JP3221908B2 - 再生骨材の製造方法および再生骨材 - Google Patents
再生骨材の製造方法および再生骨材Info
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Description
解体に伴って生じるコンクリート廃棄物から再生骨材を
製造する方法と、この方法によって得られる再生骨材に
関する。
て生じるコンクリート廃棄物の量が急速に増加してきて
いる。ところで、従来このようなコンクリート廃棄物を
利用する方法としては、これを破砕しふるい分けして廃
棄物中の骨材を取り出し、取り出した骨材を再生骨材と
して使用するといった試みがなされているにすぎなかっ
た。
からただ単に破砕しふるい分けしただけの再生骨材は、
表面にセメント水和物が付着していてこれが十分に取り
除かれておらず、そのため元の骨材と比較して吸水率が
非常に大きなものとなる。そして、これを用いてコンク
リートを作製した場合、練り混ぜ水の必要量が大きくな
り、硬化後得られたコンクリートはその強度が低く、ま
た乾燥収縮が大きくなるなどの欠点を有するものとな
る。したがって、前記再生骨材はこれを単味で骨材とし
て使用するには十分なものではなく、元の(通常の)骨
材に低比率で混ぜて使用するのにとどまっているのが現
状である。
で、その目的とするところは、吸水率が低くしたがって
通常の骨材に高比率で混ぜて使用できる再生骨材とその
製造方法を提供することにある。
記載の再生骨材では、コンクリート廃棄物を破砕・ふる
い分けして廃棄物中の骨材を取り出し、得られた骨材を
炭酸ガスと接触させて骨材の表面に付着しているセメン
ト水和物を炭酸化することを前記課題の解決手段とし
た。請求項2記載の再生骨材の製造方法では、前記骨材
を炭酸ガスと接触させるにあたり、接触処理に際しての
処理温度を温度30℃以上900℃以下とし、炭酸ガス
の濃度を5容量%以上にしたことを前記課題の解決手段
とした。請求項3記載の再生骨材では、請求項1記載の
製造方法によって得られたことを前記課題の解決手段と
した。
基づいて詳しく説明する。まず、コンクリート廃棄物を
破砕・ふるい分けしてコンクリート廃棄物中の骨材を取
り出す。破砕処理についてはジョークラッシャーなど公
知の破砕機によって行われ、またふるい分けについては
所望する再生骨材の用途に応じて各種の粒径範囲のもの
が用いられる。なお、このようにして取り出された骨材
にはその表面に多くのセメント水和物が付着しており、
またこのセメント水和物には多くの水酸化カルシウムが
存在しているのが確認されている。
せて骨材の表面に付着しているセメント水和物を炭酸化
し、セメント水和物中に存在する水酸化カルシウムを炭
酸カルシウムに変え、これにより本発明の再生骨材を得
る。炭酸ガスと接触させる条件としては、温度は特に限
定されるものではないが、30℃以上900℃以下とす
るのが好ましい。なぜなら、30℃未満では水酸化カル
シウムが炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムになる速度
が遅くなり、処理に長時間を要してしまうからであり、
一方900℃を越えると生成した炭酸カルシウムが分解
してしまうからである。
酸ガス単独のものを用いてもよく、また空気や窒素など
と炭酸ガスとの混合ガスを用いてもよい。ここで、混合
ガスを用いる場合には、混合ガス中の炭酸ガス濃度につ
いて特に限定されるものではないが、後述するように粗
砕物中の水酸化カルシウムを炭酸カルシウムにする炭酸
化処理を速め、かつ粗砕物中の水酸化カルシウムの多く
炭酸化をするうえで5容量%以上とするのが好ましく、
高濃度である方がより好ましい。なお、前記混合ガスと
しては、炭酸ガスを含む燃焼排ガスなどを用いても特に
支障がない。
コンクリート廃棄物から得られた再生骨材は、その表面
に付着しているセメント分中のセメント水和物に多く存
在する水酸化カルシウムが炭酸カルシウムに変化し、そ
の際約12%の体積膨張をともなうことによってセメン
ト水和物中の細孔が充填され、細孔量が減少することに
より、付着セメント分の強度が上がり、またその吸水率
が低下することから、従来から使用されている通常の骨
材に比べ機能的に遜色のないものとなる。
コンクリート廃棄物から得られた骨材を炭酸ガスと接触
させて骨材の表面に付着しているセメント水和物を炭酸
化することにより、セメント水和物に多く存在する水酸
化カルシウムが約12%の体積膨張をともなって炭酸カ
ルシウムに変化し、これによりセメント水和物中の細孔
