JP4969527B2 - 多孔質消石灰 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質消石灰に関する。
消石灰(水酸化カルシウム)は、ごみ焼却炉から排出される酸性ガス(例えば、塩酸ガスや硫黄酸化物ガス)の処理剤として利用されている。
この消石灰の製造方法としては、生石灰を水中に分散させた状態で消化させ、得られた消石灰スラリーを濾過、乾燥する方法(湿式法と呼ばれている)と、生石灰を消化に必要な理論量よりも若干過剰量の水にて消化させ、得られた含水消石灰(固形物)を乾燥する方法(乾式法と呼ばれている)とが知られている。
上記湿式法及び乾式法のいずれの方法においても、微粒子で比表面積の大きい消石灰を得るために、消化に用いる水(消化水)に生石灰の消化反応遅延剤を添加するのが一般的である。消化反応遅延剤としては、オキシカルボン酸(例、クエン酸)、オキシカルボン酸塩、糖類、糖アルコール(例、ソルビトール)、一価アルコール、多価アルコール(例、ジエチレングリコール)、一級アミン、二級アミン、アルコールアミン、コハク酸、金属コハク酸、リグニンスルホン酸塩あるいは炭酸ナトリウムなどの水溶性化合物が知られている。
湿式法による消石灰の製造方法として、特許文献1には、生石灰1質量部に対して、消化水2〜10質量部、好ましくは3〜5質量部を加えて得た消石灰スラリーを加圧濾過して、含水率50%以下、好ましくは40質量%以下のケーキとし、この消石灰ケーキを解砕機能をもつ乾燥機を用いて乾燥する方法が開示されている。そして、その実施例の記載によれば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ソルビトール又は炭酸ナトリウムを含む消化水を使用して、上記の方法によりBET比表面積が25〜37m2/gであって、BJH
法により測定された細孔容積が0.15〜0.28mL/gの消石灰が得られている。
乾式法による消石灰の製造方法として、本願出願人は、生石灰の消化を消化後に生成する消石灰の量に対して0.8〜3質量%に相当する量のジエチレングリコール(消化反応遅延剤)を含む消化に必要な理論量よりも若干過剰な量の消化水に接触させて得た、含水率が5〜30質量%(好ましくは10〜25質量%、さらに好ましくは15〜20質量%)の含水消石灰を乾燥することにより、表面積が50〜60m2/gの消石灰が得られる
ことを見出し、この知見に基づいて特許出願をしている(特許文献2)。但し、本発明者の検討によれば、上記の方法により得られる消石灰の細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)は、0.29mL/g程度である。
非特許文献1には、BET比表面積が15〜51m2/gの範囲にあり、BJH法によ
り測定された細孔容積(0〜1000オングストローム)が0.07〜0.23mL/gの範囲にある複数種の消石灰を用いて、消石灰の酸性ガス反応性と比表面積及び細孔容積との相関性を評価した結果が報告されている。そして、消石灰の酸性ガス反応性(特に、硫黄酸化物ガス反応性)は、細孔容積の方がBET比表面積よりも高い相関性を示すと結論されている。
上記非特許文献1によれば、酸性ガス処理剤として用いる消石灰は高比表面積であることよりも細孔容積が大きい方が好ましい。しかしながら、従来法により得られる消石灰の細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)はせいぜい0.29mL/g程度である。
特開2002−114543号公報 特開2003−300725号公報 Journal of the Society of Inorganic Materials,Japan,10,412−419(2003)
本発明の課題は、従来法により得られる消石灰よりも細孔容積の大きい多孔質の消石灰を提供することにある。
本発明者は、消化反応時の処理条件と生石灰の消化により生成する含水消石灰の含水率との関係について研究した。その結果、含水消石灰の含水率が35〜55質量%となる条件にて、生石灰とジエチレングリコールやソルビトールを含む消化水とを攪拌下に接触させると細孔容積の大きい消石灰が得られることを見出した。そして、さらに検討を重ねて、最初に含水率が5〜33質量%の低含水消石灰を得て、この低含水消石灰に水を加えて攪拌処理を行って含水率を35〜55質量%とするか、あるいは最初から生石灰に消化水を攪拌処理後の含水率が35〜55質量%となるように加えて攪拌処理を行うことによって、比表面積が38.2〜47.9m 2 /gの範囲であって、直径が20〜1000オングストロームの範囲にある全細孔の容積が0.315〜0.423mL/gの範囲にある消石灰が得られることを確認して、本発明に到達した。
