JP3276723B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JP3276723B2 JP3276723B2 JP15749293A JP15749293A JP3276723B2 JP 3276723 B2 JP3276723 B2 JP 3276723B2 JP 15749293 A JP15749293 A JP 15749293A JP 15749293 A JP15749293 A JP 15749293A JP 3276723 B2 JP3276723 B2 JP 3276723B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に優れた耐衝撃性を有
すると共に、耐熱性、剛性、成形性の均衡した物性を有
する熱可塑性樹脂組成物に関する。
すると共に、耐熱性、剛性、成形性の均衡した物性を有
する熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、耐衝撃性(ノッチ
付)が低く、また高荷重下での耐熱性が低いといった欠
点を有している。耐衝撃性を改良させるために、ポリア
ミド樹脂にカルボン酸含有オレフィン系重合体を混合し
た樹脂組成物は知られている(特公昭42−12546
号公報、同55−44108号公報)。しかしながら、
この樹脂組成物の耐衝撃性は向上するが、剛性及び耐熱
性が低下するという欠点が存在している。
付)が低く、また高荷重下での耐熱性が低いといった欠
点を有している。耐衝撃性を改良させるために、ポリア
ミド樹脂にカルボン酸含有オレフィン系重合体を混合し
た樹脂組成物は知られている(特公昭42−12546
号公報、同55−44108号公報)。しかしながら、
この樹脂組成物の耐衝撃性は向上するが、剛性及び耐熱
性が低下するという欠点が存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる欠点を
解決し、耐衝撃性、耐熱性及び剛性に優れ、しかも成形
性等他の物性バランスも良好な熱可塑性樹脂組成物を提
供することにある。
解決し、耐衝撃性、耐熱性及び剛性に優れ、しかも成形
性等他の物性バランスも良好な熱可塑性樹脂組成物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題の解決を目的
として鋭意研究した結果、ポリアミド樹脂に、芳香族ビ
ニル単量体及び特定化されたビニル単量体からなる共重
合体と、変性ポリオレフィン系重合体とを混合した熱可
塑性樹脂組成物とすることにより、上記の目的が達成さ
れることを見いだした。
として鋭意研究した結果、ポリアミド樹脂に、芳香族ビ
ニル単量体及び特定化されたビニル単量体からなる共重
合体と、変性ポリオレフィン系重合体とを混合した熱可
塑性樹脂組成物とすることにより、上記の目的が達成さ
れることを見いだした。
【0005】即ち、本発明は (I−1)芳香族ビニル単量体及びエポキシ基を含有す
るビニル単量体との共重合体(A)、又は該共重合体
(A)と芳香族ビニル単量体の重合体(B)との合計量
50〜95重量部と、 (I−2)エチレン20〜90モル%、α−オレフイン
単量体10〜80モル%及びその他の単量体0〜10モ
ル%からなるゴム状物質のポリオレフイン系共重合体を
不飽和ジカルボン酸無水物単量体基又は不飽和カルボン
酸単量体基0.1〜10重量%を占める量で変性したガ
ラス転移温度(Tg)が摂氏−30℃以下のゴム状物質
の変性ポリオレフイン系重合体5〜50重量部からな
り、かつ、共重合体(A)中における共重合したエポキ
シ基を含有するビニル単量体の量は、重合体(B)を含
まないときは共重合体(A)を100重量部中、重合体
(B)を含むときは共重合体(A)と重合体(B)の合
計量100重量部中にそれぞれ0.1〜10重量部であ
る(I)[(I−1)+(I−2)]10〜70重量%
と、 (II)ポリアミド樹脂(ただし、4,6−ナイロンを
除く)90〜30重量%からなることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物及びその製造方法である。
るビニル単量体との共重合体(A)、又は該共重合体
(A)と芳香族ビニル単量体の重合体(B)との合計量
50〜95重量部と、 (I−2)エチレン20〜90モル%、α−オレフイン
単量体10〜80モル%及びその他の単量体0〜10モ
ル%からなるゴム状物質のポリオレフイン系共重合体を
不飽和ジカルボン酸無水物単量体基又は不飽和カルボン
酸単量体基0.1〜10重量%を占める量で変性したガ
ラス転移温度(Tg)が摂氏−30℃以下のゴム状物質
の変性ポリオレフイン系重合体5〜50重量部からな
り、かつ、共重合体(A)中における共重合したエポキ
