JP3275372B2 - 限外ロ過膜の製造法 - Google Patents

限外ロ過膜の製造法

Info

Publication number
JP3275372B2
JP3275372B2 JP20726792A JP20726792A JP3275372B2 JP 3275372 B2 JP3275372 B2 JP 3275372B2 JP 20726792 A JP20726792 A JP 20726792A JP 20726792 A JP20726792 A JP 20726792A JP 3275372 B2 JP3275372 B2 JP 3275372B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coagulation bath
ultrafiltration membrane
membrane
inorganic
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20726792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0631147A (ja
Inventor
昌晴 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP20726792A priority Critical patent/JP3275372B2/ja
Publication of JPH0631147A publication Critical patent/JPH0631147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3275372B2 publication Critical patent/JP3275372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、限外ロ過膜の製造法に
関する。更に詳しくは、平膜状または中空糸状のスルホ
ン化ポリサルホン製限外ロ過膜の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、新たな分離機構の可能性を求め
て、限外ロ過膜に荷電の効果を付加された膜が研究され
ている。中でも、スルホン化ポリサルホンについて、多
くの検討がなされている。スルホン化ポリサルホンの製
膜法の内、スルホン化ポリサルホンの製膜原液を基質上
に流延し、溶媒を蒸発させて平膜状の膜とする乾式法
は、活性層が緻密になり、逆浸透レベルの膜の製造には
適しているが、限外ロ過レベルの膜は得られていない。
また、湿式法に比べ、製膜時に精密な制御を必要として
いる。
【0003】また、スルホン化ポリサルホンのスルホン
基を-SO3H型とし、これをアルコール系溶剤溶液とした
後、ポリサルホン微多孔性膜にコーティングする方法も
あるが、この場合にはコーティングという余分な手間を
要するばかりではなく、強固な活性層の膜が得られない
という問題がある。
【0004】一方、スルホン化ポリサルホンのスルホン
基を-SO3Na型とし、これを溶媒に溶かした後、凝固浴で
ある水に浸漬する方法では、この樹脂の持っている荷電
同志が反発し合い、実用に耐え得る膜を得ることができ
ない。このような反発を抑えるために、凝固浴に塩酸な
どの無機酸を電解質として加えることも実験的には行わ
れているが、このような方法で作製された膜の性能は、
流量特性の点で、市販のポリサルホン限外ロ過膜よりも
劣っている。
【0005】更に、スルホン化ポリサルホンまたはそれ
とポリサルホンとの混合物からなる限外ロ過膜が、先に
本出願人らによって提案されているが(特開昭61-249504
号公報、同62-45303号公報、同62-49908号公報、同63-1
37703号公報など)、これらの提案された製膜方法では凝
固浴に水が用いられているため、ある程度の膜強度を得
るためには、スルホン化ポリサルホンのイオン交換容量
を少なくしなければならず、しかるにスルホン化ポリサ
ルホン膜の特徴は荷電の点にあるため、その荷電量を多
くすると、水凝固浴では強度のある膜が得られ難いとい
う問題がみられた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、実用
に耐え得る膜強度を有し、しかも分画特性を維持しつつ
高流量の平膜状または中空糸状のスルホン化ポリサルホ
ン製限外ロ過膜の製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
次のような2つの方法によって達成される。 (1)-SO3Na型スルホン化ポリサルホンを溶解させた製膜
原液を基質上に流延した後、無機酸および無機ナトリウ
ム塩を含有する水性凝固浴中に浸漬し、ゲル化させて、
平膜状の限外ロ過膜を湿式法により製造する方法 (2)-SO3Na型スルホン化ポリサルホンを溶解させた紡糸
原液を、無機酸および無機ナトリウム塩を含有する水性
芯液と共に2重環状ノズルから押出し、水凝固浴中また
は芯液と同じ水性凝固浴中に浸漬し、ゲル化させて、中
空糸状の限外ロ過膜を乾湿式法または湿式法によって製
造する方法
【0008】-SO3Na型スルホン化ポリサルホンは、Jour
nal of Applied Polymer Science第20巻第1885頁(1976)