従って、本発明は、比表面積が38.2〜47.9m2/gの範囲であって、直径が20〜1000オングストロームの範囲にある全細孔の容積が0.315〜0.423mL/gの範囲にある多孔質消石灰にある。
本発明の多孔質消石灰は、さらに、シリコーン樹脂を0.01〜1.0質量%の範囲の量にて含有することが好ましい
上記本発明の多孔質消石灰は、粉末状もしくは粒状の生石灰に、ソルビトール又はジエチレングリコールを、消化により生成する消石灰に対して0.5〜1.5質量%の範囲となる量にて含む、該生石灰の消化に必要な理論量の1.5〜5質量倍の消化水を、攪拌下に接触させることにより消化を行い、含水率が5〜33質量%の低含水消石灰を得る工程、該低含水消石灰に水を加えて攪拌し、含水率が35〜55質量%の高含水消石灰を得る工程、そして該高含水消石灰を乾燥する工程からなる方法によって製造することができる。なお、本発明において、含水消石灰の含水率は、真空乾燥機を用いて、減圧下、180℃の温度で90分間乾燥したときの乾燥減量から求めた値である。
上記本発明の多孔質消石灰はまた、粉末状もしくは粒状の生石灰に、ソルビトール又はジエチレングリコールを、消化により生成する消石灰に対して0.5〜1.5質量%の範囲となる量にて含む、該生石灰の消化に必要な理論量の3.2質量倍以上の消化水を、攪拌下に接触させることにより消化を行い、含水率が35〜55質量%の高含水消石灰を得る工程、そして該高含水消石灰を乾燥する工程からなる方法によっても製造することができる。
上記多孔質消石灰の製造方法の好ましい態様は、次の通りである。
(1)水溶性化合物が、糖アルコール及び多価アルコールである。
(2)水溶性化合物が、ソルビトール又はジエチレングリコールである。
(3)生石灰を消化水に接触させる前に、生石灰の表面を、生石灰100質量部に対して0.01〜1.0質量部のシリコーン樹脂にて被覆する工程を含む。
本発明の多孔質消石灰は、塩酸ガスや硫黄酸化物ガスなどの通常のごみ焼却炉などから排出される酸性ガスの処理剤として有利に使用することができる。
原料として用いる生石灰は、通常の工業製品として製造されている各種の粉末状もしくは粒状の生石灰を使用することができる。生石灰は、日本石灰協会参考試験方法に規定されている粗粒滴定法により測定した活性度(生石灰50g、4N塩酸使用での測定値)が200mL(5分値)以上の生石灰であることが好ましい。
本発明で用いる消化水は、ソルビトール及びジエチレングリコールよりなる群から選ばれる水溶性化合物を含む。本発明で用いる消化水は、消化反応遅延剤として、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸塩、糖類、糖アルコール(ソルビトールを除く)、一価アルコール、多価アルコール(ジエチレングリコールを除く)、一級アミン、二級アミン、アルコールアミン、コハク酸、金属コハク酸及びリグニンスルホン酸塩よりなる群から選ばれる水溶性化合物を含んでいてもよい。これらの水溶性化合物は、二種以上を混合して用いてもよい。
オキシカルボン酸の例としては、乳酸、クエン酸、酒石酸及びグルコン酸が挙げられる。オキシカルボン酸塩は、ナトリウム塩であることが好ましい。
糖類は、単糖類、多糖類のいずれでもよい。糖類の好ましい例としては、フルクトース(果糖)、ガラクトース、デンプン糖、マルトース(麦芽糖)、ラクトース、トレハロース、ブドウ糖及びショ糖が挙げられる。糖アルコールの例としては、マンニトール、インジトール、タリトール、ズルシトール、アリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、エリスリトール及びパラチニットが挙げられる。一価アルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール及びアリルアルコールが挙げられる。多価アルコールの例としては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。