JP3273907B2 - 排ガス処理剤の製造方法 - Google Patents

排ガス処理剤の製造方法

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JP3273907B2
JP3273907B2 JP27572197A JP27572197A JP3273907B2 JP 3273907 B2 JP3273907 B2 JP 3273907B2 JP 27572197 A JP27572197 A JP 27572197A JP 27572197 A JP27572197 A JP 27572197A JP 3273907 B2 JP3273907 B2 JP 3273907B2
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勇二郎 岩本
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菱光石灰工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水酸化カルシウムを
主要成分とする排ガス処理剤の製造方法に関する。更に
詳しくは都市ゴミの焼却炉、火力発電所、電気炉等から
排出される燃焼排ガスの浄化に適する排ガス処理剤の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水酸化カルシウム(消石灰)は、酸化カ
ルシウム(生石灰)及び水を一定量消化機に供給し、こ
れらを消化機内で混合撹拌して生石灰を消化(水和)す
ることにより製造される。消化機から排出された水酸化
カルシウムは熟成機に供給されて、ここで消化ムラをな
くし、付着水分を均一にした後、排出される。この間に
余分な水分が蒸発し、熟成機の出口で水酸化カルシウム
の水分量が殆どなくなるように消化機に供給される水量
は調節される。水酸化カルシウムの主要な用途の一つと
して、焼却炉等の燃焼排ガスの浄化がある。この排ガス
の浄化に用いられる水酸化カルシウムは排ガス中の塩化
水素や硫黄酸化物との反応性がよいものが望まれてい
る。
【0003】従来、このような用途に向けられた水酸化
カルシウムの製造方法や排ガス処理剤が提案されている
(例えば、特公平6−8194、特開平8−10804
0、特開平9−103640)。特公平6−8194号
公報に記載の発明は、酸化カルシウムと水30〜50容
量部及び低級アルコール、ケトン、エーテル、アルデヒ
ドのような有機溶剤50〜70容量部よりなる消和液体
とを一定の比率で45℃以下の温度で混合し、次いで反
応混合物を主反応容器に移して50〜70℃の温度で反
応させ、最終反応を第2の反応容器内で85〜110℃
の温度で行うことにより乾燥水酸化カルシウムを製造す
る方法である。また特開平8−108040号公報に記
載の発明は、比表面積が25m2/g以上、平均粒子径
が6μm以下、及び反応活性がシュウ酸活性度で30分
以下である水酸化カルシウムからなる排ガス処理剤であ
る。更に特開平9−103640号公報に記載の発明
は、エタノール、メタノール等の低級アルコールを水酸
化カルシウムの0.05〜1.0重量%含有する水酸化
カルシウムを活性分とする排ガス処理剤である。上記公
報に記載の水酸化カルシウム又は排ガス処理剤によれ
ば、いずれも排ガス中の有害な酸化物等を高効率で除去
することができる。ゴミ焼却炉等で発生した燃焼排ガス
を浄化した水酸化カルシウム又は排ガス処理剤は、処理
後に飛灰となり、バグフィルタなどで捕捉された後、セ
メントで固化されて、多くの場合埋立てて処分されてい
る。
【0004】特に、特公平6−8194号及び特開平9
−103640号に記載の発明では、低級アルコール等
の有機溶剤を含有させて酸化カルシウムの消化速度を遅
延させることにより、比表面積が高くより反応性の高い
水酸化カルシウムを製造し、排ガス処理効果を高めてい
る。特開平9−103640号に記載の発明は、低級ア
ルコールの含有量を特公平6−8194号に記載の発明
と異ならせることにより、水酸化カルシウムの給排時の
配管の目詰まりや閉塞を防ぎ、貯蔵時の凝集や固結を抑
制する特長がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平6−8
194号及び特開平9−103640号に記載の発明
は、低級アルコールを含有することに起因して、次の問
題点があった。水酸化カルシウムに含有する低級アル
