってOリング24の内径が拡大し、これによって上
記導通孔21内を砥石3に向かう駆動流体の流路抵抗が
減少する。その結果、スピンドル主軸2の回転数が上昇
するにつれて、スピンドル主軸2内を砥石3に向かって
流れる駆動流体の流量が増大し、その分だけタービンロ
ータ4における駆動流体の流量が低下することから、ス
ピンドル主軸2の回転数の上昇が自然と抑えられるので
ある。一方、スピンドル主軸2の回転数が低下してくる
とOリング24の内径が減少し、上記導通孔21内を砥
石3に向かう駆動流体の流路抵抗が増大するので、ター
ビンロータ4における駆動流体の流量が増加し、これに
よってスピンドル主軸2の回転数が自然と上昇する。
【0053】従って、上記Oリング24をスピンドル主
軸2の導通孔内に装着した本実施例のスピンドル装置に
よれば、かかるOリング24が主軸2の回転数の上昇に
応じて孔径を拡大させる可変オリフィスとして機能し、
タービンロータ4に流入する駆動流体の流量が自ずと調
整されて、スピンドル主軸2の回転数を略一定に保持す
ることができるものである。
【0054】次に、図10は本発明を適用した動圧スピ
ンドル装置の第2実施例を示すものである。前述した第
1実施例ではタービンロータ4及びナット31をスピン
ドル主軸2に螺合させることにより、スラスト動圧軸受
を構成する一対のスラスト板52をスピンドル主軸2に
固定していたが、ツール3の交換のためにナット31を
外すと一方のスラスト板が外れてしまい、その取り扱い
が不便な他、部品点数が多いことから、装置の小型化を
図った場合にその組立作業が煩雑化せざるを得ないとい
った欠点を有している。また、スピンドル主軸2にねじ
溝を加工するためには該スピンドル主軸2の芯出し作業
が不可欠であり、かかる動圧スピンドル装置が小型化す
るほどにその作業は困難なものとなってしまう。
【0055】そこで、以上の点を踏まえ、この第2実施
例の動圧スピンドル装置ではスピンドル主軸に対する軸
受部品の組み付け方法、スピンドル主軸に対するツール
の取り付け方法を変更し、第1実施例に示した装置をよ
り小型化に適した構造とした。
【0056】以下、図10を参照しながら説明すると、
同図において、符号101はハウジング、符号102は
スピンドル主軸、符号103は上記スピンドル主軸10
2の先端に保持されたエンドミル(ツール)、符号10
4は上記スピンドル主軸102に固定されたスラスト
板、符号105はスピンドル主軸の後端に固定されると
共に駆動流体が吹き込まれるタービンロータ、符号10
6は上記タービンロータ105を覆うように該ハウジン
グ101の一端開口に固定された上部カバー(エンドキ
ャップ)、符号107は上記タービンロータ105に駆
動流体を吹き込むためのパイプ(噴出ノズル)、符号1
08は上記ハウジング101の内径に対して焼き嵌めに
より固定されたセラミクス製の軸受リングである。
【0057】上記スピンドル主軸102は、軸受リング
108の内径に所定の軸受隙間を残して遊嵌するジャー
ナル部109と、このジャーナル部の一端から鍔状に張
り出して上記軸受リング108の軸方向の一端面と対向
するスラスト受け部110と、上記ジャーナル部109
を挟んでスラスト受け部110とは反対側に突設された
タービン取付け部111とから構成されており、これら
スラスト受け部110、ジャーナル部109及びタービ
ン取付け部111はその直径は異なるもののセラミクス
材を用いて一体的に成形されている。
【0058】また、上記スラスト板104はタービン取
付け部に嵌合するドーナッツ状に形成されており、ター
ビンロータ105をタービン取付け部111に固定した
際に、該タービンロータ105とジャーナル部109と
の間に挟持されてスピンドル主軸102に固定されるよ
うになっている。そして、かかるスラスト板104を固
定することによって、上記軸受リング108が該スラス
ト板104とスピンドル主軸102のスラスト受け部1
10との間に所定の軸受隙間を残して挟み込まれるよう
になっている。
【0059】ここで、上記ジャーナル部109の外周面
には前述の第1実施例と同様に動圧発生用のヘリングボ
ーン溝が形成される一方、上記スラスト受け部110及
びスラスト板104の軸受リング108との対向面には
動圧発生用のスパイラル溝が形成されており、スピンド
ル主軸102が回転すると、軸受リング108とジャー
ナル部109、軸受リング108とスラスト板104、
軸受リング108とスラスト受け部110の各軸受隙間
