JPH088074A - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents

高圧放電灯点灯装置

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JPH088074A
JPH088074A JP14515594A JP14515594A JPH088074A JP H088074 A JPH088074 A JP H088074A JP 14515594 A JP14515594 A JP 14515594A JP 14515594 A JP14515594 A JP 14515594A JP H088074 A JPH088074 A JP H088074A
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JP
Japan
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discharge lamp
pulse
voltage
pressure discharge
high pressure
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JP14515594A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kamoi
武志 鴨井
Minoru Yamamoto
実 山本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】グロー放電からアーク放電への移行や、パルス
電圧の発生停止後の点灯維持が容易で、再始動時の始動
性が良好な高圧放電灯点灯装置を、形状的に大型化する
ことを極力抑えながら実現する。 【構成】交流電源Eと、高圧放電灯LPと、この高圧放
電灯LPの安定器Lと、高圧放電灯LPを始動する際に
始動用のパルス電圧を発生させるパルス発生器PGとを
有する高圧放電灯点灯装置において、高圧放電灯LPと
直列にトランスT 1 の2次側巻線n2 を接続し、高圧放
電灯LPの始動時に高周波電流を発生する高周波電源I
NVを前記トランスT1 の1次側巻線n1 に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水銀ランプ、メタルハ
ライドランプ、高圧ナトリウムランプ等の高圧放電灯を
始動・点灯させるための高圧放電灯点灯装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図16に一般的な高圧放電灯点灯装置の
一例を示す。商用交流電源Eに、安定器となるインダク
タンス要素Lを直列的に接続し、商用交流電圧により高
圧放電灯LPを点灯させる。高圧放電灯LPは、始動時
に数kVの高電圧が必要であるため、インダクタンス要
素Lと高圧放電灯LPとの間に、パルス発生器PGを付
加している。パルス発生器PGは、インダクタンス要素
2 と、コンデンサC3,C4 ,C5 、抵抗R4 ,R5
及び電圧応答素子Q3 で構成されており、電圧応答素子
3 がブレークオーバーしたときに、電圧応答素子Q3
を介して電荷が放電されて、その電流がインダクタンス
要素L2 の巻線比により昇圧されて、高圧パルス電圧を
発生するものである。この高圧パルス電圧は、商用交流
電源Eの交流電圧に重畳されて高圧放電灯LPに印加さ
れる。
【0003】また、図17に示すように、パルス発生器
PGのインダクタンス要素L1 を安定器として兼用する
場合もある。この回路では、高圧放電灯LPの両端電圧
は、抵抗R1 ,R2 により分圧され、コンデンサC2
電圧が上昇すると、トリガー素子Q2 が導通し、抵抗R
3 を介してコンデンサC2 の電荷がスイッチング素子Q
1 のゲートに放電される。これにより、スイッチング素
子Q1 が導通し、このときにコンデンサC1 を介して流
れる電流がインダクタンス要素L1 の巻数比により昇圧
されて、高圧パルス電圧が発生する。この高圧パルス電
圧は、商用交流電源Eの交流電圧に重畳されて高圧放電
灯LPに印加される。
【0004】いずれの場合にも、高圧放電灯LPはパル
ス発生器PGにより高さが数kV、幅が数μsecのパ
ルス電圧により絶縁破壊されて、グロー放電を行う。そ
の後、電源から安定器を介して供給されるエネルギーに
より、グロー放電はアーク放電に移行し、点灯維持され
る。パルス発生器PGにより発生するパルス電圧は、高
圧放電灯LPの種類により異なるが、通常の初始動時に
ついて確実にグロー放電する電圧である。また、パルス
電圧を発生させる位相は、電源電圧位相の60〜90
度、240〜270度の位相に印加するのが良いとされ
ている。
【0005】高圧放電灯LPはパルス発生器PGにより
始動され、安定器を介して電源が供給されて点灯維持さ
れるが、始動直後から徐々に内部が高温・高圧となり点
灯状態が安定する。いま、高圧放電灯LPが安定点灯さ
れている際、何らかの原因により高圧放電灯LPに対す
る電源の供給が停止すれば、高圧放電灯LPは消灯する
が、その直後に再び電源が供給されても点灯せず、ま
た、パルス発生器PGによりパルスが印加されても、高
圧放電灯LPの内部は、非常に高温・高圧になっている
ため、高圧放電灯LPは始動しない。高圧放電灯LPが
再び始動するためには、高圧放電灯LPの内部の温度が
下がり、圧力が低下するのを待たなければならず、高圧
放電灯LPが消灯した後、高温放電灯LPの種類にもよ
るが、十数分〜20分程度、高圧放電灯LPによる光を
得られない。つまり、瞬時再始動ができないという問題
が生じる。
【0006】ところで、この再始動の際、パルス印加時
にはパルスによるグロー放電はするが、アーク放電に移
行しない場合や、アーク放電に移行するが、パルスの停