コールが長時間、高温状態の放置によりアルデヒドに変
成して異臭を生じることがあった。排ガス処理した
後、セメントで固化したときの使用済み水酸化カルシウ
ムはその固化強度が比較的低いため、飛散し易く、処分
しにくかった。水と低級アルコールを混合して消化す
るため、蒸発による脱気の場合、高コストな低級アルコ
ール回収及び再利用装置を必要であった。低級アルコ
ールは揮発性が高く、保管時に火気の取扱いに十分配慮
しなければならなかった。
【0006】また特開平8−108040号及び特開平
9−103640号に記載の発明では、いずれも水酸化
カルシウムが平均粒子径6μm以下の極めて微細な粒子
であるため、反応性に優れる反面、乾式にて使用する場
合排ガスを処理した後でバグフィルタの濾布に目詰まり
してバグフィルタの圧力損失が増大する等の不都合があ
った。更に排ガス処理剤はスラリー状態にして、排ガス
中に噴霧して使用される場合もあるが、酸化カルシウム
と消化水又は消化アルコール水溶液で作られた排ガス処
理剤のスラリーはその粘性が比較的高く、処理装置の配
管を閉塞する欠点があった。
【0007】本発明の第1の目的は、排ガス中の有害な
酸化物等を高効率で除去する排ガス処理剤の製造方法を
提供することにある。本発明の第2の目的は、粉体の製
品になったときの流動性が良好で、また排ガス処理時の
スラリー状態の粘性が低く、それぞれ配管への付着や閉
塞を生じない排ガス処理剤の製造方法を提供することに
ある。本発明の第3の目的は、保管貯蔵時に異臭を生じ
ずかつ火気に対して厳重な管理を必要とせず、排ガス処
理後のセメント固化したときの強度が高く処分し易い排
ガス処理剤の製造方法を提供することにある。本発明の
第4の目的は、排ガス処理後のバグフィルタの圧力損失
が小さい排ガス処理剤の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】 請求項1に係る発明は、
酸化カルシウムと水とを混合してこの酸化カルシウムを
消化させることにより水酸化カルシウムを製造する方法
において、ヘキシットを酸化カルシウムに対して0.1
〜10重量%の割合で酸化カルシウムと混合するとき、
消化時の雰囲気を1気圧未満0.6気圧以上とすること
を特徴とする排ガス処理剤の製造方法である。消化時の
雰囲気を上記範囲内に減圧することにより水の沸点を下
げ、消化反応温度を低くできる。このように消化反応時
の水の沸点が低下し、消化反応温度の最高点が低くなる
ことにより、水酸化カルシウムの比表面積が大きくな
る。またヘキシットを酸化カルシウムと混合すると、生
成した水酸化カルシウムは微粒子化して比表面積が大き
くなり、反応性が高くなる。この理由は、必ずしも明確
ではないが、ヘキシットの添加により生石灰の急激な水
和が緩和され、生石灰粒子が水和の際に粒子表面から徐
々に水と反応し、生石灰粒子表面から微細な消石灰粒子
が剥落するように生成するためであろうと推察される。
更にヘキシットは低級アルコールとは異なり、酸化カル
シウムに対して極めて少量で消化反応を遅延させる効果
がある。この理由は必ずしも明らかではないが、以下の
ように推察される。ヘキシットの添加により微細な一次
粒子を形成するとともに消化水溶液中の濃度が希薄なた
め、二次粒子化等が促進され、空隙に富んだ消石灰の凝
集体になる。この凝集体は、粒径が大きいにも関わらず
比表面積も大きく反応性に富みスラリーの粘性を低下さ
せる。更に、微粒子の凝集体であるために微細気孔率が
高く、これによりセメント固化強度を低下させない。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、消化のための水を2回に分けて酸化カルシ
ウムと混合し、1回目に混合する水にヘキシットを添加
し、2回目に添加する水にアルカリ水酸化物を添加する
製造方法である。2回目に添する消化水にアルカリ水
酸化物を添加することにより、水酸化カルシウムの結晶
の微粒化が促進され、水酸化カルシウムの比表面積が増
大する。なお、この場合においても、1回目のみ又は1
回目、2回目の双方において雰囲気を減圧しても良い。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、消化のための水量を酸化カルシウム
の消化当量の2〜5倍とし、生成した水分を含む水酸化
カルシウムを乾燥させる製造方法である。このように水
を過剰に混合することにより、消化時の温度が低くな
り、消化速度が遅くなる。これにより生成した水酸化カ
ルシウムが高活性な状態で空気に接触しにくくなり、空