が充填され、細孔量が減少することによって得られる前
記骨材に付着しているセメント水和物(セメント硬化
体)の強度が上がり、吸水率が低下する。
ば、前記骨材を炭酸ガスと接触させるにあたり、接触処
理に際しての処理温度を温度30℃以上900℃以下と
し、炭酸ガスの濃度を5容量%以上にしたので、骨材に
付着しているセメント分中の水酸化カルシウムを炭酸カ
ルシウムにする炭酸化処理が十分な速さとなり、かつ該
セメント分中の水酸化カルシウムの十分な量が炭酸カル
シウムとなる。請求項3記載の再生骨材は、請求項1記
載の製造方法によって得られたものであるので、十分な
強度を有しかつ低吸水率のものとなる。
説明する。廃棄コンクリートをジョークラッシャーで粗
砕し、得られた粗砕物を目開きが20mm、5mm、
2.5mm、1mmの各ふるいでふるい分けして表1に
示すような粒径範囲の粗骨材、細骨材A、細骨材Bを得
た。
0℃,湿度60%RH,炭酸ガス濃度が30容量%の混
合ガス槽中に24時間放置し、各骨材を炭酸ガスと接触
せしめて再生骨材を製造した。なお、混合ガス槽中にて
使用した混合ガスは空気と炭酸ガスとの混合ガスであ
り、炭酸ガスを30容量%としたものである。得られた
再生骨材と、前記方法において単に破砕・ふるい分けし
ただけの炭酸ガス処理前の再生骨材とについて、それぞ
れ吸水率と絶乾比重とを測定し、その結果を表2に示
す。なお、表2中において本発明の再生骨材は炭酸化処
理の欄が○のものであり、×のものは従来の再生骨材に
相当するものである。
は低く、絶乾比重が大きいことが確認された。
2.5〜5mmの炭酸ガス処理後の再生骨材を、通常の
コンクリート用細骨材に加え、得られた細骨材を用いて
水/セメント比=0.40、骨材/セメント比=2.0で
JISに準じてモルタルを作製し、フロー値、材令3
日,7日,28日の圧縮強度を測定した。得られた結果
を表3に示す。なお、再生骨材を通常コンクリート用細
骨材に加える混合割合としては、内割で配合する細骨材
中の0,10,30,50,70,100重量%とし
た。
ートへの混合割合を大きくしても、ほとんど強度低下が
起こらないことが確認された。
項1記載の再生骨材の製造方法は、コンクリート廃棄物
から得られた骨材を炭酸ガスと接触させて骨材の表面に
付着しているセメント水和物を炭酸化することにより、
セメント水和物に多く存在する水酸化カルシウムを炭酸
カルシウムに変化させ、これによりセメント水和物中の
細孔を充填し、細孔量を減少せしめることによって骨材
に付着しているセメント水和物(セメント硬化体)の強
度を高め、吸水率を低下させることができるものであ
る。したがってこの製造方法を用いれば、コンクリート
廃棄物から回収する骨材を、従来のごとく低い割合でな
く高い割合で、あるいは単味でコンクリートやモルタル
に配合することのできる再生骨材にすることができる。
記骨材を炭酸ガスと接触させるにあたり、接触処理に際
しての処理温度を温度30℃以上900℃以下とし、炭
酸ガスの濃度を5容量%以上にしたものであるから、骨
材に付着しているセメント分中の水酸化カルシウムを炭
酸カルシウムにする炭酸化処理を十分な速さで行え、か
つ該セメント分中の水酸化カルシウムの十分量を炭酸カ
ルシウムにすることができる。請求項3記載の再生骨材
は、請求項1記載の製造方法によって得られたものであ
るので、十分な強度を有しかつ低吸水率のものとなり、
したがって有効な再生骨材となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 コンクリート廃棄物を破砕・ふるい分け
して廃棄物中の骨材を表面にセメント水和物が付着した
状態で取り出し、得られた骨材を炭酸ガスと接触させて
骨材の表面に付着しているセメント水和物を炭酸化する
ことを特徴とする再生骨材の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の再生骨材の製造方法にお
いて、前記骨材を炭酸ガスと接触させるにあたり、接触
処理に際しての処理温度を温度30℃以上900℃以下
とし、炭酸ガスの湿度を5容量%以上にしたことを特徴
とする再生骨材の製造方法。 - 【請求項3】 コンクリート廃棄物を破砕・ふるい分け
して廃棄物中の骨材が表面にセメント水和物が付着した
状態で取り出され、得られた骨材が炭酸ガスと接触せし
められて骨材の表面に付着しているセメント水和物が炭
酸化されて得られることを特徴とする再生骨材。
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