シ基を含有するビニル単量体の量は、重合体(B)を含
まないときは共重合体(A)を100重量部中、重合体
(B)を含むときは共重合体(A)と重合体(B)の合
計量100重量部中にそれぞれ0.1〜10重量部であ
る(I)[(I−1)+(I−2)]10〜70重量%
と、 (II)ポリアミド樹脂(ただし、4,6−ナイロンを
除く)90〜30重量%からなることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物及びその製造方法である。
【0006】本発明の共重合体(A)及び重合体(B)
に用いられる芳香族ビニル単量体の具体例としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブ
チルスチレン等がある。
に用いられる芳香族ビニル単量体の具体例としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブ
チルスチレン等がある。
【0007】また、エポキシ基を含有するビニル単量体
の具体例としては、グリシジルメタクリレート、グリシ
ジルメチルメタクリレート、ビニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジル
エーテル等がある。
の具体例としては、グリシジルメタクリレート、グリシ
ジルメチルメタクリレート、ビニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジル
エーテル等がある。
【0008】さらに、共重合体(A)及び重合体(B)
は、必要に応じてその他の上記単量体と共重合可能な単
量体を含んでもかまわない。具体例としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
デシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
メトキシエチル(メタ)アクリレート等があり、これら
を単独又は併用して用いることもできる。ただし、ここ
でメチル(メタ)アクリレートという表現はメチルアク
リレート及びメチルメタクリレートの両者を示すもので
ある。
は、必要に応じてその他の上記単量体と共重合可能な単
量体を含んでもかまわない。具体例としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
デシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
メトキシエチル(メタ)アクリレート等があり、これら
を単独又は併用して用いることもできる。ただし、ここ
でメチル(メタ)アクリレートという表現はメチルアク
リレート及びメチルメタクリレートの両者を示すもので
ある。
【0009】本発明の共重合体(A)の各成分の割合
は、共重合可能な範囲であれば特に限定するものでない
が、好ましくは芳香族ビニル単量体が99.9〜70重
量部、さらに好ましくは99.9〜90重量部であり、
エポキシ基を含有するビニル単量体は、好ましくは0.
1〜30重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部
である。
は、共重合可能な範囲であれば特に限定するものでない
が、好ましくは芳香族ビニル単量体が99.9〜70重
量部、さらに好ましくは99.9〜90重量部であり、
エポキシ基を含有するビニル単量体は、好ましくは0.
1〜30重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部
である。
【0010】共重合体(A)中における共重合したエポ
キシ基を含有するビニル単量体の量は、重合体(B)を
含まないときは共重合体(A)の100重量部中、重合
体(B)を含むときは共重合体(A)と重合体(B)の
合計量100重量部中にそれぞれ0.1〜10重量部で
あって、該割合の範囲であれば共重合体(A)と重合体
(B)の割合を限定するものではない。エポキシ基を含
有するビニル単量体の量が0.1重量部未満では、熱可
塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、又10重量部を越
えても熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、更に流
動性が極めて低くなる。
キシ基を含有するビニル単量体の量は、重合体(B)を
含まないときは共重合体(A)の100重量部中、重合
体(B)を含むときは共重合体(A)と重合体(B)の
合計量100重量部中にそれぞれ0.1〜10重量部で
あって、該割合の範囲であれば共重合体(A)と重合体
(B)の割合を限定するものではない。エポキシ基を含
有するビニル単量体の量が0.1重量部未満では、熱可
塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、又10重量部を越
えても熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、更に流
動性が極めて低くなる。
【0011】本発明に用いる変性ポリオレフィン系重合
体とは、ポリオレフィン系重合体の変性物であり、オレ
フィン単量体の単独重合体又は共重合体の変性物を指
す。用いられるオレフィン単量体の具体例としては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、2−
ブテン、シクロブテン、3−メチル−1−ブテン、4−
メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、シク
ロペンテン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、1−オク
テン、1−デセン、1−ドデセン等がある。
体とは、ポリオレフィン系重合体の変性物であり、オレ
フィン単量体の単独重合体又は共重合体の変性物を指
す。用いられるオレフィン単量体の具体例としては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、2−
ブテン、シクロブテン、3−メチル−1−ブテン、4−
メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、シク
ロペンテン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、1−オク
テン、1−デセン、1−ドデセン等がある。
【0012】好ましい組成範囲を例示するならば、エチ
レン20〜90モル%、α−オレフィン単量体10〜8
0モル%及びその他の単量体0〜10モル%であり、エ
チレン含有率が50〜85モル%であることが特に好ま
しい。また、これら変性ポリオレフィン系重合体のガラ
ス転移温度(Tg)は摂氏−10℃以下、特に好ましく
は摂氏−30℃以下である。
レン20〜90モル%、α−オレフィン単量体10〜8
0モル%及びその他の単量体0〜10モル%であり、エ
チレン含有率が50〜85モル%であることが特に好ま
しい。また、これら変性ポリオレフィン系重合体のガラ
ス転移温度(Tg)は摂氏−10℃以下、特に好ましく
は摂氏−30℃以下である。
【0013】ポリオレフィン系重合体を変性する不飽和
ジカルボン酸無水物単量体基の具体例としては、無水マ
レイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,2−ジメチ
ルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水フェニルマ
レイン酸等があり、特に無水マレイン酸が好ましい。ま
た不飽和カルボン酸単量体基の具体的な例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸等がある。
ジカルボン酸無水物単量体基の具体例としては、無水マ
レイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,2−ジメチ
ルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水フェニルマ
レイン酸等があり、特に無水マレイン酸が好ましい。ま
た不飽和カルボン酸単量体基の具体的な例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸等がある。
【0014】本発明の変性ポリオレフィン系重合体は、
該樹脂中不飽和ジカルボン酸無水物単量体基又は不飽和
カルボン酸単量体基が0.1〜10重量%を占める量で
変性されたものであり、変性した量が0.1重量%未満
では、当該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、1
0重量%を越えても当該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強
度が劣り、更に流動性が低くなる。
該樹脂中不飽和ジカルボン酸無水物単量体基又は不飽和
カルボン酸単量体基が0.1〜10重量%を占める量で
変性されたものであり、変性した量が0.1重量%未満
では、当該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、1
0重量%を越えても当該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強
度が劣り、更に流動性が低くなる。
【0015】なお、本発明でいう変性とは、ポリオレフ
ィン系重合体の主鎖あるいは側鎖に変性に用いられた単