に高圧の流体潤滑膜が形成されるようになっている。す
なわち、この実施例のスピンドル装置においても、スピ
ンドル主軸102のジャーナル部109と軸受リング1
08との間でラジアル動圧軸受が構成される一方、スピ
ンドル主軸102のスラスト受け部110と軸受リング
108との間、並びにスラスト板104と軸受リング1
08との間でスラスト動圧軸受が構成されており、これ
ら動圧軸受によってスピンドル主軸102の高速回転が
支承されている。
【0060】但し、前述の第1実施例ではジャーナル部
51をスピンドル主軸2と別部材として形成すると共
に、かかるジャーナル部51の両側に一対のスラスト板
52,52を固定するようにしていたが、この第2実施
例ではジャーナル部109及びスラスト受け部110を
スピンドル主軸102と一体的に成形したことにより、
第1実施例よりも構成部品点数が削減され、その分だけ
スピンドル装置の組立が容易なものとなっている。
【0061】また、上記ラジアル動圧軸受及びスラスト
動圧軸受の軸受隙間に対する潤滑流体の供給は、上記軸
受リング108に開設された供給流路112を介して行
われており、第1実施例と同様、供給流路112からラ
ジアル動圧軸受の軸受隙間に吸引された潤滑流体はスラ
スト動圧軸受の軸受隙間へと流動し、かかる隙間からス
ラスト板104あるいはスラスト受け部110の外形方
向へと排出される。かかる供給流路112は軸受リング
108を周方向に3等分するように3ヵ所に形成されて
おり、各々の供給流路112は軸受リング108の外周
面に周方向に沿った環状溝113を介して連通してい
る。従って、ハウジング101に設けられた供給ポート
114より潤滑流体を供給すると、かかる潤滑流体は環
状溝113を通じて3ヵ所の供給流路112に流れ込
み、各供給流路112からラジアル動圧軸受の軸受隙間
に吸引される。尚、前記第1実施例では潤滑流体として
加圧したクーラント液を使用したが、この実施例では空
気を大気圧から加圧して使用した。
【0062】更に、この実施例ではタービンロータ10
5の吹き込まれる駆動流体の圧力により、スラスト板1
04が軸受リング108に押し付けられて固体接触が生
じるのを防止するため、各供給流路112から上方へ副
供給流路127を形成し、タービンロータ105に隣接
したスラスト板104と軸受リング108との間の軸受
隙間にも加圧した潤滑流体を供給している。これによ
り、かかる軸受隙間には加圧された潤滑流体の静圧が作
用するので、スピンドル主軸102の回転起動時や低速
回転時にスラスト板104が軸受リング108と接触す
るのを防止し、スラスト板104に形成されたスパイラ
ル溝の摩耗を防止することができるようになっている。
【0063】一方、上記タービンロータ105はステン
レスから形成された円盤状の部材であり、焼き嵌めによ
って上記スピンドル主軸102に固定されている。図1
1に示すように、このタービンロータ105にはスピン
ドル主軸102のタービン取付け部111が嵌合する貫
通孔115が形成される一方、その一面には4枚のター
ビンブレード116がスパイラル状に形成されており、
タービン取付け部111から噴き出された駆動流体がこ
れらタービンブレード116の間を内径から外径へ吹き
抜けるようになっている。また、このタービンブレード
116の内径側には、第1実施例と同様、複数の仕切り
壁117が立設されており、第1実施例と同様、タービ
ンロータ105に吹き込まれた駆動流体の圧力の均一化
が図られている。
【0064】図12は、上記タービンロータ105をス
ピンドル主軸102のタービン取付け部111に嵌合さ
せた状態を示すものである。この図に示されるように、
上記スピンドル主軸102のタービン取付け部111に
はその軸方向に沿って上記パイプ107の先端が挿入さ
れる駆動流体の吹き込み孔118が開設される一方、か
かる吹き込み孔118からは4つの噴出口119が放射
状に開設されており、上記パイプ107を介して吹き込
み孔118に流入した駆動流体は該噴出口119を介し
てタービンロータ105内に吹き込まれるようになって
いる。
【0065】また、このタービンロータ105を覆う上
部カバー106には該タービンロータ105を収容する
タービン室120が形成されると共に、このタービン室
120の内周面にはタービンロータ105から排出され
た駆動流体を回収するための凹溝121が形成されてい
る。更に、この上部カバー106の中心には上記パイプ
