JP3275897B2 - 電気掃除機用伸縮パイプおよび電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電動送風機の排気
を吸込具に還流することで、被掃除面の塵埃除去に排気
を利用する電気掃除機に関し、また、このような電気掃
除機に用いる伸縮パイプの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電気掃除機として特開平
９−２３９９９号公報に開示されたものがある。この電
気掃除機を図１５により説明する。図に示すように、電
気掃除機本体１のファン４からの排気を集気口１５、送
気用パイプ６を通じ、仕切り１１を入れたホース８およ
び延長管９の送気側を通じて吸込具１０に導き、床面に
吹き付け、浮き上がったゴミと共に再び吸い込み、延長
管９、ホース８の吸入側を通して掃除機本体１の紙パッ
ク２に送り、フィルター３を介して再びファン４に戻
る。このように、ファン４で発生する空気を循環させる
ことを特徴とする電気掃除機である。吸込具１０が床面
に密着していない場合には、吸込具１０の開口部を閉じ
るための開閉弁１２を設け、吸込具１０を床面から浮か
すと吸込具１０から排気が漏れないようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成の電
気掃除機では、仕切り１１を入れて吸気通路と排気通路
を分離した延長管９が伸縮自在な構成とはなっていない
ため、作業者の背丈に応じて掃除し易い長さに延長管９
を調整できず、無理な姿勢で作業をしなければならない
といった課題を有していた。また、電気掃除機収納時に
延長管９を縮めてコンパクトに収納することができず使
い勝手が悪かった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するもので、使い
勝手を良好とする電気掃除機用伸縮パイプならびにその
伸縮パイプを用いた電気掃除機を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、軸方向に摺動自在に伸縮動作する第一の通
気管と第二の通気管を有し、前記各通気管には、電動送
風機へ吸引される吸気の吸気通路と、前記電動送風機か
ら排出される排気の排気通路を設け、前記各通気管の吸
気通路および排気通路を軸方向に摺動自在に接続したも
のである。この構成により、使用者は掃除し易い長さに
なるように第一及び第二の通気管を軸方向に摺動させて
調整することができ、また、掃除機収納時には、第一及
び第二の通気管を軸方向に摺動させて伸縮パイプを縮め
てコンパクトに収納することができ、使い勝手を向上す
ることができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
軸方向に摺動自在に伸縮動作する第一の通気管と第二の
通気管を有し、前記各通気管には、電動送風機へ吸引さ
れる吸気の吸気通路と、前記電動送風機から排出される
排気の排気通路を設け、前記各通気管の吸気通路および
排気通路を軸方向に摺動自在に接続したものである。

【０００７】この構成により、使用者は掃除し易い長さ
になるように第一及び第二の通気管を軸方向に摺動させ
て調整することができ、また、掃除機収納時には、第一
及び第二の通気管を軸方向に摺動させて伸縮パイプを縮
めてコンパクトに収納することができ、使い勝手を向上
することができる。また、各通気管は吸気通路と排気通
路とが仕切られており、各通気管を接続するにあたって
も吸気通路と排気通路とは仕切られるようにしている。
しかも、各通気管の吸気通路および排気通路を軸方向に
摺動自在に接続することにより、各通気管の吸気通路同
士の接続部分および排気通路同士の接続部分の気密性を
確保することができ、伸縮パイプの伸縮動作に関係な
く、各通気管の吸気通路同士の接続部分および排気通路
同士の接続部分からの空気漏れを防止できる。つまり、
各通路の端部にシール部材を取り付けて各通路が摺動す
るように構成することで、各通路の接続部分の気密性が
高まり、あるいは摺動動作を軽くする（伸縮動作を軽い
力で行なえる）ために、シール部材の材質、構造を考慮
したり、あるいはシール部材を用いずに、各通路の接続
部分の隙間を小さくして空気漏れを最小限に押さえる工
夫を施す必要がある。

【０００８】本発明の請求項２記載の発明は、第一の通
気管内を軸方向に摺動自在に伸縮動作する第二の通気管
を有し、前記各通気管には、電動送風機へ吸引される吸
気の吸気通路と、前記電動送風機から排出される排気の
排気通路を設け、前記第二の通気管は前記第一の通気管
へ挿入する吸気通路と排気通路とを切り離して形成し、
この切り離した吸気通路と排気通路を各々前記第一の通
気管の吸気通路内と排気通路内に挿入して軸方向に摺動
する構成としたものである。

【０００９】この構成により、第一の通気管内に第二の
通気管を挿入することで伸縮パイプの長さを短くでき、
逆に、第一の通気管内から第二の通気管を引き出すと伸
縮パイプを伸ばすことができる。しかも、第二の通気管
の吸気通路と排気通路とは切り離して形成しているの
で、第二の通気管の吸気通路と排気通路の端部を第一の
通気管の吸気通路と排気通路内に挿入することができ
る。また、第二の通気管の吸気通路と排気通路は第一の
通気管の吸気通路と排気通路内を摺動する構成なので、
各通気管の吸気通路同士の接続部分および排気通路同士
の接続部分の気密性を確保することができ、第一の通気
管内に第二の通気管を出し入れする伸縮動作に関係な
く、吸気通路同士の接続部分および排気通路同士の接続
部分からの空気漏れを防止できる。つまり、各通路の端
部にシール部材を取り付けて各通路が摺動するように構
成することで、各通路の接続部分の気密性が高まり、あ
るいは摺動動作を軽くする（伸縮動作を軽い力で行なえ
る）ために、シール部材の材質、構造を考慮したり、あ
るいはシール部材を用いずに、各通路の接続部分の隙間
を小さくして空気漏れを最小限に押さえる工夫を施す必
要がある。

【００１０】また、第一の通気管を例えば左右、上下に
仕切って吸気通路と排気通路とを設ける場合、吸気通路
および排気通路の断面形状は半円形状、四角形状と制約
がなく自由に設計することができる。そして、第二の通
気管の吸気通路と排気通路とは切り離されているので、
第一の通気管の吸気通路と排気通路の断面形状に合わせ
て第二の通気管の各通路の断面形状とすることができ、
第一の通気管の各通路内に第二の通気管の各通路を軸方
向に摺動自在に挿入することができる。したがって、吸
気通路形状を自由に設計できるので、吸気通路を塵埃が
移動し易い大きさ、形状として、その吸気通路内部を移
動する塵埃の流れをスムーズとし、吸気通路内における
塵埃詰まり等を防止できる。特に、伸縮パイプのように
大きさに制約があり、その制約の中で今まで吸気通路し
か形成しなかったものを排気通路も形成するためには、
上記塵埃の移動を良好とする設計が行なえる構造が望ま
れる。

【００１１】本発明の請求項３記載の発明は、第一の通
気管内を軸方向に摺動自在に伸縮動作する第二の通気管
を有し、前記各通気管には、電動送風機へ吸引される吸
気の吸気通路と、前記電動送風機から排出される排気の
排気通路を設け、前記第一の通気管内には前記第二の通
気管の排気通路内に挿入して軸方向に摺動する排気通路
を形成し、前記第一の通気管の排気通路を除く部分を吸
気通路とし、前記第二の通気管の吸気通路と連通した構
成である。