量体基、例えば無水マレイン酸基、メタクリル酸基等が
存在することを言うものである。これらの変性はランダ
ム共重合及びグラフト重合等の公知技術を用いて行うこ
とができる。変性方法は特に制限はなく、例えば、特公
昭39−6810号公報、同52−43677号公報、
同53−5716号公報、同56−9925号公報、同
58−445号公報等に開示された方法に従って行うこ
とができる。
ィン系重合体の主鎖あるいは側鎖に変性に用いられた単
量体基、例えば無水マレイン酸基、メタクリル酸基等が
存在することを言うものである。これらの変性はランダ
ム共重合及びグラフト重合等の公知技術を用いて行うこ
とができる。変性方法は特に制限はなく、例えば、特公
昭39−6810号公報、同52−43677号公報、
同53−5716号公報、同56−9925号公報、同
58−445号公報等に開示された方法に従って行うこ
とができる。
【0016】また、主鎖への導入による変性よりも、グ
ラフト体として変性をしてあるもの、例えば、エチレン
・プロピレン共重合体の3級炭素にグラフトさせたもの
等のほうが、低温衝撃値などの点で好ましい。更に、未
反応の単量体残量は0.5重量%以下であることが物性
面で好ましい。
ラフト体として変性をしてあるもの、例えば、エチレン
・プロピレン共重合体の3級炭素にグラフトさせたもの
等のほうが、低温衝撃値などの点で好ましい。更に、未
反応の単量体残量は0.5重量%以下であることが物性
面で好ましい。
【0017】変性ポリオレフィン系重合体の分子量は特
に制限はないが、耐衝撃性及び成形性のバランスから重
量平均分子量5万〜50万、特に好ましくは10万〜3
0万のものが好ましい。なお、これら変性ポリオレフィ
ン系重合体としては、例えば市販のタフマーMP−06
20(三井石油化学工業(株)製、商品名)がある。
に制限はないが、耐衝撃性及び成形性のバランスから重
量平均分子量5万〜50万、特に好ましくは10万〜3
0万のものが好ましい。なお、これら変性ポリオレフィ
ン系重合体としては、例えば市販のタフマーMP−06
20(三井石油化学工業(株)製、商品名)がある。
【0018】本発明で用いられるポリアミド樹脂は特に
制限はなく、脂肪族、芳香族あるいは脂環族のジカルボ
ン酸とジアミンとから得られるポリアミド、アミノカル
ボン酸あるいは環状ラクタム類から得られるポリアミド
等がある。更に具体例を挙げると6−ナイロン、6,6
−ナイロン、6,9−ナイロン、6,10−ナイロン、
6,12−ナイロン、4,6−ナイロン、11−ナイロ
ン、12−ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ポリ(ヘキ
サメチレンテレフタラミド)、ポリ(ヘキサメチレンイ
ソフタラミド)、ポリ(m−キシリレンアジバミド)等
の芳香族環を含むポリアミド等があり、これらを単独ま
たは併用して用いることができる。
制限はなく、脂肪族、芳香族あるいは脂環族のジカルボ
ン酸とジアミンとから得られるポリアミド、アミノカル
ボン酸あるいは環状ラクタム類から得られるポリアミド
等がある。更に具体例を挙げると6−ナイロン、6,6
−ナイロン、6,9−ナイロン、6,10−ナイロン、
6,12−ナイロン、4,6−ナイロン、11−ナイロ
ン、12−ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ポリ(ヘキ
サメチレンテレフタラミド)、ポリ(ヘキサメチレンイ
ソフタラミド)、ポリ(m−キシリレンアジバミド)等
の芳香族環を含むポリアミド等があり、これらを単独ま
たは併用して用いることができる。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物は(I)と
(II)のポリアミド樹脂からなる。そして(I)は
(I−1)芳香族ビニル単量体及びエポキシ基を含有す
るビニル単量体との共重合体(A)又は芳香族ビニル単
量体の重合体(B)と、(I−2)変性ポリオレフィン
系重合体とからなるものである。
(II)のポリアミド樹脂からなる。そして(I)は
(I−1)芳香族ビニル単量体及びエポキシ基を含有す
るビニル単量体との共重合体(A)又は芳香族ビニル単
量体の重合体(B)と、(I−2)変性ポリオレフィン
系重合体とからなるものである。
【0020】本発明の(I)は、共重合体(A)又は該
共重合体(A)と重合体(B)の合計量50〜95重量
部、好ましくは60〜90重量部と、不飽和ジカルボン
酸無水物単量体基又は不飽和カルボン酸単量体基で変性
した変性ポリオレフィン系重合体5〜50重量部、好ま
しくは10〜40重量部を混合してなるものであり、変
性ポリオレフィン系重合体が5重量部未満では、当該熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、また50重量部