に記載された方法に準じて得ることができる。ポリサル
ホン樹脂のくり返し単位当りのスルホン基の数は、スル
ホン化剤の添加比率を変えることにより変化させること
ができ、得られた樹脂のイオン交換容量で確認すること
ができる。強固な膜を得るためには、イオン交換容量が
約2ミリ当量/g以下、好ましくは約05〜1.5ミリ当量/gの
ものが一般に用いられる。
【0009】製膜原液あるいは紡糸原液は、-SO3Na型ス
ルホン化ポリサルホンをN-メチル-2-ピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの水溶性
有機溶媒中に約10〜30重量%の濃度に溶解させた溶液と
して調製される。これらの原液中には、形成される限外
ロ過膜の活性層(スキン層)の孔径を制御するために、こ
の原液中に完全に溶解される無機リチウム塩、例えば塩
化リチウム、硝酸リチウムなどを約1〜5重量%程度添加
しておくことが好ましい。
【0010】かかる製膜原液を用いての湿式法による平
膜状への製膜は、製膜原液を各種基質上に流延した後、
水性凝固浴中に浸漬し、ゲル化させるという通常の方法
に従って行われる。この際、水性凝固浴としては、無機
酸および無機ナトリウム塩を含有する水溶液が用いられ
る。
【0011】前述のように、凝固浴に水を用いた場合に
は、樹脂の持っている荷電量が大きいため荷電同志が反
発し、ゲル化しなかったりあるいは大変と脆い膜しか得
られない。このために、塩酸、硝酸などの無機酸を電解
質として添加することが行われる。これらの電解質は、
-SO3Na基のNaがHと置換しながら膜を形成していくため
の水素陽イオンとしても必要である。
【0012】この場合、無機酸の濃度を変えることによ
り、膜の分画分子量を変化させることができる。即ち、
無機酸濃度を大きくすると、膜の分画分子量は大きい方
へと移行し、透水量も大きくなる。しかしながら、同じ
ような分画特性を有する市販のポリサルホン限外ロ過膜
と比較すると、透水量は約1/2〜1/5という低いレベルに
ある。
【0013】そこで、このような分画特性を維持しつ
つ、透水量を向上させるために、第2の電解質として塩
化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの
無機ナトリウム塩、好ましくは塩化ナトリウムの添加が
有効であることが見出された。これらの第2の電解質
は、水素陽イオン強度を変えることなく、イオン強度を
大きくする物質である。これら2種類の電解質は、水性
凝固浴1000ml当り無機酸が、例えば濃塩酸の場合約20〜
500ml、また無機ナトリウム塩が約15〜200gの割合で一
般に用いられる。
【0014】また、製膜原液と同じくする紡糸原液を用
いての乾湿式法または湿式法による中空糸状への製膜
は、2重環状ノズルを用いて、通常の方法に従って行わ
れる。この際、芯液として無機酸および無機ナトリウム
塩を含有する水溶液が用いられ、また凝固浴としては芯
液と同じ水性凝固浴ばかりではなく、水凝固浴も用いる
ことができる。
【0015】
【発明の効果】本発明方法により、2種類の電解質物質
を含有する凝固浴を用いることで、実用に耐え得る膜強
度を有し、しかも分画特性を維持しつつ高透過水量の平
膜状または中空糸状スルホン化ポリサルホン製限外ロ過
膜を得ることができる。
【0016】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0017】実施例1 -SO3Na型スルホン化ポリサルホン(イオン交換容量1.5ミ
リ当量/g)20重量部、塩化リチウム3重量部およびN-メチ
ル-2-ピロリドン77重量部よりなる製膜原液を、ガラス
板上に流延し、直ちに濃塩酸42mlおよび塩化ナトリウム
29.3gを含有する水性凝固浴1000ml中に浸漬、ゲル化さ
せて平膜状の膜を得た。
【0018】実施例2 実施例1において、塩化ナトリウム量を58.6gに変更し
た。
【0019】比較例1 実施例1において、水だけの凝固浴を用いると、得られ
た膜は脆く、実用に耐えるものではなかった。
【0020】比較例2 実施例1において、塩化ナトリウムを含有しない水性凝
固浴が用いられた。
【0021】実施例1〜2および比較例2で得られた平
膜状の膜について、平均分子量20000のポリエチレング
リコール(PEG)の阻止率および透過水量を測定すると、
次のような結果が得られた。 PEG阻止率(%) 透過水量(ml/hr・kg/cm2・cm2) 実施例1 92.0 57 〃 2 91.3 73 比較例2 90.7 17
【0022】実施例3 実施例1において、製膜原液を紡糸原液とし、また水性
凝固浴と同じ組成のものを芯液として2重環状ノズルか
ら乾湿式紡糸し、ノズル出口から20cm離れた水だけの凝
固浴中に浸漬、ゲル化させた。
【0023】比較例3 比較例2において、製膜原液を紡糸原液とし、また塩化
ナトリウムを含有しない水性凝固浴と同じ組成のものを
芯液として2重環状ノズルから乾湿式紡糸し、ノズル出
口から20cm離れた水だけの凝固浴中に浸漬、ゲル化させ
た。
【0024】実施例3および比較例3で得られた中空糸
膜について、PEG阻止率および透過水量を測定すると、
次のような結果が得られた。 PEG阻止率(%) 透過水量(ml/hr・kg/cm2・cm2) 実施例3 85.2 35 比較例3 80.3 15