【００１２】この構成により、第一の通気管内に第二の
通気管を挿入することで伸縮パイプの長さを短くでき、
逆に、第一の通気管内から第二の通気管を引き出すと伸
縮パイプを伸ばすことができる。また、第二の通気管の
排気通路内に第一の通気管の排気通路を摺動し、また、
第二の通気管は第一の通気管内を摺動する構成なので、
各通気管の接続部分および各通気管の排気通路同士の接
続部分の気密性を確保することができ、第一の通気管内
に第二の通気管を出し入れする伸縮動作に関係なく、吸
気通路同士の接続部分および排気通路同士の接続部分か
らの空気漏れを防止できる。つまり、通気管の端部、排
気通路の端部にシール部材を取り付けて各通気管、各排
気通路が摺動するように構成することで、各通気管、各
排気通路の接続部分の気密性が高まり、あるいは摺動動
作を軽くする（伸縮動作を軽い力で行なえる）ために、
シール部材の材質、構造を考慮したり、あるいはシール
部材を用いずに、各通気管、各排気通路の接続部分の隙
間を小さくして空気漏れを最小限に押さえる工夫を施す
必要がある。

【００１３】第一の通気管に配する排気通路の好ましい
形態につき説明する。排気通路を筒体とし、第一の通気
管の内面と隙間を設けるように配する。筒体は第二の通
気管を挿入する側の端部を遊端とし、他端側を第一の通
気管の端部に固定する固定端とする。一方、第二の通気
管内には筒体を挿入する排気通路を形成すると共に、第
二の通気管は第一の通気管の内面と筒体の間の隙間を軸
方向に移動する構成である。このように、第一の通気管
内に隙間を設けて筒状の排気通路を設けることで、第二
の通気管は吸気通路と排気通路とを内部で仕切った形態
であっても軸方向の移動が行なえ、したがって、第二の
通気管を吸気通路と排気通路とを切り離す形態にしなく
てすみ、請求項２記載の発明のように、第一の通気管か
ら第二の通気管を引き出した場合に、排気通路と吸気通
路との間に隙間が発生することがなく、伸縮パイプとし
ての外観性を良くすることができ、また、隙間部分にご
みなどが付着することもなく、伸縮動作を良好とするこ
とができる。

【００１４】本発明の請求項４記載の発明は、第一の通
気管内を軸方向に摺動自在に伸縮動作する第二の通気管
を有し、前記各通気管には、電動送風機へ吸引される吸
気の吸気通路と、前記電動送風機から排出される排気の
排気通路を設け、前記各通気管は、内部に設けた径小管
により吸気通路または排気通路を形成すると共に、前記
吸気通路または排気通路を除く通気管内部で排気通路ま
たは吸気通路を形成し、前記第一の通気管の径小管を前
記第二の径小管内に挿入して軸方向に摺動する構成とし
たものである。

【００１５】この構成により、第一の通気管内に第二の
通気管を挿入することで伸縮パイプの長さを短くでき、
逆に、第一の通気管内から第二の通気管を引き出すと伸
縮パイプを伸ばすことができる。また、各通気管と径小
管を摺動する構成なので、各通気管の接続部分および径
小管同士の接続部分の気密性を確保することができ、第
一の通気管内に第二の通気管を出し入れする伸縮動作に
関係なく、各通気管同士の接続部分および径小管同士の
接続部分からの空気漏れを防止できる。つまり、各通気
管と各径小管の端部にシール部材を取り付けて各通気管
と各径小管が摺動するように構成することで、各通路の
接続部分の気密性が高まり、あるいは摺動動作を軽くす
る（伸縮動作を軽い力で行なえる）ために、シール部材
の材質、構造を考慮したり、あるいはシール部材を用い
ずに、各通気管、径小管の接続部分の隙間を小さくして
空気漏れを最小限に押さえる工夫を施す必要がある。

【００１６】径小管と通気管とを同軸上に配してもよい
し、さらに径小管を通気管の中心から偏心させて配置し
てもよい。この場合、径小管の外周面の一部が通気管の
内周面の一部に近づき、これと反対側の径小管の外周面
と通気管の内周面との間は大きくなり、この大きくした
空間における通気抵抗を小さくでき、通気損失を低減で
きる。さらに、好ましい形態として、径小管の外周面を
管路抵抗が少なく流速の速い通気管の中心部近くまで偏
心させることで、通気損失をより一層低減でき、吸気風
量または排気風量の増大を図ることができる。請求項３
記載の発明のように、伸縮パイプとしての外観性を良く
することができ、また、隙間部分にごみなどが付着する
こともなく、伸縮動作を良好とすることができる。

【００１７】本発明の請求項５記載の発明は、第一の通
気管内を軸方向に摺動自在に伸縮動作する第二の通気管
を有し、前記各通気管には、電動送風機へ吸引される吸
気の吸気通路と、前記電動送風機から排出される排気の
排気通路を設け、前記各通気管は、内部に設けた径小管
により吸気通路または排気通路を形成すると共に、前記
吸気通路または排気通路を除く通気管内部で排気通路ま
たは吸気通路を形成し、前記第二の通気管の径小管を前
記第一の径小管内に挿入して軸方向に摺動する構成とし
たものである。

【００１８】この構成は請求項４記載の発明とほぼ一致
しており、請求項４記載の発明と同様の作用を奏する。
相違点としては、第一の通気管の径小管を第二の径小管
内に挿入するか、第二の通気管の径小管を第一の径小管
内に挿入するかである。これは、径小管を吸気通路とし
た場合であって、第二の通気管の端部に吸込具を接続し
た場合に意味を有する。つまり、第二の通気管の径小管
内を移動する塵埃は第一の通気管の径小管側に流れ込む
が、第二の通気管の径小管の方が第一の通気管の径小管
より径小であるので、径小管のつなぎ部分における塵埃
の流れがスムーズとなる。径小管を吸気通路とし、第一
の通気管の端部に吸込具を接続した場合には、請求項４
記載の構成、つまり第一の通気管の径小管を第二の径小
管内に挿入する構成としなければ、上記のように径小管
のつなぎ部分における塵埃の流れがスムーズとすること
ができない。このように、径小管のつなぎ部分における
塵埃の引っかかり及び吸引気流の乱れを抑制すること
で、吸引力のロスを低減できる。

【００１９】本発明の請求項６記載の発明は、請求項４
または５に記載の発明において、径小管を吸気通路とし
たことにより、第一の通気管および第二の通気管の直径
に対して径小管の直径を相対的に大きくしても必要な排
気通路面積を確保できる一方で、吸気通路面積を大きく
して、吸込力の確保、ならびに塵埃の引っかかりのない
直径を確保できる。