107に対して駆動流体を送り込むための供給ポート1
22が貫通形成される一方、かかる上部カバー106の
端には上記凹溝121によって回収された使用済の駆動
流体をタービン室120から排出するための排出ポート
123が形成されている。尚、この実施例において、駆
動流体としては潤滑流体と同じ空気を用いた。
【0066】一方、上記スピンドル主軸102に対する
ツール103の固定方法であるが、本実施例では真空チ
ャッキングによりツール103をスピンドル主軸102
の先端に固定している。すなわち、上記スピンドル主軸
102の先端にはテーパ状のツール保持孔124が形成
される一方、このツール保持孔124の奥には減圧室1
25が形成されており、かかる減圧室125は吸引流路
126によってラジアル動圧軸受の軸受隙間と連通して
いる。従って、図10に示すように、エンドミル103
を上記ツール保持孔124に嵌合させた状態でスピンド
ル主軸102を回転させると、ラジアル動圧軸受の軸受
隙間に存在する潤滑流体がスラスト動圧軸受の軸受隙間
へ排出されるのに伴い、減圧室125内の空気は吸引流
路126を介してラジアル動圧軸受の軸受隙間に吸引さ
れ、かかる減圧室125は負圧状態となる。これによ
り、エンドミル103はテーパ状のツール保持孔124
に吸引される結果となり、エンドミル103はツール保
持孔124に固定される。
【0067】そして、以上のように構成された本実施例
のスピンドル装置においても、図示外のポンプによって
加圧された駆動流体を上部カバー106に形成された供
給ポート122に送り込むと、かかる駆動流体がパイプ
107及びスピンドル主軸102のタービン取付け部1
11を通してタービンロータ105内に吹き込まれ、タ
ービンロータ105で発生した回転動力によってスピン
ドル主軸102が回転を開始する一方、これに伴って上
記ラジアル動圧軸受及びスラスト動圧軸受の軸受隙間に
は高圧の流体潤滑膜が形成され、スピンドル主軸102
は浮揚状態の下、タービンロータ105でその回転を加
速され、先端に保持したエンドミル103と共に高速で
回転する。
【0068】従って、駆動流体を供給してスピンドル主
軸102を回転させた際の基本的な動作は前述した第1
実施例と同じであるが、本実施例ではラジアル動圧軸受
を構成するジャーナル部109及びスラスト動圧軸受を
構成する一方のスラスト受け部(スラスト板)110を
スピンドル主軸102と一体的に形成したので、かかる
スピンドル主軸102に対してタービンロータ105を
嵌合させて他方のスラスト板104を固定しさえすれ
ば、容易にラジアル動圧軸受及びスラスト動圧軸受を組
み上げることができ、スピンドル装置の小型化を促進す
る上で有利である。
【0069】また、本実施例では軸受リング108をハ
ウジング101に、タービンロータ105をスピンドル
主軸102に対して夫々固定する際に螺合ではなく焼き
嵌めを用いているので、ねじ切り等の如く、スピンドル
主軸102に対して何ら特別な加工作業を必要とせず、
この点においてもスピンドル装置の小型化に有利であ
る。特に、軸受リング108及びスピンドル主軸102
としてセラミクス材を、ハウジング101及びタービン
ロータ105としてステンレス等の金属材を使用した場
合、セラミクス材は金属材よりも圧縮強度が大きく且つ
熱膨張係数が金属材よりも小さいので、焼き嵌めには最
適である。
【0070】更に、第1実施例の如くジャーナル部51
を接着によってスピンドル主軸2に固着した場合には、
高温環境下で接着材が溶けだす可能性があるが、本実施
例のように焼き嵌めによってスピンドル装置の組立を行
った場合、かかる装置の最高使用温度は焼き嵌め温度に
よって決定されるので、耐熱性のある金属材でタービン
ロータ105やハウジング101を形成すれば、その分
だけ焼き嵌め温度を高く設定することができ、400°
C以上の高温環境下でも該スピンドル装置が使用不能と
なることはない。従って、このスピンドル装置は、例え
ば歯科治療用等、高温殺菌処理が必要な用途にも使用す
ることが可能である。
【0071】本願発明者らはこの実施例の動圧スピンド
ル装置を実際に試作したところ、ハウジング101の直
径12mm、回転数13万rpm以上、径方向の振幅
0.1μm以下の超小型スピンドル装置を製作すること
ができた。
【0072】また、本実施例のスピンドル装置では前述
のように真空チャッキングを用いてツール103をスピ