気中の二酸化炭素や水分の吸収が防止され、比表面積の
高い水酸化カルシウムが得られる。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
のいずれかに係る発明であって、ヘキシット水溶液に水
より沸点の高い有機溶剤をヘキシットに対して5〜10
0重量%の割合で添加する製造方法である。水より沸点
の高い有機溶剤を更に含ませることにより、粒子間の付
着力を低減し帯電をも防ぐこととなり、その結果排ガス
処理剤の流動性がより向上し、配管への付着や閉塞をよ
り一層防止する。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
のいずれかに係る発明であて、消化して生成された水
酸化カルシウムに無機系鉱物、活性炭類及び軽量気泡コ
ンクリート廃材からなる群より選ばれた1種又は2種以
上の平均粒径が7〜15μmの粉末を添加混合する製造
方法である。平均粒径が7〜15μmの無機系鉱物、活
性炭類、軽量気泡コンクリート廃材からなる粉末を水酸
化カルシウムに均一に混合することにより、排ガス処理
剤の流動性がより向上し、配管への付着や閉塞をより一
層防止する
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用される原料の酸化カ
ルシウム(生石灰)は、活性度が高いほど良く、粒度は
微細な程、好ましい。5mm以下、特に150μm以下
であることが好ましい。活性度としては、後述の実施例
において定義される50g法による活性度が250(m
l/5分)以上であることが好ましい。
【0014】請求項1に係る発明では、原料の酸化カル
シウムを水で消化する際、ヘキシットを添加するとき、
消化時の雰囲気を1気圧未満0.6気圧以上の圧力範囲
に規定するヘキシットは糖アルコールの一種であり、
ヘキソースの還元で得られる六価アルコールの総称であ
り、CH2OH(CHOH)4CH2OHの構造を有する。
本発明で使用されるヘキシットとしてはD−ソルビッ
ト、D−マンニット、D−インジット、D−タリット、
ズルシット、アリットが挙げられる。特に自然界に存在
するD−ソルビット、D−マンニット、D−インジッ
ト、ズルシットが好ましい。ヘキシットは、生石灰と消
化水との反応速度を遅延させる効果がある。ヘキシット
の添加により、生石灰粒子が水和する際に粒子表面から
徐々に水と反応し、微細な水酸化カルシウム粒子が生成
し、これにより水酸化カルシウムの比表面積が増大する
ものと推察される。ヘキシットは酸化カルシウムに対し
て0.1〜10重量%の割合で水酸化カルシウムと混合
される。好ましくは0.3〜3重量%、最も好ましくは
0.5〜2重量%添加される。添加量が0.1重量%未
満では反応性の改善が不十分となり、10重量%を超え
るとコスト高となる。ヘキシットの混合の仕方は、水に
可溶なヘキシットを消化水に加えてヘキシット水溶液に
した後、このヘキシット水溶液と生石灰とを混合撹拌す
るのが好ましい。これ以外に、生石灰、消化水及びヘキ
シットの三者を別々に混合してもよい。この混合撹拌装
置は、撹拌機付の混合容器でもよいし、連続式のライン
ミキサーでもよい。
【0015】請求項2に係る発明では、2回目に添加す
る水にアルカリ水酸化物を添加する。このアルカリ水酸
化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウムが挙げられる。このアルカリ水酸化物は酸
化カルシウムに対して0.05〜3重量%添加するのが
好ましい。請求項3に係る発明では、消化のための水量
は酸化カルシウムの消化当量の2〜5倍である。この水
量は好ましくは2.5〜5倍である。また生成した水酸
化カルシウム中の水分が3〜30重量%、好ましくは5
〜20重量%となるように消化水量を決めることが好ま
しい。消化水量が理論消化水量の2倍未満或いは生成し
た水酸化カルシウムの水分が3重量%未満では比表面積
が小さくなり、反応性の改善が不十分となる。消化水量
が理論消化水量の5倍を超え、生成した水酸化カルシウ
ムの水分が30重量%を超えると、水酸化カルシウムが
ペースト状ないしスラリー状となり、別個に脱水装置が
必要となる。なお、消化時の温度を下げるために理論量
の2〜5倍の水を添加する以外に、強制的に消化雰囲気
温度を下げても良い。消化時の温度は100℃以下、好
ましくは80℃以下である。
【0016】請求項4に係る発明では、ヘキシット水溶
液に水より沸点の高い有機溶剤をヘキシットに対して5