止と共に立消えする場合がある。これは、再始動時にお
いては、高圧放電灯LPの内部が初始動時に比べて高温
・高圧となっているので、パルスのエネルギーによりグ
ロー放電はしても、そのグロー放電をアーク放電に移行
させるためのエネルギーとして、電源から安定器を介し
て供給されるエネルギーだけでは不足であるため、アー
ク放電に移行しないのである。また、アーク放電に移行
するが、パルス停止と共に立消えする場合は、パルスの
エネルギーにより、アーク放電を維持している状態であ
り、そのため、パルスが停止すると、アーク放電が維持
できず、立消えするのである。
【0007】初始動時においても、上述のパルス印加位
相60〜90度(240〜270度)以外の位相でパル
スを印加した場合、パルスを停止させると、アーク放電
が維持されず、立消えする場合がある。これは、上述の
パルス印加位相以外の位相では、パルス印加時の電源電
圧が低く、グロー放電からアーク放電への移行、及びパ
ルス停止後のアーク放電の維持が難しく、90〜180
度(270〜360度)の位相では、電源電圧が下が
り、極性が反転に向かうため、グロー放電からアーク放
電への移行や、アーク放電の維持が難しいためである。
【0008】このような消灯直後の高温・高圧の状態に
ある高圧放電灯LPを再び始動点灯させる場合に、再始
動時の始動性の向上や、パルスの印加位相条件の緩和を
図る手段としては、パルス電圧の高さを高くしたり、幅
を広げたりする方法や、パルス電圧の印加時間を長くす
る方法が考えられる。具体的には、幅の広い(数十μs
ec程度)、高さが十数kVのパルス電圧を印加する方
法や、幅の狭い(数百nsec程度)、ピーク電圧が数
十kVのパルス電圧を商用半サイクルに10本以上印加
する方法などが知られている。しかしながら、パルス電
圧の高さ、幅を大きくするためには、巻数の増加も必要
となり、回路構成が複雑化すると共に、絶縁性能の向上
も必要となるために、形状の大型化を招くという問題が
生じる。
【0009】そこで、例えば、図18、図19のよう
に、絶縁破壊及びグロー放電を起こすための高圧パルス
電圧と、アーク放電への移行及びその放電維持のための
低圧パルス電圧を併用し、これらを組合わせて印加する
ことにより、瞬時再始動に必要なパルスの波高値を大幅
に低減することが提案されている。まず、図18に示す
従来例(特開昭62−88295号公報参照)は、安定
器部Bと始動回路部PGを有し、高圧放電灯LPを瞬時
に再始動するために、高圧放電灯LPが絶縁破壊を起こ
す高圧パルス電圧を発生するパルス発生器PG2と、放
電を維持させる幅の広い低圧パルス電圧を発生するパル
ス発生器PG1とを備え、高圧パルス電圧、低圧パルス
電圧の順に高圧放電灯LPに印加するようにしたもので
ある。次に、図19に示す従来例(特開平2−7773
0号公報参照)では、高圧放電灯LPを瞬時に再始動す
るために、高圧放電灯LPが絶縁破壊を起こす高圧パル
ス電圧を発生するパルス発生器PG2と、放電を維持さ
せる幅の広い低圧パルス電圧を発生するパルス発生器P
G1とを有し、パルス発生器PG1のインダクタンス要
素L1 が安定器を兼ねているものにおいて、パルス発生
器PG1による幅の広い低圧パルス電圧により、パルス
発生器PG2を作動させると共に、幅の広い低圧パルス
電圧に、パルス発生器PG2で発生する高圧パルス電圧
を重畳して、高圧放電灯LPに印加するようにしたもの
である。
【0010】これらの従来例においては、高圧パルス電
圧により高圧放電灯LPを絶縁破壊し、グロー放電させ
た後、低圧パルス電圧により、そのグロー放電をアーク
放電に移行させ、電源Eから安定器を介して供給される
エネルギーにより、点灯を維持している。グロー放電か
らアーク放電に移行した際に、高圧放電灯LPを流れる
電流波形をみると、図20のようである。図20によれ
ば、電流が0の状態から、絶縁破壊による幅の細いラッ
シュ電流が流れた後、アーク放電に移行し、電源周波数
に等しい電流となっているが、アーク放電移行後も、一
定期間はパルスを印加し続けている。これは、アーク放
電に移行した直後に、パルスを停止した場合、電源から
安定器を介して供給されるエネルギーだけでは、放電の
極性を反転させるだけのエネルギーを与えられず、図2
1(a),(b)のように高圧放電灯LPが立消えして
しまうためであり、一定期間パルスを印加し続けて、高
圧放電灯LPの内部状態を定常状態と同様にした後、パ
ルスを停止させて、電源からのエネルギーにより点灯を
維持している。
【0011】また、別の手段として、図22又は図23
に示すように、電源Eから安定器を介して、高圧放電灯
LPに供給されるエネルギーを増加させる方法がある。
図22の構成では、始動検出用のタイマー回路Aにより
2つのインダクタンス要素L 5 ,L6 を切り替えるもの
であり、始動時に安定器のインダクタンスを小さくする
ものである。また、図23の構成では、安定器Bをイン
ダクタンス要素Lと磁気飽和可能なトランスT1 に2分
割し、始動検出用のタイマー回路Aにより、始動時のみ
トランスT1 を磁気飽和させるものである。いずれの場
合も始動時に安定器のインダクタンス値を減少させ、電
源Eから高圧放電灯LPに供給されるエネルギーを増加
させている。
【0012】しかし、図22の構成では、始動時に挿入
するインダクタンス要素L5 が磁気飽和すると、安定器
となるインダクタンス要素が無くなることになり、始動
時に電源短絡と同様の状態となるので、始動時に挿入す
るインダクタンス要素L5 は磁気飽和しないように設計
する必要があり、形状的に非常に大きくなってしまう。
また、図23の構成では、始動時に飽和させるトランス
1 も、安定器のインダクタンス要素であるため、定常
点灯時に流れる電流により磁気飽和してはならない。し
たがって、今、磁気飽和させるインダクタンス要素をト
