JP3275507B2 - 放電ランプ点灯装置 - Google Patents

放電ランプ点灯装置

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JP3275507B2
JP3275507B2 JP235394A JP235394A JP3275507B2 JP 3275507 B2 JP3275507 B2 JP 3275507B2 JP 235394 A JP235394 A JP 235394A JP 235394 A JP235394 A JP 235394A JP 3275507 B2 JP3275507 B2 JP 3275507B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルストランスを用い
て発生させた高電圧パルスで放電ランプを始動させる放
電ランプ点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプ等の放電ランプを
高電圧パルスで始動させることが一般に行われており、
その回路構成の一例を図7に示す。この場合、昇圧トラ
ンス1の一次巻線が直流電源2に電源スイッチ3および
FET(以下スイッチ素子という)4を介して接続さ
れ、スイッチ素子4をドライブ回路5でオン・オフ制御
して昇圧トランス1の二次巻線に交流電圧を誘起させ
る。この交流電圧をダイオード6およびコンデンサ7で
整流・平滑化し、昇圧された直流電圧を電圧検出回路8
の両端子間に電流検出抵抗9を通じてとり出す。かかる
直流電源回路10の電圧検出回路8は、直列接続された
2個の抵抗11,12からなり、点灯制御回路13が電
流検出抵抗9に流れる電流や電圧検出回路8からの信号
に基き、ドライブ回路5のオン・オフ出力波形のデュー
ティを制御する。なお、点灯制御回路13は直流電源回
路10の出力電流が所定値以下になると出力電圧を上
げ、出力電流が所定値以上になると出力電圧を下げるよ
うに動作する。つまり、定電流化機能が定電圧化機能に
優先して働くようになっている。
【0003】直流電源回路10に接続されたインバータ
回路14は、ブリッジ接続された4個のFET(以下ス
イッチ素子という)15,16,17,18と、2個の
ドライブ回路19,20と、コンデンサ21とを備え
る。点灯制御回路13の出力信号で制御を受けた2個の
ドライブ回路19,20が、フルブリッジ回路の対角2
辺のスイッチ素子15,18および対角2辺のスイッチ
素子16,17を所定の周期(たとえば400ヘルツ)
で交互に導通させるので、メタルハライドランプ等から
なる放電ランプ22にその点灯に必要な交流電圧(矩形
波電圧)が印加される。
【0004】放電ランプ22に二次巻線23,24を直
列接続したパルストランス25は、その一次巻線26に
直列接続されたコンデンサ27およびFET(以下スイ
ッチ素子という)28と、このスイッチ素子28をオン
・オフ制御するドライブ回路29と、ダイオード30と
ともに始動回路31を構成している。点灯制御回路13
から始動信号を受けたドライブ回路29がスイッチ素子
28をオン・オフ制御するので、二次巻線23,24に
高電圧パルスが誘起される。つまり、パルストランス2
5はフライバックトランスとして放電ランプ22に始動
用の高電圧パルスを印加するので、始動時の放電ランプ
22にはフルブリッジ回路による交流電圧と、これに重
畳された高電圧パルスとが印加されることになる。そし
て、放電ランプ22が点灯するとドライブ回路29から
の出力信号が停止し、放電ランプ22はフルブリッジ回
路を通じて供給される交流電力のみによって安定に点灯
を持続する。
【0005】スイッチ素子28に対する駆動信号および
スイッチ素子28に流れる電流の各波形を図8の
(a),(b)にそれぞれ示す。また、パルストランス
25の二次巻線23,24に誘起される高電圧パルスの
波形を図8の(c)に示す。
【0006】放電ランプ22がメタルハライドランプ等
の高圧放電ランプであると、その始動にさいして主電極
間に10数KV以上の高電圧パルスを印加する必要があ
る。なぜなら、高圧放電ランプからなる放電ランプ22
は、常温下では比較的低いキック電圧で始動するもの
の、消灯直後の管壁温度は高く、封入物たる水銀や金属
ハロゲン化物の蒸気圧も高くなっているので、瞬時に再
始動させるには主電極間に10数KV以上のキック電圧
を必要とするからである。
【0007】スイッチ素子28は、パルストランス25
の一次巻線26に流れる電流を急激に遮断するので、パ
ルストランス25の一次巻線26にそのインダクタンス
LpによるLp・di/dtなる電圧が発生し、パルス
トランス25の二次巻線23,24に巻数比倍の高電圧
が発生する。また、スイッチ素子28に流れる電流は図
8の(b)に示すように、スイッチ素子28のオン期間
TonにVdc/Lpの傾斜で増加(Vdcは直流電源
回路10の出力電圧)し続ける。そして、図8の(c)
に示す高電圧パルスが放電ランプ22の主電極間に印加
されるので、放電ランプ22は導通性となってグロー放
電状態に入り、次いでアーク放電状態に移行し点灯す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、始動時の
放電ランプ22はグロー放電状態を経てアーク放電状態
に移行するので、始動から点灯に至るまで放電ランプ2
2に高電圧パルスを印加し続けると、始動回路31で少
なからず電力を消費し、この電力を安定に供給するため
に直流電源回路10に相応の電力容量を必要とし、これ
が装置の小型化を阻む一要因となる。また、スイッチ素
子28の発熱に伴う劣化が看過できないものとなる。
【0009】したがって本発明の目的は、始動時におけ
る消費電力を削減でき、電源容量の軽減が可能な省エネ
ルギーの放電ランプ点灯装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明においては上述し
た目的を達成するために、放電ランプと電源との間に二
次巻線を接続してなるパルストランスが、その一次巻線
と直流電源との間にスイッチ素子を接続してなり、この
スイッチ素子をドライブ回路でオン・オフ制御して放電
ランプに始動用の高電圧パルスを印加する放電ランプ点
灯装置において、前記スイッチ素子に流れる電流のピー
ク値を所定時間後に低減させるための切り替え用制御手
段を有していることを特徴とする放電ランプ点灯装置が
提供される。
【0011】
【作用】高圧放電ランプは、その始動時に10数KV以
上の高電圧パルスが主電極間に短時間印加されることに
よってグロー放電状態に入り、一旦グロー放電状態に入
れば高電圧パルスを印加し続けなくても、比較的低いパ
ルス電圧でアーク放電状態に移行できる。
【0012】このような観点から、本発明ではパルスト
ランスの一次巻線に直列接続されたスイッチ素子に流れ
る電流のピーク値を所定時間後に低減させる切り替え用
制御手段を設け、始動回路から放電ランプに供給される
パルスエネルギーの適正化を図るのであり、始動回路で
の電力消費を削減し得るので、電源回路を小型に構成す
ることが可能となる。
【0013】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す。この回
路構成が図7に示した従来の回路構成と異なるところ
は、ドライブ回路29に制御手段32を付加している点
であり、この制御手段32は点灯制御回路13の出力信
号によって制御を受ける。つまり、ドライブ回路29は
点灯制御回路13と制御手段32とによって制御を受け
ることにより、スイッチ素子28のオン期間Tonを短
縮させる。このため、放電ランプ22がグロー放電状態
に入ったとき、スイッチ素子28に流れる電流のピーク
値が低減される。
【0014】点灯制御回路13は、直流電源回路10の
電圧検出回路8から送られてくる電圧信号によって出力
電圧を検出し、検出値が所定電圧Va以上になると、始
動回路31を動作させるための始動信号をドライブ回路
29に送り込む。これによってスイッチ素子28がオン
・オフ動作を開始するのであるが、その所定時間後に、
制御手段32がスイッチ素子28のオン期間Tonを短
縮させる制御信号を送り込む。放電ランプ22がアーク
放電に移行して点灯すると、前記検出値が所定電圧Va
よりも低くなるので、点灯制御回路13は始動回路31
の動作を停止させる信号をドライブ回路29に送り込
む。
【0015】このときの始動回路31の動作をさらに詳
しく説明すると、点灯制御回路13からドライブ回路2
9に始動開始の信号が送り込まれると、ドライブ回路2
9はスイッチ素子28に図2の(a)に示す駆動信号を
与える。このため、スイッチ素子28はオン・オフ動作
を開始するが、スイッチ素子28がオン状態に転じる
と、コンデンサ27からパルストランス25の一次巻線
26に図2の(b)に示すドレイン電流が流れだす。ス
イッチ素子28のオン期間Tonに流れる電流はVdc
/Lpの傾斜で増加し続ける。スイッチ素子28のオン
期間Tonに流れる電流のピーク値はTon・Vdc/
Lpとなる。そして、スイッチ素子28がオフ状態に転
じると、パルストランス25の一次巻線26に蓄えられ
ていたエネルギーが二次巻線23,24に伝達されるの