ンドル主軸102に固定しているので、単にツール10
3をツール保持孔104に嵌合させるのみで該ツール1
03を確実に固定することができ、ツールを103を固
定するための面倒な作業が不要となり、この点において
もスピンドル装置の小型化に有利である。本願発明者ら
が確認したところによれば、スピンドル主軸102のジ
ャーナル部109の軸径、すなわラジアル動圧軸受の直
径が7mm、スピンドル主軸102の回転数が15万r
pmのときに、0.01MPaまでの減圧を容易に行う
ことができ、ツール103をスピンドル主軸102に対
して十分にチャッキングする能力があることが確認され
た。
【0073】次に、この第2実施例の動圧スピンドル装
置におけるスピンドル主軸の回転数制御について説明す
る。この実施例の動圧スピンドル装置では前述の第1実
施例の装置と異なり、スピンドル主軸102の後端に吹
き込んだ駆動流体の全てがタービンロータ105を吹き
抜けるので、本来、スピンドル主軸102の回転数は駆
動流体の流量や加圧量に依存している筈である。しか
し、本願発明者らが確認したところによれば、ラジアル
動圧軸受及びスラスト動圧軸受の軸受隙間に供給する潤
滑流体の加圧量を変化させながら、タービンロータ10
5に吹き込む駆動流体の流体の加圧量を変化させると、
スピンドル主軸102の回転数を変えることなく回転ト
ルクを増減し得ることが判明した。
【0074】図13は、駆動流体の加圧量及び潤滑流体
の加圧量を2倍に変化させると共に、潤滑流体の加圧量
を1.5倍に変化させ、その時のスピンドル主軸102
の回転数と回転トルクとの相関関係を示したグラフであ
る。このグラフから明らかなように、駆動流体の加圧量
が増加した場合であっても、潤滑流体の加圧量が増加す
れば、スピンドル主軸102の回転数が同一に保たれる
場合があり、また、かかる場合にはスピンドル主軸10
2の回転トルクが増大していることがうかがわれる。潤
滑流体の加圧量を変化させるということは、各動圧軸受
の軸受隙間に発生している潤滑流体の静圧を変化させて
いることに他ならないので、以上の結果からすれば、各
動圧軸受の軸受隙間に作用する潤滑流体の静圧を増大さ
せると、スピンドル主軸102の回転抵抗が増加し、そ
の分だけスピンドル主軸102が一定回転数で回転する
のに必要な回転トルクが増大するものと考えられる。
【0075】また、本実施例の動圧スピンドル装置では
軸受リング108に潤滑流体の副供給流路127を形成
し、タービンロータ105に隣接したスラスト板104
が形成する軸受隙間に対しても直接的に潤滑流体を供給
していることから、かかるスラスト板は駆動流体の加圧
力によってスピンドル主軸の先端方向へ押し下げられる
一方、スラスト板の軸受隙間に作用する潤滑流体の静圧
によってスピンドル主軸の後端方向へ押し上げられ、該
スラスト板はこれらの圧力によって上下から挟み込まれ
る結果となる。従って、本実施例の動圧スピンドル装置
では潤滑流体の加圧量を変化させると、スラスト板ひい
てはスピンドル主軸に作用する回転抵抗をより顕著に変
化させることができる。
【0076】以上のことから、本実施例の動圧スピンド
ル装置ではタービンロータに吹き込む駆動流体の加圧
量、並びに各動圧軸受の軸受隙間に供給する潤滑流体の
加圧量を任意に変化させることにより、スピンドル主軸
の回転数及び回転トルクを任意に変化させることがで
き、例えば高回転数が必要な用途や高回転トルクが必要
な用途等、種々の用途に対して柔軟に対応することがで
きるものである。
【0077】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の動圧
スピンドル装置によれば、タービンロータに対してはス
ピンドル主軸を介してその内径から駆動流体を吹き込む
と共に、該タービンロータの外径から排出された駆動流
体はタービン室によって回収するように構成し、駆動流
体の流れの円滑化を図っているので、タービンロータに
よるスピンドル主軸の回転駆動の高効率化が達成され、
かかるスピンドル主軸を高速で回転させることが可能と
なる他、装置周辺に対する駆動流体の飛散を防止するこ
とも可能となる。
【0078】また、駆動流体をスピンドル主軸に対して
その軸方向から吹き込んでいるので、装置の外径はハウ
ジング内にタービン室が形成できる程度であれば良く、
タービンロータに対してその接線方向から駆動流体を吹
きつけていた従来のスピンドル装置と比較してその小型