を越えては、耐熱性及び剛性が低下するので好ましくな
い。
共重合体(A)と重合体(B)の合計量50〜95重量
部、好ましくは60〜90重量部と、不飽和ジカルボン
酸無水物単量体基又は不飽和カルボン酸単量体基で変性
した変性ポリオレフィン系重合体5〜50重量部、好ま
しくは10〜40重量部を混合してなるものであり、変
性ポリオレフィン系重合体が5重量部未満では、当該熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、また50重量部
を越えては、耐熱性及び剛性が低下するので好ましくな
い。
【0021】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
(I)10〜70重量%、好ましくは30〜70重量%
と、ポリアミド樹脂(II)90〜30重量%、好まし
くは70〜30重量%からなるが、ポリアミド樹脂が9
0重量%を越えると、衝撃強度が低くなる。また30重
量%未満では、衝撃強度又は剛性のどちらかが低くな
る。
(I)10〜70重量%、好ましくは30〜70重量%
と、ポリアミド樹脂(II)90〜30重量%、好まし
くは70〜30重量%からなるが、ポリアミド樹脂が9
0重量%を越えると、衝撃強度が低くなる。また30重
量%未満では、衝撃強度又は剛性のどちらかが低くな
る。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、用途に応
じて他の添加剤又は改質剤を加えて熱可塑性樹脂組成物
とすることが可能であり、具体的には、ガラス繊維、カ
ーボン繊維、アラミド繊維等の補強繊維、又タルク、シ
リカ、クレー、マイカ、炭酸カルシウム等の無機充填
剤、さらに難燃剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、着色剤等を用いることができる。
じて他の添加剤又は改質剤を加えて熱可塑性樹脂組成物
とすることが可能であり、具体的には、ガラス繊維、カ
ーボン繊維、アラミド繊維等の補強繊維、又タルク、シ
リカ、クレー、マイカ、炭酸カルシウム等の無機充填
剤、さらに難燃剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、着色剤等を用いることができる。
【0023】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物を得る
ための混合は、通常の溶融混練装置を用いて行うことが
できる。好適に使用できる溶融混練装置として、スクリ
ュー押出機、バンバリーミキサー、コニーダー、混合ロ
ール等が用いられる。
ための混合は、通常の溶融混練装置を用いて行うことが
できる。好適に使用できる溶融混練装置として、スクリ
ュー押出機、バンバリーミキサー、コニーダー、混合ロ
ール等が用いられる。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、スキー板
のサイドウォール、ヘルメットのマウスガード、スキー
シューズ、アウトドア製品のプロテクター、ラップトッ
プパソコンのハウジング、農業機械のハウジング、オー
トバイのカウリング等の用途に有用である。
のサイドウォール、ヘルメットのマウスガード、スキー
シューズ、アウトドア製品のプロテクター、ラップトッ
プパソコンのハウジング、農業機械のハウジング、オー
トバイのカウリング等の用途に有用である。
【0025】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。また、これらはいずれも例示的なものであっ
て、本発明の内容を限定するものではない。
明する。また、これらはいずれも例示的なものであっ
て、本発明の内容を限定するものではない。
【0026】尚、各種性質の測定方法は次の通りであ
る。 耐熱性:ASTM D−648に従い、厚さ1/4”の
試験片を用いて、荷重18.6kg/cm2で加熱変形温度
(HDT)を測定した。
る。 耐熱性:ASTM D−648に従い、厚さ1/4”の
試験片を用いて、荷重18.6kg/cm2で加熱変形温度
(HDT)を測定した。
【0027】衝撃強度:ASTM D−256に従い、
厚さ1/4”の試験片を用いて、ノッチ付きIZODを
測定した。
厚さ1/4”の試験片を用いて、ノッチ付きIZODを
測定した。
【0028】剛性:ASTM D−790に従い、厚さ
1/4”の試験片を用いて曲げ弾性率を測定した。
1/4”の試験片を用いて曲げ弾性率を測定した。
【0029】流動性:ASTM D−1238に準拠し
て、摂氏250度の温度、荷重5kgでメルトフローレー
ト(MFR)を測定した。
て、摂氏250度の温度、荷重5kgでメルトフローレー
ト(MFR)を測定した。