100重量%の割合で添加する。この有機溶剤として
はエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン等が挙げられる。この添加量は好ましくは10〜80
重量%、更に好ましくは20〜60重量%である。5重
量%未満では添加する効果に乏しく、100重量%を超
えると極めて微細な水酸化カルシウム粉が多量に発生す
るため、平均粒径を大きく下げ目標である平均粒径7〜
15μmを製造しにくくなり、更にコスト高となる。請
求項5に係る発明では、無機系鉱物、活性炭類及び軽量
気泡コンクリート廃材からなる群より選ばれた1種又は
2種以上の粉末を水酸化カルシウムに対して1〜50重
量%均一に混合する。無機系鉱物としてはゼオライト、
活性白土、パーライト、クレー等が挙げられ、活性炭類
としては活性炭、間伐材、建築廃材、籾殻等が挙げられ
る。この平均粒径はその混合目的からして生成された水
酸化カルシウムと同等の平均粒径のものが選ばれる。
【0017】消化反応で生成した水分を含む水酸化カル
シウム(消石灰)は、熟成機内に導入され、撹拌羽根に
よって撹拌され、熟成される。熟成された消石灰は、乾
燥機に導入され、撹拌羽根で撹拌され、乾燥される。そ
の後、分級機で所定の粒度以下に分級し、粗粉は粉砕機
で粉砕し、製品とする。なお、熟成機を省略し、消石灰
を消化機から直接に乾燥機へ供給することも可能であ
る。乾燥機としては、バドルドライヤー、ベルト乾燥
機、バンド乾燥機、ロータリー乾燥機、流動乾燥機、気
流乾燥機、電磁波乾燥機、赤外(遠赤外)乾燥機が挙げ
られる。好ましくは、できるだけ炭酸ガスとの接触を避
け、水酸化カルシウムが炭酸化して炭酸カルシウムにな
ることを避けるため、間接加熱式のものが使用される。
【0018】上記方法では、比表面積40m2/g以上
で、平均粒径15μm以下の水酸化カルシウムが得られ
る。本発明ではこの水酸化カルシウムを篩分して、この
うち平均粒径が7μm以上の水酸化カルシウムを排ガス
処理剤とする。極めて微細な粒径の水酸化カルシウムは
排ガス処理後のバグフィルタの濾布の目詰まりの原因と
なるからである。また平均粒径が7〜15μmの水酸化
カルシウムは、微粒子化しているため、白色度が90以
上となり、見栄えが良く、製品価値が高まる。また安息
角が50度以下と小さくなり、流動性に優れる。従って
この排ガス処理剤は配管やホッパー等への付着少なく、
ホッパーからの抜き出しが容易である。
【0019】
【実施例】次に本発明の具体的態様を示すために、本発
明の実施例を比較例とともに説明する。以下の実施例及
び比較例では、原料の酸化カルシウムとして粒径150
μm以下、活性度310(ml/5分)の生石灰粉末を
用いた。この活性度とは、3リットルのビーカーに水2
リットル(40℃)を入れ撹拌を行い、生石灰50g
(粒度10〜3mm)を投入すると同時に指示薬のフェ
ノールフタレインを2〜3滴滴下する。溶液が僅かに赤
色を持続するように4N−HClを継続して5分間滴下
する。このときの塩酸消費量を活性度と定義する。塩酸
消費量が多いほど活性度が高いことを示す。
【0020】<実施例1> D−ソルビット30gを20℃の水9.6kgに溶解
し、このソルビット水溶液を用いて10kgの生石灰を
消化した。従って、ソルビットの添加量は、生石灰に対
0.5重量%である。また、消化水量は理論量の3倍
である。消化時の雰囲気圧力は0.6圧とし、雰囲気
温度は10℃とした。1時間熟成後の水分(乾燥前)は
15.9%であった。これを乾燥して水酸化カルシウム
を主要成分とする排ガス処理剤を製造した。乾燥後の水
分は0.2%であった 実施例 化時の雰囲気圧力を0.8気圧、1時間熟成後の水分
(乾燥前)を17.1%とした以外は実施例1と同様に
して水酸化カルシウムを主要成分とする排ガス処理剤を
製造した
【0021】<実施例> 消化水を2回に分けて添加した。1回目に理論量の2倍
を添加し、2回目に理論量と同量を添加した。2回目の
消化水にNaOH水溶液を加えた。NaOH量は生石灰
に対して0.1重量%であった。1時間熟成後の水分
(乾燥前)を21.8%とした以外は実施例1と同様に
して水酸化カルシウムを主要成分とする排ガス処理剤を
製造した。 <実施例> 消化水を2回に分けて添加した。1回目に理論量の2倍
を添加し、2回目に理論量と同量を添加した。2回目の
消化水にNaOH水溶液を加えた。NaOH量は生石灰
に対して0.1重量%であった。消化時の雰囲気圧力を