ランスT1 の2次側とすると、始動時には1次側にかな
り大きな電流を流すか、あるいは、1次側の巻数を増や
してインダクタンス値を増やす等、磁気飽和させやすく
する必要があり、やはり形状的にかなり大きくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来例
においては、始動性の向上を図るために、始動時の供給
電力を上げようとすると、安定器としてのインダクタン
ス要素の形状が大きくなるという問題点があった。本発
明は、このような問題点を解決しようとするものであ
り、その目的とするところは、形状的に大型化すること
を極力抑えながら、始動性を向上させた高圧放電灯点灯
装置を提供することにある。
【0014】また、高圧放電灯LPを瞬時再始動させる
ためには、グロー放電からアーク放電に移行し、内部状
態が定常点灯時の状態になるまでパルスを印加し続けな
ければならないが、その際、放電の極性反転時に、図2
0のように、逆方向に幅の細いラッシュ電流が流れるた
めに、内部状態が定常点灯時と同様の状態になることを
妨げており、パルスを印加する時間が長時間必要であ
る。ラッシュ電流の大きさは、電源電圧のどの位相でパ
ルスを印加するかによって大きく変わり、位相60〜9
0度(240〜270度)ではそれほど大きくなく、パ
ルス印加時間は短くて良いが、それより前の位相(0〜
60度、180〜240度)では、大きな電流となり、
長時間、パルスを印加しなければならない。これは0〜
60度の位相では、電源電圧の瞬時値が低く、供給され
るエネルギーが少ないため、パルス電圧の影響を強く受
けるからだと考えられる。したがって、パルス発生位相
としては、60〜90度の間に設定すれば良いが、パル
ス発生器のスイッチング素子に加わるストレスが大きく
なる。
【0015】図19の場合を例にとって説明する。図1
9のパルス発生器PG1の動作としては、スイッチング
素子Q1 がONすると、電源E、インダクタンス要素L
1 の1次側巻線L11、コンデンサC1 、スイッチング素
子Q1 、電源Eの閉ループができ、電源Eからコンデン
サC1 に充電電流が流れる。この電流によってインダク
タンス要素L1 が、パルストランスとして働き、パルス
が発生する。スイッチング素子Q1 に流れる電流が保持
電流以下となり、スイッチング素子Q1 がOFFする
と、前記閉ループはなくなるが、コンデンサC1 には、
電荷が蓄積されている。次に、電源Eの極性が反転し、
ある位相でスイッチング素子Q1 がONすると、電源
E、スイッチング素子Q1 、コンデンサC1 、インダク
タンス要素L 1 の1次側巻線L11、電源Eの閉ループが
でき、再びパルスが発生する。このとき、一度パルスが
発生し、コンデンサC1 に電荷が蓄積され、スイッチン
グ素子Q1 がOFFし、電源Eの極性が反転し、再びス
イッチング素子Q1 がONする直前には、スイッチング
素子Q1 にはコンデンサC1 の充電電圧と電源Eの電圧
の和が加わることになる。したがって、パルス発生位相
を60〜90度(240〜270度)に設定すると、電
源Eの瞬時電圧が高く、スイッチング素子Q1 に加わる
電圧が高くなり、ストレスが大きくなるという問題が生
じる。そこで、この発明の他の目的は、スイッチング素
子のストレスを低減し、瞬時再始動性能を確保した高圧
放電灯点灯装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題を解決するために、図1に示すように、交流電源E
と、高圧放電灯LPと、この高圧放電灯の安定器Lと、
高圧放電灯を始動する際に始動用のパルス電圧を発生さ
せるパルス発生器PGとを有する高圧放電灯点灯装置に
おいて、高圧放電灯と直列にトランスT1 の2次側巻線
を接続し、高圧放電灯の始動時に高周波電流を発生する
高周波電源を前記トランスT1 の1次側巻線に接続した
ことを特徴とするものである。また、図5に示すよう
に、比較的低圧でパルス幅の広い低圧パルス電圧を発生
する第1のパルス発生器PG1と、比較的高圧でパルス
幅の狭い高圧パルス電圧を発生する第2のパルス発生器
PG2とを有する高圧放電灯点灯装置において、第2の
パルス発生器PG2を停止させた後、第1のパルス発生
器PG1を停止させることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】図1の回路によれば、始動用のパルス電圧によ
り高圧放電灯が絶縁破壊し、グロー放電をしたときに、
高周波電源を一定期間動作させると、電源から安定器を
介して供給されるエネルギーに加えて、高周波電源から
トランスによって供給されるエネルギーが加算され、エ
ネルギーの供給量が増加し、グロー放電からアーク放電
への移行やパルス停止後の点灯維持が容易となり、始動
性が向上する。また、図5の回路によれば、比較的低圧
でパルス幅の広い低圧パルス電圧を発生する第1のパル
ス発生器と、比較的高圧でパルス幅の狭い高圧パルス電
圧を発生する第2のパルス発生器とを有し、第2のパル
ス発生器を停止させた後、第1のパルス発生器を停止さ
せることにより、パルス電圧印加によるラッシュ電流を
低減させることができ、また、高圧放電灯が安定状態と
なり、電源からのエネルギー供給のみで点灯維持ができ
るまでの時間が短縮されると共に、パルス印加位相を電
源電圧の低い部分とすることも可能となり、スイッチン
グ素子のストレスも低減でき、パルス発生器の設計の自
由度が増すものである。
【0018】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の回路図である。
従来例と異なる構成は、高圧放電灯LPの絶縁破壊時の
電流を検出して、一定期間動作するインバータ回路IN
Vを設け、そのインバータ回路INVの出力にトランス
1 の1次側巻線n1 を接続し、トランスT1 の2次側
巻線n2 を高圧放電灯LPと直列に接続した点である。
さらに詳しく説明すると、パルス発生器PGにより高圧
パルスが発生すると、高圧放電灯LPが絶縁破壊し、グ
ロー放電が生じる。このグロー放電をアーク放電に移行
させて、点灯維持するために、商用交流電源Eから安定
器Lを介して、エネルギーが供給される。しかし、先の
従来例で述べたように、例えば再始動時のような場合、
グロー放電からアーク放電への移行や、パルス停止後の
点灯維持が難しい場合がある。そこで、高圧放電灯LP
が絶縁破壊して、グロー放電したことを検出回路X1
より検出し、その検出を受けて、制御回路Y1 により、
一定期間にわたりインバータ回路INVを動作させる。
インバータ回路INVは、電源Eから安定器Lを介して
交流電力を供給され、この交流電力をダイオードブリッ
ジDBにより全波整流し、平滑用のコンデンサC6 によ
り平滑し、スイッチング素子S1 ,S2 を交互にオン・
オフ動作させて、コンデンサC0 とインダクタL0 の直
列回路を介して数十KHz〜数百KHzの高周波を出力
している。このインバータ回路INVの出力には、トラ
ンスT1 の1次側巻線n1 が接続されており、トランス
1 の2次側巻線n2 は、高圧放電灯LPと直列に接続
されている。
【0019】いま、トランスT1 を空心のトランスと
し、1次側巻線n1 のインダクタンス値L11を極力小さ
くすると、インバータ回路INVからみると、負荷短絡
の状態となり、インバータ回路INVのインダクタL0
と動作周波数によって決まる電流がインバータ回路IN
Vを流れる。この電流をI1 とすると、この電流が流れ
ることにより、トランスT1 の1次側巻線n1 では、n
1 ×I1 (n1 は巻数)の起磁力が発生する。この起磁
力により、トランスT1 の2次側には、この磁界の変化
を防げる方向に磁界を発生させる電流が流れる。その大
きさをI2 とすると、本来、n1 ×I1 =n2 ×I2
なるが、実際には、空心トランスのため、磁気的結合は
弱く、n1 ×I1 ≫n2 ×I2 となる。つまり、トラン
スT1 の1次側巻線n1 に流れる電流I1 の巻数比(n
1 /n2 )に反比例する大きさの電流I2 を2次側巻線
2 に流そうとする。
【0020】図2は本実施例の動作説明図であり、
(a)は電源Eの電圧波形、(b)はインバータ回路I
NVからトランスT1 によって供給されるエネルギーで
あり、(a)と(b)との和である(c)のエネルギー
が高圧放電灯LPに供給される。つまり、パルス発生器
PGによる高圧パルスにより高圧放電灯LPが絶縁破壊
し、グロー放電をしたことを検出回路X1 により検出
し、インバータ回路INVを一定期間動作させると、電
源Eから安定器Lを介して供給されるエネルギーに加え
て、インバータ回路INVからトランスT1 によって供
給されるエネルギーが加算され、エネルギーの供給量が
増加し、グロー放電からアーク放電への移行やパルス停
止後の点灯維持が容易となり、始動性が向上する。
【0021】上述の図1の実施例においては、インバー
タ回路INVの出力に接続するトランスT1 は空心トラ
ンスとしたが、図3の実施例に示すように、鉄心入りの
トランスでもよい。トランスT1 は定常点灯時のランプ
電流により飽和し、無負荷時及びグロー放電時の小電流
では飽和しない設計にする。トランスT1 を鉄心トラン
スとすると、1次側のインダクタンス値L11は一般にイ
ンバータ回路INVのインダクタL0 と比較して、無視
できない値をとる。したがって、インバータ回路INV
から出力される電流I1 は、インダクタL0 とL11及び
動作周波数で決まる。図1の実施例においては、トラン
スT1 が空心トランスであるため、磁気的結合は弱く、
1 ×I1 ≫n2 ×I2 となり、トランスT1 の2次側
巻線n2に流れる電流I2 の値は小さい。しかし、図3
の実施例においては、トランスT 1 は鉄心入りのトラン
スであるので、磁気的結合が強く、n1 ×I1 ≒n2 ×
2 であり、より大きな電流I2 を流そうとする。した
がって、インバータ回路INVを動作させると、図1の
実施例に比べてグロー放電からアーク放電への移行時
に、より大きなエネルギーを供給することができ、アー
ク放電への移行が容易となる。グロー放電からアーク放
電に移行すると、トランスT1 の2次側巻線n 2 に十分
に大きな電流が流れるので、トランスT1 は飽和し、空
心トランスとほぼ同一となり、図1の実施例と同様の動
作となる。
【0022】図4は本発明の第3実施例の回路図であ
る。本実施例は、図1の実施例において、パルス発生器
PGのインダクタンス要素L1 を高圧放電灯LPの安定
器として兼用したものである。電源スイッチSWを投入
すると、商用交流電源Eの交流電圧がパルス発生器PG
の抵抗R1 と抵抗R2 により分圧され、コンデンサC2
が充電される。電源Eのある位相において、トリガー素
子Q2 がONし、コンデンサC2 の電荷が抵抗R3 を介
してスイッチング素子Q1 のゲートに放電されて、スイ
ッチング素子Q1 がONされる。スイッチング素子Q1
がONすると、電源Eが正である場合、電源Eから、イ
ンダクタンス要素L1 の1次巻線L11、コンデンサ
1 、スイッチング素子Q1 を経て電源Eに戻る閉ルー
プが形成され、コンデンサC1 に電源Eから充電電流が
流れる。この充電電流により、インダクタンス要素L1
の1次巻線L11に電圧が誘起され、1次巻線L11と2次
巻線L12の巻数比に比例したパルス電圧が出力され、高
圧放電灯LPに印加される。電源Eが負の電圧の場合に
は、上記とは逆に、電源E、スイッチング素子Q1 、コ
ンデンサC1 、1次巻線L11、電源Eの閉ループが形成
され、同様にパルス電圧が出力される。高圧放電灯LP
が始動すると、検出回路X1 により検出され、スイッチ
ング素子SW1がONされ、パルス電圧を停止させる。
その他の動作は、図1及び図3の実施例と同一である。
【0023】上述の各実施例においては、いずれも高圧
放電灯LPが絶縁破壊し、グロー放電したことを検出回
路X1 により検出して、インバータ回路INVを動作さ
せているが、予めインバータ回路INVを動作させて、
その動作中にパルス発生器PGによりパルス電圧を高圧
放電灯LPに印加しても、同一の効果を得ることができ
る。
【0024】図5は請求項5に記載された発明の第1実
施例を示す。本実施例にあっては、比較的低圧でパルス
幅の広い低圧パルス電圧を発生する第1のパルス発生器
PG1と、比較的高圧でパルス幅の狭い高圧パルス電圧
を発生する第2のパルス発生器PG2とを有し、各パル
ス発生器PG1,PG2に、その動作を停止させるスイ
ッチング素子SW1,SW2をそれぞれ付加したもので
ある。各スイッチング素子SW1,SW2は、タイマー
回路TMにより制御され、高圧パルス電圧を停止させた
後、一定期間は低圧パルス電圧のみを印加した後、最終
的には低圧パルス電圧も停止させるものである。詳しく
説明すると、電源スイッチSWの投入により、商用交流
電源Eがパルス発生器PG1の抵抗R1 と抵抗R2 によ
り分圧されて、コンデンサC2 が充電される。電源Eの
ある位相において、トリガー素子Q2 がONし、抵抗R
3 を介してコンデンサC2 の電荷がスイッチング素子Q
1のゲートに放電されて、スイッチング素子Q1 がON
する。スイッチング素子Q 1 がONすると、電源E、安
定器L1 の1次側巻線L11、コンデンサC1 、インダク
タL3 、スイッチング素子Q1 、電源Eの閉ループが形
成され、コンデンサC1 に電源Eから充電電流が流れ
る。この充電電流により、安定器L1 の1次側巻線L11
に電圧が誘起され、1次側巻線L11と2次側巻線L12
巻数比に比例したパルス電圧が、パルス発生器PG1の
出力として発生する。このパルス電圧は、高さ数kV、
幅数百μsec程度の低圧パルス電圧である。
【0025】この低圧パルス電圧により、パルス発生器
PG2において、コンデンサC3 が充電される。この充
電電圧がスイッチング素子Q3 のブレークオーバー電圧
を越えると、スイッチング素子Q3 はONし、コンデン
サC3 、インダクタンス要素L2 の1次側巻線L21、コ
ンデンサC4 、スイッチング素子Q3 、コンデンサC 3
の閉ループにより、コンデンサC3 の電荷が放電され、
その放電電流によりインダクタンス要素L2 の1次側巻
線L21に電圧が誘起され、2次側巻線L22との巻数比に
比例したパルス電圧がパルス発生器PG2の出力として
発生する。このパルス電圧は、高さ十数kV〜20k
V、幅数μsec程度の高圧パルス電圧である。1回の
パルス印加時間は、安全性等を考慮して通常2〜3se
c程度である。
【0026】この高圧パルス電圧により、高圧放電灯L
Pを絶縁破壊させて、グロー放電させ、これを低圧パル
ス電圧によりアーク放電に移行させているが、アーク放
電への移行後もアーク放電を安定させるために、パルス
電圧を印加している。従来は、この際、高圧パルス電圧
と低圧パルス電圧を共に印加していたが、アーク放電を
安定させるには、低圧パルス電圧のみで十分であり、高
圧パルス電圧を印加すると、逆にラッシュ電流を大きく
することになり、上記パルス印加期間では、パルス電圧
の停止後、点灯維持ができない場合がある。そこで、本
実施例では、タイマー回路TMにより、高圧パルス電
圧、低圧パルス電圧を共に印加するモード、高圧パルス
電圧を停止させて低圧パルス電圧のみを印加するモー
ド、完全にパルス電圧の印加を停止させるモードを順番
に切換えるようにする。
【0027】つまり、タイマー回路TMにより、最初は
スイッチング素子SW1をOFF、スイッチング素子S
W2をONとし、高圧パルス電圧、低圧パルス電圧を共
に印加し、次に、スイッチング素子SW1とSW2を共
にOFFとして、低圧パルス電圧のみを印加し、最後
に、スイッチング素子SW1をON、スイッチング素子
SW2をOFFとして、パルス電圧を停止させる。
【0028】このように構成することで、パルス電圧印
加によるラッシュ電流を低減させることができ、また、
高圧放電灯LPが安定状態となり、電源Eからのエネル
ギー供給のみで点灯維持ができるまでの時間が短縮され
ると共に、パルス印加位相を、電源電圧の0〜60度の
部分とすることが可能となり、スイッチング素子のスト
レスも低減でき、パルス発生器PG1の設計の自由度が
増すものである。
【0029】図6は請求項5記載の発明の第2実施例を
示す。図5の実施例と異なる点は、高圧放電灯LPに流
れる電流を検出回路X1 にて検出することにより高圧パ
ルス電圧を停止させる点である。パルス発生器PG1と
PG2によるパルスの発生方法は、図5の実施例と同じ
である。詳しく説明すると、高圧パルス電圧により、高
圧放電灯LPを絶縁破壊させ、グロー放電させて、これ
を低圧パルス電圧により、アーク放電に移行させてい
る。グロー放電時に高圧放電灯LPに流れる電流は僅か
ではあるが、0ではない。アーク放電に移行すると、高
圧放電灯LPが安定状態になくとも、ランプ電流は定常
点灯時とほぼ同一となる。そこで、ランプ電流を検出す
る検出回路X1 を設け、高圧放電灯LPがグロー放電、
あるいはアーク放電して、ランプ電流が流れたときに、
パルス発生器PG2のスイッチング素子SW2をOFF
して、高圧パルス電圧の発生を停止させ、低圧パルス電
圧のみを印加する。低圧パルス電圧については、電源投
入後、一定時間にわたり印加した後、タイマー回路TM
により、パルス発生器PG1のスイッチング素子SW1
をONとして、停止させる。このように構成すること
で、図5の実施例と同様の効果が得られる。
【0030】図7に請求項5記載の発明の第3実施例を
示す。先の実施例と異なる点は、安定器としてのインダ