一級アミンの例としては、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン及びモノエタノールアミンが挙げられる。二級アミンの例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジエタノールアミンが挙げられる。アルコールアミンの例としては、エタノールアミン及びトリエタノールアミンが挙げられる。金属コハク酸の例としては、コハク酸ナトリウム及びコハク酸カリウムが挙げられる。リグニンスルホン酸塩の例としては、リグニンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
上記の水溶性化合物の中でも、糖アルコール及び多価アルコールが好ましい。
消化水のソルビトール及びジエチレングリコールの量は、消化により生成する消石灰に対して、0.5〜1.5質量%の範囲である。
生石灰の消化反応は、混合機を用いて攪拌下にて実施する。混合機には、一軸混合機などの公知の攪拌混合機を用いることができる。
本発明においては、含水消石灰の攪拌処理を、その処理後の含水率が35〜55質量%の範囲、好ましくは35〜50質量%の範囲、より好ましくは35〜45質量%の範囲となる条件で行う。攪拌処理は、一軸混合機などの通常の攪拌混合機を用いて実施することができる。含水消石灰の攪拌処理は、通常、上記の消化反応を行った混合機で行うが、消化反応用の混合機とは別の混合機で行ってもよい。攪拌時間は、一般に1〜30分の範囲、好ましくは2〜10分の範囲である。
攪拌処理は、混合機内の温度を100℃以上(好ましくは110〜200℃)に調整して、含水消石灰の水分を蒸発させながら行ってもよい。
攪拌処理後の含水消石灰の含水率は、消化により生成した含水率5〜33質量%の含水消石灰(この含水消石灰を低含水消石灰という)に水を添加して攪拌処理することにより、あるいは生石灰に直接含水率が35〜55質量%の高含水消石灰が得られるように消化水の量を接触させることにより調整する。
低含水消石灰は、生石灰の量に対して、その消化に必要な理論量の1.5〜5質量倍の量、好ましくは、1.5〜3.5質量倍の量にて消化水を生石灰に接触させ、消化熱により生成する水蒸気の排気量を調整することにより製造することができる。低含水消石灰の含水率は、15〜33質量%の範囲にあることが好ましい。含水率調整用の水にも、消化水と同様に前記の水溶性化合物を添加してもよい。
消化水の量により直接含水率が35〜55質量%の高含水消石灰を得る場合は、生石灰の量に対して、その消化に必要な理論量の3.2質量倍以上、好ましくは4質量倍以上(通常は、5質量倍以下)の量にて消化水を生石灰に接触させる。
含水消石灰の乾燥には、パドルドライヤー、ベルト乾燥機、バンド乾燥機、ロータリ乾燥機、流動乾燥機、気流乾燥機、電磁波乾燥機、赤外(遠赤外)乾燥機、真空乾燥機などの乾燥機を用いることができる。
本発明の消石灰の製造方法においては、生石灰を消化水に接触させる前に、生石灰の表面を、生石灰100質量部に対して0.01〜1.0質量部のシリコーン樹脂(例、シリコーンオイル)にて被覆してもよい。生石灰を被覆させるシリコーン樹脂の量は、生石灰100質量部に対して0.01〜0.50質量部の範囲にあることがより好ましく、0.01〜0.10質量部の範囲にあることが特に好ましい。生石灰表面のシリコーン樹脂による被覆は、部分的であっても全体的であってもよい。シリコーン樹脂は、消化水に添加する水溶性化合物と同様に生石灰の消化を遅延させる効果があるため、シリコーン樹脂にて生石灰の表面を被覆することによって、消化水への水溶性化合物の添加量を少なくすることができる。また、生石灰を被覆しているシリコーン樹脂は、そのほとんどが消化により生成する消石灰の表面に残留して、消石灰の流動性を向上させる効果もある。
生石灰の表面をシリコーン樹脂にて被覆する方法としては、シリコーン樹脂と生石灰とを混合する方法、及び生石灰との接触によりシリコーン樹脂を生成するシリコーン樹脂前
駆体と生石灰とを混合する方法を利用することができる。シリコーン樹脂前駆体の例としては、メトキシシランなどのアルコシキシシラン及びそのオリゴマーが挙げられる。
上記の方法により得られる消石灰は、消化水に添加して使用した水溶性化合物を含有し、比表面積が38.2〜47.9m 2 /gの範囲であって、直径が20〜1000オングストロームの範囲にある全細孔の容積が0.315〜0.423mL/gの範囲である。消石灰に含まれるソルビトール及びジエチレングリコールよりなる群から選ばれる水溶性化合物の量は、水溶性化合物の種類や含水消石灰の乾燥条件などによっても異なるが、通常は0.5〜1.5質量%の範囲にある。