0.8気圧、1時間熟成後の水分(乾燥前)を22.8
%、乾燥後の水分を0.3%とした以外は実施例1と同
様にして水酸化カルシウムを主要成分とする排ガス処理
剤を製造した。
【0022】<比較例1> 消化水にヘキシットを全く添加しなかった。消化水量を
理論値の2倍、消化時の雰囲気圧力を1気圧(大気
圧)、1時間熟成後の水分(乾燥前)を0.1%、乾燥
後の水分を0.1%とした以外は実施例1と同様にして
水酸化カルシウムを主要成分とする排ガス処理剤を製造
した。 <比較例2> 消化水にヘキシットを全く添加しなかった。消化時の雰
囲気圧力を1気圧(大気圧)、1時間熟成後の水分(乾
燥前)を13.5%、乾燥後の水分を0.1%とした以
外は実施例1と同様にして水酸化カルシウムを主要成分
とする排ガス処理剤を製造した。 <比較例3> 消化水にヘキシットを全く添加しなかった。消化水量を
理論値の5倍、消化時の雰囲気圧力を1気圧(大気
圧)、1時間熟成後の水分(乾燥前)を30.7%、乾
燥後の水分を0.3%とした以外は実施例1と同様にし
て水酸化カルシウムを主要成分とする排ガス処理剤を製
造した。
【0023】<比較例4> 消化水にヘキシットを全く添加しなかった。消化水量を
理論値の7倍、消化時の雰囲気圧力を1気圧(大気
圧)、1時間熟成後の水分(乾燥前)を85.3%、乾
燥後の水分を5.6%とした以外は実施例1と同様にし
て水酸化カルシウムを主要成分とする排ガス処理剤を製
造した。 <比較例5> 消化水にヘキシットを全く添加しなかった。1時間熟成
後の水分(乾燥前)を12.7%、乾燥後の水分を0.
1%とした以外は実施例1と同様にして水酸化カルシウ
ムを主要成分とする排ガス処理剤を製造した。 <比較例6> 消化水にヘキシットを全く添加しなかった。また消化水
を2回に分けて添加した。1回目に理論量の2倍を添加
し、2回目に理論量と同量を添加した。消化時の雰囲気
圧力を1気圧(大気圧)、1時間熟成後の水分(乾燥
前)を12.8%、乾燥後の水分を0.1%とした以外
は実施例1と同様にして水酸化カルシウムを主要成分と
する排ガス処理剤を製造した。
【0024】<比較試験1> 実施例1〜及び比較例1〜6で得られた排ガス処理剤
について、白色度、安息角、比表面積、CAA、平均粒
径及び圧力損失を測定した。その結果を表1に示す。白
色度は、東京電色製カラーエースを用いて測定した。白
色度は数値が大きいほど白いことを意味する。安息角
は、ホソカワミクロン製パウダーテスターを用いて測定
した。流動性の良い粉体では安息角は小さい値を示す。
付着凝集性の強い微粉では安息角は大きな値を示し、流
動性は悪くなる傾向にある。比表面積は、比表面測定装
置(ユアサ アイオニクス社製)を用いて測定した。比
表面積は数値が大きいほど粒度が微細なことを意味す
る。またCAAはクエン酸活性度の略称である。このC
AAは、0.4Nクエン酸溶液100ml(30℃)を
撹拌しながら水酸化カルシウム3.705gを投入し、
フェノールフタレインを指示薬として、液が微紅色から
濃赤色に変色するまでの時間(秒)を測定した値であ
る。このCAA値の小さいものほど反応性が高い。更に
圧力損失は、ポリエステル製フェルトからなるバグフィ
ルタ用の濾布を用いて、この濾布に排ガス処理剤を含塵
濃度10g/Nm3で2m3/分の風量になるようにブロ
ワを調整して試験を行い、定常状態となった時点でのバ
グフィルタ入口の圧力とその出口の圧力との差より求め
た。
【0025】
【表1】 *印はNaOH水溶液(NaOH量は生石灰の0.1重
量%)
【0026】表1から明らかな通り、実施例1〜で得
られた排ガス処理剤は、白色度が高く、安息角が小さく
流動性に優れ、比表面積が大きく、しかも反応性が高か
った(CAAの値が低かった)。一方、消化水にヘキシ
ットを添加していない比較例1〜6で得られた排ガス処
理剤では、いずれも白色度が低く、安息角が大きく、比
表面積が小さく、反応性も低かった(CAAの値が高か
った)。なお、消化水量が理論量の2倍であるとき、比
表面積はやや小さく、消化水量が6倍以上であると水酸
化カルシウムがペースト状ないしスラリー状となり、別
個に脱水装置が必要となるため、消化水量は2.5〜5
倍とするのが好ましいことが判った。
【0027】実施例1〜4の結果から消化時の圧力を減
圧することにより比表面積及び反応性が高くなることが
判る。なお、消化時の最高温度を測定したところ次の通
りであり、雰囲気圧力が減圧に向かうと最高温度が低く
なることが判った