で、パルストランス25の二次巻線23,24に10数
KV以上の高電圧パルスが発生する。この高電圧パルス
はコンデンサ21を通じて放電ランプ22に印加される
ので、放電ランプ22は導通性に転じてグロー放電状態
に入る。
【0016】このようなグロー放電状態にあるとき、制
御手段32がスイッチ素子28のオン期間Tonをそれ
よりも短いオン期間Ton’に切り変えるので、スイッ
チ素子28に流れる電流のピーク値がTon’・Vdc
/Lpに減少するが、グロー放電状態にあった放電ラン
プ22がアーク放電状態に移行して点灯するので、比較
的少ないパルスエネルギーでもって放電ランプ22を始
動点灯させることができる。図2の(c)は、電源スイ
ッチ3の投入から放電ランプ22が点灯するまでの高電
圧パルスの変化を示したものである。
【0017】高圧放電ランプ22の主電極間を導通性に
してグロー放電させるのに必要な高電圧パルスの振幅
や、スイッチ素子28のオン期間Tonをオン期間To
n’に切り替えるタイミングなどは、使用する放電ラン
プの種類に応じて選択することになるが、始動回路31
から放電ランプ22に供給するエネルギーを減らし得る
ので、消灯直後の放電ランプを瞬時に再点灯できる機能
を損なうことなく、直流電源回路10を小型に構成で
き、しかも、始動回路31のストレスを軽減させること
ができる。
【0018】本発明の第2の実施例を図3に示す。この
場合、パルストランス25の一次巻線26に中間タップ
を設け、点灯制御回路13によってオン・オフ制御を受
けるFET等のスイッチ素子33によって、一次巻線2
6の実質的な巻数が切り替えられるようになっている。
【0019】電源スイッチ3の投入時には、点灯制御回
路13からの信号によってスイッチ素子33は閉止状態
を保持する。この状態で、点灯制御回路13からドライ
ブ回路29に始動信号が送り込まれると、スイッチ素子
28は図4の(a)に示す駆動信号によってオン・オフ
動作を開始する。スイッチ素子28がオン状態に転じる
と、始動回路31のコンデンサ27からパルストランス
25の一次巻線26に図4の(b)に示すドレイン電流
が流れるようになり、パルストランス25の二次巻線2
3,24に高電圧パルスが発生し、放電ランプ22がグ
ロー放電状態になるのは前述と同様である。
【0020】放電ランプ22がグロー放電状態に入った
とき、点灯制御回路13の出力信号によってスイッチ素
子33が開放状態に転じる。つまり、パルストランス2
5の一次巻線26の実質的な巻数が増え、そのインダク
タンスLpが、より大きいインダクタンスLp’に切り
変わる。このため、スイッチ素子28がオフに転じる瞬
間でのピーク電流値が図4の(b)に示すように減少す
る。また、放電ランプ22に供給されていた高電圧パル
スの振幅も低下するが、グロー放電状態にあった放電ラ
ンプ22がアーク放電に移行できる範囲内での振幅低下
であるので、ここにパルスエネルギーの削減効果が得ら
れる。電源スイッチ3の投入から放電ランプ22が点灯
するまでのパルス電圧の変化を図4の(c)に示す。
【0021】本発明の第3の実施例を図5に示す。この
場合、直流電源回路10の出力電圧の設定値をスイッチ
素子34で切り替えるようになっている。すなわち、電
圧検出回路8の抵抗12に中間タップを設け、リレーま
たはFET等からなるスイッチ素子34によって抵抗1
2の抵抗値を切り替える構成にしている。
【0022】電源スイッチ3の投入時におけるスイッチ
素子34は、点灯制御回路13からの信号を受けて閉止
状態にある。点灯制御回路13からドライブ回路29に
送り込まれた始動信号によって、スイッチ素子28が図
6の(a)に示す駆動信号でオン・オフ動作すると、ス
イッチ素子28に図6の(b)に示すドレイン電流が流
れ、パルストランス25の二次巻線23,24に高電圧
パルスが発生し、放電ランプ22がグロー放電状態にな
るのは前述と同様である。
【0023】放電ランプ22がグロー放電状態に入った
とき、点灯制御回路13からの信号によってスイッチ素
子34が開放状態に転じると、直流電源回路10の電圧
検出回路8の検出電圧が上昇するので、直流電源回路1
0の出力電圧Vdcが、それよりも低いVdc’に転じ
る。このため、スイッチ素子28がオフに転じる瞬間で
の電流は図6の(b)に示すように、Ton・Vdc’
/Lpに低下する。この電流によって発生するパルスエ
ネルギーでもって、グロー放電状態にあった放電ランプ
22をアーク放電に移行させ得るようにVdc’の値を
あらかじめ設定しておくので、ここにパルスエネルギー
の削減効果が得られる。電源スイッチ3の投入から放電