クタンス要素L1 を含むパルス発生器PG1の出力端
に、出力電圧を検出する検出回路X2 を設け、この検出
回路X2 により高圧放電灯LPの状態を検出して、高圧
パルス電圧の発生を停止させるようにした点である。パ
ルス発生器PG1,PG2によるパルスの発生方法につ
いては、図5の実施例と同じである。詳しく説明する
と、高圧放電灯LPは、高圧パルス電圧により絶縁破壊
させ、グロー放電させて、これを低圧パルス電圧によ
り、アーク放電に移行させている。高圧放電灯LPが絶
縁破壊してグロー放電する前は、無負荷時と同一の状態
であり、パルス発生器PG1の出力端を見ると、電源E
の電圧波形の上に低圧パルス電圧が重畳された波形にな
っている。高圧放電灯LPが絶縁破壊して、グロー放電
を行うと、また、これがアーク放電に移行すると、高圧
放電灯LPは負荷として働くので、このとき、パルス発
生器PG1の出力端の電圧を見ると、負荷の状態に沿っ
た電圧波形の上に低圧パルス電圧が重畳された波形とな
り、絶縁破壊、グロー放電が起きる前とは異なる波形と
なる。この電圧の変化を検出回路X2 により検出し、高
圧放電灯LPが絶縁破壊、グロー放電する以前は、高圧
パルス電圧と低圧パルス電圧を共に印加し、絶縁破壊、
グロー放電した後は、パルス発生器PG2のスイッチン
グ素子SW2をOFFして、高圧パルス電圧の発生を停
止させ、低圧パルス電圧のみを印加する。低圧パルス電
圧については、電源投入後、一定時間にわたり印加した
後、タイマー回路TMにより、パルス発生器PG1のス
イッチング素子SW1をONとして、停止させる。この
ように構成することで、図5の実施例と同様の効果が得
られる。
【0031】ところで、高圧放電灯において、始動時に
絶縁破壊させるための高電圧を発生させる手段として
は、上述の図16又は図8に示すように、商用電源Eに
高圧パルス電圧を重畳させることが一般的である。図8
の点灯装置では、高圧放電灯LPの点灯後、ランプ電流
をある一定値に安定に維持させるためのインダクタンス
要素Lからなる安定器と、ランプ始動時に高圧パルス電
圧を発生させるためのパルス発生器PGより構成され
る。まず、電源Eが投入されると、端子a−b間には、
ほぼ電源電圧に等しい電圧が発生する。この電圧を受け
て、コンデンサCに抵抗R、パルストランスPTの1次
巻線n1 を介して電流が流れ、コンデンサCが充電さ
れ、その両端電圧が徐々に上昇する。コンデンサCと並
列的に電圧応答型スイッチQ(例えば、SSSのような
もの)が接続されており、コンデンサCの両端電圧が電
圧応答型スイッチQのブレークオーバー電圧に達する
と、電圧応答型スイッチQが導通状態となり、コンデン
サCの電荷はパルストランスPTの1次巻線N1 を介し
て急激に放電される。このとき、パルストランスPTの
2次巻線N2 には、1次巻線N1 と2次巻線N2 の巻数
比に応じた高圧パルス電圧が発生し、このパルス電圧が
電源電圧に重畳され、高圧放電灯LPの両端に印加さ
れ、高圧放電灯LPが始動する。高圧放電灯LPが始動
・点灯した後は、端子a−b間の電圧は略ランプ電圧と
なり、この電圧は電源電圧に対して約1/2以下である
ので、電圧応答型スイッチQにはそのブレークオーバー
電圧よりも低い電圧しか印加されず、パルス電圧の発生
は停止し、高圧放電灯LPは安定に点灯維持される。
【0032】この種の高圧放電灯LPを始動させるに
は、ランプの種類によっても異なるが、5kV程度の高
圧パルス電圧が必要である。このため、高圧パルス電圧
を発生させるパルストランスPTの絶縁性を確保するた
めに、パルストランスPTの形状が大型化したり、ま
た、パルス発生器PGから高圧放電灯LPまでの電線の
耐圧性能の確保、ランプソケットも含めた照明器具とし
ての耐圧性能の確保が必要となり、照明器具が全体とし
て大型化し、コストも高くなる。また、パルストランス
PTを小型化するという観点に着目したとき、パルスト
ランスPTの2次側に同じ波高値のパルス電圧を発生さ
せるという条件のもとでは、パルストランスPTの1
次、2次巻線の巻数比を小さくして、2次側の巻数を少
なくすることにより、小型化するという考え方もある
が、この場合、パルストランスPTの1次巻線に接続さ
れる電圧応答型スイッチQの動作電圧を上昇させねばな
らず、また、スイッチング時に電圧応答型スイッチQに
流れるラッシュ電流値も大きくなり、複数個のスイッチ
ング素子を直並列に接続して使用しなければならず、コ
ストアップの要因となる。
【0033】そこで、ランプを始動させる手段として、
従来のように電源に単発パルス電圧を重畳させるのでは
なく、図10の回路に示すように、高圧パルス列発生回
路PGnを設け、この回路により発生する連続的な複数
の高圧パルス列をパルストランスPTを介して電源電圧
に重畳させてランプ両端に印加し、始動に必要なパルス
電圧の波高値を低減し、それに伴って、パルストランス
PTを含めた昇圧回路や配線回路の絶縁を簡単化するこ
とが好ましい。高圧放電灯LPに印加される電圧は、具
体的には、図11に示すように、電源電圧に連続的な複
数の高圧パルス電圧が重畳された波形となる。このよう
に、電源電圧の半サイクルに連続した複数の高圧パルス
電圧を重畳させることにより、単発のパルス電圧を重畳
する場合に比べて、必要とするパルス電圧の波高値を大
幅に低減できる。
【0034】もう少し具体的に述べると、負荷として、
両口金型高演色メタルハライドランプを始動させるのに
必要な単発のパルス電圧の波高値は4〜5kV、パルス
幅は1〜数μsecであった。一方、複数の高圧パルス
列とした場合、図11においてパルス列を発生させる期
間tを10〜100μsecにすると、その波高値は2
〜3kVに低減できる。
【0035】図10の回路を更に具体化した実施例を図
12に示す。本実施例は高圧パルス列発生回路PGnに
インバータ回路を用いた例である。以下、その動作を簡