【0030】また試験に用いた各共重合体及び重合体は
以下のとおりである。 (1)芳香族ビニル単量体及びエポキシ基を含有するビ
ニル単量体からなる共重合体(A) スチレン及びグリシジルメタクリレートの重合比(重量
比)が97/3(a−1)、95/5(a−2)、88
/12(a−3)である共重合体を用いた。例えば、a
−1は、容量60リットルのオートクレーブを用い60
リットルの約7割の容量程度になるように下記の水、各
単量体、触媒等を添加して共重合した。即ち純水100
重量部、第三リン酸カルシウム0.25重量部、過硫酸
カリウム0.005重量部を加え、続いて撹拌状態でス
チレン97重量部、グリシジルメタクリレート3重量
部、半減期1時間を得るための分解温度が82℃である
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を
添加し、オートクレーブ内を窒素ガスで置換してから密
閉した。次いで重合温度を80℃として7時間重合した
後、冷却した。次いで常法に従い中和、脱水及び乾燥し
て共重合体を得た。他の共重合体もスチレン及びグリシ
ジルメタクリレートの重量部を上記に示した重量比にか
えた以外の重合条件はa−1と同様の条件で行った。
以下のとおりである。 (1)芳香族ビニル単量体及びエポキシ基を含有するビ
ニル単量体からなる共重合体(A) スチレン及びグリシジルメタクリレートの重合比(重量
比)が97/3(a−1)、95/5(a−2)、88
/12(a−3)である共重合体を用いた。例えば、a
−1は、容量60リットルのオートクレーブを用い60
リットルの約7割の容量程度になるように下記の水、各
単量体、触媒等を添加して共重合した。即ち純水100
重量部、第三リン酸カルシウム0.25重量部、過硫酸
カリウム0.005重量部を加え、続いて撹拌状態でス
チレン97重量部、グリシジルメタクリレート3重量
部、半減期1時間を得るための分解温度が82℃である
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を
添加し、オートクレーブ内を窒素ガスで置換してから密
閉した。次いで重合温度を80℃として7時間重合した
後、冷却した。次いで常法に従い中和、脱水及び乾燥し
て共重合体を得た。他の共重合体もスチレン及びグリシ
ジルメタクリレートの重量部を上記に示した重量比にか
えた以外の重合条件はa−1と同様の条件で行った。
【0031】(2)芳香族ビニル単量体の重合体(B) 一般に市販されている標準のポリスチレン樹脂、デンカ
スチロールGP−1(電気化学工業)(b−1)を用い
た。
スチロールGP−1(電気化学工業)(b−1)を用い
た。
【0032】 (3)変性ポリオレフィン系共重合体(C) エチレン・プロピレン共重合体と無水マレイン酸の重量
比が100/0(c−1)、99.5/0.5(c−
2)、99.1/0.9(c−3)、98.0/2.0
(c−4)である重合体。例えば、c−3は、エチレン
含量80モル%のエチレン・プロピレン共重合体ペレッ
ト8.0kg、粉末状の無水マレイン酸96g、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン−3を8.0g、これらを窒素を流通した20リッ
トルヘンシェルミキサーに仕込み、5分間攪はんして均
一にブレンドし、これを40mmφ押出機(窒素を流通
し、L/D=28、ダルメージ型)にて、ペレット状と
した。シリンダー温度は、重合体温度が摂氏240度に
なるように調節して、グラフト反応物を得た。他の変性
ポリオレフィン系共重合体もエチレン・プロピレン共重
合体と無水マレイン酸の重量比を上記に示した値になる
ように配合量をかえた以外の重合条件はc−3と同様の
条件で行った。
比が100/0(c−1)、99.5/0.5(c−
2)、99.1/0.9(c−3)、98.0/2.0
(c−4)である重合体。例えば、c−3は、エチレン
含量80モル%のエチレン・プロピレン共重合体ペレッ
ト8.0kg、粉末状の無水マレイン酸96g、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン−3を8.0g、これらを窒素を流通した20リッ
トルヘンシェルミキサーに仕込み、5分間攪はんして均
一にブレンドし、これを40mmφ押出機(窒素を流通
し、L/D=28、ダルメージ型)にて、ペレット状と
した。シリンダー温度は、重合体温度が摂氏240度に
なるように調節して、グラフト反応物を得た。他の変性
ポリオレフィン系共重合体もエチレン・プロピレン共重
合体と無水マレイン酸の重量比を上記に示した値になる
ように配合量をかえた以外の重合条件はc−3と同様の
条件で行った。
【0033】(4)ポリアミド樹脂(D) ポリアミド樹脂は、一般に市販されている6−ナイロ