【0028】 実施例(0.6気圧) 71℃ 実施例(0.8気圧) 82℃実施例3及び4の結果から 消化水を2度に分け、2回目
の消化水にNaOHを添加し、かつこのときの雰囲気を
減圧することにより、比表面積及び反応性が一段と向上
することが判った
【0029】更に、平均粒径に関しては、ヘキシットを
添加すると大きくなり過剰にヘキシットや水を加えた場
合のみ小さくなる。一方ヘキシットを添加しない比較例
1〜6で得られた排ガス処理剤の平均粒子径は小さくな
り消化水量を増加するほど特に小さくなることが分っ
た。同様に、圧力損失に関しては、ヘキシットを添加す
ると小さくなり過剰にヘキシットや水を加えた場合のみ
大きくなる。一方ヘキシットを添加しない比較例1〜6
で得られた排ガス処理剤の圧力損失は大きくなり消化水
量を増加するほど特に大きくなることが分った。
【0030】<平均粒径と圧力損失の比較> 平均粒径と圧力損失との関係を明確にするために、上記
実施例1〜及び比較例1〜の中から、平均粒径の異
なるものを選び、それに対応する圧力損失を表及び図
1に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表及び図1から明らかな通り、平均粒径
7μmの実施例1は、平均粒径が6μm以下の比較
4及び1と比べて圧力損失が比較的小さいことが判っ
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製造方法に
より得られた排ガス処理剤、著しく比表面積が大きく
反応性が高く、排ガス中の有害な酸化物等を高効率で除
去することができ、白色度が高いため製品の見栄えが良
くその価値が高まる。また粉体の製品になったときの流
動性が良好であって、また排ガス処理時のスラリー状態
の粘性が低いため、それぞれ配管への付着や閉塞を生じ
ることがない。また高温貯蔵でアルデヒドに変成する低
級アルコールを含んでいないため、保管貯蔵時に異臭を
生じず、しかも防爆設備を不要とし、火気に対して厳重
な管理を必要とせず、排ガス処理後のセメント固化した
ときの強度が高く処分し易い利点がある。更に排ガス処
理後のバグフィルタの濾布の目詰りが生じにくく、その
圧力損失を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例と比較例による平均粒径と圧力損失の関
係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C01F 11/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 - 53/83 B01J 20/20 C04B 2/04 - 2/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化カルシウムと水とを混合して前記酸
    化カルシウムを消化させることにより水酸化カルシウム
    を製造する方法において、ヘキシットを前記酸化カルシ
    ウムに対して0.1〜10重量%の割合で前記酸化カル
    シウムと混合するとき、消化時の雰囲気を1気圧未満
    0.6気圧以上とすることを特徴とする排ガス処理剤の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 消化のための水を2回に分けて酸化カル
    シウムと混合し、1回目に混合する水にヘキシットを添
    加し、2回目に添加する水にアルカリ水酸化物を添加す
    る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 消化のための水量を酸化カルシウムの消
    化当量の2〜5倍とし、生成した水分を含む水酸化カル
    シウムを乾燥させる請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ヘキシット水溶液に水より沸点の高い有
    機溶剤をヘキシットに対して5〜100重量%の割合で
    添加する請求項1ないし3いずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 消化して生成された水酸化カルシウムに
    無機系鉱物、活性炭類及び軽量気泡コンクリート廃材か
    らなる群より選ばれた1種又は2種以上の粉末を添加混
    合する請求項1ないし4いずれか記載の製造方法
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