単に説明する。無負荷時には、安定器Lの出力端a−b
間には、ほぼ電源電圧に近い正弦波の電圧が発生する。
この電圧をダイオードブリッジDBにて全波整流し、平
滑用のコンデンサC6 に直流電圧を得ている。コンデン
サC6 の出力には、スイッチング素子S1 ,S2 の直列
回路が接続されている。各スイッチング素子S 1 ,S2
には、それぞれダイオードD1 ,D2 が逆並列接続され
ている。スイッチング素子S2 の両端には、直流成分カ
ット用のコンデンサC0 を介して、インダクタL0 とコ
ンデンサC7 の直列共振回路が接続されている。スイッ
チング素子S1 ,S2 は制御回路Y1 により、高周波で
交互にオン・オフされる。直流成分カット用のコンデン
サC0 は、直列共振用のコンデンサC7 よりも十分に容
量が大きく、共振には寄与しない。
【0036】以上の回路構成で、スイッチング素子
1 ,S2 をある一定の周波数f1 で交互にオン/オフ
させると、インダクタL0 とコンデンサC7 の直列共振
回路には、周波数f1 の正弦波状の電流が流れる。この
電流によって、コンデンサC7 の両端には、周波数f1
の正弦波状の電圧が発生する。この電圧をパルストラン
スPTにて昇圧し、バイパスコンデンサCpを介して電
源電圧に重畳させて高圧放電灯LPの両端に印加するも
のである。高圧放電灯LPが点灯すれば、点灯検出回路
1 により、例えば、高圧放電灯LPに電流が流れたこ
とを検出し、制御回路Y1 の出力を停止させて、スイッ
チング素子S1 ,S2 の動作を停止させ、パルスの発振
を停止させる。また、電源電圧に対してパルス列をどの
位相で発生させるかは任意であり、図12には図示して
いないが、電源電圧の瞬時値を検出する手段を設けて、
パルス列を印加する位相を任意に制御することも可能で
ある。また、別途タイマー回路を設けて、パルス列を発
生させる時間も任意に制御することができる。
【0037】ところで、図12に示した回路において、
無負荷時にコンデンサC7 の両端に発生する電圧Vcと
スイッチング素子S1 ,S2 の発振周波数fとの間に
は、図13に示すような関係が成立する。図13におい
て、frはインダクタL0 とコンデンサC7 によって決
まる共振周波数である。スイッチング素子S1 ,S2
発振周波数fを、この共振周波数frに近付けると、理
論上はいくらでも高い電圧を発生させることができる
が、現実的にはスイッチング素子S1 ,S2 のストレ
ス、インダクタL0 の磁気的な飽和の問題があるので、
通常、スイッチング素子S1 ,S2 の発振周波数fは、
共振周波数frよりも高い周波数f1 に選定される。
【0038】このように、LC共振回路を用いた場合、
その発振周波数を変えることにより、共振用のコンデン
サC7 の両端に得られる電圧Vcも任意に設定できる。
そして、コンデンサC7 の両端に2kV程度のピーク電
圧を容易に得ることができる。しかも、本方式のように
複数の高圧パルス列をランプに印加する方式において
は、前述の様にパルス電圧の波高値は2〜3kV程度で
十分であることから、パルストランスPTの昇圧比(1
次側と2次側の巻数比)は1〜1.5倍程度で十分であ
り、従来に比べて、パルストランスPTの大幅な小型
化、軽量化が達成できる。従来のパルストランスの昇圧
比は5〜10倍となり、2次巻線の巻数が非常に大きか
ったが、本方式では、パルストランスPTの2次巻線が
少なくて済むため、ランプ点灯中のパルストランスPT
の損失も大幅に低減できる。
【0039】図14は別の実施例におけるパルス列の発
生例を示している。図12の実施例でも述べたように、
スイッチング素子S1 ,S2 の発振周波数を変化させれ
ば、出力のパルス電圧の波高値を任意に変えることがで
きる。本実施例はこの作用を応用したものであり、図1
4のパルス列を発生させる期間tにおいて、パルス電圧
の高さを制御し、更に始動性能を向上させようとするも
のである。具体的には、期間t1 及びt3 では、スイッ
チング素子S1 ,S2 の発振周波数を、図15のよう
に、共振周波数frに近い周波数f2 で動作させ、期間
2 及びt4 では、共振周波数frから遠い周波数f1
でスイッチング素子S1 ,S2 を動作させるものであ
る。このような制御を行えば、期間t1 又はt3 の高電
圧を発生する期間において高圧放電灯が絶縁破壊され、
これに続く期間t2 又はt4 の比較的低いパルス電圧で
高圧放電灯をグロー放電からアーク放電へ移行させるこ
とができ、よりスムーズな始動が行える。また、期間t
1 ,t3 の発振周波数を、図15の周波数f2 よりも更
に共振周波数frに近づけることにより、更に高いパル
ス電圧が得られ、高圧放電灯の消灯直後の再始動時間も
大幅に短縮させることが可能となる。また、今回は発振
周波数をf2 からf1 に瞬時に移行させるようにしてい
るが、これに限定するものではなく、リニアに連続的に
変化させても良い。
【0040】
【発明の効果】請求項1〜4の発明によれば、始動時に
高周波電流を発生する高周波電源の出力をトランスを介
して高圧放電灯に印加するようにしたので、形状的に大
型化することを抑えながら、始動時に高圧放電灯に与え
るエネルギーを増大させることができ、グロー放電から
アーク放電への移行や、アーク放電の維持を容易に行う
ことができ、始動性の向上を図ることができるという効
果がある。
【0041】請求項5〜7の発明によれば、比較的低圧
でパルス幅の広い低圧パルス電圧を発生する第1のパル
ス発生器と、比較的高圧でパルス幅の狭い高圧パルス電
圧を発生する第2のパルス発生器とを有し、第2のパル
ス発生器を停止させた後、第1のパルス発生器を停止さ
せるように構成したので、パルスの印加位相の自由度が
増し、パルス発生器の設計の自由度が増すという効果を
有し、また、始動性の向上を図れるという効果を有す
