JP5952582B2 - 消石灰の製造方法および酸性ガス除去剤の製造方法 - Google Patents
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Description
生石灰に水を混合する第2混合工程と、
生石灰、添加剤および水と、を反応させる消化工程と、を備え、
添加剤は、ヒドロキシル基を有する有機化合物と二酸化ケイ素を含有する無機化合物とが組み合わされた物質を含み、
生石灰と水を反応させる消化工程のみで製造される消石灰(以下、「比較例」という)のBET比表面積を基準として、
二酸化ケイ素を含有する無機化合物の添加量を一定とし、ヒドロキシル基を有する有機化合物の添加量を増加させることで、比較例のBET比表面積に対して、次第にBET比表面積が増加する、
もしくは、ヒドロキシル基を有する有機化合物の添加量を一定とし、二酸化ケイ素を含有する無機化合物の添加量を増加させることで、比較例のBET比表面積に対して、次第にBET比表面積が増加する。
(消石灰の一般的な製造工程)
添加剤は、ヒドロキシル基を有する有機化合物と二酸化ケイ素を含有する無機化合物との組み合わせである。
添加剤には、二酸化ケイ素を含有する無機化合物も用いられる。添加剤は、ヒドロキシル基を有する有機化合物と二酸化ケイ素を含有する無機化合物とが混合された物質(混合物)を有するからである。
ヒドロキシル基を有する有機化合物と二酸化ケイ素を含有する無機化合物との組み合わせによる添加剤が用いられることの効果を、実験結果より説明する。
まず、発明者は、上述される無機化合物のそれぞれの単体での物性を計測した。すなわち、ベントナイト、ケイ酸塩類、クリストバライト、カオリン、含水酸化ケイ素および石炭灰、ケイ酸塩類としてのケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムおよび水ガラスのそれぞれの単体での物性を計測した。なお、いずれの物質についても、市販品を入手して、単体でのBET比表面積および水分率を計測した。
25℃である60gの水に、添加剤(添加剤を投入する例の場合)が予め投入されて、添加剤が水の中で分散される。この添加剤が分散されている水の中に、60gの生石灰が投入されて攪拌される。この攪拌を通じて、10分間に渡って消化工程が行われる。消化工程の後で、110℃で一昼夜乾燥されて、消石灰が得られる。
比較例1−1は、60gの生石灰と水による消化工程のみで製造された消石灰である。比較例1−1のBET比表面積は、12.6m2/gであり、COD値は、5ppmである。BET比表面積は小さく、不十分であることが分かる。
比較例1−2は、60gの生石灰に、添加剤として有機化合物のジエチレングリコールが生石灰に対して1.0重量%が添加されて製造される消石灰である。比較例1−2のBET比表面積は、40.0m2/gと大きいが、CODも350ppmと大きい。有機化合物によって、消石灰のBET比表面積は大きくなったと考えられるが、有機化合物のみが添加剤として用いられているので、COD値が大きくなってしまうと考えられる。COD値が大きいので、比較例1−2は、環境負荷が大きく、好ましくないと考えられる。
実施例1は、60gの生石灰に、添加剤として有機化合物であるジエチレングリコールと無機化合物であるベントナイトが添加されて製造される消石灰である。このとき、生石灰に対して0.5重量%のジエチレングリコールと、生石灰に対して1.0重量%のベントナイトが、添加剤として添加される。すなわち、実施例1は、本発明のヒドロキシル基を有する有機化合物とニ酸化ケイ素を含有する無機化合物とが組み合わされた物質を含む添加剤を用いた消石灰の一例である。
発明者は、添加剤に用いる有機化合物を、様々に変えた場合の消石灰の実験を行った。比較例として、無機化合物が含まれていない有機化合物だけの添加剤によって消石灰が製造され、実施例として、有機化合物と無機化合物とを含む添加剤によって消石灰が製造された。この第3実験の実験結果を、表3に示す。
比較例2−1と実施例2−1は、添加剤の有機化合物にプロピレングリコールを用いた相互に対となる例である。
比較例2−2と実施例2−2は、添加剤の有機化合物にジプロピレングリコールを用いた相互に対となる例である。
比較例2−3と実施例2−3は、添加剤の有機化合物にグリセリンを用いた相互に対となる例である。
比較例2−4と実施例2−4は、添加剤の有機化合物にグルコースを用いた相互に対となる例である。
比較例2−5と実施例2−5は、添加剤の有機化合物にトリエタノールアミンを用いた相互に対となる例である。
次に、発明者は、添加剤に用いられる無機化合物を変更した場合の、消石灰の効果を確認する実験を行った。実施例4−1〜実施例4−9のそれぞれは、60gの生石灰に、60gの水を加えて、消化温度25℃で消化工程を進めて得られる消石灰である。また、添加剤は、有機化合物と無機化合物とを含んでいる。なお、第4実験では、実験結果の統一を図るために、添加剤の有機化合物は、ジエチレングリコールで統一されている。これに対して、添加剤の無機化合物は、実施例4−1〜実施例4−9毎に変更されている。実施例4−1〜実施例4−9のそれぞれの消石灰のBET比表面積とCOD値が測定された。第4実験の結果を、表5に示す。
実施例4−1は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いた。この添加剤によって得られた実施例4−1の消石灰のBET比表面積は、41.2m2/gとCOD値は、110ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−2は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%のケイ酸ナトリウムを用いた。この添加剤によって得られた実施例4−2の消石灰のBET比表面積は、34.7m2/gとCOD値は、120ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−3は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%のケイ酸アルミニウムを用いた。この添加剤によって得られた実施例4−3の消石灰のBET比表面積は、38.5m2/gとCOD値は、110ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−4は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%のケイ酸マグネシウムを用いた。この添加剤によって得られた実施例4−4の消石灰のBET比表面積は、34.1m2/gとCOD値は、120ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−5は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%の水ガラスを用いた。この添加剤によって得られた実施例4−5の消石灰のBET比表面積は、33.9m2/gとCOD値は、110ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−6は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%のクリストバライトを用いた。この添加剤によって得られた実施例4−6の消石灰のBET比表面積は、35.3m2/gとCOD値は、120ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−7は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%のカオリンを用いた。この添加剤によって得られた実施例4−7の消石灰のBET比表面積は、32.2m2/gとCOD値は、120ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−8は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%の含水酸化ケイ素を用いた。この添加剤によって得られた実施例4−8の消石灰のBET比表面積は、39.2m2/gとCOD値は、110ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
実施例4−9は、添加剤の有機化合物として生石灰に対して0.2重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として生石灰に対して1重量%の石炭灰を用いた。この添加剤によって得られた実施例4−9の消石灰のBET比表面積は、31.3m2/gとCOD値は、110ppmである。BET比表面積は十分に大きく、COD値も、実用上十分に低い値である。
次に、発明者は添加剤としての有機化合物の添加量の最適値を確認する実験を行った。有機化合物の例としてジエチレングリコールを用い、無機化合物の例としてベントナイトを用いた添加剤により消石灰を製造した。ここで、有機化合物の添加量の最適値を確認するために、無機化合物であるベントナイトは、生石灰に対して1重量%で固定され、有機化合物であるジエチレングリコールのみが、生石灰に対して、0.005重量%から15.0重量%の範囲で変化された。これらの手段で製造された消石灰の評価結果(BET比表面積、COD値)を、表6に示す。
実施例3−1は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して0.005重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1のBET比表面積は、31.0m2/gであり、COD値は、5.3ppmである。BET比表面積はそこまで小さくはないが、他の実施例に比較して小さい。このため、添加剤の有機化合物は、0.005重量%では不足していると考えられる。
実施例3−2は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して0.01重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1と比較して、有機化合物のジエチレングリコールのみの添加率が増加されている。実施例3−2のBET比表面積は、34.1m2/gであり、COD値は、5.8ppmである。実施例3−1に比較して、BET比表面積が大きく、COD値も実用性で十分に低い。このため、添加剤の有機化合物は、生石灰に対して0.01重量%以上であることが好ましいと考えられる。
実施例3−3は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して0.1重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1と比較して、有機化合物のジエチレングリコールのみの添加率が増加されている。実施例3−3のBET比表面積は、35.9m2/gであり、COD値は、40ppmである。実施例3−1に比較して、BET比表面積が大きく、COD値も実用性で十分に低い。また、実施例3−2に比較してBET比表面積が増加しており、実施例3−3の消石灰が、酸性ガス除去剤などとして用いられることは好適であると考えられる。
実施例3−4は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して0.5重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1などと比較して、有機化合物のジエチレングリコールのみの添加率が増加されている。実施例3−4のBET比表面積は、36.8m2/gであり、COD値は、110ppmである。実施例3−1に比較して、BET比表面積が大きく、COD値も実用性で十分に低い。また、実施例3−2、実施例3−3に比較してBET比表面積が増加しており、添加剤の有機化合物の添加量が増加することで、BET比表面積が増加することが分かる。このことより、添加剤の有機化合物の添加量が増加することは好ましいと考えられる。
実施例3−5は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1などと比較して、有機化合物のジエチレングリコールのみの添加率が増加されている。実施例3−5のBET比表面積は、37.3m2/gであり、COD値は、200ppmである。実施例3−1に比較して、BET比表面積が大きく、COD値も実用性で十分に低い。また、実施例3−2〜実施例3−4に比較してBET比表面積が増加しており、添加剤の有機化合物の添加量が増加することで、BET比表面積が増加することが分かる。このことより、添加剤の有機化合物の添加量が増加することは好ましいと考えられる。
実施例3−6は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して5.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1などと比較して、有機化合物のジエチレングリコールのみの添加率が増加されている。実施例3−6のBET比表面積は、38.8m2/gであり、COD値は、790ppmである。実施例3−1に比較して、BET比表面積が大きく、COD値も実用性で十分に低い。また、実施例3−2〜実施例3−5に比較してBET比表面積が増加しており、添加剤の有機化合物の添加量が増加することで、BET比表面積が増加することが分かる。このことより、添加剤の有機化合物の添加量が増加することは好ましいと考えられる。
実施例3−7は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して10.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1などと比較して、有機化合物のジエチレングリコールのみの添加率が増加されている。実施例3−7のBET比表面積は、39.5m2/gであり、COD値は、1300ppmである。実施例3−1に比較して、BET比表面積が大きく、COD値も実用性で十分に低い。また、実施例3−2〜実施例3−6に比較してBET比表面積が増加しており、添加剤の有機化合物の添加量が増加することで、BET比表面積が増加することが分かる。このことより、添加剤の有機化合物の添加量が増加することは好ましいと考えられる。
実施例3−8は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して15.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例3−1などと比較して、有機化合物のジエチレングリコールのみの添加率が増加されている。実施例3−7のBET比表面積は、39.7m2/gであり、COD値は、1800ppmである。実施例3−7までと異なり、添加剤の有機化合物の添加量が増加されているにも係らず、実施例3−8では、BET比表面積の増加は収束していることが分かる。一方、COD値は増加しており、かなりの大きさである。
次に、発明者は、添加剤に用いられる無機化合物の添加量の最適値を確認した。有機化合物の例としてジエチレングリコールを用い、無機化合物の例としてベントナイトを用いた添加剤により消石灰を製造した。ここで、無機化合物の添加量の最適値を確認するために、無機化合物であるベントナイトは、生石灰に対して0重量%〜20重量%の範囲で変化され、有機化合物であるジエチレングリコールは、生石灰に対して1.0重量%で固定された。これらの手段で製造された消石灰の評価結果(BET比表面積、COD値)を、表7に示す。
実施例5−1は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して0重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−1のBET比表面積は34.3m2/gであり、COD値は、190ppmである。実施例5−1は、添加剤に無機化合物が使用されておらず、他の実施例5−2〜実施例5−9と異なりBET比表面積が小さい。すなわち、実施例5−1の消石灰は、酸性ガス除去剤などに好適に利用できにくい。
実施例5−2は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して0.005重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−2のBET比表面積は、35m2/gであり、COD値は180ppmである。添加剤として無機化合物であるベントナイトが添加されているが、添加量が少ないために、BET比表面積は、他の実施例と比較して十分であるとはいえない。このため、添加剤としての無機化合物は、0.005重量%では、最適とはいえないと考えられる。なお、この添加量での消石灰が実用できないということではない。
実施例5−3は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して0.01重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−3のBET比表面積は、35.4m2/gであり、COD値は、200ppmである。BET比表面積は十分な大きさを有しており、COD値も実用上で十分に低い。特に、BET比表面積は、実施例5−2に比較して大きい。
実施例5−4は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して0.1重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−4のBET比表面積は、36.8m2/gであり、COD値は、190ppmである。BET比表面積は十分な大きさを有しており、COD値も実用上で十分に低い。加えて、実施例5−4のBET比表面積は、実施例5−2、5−3よりも大きく、無機化合物の添加量が増加することが、BET比表面積の増加に繋がっていることが分かる。
実施例5−5は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−5のBET比表面積は、37.7m2/gであり、COD値は、200ppmである。BET比表面積は十分な大きさを有しており、COD値も実用上で十分に低い。加えて、実施例5−5のBET比表面積は、実施例5−2〜実施例5−4よりも大きく、無機化合物の添加量が増加することが、BET比表面積の増加に繋がっていることが分かる。