ン、アミランCM1017(東レ)(d−1)を用い
た。
ン、アミランCM1017(東レ)(d−1)を用い
た。
【0034】実施例1 芳香族ビニル単量体及びエポキシ基を含有するビニル単
量体の共重合体(A)0.60kgと芳香族ビニル単量
体の重合体(B)0.40kgと変性ポリオレフィン系
重合体(C)0.60kg、及びポリアミド樹脂(D)
2.40kgを20リットルヘンシェルに投入しブレン
ド後、TEM35B押出機(東芝機械製、2軸同方向押
出機)にて、摂氏230度の温度で押出してペレット化
を得た。このペレットを使用し、射出成形機により物性
測定用試験片を作成し、各種物性を測定した。その結果
を表1に示す。
量体の共重合体(A)0.60kgと芳香族ビニル単量
体の重合体(B)0.40kgと変性ポリオレフィン系
重合体(C)0.60kg、及びポリアミド樹脂(D)
2.40kgを20リットルヘンシェルに投入しブレン
ド後、TEM35B押出機(東芝機械製、2軸同方向押
出機)にて、摂氏230度の温度で押出してペレット化
を得た。このペレットを使用し、射出成形機により物性
測定用試験片を作成し、各種物性を測定した。その結果
を表1に示す。
【0035】実施例2〜9 共重合体(A)、重合体(B)、変性ポリオレフィン系
重合体(C)及びポリアミド樹脂(D)を表1に示す配
合とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。各種
物性の測定結果を表1に示す。
重合体(C)及びポリアミド樹脂(D)を表1に示す配
合とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。各種
物性の測定結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1〜8 共重合体(A)、重合体(B)、変性ポリオレフィン系
重合体(C)及びポリアミド樹脂(D)を表2に示す配
合比とし、配合比以外は実施例1と同様の操作を行い、
各種物性の測定結果を表2に示す。
重合体(C)及びポリアミド樹脂(D)を表2に示す配
合比とし、配合比以外は実施例1と同様の操作を行い、
各種物性の測定結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】尚、比較例−1、2は、エポキシ基を含有
するビニル単量体の量を範囲外、比較例−3、4は、変
性ポリオレフィン系共重合体の量を範囲外、比較例−5
は、変性ポリオレフィン系共重合体の変性量を範囲外、
比較例−6、7、8は、ポリアミド樹脂の量を範囲外の
例とした。尚、これまでの実施例及び比較例において、
物性測定用試験片を作成した射出成形温度は摂氏230
度を標準とし、成形品の状況によって、若干の修正を行
った。
するビニル単量体の量を範囲外、比較例−3、4は、変
性ポリオレフィン系共重合体の量を範囲外、比較例−5
は、変性ポリオレフィン系共重合体の変性量を範囲外、
比較例−6、7、8は、ポリアミド樹脂の量を範囲外の
例とした。尚、これまでの実施例及び比較例において、
物性測定用試験片を作成した射出成形温度は摂氏230
度を標準とし、成形品の状況によって、若干の修正を行
った。
【0040】実施例および比較例の結果から、次のこと
が明らかである。実施例と比較例−1から、エポキシ基
を含有するビニル単量体を含まないと衝撃値が低い。ま
た、比較例−2のように、エポキシ基を含有するビニル
単量体が多すぎると衝撃値及び流動性が低くなる。
が明らかである。実施例と比較例−1から、エポキシ基
を含有するビニル単量体を含まないと衝撃値が低い。ま
た、比較例−2のように、エポキシ基を含有するビニル
単量体が多すぎると衝撃値及び流動性が低くなる。
【0041】実施例と比較例−3から、変性ポリオレフ
ィン系重合体が少ないと衝撃値が低い。また、比較例−
4のように、変性ポリオレフィン系重合体が多すぎると
耐熱性及び剛性が低くなる。実施例と比較例−5から、
未変性のポリオレフィン系重合体を用いると衝撃値が低
い。
ィン系重合体が少ないと衝撃値が低い。また、比較例−
4のように、変性ポリオレフィン系重合体が多すぎると
耐熱性及び剛性が低くなる。実施例と比較例−5から、
未変性のポリオレフィン系重合体を用いると衝撃値が低
い。
【0042】実施例と比較例−6から、ポリアミド樹脂
が多すぎると衝撃値が低い。また、比較例−7、8のよ
うに、ポリアミド樹脂が少なすぎる場合、剛性を高くし
ようとすると衝撃値が低くなり(比較例−7)、衝撃値
を高くしようとすると剛性が低くなる(比較例−8)。
が多すぎると衝撃値が低い。また、比較例−7、8のよ
うに、ポリアミド樹脂が少なすぎる場合、剛性を高くし
ようとすると衝撃値が低くなり(比較例−7)、衝撃値
を高くしようとすると剛性が低くなる(比較例−8)。