ランプ22が点灯するまでのパルス電圧の変化を図6の
(c)に示す。
【0024】上述した実施例ではいずれも、インバータ
回路14にフルブリッジ型のものを用いたが、これはハ
ーフブリッジ型や、SEPP回路などに置換できる。ま
た、インバータ回路を使用しない直流点灯回路方式の放
電ランプ点灯装置にも本発明は適用できる。さらに、ス
イッチ素子28にFET以外のトランジスタやサイリス
タ等を用いることができる。さらにまた、前述の実施例
ではパルストランス25に1対の二次巻線23,24を
有するものを使用したが、単一の二次巻線を有するもの
を用いてもよい。また、前述した実施例では直流電源回
路10にフライバックコンバータを用いたが、直流電圧
を出力するものであればどのような構成のものでもよ
い。
【0025】第2の実施例では、スイッチ素子28の電
流制御手段としてパルストランス25の一次巻線のタッ
プを切り替えたが、一次巻線とスイッチ素子28との間
にインダクタを挿入するなど、要するに一次巻線側のイ
ンダクタンスを切り替えることができればよい。また、
第3の実施例では、スイッチ素子28の電流制御手段と
して直流電源回路10の電圧検出回路8の抵抗12の値
を切り替えたが、抵抗11の値を切り替えてもよく、要
は、直流電源回路の出力電圧を切り替えればよい。ま
た、スイッチ素子28の電流制御手段として、スイッチ
素子28のオン期間を切り替える構成、パルストランス
25の一次巻線側のインダクタンスを切り替える構成お
よび直流電源回路10の出力電圧を切り替える構成のう
ち、いずれか2つ以上を併用してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によると、放電ラン
プの始動時において、高電圧パルスを発生するパルスト
ランスの一次巻線に接続されたスイッチ素子に流れる電
流のピーク値をグロー放電後に減少させるものであり、
放電ランプの瞬時再始動の機能を損なうことなく始動回
路のストレスを減少させ得るのみならず、電源回路を小
型に構成することができる。また、放電ランプの寿命を
長大化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の放電ランプ点灯装置の
回路構成図
【図2】本発明の第1の実施例の各部における信号波形
【図3】本発明の第2の実施例の放電ランプ点灯装置の
回路構成図
【図4】本発明の第2の実施例の各部における信号波形
【図5】本発明の第3の実施例の放電ランプ点灯装置の
回路構成図
【図6】本発明の第3の実施例の各部における信号波形
【図7】従来の放電ランプ点灯装置の回路構成図
【図8】従来の放電ランプ点灯装置の各部における信号
波形図
【符号の説明】
8 電圧検出回路 9 電流検出抵抗 10 直流電源回路 13 点灯制御回路 14 インバータ回路 22 放電ランプ 25 パルストランス 28 スイッチ素子 29 ドライブ回路 32 制御手段 33,34 スイッチ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−277495(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 41/282

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電ランプと電源との間に二次巻線を接
    続してなるパルストランスが、その一次巻線と直流電源
    との間にスイッチ素子を接続してなり、このスイッチ素
    子をドライブ回路でオン・オフ制御して放電ランプに始
    動用の高電圧パルスを印加する放電ランプ点灯装置にお
    いて、前記スイッチ素子に流れる電流のピーク値を所定
    時間後に低減させるための切り替え用制御手段を有して
    いることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
  2. 【請求項2】 制御手段がスイッチ素子のオン期間を切
    り替えるものであることを特徴とする請求項1記載の放
    電ランプ点灯装置。
  3. 【請求項3】 制御手段がパルストランスの一次巻線回
    路のインダクタンスを切り替えるものであることを特徴
    とする請求項1または2記載の放電ランプ点灯装置。
  4. 【請求項4】 制御手段が直流電源回路の出力電圧を切
    り替えるものであることを特徴とする請求項1または2
    または3記載の放電ランプ点灯装置。
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