実施例5−6は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して5.0重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−6のBET比表面積は、38.8m2/gであり、COD値は、200ppmである。BET比表面積は十分な大きさを有しており、COD値も実用上で十分に低い。加えて、実施例5−6のBET比表面積は、実施例5−2〜実施例5−5よりも大きく、無機化合物の添加量が増加することが、BET比表面積の増加に繋がっていることが分かる。
実施例5−7は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して10.0重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−7のBET比表面積は、39.4m2/gであり、COD値は、190ppmである。BET比表面積は十分な大きさを有しており、COD値も実用上で十分に低い。加えて、実施例5−7のBET比表面積は、実施例5−2〜実施例5−6よりも大きく、無機化合物の添加量が増加することが、BET比表面積の増加に繋がっていることが分かる。
実施例5−8は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して15.0重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−8のBET比表面積は、39.7m2/gであり、COD値は、190ppmである。BET比表面積は十分な大きさを有しており、COD値も実用上で十分に低い。加えて、実施例5−8のBET比表面積は、実施例5−2〜実施例5−7よりも大きい。実施例5−8の消石灰は、酸性ガス除去剤などとして、好適に利用できることがわかる。
実施例5−9は、添加剤の有機化合物として、生石灰に対して1.0重量%のジエチレングリコールを用い、添加剤の無機化合物として、生石灰に対して20.0重量%のベントナイトを用いて製造された消石灰である。実施例5−9のBET比表面積は、39.3m2/gであり、COD値は、180ppmである。
次に、発明者は、添加剤が有機化合物と無機化合物の混合であることが、製造される消石灰に相乗効果をもたらすことを確認した。第7実験では、添加剤として有機化合物と有機化合物とを混合したもので得られる消石灰のBET比表面積の確認実験(実験その1)と、添加剤として有機化合物と無機化合物とを混合したもので得られる消石灰のBET比表面積の確認(実験その2)と、を行った。
2 添加剤
3 水
4 消化工程
5 熟成工程
6 乾燥工程
7 第1混合工程
8 第2混合工程
Claims (9)
- 生石灰および水の少なくとも一方に、所定の添加剤を混合する第1混合工程と、
前記生石灰に前記水を混合する第2混合工程と、
前記生石灰、前記添加剤および前記水と、を反応させる消化工程と、を備え、
前記添加剤は、ヒドロキシル基を有する有機化合物と二酸化ケイ素を含有する無機化合物とが組み合わされた物質を含み、
生石灰と水を反応させる消化工程のみで製造される消石灰(以下、「比較例」という)のBET比表面積を基準として、
前記二酸化ケイ素を含有する無機化合物の添加量を一定とし、前記ヒドロキシル基を有する有機化合物の添加量を増加させることで、前記比較例のBET比表面積に対して、次第にBET比表面積が増加する、
もしくは、前記ヒドロキシル基を有する有機化合物の添加量を一定とし、前記二酸化ケイ素を含有する無機化合物の添加量を増加させることで、前記比較例のBET比表面積に対して、次第にBET比表面積が増加する、消石灰の製造方法。 - 前記消石灰は、BET比表面積が、20m2/g以上である、請求項1記載の消石灰の製造方法。
- 前記ヒドロキシル基を有する有機化合物は、グリコール類、糖類およびエタノールアミン類からなる群の少なくとも一つから選択される、請求項1又は2記載の消石灰の製造方法。
- 前記グリコール類は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびグリセリンからなる群の少なくとも一つから選択され、
前記糖類は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、キシリトース、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロース、ソルビトールおよびキシリトールからなる群の少なくとも一つから選択され、
前記エタノールアミン類は、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群の少なくとも一つから選択される、請求項3記載の消石灰の製造方法。 - 前記二酸化ケイ素を有する無機化合物は、ベントナイト、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、水ガラス、クリストバライト、カオリン、含水酸化ケイ素および石炭灰からなる群の少なくとも一つから選択される、請求項1から4のいずれか記載の消石灰の製造方法。
- 前記ケイ酸塩類は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムおよび水ガラスの少なくとも一つから選択される、請求項5記載の消石灰の製造方法。
- 前記ヒドロキシル基を有する有機化合物の群から選択される少なくとも一つの添加量は、前記生石灰に対して、0.01重量%〜10重量%である、請求項3から6のいずれか記載の消石灰の製造方法。
- 前記二酸化ケイ素を含有する無機化合物の添加量は、前記生石灰に対して、0.01重量%〜15重量%である、請求項1から7のいずれか記載の消石灰の製造方法。
- 請求項1から8のいずれか記載の消石灰の製造方法で製造された消石灰を有効成分とする、酸性ガス除去剤の製造方法。
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