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 -SO3Na型スルホン化ポリサルホンを溶解
    させた製膜原液を基質上に流延した後、無機酸および無
    機ナトリウム塩を含有する水性凝固浴中に浸漬し、ゲル
    化させることを特徴とする湿式法による平膜状限外ロ過
    膜の製造法。
  2. 【請求項2】 更に無機リチウム塩を溶解させた製膜原
    液が用いられる請求項1記載の平膜状限外ロ過膜の製造
    法。
  3. 【請求項3】 -SO3Na型スルホン化ポリサルホンを溶解
    させた紡糸原液を、無機酸および無機ナトリウム塩を含
    有する水性芯液と共に2重環状ノズルから押出し、水凝
    固浴中または芯液と同じ水性凝固浴中に浸漬し、ゲル化
    させることを特徴とする乾湿式法または湿式法による中
    空糸状限外ロ過膜の製造法。
  4. 【請求項4】 更に無機リチウム塩を溶解させた紡糸原
    液が用いられる請求項3記載の中空糸状限外ロ過膜の製
    造法。
JP20726792A 1992-07-10 1992-07-10 限外ロ過膜の製造法 Expired - Fee Related JP3275372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20726792A JP3275372B2 (ja) 1992-07-10 1992-07-10 限外ロ過膜の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20726792A JP3275372B2 (ja) 1992-07-10 1992-07-10 限外ロ過膜の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0631147A JPH0631147A (ja) 1994-02-08
JP3275372B2 true JP3275372B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=16536968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20726792A Expired - Fee Related JP3275372B2 (ja) 1992-07-10 1992-07-10 限外ロ過膜の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3275372B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200338298A1 (en) * 2008-03-06 2020-10-29 ResMed Pty Ltd Humidification of respiratory gases

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013031832A (ja) * 2011-07-06 2013-02-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 多孔質膜の製造方法および精密ろ過膜
CN107335344B (zh) * 2017-08-22 2020-11-03 天津工业大学 用于染料脱盐的中空纤维膜的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200338298A1 (en) * 2008-03-06 2020-10-29 ResMed Pty Ltd Humidification of respiratory gases

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0631147A (ja) 1994-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4056467A (en) Hollow fibres
US4207182A (en) Polymeric compositions for membranes
US4286015A (en) Polyaryl ether sulfone semipermeable membrane and process for producing same
US3549016A (en) Permeable membrane and method of making and using the same
US4220543A (en) Ethylene-vinyl alcohol membranes having improved properties and a method of producing the same
US6026968A (en) Reverse osmosis composite membrane
GB2199786A (en) Polymeric micro-porous membranes and their production
US6325218B1 (en) Polyion complex separation membrane with a double structure
JPH0724277A (ja) リチウム塩形のスルホン化芳香族重合体から製造される流体分離用複合膜
JP3275372B2 (ja) 限外ロ過膜の製造法
JP2519831B2 (ja) 荷電型分離膜の製造方法
JPS63296940A (ja) ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法
JPS6138208B2 (ja)
JPH0478729B2 (ja)
CN109621741B (zh) 一种正渗透复合膜的制备方法
DE3143804C2 (ja)
JPH0929078A (ja) 中空糸膜の製造方法
JPS6087803A (ja) ポリスルホン選択透過膜の製造方法
JPH0364176B2 (ja)
JPS6064602A (ja) 乾燥半透膜及びその製造方法
JPH02237628A (ja) 選択性透過膜の製造方法
JPS5829121B2 (ja) ポリサルホン系分離膜及びその製造方法
JPH07256064A (ja) 多孔質膜の製造法
JPS5929003A (ja) 半透性を有する高分子膜体
JPH03213130A (ja) 親水性膜

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees