JP3275630B2 - 導電性充填材及び導電性シリコーン組成物 - Google Patents

導電性充填材及び導電性シリコーン組成物

Info

Publication number
JP3275630B2
JP3275630B2 JP13481495A JP13481495A JP3275630B2 JP 3275630 B2 JP3275630 B2 JP 3275630B2 JP 13481495 A JP13481495 A JP 13481495A JP 13481495 A JP13481495 A JP 13481495A JP 3275630 B2 JP3275630 B2 JP 3275630B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
conductive
silver
silicone composition
addition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13481495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08302196A (ja
Inventor
弘直 藤木
寛保 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=15137123&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3275630(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP13481495A priority Critical patent/JP3275630B2/ja
Publication of JPH08302196A publication Critical patent/JPH08302196A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3275630B2 publication Critical patent/JP3275630B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、付加反応硬化型シリコ
ーン組成物用の導電性充填材及び付加反応硬化型導電性
シリコーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】樹脂組
成物にカーボンブラック又は金、銀のような金属粒子の
微細に粉砕された導電性充填材を加えることにより、種
々の有機珪素樹脂、その他の有機樹脂に導電性を与える
ことは公知である。
【0003】従来、導電性を有する樹脂ペーストの代表
的なものとして、エポキシ系、ポリイミド系の導電性接
着剤などが市販されている。これらの接着剤に充填され
ている導電性物質は環境安定性の面から銀粒子が多用さ
れており、その形状はフレーク状或いは球状、樹枝など
の材料が使用されていることが多い。中でもフレーク状
の粒子が導電性発現に有効であることが知られている
が、これらは微細に分割された導電性粒子を形成するた
めに銀を加工し、加工の際に酸化防止及び凝集防止を目
的としてステアリン酸のような高級脂肪酸を使用してお
り、結果として銀粒子の表面が高級脂肪酸で被覆又は処
理されている。実際、いくつかのメーカーから商業的に
入手できるフレーク状銀粉は高級脂肪酸により被覆又は
処理されており、これらの銀粒子はこの処理によって樹
脂への分散がよくなり、導電性樹脂に広く利用されてい
る。
【0004】しかしながら、上記銀粒子を用いたエポキ
シ系或いはポリイミド系樹脂接着剤は弾性率が高く、熱
膨張等による歪みを解消できないという難点があり、最
近の精密化された部品、回路の用途には十分な信頼性を
得る材料とはなっていない。
【0005】この点につき更に詳述すると、通常、銀粒
子は種々の方法で得ることが可能である。例えば高純度
球状銀を得るにはアトマイズ法が適しており、電解法に
よって樹枝状銀を得ることもできる。経済的には還元法
により銀粒子を得ることが生産性、品質安定化の点から
適しているが、イオン性不純物の残量などが大きいなど
の欠点がある。一方、導電性材料に充填される銀粉とし
ては、フレーク状の銀粉を使用することが有効であるこ
とが知られているが、これはアトマイズ法、還元法等で
得られた銀粉をスタンプミル、ボールミル、撹拌ミル、
流体エネルギーミル等の機械的粉砕法によって得ること
ができる。この際、フレーク同士の再結合、或いは樹脂
バインダーに混合した場合の沈降体積を防止する目的で
高級脂肪酸を被覆していることが多い。
【0006】これら高級脂肪酸を被覆した銀粒子は、シ
リコーン系組成物に充填した場合、例えばシリコーン組
成物の硬化系がヒドロシリル化反応(付加反応)による
ものである場合には、白金系触媒の存在下ヒドロシリル
基と高級脂肪酸のカルボン酸基とが脱水素反応を起こ
し、発泡、硬化阻害をもたらし、組成物の硬化性や硬化
物の物理的特性(硬さ、強度等)が非常に不安定となる
問題等がある。また、硬化物の耐熱性についても、高級
脂肪酸の劣化により、シリコーンゴム本来の耐熱性が失
われてしまう。一方、硬化系が縮合反応(例えば脱アル
コール硬化型)である場合にも、高級脂肪酸の脂肪酸基
がアルコキシ基等と脱アルコール反応を起こし、硬化遅
延或いは阻害をもたらす。また、シリコーン組成物に対
する充填量も低下し、導電性或いは熱伝導性に優れた材
料を得ることが難しくなる。更には、高温に曝露した場
合、有機物の熱劣化により揮発物などが多く揮散し、周
囲を汚染する等の問題点を生じている。
【0007】一方、これらの問題を解決する手段とし
て、耐熱性が良好であり、熱膨張等にかかわる歪みを低
減できる材料の提案が行われている。例えば、特公平6
−42616号公報は水晶振動子の固定にシリコーン変
性樹脂に薄片(フレーク状)銀粉を60〜80重量%含
有させた材料を用いることで衝撃性が改善されることを
開示されている。また、特公平5−230373号公報
にはシリコーンエラストマー、樹脂、ゲルにエステル化
された脂肪酸で被覆され、微細に分割された銀粒子を高
配合量で含む組成物が提案され、高温での長期の曝露に
よって導電性の変化が少ないことを教示している。しか
しながら、これらの提案においても、シリコーン系組成
物の硬化性や高温に曝した場合の有機物の揮発の問題な
どが解決されておらず、上記用途等に対してはやはり十
分な信頼性を有していない。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、応力による歪みの緩和が可能であり、高温で曝露さ
れた場合の導電性の安定を図ることができると共に、硬
化性、物理的特性、及び熱的特性を損なうことなく、高
い導電性を付与する付加反応硬化型シリコーン組成物用
の導電性充填材、及びこの充填材が配合された付加反応
硬化型導電性シリコーン組成物を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、銀粒子、
特に銀粒子をフレーク状に加工する際に、末端トリメチ
ルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンと少なくとも1
個のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンと
の混合物で表面処理した場合、従来の表面処理目的であ
るフレーク同士の再結合、或いは樹脂バインダーに混合
した場合の沈降体積を防止できるのみならず、シリコー
ン組成物への銀粒子の高充填が可能になり、また応力に
よる歪みの緩和が可能であり、高温で曝露された場合の
導電性の安定を図ることができ、更に、発泡、硬化遅
延、物理特性の安定化に卓効があることを見い出した。
更に驚くべきことには、ヒドロシリル基を有するシリコ
ーン化合物を用いた場合、更に硬化性の改善が見られる
他、シリコーン組成物への更なる高充填、イオン性不純
物の低下など、シリコーン組成物充填用の銀粒子として
好適な材料を得ることが可能となること、また、シリコ
ーン処理剤は高級脂肪酸よりも温度による粘度変化が小
さいため、銀粒子形状加工工程の作業がし易い面でも有
利であることを知見し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0010】従って、本発明は、末端トリメチルシリル
基封鎖ジメチルポリシロキサンと少なくとも1個のヒド
ロシリル基を有するオルガノポリシロキサン(特に末端
トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロ
キサン)との混合物で表面処理された銀粒子又は銀被覆
粒子からなる、付加反応硬化型シリコーン組成物用の導
電性充填材、及びこの導電性充填材を配合してなる付加
反応硬化型導電性シリコーン組成物を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のシリコーン化合物で表面処理される銀粒子
としてはフレーク状、球状、樹枝状等の銀粒子が用いら
れ、また銅、ニッケル、カーボン、グラファイト等の導
電性粒子やマイカ、ガラス、有機ポリマー等の非導電性
粒子の上に銀被覆を施した粒子も使用し得る。この場
合、粒子形状はフレーク状が好ましい。また、粒子の大
きさとしては、その直径又は最大長さとして0.1〜1
00μm、特に0.5〜10μm程度であることが好ま
しい。
【0012】一方、上記表面処理に用いられるシリコー
ン化合物は、末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリ
シロキサンと少なくとも1個のヒドロシリル基を有する
オルガノポリシロキサンとの混合物である。作業性の面
から、25℃における粘度が10〜100,000c
P、更に好適には100〜10,000cPであること
が望ましい。この混合物としてのシリコーン化合物は、 [Si(CH32O]単位 [Si(C652O]単位 [Si(C65)(CH3)O]単位 [Si(CH2CH2CF3)(CH3)O]単位 [SiH(CH3)O]単位 [SiH(CH321/2]単位 [Si(CH331/2]単位 [Si(CH3)O3/2]単位 等の1種又は2種以上を含むことが可能である。
【0013】末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリ
シロキサンと少なくとも1個のヒドロシリル基を有する
オルガノポリシロキサンとの混合物としてのシリコーン
化合物は、好適には下記一般組成式 R’xR”ySi(4-x-y)/2 で示されるものを用いることができる。ここで、R’は
水素原子である。R”は非置換又は置換の一価炭化水素