る。
【0042】請求項8〜10の発明によれば、電源電圧
に複数個の高圧パルス電圧を連続的に重畳し、高圧放電
灯に印加することにより、始動に必要とするパルス電圧
の波高値を大幅に低減できるので、パルス発生器の絶縁
設計が容易になる。また、上記パルス列を発生する手段
として、LC共振作用による昇圧方式を用いることによ
り、パルストランスの大幅な小型軽量化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の第1実施例を示す回路図であ
る。
【図2】請求項1の発明の動作説明図である。
【図3】請求項1の発明の第2実施例を示す回路図であ
る。
【図4】請求項1の発明の第3実施例を示す回路図であ
る。
【図5】請求項5の発明の第1実施例を示す回路図であ
る。
【図6】請求項5の発明の第2実施例を示す回路図であ
る。
【図7】請求項5の発明の第3実施例を示す回路図であ
る。
【図8】第1の従来例の回路図である。
【図9】第1の従来例の動作波形図である。
【図10】請求項8の発明の第1実施例の回路図であ
る。
【図11】請求項8の発明の第1実施例の動作波形図で
ある。
【図12】請求項8の発明の第1実施例の具体的な回路
図である。
【図13】請求項8の発明の第1実施例の共振回路の周
波数特性図である。
【図14】請求項8記載の発明の第2実施例の動作波形
図である。
【図15】請求項8記載の発明の第2実施例の共振回路
の周波数特性図である。
【図16】第2の従来例の回路図である。
【図17】第3の従来例の回路図である。
【図18】第4の従来例の回路図である。
【図19】第5の従来例の回路図である。
【図20】第5の従来例の動作波形図である。
【図21】第5の従来例の立ち消え時の動作波形図であ
る。
【図22】第6の従来例の回路図である。
【図23】第7の従来例の回路図である。
【符号の説明】
E 商用交流電源 LP 高圧放電灯 PG パルス発生器 INV インバータ回路 L 安定器 T1 トランス X1 検出回路 Y1 制御回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源と、高圧放電灯と、この高圧
    放電灯の安定器と、高圧放電灯を始動する際に始動用の
    パルス電圧を発生させるパルス発生器とを有する高圧放
    電灯点灯装置において、高圧放電灯と直列にトランスの
    2次側巻線を接続し、高圧放電灯の始動時に高周波電流
    を発生する高周波電源を前記トランスの1次側巻線に接
    続したことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 パルス発生器が発生する始動用のパル
    ス電圧により高圧放電灯が絶縁破壊を起こした後、一定
    期間にわたり高周波電源を動作させるタイマー手段を備
    えることを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装
    置。
  3. 【請求項3】 高周波電源をインバータ回路で構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装
    置。
  4. 【請求項4】 安定器をパルス発生器に含む構成とし
    たことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    高圧放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 交流電源と、高圧放電灯と、高圧放電
    灯の安定器となるインダクタンス要素と、比較的低圧で
    パルス幅の広い低圧パルス電圧を発生する第1のパルス
    発生器と、比較的高圧でパルス幅の狭い高圧パルス電圧
    を発生する第2のパルス発生器とを有する高圧放電灯点
    灯装置において、第2のパルス発生器を停止させた後、
    第1のパルス発生器を停止させる手段を備えることを特
    徴とする高圧放電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 安定器となるインダクタンス要素を、
    第1のパルス発生器に含む構成としたことを特徴とする
    請求項5記載の高圧放電灯点灯装置。
  7. 【請求項7】 高圧放電灯が絶縁破壊を起こした後
    に、第2のパルス発生器の動作を停止し、第2のパルス
    発生器の動作が停止した後、一定期間にわたり第1のパ
    ルス発生器を動作させた後、第1のパルス発生器の動作
    を停止させる手段を備えることを特徴とする請求項5又
    は6に記載の高圧放電灯点灯装置。
  8. 【請求項8】 誘導性インピーダンス要素よりなる安
    定器と、パルストランスの2次巻線を介して、商用電源
    に高圧放電灯を接続し、高圧放電灯の始動時に複数のパ
    ルス電圧を連続的に又は間欠的に発生させるパルス列発
    生回路を高圧放電灯と並列に接続し、このパルス列発生
    回路の出力を前記パルストランスの1次巻線に接続した
    ことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
  9. 【請求項9】 パルス列発生回路はインバータ回路で
    構成したことを特徴とする請求項8記載の高圧放電灯点
    灯装置。
  10. 【請求項10】 インバータ回路の出力にインダクタ
    とコンデンサの直列共振回路を接続し、このコンデンサ
    と並列にパルストランスの1次巻線を接続し、インバー
    タ回路の発振周波数を可変としたことを特徴とする請求
    項9記載の高圧放電灯点灯装置。
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