化を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の動圧スピンドル装置の第1実施例を
示す断面図である。
【図2】 第1実施例に係る動圧軸受手段のジャーナル
部を示す斜視図である。
【図3】 第1実施例に係る動圧軸受手段のスラスト板
を示す正面図である。
【図4】 第1実施例に係るタービンロータに形成され
たタービンブレードを示す断面図である。
【図5】 第1実施例に係るタービンロータの周辺を示
す拡大断面図である。
【図6】 第1実施例に係るタービンロータに形成され
た動圧発生用溝及び遠心羽根を示す正面図である。
【図7】 第1実施例のスピンドル装置の内部における
駆動流体及び潤滑流体の流れを示す図である。
【図8】 第1実施例のスピンドル装置に対する駆動流
体の供給圧力とスピンドル主軸の回転数の関係を示すグ
ラフである。
【図9】 第1実施例のスピンドル装置のタービンロー
タに対する駆動流体の流量とスピンドル主軸の回転数の
関係を示すグラフである。
【図10】 本発明の動圧スピンドル装置の第2実施例
を示す断面図である。
【図11】 第2実施例に係るタービンロータを示す正
面図及び平面図である。
【図12】 第2実施例に係るタービンロータとスピン
ドル主軸との嵌合状態を示す断面図である。
【図13】 第2実施例に係る動圧スピンドル装置にお
いて駆動流体及び潤滑流体の加圧量を変化させた場合
の、スピンドル主軸の回転数及び回転トルクの変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…ハウジング、2…スピンドル主軸、3…砥石(ツー
ル)、4…タービンロータ、5…動圧軸受手段、6…エ
ンドキャップ、61…タービン室、62…噴出ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 5/06 F01D 1/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状に形成されたハウジングと、先端
    部にツールを保持して回転するスピンドル主軸と、この
    スピンドル主軸の回転に伴って発生する高圧の流体潤滑
    膜によって、該スピンドル主軸を上記ハウジングの内径
    に対して回転自在に支承する動圧軸受手段と、上記スピ
    ンドル主軸の後端部に固定されると共に、加圧された駆
    動流体が内径から外径に向かって吹き抜けるタービンブ
    レードを有し、該駆動流体の吹き込みに伴って該スピン
    ドル主軸を回転駆動するタービンロータと、このタービ
    ンロータを覆うようにして上記ハウジングの一端開口に
    固定され、かかるハウジング内にタービン室を形成する
    エンドキャップと、このエンドキャップの中心に設けら
    れて上記スピンドル主軸の後端と対向し、該スピンドル
    主軸を通して上記タービンロータに駆動流体を吹き込む
    噴出ノズルと、から構成されることを特徴とする動圧ス
    ピンドル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動圧スピンドル装置にお
    いて、上記動圧軸受手段は、上記スピンドル主軸に設け
    られたジャーナル部と、このジャーナル部を挟むように
    して上記スピンドル主軸に固定された一対のスラスト板
    と、上記ハウジングの内径に固定されると共に、上記ジ
    ャーナル部及び各スラスト板と所定の軸受隙間を介して
    対向する軸受リングとから構成され、 上記ツール及びタービンロータをスピンドル主軸の両端
    に夫々固定することにより、上記一対のスラスト板がス
    ピンドル主軸に対して固定されていることを特徴とする
    動圧スピンドル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の動圧スピンドル装置にお
    いて、上記動圧軸受手段は、上記スピンドル主軸に設け
    られたジャーナル部と、このジャーナル部を挟むように
    して上記スピンドル主軸に設けられる一対のスラスト板
    と、上記ハウジングの内径に固定されると共に、上記ジ
    ャーナル部及び各スラスト板と所定の軸受隙間を介して
    対向する軸受リングとから構成され、 上記ジャーナル部及び一方のスラスト板は上記スピンド
    ル主軸と一体的に成形されると共に、他方のスラスト板
    は上記タービンロータをスピンドル主軸に固定すること
    により、かかるタービンロータと上記ジャーナル部との
    間に挟み込まれてスピンドル主軸に固定されていること
    を特徴とする動圧スピンドル装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の動圧スピンドル装
    置において、上記タービンロータ及び軸受リングは焼き
    嵌めにより上記スピンドル主軸又はハウジングに夫々固
    定されていることを特徴とする動圧スピンドル装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の動圧スピンドル装
    置において、上記軸受リングの軸方向中央には潤滑流体
    の供給流路が貫通形成され、 上記ジャーナル部には軸受リングとの間に介在する潤滑
    流体を一対のスラスト板へ向けて付勢する動圧発生用溝
    が形成される一方、上記スラスト板には軸受リングとの
    間に介在する潤滑流体を外径方向へ付勢する動圧発生用
    溝が形成されていることを特徴とする動圧スピンドル装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の動圧スピンドル装置にお
    いて、上記スピンドル主軸の先端には上記ツールが嵌め
    込まれるツール保持孔を開設する一方、このツール保持
    孔と上記動圧軸受手段の軸受隙間とを連通する吸引流路
    を形成し、上記スピンドル主軸の回転に伴って上記ツー
    ルをツール保持孔内に吸引固定するように構成したこと
    を特徴とする動圧スピンドル装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の動圧スピンドル装置にお
    いて、上記軸受リングの供給流路には加圧された潤滑流
    体が供給され、上記ジャーナル部及びスラスト板に形成
    された動圧発生用溝が静圧発生用リセスとして機能する
    ことを特徴とする動圧スピンドル装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の動圧スピンドル装置にお
    いて、上記潤滑流体の加圧量及び上記タービンロータに
    吹き込む駆動流体の加圧量を適宜調整することにより、
    上記スピンドル主軸の回転数及び回転トルクを制御する
    ことを特徴とする動圧スピンドル装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の動圧スピンドル装置にお
    いて、上記エンドキャップとタービンロータとを所定の
    隙間を介して対向させると共に、タービンロータのエン
    ドキャップとの対向面には動圧発生用溝が形成され、上
    記隙間に入り込んだ駆動流体をタービンロータの回転に
    伴い噴出ノズルへ向けて付勢することを特徴とする動圧
    スピンドル装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の動圧スピンドル装置に
    おいて、上記エンドキャップとタービンロータとを所定
    の隙間を介して対向させると共に、タービンロータのエ
    ンドキャップとの対向面には遠心羽根が形成され、上記
    隙間に入り込んだ駆動流体をタービンロータの回転に伴
    って該タービンロータの外径方向へ排出することを特徴
    とする動圧スピンドル装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の動圧スピンドル装置に
    おいて、上記スピンドル主軸にはその後端から導入され
    た駆動流体をツール固定端へと導く導通孔が貫通形成さ
    れ、上記駆動流体としてはクーラントが用いられること
    を特徴とする動圧スピンドル装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の動圧スピンドル装置
    において、上記導通孔内におけるタービンロータとツー
    ル固定端との間には、上記スピンドル主軸の回転数の上
    昇に伴い孔径が拡大する可変オリフィスを設けたことを
    特徴とする動圧スピンドル装置。
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