【００２０】本発明の請求項７記載の発明は、請求項１
〜６のいずれか１項記載の発明において、第一の通気管
と第二の通気管との伸縮長さを調整し、軸方向の力が作
用しても調整した伸縮長さを保持する保持装置を備えた
ことにより、伸縮パイプを縮める外力が作用したとして
もその伸縮パイプの長さを維持することができ、例え
ば、伸縮パイプの一端に吸込具を設け、この吸込具を移
動操作する力を伸縮パイプの他端側から加える場合、伸
縮パイプには縮み方向の力が加わることとなるが、保持
装置により伸縮パイプの長さが維持できるので、楽な姿
勢となる伸縮パイプの長さで掃除を行なうことができ
る。

【００２１】本発明の請求項８記載の発明は、請求項１
〜６のいずれか１項記載の発明において、第二の通気管
の軸方向に複数設けた被係止部と、第一の通気管に設け
られ、前記被係止部に係止する係止部から構成し、前記
係止部による係止により少なくとも軸方向の移動を阻止
して、前記第一の通気管と前記第二の通気管との伸縮長
さ保持する保持装置を備えた構成により、伸縮パイプを
縮める外力が作用したとしてもその伸縮パイプの長さを
維持することができ、例えば、伸縮パイプの一端に吸込
具を設け、この吸込具を移動操作する力を伸縮パイプの
他端側から加える場合、伸縮パイプには縮み方向の力が
加わることとなるが、保持装置により伸縮パイプの長さ
が維持できるので、楽な姿勢となる伸縮パイプの長さで
掃除を行なうことができる。

【００２２】本発明の請求項９記載の発明は、請求項２
記載の発明において、第二の通気管の吸気通路もしくは
排気通路であって、かつ切り離した対向し合う面に被係
止部を軸方向に沿って複数設け、前記被係止部と前記被
係止部に係止する係止部から構成し、前記係止部による
係止により少なくとも軸方向の移動を阻止して、前記第
一の通気管と前記第二の通気管との伸縮長さを保持する
保持装置を備えたことにより、伸縮パイプを縮める外力
が作用したとしてもその伸縮パイプの長さを維持するこ
とができ、例えば、伸縮パイプの一端に吸込具を設け、
この吸込具を移動操作する力を伸縮パイプの他端側から
加える場合、伸縮パイプには縮み方向の力が加わること
となるが、保持装置により伸縮パイプの長さが維持でき
るので、楽な姿勢となる伸縮パイプの長さで掃除を行な
うことができる。また、第二の通気管の吸気通路もしく
は排気通路であって、かつ切り離した対向し合う面に被
係止部が設けられているので、この被係止部は外から見
えない、つまり露出しない状態となるので、伸縮パイプ
としての外観性を良くすることができる。また、第二の
通気管の排気通路側に被係止部を設けることで、排気通
路内側に突出する凹状の被係止部が形成されても、排気
通路には塵埃が流れないので、塵埃の流れを阻害するこ
とがない。吸気通路内には塵埃が流れるので、吸気通路
側に突出する側に凹状の被係止部を形成すると塵埃の流
れを妨げることとなり好ましくないが、一般に、塵埃は
吸気通路の下を主体に流れるので、吸気通路の上部側で
あれば凹状の被係止部を設けても差し支えない。

【００２３】本発明の請求項１０記載の発明は、請求項
１〜９のいずれか１項記載の発明において、排気通路内
に導電体を配したことにより、導電体収納部を専用に設
ける必要が無くなり、構成をシンプルにでき、部品点数
を減少させてコスト低減できる。伸縮パイプ内に導電体
を必要とする例として、伸縮パイプの一端側に吸込具を
接続し、この吸込具内に電力供給を必要とする電動機
（一般的には回転ブラシを回転駆動するために用いる）
や制御回路部品を配する必要がある場合、電動機や制御
回路部品へ導電体を介して掃除機本体側からの電力を供
給するものである。また、吸込具内の制御回路部品から
の信号を掃除機本体側に伝達信号線としても導電体を用
いることができる。

【００２４】本発明の請求項１１記載の発明は、請求項
１０記載の発明において、導電体の少なくとも一部に伸
縮部を設け、第一の通気管と第二の通気管の伸縮に伴い
前記導電体の伸縮部が伸縮する構成としたことにより、
導電体は延長管の伸縮に合わせて伸縮し、導電体に強い
張力が加わることが無く、断線したりすることが無い。

【００２５】本発明の請求項１２記載の発明は、電動送
風機を内蔵する掃除機本体と、前記電動送風機の吸気側
および排気側に一端が連通する請求項１乃至１１のいず
れか１項に記載の電気掃除機用伸縮パイプと、前記電気
掃除機用伸縮パイプの他端に接続する吸込具を有する電
気掃除機としたことにより、使い勝手が良く掃除作業性
に優れた電気掃除機を提供することができる。

【００２６】本発明の請求項１３記載の発明は、電動送
風機を内蔵する掃除機本体と、前記電動送風機の吸気側
および排気側に一端が連通する請求項１乃至１１のいず
れか１項に記載の電気掃除機用伸縮パイプと、前記電気
掃除機用伸縮パイプの他端に接続する吸込具を有し、前
記吸込具を被掃除面に置いた状態で前記電気掃除機用伸
縮パイプの排気通路が吸気通路より上方に位置する電気
掃除機としたことにより、吸気通路が第一の通気管およ
び第二の通気管内部の下側に形成でき、通過するゴミ、
特に質量の大きいゴミが重力で吸気通路内面下側を滑っ
て掃除機本体内に吸引される動作に対して、引っかかり
や詰まりの少ない構造とできる。

【００２７】また、前記吸込具と伸縮パイプの接続部分
から上方に排気通路を形成でき、吸込具の上方に形成し
た排気通路と伸縮パイプの排気通路との接続構造を簡素
化できる。なぜならば、吸込具は下面に被掃除面に対向
する吸気口を形成しているので、吸気口と連通する吸気
通路は吸込具の下方に形成するのが構造上簡素化でき、
この場合、排気通路を形成するとしたら吸込具上方のス
ペースを活用することが好ましくなる。したがって、吸
込具の構造を簡素化するにあたり吸込具上方に排気通路
を設けることが重要である。そして、吸込具の排気通路
を通過する排気風が前記吸込具の排気口より排出され、
この排気が吸気口を介して被掃除面上の塵埃を吹き付
け、吸引作用と相俟って集塵性能を向上させることがで
きる。