基で、これを例示するとメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等の
アルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソ
プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール
基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基並
びにこれらの基の水素原子の一部をフッ素、塩素、臭素
等のハロゲン原子やシアノ基等で置換したクロロメチル
基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフルオロ
プロピル基、シアノエチル基等の通常炭素数1〜12、
好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基が
挙げられる。x,yは0<x≦1、0.8<y≦3、
0.8<x+y≦3、好ましくは0.001≦x≦1、
1.5≦y≦2.3、1.5≦x+y≦2.4である。
【0014】この場合、シリコーン化合物として、ボー
ルミル操作などの機械的な粉砕工程に適当な粘度に調整
するため粘度の異なる処理剤を用いて調整してもよい。
【0015】上記シリコーン化合物で銀又は銀被覆粒子
を表面処理する方法としては、脂肪酸又は他の材料の従
来の被膜を銀製品に適用するのに用いたと同じ方法を用
いて適用し得る。例えば、粒子がボールミル操作で形成
されるフレークの形をしているときは、シリコーン化合
物の被膜はボールミル操作の間に適用し得る。
【0016】本発明の上記表面処理され、シリコーン化
合物で被覆された銀又は銀被覆粒子からなる導電性充填
材は、付加反応硬化型シリコーン組成物に対する導電性
充填材として用いられる。なお、付加反応硬化型シリコ
ーン組成物としては、シリコーン樹脂、エラストマー、
ゲル、接着剤などのいずれの形態であってもよい。
【0017】このようなシリコーン組成物に対する本発
明の導電性充填材の配合量は適宜選定され、通常組成物
中0.1〜95重量%、好ましくは1〜95重量%。更
に好ましくは10〜95重量%の範囲で必要とする導電
性を与えるように配合する。即ち、従来の銀導電性充填
材は多くともその充填量が80重量%程度に限定される
ことは特公平6−42616号公報、特開平5−230
373号公報にも示されているとおりであるが、本発明
の導電性充填材は95重量%までの高充填が可能とな
り、熱伝導・電気伝導性に優れた組成物を得ることがで
きるという特異性を有している。この場合、シリコーン
組成物に最高の導電性を与えるためには、組成物中の本
発明充填材の濃度は、この組成物を調製し、望みの方法
で加工し得る最高値であり、本発明の場合には95重量
%までの充填材を含む。95重量%を超えると粘度が高
くなりすぎ、組成物の取り扱い性が低下する場合が生じ
る。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】本発明の充填材を付加硬化型液状シリコー
ンゴム組成物に使用する場合、アルケニル基等の脂肪族
不飽和基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイド
ロジェンシロキサン、硬化触媒が必須成分であり、この
組成物に上記充填材を配合することになる。
【0036】この場合、脂肪族不飽和基含有オルガノポ
リシロキサンは通常付加硬化型シリコーンゴムの主原料
として使用されている公知のオルガノポリシロキサンで
あり、25℃での粘度が10〜10,000,000c
Pであり、一般式R6 aSiO(4-a)/2で示される1分子
中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個含有するジオルガ
ノポリシロキサンである。ここで、R6はビニル基、ア
リル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜8の
アルケニル基などの脂肪族不飽和基、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル
基、トリル基等のアリール基、又は3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基等から選択されるハロゲン置換一価炭
化水素基である。aは1.8<a<2.2を表わす。ま
た、各置換基は異なっていても同一であってもよい。更
に、このオルガノポリシロキサンは直鎖状であっても、
6SiO3/2単位或いはSiO4/2単位を含んだ分岐状
であってもよい。ケイ素原子の置換基は基本的には上記
のいずれであってもよいが、脂肪族不飽和基としては、
好ましくはビニル基、その他の置換基としてはメチル
基、フェニル基の導入が望ましい。このオルガノポリシ
ロキサンは従来公知の方法によって製造することがで
き、一般的にはオルガノシクロシロキサンとヘキサオル
ガノジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平
衡化反応を行うことによって得ることができる。
【0037】オルガノハイドロジェンシロキサンは、脂
肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンと反応し、架
橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制
限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐
状構造等各種のものが使用可能であるが、1分子中に少
なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に直結
した水素原子を含むものとする必要がある。この化合物
の水素以外のケイ素原子に結合する置換基は脂肪族不飽
和基含有オルガノポリシロキサン成分のオルガノポリシ
ロキサンにおける置換基と同様である。このものは従来
公知の方法で製造することができ、一般的にはオクタメ
チルシクロテトラシロキサン及び/又はテトラメチルシ
クロテトラシロキサンと末端基となり得るへキサメチル
ジシロキサン或いは1,1’−ジハイドロ−2,2’,
3,3’−テトラメチルジシロキサン単位を含む化合物
とを硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスル
ホン酸等の触媒の存在下に−10℃〜+40℃程度の温
度で平衡化させることによって容易に得ることができ
る。
【0038】この成分の添加量は脂肪族不飽和基含有オ
ルガノポリシロキサン成分100部に対して0.5〜3
0部が望ましい。添加量が30部を超えるとケイ素原子
に直結した水素原子が過剰となり、発泡の原因となった
り、硬化後の物性が硬くなりすぎたり、柔らかくなりす
ぎたりしてエラストマーとしての十分な特性を得ること
ができるなくなる。
【0039】硬化触媒の白金もしくは白金族化合物は、
上記した脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンと
オルガノハイドロジェンシロキサンの付加硬化反応(ハ
イドロサイレーション)を促進させるための触媒として
使用されるものであるが、これは公知のものを使用でき
る。具体的には白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸
のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデ
ヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等
との錯体などが例示される。なお、この添加量は希望す
る硬化速度に応じて適宜増減すればよいが、通常は組成
物に対して白金金属量で1〜2,000ppm、好まし
くは1〜200ppmの範囲である。
【0040】更にこれらの材料を実用に供するため、硬
化時間の調整を行う必要がある場合には、制御剤として
ビニルシクロテトラシロキサンのようなビニル基含有オ
ルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、
アルキルマレエート、アセチレンアルコール類及びその
シラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、
テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及
びそれらの混合物からなる群から選んだ化合物などを使
用しても差し支えない。
【0041】また、この硬化性シリコーン組成物に接着
性を付与する場合、硬化を妨げないような接着付与成分
を添加することができる。添加量は20部以下、好適に
は10部以下である。添加量が多すぎると硬化物の物性
が低下する場合がある。
【0042】更に、本発明の効果を妨げない量の補強性
シリカ充填材、又は石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム
等の非補強性の充填材、コバルトブルー等の無機顔料、
有機染料などの着色剤、酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸
マンガン、ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック等
の耐熱性、難燃性向上剤等の添加も可能である。更に導
電安定性を向上させる目的でこれらの組成物に球状や樹
枝状銀を添加、或いは粉状、ウイスカー状、ストラクチ
ャーの発達したカーボンブラック、グラファイト等を添
加することも任意である。
【0043】
【0044】このようなシリコーン組成物の用途として
は、従来エポキシ樹脂導電接着剤の使用されている電子
部品の基板への固定の際に、半田付けのような高熱をか
けられない場合などに使用される。例えば水晶振動子の
固定、IC,LED,LSIチップのセラミック基板等
のリードフレームへの固定、その他の導電性を必要とす
る部分に使用することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の導電性充填材は、付加反応硬化
型シリコーン組成物に配合した場合、優れた流動性、硬
化性、導電性、耐熱性を与え、耐熱性の良好な導電性樹
脂を得るための出発原料として非常に有用である。ま
た、かかる導電性充填材を配合したシリコーン組成物
は、耐熱性の良好な導電性材料として有用である。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0047】〔実施例、比較例〕表1のAg.No.