[実施例1]
ジャケット付き一軸混合機(容量:130L)のジャケットに0.19MPaのスチームを供給して、混合機内温度を約130℃に調整した後、その内部に生石灰(200メッシュ篩80質量%以上パス、活性度:400mL)15000質量部を投入した。次いで、上記一軸混合機に、水道水15910質量部(生石灰の消化に必要な理論量の約3.3倍)に、消化後に生成する消石灰の量に対し1.5質量%に相当するジエチレングリコールを溶解させた消化水を投入した。そして、消化により生成する水蒸気を外部に排気しながら、攪拌回転数80rpmの条件にて5分間攪拌して含水消石灰を得た。得られた含水消石灰の一部を取り出して、真空乾燥機を用いて減圧下、180℃の温度で90分間乾燥したときの乾燥減量から含水率を求めたところ、その値は20質量%であった。
次に、上記の一軸混合機に水道水8260質量部を投入して、さらに上記の条件で5分間攪拌混合した。攪拌混合後の含水消石灰の含水率を測定したところ、その値は40.0質量%であった。攪拌混合後の含水消石灰を取り出して、真空乾燥機を用いて減圧下、180℃の温度で乾燥し、その含水率を1質量%以下にした後、サンプルミル(共立理工(株)製、SK−M10型)にて、30秒間解砕処理を行って乾燥消石灰粉末を得た。
得られた乾燥消石灰の比表面積及び細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)を下記の条件で測定した。その結果を表1に示す。
比表面積の測定条件:BET法
細孔容積の測定条件:BJH法(窒素脱着側)
[実施例2]
ジャケット付き一軸混合機(容量:69L)のジャケットに0.19MPaのスチームを供給して、混合機内温度を約110℃に調整した後、その内部に生石灰9000質量部を投入した。次いで、上記一軸混合機に、水道水9550質量部(生石灰の消化に必要な理論量の約3.3倍)に、消化後に生成する消石灰の量に対し1.0質量%に相当するソルビトールを溶解させた消化水を投入した。そして、消化により生成する水蒸気を外部に排気しながら、攪拌回転数85rpmの条件にて5分間攪拌して含水消石灰を得た。得られた含水消石灰の含水率を測定したところ、その値は20質量%であった。
次に、上記の一軸混合機に水道水4570質量部を投入して、さらに上記の条件で5分間攪拌混合した。攪拌混合後の含水消石灰の含水率を測定したところ、その値は37.0質量%であった。攪拌混合後の含水消石灰を取り出して、実施例1と同じ条件で乾燥と解砕処理を行って乾燥消石灰粉末を得た。
得られた乾燥消石灰の比表面積及び細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
ジャケット付き一軸混合機(容量:69L)のジャケットに0.19MPaのスチームを供給し、混合機内温度を約110℃に調整した後、その内部に生石灰9000質量部を投入した。次いで、上記一軸混合機に、水道水9550質量部(生石灰の消化に必要な理論量の約3.3倍)に、消化後に生成する消石灰の量に対し0.5質量%に相当するジエチレングリコールを溶解させた消化水を投入した。そして、消化により生成する水蒸気を外部に排気しながら、攪拌回転数85rpmの条件にて5分間攪拌して含水消石灰を得た。得られた含水消石灰の含水率を測定したところ、20質量%であった。
次に、上記の一軸混合機に水道水4570質量部を投入して、さらに上記の条件で5分間攪拌混合した。攪拌混合後の含水消石灰の含水率を測定したところ、その値は37.8質量%であった。攪拌混合後の含水消石灰を取り出して、実施例1と同じ条件で乾燥と解砕処理を行って乾燥消石灰粉末を得た。
得られた乾燥消石灰の比表面積及び細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4]