【００２８】本発明の請求項１４記載の発明は、電動送
風機を内蔵する掃除機本体と、前記電動送風機の吸気側
および排気側に一端が連通する請求項１乃至１１のいず
れか１項に記載の電気掃除機用伸縮パイプと、前記電気
掃除機用伸縮パイプの他端に接続する吸込具を有し、前
記吸込具を被掃除面に置いた状態で前記電気掃除機用伸
縮パイプの排気通路が吸気通路より下方に位置する電気
掃除機としたことにより、排気通路が吸気通路の下側に
形成でき、吸気通路に塵埃といっしょに水分を吸引した
場合、吸気通路に侵入した水分は重力により吸気通路の
下側に溜まろうとするが、吸気通路の下方には排気通路
が位置するので、排気通路の熱により水分が蒸発し、吸
気通路内面に塵埃が付着することを防止でき、第一通気
管と第二通気管との伸縮摺動動作においてその付着した
塵埃が悪影響を与えることもない。なお、排気を循環さ
せる構成をとっているので、排気温度は高くなり、水分
を蒸発させることができるものである。

【００２９】

【実施例】（実施例１） 以下、本発明の第１の実施例を、図を用いて説明する。

【００３０】図１〜図６において、電気掃除機は、掃除
機本体１の接続口３に、ホース４の接続管５を接続し、
ホース４の他端側の握り管６に吸込具７を接続した伸縮
パイプ（以下、延長管と称す）８を接続している。

【００３１】掃除機本体１内の後方側には電動送風機２
が内蔵され、接続口３と電動送風機２の間には、集塵室
９が設けられている。１０は電動送風機２を覆っている
防音筒で、防音筒の外周面には排気管１１の一端が接続
されている。この排気管１１は、一部に蛇腹状部を有
し、全体的には可撓性を持たせている。排気管１１の他
端は接続口３側に接続され、電動送風機２の運転で排出
される排気の一部を他端側の接続口３側に導いている。

【００３２】接続口３と集塵室９間に挟持された逆止弁
１２は、接続口３と集塵室９内とを気密に連通し、また
前側には前記排気管１１が接続される略筒状の排気導入
口１３が一体に形成されている。

【００３３】接続管５は、内周に吸気通路を、外周に排
気通路を形成する２層パイプ構造の接続パイプ１４と、
この接続パイプ１４の外周側を覆う蓋１５と、接続パイ
プ１４と蓋１５に挟持された尾錠１６と、接続パイプ１
４に一端側が回転自在に連結される回転パイプ１７を有
している。回転パイプ１７にも接続パイプ１４と同様に
内周に吸気通路を、外周に排気通路を形成した２層パイ
プ構造とし、回転パイプと接続パイプとの排気通路同士
および排気通路同士とを回転自在に接続している。尾錠
１６はバネ１８で付勢されて、接続口３に接続管５を着
脱自在に係止している。回転パイプ１７は、接続管５長
手方向の軸回りに回転自在で、電気掃除機を使用中にホ
ース４が捩れることを防止している。

【００３４】接続パイプ１４の内管Ａ１９内と回転パイ
プ１７の内管Ｂ２０内とは、タイトパッキング２１で気
密に連通し、内管Ａ１９外周部と内管Ｂ２０外周部も同
様に気密に連通している。回転パイプ１７の外周側の接
続パイプ１４上面には固定接点２２が前後方向に並んで
固定されている。固定接点２２は回転パイプ１７と蓋１
５で挟持された複数の接続端子（図示せず）に電気的に
接続している。接続端子は、接続パイプ１４を接続口３
に接続した状態で、掃除機本体１に配置した本体端子
（図示せず）に電気的に接続する。固定接点２２の内側
には固定接点２２に対向して同数のレール端子２３が略
筒状のレール台２４に保持されて配置されている。この
レール台２４は、回転パイプ１７の外周側に固定され、
回転パイプ１７が接続管５長手方向の軸回りに回転する
と、回転パイプ１７とともに回転し、常時固定接点２２
とレール端子２３の電気的接続を維持している。

【００３５】ホース４は、外ホース２５の内径より外径
が径小な内ホース２６を収容した２層ホース構造で、内
ホース２６の一端側が回転パイプ１７の内管Ｂ２０の反
接続パイプ１４側に包着し、また、外ホース２５の一端
側が反接続パイプ１４側の回転パイプ１７の外周面に包
着して各々気密に接続してある。

【００３６】握り管６は、内ホース２６の他端側を包着
した内管２７Ａと外ホース２５の他端側を包着した外管
２７Ｂとからなる２層管構造の連結管２７と、ホース４
の他端側の包着部前方を収容し、前方側にかけて略くの
字状に折曲しながら先端部で延長管８を着脱自在に接続
する曲りパイプ２８と、曲りパイプ２８の折曲部上方の
部品収容部２９と、この部品収納部２９に配置されたス
イッチ基板３０と、このスイッチ基板３０を操作する操
作部３１と、曲りパイプ２８の上方開口を覆った握り管
カバー３２と、握り管カバー３２と曲りパイプ２８に揺
動自在に挟持されて延長管８を着脱自在に係止する尾錠
Ａ３３とを有している。曲りパイプ２８は、内壁３４で
上下２層の通路に分割され、吸気通路Ａ３５は連結管２
７の内管２７Ａに気密に連通しており、排気通路Ａ３６
は連結管２７の内管２７Ａと外管２７Ｂ間の通路に気密
に連通している。

【００３７】導電体Ａ３７は、レール端子２３に接続さ
れた後、外ホース２５と回転パイプ１７の外周面の包着
部間から外ホース２５と内ホース２６の間に導入され、
他端側は外ホース２５と連結管２７の外管２７Ｂと外ホ
ース２５包着部から導出され、部品収容部２９を通って
スイッチ基板３０に接続されている。

【００３８】延長管８は握り管６の曲りパイプ２８に着
脱自在に係止される第一の通気管３８内に摺動自在に第
二の通気管３９が保持され、第二の通気管３９の先端は
吸込具７の接続管４０を着脱自在に係止している。

【００３９】第一の通気管３８は内壁４１で上下２層の
通気路、すなわち吸気通路Ａ３５と排気通路Ａ３６に区
画されている。第二の通気管３９は通気管Ａ４２と通気
管Ｂ４３に分離され、通気管Ａ４２は排気通路Ｂ４４、
通気管Ｂ４３は吸気通路Ｂ４５を構成する。つまり、通
気管Ａ４２と通気管Ｂ４３とは軸方向に隙間を設けて配
し、通気管Ａ４２の一端側が第一の通気管３８の排気通
路Ａ３６内で軸方向に摺動自在に挿入され、排気通路Ａ
３６に接続されている。また、通気管Ｂ４３の一端側が
第一の通気管３８の吸気通路Ａ３５内で軸方向に摺動自
在に挿入され、吸気通路Ａ３５に接続している。

【００４０】４６は導電体Ｂであり、導電体Ｂ４６は通
気管Ａ４２の排気通路Ｂ４４と第一の通気管３８の排気
通路Ａ３６内に収容されている。この導電体Ｂ４６の両
端には接続端子（図示せず）が接続されており、延長管
８を握り管６と吸込具７に接続した時、握り管６と吸込
具７に設けた接続端子（図示せず）に電気的に接続した
状態となる。尚、導電体Ｂ４６は表面を絶縁被覆で保護
されているものと、されて無いもののどちらでもかまわ
ない。