1,2,3に示す銀粒子は以下の方法によって得た。還
元法によって得られた銀粉500gを使用し、これに表
1に示したA,B,Cの処理剤をそれぞれ500g加え
て常温(25℃)でボールミルにより機械的粉砕を行っ
た。得られた処理スラリーを溶剤を用いて余剰のA,
B,C成分を濾過除去したのち、100℃で減圧乾燥
し、目的のシリコーン処理銀粉を得た。これらの性状は
表1に示した通りである。
【0048】4は市販品(福田金属箔粉工業(株)製,
商品名AGC−B)である。5はシリコーンバインダー
の代わりにステアリン酸エチルを用いてAg.No.
1,2,3と同様の処理を行ったものである。6は市販
品(株式会社特力化学研究所製,商品名G−1)の無処
理のアトマイズ法によって得た球状銀粉である。
【0049】
【表1】 A:末端トリメチルシリルジメチルシロキサン,粘度
5,000cs(25℃),信越化学工業(株)製KF
−96 B:Aに末端トリメチルシリルメチルハイドロジェンシ
ロキサン(メチルハイドロジェンシロキサン単位の数:
平均で約40個),信越化学工業(株)製KF−99)
を10重量%添加したもの C:Aに下記シロキサン HO−SiMe2O−(SiMe2O)10−SiMe2
H を10重量%添加したもの
【0050】次に、下記組成のシリコーン組成物Sx
1.及びSx2.に表2に示す量で上記バインダー被覆
銀粒子を添加し、下記の条件で硬化させると共に、硬化
直後及び耐熱試験後(150℃,300時間)の物性を
調べた。結果を表2に示す。Sx1.付加硬化型シリコーンゴム組成物 (Vi=ビニル基、Me=メチル基を 示す) ViMe2SiO−(SiMe2O)300−SiMe2Vi 100部 Me3SiO−(SiMe2O)50−(SiMe HO)30−SiMe3 5部 Ptの1,2−ジビニル−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン錯体 白金原子として5ppmとなる量 50%エチニルシクロヘキサノール/トルエン溶液 0.05部 Me3SiO−(SiMe2O)20−(SiMe HO)5−(SiMe (CH 2CH 2 Si(OMe)3)O)2−SiMe3 1.5部 硬化条件は150℃/30分Sx2.縮合硬化型シリコーン組成物 (Ph=フェニル基、Me=メチル基を示 す) HO−SiMe2O−(SiMe2O)250−SiMe2−OH 100部 HO−SiMe2O−(SiMe2O)10−SiMe2−OH 5部 Ph−Si(OMe 3 8.5部 ジブチル錫ジラウレート 1部 硬化条件は25℃/3日
【0051】
【表2】
【0052】表2の結果より、Ag.1〜Ag.3は、
流動性、硬化性、導電性、耐熱性のいずれにおいても問
題なく、特にAg.2を用いたものの導電性は非常に良
好である。これに対し、ステアリン酸処理のAg.4
は、付加型シリコーンゴム組成物に使用した場合、硬化
阻害を起こし、未硬化であるため、硬化後物性は得られ
ない。縮合型シリコーンゴム組成物に使用した場合にも
硬化不十分である。また、ステアリン酸エチル処理のA
g.5は、初期特性を満足することはできるが、耐熱時
にステアリン酸エチルの酸化によりシリコーンゴムの特
性が失われている。更に、非被覆球状銀粒子のAg.6
の600部は充填限界を越えおり、粘度測定不可であ
る。充填性に劣り粘度が非常に高くなっている。
【0053】以上のことから、本発明のシリコーン化合
物被覆銀粒子及びこれを配合した硬化性シリコーンゴム
組成物が優れていることがわかる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−109501(JP,A) 特開 平3−170581(JP,A) 特開 昭60−199057(JP,A) 特開 平7−150048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/08 C08K 9/06 C08L 83/04 C08L 83/05 C08L 83/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポ
    リシロキサンと少なくとも1個のヒドロシリル基を有す
    るオルガノポリシロキサンとの混合物で表面処理された
    銀粒子又は銀被覆粒子からなる、付加反応硬化型シリコ
    ーン組成物用の導電性充填材。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個のヒドロシリル基を有す
    るオルガノポリシロキサンが末端トリメチルシリル基封
    鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンである請求項1
    記載の導電性充填材。
  3. 【請求項3】 銀粒子又は銀被覆粒子がフレーク状であ
    る請求項1又は2記載の導電性充填材。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の導電性充填材
    を配合してなる付加反応硬化型導電性シリコーン組成
    物。
  5. 【請求項5】 付加反応硬化型シリコーン組成物が、脂
    肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハ
    イドロジェンポリシロキサン及び付加反応硬化触媒を含
    有するものである請求項4記載の付加反応硬化型導電性
    シリコーン組成物。
JP13481495A 1995-05-08 1995-05-08 導電性充填材及び導電性シリコーン組成物 Expired - Fee Related JP3275630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13481495A JP3275630B2 (ja) 1995-05-08 1995-05-08 導電性充填材及び導電性シリコーン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13481495A JP3275630B2 (ja) 1995-05-08 1995-05-08 導電性充填材及び導電性シリコーン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08302196A JPH08302196A (ja) 1996-11-19