ジャケット付き万能混合機(容量:5L)のジャケットに熱媒体を供給し、混合機内温度を約110℃に調整した後、その内部に生石灰500質量部を投入した。次いで、上記万能混合機に純水723質量部(生石灰の消化に必要な理論量の約4.5倍)に、消化後に生成する消石灰の量に対し1.5質量%に相当するジエチレングリコールを溶解させた消化水を投入した。そして、消化により生成する水蒸気を外部に排気しながら、攪拌回転数:公転82rpm、自転132rpm、混合機内温度約110℃の条件にて10分間攪拌して含水消石灰を得た。得られた含水消石灰の含水率を測定したところ、その値は42.8質量%であった。この含水消石灰を取り出して、実施例1と同じ条件で乾燥と解砕処理を行って乾燥消石灰粉末を得た。
得られた乾燥消石灰の比表面積及び細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に示す。
[比較例1:特開2003−300725号(前記特許文献2)に開示された乾式法による消石灰の製造]
ジャケット付き万能混合機(容量:5L)のジャケットに熱媒体を供給し、混合機内温度を約110℃に調整した後、その内部に生石灰500質量部を投入した。次いで、上記万能混合機に純水410質量部(生石灰の消化に必要な理論量の約2.55倍)に、消化後に生成する消石灰の量に対し1.5質量%に相当するジエチレングリコールを溶解させた消化水を投入した。そして、消化により生成する水蒸気を外部に排気しながら、攪拌回転数:公転82rpm、自転132rpm、混合機内温度約110℃の条件にて10分間攪拌して含水消石灰を得た。得られた含水消石灰の含水率を測定したところ、その値は15.5質量%であった。この含水消石灰を取り出して、実施例1と同じ条件で乾燥と解砕処理を行って乾燥消石灰粉末を得た。
得られた乾燥消石灰の比表面積及び細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に示す。
表1
────────────────────────────────────────
攪拌混合後の含水消石灰 乾燥消石灰粉末の 乾燥消石灰粉末の
の含水率(質量%) 比表面積(m2/g) 細孔容積(mL/g)
────────────────────────────────────────
実施例1 40.0 47.9 0.406
実施例2 37.0 46.6 0.413
実施例3 37.8 38.2 0.357
実施例4 42.8 38.6 0.423
────────────────────────────────────────
比較例1 15.5 55.2 0.288
────────────────────────────────────────
[実施例5]
ソイルミキサー(容量5L)に、生石灰500質量部とシリコーンオイル(メトキシシランオリゴマー)0.10質量部とを投入し、乾式で3分間混合して、生石灰の表面をシリコーン樹脂にて被覆した。
ジャケット付き万能混合機(容量:5L)のジャケットに熱媒体を供給し、混合機内温度を140℃に調整した後、その内部に上記のシリコーン樹脂被覆生石灰500質量部を投入した。次いで、上記万能混合機に消化後に生成する消石灰の量に対して0.5質量%に相当するジエチレングリコールを溶解させた消化水450質量部(生石灰の消化に必要な理論量の約2.8倍)を投入した。そして、消化により生成する水蒸気を外部に排気しながら、攪拌回転数:公転82rpm、自転132rpmの条件にて5分間攪拌混合して、含水消石灰を得た。次に、上記万能混合機に純水275質量部を投入して、さらに上記の条件にて5分間攪拌混合した。
攪拌混合後の含水消石灰の含水率を測定したところ、その値は36.7質量%であった。攪拌混合後の含水消石灰を取り出して、真空乾燥機を用いて減圧下、180℃の温度で乾燥し、その含水率を1質量%以下にした後、サンプルミルにて、30分間解砕処理を行なって乾燥消石灰を得た。得られた乾燥消石灰の比表面積及び細孔容積(細孔径範囲:20〜1000オングストローム)を実施例1と同様に測定した。その結果、比表面積は42.1m2/g、細孔容積は0.315mL/gであった。

Claims (3)

  1. 比表面積が38.2〜47.9m2/gの範囲であって、直径が20〜1000オングストロームの範囲にある全細孔の容積が0.315〜0.423mL/gの範囲にある多孔質消石灰。
  2. ソルビトール及びジエチレングリコールよりなる群から選ばれる水溶性化合物を含有する請求項1に記載の多孔質消石灰
  3. さらに、シリコーン樹脂を0.01〜1.0質量%の範囲の量にて含有する請求項1に記載の多孔質消石灰。
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