【0043】以上のように、エポキシ基を含有する共重
合体が適量のエポキシ基を含有し、かつ変性ポリオレフ
ィン系重合体が不飽和ジカルボン酸無水物単量体基又は
不飽和カルボン酸単量体基を適量含有し、更にポリアミ
ド樹脂及び変性ポリオレフィン系重合体の量が適当であ
る時に、該熱可塑性樹脂組成物の物性バランスが良好と
なることがわかる。
合体が適量のエポキシ基を含有し、かつ変性ポリオレフ
ィン系重合体が不飽和ジカルボン酸無水物単量体基又は
不飽和カルボン酸単量体基を適量含有し、更にポリアミ
ド樹脂及び変性ポリオレフィン系重合体の量が適当であ
る時に、該熱可塑性樹脂組成物の物性バランスが良好と
なることがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性及び耐熱性に優れ、更に剛性等の物性バランスも良好
で、かつ成形性が良く工業材料として実用的価値が極め
て高いものである。
性及び耐熱性に優れ、更に剛性等の物性バランスも良好
で、かつ成形性が良く工業材料として実用的価値が極め
て高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 25/00 - 25/18 C08L 23/26 C08L 77/00 - 77/12
Claims (1)
- 【請求項1】 (I−1)芳香族ビニル単量体及びエポ
キシ基を含有するビニル単量体との共重合体(A)、又
は該共重合体(A)と芳香族ビニル単量体の重合体
(B)との合計量50〜95重量部と、 (I−2)エチレン20〜90モル%、α−オレフイン
単量体10〜80モル%及びその他の単量体0〜10モ
ル%からなるゴム状物質のポリオレフイン系共重合体を
不飽和ジカルボン酸無水物単量体基又は不飽和カルボン
酸単量体基0.1〜10重量%を占める量で変性したガ
ラス転移温度(Tg)が摂氏−30℃以下のゴム状物質
の変性ポリオレフイン系重合体5〜50重量部からな
り、 かつ、共重合体(A)中における共重合したエポキシ基
を含有するビニル単量体の量は、重合体(B)を含まな
いときは共重合体(A)100重量部中、重合体(B)
を含むときは共重合体(A)と重合体(B)の合計量1
00重量部中に、それぞれ0.1〜10重量部である
(I) [(I−1)+(I−2) ]10〜70重量%
と、 (II)ポリアミド樹脂(ただし、4,6−ナイロンを
除く)90〜30重量%からなることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15749293A JP3276723B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15749293A JP3276723B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711082A JPH0711082A (ja) | 1995-01-13 |
JP3276723B2 true JP3276723B2 (ja) | 2002-04-22 |
Family
ID=15650876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15749293A Expired - Fee Related JP3276723B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3276723B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8148229B2 (en) | 2005-01-28 | 2012-04-03 | Nec Corporation | Method for manufacturing a semiconductor light-receiving device |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP15749293A patent/JP3276723B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8148229B2 (en) | 2005-01-28 | 2012-04-03 | Nec Corporation | Method for manufacturing a semiconductor light-receiving device |
Also Published As
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---|---|
JPH0711082A (ja) | 1995-01-13 |
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