【００４１】４７は押し釦で、この押し釦４７の上下操
作に連動して上下動する係止突起４９を有し、係止突起
４９は通気管Ａ４２と通気管Ｂ４３の間の隙間に位置
し、通気管Ａ４２の下面、すなわち通気管Ｂ４６と対向
する面で、軸方向に所定間隔をおいて複数形成した係止
用凹部４８に弾接的に係合する構成である。この係止突
起４９と係止用凹部４８とにより、第一の通気管３８に
対する第二の通気管３９の出代を電気掃除機利用者の都
合の良い長さに調節できる。なお、延長管８と握り管６
の接続部の形状と、吸込具７と延長管８の接続部とは各
々同じ形状に形成してあり、握り管６に直接吸込具７を
接続して使用することができる。

【００４２】吸込具７の構成は以下の通りである。吸込
具７前方には、電動機５０を内蔵した回転ブラシ５１が
回転自在に保持されている。回転ブラシ５１は内蔵する
電動機５０に回転駆動され、減速機（図示せず）を介し
て回転を伝達され、毎分１５００回転程度の回転をす
る。回転ブラシ５１は下面に設けた吸込開口５２に臨
み、周面に複数取り付けたブレードＡ５３、ブラシＢ５
４が掃除面に付着した塵埃などを掻き上げる。５５は回
転ブラシ５１の後方に形成した吸塵口で、上下方向に俯
仰自在な連結筒５６に連通している。５７は連結筒５６
に左右方向に一定角度回転自在に接続された吸込具パイ
プで、パイプ壁５８で上下の２通路に区画されている。
下方の吸気通路Ｃ５９は前方を前述の連結筒５６、後方
を延長管８の吸気通路Ｂ４５に連通している。上方の排
気通路Ｃ６０は、後方が延長管８の排気通路Ｂ４４に連
通する一方、前方は可撓管６１、吸込具の上部から前部
にわたり形成したバイパス（排気通路）６２を通じてお
り、バイパス６２の終端には排気口６３を形成してい
る。そして、電動送風機２の運転で排出される排気をバ
イパス６２の排気口６３から吸込開口５２方向に排出す
る。

【００４３】次に上記構成による動作、作用について説
明する。握り管６の操作部６４を操作して電動送風機２
を運転すると、同時に導電体Ｂ４６を介して電動機５０
に電力が供給され、電動機５０が回転ブラシ５１を回転
駆動する。回転ブラシ５１は、被掃除面にある塵埃をブ
レードＡ５３、ブラシＢ５４が掻き上げる。

【００４４】上記塵埃は、電動送風機２の吸引によって
発生する吸気流で、吸込開口５２、吸塵口５５、連結筒
５６、吸込具パイプ５７の吸気通路Ｃ５９、第二の通気
管３９の吸気通路Ｂ４５、第一の通気管３８と曲りパイ
プ４７の吸気通路Ａ３５、内ホース２６、回転パイプ１
７の内管Ｂ２０、接続パイプ１４の内管Ａ１９を経由し
て集塵室９内に移送され、ここに蓄積される。塵埃を分
離した清浄な吸気流は、電動送風機２を通過後、防音筒
１０内に排出される。

【００４５】上記排気の少なくとも一部は、排気管１
１、排気導入口１３、通孔６５を経由して接続パイプ１
４の内管Ａ１９と接続パイプ１４の外周の間に導入され
た後、回転パイプ１７の内管Ｂ２０と外周の間、外ホー
ス２５と内ホース２６の間、連結管２７の内管２７Ａと
外管２７Ｂの間、曲りパイプ４７と第一の通気管３８の
排気通路Ａ３６、吸込具７の排気通路Ｃ６０、可撓管６
１、バイパス６２を通って排気口６３より吸込開口５２
方向に排出される。この還流した排気が吸込具７と被掃
除面との密着度合いを緩和して吸込具７の移動操作力を
軽くする。同時に、被掃除面上の塵埃を吸塵口５５方向
に吹き付け移送し、回転ブラシ５１の回転との相乗効果
で集塵性能を向上させる。

【００４６】ところで延長管８は、通気管Ａ４２を第一
の通気管３８の排気通路Ｂ３６内で摺動自在に保持して
排気通路Ｂ４４と連通させ、また、通気管Ｂ４３を第一
の通気管３８の吸気通路Ａ３５内で摺動自在に保持して
吸気通路Ｂ４５と連通させた構成としているため、排気
通路Ｂ４４形状に影響を受けない吸気通路Ｂ４５形状を
確保して、移送されるごみのスムーズな流れを得られる
と共に、気密性を確保しつつ伸縮自在にスムーズな摺動
性を得ることができる。また押し釦４７、係止用凹部４
８、係止突起４９とで構成される保持装置により、電気
掃除機の使用者は、延長管８の長さを自分にとって楽な
姿勢で掃除し易い長さに伸縮自在に調整かつ保持でき、
加えて掃除機収納時には、延長管８を縮めてコンパクト
に収納することができるため、使い勝手を向上すること
ができる。

【００４７】また、前記保持装置の一部を通気管Ａ４２
と通気管Ｂ４３の間に設け、係止用凹部４８を通気管Ａ
４２の下面に複数形成したことにより、係止用凹部４８
が外郭に露出しないので、延長管８としての外観商品性
を良くすることができると共に、係止用凹部４８が吸気
通路Ｂ４５に突出しないため、吸気通路内を通る風の流
れがスムーズになり、通気損失が減り流量を増大するこ
とができるし、塵埃の流れを妨げることがない。

【００４８】また、通気管Ａ４２の排気通路Ｂ４４と第
一の通気管３８の排気通路Ａ３６を、導電体Ｂ４６が通
る通路としたことにより、導電体収納部を専用に設ける
必要が無くなり、構成をシンプルにでき、部品点数を減
少させてコスト低減できる。また、導電体Ｂ４６を螺旋
状にして伸縮自在な構成とすることにより、導電体Ｂ４
６は延長管８の伸縮に合わせて伸縮し、導電体Ｂ４６に
強い張力が加わることが無く、断線したりすることが無
い。

【００４９】尚、本実施例の排気通路を導電体通路と
し、導電体を螺旋状にする発明は、後述する各実施例で
の排気通路を導電体通路とし、導電体を螺旋状にするこ
とで上記効果と同様の効果を期待できることは言うまで
もない。

【００５０】（実施例２） 次に本発明の第２の実施例を図７〜８を用いて説明す
る。なお、上記第１の実施例と同一構成部品について
は、同一符号を付して、その説明を省略する。

【００５１】図７と図８において、第二の通気管Ａ６６
は内壁Ａ６７で上下２層の通気路に区画されている。第
一の通気管Ａ６８は内部に筒状の通気管Ｃ７０を備えて
おり、通気管Ｃ７０は第一の通気管Ａ６８からのリブ７
１により握り管６側の端部近傍で保持されている。した
がって、通気管Ｃ７０の他端側は遊端であり、この遊端
側が第二の通気管Ａ６６の上部の通気路内に挿入され
る。第二の通気管Ａ６６は第一の通気管Ａ６８内部に入
り込み、タイトパッキングＡ７２で気密に連通して摺動
自在に保持され、吸気通路Ｄ７３を構成している。ま
た、通気管Ｃ７０は第二の通気管Ａ６６の上層通路に入
り込み、タイトパッキングＢ７４で気密に連通し、摺動
自在に保持されて排気通路Ｄ７５を構成している。

【００５２】第一の通気管Ａ６８の前端部外周側にはね
じ部７８が設けられ、円筒状の調整リング７６の内周面
にはねじ部７８に螺合するねじ部７７が設けられてい
る。そして、調整リング７６を回転させることで、その
調整リング７６と第一の通気管Ａ６８の端部との距離が
変化する。前記調整リング７６の内周側には弾性を有す
るシール体７９がかん合されている。そしてこのシール
体７９の内周面は前記第二の通気管Ａ６６の外周面に接
していて、前記調整リング７６の締めつけにより、第一
の通気管Ａ６８に対する第二の通気管Ａ６６の出代を本
電気掃除機利用者の都合の良い長さ位置に固定調節でき
る。

【００５３】上記構成による作用は以下の通りである。

【００５４】この構成により、２つの通気通路すなわち
吸気通路Ｄ７３と排気通路Ｄ７５の分離と気密性を確保
しつつ、伸縮自在に第二の通気管Ａ６６のスムーズな摺
動性を得ることができる。また、調整リング７６とシー
ル体７９で構成される保持装置により、本電気掃除機の
使用者は、延長管の長さを自分にとって楽な姿勢で掃除
し易い長さに伸縮自在に調整かつ保持でき、加えて掃除
機収納時には、延長管８を縮めてコンパクトに収納する
ことができるため、使い勝手を向上することができる。

【００５５】また、第二の通気管Ａ６６の下層通路を吸
気通路Ｄ７３とすることで第一の通気管Ａ６８内では、
吸気通路が下側に形成でき、通過するゴミ、特に質量の
大きいゴミが重力で延長管内面下側を滑って掃除機本体
内に吸引される動作に対して、引っかかりや詰まりの少
ない構造とできる。

【００５６】また、第二の通気管Ａ６６、第一の通気管
Ａ６８共に、１本の管内部で２つの通気通路を構成でき
るので、延長管８としての外観商品性を良くすることが
できる。

【００５７】尚、前記構成を実施例１で説明したような
押し釦４７で長さを調整できる延長管８に設けても、同
様な効果が得られることは言うまでもない。

【００５８】（実施例３） 次に本発明の第３の実施例を図９〜１０を用いて説明す
る。なお、上記第１〜第２の実施例と同一構成部品につ
いては、同一符号を付して、その説明を省略する。

【００５９】図９と図１０において、第一の通気管Ｂ８
０は径小管Ｂ８１を内部に設けており、第一の通気管Ｂ
８０からのリブ８２により握り管６側の端部近傍で支持
し、他端側を遊端としている。第二の通気管Ｂ８３は径
小管Ａ８４を内部に設けており、第二の通気管Ｂ８３か
らのリブ８５により吸込具７側の端部近傍で支持し、他
端側を遊端としている。

【００６０】第二の通気管Ｂ８３の外周部は第一の通気
管Ｂ８０内部に入り込み、また径小管Ｂ８１は径小管Ａ
８４内部に入り込み、双方タイトパッキングＡ７２及び
タイトパッキングＢ７４で気密に連通して摺動自在に保
持され、径小管Ｂ８１と径小管Ａ８４の内側と外側を通
る二つの通気通路を形成し、内側を吸気通路Ｅ８６と
し、外側を排気通路Ｅ８７とした。

【００６１】この構成により、２つの通気通路の分離と
気密性を確保しつつ、伸縮自在にスムーズな摺動性を得
ることができる。また、第二の通気管Ｂ８３の直径に対
して径小管Ａ８４の直径を相対的に大きくしても必要な
排気通路Ｅ８７面積を確保できる一方で、吸気通路Ｅ８
６面積を大きくして、吸込力の確保ならびにゴミの引っ
かかりのない直径を確保できる。

【００６２】また、径小管Ａ８４と径小管Ｂ８１の配置
を第二の通気管Ｂ８３と第一の通気管Ｂ８０の中心軸か
ら偏芯９６させて、径小管Ａ８４と径小管Ｂ８１の外側
の排気通路Ｅ８７を、外周部に比べ管路抵抗が少なく流
速の速い中央部近くまで寄せることで、通気損失が減り
流量の増大を図ることができる。

【００６３】また、吸込具７を被掃除面に置いた状態で
延長管８の排気通路Ｅ８７が吸気通路Ｅ８６より上方に
位置するように配置することにより、吸込具７の上方に
排気通路Ｃ６０を形成でき、排気風が吸込具８の排気口
６３より前方に排出され、この排気が掃除面上の塵埃を
吸塵口方向に吹き付け移送し、回転ブラシの回転との相
乗効果で集塵性能を向上させることができる。また２つ
の２層管を組み合わせた構成であるため、１本の管内部
で２つの通気通路を形成できるので、延長管８としての
外観商品性を良くすることができる。

【００６４】尚、前記構成を実施例１で説明したような
押し釦４７で長さを調整できる延長管８に設けても、同
様の効果が得られることは言うまでもない。さらに径小
管Ａ８４が径小管Ｂ８１に入り込む構成の場合も上記効
果と同様の効果が得られることは言うまでもない。

【００６５】（実施例４） 次に本発明の第４の実施例を図１１〜１２を用いて説明
する。なお、上記第１〜第３の実施例と同一構成部品に
ついては、同一符号を付して、その説明を省略する。

【００６６】図１１と図１２において、第一の通気管Ｂ
８０は径小管Ｂ８１を内部に設けており、第一の通気管
Ｂ８０からのリブ８２により握り管６側の端部近傍で支
持し、他端側を遊端としている。第二の通気管Ｂ８３は
径小管Ａ８４を内部に設けており、第二の通気管Ｂ８３
からのリブ８５により吸込み具７側の端部近傍で支持
し、他端側を遊端としている。第二の通気管Ｂ８３の外
周部は第一の通気管Ｂ８０内部に入り込み、また径小管
Ａ８４は径小管Ｂ８１内部に入り込み、双方タイトパッ
キングＡ７２及びタイトパッキングＢ７４で気密に連通
して摺動自在に保持され、径小管Ｂ８１と径小管Ａ８４
の内側と外側を通る二つの通気通路を形成し、内側を吸
気通路Ｅ８６とし、外側を排気通路Ｅ８７とした。

【００６７】この構成により、吸込具７から吸引される
ゴミが径小管Ａ８４から径小管Ｂ８１内へ移る際に、径
小管Ｂ８１の端部９７で引っかかることがないし、吸引
気流が端部９７で乱れることが無くなって、吸引力のロ
スを低減できる。

【００６８】（参考例１） 次に本発明の第１の参考例を図１３〜１４を用いて説明
する。なお、上記第１〜第４の実施例と同一構成部品に
ついては、同一符号を付して、その説明を省略する。

【００６９】図１３と１４において、第二の通気管Ｃ８
８は第一の通気管Ｃ８９内部に入り込み、タイトパッキ
ングＡ７２で気密に連通して摺動自在に保持されてい
る。

【００７０】第一の通気管Ｃ８９の内部には、第一の通
気管Ｃ８９より長さの短い径小管Ｃ９０が第一の通気管
Ｃ８９からのリブ９１により握り管６側の端部近傍で支
持されている。また、第二の通気管Ｃ８８は第二の通気
管Ｃ８８より長さの短い径小管Ｄ９２を内部に設けてお
り、第二の通気管Ｃ８８からのリブ９３により吸込具７
側の端部近傍で支持されている。

【００７１】第二の通気管Ｃ８８と第一の通気管Ｃ８９
の内部にかけては、少なくとも一部分が蛇腹形状で伸縮
自在の可撓性材料からなる可撓管９４を設けてあり、可
撓管９４の両端部は径小管Ｃ９０と径小管Ｄ９２の外周
面に包着して各々気密に接続してある。そしてこの様な
２重管構造としたことで、可撓管９４の内側と外側を通
る二つの通気通路９５を形成した。

【００７２】この構成により、２つの通気通路９５の分
離と気密性を確保しつつ、伸縮自在にスムーズな摺動性
を得ることができる。また、二重管構造内の可撓管９４
が伸縮自在の可撓性材料で構成しているため、２つの樹
脂管を組み合わせて伸縮自在に摺動させる構成に比べ、
軽量化が図れ、かつ嵌合摺動面積を少なくして伸縮摺動
時の操作力を軽くできる。また、実施例３の構成と比べ
摺動部が一つ減り摺動部用のエアータイトパッキングを
減らすことができコストダウンを図れる。さらに２重管
構造であるため、１本の管内部で２つの通気通路を形成
できるので、延長管８としての外観商品性を良くするこ
とができる。

【００７３】尚、前記構成を実施例１で説明したような
押し釦４７で長さを調整できる延長管８に設けても、同
様の効果が得られることは言うまでもない。

【００７４】

【発明の効果】本発明の請求項１記載の発明によれば、
掃除し易い長さに伸縮パイプを調整でき、使い勝手を向
上することができる。

【００７５】本発明の請求項２記載の発明によれば、排
気通路形状、吸気通路形状の設計自由度を確保して、吸
気通路を移動する塵埃の流れをスムーズにできる。

【００７６】本発明の請求項３記載の発明によれば、第
一の通気管、第二の通気管共に、１本の管内部で２つの
通気通路を構成できるので、伸縮パイプとしての外観性
を良くすることができ、摺動性能も確保できる。

【００７７】本発明の請求項４記載の発明によれば、通
気管内での径小管の配置を偏心させて、径小管の外側を
通る通路を、外周部に比べ管路抵抗が少なく流速の速い
中央部近くまで寄せることで、通気損失が減り流量の増
大を図ることができる。また、１本の管内部で２つの通
気通路を形成できるので、伸縮パイプとしての外観性を
良くすることができ、摺動性能も確保できる。

【００７８】本発明の請求項５記載の発明によれば、通
気管内での径小管の配置を偏心させて、径小管の外側を
通る通路を、外周部に比べ管路抵抗が少なく流速の速い
中央部近くまで寄せることで、通気損失が減り流量の増
大を図ることができる。また、１本の管内部で２つの通
気通路を形成できるので、伸縮パイプとしての外観性を
良くすることができ、摺動性能も確保できる。

【００７９】本発明の請求項６記載の発明によれば、第
一の通気管および第二の通気管の直径に対して径小管の
直径を相対的に大きくしても必要な排気通路面積を確保
できる一方で、吸気通路面積を大きくして、吸込力の確
保、ならびに塵埃の引っかかりのない直径を確保でき
る。

【００８０】本発明の請求項７記載の発明によれば、吸
気通路内を通る風の流れがスムーズになり、通気損失が
減り流量の増大を図ることができる。

【００８１】本発明の請求項８記載の発明によれば、吸
気通路内を通る風の流れがスムーズになり、通気損失が
減り流量の増大を図ることができる。

【００８２】本発明の請求項９記載の発明によれば、被
係止部が露出しないので、伸縮パイプとしての外観性を
良くすることができる。また、排気通路側に被係止部を
設けることで、吸気通路内に被係止部を突出させずに済
み、塵埃の流れを妨げることがなくかつ、吸気通路内を
通る風の流れをスムーズにし通気損失を減らして、流量
の増大を図ることができる。

【００８３】本発明の請求項１０記載の発明によれば、
導電体収納部を専用に設ける必要が無くなり、構成をシ
ンプルにでき、部品点数を減少させてコスト低減でき
る。

【００８４】本発明の請求項１１記載の発明によれば、
導電体は伸縮パイプの伸縮に合わせて伸縮し、導電体に
強い張力が加わることが無く、断線したりすることが無
い。

【００８５】本発明の請求項１２記載の発明によれば、
使い勝手が良く掃除作業性に優れた電気掃除機を提供す
ることができる。

【００８６】本発明の請求項１３記載の発明によれば、
吸気通路が第一の通気管および第二の通気管内部の下側
に形成でき、通過するゴミ、特に質量の大きいゴミが重
力で延長管内面下側を滑って掃除機本体内に吸引される
動作に対して、引っかかりや詰まりの少ない構造とでき
る。

【００８７】本発明の請求項１４記載の発明によれば、
吸気通路に水分を吸引しても伸縮摺動動作に悪影響を及
ぼさない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す電気掃除機の全体
断面図

【図２】同電気掃除機の掃除機本体の断面図

【図３】同電気掃除機の掃除機本体前部の断面図

【図４】同電気掃除機の握り管の断面図

【図５】同電気掃除機の延長管の断面図

【図６】同電気掃除機の吸込具の断面図

【図７】（ａ）本発明の第２の実施例を示す電気掃除機
の掃除機本体以外の全体断面図 （ｂ）同図（ａ）のＡ−Ａ断面図 （ｃ）同図（ａ）のＢ−Ｂ断面図

【図８】（ａ）同電気掃除機の延長管の要部断面図 （ｂ）同図（ａ）のＣ−Ｃ断面図

【図９】（ａ）本発明の第３の実施例を示す電気掃除機
の掃除機本体以外の全体断面図 （ｂ）同図（ａ）のＤ−Ｄ断面図 （ｃ）同図（ａ）のＥ−Ｅ断面図

【図１０】（ａ）同電気掃除機の延長管の要部断面図 （ｂ）同図（ａ）のＦ−Ｆ断面図

【図１１】（ａ）本発明の第４の実施例を示す電気掃除
機の掃除機本体以外の全体断面図 （ｂ）同図（ａ）のＧ−Ｇ断面図 （ｃ）同図（ａ）のＨ−Ｈ断面図

【図１２】（ａ）同電気掃除機の延長管の要部断面図 （ｂ）同図（ａ）のＩ−Ｉ断面図

【図１３】（ａ）本発明の第１の参考例を示す電気掃除
機の掃除機本体以外の全体断面図 （ｂ）同図（ａ）のＪ−Ｊ断面図 （ｃ）同図（ａ）のＫ−Ｋ断面図

【図１４】（ａ）同電気掃除機の延長管の要部断面図 （ｂ）同図（ａ）のＬ−Ｌ断面図

【図１５】従来の電気掃除機の全体断面図

【符号の説明】

１ 掃除機本体 ７ 吸込具 ８ 延長管 ４ ホース ３５ 吸気通路Ａ ３６ 排気通路Ａ ３８ 第一の通気管 ３９ 第二の通気管 ４６ 導電体Ｂ ４８ 係止用凹部（被係止部）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 恩田 雅一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 今井 哲雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 藤田 孝一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 谷口 善宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 野町 哲治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−178760（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−197074（ＪＰ，Ａ) 特開2000−325267（ＪＰ，Ａ) 実開 平７−3552（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 9/24 A47L 5/14 A47L 7/04

Claims (14)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸方向に摺動自在に伸縮動作する第一の
   通気管と第二の通気管を有し、前記各通気管には、電動
   送風機へ吸引される吸気の吸気通路と、前記電動送風機
   から排出される排気の排気通路を設け、前記各通気管の
   吸気通路および排気通路を軸方向に摺動自在に接続した
   電気掃除機用伸縮パイプ。
2. 【請求項２】 第一の通気管内を軸方向に摺動自在に伸
   縮動作する第二の通気管を有し、前記各通気管には、電
   動送風機へ吸引される吸気の吸気通路と、前記電動送風
   機から排出される排気の排気通路を設け、前記第二の通
   気管は前記第一の通気管へ挿入する吸気通路と排気通路
   とを切り離して形成し、この切り離した吸気通路と排気
   通路を各々前記第一の通気管の吸気通路内と排気通路内
   に挿入して軸方向に摺動する電気掃除機用伸縮パイプ。
3. 【請求項３】 第一の通気管内を軸方向に摺動自在に伸
   縮動作する第二の通気管を有し、前記各通気管には、電
   動送風機へ吸引される吸気の吸気通路と、前記電動送風
   機から排出される排気の排気通路を設け、前記第一の通
   気管内には前記第二の通気管の排気通路内に挿入して軸
   方向に摺動する排気通路を形成し、前記第一の通気管の
   排気通路を除く部分を吸気通路とし、前記第二の通気管
   の吸気通路と連通した電気掃除機用伸縮パイプ。
4. 【請求項４】 第一の通気管内を軸方向に摺動自在に伸
   縮動作する第二の通気管を有し、前記各通気管には、電
   動送風機へ吸引される吸気の吸気通路と、前記電動送風
   機から排出される排気の排気通路を設け、前記各通気管
   は、内部に設けた径小管により吸気通路または排気通路
   を形成すると共に、前記吸気通路または排気通路を除く
   通気管内部で排気通路または吸気通路を形成し、前記第
   一の通気管の径小管を前記第二の径小管内に挿入して軸
   方向に摺動する電気掃除機用伸縮パイプ。
5. 【請求項５】 第一の通気管内を軸方向に摺動自在に伸
   縮動作する第二の通気管を有し、前記各通気管には、電
   動送風機へ吸引される吸気の吸気通路と、前記電動送風
   機から排出される排気の排気通路を設け、前記各通気管
   は、内部に設けた径小管により吸気通路または排気通路
   を形成すると共に、前記吸気通路または排気通路を除く
   通気管内部で排気通路または吸気通路を形成し、前記第
   二の通気管の径小管を前記第一の径小管内に挿入して軸
   方向に摺動する電気掃除機用伸縮パイプ。
6. 【請求項６】 径小管を吸気通路とした請求項４または
   ５に記載の電気掃除機用伸縮パイプ。
7. 【請求項７】 第一の通気管と第二の通気管との伸縮長
   さを調整し、軸方向の力が作用しても調整した伸縮長さ
   を保持する保持装置を備えた請求項１乃至６のいずれか
   １項に記載の電気掃除機用伸縮パイプ。
8. 【請求項８】 第二の通気管の軸方向に複数設けた被係
   止部と、第一の通気管に設けられ、前記被係止部に係止
   する係止部から構成し、前記係止部による係止により少
   なくとも軸方向の移動を阻止して、前記第一の通気管と
   前記第二の通気管との伸縮長さを保持する保持装置を備
   えた請求項１乃至６のいずれか１項に記載の電気掃除機
   用伸縮パイプ。
9. 【請求項９】 第二の通気管の吸気通路もしくは排気通
   路であって、かつ切り離した対向し合う面に被係止部を
   軸方向に沿って複数設け、前記被係止部と前記被係止部
   に係止する係止部から構成し、前記係止部による係止に
   より少なくとも軸方向の移動を阻止して、前記第一の通
   気管と前記第二の通気管との伸縮長さを保持する保持装
   置を備えた請求項２記載の電気掃除機用伸縮パイプ。
10. 【請求項１０】 排気通路内に導電体を配した請求項１
    乃至９のいずれか１項に記載の電気掃除機用伸縮パイ
    プ。
11. 【請求項１１】 導電体の少なくとも一部に伸縮部を設
    け、第一の通気管と第二の通気管の伸縮に伴い前記導電
    体の伸縮部が伸縮する請求項１０記載の電気掃除機用伸
    縮パイプ。
12. 【請求項１２】 電動送風機を内蔵する掃除機本体と、
    前記電動送風機の吸気側および排気側に一端が連通する
    請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の電気掃除機用
    伸縮パイプと、前記電気掃除機用伸縮パイプの他端に接
    続する吸込具を有する電気掃除機。
13. 【請求項１３】 電動送風機を内蔵する掃除機本体と、
    前記電動送風機の吸気側および排気側に一端が連通する
    請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の電気掃除機用
    伸縮パイプと、前記電気掃除機用伸縮パイプの他端に接
    続する吸込具を有し、前記吸込具を被掃除面に置いた状
    態で前記電気掃除機用伸縮パイプの排気通路が吸気通路
    より上方に位置する電気掃除機。
14. 【請求項１４】 電動送風機を内蔵する掃除機本体と、
    前記電動送風機の吸気側および排気側に一端が連通する
    請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の電気掃除機用
    伸縮パイプと、前記電気掃除機用伸縮パイプの他端に接
    続する吸込具を有し、前記吸込具を被掃除面に置いた状
    態で前記電気掃除機用伸縮パイプの排気通路が吸気通路
    より下方に位置する電気掃除機。