JP3275630B2 true JP3275630B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=15137123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13481495A Expired - Fee Related JP3275630B2 (ja) 1995-05-08 1995-05-08 導電性充填材及び導電性シリコーン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3275630B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4572023B2 (ja) * 2000-07-11 2010-10-27 株式会社槌屋 着色導電ペーストおよびそれを用いる導電積層体とその製造方法
US6534581B1 (en) 2000-07-20 2003-03-18 Dow Corning Corporation Silicone composition and electrically conductive silicone adhesive formed therefrom
JP4389148B2 (ja) * 2002-05-17 2009-12-24 日立化成工業株式会社 導電ペースト
JP4568472B2 (ja) 2002-11-29 2010-10-27 東レ・ダウコーニング株式会社 銀粉末の製造方法および硬化性シリコーン組成物
JP4854705B2 (ja) * 2008-05-26 2012-01-18 Dowaエレクトロニクス株式会社 導電ペースト用銀粉及びその銀粉を用いた導電ペースト
CN102237151B (zh) * 2010-04-21 2013-03-13 比亚迪股份有限公司 一种氧化硅复合银粉及其制备方法和一种导电银浆
KR101971746B1 (ko) * 2011-03-01 2019-04-23 나믹스 가부시끼가이샤 도전성 조성물
JP5321723B1 (ja) * 2012-10-29 2013-10-23 横浜ゴム株式会社 導電性組成物および太陽電池セル
JP6178108B2 (ja) * 2013-04-30 2017-08-09 帝人フィルムソリューション株式会社 シリコーン離型フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08302196A (ja) 1996-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0647682B1 (en) Silver-filled electrically conductive organosiloxane compositions
JP4015722B2 (ja) 熱伝導性ポリマー組成物
JP3436464B2 (ja) 付加反応硬化型導電性シリコーン組成物および導電性シリコーン硬化物の製造方法
US5075038A (en) Electrically conductive silicone compositions
US8378004B2 (en) Process for the production of silicone coatings and silicone moldings from photocrosslinkable silicone mixtures
US6010646A (en) Electroconductive composition and methods for producing such composition
CN111148793B (zh) 包含填料的有机硅组合物
EP0653463B1 (en) Electrically conductive silicone rubber composition
JPH05230373A (ja) 導電性材料を生ずる硬化性オルガノシロキサン組成物
US11254849B2 (en) Method for producing a thermally conductive polysiloxane composition
EP3372630B1 (en) Method for producing thermally-conductive polysiloxane composition
JP3275630B2 (ja) 導電性充填材及び導電性シリコーン組成物
JP2001139818A (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP2868986B2 (ja) 導電性シリコーンゴム組成物
JPH05105814A (ja) 硬化性シリコーン組成物およびその硬化物
JP2741436B2 (ja) 表面処理アルミナ及びそれを含有する熱伝導性シリコーン組成物
JP2022060339A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物
JP2002322363A (ja) シリコーン組成物およびそれから製造されるシリコーン接着剤
JPH0711010A (ja) 耐熱熱伝導性シリコーンゴム成形品
JP3073888B2 (ja) チキソ性フルオロシリコーンゲル組成物
JP2006328302A (ja) 導電性シリコーンゴム組成物及び導電材料
JP6901999B2 (ja) 付加硬化型原料組成物
JP2020172408A (ja) 表面処理アルミナ粉末の製造方法
JP2008303233A (ja) 高導電性充填剤及びそれを用いた高導電性シリコーン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080208

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130208

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140208

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees